冬馬「ドラえもんの秘密道具じゃねぇか、何でこんなところにあるんだ?」
北斗「プロデューサーが通販で買ってきてくれたんだ」
冬馬「通販って未来デパートで?」
北斗「そうかもね、もっとも…これが本物のもしもボックスという保証はどこにもないけど」
北斗「本物かどうか確かめてみる?」
冬馬「まあ試しに使ってみるか」
ガチャ
冬馬「もしも>>3が>>6なら!」
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玲音
母親
冬馬「もしも玲音が母親だったら!」
北斗「はぁ!?」
ジリリリリリリリリイ!!!
冬馬「これでよしっと」
北斗「これでよしっと…じゃないよ!」
北斗「自分が何を言ったのかわかっているのか!?」
冬馬「ああ、玲音が俺の母親だったらって…」
北斗「何で!?」
冬馬「いや…、俺の母さん昔、俺が物心つくころに死んじまったから…」
冬馬「…多分寂しさと母の欲しさで無意識にこんなことを言ったと思う」
北斗「………」
北斗(いろいろ言いたいことあるけど言わないでおこう…)
北斗「まあそれはおいといて本当に玲音が冬馬の母になったのか確かめておくか」
冬馬「それもそうだな」
ホテル
スイートルーム
冬馬「玲音、いるかぁ~?」
ガチャ
玲音「おや、冬馬と伊集院じゃないか? どうしたんだい?」
北斗「見た感じあまり変わらないようだが…」ヒソヒソ
冬馬「とりあえず聞いてみるか」ヒソヒソ
冬馬「なあ、玲音」
玲音「ん?」
冬馬「単刀直入に聞くけど、玲音って俺の母さんだよな?」
玲音「…はぁ!? 君はいったい何を言っているんだ!?」
冬馬「えっ?」
玲音「アタシが君の母親? それほど年が違わないというのに…」
玲音「アタシをおばさん扱いしたいのかい? それともただのバカなのか?」
北斗「どうやら母親じゃないようだな」ヒソヒソ
冬馬「やっぱアレ本物じゃなかったっぽいな、期待して損したぜ」ヒソヒソ
北斗(何を期待してたんだ? 親子プレイか?)
冬馬「とりあえずいきなりバカなこと言ってすまなかった、玲音…、邪魔したな 俺帰るよ」クルッ
玲音「あ、ちょっと待って」
冬馬「えっ?」
玲音「せっかく来たのに帰るなんてもったいない、客人はお持て成ししないと」
玲音「さあ、あがってよ、見せたいものがあるから」
冬馬「…それじゃあお言葉に甘えて」
北斗「邪魔するよ」
冬馬「それにしてもスイートルームって相変わらずでけぇな」
冬馬「翔太にも見せてあげたいぜ…」
冬馬「…っ!」グッ!
北斗「どうかしたか?」
冬馬「いや、ちょっと腹が痛くなっただけだ」
北斗「そうか、気をつけろよ それで、見せたいものって何だい?」
玲音「アタシの新曲、アルティメットアイズのPVだ」ピッ
玲音「どうかな? 君たちの感想を教えてもらいたいのだけど」
冬馬「アクセルレーションといい玲音の歌は爽快感があるな」
北斗「純粋に楽しんで歌ってるね、しかしこの曲、俺にはとても扱えないな」
北斗「まさに君のためにある君だけの歌だね」
玲音「ほめてもらえて嬉しいよ」
冬馬「だがこれを見せるために引き止めたわけじゃないだろ?」
玲音「え?」
冬馬「え?」
北斗「ああ、本当にこれを見せるために引き止めただけか」
冬馬「何だよ、ただ感想を聞きたかっただけじゃないか!」
玲音「だってアタシだって実際にあれでよかったかどうか不安だったから…」
冬馬「不安がってるのは玲音だけだろ! 全く…俺帰る」
北斗「チャオ☆ いい歌聞かせてありがとう」
玲音「それじゃあね」
バタン
玲音「さて、そろそろ潮時かな…」
事務所
冬馬「おい、プロデューサー!」
P「なんでしょうか?」
冬馬「このもしもボックス偽者だろ! 使っても何もおきなかったぞ!」
P「ええ!? あれ使っちゃったんですか!?」
P「なんてことをするんですか! 冬馬さんったらもう…!」
冬馬「えっ…、俺なんかまずいことしたのか?」
P「あれはただのもしもボックスじゃないんですよ! あれを使うと…」
冬馬「ちょっと待て! なんかテレビが騒がしい…」
『続いてのニュースです、オーバーランクアイドルの玲音さんが突如引退宣言をしました』
P・冬馬「えっ!?」
『関係者によりますと本人の意思によるものだと発言しており、ただいま詳しい詳細を調査しています』
P「れ、玲音が引退!?」
冬馬「どうなっているんだよ…?」
数日後
ガチャ
玲音『やあ、冬馬…かかってくると思ってたよ』
冬馬「ずっとかけてたさ、何度も何度も留守だったがな」
玲音『ゴメンゴメン、事情があったんだ』
冬馬「それよりどういうことだよ! 引退って…」
玲音『…前見たアルティメットアイズ、覚えているかい?』
冬馬「あ、ああ…よくできてたと思うが…」
玲音『実はあれ、半分本気を出してない状態で踊ったんだ』
冬馬「何!?」
玲音『トップオブトップになってから、全世界の人はアタシが歌うだけでありがたいと称えたり』
玲音『アタシが踊るだけで審査員や偉い人たちも素晴らしい物が見れたと涙流す』
玲音『たとえそれがアタシが全力を出してなくてもね』
玲音『いつなのかわからないけど、いつの間にかアタシが踊るだけでそれで満足する人が溢れ返ってしまったんだ』
玲音『肝心の中身の歌とダンスがどんなに大雑把であろうと、ファンたちは神を拝むようにアタシを称える』
玲音『何故かみんなが欲しているものがアタシの歌じゃなくてアタシそのものになってしまったんだ』
玲音『これじゃあなんのためにアイドルをしているのか…、歌とダンスがあってのアイドルなのに…』
冬馬「玲音…」
玲音『だからもうやめだよ、やめ…もう馬鹿馬鹿しくなっちゃった』
玲音『こんなことを言ったら、君はきっと怒るだろうね』
冬馬「ああ…ものすごくな…」
冬馬「だが…、その気持ち…わからなくもないぜ…」
玲音『そうか…』
冬馬「これからどうするんだ?」
玲音『自分探しの旅…かな、もう一度アタシの歌とダンスを欲する人たちが現れるその日まで、玲音は姿をくらますよ』
玲音『君の声もしばらくは聞けないことになる』
冬馬「…寂しいものだぜ、だが俺は戻ってくるまで待ってる、心細くなったらいつでも電話をしてくれよな」
玲音『ありがとう、それじゃあね』ガチャ
ツー ツー ツー
冬馬「………」
冬馬「…ざけんな…」
冬馬「ふざけんな! そんなんで引退とかバカにしてるのか!」
冬馬「俺たちの差を広げては広げまくって引退だと!? 舐めてんじゃねえぞ!」
冬馬「この……ぐっ!」グラッ
バタリ
北斗「どうかしたか冬馬? でかい声出して」
冬馬「……ぅ……ぁ…」
北斗「冬馬? しっかりしろ、冬馬! 冬馬ァ!!!」
ピーポーピーポー
フロント「それではここにサインを」
玲音「はい」スラスラ
フロント「ありがとうございました」
玲音「それじゃあ」
キィィィィ
玲音「さて…、これからどうしようか」テクテクテクテク
玲音「目的地がなくてどこか行く当てのない旅は結構やりにくい、目的があったほうがやりやすいね」テクテクテクテク
玲音「旅然りアイドル然り」テクテクテクテク
玲音「それにしても霧が濃くなってきたね…、そもそもこの日本でこれほど濃い霧なんて体験したことない…」テクテクテクテク
テクテクテクテクテクテクテク
玲音「おかしい…前が全く見えない…」
玲音「あかりも見えないし人影すらも見当たらない」
玲音「それだけじゃない…さっき聞こえていた車の音も鳥の鳴き声すらも聞こえなくなった…」
玲音「一体どうなっているの? とても不気味すぎる」
スウウウウウウウウウウウウ…
玲音「ふぅ…、やっと霧が晴れてくれたよ…」
玲音「………えっ?」
プーーーープーーーーーーー!
玲音「何なんだ一体これは…そんな…」
ワイワイ ガヤガヤ
玲音「急に人と車が増えた!? それだけじゃない…なんかさっきと風景が違う…」
玲音「それにここ周辺はビルが多いはずなのに今いる場所はあまりない!」
玲音「服装もちょっと古い…車も今は見ない前のものばっかりだ」
玲音「そして極めつけはこの電機屋、ショーウィンドウに飾られているのはブラウン管テレビ!?」
玲音「わけがわからない…、まるで過去へ来たような感じだ…」
グ~~
玲音「…おなかすいたからあのハンバーガー屋で何か食べるか」
店員「いらっしゃいませ~」
玲音「これとオレンジジュースください」
店員「かしこまりました~」
玲音(妙だ…、外にでてからあまり歩いていないのにかなり遠くに来たような気がする)
店員「お待たせしました、全部で420円になります」
玲音「1000円で」
店員「はい……えっ?」
玲音「なにか?」
店員「これなんですか?」
玲音「いや、1000円札ですけど?」
店員「これが? それじゃあこの絵の人物は? 野口英世? 1000円は夏目漱石のはずですが?」
玲音「え!?」
玲音(夏目漱石!? そんなバカな、もう発行されてないはずだ!)
玲音(まさか…本当に過去に!?)
店員「もしかしてこれって…」
玲音(まずい! 何とかしないと!)
玲音「待ってください、420円ですね」チャラチャラ
玲音「はい、500円玉です、どうぞ、すみません…間違えてマジック用ので払いそうになって」
玲音(これは昭和57年の500円だ、これなら何とかなるはず…)
店員「…まあ、それなら問題ありません」
玲音「すみません、ご迷惑をかけて…」
店員「ハイ、80円です…気をつけてくださいね」
アリガトウゴザイマシター
玲音「はぁ…、まさかこんなことになるとは…」
玲音「でもまさかタイムスリップとかそんな漫画みたいなことがおきるなんて」
玲音「…いや、本当にタイムスリップとか起きたのかな?」
玲音「…とりあえずいろいろ見て回ろう」
765プロになるところ
玲音「下の居酒屋はそのままあるけど上の事務所が違う」
玲音「そして歩いている時、電気屋のテレビや広告を見たら20年前の宣伝や情報ばっかり」
玲音「まさか本当に…そんな…」
玲音「アタシは20年前の過去に戻ったとでもいうの…?」
玲音「そんな…」ガクリ…
玲音「どういうこと…まさかさっきの霧のせい?」
玲音「いや馬鹿な………そんな非現実的なことが…」
玲音「参ったね…一体なんでこんな…」
???「そこのキミ」
玲音「え?」
黒井「なかなか見所あるな…、私の求めていた人材にふさわしい」
黒井「どうだね? 私の下でアイドルをやってみないか?」
玲音「何だって!?」
黒井「私の手によってプロデュースをすれば君は間違いなくトップになれるぞ」
黒井「どうだ、私と共にやらないか?」
玲音「………」
玲音「参ったね…一体なんでこんな…」
???「そこのキミ」
玲音「え?」
黒井「ふむ…なかなか見所あるな…、私の求めていた人材にふさわしい」
黒井「どうだね? 私の下でアイドルをやってみないか?」
玲音「何だって!?」
黒井「私の手によってプロデュースをすれば君は間違いなくトップになれるぞ」
黒井「どうだ、私と共にやらないか?」
玲音「………」
玲音「アタシはもう…」
黒井「別に拒否しても構わん、貴様が一生後悔してもいいならな」
玲音「くっ……」
黒井「ふふふふ…、さあどうする? トップになりたかったら私のところへ…」
???「ちょっとあなた!」
黒井「うん、なんだ?」
天ヶ瀬「彼女が困っているでしょ、やめてください!」
玲音「と、冬馬!?」
玲音(いや、見た目は瓜二つだけど眼鏡をかけている)
黒井「なんなんだいキミは? 部外者はすっこんでいて貰おうか?」
天ヶ瀬「いやだって彼女が…」
黒井「キミには関係ないだろ、さあ…、どうだ? 私のところへ来るつもりは?」
玲音「…いや、全くないよ」
黒井「何? 貴様、頂点に立ちたくないのか?」
玲音「ゴメン、アタシそういうのにはあまり興味ないから」
黒井「ふざけるな! 後悔するぞ!」
玲音「それに彼氏が目の前で助けてくれているのに気遣いを裏切るわけにはいかないからね」
黒井「か、彼氏?」
玲音「それじゃあ行こうか」グイッ
天ヶ瀬「えっ?」ダッ!
黒井「ああおい、待て!」
黒井「…クソッ! また失敗してしまった!」
天ヶ瀬「はぁ…はぁ…」
玲音「助けてくれてありがとう」
天ヶ瀬「いや、あれ助けたうちにはいるのかな?」ハァハァ
玲音「キミが止めてくれなかったらまだ迷っていたか連れて行かれたと思う」
天ヶ瀬「そ、そうなんだ…」ハァハァ
玲音「自己紹介が遅れたね、アタシは玲音」
天ヶ瀬「ああ…玲音というんだ、変わった名前だね」
玲音「よく言われているよ」
天ヶ瀬「俺は天ヶ瀬……ダメだ、息が苦しい…」ハァハァ
玲音(天ヶ瀬…やっぱり彼は冬馬の…)
天ヶ瀬「とりあえず無事でよかったよ…ところで一体なにをしていたの?」
玲音「ああ、あのおっさん、アタシをさらおうとしたんだけど…運よく君が現れたんだ」
玲音「君が来てくれたおかげでうまく脱出できたよ、本当にありがとう」
天ヶ瀬(俺そんなにお礼言われるほど活躍できたかな?)
天ヶ瀬「まあとりあえず無事で何よりだよ、それじゃあ俺はこれで」
玲音「ああ、ちょっと待って!」
天ヶ瀬「え?」
玲音「実はアタシ、外国から日本にやってきたんだけど財布を掏られてお金がなくて」
玲音「警察に被害届を出したんだけど…、持ち金がもうあと少ししかなくなったんだ」
玲音「そのせいで泊まれるところがなくてとても困っているんだ、それで…」
天ヶ瀬「ああ、確かに玲音って外人さんっぽい名前だね」
天ヶ瀬「それで泊まれるところがないって…」
玲音「そう、悪いんだけどしばらくキミのところに泊まらせてくれないかな?」
天ヶ瀬「…ええっ!?」
天ヶ瀬「こ、困るよ! 俺一人暮らししてるしそれに部屋狭いし…」
天ヶ瀬「第一お互いのことよく知らないし」
玲音「…確かに、いきなり見ず知らずの他人に急に泊めてくれなんて言われても迷惑なだけだよね」
玲音「ゴメン、この話はなかったことにして…アタシはしばらく駅か公園でしばらく過ごすよ」
天ヶ瀬「え!? ちょっとそれは…」
玲音「本来ならホテルに泊まるつもりだったけど…まさか野宿とはね」
玲音「凄い転落だよ、まるでマリー・アントワネットだ…ハハッ……」
玲音「…………………」
天ヶ瀬「…あっ…その…」
天ヶ瀬「ほかにどうしても泊まるところがないなら、来てもいいけど…」
玲音「いいのかい!」
天ヶ瀬「仕方ないじゃないか! 女性をホームレスにさせるわけにはいかないからね」
玲音「ありがとう、礼を言うよ!」
天ヶ瀬「ああ、困ったときはお互い様だ!」
玲音(フフッ…これで食事と寝床は確保できた、しばらく付き合ってもらうよ)
玲音(さて、これからどうしようかな…)
今日はここまで
この設定は自分では扱いにくいと感じましたのでこの物語は終わりにします
中断してしまって申し和下ございませんでした
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