瞳子「嘘よね……」
「体も売らない。芸も二流、歌も歌えない。使えないのは当然でしょう」
瞳子「嫌よ!私、何でもするから、だから、お願い……、仕事を……、ください……」
「ん?今、何でもするって言いましたよね」
瞳子「え、ええ……」
「ジュピターって男性アイドル知ってますか?」
瞳子「聞いたことがない方がおかしいわ」
「ちょっとスキャンダル起こしてくださいよ」
瞳子「なっ……」
「もう、あなたの純潔になんか誰も興味ないんで、ある所から奪ってくださいよ、ね」
瞳子「ふざけ……」
「なら、さようならです」
瞳子「……、残念ね……」
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瞳子(前の事務所の最後の瞬間を思い出してしまったわ……)
瞳子(今はPさんも、仲間もたくさんいるのに……)
P「瞳子さん!」
瞳子「な、何かしら?」
P「今日のテレビ局での仕事中に私はついてけないという話をですね……」
瞳子「ごめんなさい、ちょっと上の空になってたわ」
P「まあ、瞳子さんなら大丈夫でしょうし気にしすぎですかね」
瞳子「そうね……、大丈夫よ」
P「すいません」
瞳子「そんなに気にしなくても……」
瞳子「!」
「久しぶりですね」
瞳子「ええ……、そうね……」
「今のあなた、なかなか……評判がよろしいようで……」
瞳子「おかげさまでね」
「そう睨まなくてもいいじゃないですか。それに今のあなた……」
瞳子「さ、触らないで!!」
「綺麗ですよ……」
瞳子「都合のいいことを……」
「気分が変わったら、またうちに……、いや、私の愛人でもいい……」
瞳子「ふざけな……」
「ちょっと、脅すようですが大事務所が圧力をかけるだけで小さな事務所は……」
瞳子「脅迫じゃない……」
「まあ、期待していますよ……」
瞳子「二度と顔を見せないで!!」
瞳子(あの人のせいで、あまり仕事に集中できなかったわ……)
瞳子「……、気にするだけ無駄ね」
「あ、すいません」
瞳子「何かの勧誘かしら?だったらお断りしたいのだけど……」
後藤「あの私、後藤と申しまして……、その……、関係者の方に備品のことについていくつかアンケートを……」
瞳子「それなら構わないわ」
後藤「ご協力ありがとうございます!」
後藤「ご協力ありがとうございました」
瞳子「いえ、別に」
後藤「それでは私はこれで……」
瞳子「お疲れ様でした」
「関係者、ですか……」
瞳子「何よ、今さら私の前に現れて何をしようっていうの!?」
「別に。あなたと私は部下と上司。パートナー同士だったじゃないですか。だから、ちょっとした提言をしているだけですよ」
瞳子「元プロデューサーだった。今は、あなたに会う必要も話す必要もないわ」
「冷たく切り捨てたのは謝りましょう。でも、私は今も昔も本気で愛人にしたいとは思っていましたよ」
瞳子「帰って。私はもう新しい人生を歩み始めたのよ!!」
~数日後~
瞳子「仕事が0……」
P「こんなことって……」
晶葉「どうかしたのか?」
瞳子「な、なんでもないのよ」
P「そ、そうだぞ!」
晶葉「ならば良いが……、最近皆が事務所にいる機会が増えたな」
P「あ、ああ……」
晶葉「仲間なんだからいつでも頼ってくれ。な、アッキー」
アッキー「わん!」
瞳子「ありがとうね……」
瞳子「……、来たわね」
「ふふ……、圧力はかけるものですね」
瞳子「あなた一体……」
「暴力団」
瞳子「くっ……」
「ははは、あなたは逆らえない。仲間の村上さんに頼めばいいじゃないですか」
瞳子「どこまでも……」
「愛人になってくれますか?妻子がいるんでなるべくバレないようにお願いしたいのですが……」
瞳子「わかっ……」
トゥルルルル
瞳子「失礼、何かしら?」
「ふふふ……、いつまでも待ちますよ……」
後藤「あ、後藤という者ですが覚えていらっしゃいますでしょうか?」
瞳子「は、はい……」
後藤「実はうちの企業の新事業で化粧品をやることになりまして……」
瞳子「は、はい」
後藤「CMの際は是非あなたにと……」
瞳子「ほ、本当ですか!」
後藤「プロデューサーさんにはもうお話を通していまして……」
瞳子「あ、ありがとうございます!」
後藤「それでは失礼します」
瞳子「は、はい!」
「仕事用の携帯を手放さない。新しいプロデューサーに教えてもらったんですか?」
瞳子「ええ。優秀なプロデューサーよ」
「ふふ……、ま、挑戦状としてお受けしましょう」
瞳子「悪の栄えた試しはないわ」
「力こそ正義ですよ」
瞳子「気に入らないわ」
「気に入らせてあげますよ」
今回の更新はここまでにします。
~翌日~
後藤「どうも、どうも」
P「ありがとうございます」
後藤「いえいえ、実は部下の提言で服部さんにお任せしようと決めまして……」
P「そうなんですか」
後藤「ええ、まぁ変わったやつで……、おっと横道に反れましたね」
P「構いませんよ」
後藤「すいません。では本題に参りましょう。わが社の化粧品は……」
P「ありがとうございます」
後藤「我が社の社運をかけた一大事業ですから」
P「うちにとっても大事な仕事なので頑張らせていただきます!」
後藤「頼りにしていますよ」
P「こちらこそ!」
後藤「はははははは」
P「ははははははは」
瞳子「女性の素顔って怖いですよね」
瞳子「素顔を隠すのに技術は必要ないんですよ」
瞳子「素顔を隠した女性ってなんか芸術的」
瞳子「大人の女性になりませんか?」
瞳子「そのために必要なのはこの手ですね」
瞳子「GKファンデーション、好評発売中」
スタッフ「OKです!」
後藤「素晴らしかったです。いやー、部下の目に間違いはありませんでした」
P「いえいえ、こちらこそお仕事を頂けて光栄です」
後藤「また、CMの際にはお世話になりますので……」
P「いえいえ、こちらこそ……」
「困るなぁ……、こんなことされちゃ……」
「脅しでもかけますか。欲しいものを手に入れるのに手段なんて選んではいけませんし」
「誰でも言うじゃないですか。所詮は結果だって」
「過程を気にする人ほど逃していく、欲しいものも好機も全てを」
「だからこそ、貪欲に手に入れなければならない。こんなの子供でも分かる」
「綺麗事は全てを曇らせる。必要悪を認識できない者はいつだって邪魔でしかない」
「消すしかない。それしかない」
「こんなことを教えてあげないといけないなんて。罪な人ですよ、瞳子さん……」
後藤「はっ!?」
「だから、言ってるじゃないですか。CMの放映を中止しなければ、ね」
後藤「何をバカなことを……」
「暴力団けしかけちゃいますよ」
後藤「うちの会社はそんな脅しに屈しない!」
「そんなこといって……、あなたの判断でしょう」
後藤「何を言っているんだ。これ以上やると営業妨害で訴えるぞ」
「おお、怖い怖い。ま、そんなことも言えるのは今日まででしょうが……」
後藤「切るぞ!!」
???「後藤さぁん、ちょっと待ってくださいよぉ」
後藤「お、お前は……」
小野「お電話代わりました。私、小野大介と申します」
「なんなんですか、あなたは?」
小野「嫌だなぁ、本当は分かってるくせに……」
「何を……」
小野「あなたがおっしゃている後藤の上司ですよぉ……」
「な、何ぃ!?」
小野「あなたの後ろ盾の暴力団って、架空でしょ?」
「そんなことはない。後悔させてやるぞ……」
小野「ご勝手にどうぞ」
「じゃあ、失礼させてもらいますよ!」
小野「アッハハハ……、随分こらえ性のない人ですねぇ……」
今回はここまでにします。ホモが出せて一安心しました。
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