【安価】バラガン「フン。正月大作戦じゃな」【BLEACH】 (122)

安価スレです

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バラガン「さて貴様等、正月の準備は予定通り進んでおるのであろうな?」


アビラマ「はっ! 仰せの通り着々と進行しております!」


フィンドール「今や虚夜宮は正月ムード一色。この短期間でここまで漕ぎつけられたのも陛下の迅速なる指示があった故!」


バラガン「フン……」


ジオ「ですが、正月に向けての手筈は大方整ったとはいえど……肝心の催しの内容が……」


バラガン「馬鹿者が。何のために儂が貴様等を正月の準備に奔走させたと思っておる。貴様等が動いておる間に正月に開く催しの二つや三つ、とっくに儂が考えておいたわい」


ジオ「は、はっ! も、申し訳ありません。とんだご無礼をっ……!」タジッ



バラガン「さて。催しについてじゃが一度しか言わんぞ」


バラガン「此度の正月には三つの催しを開く予定だ。手筈は既にそこのクールホーンに伝えてある。貴様等は催しの準備を引き続き進めろ」


バラガン「わかったな? 一辺の綻びも露呈させるでないぞ。貴様等に正月の準備に失敗して戻る場所などない」


バラガン「門松の飾られておらん道を、雪の積もっておらん大地を、この儂に歩かせるな」


バラガン「言え! 貴様等は誰の部下だ!!!」


アビラマ「はい!」


フィンドール「我々は“大帝”バラガン・ルイゼンバーン陛下の従属官!!」


ジオ「あらゆる作業を完璧にこなし!」


クールホーン「必ずや正月の準備を! 私たちの力でもって成功させてご覧に入れます!!」


バラガン「フン」


バラガン「この場におらん者にもこの事を伝え、各自最終準備に当たれい!!」




正月に行う一つ目の催しは? >>↓1

二つ目の催しは? >>↓2

三つ目の催しは? >>↓3




アビラマ「フィンドール! そこのレシピ取ってくれっ。今手が離せねえんだ!」


フィンドール「手が離せないのはこっちも同じだ! 何せ料理なんてこの方一度も作ったことがないんだからな!」


クールホーン「でも流石はバラガン陛下だわ。あたしたちじゃ他の虚たちにおせち料理を振る舞うなんてことは思いつかないもの」


ニルゲ「それに現世の食材と霊蟲を掛け合わせた滋養料理を作れ。って仰ったのもバラガン様なんだろ? 旨いモン食って霊圧も回復するってのはすげえ案だよなあ……」


アビラマ「なに呑気に無駄話してんだお前ら! 熱ちっ! くそっ、お前らは楽そうな作業で羨ましいぜ……!」


クールホーン「あら、さっき“煮物を作るなんて怠い作業はやってられねえ! 俺は焼き物を担当させてもらう!”とか言ってたのはどこの誰だったかしら?」



ペッシェ「はっ!」ペッタン!


ドンドチャッカ「餅をひっくり返すでヤンス~!」クルリ


ペッシェ「ほっ!」ペッタン!


ドンドチャッカ「餅をひっくり返すでヤンス~!」クルリ


ネル「これが餅つきっつーヤツっスか。楽すそうっスね!」


ジオ「そうだ。これもおせち料理の一つとして重箱に入るらしいからしっかり作ってくれよ?」


ネル「かしこまったっス!」


ドンドチャッカ「あっ! 手が滑ったでヤンス!」ヒョイ!


ペッシェ「熱ちちちちち!!! 餅が頭に!」ジタバタ


ポウ「まったく。騒がしいやつらだヨ……」



当日


スターク「おお、すごい人数だな。座るとこあるのかこれ」


リリネット「なに言ってんのさスターク。座席は指定って連絡が来てたでしょーが」


スターク「ん? そうなのか。んじゃ早いとこ座ろうぜ」



アパッチ(ちっ……回りにちらほら十刃のヤツらも見えるな。流石にちょっと緊張するぜ……)


ミラ・ローズ(あたしらはハリベル様の従属官。この集まりで弱さを見せたらハリベル様に恥をかかせることなっちまう……)


スンスン(ここは気丈に振る舞わなくてはなりませんわ……)


ハリベル「どうしたお前たち。ここは祭事を楽しむ場だ、もう少し肩の力を抜いてもいいのだぞ?」


アパッチ「は、はい……」タジッ


ミラ・ローズ(くっ……あたしらが気負ってるせいで逆にハリベル様の気を遣わせちまうことになるとは……)


スンスン(不覚ですわ……)



ウルキオラ「…………」


ノイトラ「よう、第4十刃さんよ。んなとこでボーッと突っ立ってどうしたよ?」


ウルキオラ「ノイトラか……」


テスラ「久しくお目にかかります。ウルキオラ様」ペコリ


ノイトラ「おいテスラ。こんな奴に頭なんざ下げるこたァねえよ」


ウルキオラ「お前たちこそここで何をしている」


ノイトラ「はっ、俺らの通り道にてめえが突っ立ってて邪魔くせえからどかしてやろうと思ってな。気に障ったかァ?」


ウルキオラ「…………」スタスタ


ノイトラ「ちっ、てめえから訊いといてシカトかよ……」


テスラ「私たちも急ぎましょう、ノイトラ様」



ザエルアポロ(クク……まさかバラガンの奴に借りを返す機会がこんなにも早く訪れるとは……)


ザエルアポロ(この前はあいつらのせいで大変な目にあったからね。今日の大会で僕と君の格の違いを思い知らせてあげるよ……!)


ザエルアポロ「クク……」


ザエルアポロ「ハハハ……」


ザエルアポロ「ハハハハハハハハハッ!!!!」



「うるさいぞっ!!!!」



ザエルアポロ「!?」ピクッ


アーロニーロ「なーんてな」「チョット君ニ似テタデショ?」


ザエルアポロ「アーロニーロか……。まったくふざけた真似をしてくれる……!」


アーロニーロ「ふざけてるって言えばお前メガネ変えたのか?」「ソノ瓶底メガネハ実ニ君ニオ似合イダヨ、ザエルアポロ」


ザエルアポロ「ほう、やはりこのメガネは万人から見ても僕に似合っているということか! バラガンに強制的に貼りつけられた時は怒りが沸いたがよくよく鏡で見てみたら僕自身このメガネを中々に気に入ってしまってね。君に褒められる前からこのメガネと僕に素晴らしい美的感覚の統一性が存在していることは解っていたけどね。今やこのメガネは多数の機能と共に僕の身体の一部分と言ってもいいほどまでにその存在を昇華させ……」ベラベラ


アーロニーロ(別に褒めてないんだがなぁ……)(デモ機嫌モ直ッタミタイダシ、マアイッカ)



バラガン「さて。どうやら全員集まったようじゃのォ」


クールホーン「陛下。そろそろ……」



バラガン「フン……。全員訊けい!!!!」



バラガン「これより正月の催しを開催する!!」


バラガン「まずは通知にもあった麻雀大会についての説明じゃ。この大会への参加者総数は計十六!」


バラガン「十刃の連中はもちろん強制参加。残りの六枠に入る者はこれより抽選を行い決定する」


アパッチ(なにっ! この大人数で麻雀はキツいとは思ったがまさかの抽選かよ……)


ミラ・ローズ(バラガンをこの大会でギャフンと言わせてやろうと思ったけど、こうなっちまうとは……)


スンスン(これだけの人数の中から六枠というのは少々辛いものがありますわね……)



チルッチ「ふ~ん。ってことは十刃落ちのあたしたちにも参加するチャンスはあるってことね」


ガンテンバイン「面白れェ。選ばれさえすれば俺らも十刃と同じ舞台で戦えるっつうことだな」


ドルドーニ「吾輩はこのような機会が訪れるのを心待ちにしていたのだ……。今の十刃の面々と力の全てを酌み交わせるこの時が訪れるのを!」


ルピ「ま、キミたちはどうせ選ばれないから安心していいよ」


ドルドーニ「これはルピ殿! お怪我の方はもう……?」


ルピ「もうバッチリさ。グリムジョーの奴に左半身を吹き飛ばされた時は流石に終わったと思ったけどね。虚閃を撃たれる直前に少しだけ身体をそらしたのが功を奏したよ」


ルピ(ハハハ。あの時の屈辱はこの場で返させてもらうよ、グリムジョー……)



バラガン「さあ。全員このくじを引けい!」



麻雀大会の参加当選者は誰? >>↓1から>>↓6




スンスン「当たりましたわ!」


アパッチ「なんだと!?」


ミラ・ローズ「ちっ、無駄に運を使いやがって……」



チルッチ「あら。当選しちゃったわ」


ルピ「なっ……!」


ガンテンバイン「まァ。仕方ねェか……」


ドルドーニ「おめでとうチルッチ殿。吾輩達の分も是非頑張ってきてくれたまえ」


チルッチ「悪いけど、他人を背負って戦うのは苦手なのよね。あたしはあたしの好きにやらせてもらうわ」



イールフォルト「よっしゃ当たったぜ!」


エドラド「おう。良かったなイールフォルト」


シャウロン「だが、お前はまだ現世侵攻時の傷が癒えたばかりだ。あまり無理をするのは止すんだぞ」


イールフォルト「心配すんな!」


ザエルアポロ(……クク、まさかあのカスも参加することになるとはね)



ロリ「あっ! 当たってる!」


メノリ「私も当たったみたいね」



アビラマ「おい。最後の一枠は誰だ!」


藍染「私だ」ピラッ


アビラマ「あ、藍染様でしたか……」ザッ


藍染「なに、今日は無礼講だ。頭は下げなくていいよ」


アビラマ「はっ……」


バラガン(フン。藍染惣右介、まさかこやつも出張って来るとはな……)



バラガン「ともかく。これで決まったな」


バラガン「先に言っておくが、この大会では優勝者と準優勝者に儂とボスで選んだ賞品が付与されることになっておる。優勝者はどちらを選んでも構わん」


バラガン「賞品には>>↓1と>>↓2を用意しておるからのォ。高みを目指して精進せい!」

麻雀のグループ分けも安価にしたほうがいいですかね?

インフルエンザにかかり少々床に伏しておりました。遅くなりましたが夕方ごろに再開します



ウルキオラ「!!」ガタン!


アパッチ(うおっ!)


ミラ・ローズ(な、なんだウルキオラの奴いきなり立ち上がって……!)


ウルキオラ「何をグズグズしている貴様ら。さっさと始めるぞ」


スターク「お、おう……」


ヤミー「なんだぁ? えらくやる気じゃねえかウルキオラぁ」


ウルキオラ「無駄口を叩く暇があったらさっさと卓につけ。ヤミー」



スンスン「ハリベル様、王鍵とはいったい……?」


ハリベル「王鍵か。聞いたことがないな……」


スンスン(ハリベル様ですら存じない物とは……。いったいどのような物なのでしょう?)



バラガン「ルールは理解しておるな貴様等。四つに分けた組の中から各一位の者のみが決勝に進む権利を得る」


ウルキオラ「そんなことは言われずとも理解している。さっさと始めてくれバラガン」


アビラマ「おい、陛下に対して口が過ぎるぞ!」


ウルキオラ「貴様は黙っていろ」


バラガン「まったく愛想のないガキじゃのォ」



Aブロック 藍染 ロリ メノリ スンスン



藍染「私の思い過ごしかな。何やら私と君たちとの間に少々距離があるように感じるのだが」


ロリ「そんなの当り前でしょ。誰だってオナ……」


メノリ「ロリっ!」


ロリ「あっ」


スンスン「申し訳ありません。藍染様ほどの霊圧をお持ちですと、私たちのような下級大虚としては近づくだけでも息苦しく……」


藍染「そうか。どうやら私としたことが君たちに対しての配慮が足りなかったようだね。それに先程も言ったが今日は無礼講だ、私に対してそこまで気を遣わなくてもいいよ」


藍染「もう霊圧は抑えた。さあ、始めようか」



メノリ「助かったわ……」ボソッ


スンスン「この貸しは高くつきますわよ。ロリ、メノリ」ボソッ


ロリ「わ、悪かったわね……」ボソッ



Bブロック ウルキオラ グリムジョー ゾマリ ヤミー



ゾマリ「ダブル立直」タンッ


グリムジョー「あぁ? またダブリーかよ」


ゾマリ「私のリーチは十刃最速。お忘れなく」


ヤミー(同じ牌切っとくか)タンッ


ウルキオラ「…………」タンッ


ゾマリ「ロンです。ダブリー一発」


ウルキオラ「!」


ヤミー「おいおいどうしたよ、お前らしくもねえ。さっきから振りこんでばかりじゃねえか」


グリムジョー「そんなことよりウルキオラ。てめえさっきから妙にニヤついてやがるがよ、気色悪りぃし腹立つからそれやめろ」


ウルキオラ「笑った覚えなど無い。お前こそ在りもしない事実をさも事実のように湾曲するのはやめろ。グリムジョー」


ゾマリ(ですが、確かに彼は先程から口角を吊り上げて笑みを浮かべていますね。ただしその笑みは般若面のそれに限りなく近いものになっていますが)



Cブロック ザエルアポロ イールフォルト チルッチ アーロニーロ



ザエルアポロ「リーチだ」タンッ


イールフォルト「リーチ!」タンッ!


ザエルアポロ「なんだいそのリーチは。僕に対しての当てつけかな?」


イールフォルト「黙ってろカス」


ザエルアポロ「僕はカスではない。カスと言った方がカスだ」


イールフォルト「うるせえな、カスカス言ってんじゃねえぞこのカス!」


ザエルアポロ「カスしか言えないのかこのカスは。これだから君のようなカスの相手をするのは疲れるんだ」


アーロニーロ(兄弟なのに随分と仲が悪いなこいつら……)(少シハ仲良クスレバ良イノニネ)


チルッチ「あ、ツモったわ。ツモ七対子ドラドラで4000、2000」


イールフォルト「なにっ!?」


ザエルアポロ「まったく。どいつもこいつも僕をイラつかせてくれるね」



Dブロック スターク バラガン ハリベル ノイトラ



ノイトラ「…………」タンッ


ハリベル「ロン。タンピン二盃口ドラ1」


ノイトラ「ちっ、ダマかよこの野郎。セコい真似しやがって」


ハリベル「これも戦略だ。それに今の局でリーチをかける利点は見受けられなかったからな」


ノイトラ「……相変わらずいけ好かねえ野郎だなァてめえは」


スターク(ふう。振り込まなくてよかったぜ)



バラガン「小僧」


スターク「ん? どうした爺さん」


バラガン「あの小娘。最近何か変わったところはあるか」


スターク「あー、リリネットのことか? 別段変わりはねえぜ。でも気のせいか前よりも俺に対しての接し方が優しくなった気がするな」


バラガン「そうか」


スターク「あいつのこと気にかけてくれてんのか? 爺さんも結構優しいトコあるんだな。意外だぜ」


バラガン「フン、勘違いも甚だしいわい青二才が。第1十刃の片割れに何かあればこの儂にも色々と面倒事が降りかかるじゃろうが」


スターク「へいへい。んじゃそういうことにしときますかね」



クールホーン「そろそろ各組ともに勝負がつきそうね」


アビラマ「どっかの卓で小競り合いでも起きるんじゃねえかと冷や冷やしてたが杞憂に終わりそうだな」


フィンドール「本当に何事もなく終わればいいけどな……」



Aブロック(藍染 ロリ メノリ スンスン)の勝者 >>↓1
Bブロック(ウルキオラ グリムジョー ゾマリ ヤミー)の勝者 >>↓2
Cブロック(ザエルアポロ イールフォルト チルッチ アーロニーロ)の勝者 >>↓3
Dブロック(スターク バラガン ハリベル ノイトラ)の勝者 >>↓4



Aブロック


藍染「私としても大変残念だが、この戦いは東一局で終わってしまいそうだね」 持ち点61300


スンスン(オナ……藍染様とはいえ実力と運は本物。太刀打ち出来ませんわ……!) 持ち点12900


ロリ(メノリ。アレやるわよ)チラッ 持ち点12900


メノリ(わかってるわ。ただ負けを待つだけなんて流石に嫌だからね)チラッ 持ち点12900


ロリ(これがあたしたちが数ヵ月をかけて磨き上げた技“エレベーター”……!)スッ


メノリ(牌を掌に握りこみ、さらにその握りこんだ牌と手牌を二人で交換しあって最高効率でアガりまでたどり着くコンビ技……。ロリ、「白」と「南」をちょうだい)スッ


ロリ(わかったわ。あんたはあたしにピンズを集めて)スッ


スンスン(この二人、まさか……!)


ロリ(手牌交換だけじゃ疑われるわね。鳴かせるわよ)タンッ


メノリ「ポンっ!」タンッ


ロリ「ポンっ!」



スンスン(くっ、私としたことがみすみすイカサマを見逃すなんて……!)


ロリ(あたしたちの手牌の交換速度は一般破面の響転の速さをゆうに越える! 十刃でもないあんたじゃイカサマに気付いても止める術なんてないわ!)


ロリ(メノリっ! 次は何?)


メノリ(「中」をちょうだい)


ロリ(了解!)タンッ


メノリ「ロン」


ロリ「え……?」


メノリ「大三元字一色。ダブル役満の64000であたしのトップね」


ロリ「あ、あんた……まさかあたしを裏切ったの……!?」


メノリ「悪く思わないで、ロリ。決勝にコマを進められるのは一人だけ。それに藍染様に勝つにはこうするしかなかったのよ」



スンスン(やられた……! でも藍染様ならこの二人のイカサマには気づいていたはず! どうしてみすみす放って……!)チラッ


ギン「藍染サン。その刀は僕が預かっときます」ググッ


藍染「気にすることはないよギン。不要な心配だ」ググッ


ギン「まあそう言わんといて……。「鏡花水月」があったら不正し放題やないですか……!」ググッ


藍染「私が不正などするはずもない。彼女ら程度、私の力だけでねじ伏せてみせるよ」ググッ


スンスン「…………」


メノリ「とりあえず。これであたしは一抜けね」




Bブロック


ゾマリ「どうやら、私はここまでのようだ」


ウルキオラ「なに?」


ゾマリ「ウルキオラ・シファー。貴方はもう以前の貴方とは違う。貴方はその身に強い意志と愛、そして心を宿した」


ウルキオラ「…………」


ゾマリ「この戦い。私ではどうあがいても貴方のその意志の強さには敵わないでしょう」


ゾマリ「知りたいものです。いったい何が貴方をそこまで駆り立てるのかを。何故貴方がそこまでして勝利を欲するのかを」


ウルキオラ「貴様には関係のないことだ」


ゾマリ「そうですか、それは大変残念です」



ゾマリ「さあ。先へ進みなさい。我々を倒して」タンッ


ヤミー「けっ。勝った気でいると足下救われるぜ」タンッ


ウルキオラ「ヤミー。お前が何と言おうと俺は決勝へと進むことになるだろう」タンッ


グリムジョー「ロンだ! 国士無双! 48000!」


ウルキオラ「」


ヤミー「んだよ。ハコじゃねえかよウルキオラぁ」


ウルキオラ「」


ヤミー「おい、訊いてんのか」


ウルキオラ「」


ゾマリ「意識を失っていますね」


ウルキオラ「」


グリムジョー「はっ、情けねえ野郎だ! 俺は一足先に次の段階に進ませてもらうぜ」




Cブロック


イールフォルト「くらえっ!」タンッ!


ザエルアポロ「ロンだ」


イールフォルト「ちっ!」



ザエルアポロ「……これだ」タンッ


イールフォルト「ロン!」


ザエルアポロ「!」


アーロニーロ(さっきからこの二人で点数をとり合ってるな)(コレジャ僕タチノ出ル幕ガナイヨ)



ザエルアポロ(これでは埒が空かないな。とうとう奴から貰ったメガネの機能の一つを使う時が来たか)プシュッ


イールフォルト「おふっ……」ドサッ


アーロニーロ「おい、どうした」「突然倒レチャッタケド大丈夫カイ?」ユサユサ


ザエルアポロ「どうやらお昼寝の時間のようだね。コイツは脱落だ、続きは僕たちだけで行おう」



ザエルアポロ「リーチ」タンッ


チルッチ「ロン。2900点」



ザエルアポロ「リーチ!」タンッ!


チルッチ「ロン。3200点」



ザエルアポロ「リーチっ!」ダンッ!


チルッチ「ロン。3500点」


ザエルアポロ「まったくチョロチョロとこの売女が……!」


チルッチ「誰が売女だコラ!」


アーロニーロ(見事に狙われまくってるなザエルアポロ)(メガネノレンズニ手牌ガ反射シテテ僕ラニ丸見エダッテコト気付イテナイノカナ?)



ザエルアポロ「リーチだっ!」ダンッ!


チルッチ「…………」


ザエルアポロ「流石に、そう何度もマグレは続かないようだね」


アーロニーロ「あ、ツモったぞ。リーチツモ中ホンイツ一気通貫。12000、6000だ」「コレデザエルアポロハ飛ビダネ」


ザエルアポロ「」


チルッチ「何言ってんのよ。子の倍満だから8000、4000よ」


アーロニーロ「あっ、ホントだな」「間違エチャッタヨ。ゴメンゴメン」


ザエルアポロ(クク……危ない危ない。なんとか首の皮一枚持ちこたえたか。僕の持ち点は200点しかないがまだ親番が残っている。これなら十分に逆転可能な範囲だ……!)


チルッチ「したり顔してるところ悪いけど今は三本場よ。支払いはプラス300点だからどっちにしろあんたは飛びね」


ザエルアポロ「」


チルッチ「それじゃ。決勝に進むのはこのチルッチちゃんってことで」




Dブロック


ノイトラ「リーチだ!」タンッ


ハリベル「…………」タンッ


ノイトラ「ロン! リーチ一発三暗刻ドラ3!」


ハリベル「スジひっかけの単騎待ちか」


ノイトラ「てめえにゃ容赦はしねぇ。骨の髄まで毟り取ってやるよ」



スターク「なあ爺さん。俺この前リリネットにオヤジ臭いって言われたんだがよ。俺そんなに匂うのか?」


バラガン「下らんことを儂に訊くな。そんなものは貴様で考えろ」


スターク「自分じゃよくわかんねえんだよなあ……」


バラガン「あのガキは貴様の日々の行動を見てオヤジ臭いと言っておるのじゃろう。大方貴様は寝てばかりおるのだろうが、それでは愚痴をこぼされても当然じゃ」



ノイトラ「リーチ!」タンッ


ハリベル「リーチ」タンッ


ノイトラ「はっ。どっちの運が強えェか勝負といこうじゃねえか……」


ハリベル「わかった。受けて立とう」


ノイトラ「俺を今までの俺だと思うなよ。バラガンに小言を言われてから俺自身ちったぁ変わったと自負してる。俺は今日ここでてめえを超えてみせる……!」



スターク「それじゃリリネットは別に俺が臭いとかそういう意味で言ったワケじゃねえのか?」タンッ


バラガン「当然だ。まったく、貴様の取り得は洞察力じゃろうが。その貴様がそんな単純な勘違いをしてどうする」タンッ


スターク「俺、あいつの言うことは結構ストレートに受け取っちまうんだよ。どうしてだろうな」


バラガン「それだけ貴様があの小娘のことを強く想っておるということじゃろう。貴様とあの小娘の間には良くも悪くも深い結びつきがあるのだからな」


バラガン「貴様は奴との繋がりを失うのを恐れるあまり、今以上にあの小娘を理解してやらねばならんと心の内で躍起になっておる。結果、相手の言葉を盲目的に受け取ってしまうのだ」


スターク「…………」


バラガン「何じゃ」


スターク「いや、やっぱ爺さん俺らのことよく見てるんだな、と思ってよ。ちょっと痛いトコ突かれたぜ」



ノイトラ「…………」タンッ


ハリベル「……!」スッ


ハリベル(……この戦い、私の負けか)タンッ


ノイトラ「ロンだ! 16000!」


ハリベル「強くなったな。ノイトラ」


ノイトラ「はっ、今回は運でてめえを上回ったに過ぎねえ。次は本物の戦いでてめえを超えてやる。それまでせいぜい首洗って待ってやがれ」



スターク「これでよかったのか爺さん。あんたその気になりゃ勝ち進めたんじゃねえのか?」


バラガン「フン、元締めが決勝に進んでどうする。それにそれを言うなら貴様も同じじゃろうが」


スターク「おいおい、今回は俺もマジメに打ったんだぜ? でもハリベルとノイトラの気迫が凄くてとても間に割り込めなくてよ」


バラガン「まあどっちでもいいわい。さァて、決勝の前に例の料理を連中に振る舞うとするかのォ」


スターク「お、ようやくおせち料理のおでましか。そういやリリネットのヤツがおせちが楽しみだ何だのと騒いでたっけか」




昼休憩


アパッチ「美味いっ! なんだこれは!」ガツガツ


ミラ・ローズ「ちっ、なかなか美味しいじゃないか……!」ガツガツ


スンスン「はしたないですわよ二人とも」モグモグ



リリネット「えっ! こんなに豪勢なの食べていいの!?」


フィンドール「ああ……しっかり食え」


リリネット「ハムッ、ハフハフ、ハフッ!!」ガツガツ


アビラマ「おかわりもいいぞ」


リリネット「ホントか!?」


クールホーン「遠慮しないでいいのよ。たくさん食べなさい……」


ジオ「な、なんかここだけ狂気が漂ってるぞ」



ドンドチャッカ「忙しいでヤンス~! 重箱運ぶの大変でヤンス~!」ドタドタ


ペッシェ「弱音を吐いている暇はないぞドンドチャッカ! 急いで運ぶのだ!」バタバタ


ネル「まったくとんだ大役をまかされたもんっスね! こりゃネルたつの働きにすべてがかかってると言っても過言じゃねえっス!」パタパタ



ノイトラ「……?」


テスラ「どうしました。ノイトラ様」


ノイトラ「何でもねえよ。気にすんな」


ノイトラ(今の後ろ姿、俺の思い過ごしか? いや、そもそもあいつがこんな所にいるワケがねえか……)



ルピ「…………」ジーッ


グリムジョー「さっきからジロジロこっち見てんじゃねえよ。俺に何か用か」


ルピ「べっつに~。そっち見てるワケじゃないし」


チルッチ「あんたたちどうしてそんなに険悪なのよ」


ガンデンバイン「今日は折角こうして皆で集まったんだ。こんな時ぐらい喧嘩はやめにしようぜ」モグモグ


ドルドーニ「ガンデンバイン殿の言う通りだ。吾輩達は無駄な諍いを生むために此処に集まった訳ではない」モグモグ


ルピ「あ~あ。まったくみんなしてもっともらしいコト言っちゃってさァ。ボクが悪うございましたよ」



ザエルアポロ「ぶっはっ!? 何だこの辛さは!」ゲホゲホ


アーロニーロ「騒がしいなザエルアポロ」「ソンナニ辛イカナコレ?」


ザエルアポロ「辛いなんてものじゃないぞ! いったい何が入ってるんだこれは!?」


アーロニーロ「そんなに言うならオレが貰ってやるよ」「ウン。ナカナカスパイシーデ美味シイジャナイカ」ニュルン


ゾマリ(その触手にも味覚はあるのですね)



ペッシェ「ふっふっふ。思い知ったかザエルアポロめ」チラッ


ドンドチャッカ「ネルの敵討ちでヤンス~! それにしてもザエルアポロのおせちにはいったい何を入れたでヤンスか?」チラッ


ペッシェ「流石に食べ物以外を入れたら食べ物の神様から天罰が下ってしまうからな。仕方ないので現世のリーパーと呼ばれる唐辛子をふんだんにまぶしておいた」


ドンドチャッカ「なんだか美味しそうな名前でヤンス」


ネル「あんたたつ何やってるんスか! 立ち止まってるヒマはねえっスよ!」プンスカ


ドンドチャッカ「あ! 今行くでヤンス~!」ダダダッ


ペッシェ「待て! 私を置いていくな!」ダダッ



クッカプーロ「アン! アン!」


ヤミー「うるせえぞクソ犬! 黙って座ってろ!」


クッカプーロ「キャウン……」ショボン


ヤミー「…………」ガツガツ


クッカプーロ「…………」


ヤミー「ちっ……」ポイッ


クッカプーロ「!」


ヤミー「てめえの分だ、勝手に喰ってろ」プイ


クッカプーロ「アン♪」フリフリ



藍染「…………」モグモグ


ギン「…………」モグモグ


東仙「…………」モグモグ


ロリ「…………」モグモグ


メノリ(な、なんなのこの空気……?)アムッ


藍染「…………」モグモグ


ギン「…………」モグモグ


東仙「…………」モグモグ


ロリ「…………」モグモグ


メノリ「うぅ……」ビクビク


ワンダーワイス「アウ?」キョトン



バラガン「そろそろかのォ」


スターク「だと思うぜ。見た感じじゃみんな食べ終わってるみたいだしな」


フィンドール「陛下! 全員分の重箱の回収が完了いたしました!」ザッ


バラガン「そうか。下がれ」


フィンドール「はっ!」



バラガン「全員訊けい!!」


バラガン「これより大会決勝戦を開始する! 各組一位の者は早急に卓につけ!!!」




決勝戦 ノイトラ グリムジョー メノリ チルッチ



ノイトラ「なんだァこりゃあ? 決勝にゃ誰が進んでくるのかと思ってたが雑魚ばかりじゃねえか」


グリムジョー「てめえみてえなザコがよく言えたもんだなノイトラ」


ノイトラ「小蠅が横で何か言ってんなァ。てめえから先に殺してやろうか? グリムジョー」ギロッ


グリムジョー「上等だコラ。俺をナメた眼で見やがる奴は誰だろうとぶっ潰す」ギロッ


チルッチ「ちょっとあんたたち、今からやるのは麻雀よ。戦闘おっぱじめるワケじゃないのよ?」


メノリ(相手は全員格上と言っていいわね……。でも負けるわけにはいかないわ。決勝に進むために切り捨てて来たロリの為にもね)



決勝戦の優勝者 >>↓1
決勝戦の準優勝者 >>↓2




グリムジョー「……くそっ」タンッ


ノイトラ「ロンだ。12000! ったく拍子抜けだぜ。でけえ口叩いてた割には大したことねえなァ」


グリムジョー「あぁ?」


チルッチ「それ、悪いけど頭ハネよ。2900点」


グリムジョー「だとよ。逸ってたところ残念だったなオイ」


ノイトラ「んだと? 俺をおちょくってんのかてめえ」



メノリ(これはチャンスかも。生憎今のノイトラとグリムジョーは平静とは言い難いわ。この機を逃すわけには……)スッ


チルッチ(配牌のすり替え……!)ピクッ


メノリ(気づいてももう遅いわよ。ロリとのコンビで鍛えた牌交換速度は伊達じゃないの)


メノリ「ダブルリーチ」タンッ



メノリ(よし、これで握りこんだ牌でアガればダブリー一発にドラも乗る……!)スッ


チルッチ「…………」ドンッ!


メノリ「!」コトン


チルッチ「あら、ごめんなさい。あなたが次に引く牌が山から落ちちゃったわ。でもどうせアガるか捨てるかだし大した問題じゃないわよね」


メノリ「っ……」タンッ


チルッチ「ロン。8000点」


メノリ「二順目のダマあがり……。まさかあんたも……」


チルッチ「別にヤる気はなかったわよ。でもあんた見たところ手技が相当板についてるみたいだし、あたしも技で応戦しないと負けちゃうじゃない?」



グリムジョー(これで国士テンパイだ。くたばりやがれノイトラ!)タンッ!


ノイトラ「ロン。1000点」


グリムジョー「……!」ピキッ


ノイトラ「ん? なんだその文句ありげなツラはよ。でけえ手でもはってたのかァ?」


グリムジョー「ほざいてろ……!」



チルッチ(これは安牌ね……)タンッ


メノリ「その一萬、ロンよ」


チルッチ「は? 何いってんのよ。一萬はあんたが一巡目に捨ててるでしょうが」


メノリ「言いがかりは止してほしいわね。あたしの捨て牌に一萬なんて一枚もないわ」


チルッチ「!」


チルッチ(……成程、やるじゃない。一萬をあたしに掴ませて振り込ませると同時に、捨て牌の一萬を自分の手牌と入れ替えて待ち牌にしたってワケね)



ノイトラ(ちっ、グリムジョーの野郎に構ってたらいつの間にやら女共との点差が開いてやがる……)


ノイトラ(早えェとこ追いついとかねえとヤべえか)タンッ


グリムジョー「ロン! 16000だ」


ノイトラ「!」


グリムジョー「どうしたよノイトラ。そんなもんか?」


ノイトラ「…………」ピキッ



チルッチ(この一局が勝負ね。悪いけど一発で決めさせてもらうわよ)


チルッチ「ダブルリーチ!」タンッ


グリムジョー(碌な配牌じゃねえな……)タンッ


ノイトラ(俺とグリムジョーは持ち点が10000を切ってやがる。悠長なことやってる暇はねェ……)タンッ


メノリ(残念ね、チルッチ・サンダーウィッチ。あなたの敗因はあたしにツモのチャンスを与えたこと……)スッ


メノリ「ツモ、地和四暗刻。32000、16000」



ロリ「やったーっ! 勝ったわっ!」


メノリ「あら、喜んでくれるのね。てっきりまだ怒ってるものだと思ってたけど……」


ロリ「そりゃまだ完全に怒りがおさまったワケじゃないわよ。でも勝ったからいいわ。負けたらエスコロペンドラでどついてやろうと思ったけどね!」



ドルドーニ「準優勝おめでとう」パチパチ


ガンデンバイン「惜しかったじゃねェか」パチパチ


ルピ「ま、キミなりには頑張ったほうだと思うよ」


チルッチ「な、なによあんたたち。揃いも揃って気持ち悪いわね」



バラガン「ではこれより賞品の授与を行う。両者前に出ろ!」



ロリ「ほら、行ってきなさい」トンッ


メノリ「なんかあなたに素直に祝福されると調子が狂うわね……」


ロリ「どういう意味よ!」



ドルドーニ「さあ、舞台へ。吾輩達がエスコートしよう」スッ


チルッチ「いらないわ」シッシッ



バラガン「メノリ・マリア」


メノリ「は、はい」


メノリ(いざ近くで見てみるとやっぱり威厳があるわね……。元虚圏の王だっただけのことはあるわ……)ゴクリ


バラガン「貴様は此度の長きに渡る戦いで見事に勝利を収め、二つの賞品のうち一つを選択する権利を得た」


バラガン「さあ。いずれか一つを選ぶがいい」



メノリ「そうね……」


メノリ「あたしが選ぶのは……」



メノリが選んだ賞品(「織姫の成長過程が記録されたアルバム」か「王鍵」のどちらか) >>↓1




メノリ(井上織姫って確か藍染様の命令でウルキオラが現世から攫ってきた女よね。すぐ逃げられたけど……)


メノリ(正直どっちもいらないんだけど、今後また藍染様から命令が下されてこの井上って女を攫うことになったら、アルバムに記してある情報が役に立つ時が来るかもしれない……)


メノリ「アルバムの方を選ぶわ」


バラガン「フン。受け取れ」スッ


メノリ「ありがとう」スッ


ウルキオラ「…………」


メノリ「!」ビクッ


メノリ(な、なに今の殺気は……!? 気のせいかしら……)キョロキョロ


ウルキオラ「…………」


メノリ(き、気のせいなんかじゃないわ。この身を刺すような霊圧を放ってるのは誰……!?)



チルッチ「それじゃ、あたしは王鍵ってのを……」


藍染「待つんだチルッチ」スッ


チルッチ「あ、藍染様……!」ビクッ


バラガン「何をしに来た藍染惣右介。敗者の貴様がこの場に立つ権利などない、早々にこの舞台から降りるがいい」


東仙「……!」ピクッ


アパッチ(お、おいおい……)


ミラ・ローズ(いくら無礼講だって言っても藍染様に対してその口の訊き方はマズいんじゃ……!)


藍染「すまないバラガン。確かに君の言うことも一理ある」


藍染「だが、この大会は君と私との共同開催で成り立っているんだ。今、賞品の授与のためにこの場に主催者の君が立っているということは、もう一人の主催者であるこの私もこの場に立つ権利があるのではないのかな?」


スンスン(何やら藍染様から必死さを感じますわね。そのせいか、バラガンの言葉は特に耳に残っていない様子……)



藍染「少し私と話をしよう。チルッチ・サンダーウィッチ」


藍染「君には王鍵の代わりに、現世用の義骸と少しの休暇を賞品として与えようと思うんだ」


チルッチ「!」


藍染「どうだい、悪い条件ではない筈だ。王鍵などという君にとって全く必要の無いものよりもこちらの方が賞品としての価値があると私は思っているのだが、やはりお気に召さないかな?」


チルッチ(確かに休暇を頂けるってのはありがたい提案ね。どう考えても王鍵なんてワケのわかんない物を貰うよりはそっちの方が断然魅力的だわ)


チルッチ「ではお言葉に甘えさせて頂きます」


藍染「ありがとう。私としても嬉しいよ」



アパッチ(でも藍染様がここまで渡そうとしない王鍵っていったいどんな物なんだ?)


ミラ・ローズ(「王」に「鍵」。何かの隠語か……?)


スンスン(あそこまで頑なに受け渡しを拒むなんておかしいですわ。やはりここから導き出されるのは……)


アパッチ(そうかわかったぞ! たぶん王鍵ってのは藍染様の新しいオナ……// の名前だ)


ミラ・ローズ(やっぱアレしか考えられねえよな……。こりゃいよいよ例の噂も信憑性が増してきたな)


スンスン(藍染様もそんな下劣なものを賞品にするのは止してほしかったですわ……)



バラガン「さて、そろそろ最後の催しを始めるかのォ」


スターク「ん、まだ何かあるのか?」


クールホーン「陛下! お年玉を配る準備が整いました!」


バラガン「フン」



リリネット(お年玉っ!)ワクワク


ロリ(なかなか大盤振る舞いじゃない……!)ワクワク


メノリ(中身はいったい何かしら)



バラガン「ではこれよりお年玉を配布する! 全員席につけい!」



お年玉の中身(全員に配布) >>↓1




アパッチ「どうよ! 似合ってるかこの服?」バサッ


スンスン「馬子にも衣装とはこのことですわね」


アパッチ「んだとコラぁッ!」


ミラ・ローズ「ったく本当のことなんだから仕方ないだろうが。一々騒ぐな」


アパッチ「てめーもお似合いだぜ。ゴリラが着物羽織ってるみたいだけどな!」


ミラ・ローズ「誰がゴリラだウルアァ!」



リリネット「どうかなスターク。変じゃない?」バサッ


スターク「んー。まあまあ似合ってるんじゃねえか? 不恰好には見えねえよ」


リリネット「へへっ」


スターク「おいおいどうしたいきなり。笑った時のゾマリみたいな顔してるぜ?」


リリネット「ふんっ!」ゲシッ


スターク「おぶっ!? タ、タマはやめろタマは……」ズキズキ



ワンダーワイス「アウッ!」ピョンピョン


クッカプーロ「アンアン♪」トタタタ


アーロニーロ(あっちの二体もご満悦みたいだな)(ヨカッタヨカッタ)



ノイトラ「ったく下らねえモン寄越しやがって。それによく見りゃ死神の装束に似せた造りになってやがるじゃねえか、気に喰わねェ……」


テスラ「そう言わずにノイトラ様。一度羽織ってみてはどうです?」


ノイトラ「ちっ……」バサッ



クールホーン「どう? 似合うかしらぁ♪」ススッ


ザエルアポロ「こっちににじり寄って来るなっ! 気色悪いんだよ!」


クールホーン「あっらぁん♪ あたしたちの仲じゃないのぉ」スリスリ


ザエルアポロ「そんな仲になった覚えはない! 頬を擦りつけるなっ! 僕の実験材料にされたいのかっ!」


クールホーン「相変わらず怖いわねぇ」


アビラマ(そもそも何でクールホーンの装束だけ上下ピンク色なんだ……?)


フィンドール(確かにあの格好では逃げられても仕方がないな)



ジオ「俺の装束は死神の隠密機動の連中が好みそうな装束だな」


ニルゲ「本当だなァ……。なんかそれっぽいこと言ってみてくれよ」


ジオ「そ、それっぽいことって何だよ?」


ニルゲ「隠密機動って確か死神の部隊の一つだろ? 何かソイツらが言いそうなことだよ」


ジオ「よし、じゃあやってやるよ……。あーあー、オホンッ!」


ジオ「教えた筈だ。仲間がやられたら好機と思え、間に入るな、後ろから刺せ」キリッ


ジオ「それすらできぬ程敵との力量が隔たっているならその場で仲間は見殺しにしろ。それが隠密機動だ」キリリッ


ニルゲ「うーん……」


ジオ「おい! なんだその微妙な反応は!」


ニルゲ「なんかこれじゃねェっていうか……」


ジオ「何なんだお前はさっきからっ! 今日はやけにダメ出しが多いな!」



グリムジョー(この装束。現世で戦ったあの死神の野郎を思い出すぜ……)グッ


ゾマリ「どうしました? 随分と神妙な顔つきをしておられますが」


グリムジョー「!」


ゾマリ「何か悩みがおありのようでしたら、一度私の愛を受け、身も心も……」


グリムジョー「けっ、てめえの勧誘になんざ誰が乗るかよ。とっとと失せろ」シッシッ


ゾマリ「それは残念です」ペコリ



ヤミー「なんだこりゃあ。小さすぎて着れやしねえ」ビリッ


ルピ「キミは太りすぎなんだってば。少しは痩せたら?」


ヤミー「俺は喰って寝て霊圧溜めるのが仕事なんだよ。てめえがとやかく言うんじゃねえ」


ルピ「ふーん、あっそ。ま、ボクにはどうでもいいことだけど」



ドルドーニ「ほう、実に美しい装束だ! なかなか美麗だとは思わんかね?」バサッ


チルッチ「あんたが着るとむさ苦しさが増すだけね」


ガンデンバイン「違いねェ」


ドルドーニ「な、なにおう!」



ハリベル「どうしたウルキオラ。こんなところで黄昏れて」


ウルキオラ「ハリベルか。何をしに来た」


ハリベル「お前が会場から出ていくのが見えたからな、呼び戻しに声をかけようと思っただけだ」


ウルキオラ「不要な気遣いをするな。俺にとっての催しはもう全て終わった、今更あの場所に戻る価値などない」


ハリベル「そうか……。ならばこれだけでも受け取っておけ。バラガンが全員に用意した装束だ」スッ


ウルキオラ「…………」


ハリベル「気が向いたらいつでも戻ってくるといい」


ウルキオラ「…………」


ハリベル「またな」



フィンドール「陛下!」ザッ


バラガン「フン。お年玉は全員に行き渡ったか?」


フィンドール「はい! 一つの余りも出すことなく受け渡しが完了いたしました!」


バラガン「そうか。下がれ」


フィンドール「はっ!」



バラガン(さて。今日の催しもこれで終いじゃな)


バラガン(面倒な催し事ではあったが、不思議と不快なものではなかったのォ……)



バラガン「全員訊けい!!」


バラガン「これにて本日の催しの終幕とする! 各自解散せよ!」




後日


ロリ「どうしたのよアンタ、最近妙にそわそわしてるけど……」


メノリ「べ、別に……」


メノリ(正月のイベント以降、常にどこかから誰かの視線を感じるなんて言えないわ……)ビクビク



ウルキオラ「止まれ」



メノリ「ウ、ウルキオラ……!?」


ロリ「あ、あんたがどうしてこんなトコに……!」


ウルキオラ「そう気を張りつめるな。俺はお前の後ろの女に用があるだけだ」


メノリ「あ、あたし……?」タジッ


ロリ「そ、そう……。じゃああたしは少し席を外すわね……!」ススッ


メノリ「ちょっと! お、置いていかないでよ!」



ウルキオラ「本題に戻るか」


メノリ「!」ビクッ


ウルキオラ「単刀直入に言わせてもらう。貴様が先日の祭事で手に入れたアルバムを俺に譲ってくれ」


メノリ「え?」


ウルキオラ「…………」


メノリ「ま、まあ、どうせ大して必要なものじゃないし、あんたが欲しいならあげてもいいわよ……」


メノリ(あの気味悪いアルバム、賞品として貰った以上捨てるわけにもいかなかったしここで手放せるならそれに越したことはないわ。それに、もしかしたらこれであの妙な視線も消えるかもしれないし……)


ウルキオラ「そうか」


メノリ「ちょ、ちょっと待ってて。すぐに取って来るから……」



メノリ「は、はい」スッ


ウルキオラ「確かに受け取った」


メノリ「そ、それじゃあたしはもう行くわね……!」ススッ



ウルキオラ「…………」


ウルキオラ「…………」ニヤリ


ノイトラ「っと」ドンッ


ウルキオラ「!」バサッ


ノイトラ「ったく、こんなトコで突っ立ってんじゃねえよ」


ウルキオラ「…………」


テスラ「申し訳ありませんウルキオラ様……」ペコリ


ノイトラ「おいテスラ。こんな奴に謝るこたァねえってこの前も言っただろうが。さっさと行くぞ」


テスラ「は、はい」



ウルキオラ(拾うか……)スッ


グリムジョー「おっと」グシャッ


ウルキオラ「」


グリムジョー「んだよこの紙束は。邪魔くせえ、踏んじまったじゃねえか」


ウルキオラ「…………」


グリムジョー「ウルキオラか……。なんだよその眼は」


シャウロン「グリムジョー。藍染様による招集命令の時刻が迫っている、あまり他所事に割く時間は……」


グリムジョー「わかってる。そういうワケだ、悪りぃが今はてめえに構ってる暇はねえ。あばよ」


ウルキオラ「…………」



ウルキオラ「…………」


ペッシェ「無限の滑走(インフィナイト・スリック)!」ビシャッ!


アルバム「」ベチャッ


ネル「スケートっス! 廊下が長いからいっぱい滑れて面白いっス!」スイー


ドンドチャッカ「ツルツル滑るでヤンス~!」スイー


ペッシェ「まだまだ甘いぞ二人とも! 私の華麗なる滑りを見よ!」ススーッ


ウルキオラ「…………」


ウルキオラ「…………」


ウルキオラ「…………」


ウルキオラ「…………」






ウルキオラ「鎖せ――」





ウルキオラ「黒翼大魔――」







アビラマ「陛下!」ザッ


バラガン「何じゃ」


アビラマ「藍染様からの通達で、“虚夜宮にて発生している十刃同士の戦闘を鎮圧せよ”とのことです!」


バラガン「十刃同士の戦闘じゃと? 交戦しておるのは誰だ」


アビラマ「はっ! 第4十刃ウルキオラ・シファー、第5十刃ノイトラ・ジルガ、第6十刃グリムジョー・ジャガージャックの三体です!」


バラガン「これまた面倒事を持ち込みそうなガキどもじゃのォ……」


フィンドール「陛下!!」ザッ


バラガン「今度は何じゃ」


フィンドール「何やら巨大な霊圧が三つ、この宮に接近してきております! 大きさからして解放状態の十刃の霊圧であるかと思われます!」



バラガン「早速か」


フィンドール「陛下、ここは我々が……」


バラガン「要らん。貴様等が出張って行ったところで連中を止められるとでも思っておるのか」


フィンドール「…………」


アビラマ「…………」


バラガン「貴様等には貴様等の役割がある。それは今ここで無謀な戦いに臨むことではない。今貴様等が成すべきことは儂が再び此処に戻るまでこの宮を護り抜くことだ」


フィンドール「!」


アビラマ「陛下……!」


バラガン「返事が聞こえんぞ!!!」


フィンドール「はい!」


アビラマ「陛下の仰せのままにっ!!」



バラガン(さて、そろそろ向かうとするか)


バラガン(何やら、その内また藍染の小僧から下らん命を受けそうな気がするのォ。杞憂であればよいが……)


バラガン(まァ、そんなものはどうでもいい事じゃな)



バラガン「わかっておるな貴様等! 儂が戻るまで蟻の一匹たりともこの宮への侵入を許すでないぞ!!」


クールホーン「はっ!」


ジオ「この身滅びようとも、必ずやこの宮をお護りしてご覧にいれます!!」






数日で終わらせるつもりが色々重なって非常に長期になってしまいました。申し訳ありません

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