【安価】バラガン「何? 儂にサンタクロースをやれじゃと?」【BLEACH】 (157)

安価スレです

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フィンドール「はっ! 東仙要統括官様からのご命令で虚夜宮の破面たちのもとに幸せを送り届けろとのことです」


バラガン「幸せじゃと? 全く笑わせる」

バラガン「そのような下らんことをしておる暇はないと伝えろ」


フィンドール「し、しかし……」


バラガン「儂の言葉が聞こえんかったか……?」ギロッ


フィンドール「!」ゾクッ



アビラマ「バラガン陛下!!」ザッ


バラガン「……今度はなんじゃ騒々しい」


アビラマ「藍染様より一通の書面と妙な装束が届いております!!」


バラガン「何ィ?」


アビラマ「“要から既に通達は行き届いているだろう。今日君はこの装束を纏い虚夜宮全域に幸せを送り届けるんだ”とのことです!!」


バラガン「藍染惣右介……!」


バラガン「この儂にこのようなふざけた催しを行わせようとは……!」ワナワナ



クールホーン「バラガン様!!」ザッ


バラガン「…………」


クールホーン「市丸ギンからソリが一台届いてるわよ!!」


バラガン「…………」


クールホーン「と、届いております……」


バラガン「……フン」


バラガン「下らん余興じゃが、虚圏の神として小さき者どもに祝福を与えてやるのも面白い」



バラガン「クールホーン、アビラマ、フィンドール……」


バラガン「行くぞ!!」


クールホーン「はっ!」


アビラマ「陛下の!」


フィンドール「仰せのままに!!」


バラガン(さァて、手始めに>>↓1に>>↓3を届けるとするかのォ)



リリネット「ああああああああああああっ! また負けたぁっ!!!」ウガー


リリネット「スターク! あんたなんかズルしてるだろ!!」


スターク「ババ抜きにズルもクソもあるかっての」


スターク「お前は感情が顔に出過ぎなんだよ、もうちょい落ち着け」


リリネット「ぐぬぬ……そういえばこの前アパッチたちにもそう言われたっけ……」


リリネット「もう一回勝負だもう一回!」


スターク「はいはい……」



ドガアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!



リリネット「!?」


スターク「な、なんだぁ!?」



バラガン「フン、久しいのォ小僧ども」


リリネット「バラガン……!」


スターク「おお、久しぶりだな爺さん」


リリネット「なに呑気なこと言ってんのスターク!」


リリネット「あんたたち、どうせあたしたちを狙いに来たんだろ!!」


クールホーン「違うわ、あたしたちは幸せを届けにきたの」


リリネット「し、しあわせ……?」



バラガン「受け取れ」ポイッ


リリネット「わわっ」


リリネット「な、なにこの箱?」


バラガン「後で開けるがいい」


クールホーン「ハイ、そしてあたしからはこれよ」スッ


リリネット「重っ!」


クールホーン「これも後で開けてみるといいわ、危ないものじゃないから安心してちょうだい」


リリネット「あ、ありがとう……」


クールホーン(それにしても、良く見ればカワイイ顔してるじゃないこのコ。食べちゃいたいくらいだわ♪)


リリネット「!?」ゾクッ



バラガン「行くぞ、クールホーン」


クールホーン「はっ!」


リリネット「ちょっ、壊したとこ直してけって!!」



シャンシャンシャン……



スターク「行っちまったな……」


リリネット「いきなり変なカッコして来てなんだったのもう!」


リリネット「どうせこの箱の中身もろくなものじゃ……」ベリベリッ…



リリネット「これは……!」


スターク「ん? それ俺か。よくできたぬいぐるみだな」


リリネット(手紙がついてる……)ヒョイ


『この儂がわざわざ手縫いで作った人形だ せいぜい大切にしろ』


リリネット「むっ……」


『貴様は弱い 小さき者の中でもさらに小さい まさに蟻と呼ぶに相応しいじゃろう』


リリネット「ぐっ……」


『だが弱さを恥じるでない 蟻は蟻なりに相応の立場を貫け 貴様の存在こそが第1十刃の心を支えになっておることを忘れるな』


リリネット「……!」


スターク「その手紙、何て書いてあるんだ?」


リリネット「ばっ、見るな見るなっ!」



リリネット「そっち! そっちの箱開けて!」


スターク「ったく、なーにそんなに慌ててんだか……」ベリッ



狼の剥製「」



リリネット「…………」


スターク「…………」


リリネット「…………」


スターク「…………」


リリネット「なにこれ」





アビラマ「陛下! 次はどちらに向かいましょう!?」


バラガン「フン、>>↓1に>>↓3を届けるとするかのォ」





アパッチ「…………」タンッ!


ミラ・ローズ「…………」タンッ!


スンスン「…………」トンッ


アパッチ「くっ……」ピタッ


アパッチ「カンっ!」ガシャッ


スンスン「ロンですわ。槍槓三暗刻ドラ9赤1」


アパッチ「ぐああああああああああああああっ!!!!」


ミラ・ローズ「ホント弱いなお前」


アパッチ「くっそー! リリネットがいないと私がカモになるっ……!」ガシガシ



ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!



アパッチ「!?」


ミラ・ローズ「て、敵襲か!?」


スンスン「ハリベル様を呼びに……!」



バラガン「フン、わざわざ喚きたてるな」


アパッチ「バラガン……!?」


ミラ・ローズ「テメェここが何処だと思って……!」



バラガン「……この儂に言葉が過ぎるぞ小娘ども」ギロッ



アパッチ「……っ!」ゾクッ


ミラ・ローズ(なんて霊圧……!)ゾクゾク


スンスン(足が竦んで動けませんわ……!)ガタガタ



ザッ!



クールホーン「はいはいはいはぁ~~~い! ちゅうも~~~~~~く♪」パンパン


クールホーン「バラガン陛下の第一の従属官、シャルロッテ・クールホーンちゃんが来ましたよォ~~~~!」



アパッチ「…………」


スンスン「…………」


ミラ・ローズ「…………」


クールホーン「あ~ら、あなたたち女の子のくせにお肌が荒れ荒れねえ~」


クールホーン「結構夜更かしとかしてるんじゃなぁ~い?」


アパッチ「な、なんだと!」


ミラ・ローズ「よけいなお世話だカマ野郎!」


クールホーン「それにそっちの子は厚化粧しすぎじゃないかしらぁ?」


スンスン「うっ……」



クールホーン「うふふ、言い返せないわよねえ」


クールホーン「あたしのこの美しい顔のハリとツヤを見てごらんなさい?」


アパッチ(どこが美しい顔だよ!)


ミラ・ローズ(だが言われてみれば……)


スンスン(確かにきれいな肌をしていますわね……)


クールホーン「そーんなあなたたちにあたしが毎日使ってる特性メイクセットをプレゼントしちゃうわよっ♪」


クールホーン「これを使えばあなたたちももーっとカワイクなること間違いなし!」


クールホーン「今なら特別に化粧水もオマケしちゃうわ♪」


アパッチ「マジで!?」


ミラ・ローズ「……」ゴクリ


スンスン(魅力的ですわね……)



アパッチ「でも高いんだろ……?」


クールホーン「それがそれがそれがなーんとっ!」


クールホーン「タダっ! 無料で差し上げちゃうわっ♪」


アパッチ「なにっ!? ほ、ホントだろうな?」


スンスン「後で取り立てに来ても応じませんわよ……?」


クールホーン「そ~んなしょうもないことしないわ」


クールホーン「どうぞ。みんなで仲良く使いなさい♪」ドサッ


クールホーン「それじゃっ、アデュー♪」



シャンシャンシャン…




ミラ・ローズ「行っちまったな……」


スンスン「いったい何だったのでしょう……」


アパッチ「そんなことよりこの箱開けてみようぜ……!」ワクワク


ミラ・ローズ「お、おう」ベリベリッ



ドサドサッ!



スンスン「こ、これはっ……!」


アパッチ「おいおい、こんなの貰っていいのかよ……!?」


ミラ・ローズ「確かにこんなにいいモン使ってりゃあれだけキレイになるのも納得だ……!」



アパッチ「と、とりあえずこれは全部私が預かっておくぜ」


ミラ・ローズ「ふっざけんな! テメェ一人で全部使う気だろうが!」


アパッチ「ななっ! ん、んなワケねえだろ!」


スンスン「まずはハリベル様に献上するのが第一ですわ。ですからこれは私が……」


アパッチ「ちょっとまてコラァ!」


ミラ・ローズ「そんな口車に乗せられるとでも思ってんのかスンスン!」


スンスン「でしたら、アレで決めるというのはどうでしょう……?」チラッ



麻雀卓「」



アパッチ「おっもしれえ! 今度こそ私の本気を見せてやるよ!」


ミラ・ローズ「はっ、本気だそうが弱いヤツは弱いんだよ!」


スンスン「フフフ、二人とも格の違いを見せてさしあげますわ……!」





アビラマ「おいクールホーン」ボソッ


クールホーン「何かしら?」


アビラマ「今の見てたけどよ……陛下の仕事を全部お前がとっちゃマズいだろう……!」


クールホーン「そう言われればそうね……これからは気を付けるわ……」


フィンドール「陛下、お次は……?」


バラガン「>>↓1に>>↓3を届けに向かう」


バラガン「行けい!」


フィンドール「はっ!!」





テスラ「……!」ピクッ


ノイトラ「どうしたテスラ」


テスラ「霊圧が四つ……こちらに向かってきています……」


ノイトラ「なに?」


テスラ「三つの霊圧は大したことはありませんが……残りの一つは十刃の霊圧と見て間違いありません……!」


ノイトラ「十刃だと……俺の宮に突っ込んでくるってこたァ、グリムジョーの野郎か?」


テスラ「いえ、これはもっと大きな……」


テスラ「!」


テスラ「来ます!!!」


ノイトラ「ちっ……!」



ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!



テスラ「くっ……」


ノイトラ「テスラ、お前はそこにいろ! 俺が行く!」



ノイトラ(土埃で姿は見えねェが、ふざけた真似しやがる……!)


ノイトラ「誰だ!!」


バラガン「相も変わらず騒がしいガキじゃのォ、ノイトラ」


ノイトラ「バラガン……!?」


ノイトラ「前言撤回だ、援護しろテスラ!」


テスラ「はっ!」


アビラマ「流石に十刃相手じゃこうなるよなっ……!」


クールホーン「陛下をお護りするわよ二人とも!」


フィンドール「わかっている!」


バラガン「フン、いらん世話を焼くな。貴様等は退がっていろ」



ノイトラ「丁度いい機会だ、今日ここでてめえをNo,2の座から引きずり降ろしてやる……!」


バラガン「あの小僧が定めた序列など儂にとって何の価値もないわ。貴様がそうしたければ好きにするがよい」


ノイトラ「っらあ!!」ブンッ!


バラガン「だが……」スッ…


バラガン「貴様のようなガキに敗れる儂ではない」ピタッ


ノイトラ「っ……!」


テスラ(速い……! こうも簡単にノイトラ様の後ろをとるとは……!)


バラガン「動けば貴様の首が飛ぶ。大人しくしておれ」


アビラマ(うおおおおっ流石陛下だ、十刃の一体が相手だってのにものともしねえっ!)



ノイトラ「てめえ、わざわざこんなところまで何しに来やがった……?」


ノイトラ「それに何だその格好は……妙な帽子かぶりやがって俺をおちょくってんのか……!」


バラガン「…………」グイッ


ノイトラ「うっぐ……!」


バラガン「儂の力の前では鋼皮など何の意味も持たぬことは判るな?」


バラガン「この斧で真っ二つにされたくなければ黙っていろ」


テスラ(ノイトラ様……!)


バラガン「とはいえ……」


バラガン「儂は貴様と戦いに来たわけではない。これを受け取るがいい」ポイッ



ノイトラ「……何だこれは」


バラガン「その箱の中には砥石が入っておる」


ノイトラ「砥石だァ……?」


バラガン「貴様のその鎌。それ程刃こぼれしていては斬れるものも斬れまい」


ノイトラ「斬れ味なんざ霊圧の鋭さで決まるモンだろうが……砥いだところで何も変わりゃしねえよ……」


バラガン「フン。いざ拮抗した斬り合いになれば最後にものを言うのは己の地力……それでも足りぬのならば得物の練度がものを言う……」


バラガン「まあ儂には無縁のことじゃがのォ」


バラガン「その砥石を使うかどうかは貴様の勝手じゃ。だが、小さき者が己の練磨と鍛錬を怠ればただ堕ちていくだけだと言うことを覚えておけ」


ノイトラ「…………」


バラガン「霊圧も、己への意識も、今の貴様では現第3十刃どころか元第3十刃にもとうに及ばん」



ノイトラ「!!!」



バラガン「行くぞお前たち! 出発の準備をしろ!」


クールホーン「はっ!」


フィンドール「急げっ!」


アビラマ「おう!」



シャンシャンシャン…





ノイトラ「…………」


テスラ「……ノイトラ様」


ノイトラ「……テスラ」


テスラ「は、はい」


ノイトラ「少し俺に付き合え」


テスラ「はっ! しかし、一体何を……?」


ノイトラ「……修行だ」


テスラ「修行、ですか……?」


ノイトラ「バラガンが置いてった砥石で鎌を砥いだ後で修行だ。ったく二度も言わせんな」


ノイトラ「俺が十刃最強だ。ハリベルよりもネルよりも……バラガンよりも、な」


テスラ「…………」


ノイトラ「なに黙ってんだ! さっさとその箱開けろっ!」


テスラ「はい!」


テスラ(それでこそノイトラ様です。私はこれからもあなたについていきますよ、どこまでも……)





フィンドール「陛下! 次はどちらへ?」


バラガン「>>↓1の下へ向かう。>>↓3を届けにな」





アパッチ「…………」タンッ!


ミラ・ローズ「…………」タンッ!


アパッチ「ポンっ!」ガシャッ!


アパッチ「……いけっ」タンッ!


ミラ・ローズ「……くっ」タンッ!


スンスン「…………」スッ


ハリベル「……ツモだ。大三元字一色四暗刻単騎、64000オール」


アパッチ「ぐあああああああああああああああああ!!!!!」


ミラ・ローズ「うがああああああああああああっっっ!!!!!」


スンスン「いやああああああああああああああっっっ!!!!!」


ハリベル「飛び、だな」



ミラ・ローズ「この野郎アパッチ! テメェが余計な鳴き入れるからハリベル様にアガられちまったじゃねえか!!」


アパッチ「ヒトのせいにするんじゃねえよミラ・ローズ!!」


スンスン「み、みみみ、みっともないですわね二人とも……例のアレが手に入らなかったくらいでと、取り乱すなんて……」


アパッチ「お前が一番取り乱してんじゃねえかッ!」


ハリベル「……例のアレとは何だ? お前たち」


アパッチ「あ、いや、えっと……」


ミラ・ローズ「あ、あれです! 先程バラガンのところのカマ野郎様に貰ったものをハリベル様に献上しようと……」



ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!



アパッチ「!!?」


スンスン「こ、今度は何ですの!?」



バラガン「フン、一度ならず二度までも儂らの突入を許すとは。警戒心が薄いのォ」


アパッチ(警戒したところで止めようがないだろうが!)


ミラ・ローズ(しかもさっきとは逆方向の壁を壊しやがって……!)


スンスン(でも、例のメイクセットの恩がある以上強く口出しは出来ませんわ……)


ハリベル「……何をしにきた、バラガン」


バラガン「儂からの選別じゃ、受け取れ」ポイッ


ハリベル「……これは?」


バラガン「そこの小娘どもがおらん場所で開けてみろ」


バラガン「最も、既に貴様には必要のない代物かもしれんがな」



クールホーン「こんにちは、しばらくぶりねハリベルちゃん♪」


ハリベル「お前も来ていたのかクールホーン」


ハリベル「昨年貰ったメイクセットにはいつも世話になっている。礼を言っても言いきれないほどだ」


クールホーン「やぁねえ。あたしのほうこそ気にいってもらえて嬉しいわ♪」


アパッチ「ちょ、ちょっと待った!」


クールホーン「あら、なにかしら?」


スンスン「そ、その昨年貰ったメイクセットとはもしかして……」


クールホーン「そうよ。さっきあなたたちに渡したアレと同じものよ」


ミラ・ローズ「なっ!!」


アパッチ「やっぱそうか! 元々お綺麗だったハリベル様のお肌が去年ごろからさらに美しさを増したのはそれが原因だったわけだ!」


スンスン「クールホーンさん! 先程メイクセットを頂けたのは大変有り難かったのですがあの量ですと私たち三人で使うにはとても少なく……」


クールホーン「あれなら確か外にあるソリにまだ少し積んであったわね……」


クールホーン「欲しければ自由に持ってっていいわよ」


アパッチ「!」ダッ!


ミラ・ローズ「あ、待てコラッ!」ダッ!


スンスン「あ、有難うございます! この恩は一生忘れませんわ!」ダッ!





アビラマ「よし! ソリのメンテナンスもこれで完璧だな!」



ドドドドドドドッ!!!



アビラマ「ん? 何だこの音は?」


フィンドール「た、大変な事になったぞアビラマ!」


アビラマ「どうした、大虚の群れにでも出くわしたか?」


フィンドール「正解! い、いや不正解! とにかくアレを見ろっ!」



アパッチ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」ダダダッ!


ミラ・ローズ「どらああああああああああああああああっ!!!」ダッダッ!


スンスン「はぁっはぁっはぁっ!!!」タタタッ!



アビラマ「な、何だあいつらは!?」


フィンドール「こっちが訊きたいっ! とにかくあの速さでこちらに突っ込まれたら確実にソリが壊れる!」


アビラマ「くそっ、迎え撃つしかねえ! 行くぞ!」


フィンドール「ああ!」




クールホーン「はいこれ、今年の分のメイクセットよ」


ハリベル「ありがとう。恩に着るぞ」


クールホーン「それとぉ。あたしハリベルちゃんに似合いそうな服を現世で一着選んできたのよ♪」


クールホーン「ドレスなんだけど、着てみてもらえないかしら」


ハリベル「ドレスか……折角だが私には似合わないだろう……」


クールホーン「あら、珍しく自信なさげねぇ。でもハリベルちゃんは素材が完璧だからなに着ても似合うと思うわよ♪」


クールホーン「ほらほら。 一回でいいから着てみなさい♪」


ハリベル「そ、そう急かすな……着替えてくるから少し待っていてくれ」



クールホーン「そろそろかしら」


ハリベル「ど、どうだ? 似合っているか……?」シャラン


クールホーン「あらあ! やっぱり綺麗ね。黒のドレスを選んで正解だったわ♪」


ハリベル「バラガン。お前の目にはどう映る……?」


バラガン「フン、そこらの有象無象よりは様になっているのではないか?」


ハリベル「そうか……///」


クールホーン「うふふ。照れてる顔もカワイイわぁ♪」



バラガン「……時間じゃのォ」


バラガン「行くぞ、クールホーン」


クールホーン「はっ!」



クールホーン「それじゃあね、ハリベルちゃん♪」


ハリベル「ああ、またな」



チョット!アンタタチドウシタノ!?
スコシナ…
キビシイタタカイダッタ…
マアヨイ ハヤクシュッパツスルゾ
ハッ!



シャンシャンシャン…




ハリベル「そういえば、バラガンから受け取った箱の中身は一体……?」ビリッ


ハリベル「……これは」


『リーダーの法則』
『部下を従わせる百の方法』
『恐怖政治』
『鞭と鞭』
『スパルタ徹底論』
『バラガン陛下観察日記』
『一を聞いて十を知れ』


ハリベル(手紙……?)スッ


『ささやかながら貴様にこの六冊を送らせてもらう 互いに部下を従える身として少しでも貴様の役に立てば光栄じゃ』

『他者の上に立つ者が持つ思想は既に己のものだけでは無い 配下の者は上の者を見て成長する故 その思想は黒にも白にも染まる』

『部下にとってのリーダーとは絶対の象徴 どんな形であれ揺らがぬ芯を持ってこそ下の者はついてくる』



ハリベル「ふっ、奴も似合わんことをするものだ……」


ハリベル「揺らがぬ芯を持つ、か……」


ハリベル「だからこそ、アパッチ達は今もこんな私について来てくれているのかもな……」



アビラマ「ったくあの女どものおかげで酷い目にあったぜ……」


フィンドール「全くだ……」


シャルロッテ「ウダウダしてる暇はないわよあんたたち!」


アビラマ「おいおい、バラガン陛下の一番の従属官であるこのアビラマ・レッダー様がウダウダしてるとは良く言ったもんだな!」


シャルロッテ「ちょっと! 陛下の一番の従属官はあ・た・し! そこ勘違いしないでちょうだい!」


フィンドール(シャルロッテ、アビラマ、君たちの言葉はどちらも不正解だ……バラガン陛下第一の従属官はこの俺、フィンドール・キャリアスに決まっているだろう)


フィンドール「では陛下! お次は何処へ向かいましょう?」


バラガン「>>↓1の下に>>↓3を届けに行くとしよう」


フィンドール「はっ!」



>>59
×シャルロッテ
○クールホーン
でした



ジオ「なあニルゲ。ワンダーワイスってのは何処にいると思う?」


ニルゲ「俺に訊かれてもよぉ……でも統括官様の近くに良くいるってもっぱらの噂だぜ」


ジオ「それにしても何で俺たちがこんなことを……」


ニルゲ「仕方ねえだろ。アビラマから『陛下にこんな汚れ仕事をさせるのは俺たちが耐えられねえっ! 今頼れるのはお前らしかいねえんだ!』って連絡が来たんだから」


ジオ「でもよりにもよってその……オ、オナ……///」


ニルゲ「……皆まで言うな。ささっと見つけてささっと退散しようぜ」


ニルゲ「それにこれは陛下の為でもあるんだ。この任務は命をかけてでも成功させなきゃならねえ」



ギン「なんや君たち。こないなトコで珍しいなぁ」


ニルゲ「!?」ピクッ


ジオ「市丸ギンか……」ザッ


ギン「そう怖い顔せんといてや。睨まれると僕悲しいわー」


ジオ「…………」


ギン「で、誰を探しとるん?」


ジオ「ワンダーワイス……」


ニルゲ「俺たちはそのワンダーワイスって奴にある物を届けなくちゃいけないんです」


ギン「ふぅん。ま、嘘言ってるようにはみえへんし。僕がそこまでつれてったるわ」



ニルゲ「……行くのか?」


ジオ「……行くしかないだろっ」



ギン「着いたで」


ギン「東仙サンが戻って来るといろいろややこしなるから、早いとこ用済ませて出てってな~」


ギン「ほな僕はここらで……」スタスタ



ワンダーワイス「ア~………」


ニルゲ「!」ピクッ


ジオ「な、なんなんだコイツは……」


ニルゲ「とりあえず例のブツが入ってる箱を渡してみようぜ……」スッ


ワンダーワイス「ウー……?」


ワンダーワイス「ア~……」ビリビリ


ワンダーワイス「アウ~……?」ヒョイ



ニルゲ「おい、もしかして使い方がわからねえんじゃねえのか……?」


ジオ「かもな……」


ニルゲ「教えてやったらどうだ?」


ジオ「馬鹿かっ! そもそもあんなの使ったことねえよっ///」


ジオ「ほら行くぞっ! 後は統括官様がなんとかしてくれるだろ!」


ニルゲ「お、おう……」



ワンダーワイス「…………」ツンツン


ワンダーワイス「アー……」ツンツン


ワンダーワイス「ウ~……?」グイーッ


ワンダーワイス「???」


ワンダーワイス「アウッ!」ガブッ


ワンダーワイス「ウゥ~……」モグモグ


ワンダーワイス「オロァ……」ペッ


ワンダーワイス「ウ~……」ジーッ


ワンダーワイス「アウ」ポイッ



東仙「待たせてすまなかった。ワンダーワイス」


ワンダーワイス「アウ!」


東仙「そうか、ならば近々今日の埋め合わせをすると約束しよう」


東仙(ん……?)ヒョイ


東仙(何だこれは、護謨毬か? しかしそれにしては感触が……)グニグニ


東仙「ワンダーワイス、お前はこれが何か分かるか?」


ワンダーワイス「ウ?」ピクッ


ワンダーワイス「アウ~……」ショボン


東仙「お前も知らないのか……」


東仙(だが、恐らくこのような珍しいものは藍染様の私物と見て間違いないだろう……)


東仙(しかし藍染様も忙しい身だ、直接渡すのも気が引ける)


東仙(仕方がない、後で密かに藍染様の机の上にでも置いておくとしよう)





アビラマ「おい、あいつら無事例のブツを届けたってよ!」


クールホーン「さすがあのコたちねえ」


フィンドール「奴らも陛下の従属官として席を置く身。このくらいはやってもらわなければな」


アビラマ「陛下! お次は!?」


バラガン「>>↓1の下に>>↓3を届けに向かう!」


バラガン「行くぞ!」


アビラマ「はっ!」





ウルキオラ「…………」ピラッ


ウルキオラ(そう、この写真の女の名は井上織姫……)


ウルキオラ(一度は俺が連れ去ったものの、俺の居ぬ間に突如姿を消した人間……)


ウルキオラ(この女を今一度連れ去ることこそが、俺が藍染様より承った命令……)


ウルキオラ(次こそは……)



ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!



ウルキオラ「!?」グシャッ



ウルキオラ「誰だ……!」


バラガン「貴様と話すのは久方ぶりじゃのォ。ウルキオラ」


ウルキオラ「バラガンか……」


ウルキオラ「No.2のお前が俺に何の用だ……」


バラガン「フン、そう喧嘩腰になるではない」


バラガン「貴様のその怒り、その拳に握られておる紙切れが理由か?」


ウルキオラ「…………」


バラガン「見せてみろ」ヒョイ


ウルキオラ「!!」



バラガン「ほう、どうやら第4十刃が現世の人間にうつつを抜かしておるという噂は真だったようじゃのォ」ピラピラ


ウルキオラ「何のつもりだ……」


バラガン「貴様が真に欲しているものはこのような紙切れではないじゃろう」


バラガン「入れ!」バチン!


井上「…………」


ウルキオラ「井上織姫……!」


ウルキオラ「やはり俺の下へと戻って来たか……」


ウルキオラ「そうだ、そうでなければな……」


ウルキオラ「少し背丈が伸びたか……? 顔を良く見せ……」スッ


クールホーン「ばぁっ! 残念あたしでしたぁ!」


ウルキオラ「…………」


クールホーン「これは着ぐるみよ、着・ぐ・る・み♪」


クールホーン「どお? 驚いたかしら?」


ウルキオラ「…………」


ウルキオラ「…………」


ウルキオラ「…………」






ウルキオラ「鎖せ――」





ウルキオラ「黒翼大魔――」






クールホーン「ちょちょっ、あ、あんた何こんなトコで解放してんのよっ!」


クールホーン「No.4以上の刀剣解放は天蓋の下じゃ禁止されてるはずよ!?」


ウルキオラ「……黙れ、貴様等は許さん」ギロッ


クールホーン「うっ……!」


ウルキオラ「……消えろ」ブンッ!


バラガン「……フン」ガシッ!


ウルキオラ「……!」


クールホーン「へ、陛下……」


バラガン「少し眠れ」トンッ


ウルキオラ「っ……」ドサッ



ウルキオラ「……!」


バラガン「目が覚めたか」


ウルキオラ「貴様……」


バラガン「なに。少々手荒な真似になったが、こうでもせねば強情な貴様はこの贈り物を受け取りはせんだろうからのォ」


ウルキオラ「贈り物……だと?」


バラガン「この箱の中身は井上織姫を模した義骸じゃ」


バラガン「貴様の自由に使うがいい」



バラガン「本来ならば、貴様が真に求めているものを渡してやりたかったものじゃが……」


バラガン「それは貴様自身にしか解らぬこと……」


ウルキオラ「貴様、どこまで……」


バラガン「貴様が心底求めているものは「心」そのものじゃろう」


ウルキオラ「……!」


バラガン「じゃが。心と言えど、その定義は決して一つに決めつけられるものではない」


バラガン「それこそ、儂ら十刃がそれぞれ異なる思想や存在意義を持つようにな」


ウルキオラ「…………」


バラガン「真に欲しているものこそ、いざ手にしてみれば……」


バラガン「いや、儂が言わずとも貴様にもいずれ判る時がくるじゃろう」


バラガン「邪魔をしたのォ。行くぞクールホーン!」


クールホーン「はっ!」


クールホーン「あっ、着ぐるみは置いていくわね♪」



シャンシャンシャン…




ウルキオラ「行ったか……」


ウルキオラ「…………」チラッ


ウルキオラ(決して中身を見てみたいという理由で箱を開けるのではない……)


ウルキオラ(あくまでも確認だ……)ビリビリ


ウルキオラ「……!」


ウルキオラ(やはり義骸というだけあって精巧な作りになっているな……)スッ


ウルキオラ「…………」サワサワ


ウルキオラ(仄かに熱を帯びている……!)ゴクリ…



ウルキオラ「!」



ウルキオラ(……そうか)



ウルキオラ(……これがそうか)



ウルキオラ(……この掌にあるものが)



ウルキオラ(    心    か    )






クールホーン「びっくりしたわぁ。あのコいきなり解放するんだもの」


アビラマ「は~。やっぱさっきの霊圧はウルキオラの帰刃が原因だったのかよ」


バラガン「無駄口を叩くな、次じゃ。>>↓1の下に>>↓3を届けに向かう!」


バラガン「行くぞ!」


フィンドール「はっ!」


クールホーン「陛下の!」


アビラマ「仰せのままに!!」





ザエルアポロ「これが死神の卍解か。実に興味深い」


ザエルアポロ「奴らが攻め入って来ることも考慮して一度解析しておくのが吉だろうね」


ザエルアポロ「ククク、イールフォルト。あんなカスでも録霊蟲の宿主としては十分に役に立った……!」


ザエルアポロ「そう、僕の研究の糧としてね……」


ザエルアポロ「クク……」


ザエルアポロ「ハハハ……」


ザエルアポロ「ハハハハハハハハハッ!!!!」



ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!



ザエルアポロ「!!?」



ザエルアポロ「誰だい? こんな行儀の悪いことをするのは……僕の実験材料にされたいのか……?」


バラガン「フン、研究に精がでておるようじゃのォ。ザエルアポロ」


ザエルアポロ「バラガンか……! 全く実に珍しい客人だ。僕になにか用かな……?」


バラガン「貴様に儂からの贈り物をやろう」


バラガン「アビラマ、クールホーン、フィンドール、来い!」バチン!


フィンドール「はっ!」ザッ


クールホーン「作戦通りに行くわよ!」ザッ


アビラマ「おう!」ザッ



ザエルアポロ「くそっ……なんだお前たちは!」


アビラマ「捕まえたぞっ! フィンドールはこいつの左腕押さえろ!」ガシッ


フィンドール「了解!」ガシッ


ザエルアポロ「このっ……! 貴様ら十刃である僕にこんなことをしてただで済むと……」


クールホーン「ふふっ、何とでも言うがいいわ」


クールホーン「それにしてもあなた、髪がパサパサねぇ。特別にあたしのオススメのヘアワックスをプレゼントしてあげるわ♪」ベチョッ


ザエルアポロ「コイツっ……! 僕の髪に触るなっ!」


クールホーン「もう遅いわよ」ワシワシッ!


ザエルアポロ「ぐっ……!」



クールホーン「このメガネもダサいったらありゃしないわ」グイーッ


ザエルアポロ「痛だだだだだだっ!! これはメガネじゃなくて仮面の名残だっ! 引き剝がすのはやめろっ!」


アビラマ「だったらこのメガネの上から陛下がお選びになったメガネを被せちまおうぜ」


クールホーン「そうね。接着剤でくっつけちゃいましょう」ニュルン


フィンドール「陛下! 舞台が整いました!」


バラガン「フン」スッ


ザエルアポロ「ちょっと待てっ! まさかその瓶底メガネを僕にかけるつもりじゃ……!」


クールホーン「今のダサいメガネよりあっちの方が百倍いいわよ?」


ザエルアポロ「ふざけるなっ! どうみてもソレのほうが百倍ダサいだろう!」


クールホーン「もう諦めなさい♪」


バラガン「なに。すぐに終わる」


ザエルアポロ「く、来るなっ……」ジタバタ


ザエルアポロ「や、やめ……やめろおおおおおおおおっ!!!」



シャンシャンシャン…




ザエルアポロ「くそっ、あいつら……いつか僕の実験材料にしてやる……」


ザエルアポロ(だが、存外つけ心地は悪くないな……)


ザエルアポロ(それに、確かバラガンはこのメガネには虚圏には無い技術が搭載されているとも言っていた……)


ザエルアポロ(これは、説明書か……?)ピラッ


『超高性能メガネ』
・麻酔銃つき
・変声機能つき
・追跡機能つき
・無線機能つき
・筋力増強機能つき
・ターボエンジンつき
・フレームの伸縮性も自在


ザエルアポロ「…………」


ザエルアポロ(おおよそメガネに似つかわしく無い機能ばかりだが、解析すれば別の用途に応用できそうだ……)


ザエルアポロ「ふっ、この僕に力を与えたことを後悔するがいい。第2十刃」


ザエルアポロ「クク……」


ザエルアポロ「ハハハ……」


ザエルアポロ「ハハハハハハハハハッ!!!!」



ドッスウウウン!!!!!!



ザエルアポロ「!!?」


クールホーン「ごめんなさあい! ヘアワックスの詰め替え渡すの忘れてたわ! 大事に使いなさいよお!!」


クールホーン「アデュ~!!」



ザエルアポロ「……二度と来るなっ!!!」



シャンシャンシャン…






クールホーン「こういうのもいざやってみると案外楽しいものね……」


アビラマ「まあな! 陛下のために働いてるって感じがするぜ!」


フィンドール「陛下! お次はどちらへ?」


バラガン「>>↓1に>>↓3を届けに向かう!」


バラガン(この催しも段々と終わりが近づいて来たのォ)


バラガン「進め!」


フィンドール「はっ!」





ネル「今日は現世ではクリスマスっツ催しがあるらしいス!」


ネル「ネルたつも今日は存分に楽しむんス!」


ペッシェ「うおおおおっ!!」ドンドン


ドンドチャッカ「イエーイでヤンス!!」パフパフ


ネル「ツってもココは虚夜宮の外だし、楽しむも何もないんスけどね……」


ペッシェ「うっ……」ズキッ


ドンドチャッカ「うっ、でヤンス……」ズキッ


ネル「今年こそサンタさんは来てくれるんでそーか……」



ズザザザザザザザザザザッ!!!!!!!



ネル「!?」


ペッシェ「だ、誰だッ!」


ドンドチャッカ「なんか飛んできたでヤンス!」



バラガン「フン、流石に虚夜宮の外を探し回るのは骨が折れるのォ」


ネル「あ、ああ……」


ネル「その赤いボウシ!」


ネル「赤い服!」


ネル「それに白い髭!」


ネル「間違いなくサンタさんっス!!!」


ネル「ついにネルたつのところにもサンタさんが来たんダす!」


ネル「プレゼントちょーだいっス!」ピョンピョン!



バラガン「ガキが。そう焦るな」スッ


ネル「なんだすかこの箱……?」


バラガン「クリスマスケーキじゃ。貴様にはこれで十分じゃろう」


ネル「あ、ありがとうっス!! 嬉しくて涙ちょちょ切れそうっス!」


ペッシェ「ま、まさか本当にサンタクロースが来るとは……」


ドンドチャッカ「ずっと言い伝えの中だけのヒトだと思ってたでヤンス!」


ペッシェ「やはりサンタクロースとは威厳があるものなのか……よく見ればどことなくバラガン様に似ているしな……」


ドンドチャッカ「ホントでヤンス! バラガン様そっくり……」


ペッシェ「そっくり……?」


ドンドチャッカ「なにかおかしいでヤンス……」


ペッシェ「まさか本物……?」


ドンドチャッカ「…………」



ペッシェ「ああああああああああっ! 大変申し訳ありません! ネ、ネルが失礼を……!」ズザー


ドンドチャッカ「ネ、ネル、あやまるでヤンス! この方はバラガン様でヤンス!」ズザー


ネル「なに言ってるんスかドンドチャッカ、そんなワケないっス」


ネル「ほれ! サンタさんのボウシの下には王……冠……」ヒョイッ


バラガン「…………」


ネル「あーーーーーーーーっ!!!!!!」


ネル「ホントにバラガン様っス! ということはネルたつここで殺されちゃうんスか!?」


ドンドチャッカ「終わりでヤンス!? 終わりでヤンス!?」


ペッシェ「せめて私のフンドシは墓の前に添えていただければ……!」



クールホーン「なに言ってるのあんたたち。陛下はただ贈り物を届けに来ただけよ、サンタクロースとしてね」


ネル「えっ!?」


バラガン「クールホーン。アビラマとフィンドールと共に向こうで少しこのガキに構っておれ」


バラガン「儂はこっちの二体と話がある」


クールホーン「はっ!」


クールホーン「というわけであっちに行くわよお嬢ちゃん」ヒョイ


ネル「わわわっ」アタフタ



ペッシェ「バ、バラガン様、先程のご無礼をお許しください……」


ドンドチャッカ「オ、オイラも謝るでヤンス……」


バラガン「フン。今はそんなことはどうでも良い」


バラガン「それよりもあのガキ……元第3十刃ネリエル・トゥ・オーデルシュヴァンクで間違いないな?」


ドンドチャッカ「!!」


ペッシェ「バラガン様……ネリエル様のことを覚えて……!」


バラガン「あの仮面紋は独特じゃからのォ。一目で判ったわ」



バラガン「貴様等にはこれをやる」ポイッ


ペッシェ「こ、これはいったい?」


バラガン「あのガキ用の薬だ。一錠服用させれば奴は本来の姿に戻る」


ペッシェ「!!」


ドンドチャッカ「それにしては薬の量が多いでヤンス……?」


バラガン「本来の姿のままでは不便な時もあるじゃろう。その時はもう一度薬を服用させればガキの姿に戻る」


ドンドチャッカ「あっそういうことでヤンスね! よくわかったでヤンス」


バラガン「話はそれだけだ」



アビラマ「痛でででででで! 頭をかじるなクソガキ!」


ネル「あっ、痛かったっスか!? じゃあネルのヨダレで治すてあげるっス!」ベチョッ


アビラマ「汚ったねえなオイ!! やめろ!!」


クールホーン「まったく騒がしいわねえ」


アビラマ「おい、今度はあっちのフィンドールってヤツに遊んでもらえ……」ハァハァ


ネル「遊ぼっスー!!」


フィンドール「ははっ、可愛い子どもじゃないか」


ネル「とう!」ゴチン!


フィンドール「はうっっ!!?」キーン


クールホーン「あら、モロ直撃したわね」


クールホーン「多分そのお兄ちゃんはもうダメよ。あたしが代わりに遊んであげるわ♪」



バラガン「時間じゃ。行くぞ」


フィンドール「はっ!」


アビラマ「出発準備だ!」


ネル「ま、待ってほしいっス! 行かないでほしいっス!」


ネル「バラガン様たつとはちっと遊んだだけっスけど……すごく楽しかったんス!」


ネル「み、みなが行っちゃうと……ま、また四人ぼっちになっちゃうっス……」


クールホーン「でもねネルちゃん……」


ペッシェ「私からもお願いします……せめてネル様だけでもバラガン様の下に……」


バラガン「……元従属官風情がこの儂に意見とは不遜じゃな」


バラガン「まさか、この儂を前にして貴様等の下らん我儘がまかり通ると思っているわけではあるまい?」ギロッ


ネル「う、ううっ……」ガタガタ



クールホーン「陛下……ですが彼女らのこれからの生活を考えると……」


バラガン「くどいぞ!!」


クールホーン「!!」ビクッ


バラガン「クールホーン。貴様も己の立場を判っておらぬようじゃのォ……」


クールホーン「も、申し訳ありませんバラガン様……」タジッ


バラガン「こやつらは謀略とはいえノイトラとザエルアポロに敗れた身じゃ」


ペッシェ「!!」


バラガン「実質的に死に伏した虚どもを再び掘り起こしてやる程、儂は甘くはない」


ドンドチャッカ「…………」


バラガン「儂の配下に使えぬ従属官はいらん」



バラガン「アビラマ、フィンドール」


アビラマ「は、はっ!」ザッ


フィンドール「!」ザッ


バラガン「貴様等の考えもクールホーンと同じか? 正直に答えい」


アビラマ「はい……!」


フィンドール「お、お言葉ながら……!」


バラガン「そうか」



バラガン「ペッシェ・ガティーシェ」


バラガン「ドンドチャッカ・ビルスタン」


バラガン「そしてネリエル・トゥ・オーデルシュヴァンク」


バラガン「最後にもう一度だけ言う。儂の配下に使えぬ従属官はいらん。儂の配下には、な」


アビラマ「……?」


フィンドール「……?」


クールホーン「……まったく。ホントニブいわねえあんたたち」


アビラマ「な、なんだと!」



バラガン「アビラマ、クールホーン、フィンドール、何を無駄なことを話しておる。行くぞ!」



フィンドール「は、はい!」


クールホーン「つまりねえ、陛下は“私たちの下”にならネルちゃんたちを付けようがどうしようが勝手にしろって仰ってくれたの」


アビラマ「!!」



クールホーン「さあネルちゃんたち! 出発するわよ! 早く来なさい」


ネル「ホ、ホントにネルたつを連れてってくれるんだすか……?」


アビラマ「おうよ! それも全員な!」


ドンドチャッカ「嬉しいでヤンス~! ありがとでヤンス~!!」ピョーン!


アビラマ「ぐえっ」グチャッ


ペッシェ「か、感謝する……本当にありがとう……」


フィンドール「礼なら僕たちではなく陛下に言ったほうがいい」


アビラマ「お前は早く俺の上からどけっ! 重いんだよ!」ガンガン


ドンドチャッカ「そんな辛辣に扱わないでほしいでヤンス~!」



シャンシャンシャン…






ドンドチャッカ「バラガン様! ありがとうでヤンス!!」ガンガン


ペッシェ「ありがとうございます! ありがとうございます!」ペコペコ


ネル「ネルは嬉しいっス! 飛び跳ねたいキブンっス!」ピョンピョン!


アビラマ「お前等ソリの上で暴れるな! 放り出すぞ!」



ギャーギャー!



クールホーン「……本当にありがとうございます。陛下」


バラガン「フン……」


バラガン「贈り物も次で終わりになるかのォ。最後は>>↓1に>>↓3を届けるとする」


バラガン「行けい!」


クールホーン「はっ!!」





アーロニーロ「くそぉ……」「最近ノ食事ハ虚バカリデ流石ニ飽キテキタヨ……」


アーロニーロ「現世でなにか味の付いた旨いものでも喰いたいぜ……」「デモ勝手ニ現世ニ行ッタラ藍染様ニ怒ラレルダロウシ……」


アーロニーロ「せめて霊圧を遮断できればバレなさそうなんだが」「ソンナ方法ガ有ルトモ思エナイ……」


アーロニーロ「そもそも現世は太陽の光が照ってるからな……」「僕タチニトッテハ長居シ辛イ場所ダ……」


アーロニーロ「はぁ……」「憂鬱ダネ……」



ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!



アーロニーロ「「!!?」」



バラガン「ガキが。話は聞かせてもらったぞ」


アーロニーロ「バ、バラガン……!?」「何故コンナ所ニ……!?」


バラガン「儂は貴様に贈り物を届けに来ただけだ」


アーロニーロ「贈り物……」「ダト……?」


バラガン「霊圧を完全遮断できる義骸を貴様にやろうと思ってな。丁度いいじゃろう」


アーロニーロ「義骸?」「アレハ死神ニシカ使エナインジャナイノ?」


バラガン「フン、死神も虚も同じ魂じゃろうが。死神だけにしか使えん道理がどこにある」


アーロニーロ「確かに……」「デモソンナ物貰ッチャッテ本当ニイイノ?」



バラガン「贈り物だと言ったじゃろう」


バラガン「アビラマ、クールホーン、フィンドール。来い!」バチン!


クールホーン「はっ!」ザッ!


アビラマ「こちらが例の義骸です!」ザッ


バラガン「ウム。フィンドールの奴が見当たらんが奴はどうした?」


アビラマ「先程ソリの上で暴れていた三体に巻き込まれ共に落下しました!」


バラガン「そうか。後で拾っておけ」


アビラマ「はっ!」



アーロニーロ「何やら箱が沢山あるが……」「ソノ中身ハ全部義骸ナノカイ?」


クールホーン「そうよ。折角義骸をプレゼントしてもあなたが気に入らなかったら意味がないでしょ? だから色々な義骸を持ってきたの」


アーロニーロ「わざわざ悪いな……」「中身ヲ見ルノガ楽シミダネ。開ケテイイノカナ?」ワクワク


バラガン「ああ」


アーロニーロ「それじゃ」「開ケサセテ貰ウヨ」ビリビリ



アーロニーロ「これは……」「何ダ……?」


バラガン「その義骸は大前田希千代モデルじゃ。それにするか?」


アーロニーロ「い、いや、やめとくぜ」「モノ凄イ太ッテルシ……」


クールホーン「じゃあこれはどう? 確か班目一角モデルだったかしら……」


アーロニーロ「悪いがハゲは論外だな」「ウン。ハゲハ論外ダ。弱ソウダシ」


クールホーン「あらそう。残念ね」


アビラマ「だったらこの山本元柳斎重國モデルってのはどうだ? なかなか強そうだぜ」


アーロニーロ「う~ん……」「チョット僕タチニハ厳格スギルカナァ……」


バラガン「まったく注文の多い奴じゃのォ。ならばこれならどうだ?」スッ


アーロニーロ「おお、これは……!」「中々イイネ。コレハ誰ガモデルナノ?」


バラガン「その義骸は確か志波海燕モデルじゃったかの」


アーロニーロ「よし決めた!」「コレニスルヨ!」



バラガン「この義骸は死神の使う義骸とは少し異なるからのォ。使い方を説明しておく」


バラガン「一度入ってみろ」


アーロニーロ「ああ。わかった」「ケ、結構入リニクイネ……」グイグイ


バラガン「義骸の左耳を軽く引いてみるがいい」


アーロニーロ「左耳……?」「ヨイショット」グイッ



ボンッ!



アーロニーロ「うおっ! オレがもう一体!?」「ドウナッテルンダ……?」


バラガン「それは貴様の身代わりのようなものじゃ。その身代わりには貴様が持つ全ての霊圧が封じ込めてある。」


バラガン「霊圧を遮断する義骸に入ったことにより、貴様の霊圧が突如消えたとなれば藍染の小僧に感づかれるかもしれんからのォ」



アーロニーロ「すごいな……」「ツマリ、コノ身代ワリヲ出シテオケバ僕タチハ藍染様ニ気付カレルコト無ク現世ニ行ケルッテコトダネ?」


バラガン「ああ。じゃがもう一つ。右耳を引いてみろ」


アーロニーロ「今度は右耳……?」「ヨイショッ」グイッ



スッ…



アビラマ「消えたっ!?」


「あれ。何か変わったか?」「ドコモ変ワッテナイ様ニ感ジルケド……」


バラガン「貴様の姿は今誰にも見えておらん。風景と同化しておるからな。これで人間の目も気にせずに済むじゃろう」


「おお……!」「コレデ僕タチモユックリ羽ヲ延バセルヨ……!」


クールホーン「気にいってくれたのなら何よりよ♪」



バラガン「……時間じゃな。行くぞ!」


アビラマ「はっ!」


クールホーン「あ。ついでといってはなんだけど残りの義骸も置いてくわ。好きに使ってちょうだい♪」



シャンシャンシャン…






クールホーン「ふぅ。とりあえずこれで全部配り終えたわね」


アビラマ「よっしゃ! フィンドールとその他を拾って宮に戻るぜ!」


クールホーン「では陛下。これより宮へと帰還します!」


バラガン「フン……。行けい!!」


クールホーン「はっ!!」



バラガン(サンタクロース、か)


バラガン(この催しがあの小僧の指示ということだけが気に喰わんが……)


バラガン(まあ。悪い一日ではなかったかのォ……)





後日


ジオ「ないっ! 無い無い無い無い無いっ!!」アタフタ


クールホーン「騒がしいわねえ。どうしたの」


ジオ「俺の日記がないんだよ!! お前等も探してくれ!」


アビラマ「お前日記なんか付けてたのかよ。初耳だぜ」


ニルゲ「で、一体どんな日記なんだ? 特徴がないと探すに探せないからな……」


ジオ「かなり分厚いヤツだ! 本と間違えるくらい分厚いから気をつけてくれ!」


ジオ「くっそぉ……俺の命にも等しい日記が……」


ジオ「おいポゥ! お前も寝てないで探してくれ!」ゲシッ


ポゥ「眠い……面倒くさいネ……」ボリボリ




ミラ・ローズ「なあアパッチ」


アパッチ「ん? どうした」


ミラ・ローズ「藍染様のあの噂……聞いたか?」


アパッチ「噂ぁ?」


スンスン「あら。まさかまだ知らない方がいるとは。無知は罪ですわね」


アパッチ「うるせえ! で、どんな噂なんだ……?」ワクワク


ミラ・ローズ「あれだよ。藍染様がその……オナホ使ってるってやつ」


アパッチ「オ、オナっ……/// ば、馬鹿言えっ、そんなワケあるかっ///」


スンスン「ロリとメノリが藍染様の机の上に置いてあるのを見たらしくてよ。それも唾液のようなものでベトベトだったとのことですわ」


アパッチ「ま、マジかよ……あいつらあんな性格だけどくだらない嘘は吐かないからな……」



ミラ・ローズ「私が天に立つ。とか言っときながらいきり立たせてたのは股間のブツだったってワケさ」


スンスン「は、はしたないですわよミラ・ローズ」


ミラ・ローズ「それにしてもアパッチ。お前そんな言葉遣いのくせして結構シャイなんだな。顔真っ赤にしちまってよお」


アパッチ「う、うるせえっ! お前もさっきちょっとどもってたじゃねえかっ!」


ミラ・ローズ「なっ……!」


アパッチ「テメーもだスンスン! 一人だけすましてんじゃねえよっ!」


スンスン「うっ……!」


アパッチ「と、とにかく……! この話はもうやめにしようぜ……?」


ミラ・ローズ「あ、ああ……」


スンスン「そのほうが良さそうですわね……」


アパッチ(でもまさか藍染様がそんなヒトだったとはな……。念のためハリベル様にも伝えておかなきゃな……)






アビラマ「バラガン陛下!」ザッ


バラガン「……なんじゃ」


アビラマ「藍染様より一通の書面が届いております!」


バラガン「何ィ?」


アビラマ「“先日はご苦労だったね。多忙なところ悪いが、君には近々虚夜宮で訪れる正月イベントの幹事を引き受けてもらいたいと思う。早速今から準備を始めてくれ”とのことです!」


バラガン「小僧が……! 一度ならず二度までも……!」ワナワナ



フィンドール「バラガン陛下!」ザッ


バラガン「……またか」


フィンドール「藍染様より追加でもう一通書面が届いております!」


バラガン「読み上げろ」


フィンドール「はい! “どうやら最近、女性の破面たちの私を見る目が少し変わったような気がしてね。何か知っていることはないかい?”とのことです!」


バラガン「フン。儂の知ったことではないわ。適当に送り返しておけ!」


フィンドール「はっ! 承知いたしました!」



バラガン(じゃが。正月とは……またもくだらん余興じゃのォ……)


バラガン(とはいえ。虚圏の神として今一度小さき者どもに威厳を示しておくのも面白い)


バラガン「アビラマ!」


アビラマ「はっ!」


バラガン「クールホーン、ジオ、ポゥ、ニルゲを連れ正月の準備を始めろ!」


バラガン「先日拾った三体の破面を動員しても構わん!」


バラガン「行けい!!」


アビラマ「はい! 陛下の仰せのままに!!」






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