子供「お母さんこの石の人みたことあるー」 (6)


母「あらそう?私はしらないけど…」

子供「じゃあぼくもしらなーい」

母「あらあら…」

楽しげに話す子供と母親の姿を木陰に立っている男が物言わずただみている

男「……」

男が向いている方向の反対から男に向かい歩いてくる少女

女「あんたそれじゃまるで不審者よ」

不審者という部分だけを強調して言われ顔をしかめ少女のほうへ目を向ける

男「不審者はさすがに言いすぎだろ」

女「ならロリコン?」

男「あれ男の子だろ?」

女「男の娘よ」

男「なんだその性別…」

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女「それより、ほら買ってきたわよ」

少女が手に持っている袋を顔の目の前に持ち上げ男に見せる

男「そういえば遅かったな」

女「並べば十分もたつわ…それよりいたいけな少女を並ばせて日陰で涼んでるあんたこそ何さまよ」

男「お前のご主人様」

女「私はメイドか!」

男「はいはい、ご苦労様、はいこれジュース」

女「え、ありがと」

そういって差し出された缶を取るため手を伸ばす

女「意外と気が利くじゃん」

そして手に取った缶を少女は握りつぶした

男「おまそれスチールだぞ」


女「何ゴミ押し付けてんだよ!」

男「おしとやかにおしとやかに…」

女「うるさい!もうお前にこれあげないんだから!」

男「金出したの俺!」

女「並んだの私!」

男「……せめて一口」

女「やだ」

━━十分後

女「……げふ」

サンドイッチを手にもってお腹をさする少女

男「七個もくうからだ…」

女「残りみっつ…あげ…うっ!」

お腹をさすっていた手を勢いよく口に当てサンドイッチをもともとは言っていた袋の上に置いて何処かへと
勢いよく走って行った

男「…いただきまーす」

少女が残していったかじりかけのサンドイッチの葉形のついた部分から一口、一口と食べていく


数分して少女が肩をおろしこちらにゆっくり歩いてくる
その姿を最後のサンドイッチを半分まで食べきった男が笑いながら迎える

男「おかえり」

女「…あ、私の」

男「まだ食うのか」

女「…むり」

男「じゃあ遠慮なく」

半分まで減ったサンドイッチを一口で口の中に頬張り両手をあわせる

男「ごちそうさま」

男「動けそうか?」

女「家と家の上をと飛び移るとかじゃなければいける」

まだ少し青ざめた顔で不敵な笑みを浮かべ親指をたてる


男は先ほどまで親子がいた場所に立っている石像に手を当て

男「今…もどしますからね」

そういって少女を連れて公園を出て町を抜け川を上流に向かい道なりに歩いていく。


女「そういえばさっきの町で収穫はあったか?」

男「図書館はあったが…童話とか釣りとか料理とか小説ばっかだった」

女「そりゃ図書館に魔術書なんかあるわけないよな~」

男「あったとしても魔術ってより催眠術とか錬金術だもんな」

女「ま、それならいっそないほうが残念感はうすいか」

女「で、次の街までそのくらいかかる?」

男「町にはいかない」

女「いかない?なんで?」

男「さっきの街で聞いたんだけど、この川を上って山に入ると魔女がいるらしい」

女「魔女?…ウィッチ?」

男「そ、魔女、手掛かりになるかもしれないから一応、な」


女「魔女っていうくらいだし魔法とか使えるのかね~」

男「それは知らないが、町の人が言うには近寄るものの生気を死ぬまで吸うらしい」

女「魔女っていうより化け物だな」

「泣け者とは失礼な」

女「?…なんかいった?」

男「そっちこそ」

「こっちだこっち」

女「?……?」

男「空耳か…つかれてんのかなおれ」

「君たちワザとだよね?結構近いよ?てかもう耳元だよ?」

そういわれて男はいやいやという顔で横を向いた
振り向いた先でニヤニヤしながら男の頬に人差し指をあててる黒髪のロングヘアーに
オフホワイトのロングコートを着て犬に首輪をして散歩をしている女性の姿だあった

男「美女!」

魔女「あらありがとう」

女「犬!」

犬「おうよ」

女「…?!」

何も言えずに口を大きく開け目を見開いて犬と魔女と男を見まわしている。

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