『週末艦これショート』 (489)
第一話
瑞鳳「提督に騙されて股間に高速給油棒増設された」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419684285
ラバウルとブインに挟まれた南方海域に位置するショートランド泊地。
サーモン海に猫に強い泊地は山ほどあれど中でもショートランドは
イベント中エラー猫に見舞われることの少ない屈指の泊地である。
駆逐艦を始め様々な艦娘達が集い5-5の勲章を得るべく毎月多くの回数
出撃を重ねるが、その界隈に夜な夜なある屋台蕎麦屋が出没することはあまり知られていない。
名を『猫蕎麦』といい、イベント中何度もエラー猫に締め出された提督達の涙が出汁に使われているという噂だが、真偽の程は定かではない。
夕張「はーい、お待ちどう様! 食べ終わったら感想、聞かせてね!」ゴトッ……
瑞鳳「わぁ、おいしそう!」
しかしその味は無類である。
??「ずぞぞぞぞ……」
瑞鳳(……そば啜る音うるさいなぁ)
??「……貴君、ショートランド所属の艦娘だろう?」
瑞鳳(わ、話しかけられた……)
瑞鳳「……まぁそうですが」
??「私も所属している」
瑞鳳「はぁ……」
瑞鳳(なにこのひと……)
??「私はショートランド泊地の提督だ」
瑞鳳「テートク!?」
提督「正確に言うと職業提督の元帥張り付きガチ勢だ」
瑞鳳「ぶはっ!?」
瑞鳳「元帥張り付き……それって……ニーt」
提督「シャラップ! 私は君の事なら何でも知っている」
提督「改装前の名前やしょっちゅう九九艦爆の足を舐めずる
軽空母だったこと、高速給油艦時代のアダ名、小沢艦隊時代の戦歴
二次性徴が来た時の淡い胸への期待、初めて買ったブラジャーのサイズ」
瑞鳳「!?!?!?!?」
提督「泊地に転属してからの怠惰で無為な日々、夢見た艦隊で空母の
平均バストサイズに敗れ、インターネット上でRJとセットでネタに
されるようになりやがて胸のでかい艦娘を妬むようになった、
何故そんないじける一方の人生を過ごしてしまったのか」
瑞鳳「それは龍驤ちゃんがッ!」
提督「貴君がRJの平たい胸に影響されたことは認めよう。
しかしそれだけではあるまい?」
瑞鳳「!!!!!!」
瑞鳳「て、提督には何も関係ないでしょ?」
提督「……もうすぐ年越しだ。リセットされる引き継ぎ戦果に備えて
正月はいつもの倍戦果を稼がなくてはならない。それが我々の仕事だが、
資材もかかるし消費するバケツの数もバカにならない。
このご時世、オリョールで持ち寄った資材をそのまま大型建造で溶かすばかりだ。
それでも根が真面目な私はついつい深入りし、一人一人艦娘の悩み事について
じっくり考え頭をかきむしる。まるで人生相談室だ、嘆かわしい……」
提督「……そうおもわないか、君」
瑞鳳「話が見えないんですけど!」
提督「……イベントが近くなれば我々は戦力の増強として
ある艦娘を改装対象として決める」
提督は突然分厚い本のようなものを取り出すとあるページを開いた。
そこには……。
提督「ここに改二候補の艦娘の名前がある。ここに君の名前と
RJの名前。これの意味がわかるかい?」
瑞鳳「どういう、ことなの?」
提督「思いのほかアホだな。私は提督としてだれか改二改装をする艦娘を
選ぼうとしている。要するに君かRJだ」
瑞鳳「……改二改装!?」
この提督は私か龍驤ちゃんを改二にするという。
改二……つまり、おっぱい。
改二になった艦娘達のバストサイズが著しく向上する事は
そう珍しくはなく、今や前例に前例を重ね定説としてまかり通っている節さえある。
いける、これでフルフラット三国同盟(RJ・ZH・TH)からおさらばできる。
バラ色のバスト生活に目が眩んだ私は二つ返事で改装の道をえらんだ。
「巨乳になって夢の谷間を創りだすのだ!」
……そう考えていた私は手の施しようのないアホだった。
※ここで「迷子犬と雨のビート」が流れてOP。
―――――
―――
―
朝潮「チュンチュン!」
朝潮「朝です!」
朝潮「そして私は朝潮型一番艦、朝潮です!!」
~空母寮/づほの部屋~
瑞鳳「う~ん……むにゃむにゃ、九九艦爆は足がかわ……」
瑞鳳「うわ、なんだこれヌメヌメする!!!!」
ドアの向こう『ドンドンドン!』
瑞鳳「んぅ!? 誰こんな朝早くにぃ……」ムクリ
ドアの向こう『こらづほー! 今日の早朝演習づほも出撃やでー
はよ起きんかいー!!』
瑞鳳「んん……龍驤ちゃんの声……そっか、今日演習あったんだ……」
瑞鳳「早く準備しないと……ッ?」
その時、づほに電流走る。
瑞鳳「……なに? 何かここがもりあがって……」ガサゴソ
づほは違和感の元を手探りで探す。するとそれは股関に鎮座していた。
瑞鳳「……!?」
高速給油棒(よぉ、相棒)ムクリ
瑞鳳「」
瑞鳳「股関になんかおち……高速給油棒が付いてりゅううううううう!」
ドアの向こう『? どないしたんやづほ?』
瑞鳳「お、おちつけ……おちつけ瑞鳳。どうしてこんなことに……!?」
瑞鳳「昨日何があった……確か変な提督と出会って……、
そこから私の改装の話になって……んぅ!?」
瑞鳳「あれ? その後の記憶がまるでない……改装ってどんな改装をしたの?
ま、まさか……」
瑞鳳「このおち……高速給油棒を増設したのが改装ってオチじゃあ……」
ドアの向こう『おいづほ! 何があったんや返事しーや!』
瑞鳳「!!」
瑞鳳「ま、まずい……こんな高速給油棒の仰角が最大なところなんて
龍驤ちゃんにはみせられやしない……みせられやしないよ……」
高速給油棒(なんでだよ! せっかく準備万端なんだ、むしろ見せつけろよ!)
瑞鳳「な、何を言っているのジョニー!?」
高速給油棒(そしてそのまま押し倒しちまえよ! この俺様を使って
下の口に連続給油してやれよ!)
瑞鳳「だ、だめだってばそんなの……」
ドアの向こう『づほ!? づほ大丈夫か!?』
瑞鳳「うっ、とにかく返事しなくちゃ怪しまれる……」
瑞鳳「ご、ごめん龍驤ちゃん! なんでもないから!」
ドアの向こう『ちょっと君ねぇ、あんま心配させんといてや』
ドアの向こう『今日演習やで。ちゃっちゃと支度しーや。
あ、港に集合やからね! わかった?』
瑞鳳「う、うんわかったから……すぐ行くから!」
ドアの向こう『くれぐれも遅れんようにたのむで~』
瑞鳳「……」
瑞鳳「もういった、かな? ……ふぅ」
瑞鳳「ど、どうしようこれ……」
高速給油棒(既に次発装填済みです)バキーン
瑞鳳「まずこれをどうにかしないと外にも出られないよ……でも
これってどうしたら鎮まるんだろ……?」
高速給油棒(そりゃあおめぇ、誰かに高速給油すれば一発で……)
瑞鳳「そ、そんなのだめだってば!!」
高速給油棒(んだよ、でっかく生きろよ漢なら!)
瑞鳳「横道それずにまっしぐら! じゃなくて私は女子です!」
高速給油棒(はぁ? それにしちゃあその胸の薄さはおかしい……)
瑞鳳「ぶち殺されたいのか」
ガチャ
龍驤「あーづほ、ちょっちひとこと言い忘れてたわ~」
瑞鳳「えっ!?」
龍驤「新しい艦載機が配備されるから演習前に工廠に寄って……」
龍驤「……へ?」
瑞鳳「りゅ、龍驤ちゃん……」
龍驤「づ、づほ……なんやその、股関のタワーは……いつからオヤカタになったんや……////」
瑞鳳「上手いこと言わなくていいから」
瑞鳳(うう、まずい、見られた。とにかくなんとかごまかさなくちゃ)
瑞鳳「龍驤ちゃん、あの、これはね……」
龍驤「づほ、それなんかちんk……」
瑞鳳「ちがうの!! これはええとその! あれだよ!!!」
龍驤「なんや」
瑞鳳「……きゅうりが」
瑞鳳「……」
瑞鳳(思いつかねぇ!!! ここから先が思いつかねえ!!)
瑞鳳(何!? 何よきゅうりって!)
高速給油棒(きゅうり。ウリ目ウリ科キュウリ属のつる性植物。
甘みが少なく全体の90%が水で構成されている。栄養素が殆ど無い)
瑞鳳(ちん……高速給油棒のくせに妙に博学……)
龍驤「なんやなんや」
瑞鳳(ま、まずい! 龍驤ちゃんが疑っている!!! なにか!
何か言わないと!)
瑞鳳……「ささったの」
龍驤「は?」
瑞鳳「股関にきゅうりが刺さったの!!!!!」バチコーン
龍驤「……」
龍驤「Crazy……」
瑞鳳「うん、今めっちゃきゅうり刺さってるから……うん、うん……」
龍驤「何で刺さっちゃったの?」
瑞鳳「タンポンの代わりにいけるかなって思って……」
龍驤「え、なにそれは」
瑞鳳「……とにかくそういうことだから。ちょっと出てってくれる?」
龍驤「は~、そかそか、股関にきゅうりがねぇ……そりゃあお邪魔したなぁ~」
龍驤「ってアホか! んな話あるかい! 何やねんそれ見せてみい」
ぐいっ
瑞鳳「あっ」ボロン
高速給油棒(降臨、満を持して)
龍驤「な……なんやこれ、きゅうりどころかゴーヤやないか……」
58「やめてくだち」
龍驤「あかんか?」
58「他の例えにしてくだち」
龍驤「じゃあちょっと今のナシ……こほん」
龍驤「なんやこれ! どでかいスカイツリー(♂)やないか!!」ババーン
瑞鳳「////」
龍驤「づほ、男やったんか?」
瑞鳳「ち、違うってば!」
龍驤「でもこんなみごとなスカイツリー(♂)が付いてるなんて……
ここらへんにグッスマ本社入ってんのかよおいィ!?」
利根姉さんのまめちしき:figmaやねんどろいどで有名なグッドスマイルカンパニー、その現本社はスカイツリーに入っているのじゃ。
羽振りがいいのか近年移転したそうな。可動ものばかり有名なこの会社のフィギュアじゃが、スケールモノも中々クオリティが高くて
アルターと並んでフィギュア初心者提督にもオススメじゃ! どうじゃ? また一つ利口になったのう!
瑞鳳「ジロジロ見ないでってば!!!」
高速給油棒(でも見られれば見られるほどに、興奮する)バキバキバッキーン
瑞鳳「くっ……こんな辱めを受けるくらいならいっそ殺せ……」クッコロ
龍驤「……はぁー。わかってるわかってる」
瑞鳳「んぅ?」
龍驤「なんか事情があるんやろ? づほ」
瑞鳳「……その、事情っていうか、なんていうか……」
瑞鳳「朝起きたらこんなことになってて……
私もちょっと混乱してて……」
龍驤「まぁ軍艦が擬人化する世界やし、ちんこの一本や二本生えた所で
今更驚く必要もないやん?」
瑞鳳「うわ、元も子もない……」ガビーン
瑞鳳「……でも、なんかその言葉で大分冷静になれたような気がする。
ありがとう龍驤ちゃん」
龍驤「うちとづほは無敵のコンビやからね。困った時は
どんどん頼ってくれてもええんよ」
瑞鳳「うん! そうだね、やっぱりたよりになるなぁ龍驤ちゃんは!」
龍驤「それでやな……づほ、さっそくうちに頼らないといけないんちゃう?」
瑞鳳「え?」
龍驤「その……そんな状態じゃ外に出られないやろ?」
瑞鳳「うぅ……恥ずかしながら……うちのジョニーが張り切ってしまって」
高速給油棒(俺のドリルは天を衝くドリルだ)
瑞鳳「でももう少し待ってればじきに収まるはずだから……」
龍驤「早朝演習があるし、そんな時間ないわ」
瑞鳳「そんなこと言っても……」
龍驤「だからうちに頼らんといけないんちゃう? って言ってるやんか」
瑞鳳「……どゆこと?」
龍驤「……あーもう! 察してくれない? ……その、アレや……」
龍驤「それ、鎮めるのうちが手伝ったるってゆーとるんやで……////」
瑞鳳「!? りゅ、龍驤ちゃん!? それって……」
龍驤「……要は一発抜けばええんやろ? それを手伝ったるって話や」
瑞鳳「ひえぇ……マジか」
龍驤「あ、あんまり恥ずかしいこと言わせんといてよ、全くもう……」
瑞鳳(ふえぇ……龍驤ちゃんが雌の顔してるよぉ……とんだ雌豚だよ……)
瑞鳳「……ゴクリ」
瑞鳳「な、何言ってるの龍驤ちゃん!? そんなのだめだってば!!」
龍驤「めっちゃ生唾飲んでたやん自分……」
瑞鳳「いやいや流石にマズイよ! だって私達女同士だよ!?
普通じゃないよ……まるでクソレz……大井さんだよ……」
龍驤「女だらけの鎮守府で今どきそんなのは珍しくもなんともない!
それに股関にそんなもんぶら下げてる女子がいてたまるか。
そもそも今は"普通の状況"じゃないやろ?」
瑞鳳「……やっぱりダメダメ! 私と龍驤ちゃんの仲でそんなこと……」
龍驤「こういう仲だからこそ、うちにしか頼めんとちゃう?」
瑞鳳「龍驤ちゃんはそれでいいの!? もっと自分の身を大事にしなよ!」
龍驤「あー……いや、うちは別にええんよ、そのー……」
龍驤「すこし、おち……そ、"ソレ"に興味がないことも、ないし……////」
瑞鳳「……」
瑞鳳「痴女なの?」
龍驤「は?」
瑞鳳「龍驤ちゃん痴女なの!? 竿が付いてれば誰でもいいの!?」
龍驤「いやいやちょっちまちーや!」
瑞鳳「龍驤ちゃんがこんなファッキンビッチだったなんて……
見損なったよこの淫乱。男根狂いの尻軽くまり◯こ女!」
龍驤「さらっとくまりんこ猥語扱いするのやめーや」
瑞鳳「昔の龍驤ちゃんはよかったよ~……あざとさの欠片もない
フルフラットだった! それが今やネコミミサンタコスなんかしてさ、誘ってんのかよ!
ビッチビッチこんにちわですか~~?」
瑞鳳「軽空母の軽は尻軽の軽かよholy shit」
龍驤「~~~っ!」
龍驤「う、うちは尻軽や無い!!! 処女や!!!!」
瑞鳳「……」
龍驤「あっ……」
瑞鳳「龍驤ちゃん……」
高速給油棒(うっはまじかよ、新築一戸建てかよ)
龍驤「しょ、処女で悪いか! 男のブツなんて今日の今日まで
見たこともない生娘や、文句あるか!」
高速給油棒(なんてこった! 相棒の運40は伊達じゃねえなおい!)
龍驤「つべこべいわんと、さ、さっさとそのスカイツリー(♂)
をさし出さんかい! アホ////」
瑞鳳「……ごめんね龍驤ちゃん。ビッチなんて言って……
龍驤ちゃんはちゃんと処女膜から声出てたんだね……」
龍驤「ちょっと時々づほが何ゆうてるのかわからなくなる」
高速給油棒(もう押し倒しちまえよ! D・M・M! D・M・M!)
瑞鳳「でもね、だからこそ龍驤ちゃんには綺麗なままでいて欲しいの」
高速給油棒(ん? んん? あ、相棒?)
瑞鳳「こんなことで自分を汚しちゃダメだよ」
龍驤「いや、な、何も本番する訳やないで!? その、手とかで……な?
ソレなら問題無いやろ? づほだって苦しいんと違う?」
瑞鳳「大丈夫。これくらい自分で何とか出来るよ」
高速給油棒(いやいやいや相棒! ここはいっとくべきだろ!
据え膳食わぬばなんとやらだぜ!?)
龍驤「そんなことゆーても……」
瑞鳳「龍驤ちゃん、そういうのは好きな人とやらないとダメだよ……
本当に想ってる相手として欲しい」
高速給油棒(こいつ突然何言い出すんだ……)
瑞鳳「私は龍驤ちゃんの事を大切に思ってる。だからこそ、好きな人が
できるまで龍驤ちゃんにはピュアなままでいてほしいと思うの」
高速給油棒(バッカお前、処女厨かよ!)
瑞鳳「異性に興味がある年頃なのはわかるけど……その気持ちは、
本当に好きになった相手にとっておいて。ね?」
高速給油棒(おいおいおいおい相棒! まじかよ! ここまできて!?)
龍驤「……本当にええんか? づほ……」
瑞鳳「龍驤ちゃんの気持ちは嬉しい。けど、私は友達を性欲処理に
使いたくないの……そんな自分は許せないの」
瑞鳳「だからね、龍驤ちゃん……ごめん」
龍驤「づほ……」
高速給油棒(なんかカッコつけてるけど、こいつ今めっちゃフルチンだからね)
龍驤「……むぅ、全くづほときたら……変に意地張るし」
龍驤「あーあ、後から抜いてくれーゆうても抜いてやらんからね?」
瑞鳳「ふふ、無理しちゃって。最高の処女ビッチだよ、龍驤ちゃんは」
龍驤「う、うっさい! 処女言うな////」
龍驤「……とにかく! 今日は演習やからね! それ収めたら
さっさと来るように!」
瑞鳳「はいはい」ギンギン
龍驤「じゃあ……うちはいくけど、本当に大丈夫なん? づほ」
瑞鳳「大丈夫だって。ほらほら、あんまりゆっくりしてると龍驤ちゃんも
遅れちゃうよ」
龍驤「せやったわ。ほんならうちは先に行かせてもらうで。
……づほ、時間厳守やからね?」
瑞鳳「了解です!」
龍驤「それじゃあお先に失礼っと……づほ」
龍驤「……うちのこと心配してくれて、ありがとな」
高速給油棒(何なんだこの展開……おかしいだろ、
DMM的展開になるべきだろ……原作ならここでS◯Xだろ……)
瑞鳳「艦これはそういうゲームじゃないから」
瑞鳳「ふー……さてと、これをどうしようかな……」
高速給油棒(ほんとだよ、どうすんだよ俺様の93式酸素魚雷の行き先は)
瑞鳳「えっと、とりあえず一発ヌイたら? いいんだよね?
それって……その、一人でも問題ない、よね?」
高速給油棒(まぁ一応できないこともないけどよ、相棒。
俺的にはやっぱり……)
瑞鳳「なにか手頃なおかずは……」
九九艦爆「……」
瑞鳳「……」
高速給油棒(!?)
高速給油棒(……相棒? な、何でそんなもん見てんだよ……)
瑞鳳「九九艦爆は……」
瑞鳳「九九艦爆は、足が可愛いのよ足が」
――右手は添えるだけッ
高速給油棒(え? 嘘だろ? おい相棒!? まさかそれで……)
瑞鳳「んっ……」
ナレーション(CV.大川透)『九九艦爆ッ! づほはなぜ九九艦爆で抜こうと思ったのかッ
づほ自身にも理解できなかったッ!』
高速給油棒(おいおいおいおいおいマジかよ! 九九艦爆て……
い、嫌だぞ、俺はそんなのおかずにしたくない……)
ナレーション(CV.大川透)『無意識だった。右手が高速給油棒に吸い付くように
勝手に動いたと感じたッ!』
賽は投げられた、進むしかない~♪
瑞鳳「はぁ……んっ……んぅ、九九艦爆、九九艦爆……」シコシコ
ナレーション(CV.大川透)『しかしッ! づほの肉体は知っていたッ! イき抜こうとする
づほの肉体がうごかしたのだッ! 幼い頃より九九艦爆の足に歪んだ感情を
抱いていたづほの異常性が、づほの性癖をプッシュしたのだッ!』
永遠を彷徨う冒険者~♪ (デーンデーン! デレッテ-! デデデデー!)
高速給油棒(や、やめろおい……こんなんで出したくない……)
瑞鳳「九九艦爆! 九九艦爆! 足可愛い! 足可愛いよぉ!!!!」シコシコ
ナレーション(CV.大川透)『そして、そのエネルギーは一気に自慰活動のパワーとなって……』
高速給油棒(うわああああああやだやだぁ! 出したくないぃ!!
九九艦爆でなんて出したくないぃぃ!!!!!)
ナレーション(CV.大川透)『頂点に達したッッッ!!!』
瑞鳳「足……うおおおおおおお!!!」
その血の運命~♪
瑞鳳「震えるぞ肉棒! 燃え尽きるほどビストン!!
刻むぞ! スペルマのビート!!!!」
高速給油棒(ああああああああイキたくないぃぃぃ!!
だしたくないいいいいいいいいいいい!!!!!!)
瑞鳳「白濁色の手淫疾走!!!!(ザーメンホワイト・オーバードライブ)」
――せめて、生き物で
イキたかっ……
瑞鳳「――ふぅ……最低だ、私って(賢者モード)」
高速給油棒「」
瑞鳳「まぁ、とりあえずは収まったことだし……早く演習の準備しないと」
瑞鳳「こんなのが股間に付いちゃったのも多分あの提督のせい!
必ず見つけ出して、じわじわとなぶり殺しにしてやるぞ! 絶対にだ!」
瑞鳳「……まぁとりあえず今は身支度が優先ね。
艦載機を工廠で受け取るんだっけ?」
~工廠~
瑞鳳「……あれ? あれれ? おかしいなー」
妖精「どうしたので?」
瑞鳳「あのね、今日私ここで新しい艦載機を装備することに
なってたんだけど……この艦載機、装備できないんだけど!!」
妖精「そんなはずは。空母なら必ず装備できるはず…・・」
瑞鳳「でもできないよ?」
妖精「それは一体。ん、おや?」
妖精「瑞鳳さん、艦種転換でもしたので?」
瑞鳳「え?」
妖精「あなた、艦種が補給艦になってますが」
瑞鳳(補給艦)「!?」
瑞鳳(補給艦)「まさかわたし……高速給油艦に!?」ガビーン
幸か不幸か運命のイタズラか。改装により高速給油艦(意味深)になってしまった瑞鳳。
彼女は無事軽空母に戻ることが出来るのか?
瑞鳳(補給艦)「高速給油艦になんか戻しちゃダメっていったのにぃ!!!」
今、瑞鳳の股関をめぐる波乱の展開が幕を開ける――……。
To be continue……
――次回予告――
提督の陰謀により高速給油艦となった瑞鳳は諸悪の根源たる提督を
探し出すべく動き出す。
が、しかし……ここは艦娘だらけのショートランド泊地。
彼女の高速給油棒は処女と困難を引き寄せるのだった。
加賀「瑞鳳……あなたおち……15.2cm単装砲を増設したそうね」
加賀「赤城さんの処女を脅かす輩は誰であっても許す訳にはいかないわ。
潔く死になさい」
瑞鳳「理不尽極まりない!!」デデドン
立ちはだかる一航戦。次々と群がる処女達。
果たしてづほは無事
【童貞達の聖域(チェリーボーイズ・オブ・ザ・サンクチュアリ)】
を守り切ることが出来るのか……?
次回、俺の瑞鳳がこんなに竿役な訳がない・第二話。
『オナヒョにちんちんをはめたまま歩いても陰部を露出していないから逮捕されない…?(しばふ氏談)』
チン守府の歴史がまた1ページ……。
※続きません
次回
瑞鶴「空母棲姫とかいう空母おばさんがさぁ~」加賀「イラッ……」
※クリスマス性の六時間に泣きながらこのSS書きました。
初雪「……」
初雪「あっ」
初雪「年越してた……」
初雪「初詣いってない……あしたでいいや……」
初雪「でも、おもちはください」
初雪「えっと、あとなんだっけ」
吹雪「新年の挨拶!」
初雪「んー……」
初雪「あけました」
※始まります
第二話
瑞鶴「空母棲姫とかいう空母おばさんがさぁ~」加賀「イラッ……」
~中部海域~
軽巡ヘ級FS「爆雷ポイーやで―」
バッコォ―――z___ン!
58「でちちちち!?」
401「やだやだ!」
19「んほおおおおおおお刺激強いのおおおおおおお!!!
癖になるのおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
利根「何じゃこいつら! 絶対に潜水艦殺すマンではないか!!」
瑞鶴「マズイわね……潜水艦がやられちゃうわ……」
瑞鶴「とにかく今は潜水艦の援護に回って!!
何としてでも最深部まで守りぬくのよ!!」
利根「それにしても、潜水艦達と組むのがこんなに大変だったとはな!」
大淀「潜水艦の子は基本的に潜水艦以外とつるまないですからね。
いきなり連携を取れと言われても無理な話でしょう」
大淀「普段から潜水艦を交えた訓練を行っていればこんな事態にはならなかった
でしょうに。オリョクルばかりしていた提督の怠慢ですね、これは」
瑞鶴「反省なら後にしてよね! このままじゃ……」
19「もうだめなのおおおおおおおおおお!! 青い爆雷がイクを攻めるのおおおお!
炎おおおおおおお体あああああ焼きつくすのおおおおおおおおおおおおお!」
58「まずいでち! イクの魚雷が暴発寸前でち!」
401「ぼうはつぼうはつ!」
利根「くっ、これ以上敵に好き勝手させてはならん!!」
瑞鶴「でもこっちも手一杯よ!」
大淀「……仕方がありませんね。これだけは使いたくなかったのですけれど……」
瑞鶴「え?」
大淀「散れ……【軍縮条約対応】!!」ピコーン
軽巡ヘ級FS「!?」
大淀「不要な艦を二隻解体します」
駆逐イ級「」カーンカーンカーン
軽巡ヘ級FS「うそやん……」
大淀「次はあなたです」ニッコリ
軽巡へ級FS「しぬやん……」カーンカーンカーン
瑞鶴「……」
瑞鶴「え、なにこれは」
大淀「デイリー任務です」
瑞鶴「それはありなの……?」
大淀「この任務は『艦を二体解体せよ』との文面ですから、敵味方は関係ない
と思われます。従って何の問題もありません」
利根「いや、大ありじゃない」
大淀「私が問題無いといえば問題ないんですよ」
瑞鶴(ふえぇ……何この人こわい……)
利根「まぁ敵を撃退できたのだから、良いのではないか?」
瑞鶴「利根姉さんはそれで納得できるの……?」
利根「うむ! 我輩、細かい事は気にせん主義でな!!」
瑞鶴「全然細かくないけどね……」ゲンナリ
19「後ちょっとでイケそうだったのに……ひどいのね……」
19「でも寸止めプレイっていうのも中々悪くないのおおおおおお!!
おっほおおおおおおおおおおおおおおおお!」ビクンビクン
58「こいつホントなんでもいけるでち」
401「わいせつわいせつ!」
利根「ほれほれ、バカなことを言っている暇はないぞ? 敵は待ってはくれん。
さぁ、先に進むのじゃ」
瑞鶴「じゃあ、羅針盤いくよー」
大淀「幸運艦の瑞鶴さんですから、当然針路は外しませんよね? 外したら……」ゴゴゴゴ
瑞鶴「ちょっとそうやって露骨にプレッシャーかけるのやめよう」
利根「あんしんせい。もし大淀に解体されてもその解体資材を元にまた新しい瑞鶴を
吾輩が建造してやる」
瑞鶴「それ全然根本的な解決になってないよね!?」
58「なんでもいいからさっさとやるでち。でちちち」
瑞鶴「はぁ……今日も羅針盤がんばるずい……」
羅針盤娘「羅針盤を回してね!!」カラカラカラカラ
瑞鶴「頼むよー。瑞鶴には幸運の女神が付いてるんだから」
カラカラカラカラ……ピタリ
羅針盤娘「Hに向かってね」
瑞鶴「あっ」
利根「逸れた……」
大淀「瑞鶴さん……」ゴゴゴゴゴ
瑞鶴「ちょっとまってって! これなんかおかし……ん?」
瑞鶴「そういえばここって索敵値によってルート決定するんじゃなかったっけ?」
利根「それなら問題無いじゃろう。なにせ吾輩は航空巡洋艦。水上機を載せずして……」
利根改二
装備
20.3cm(三号)連装砲
20.3cm(三号)連装砲
熟練艦載機整備員
熟練艦載機整備員
利根「あ、載ってなかったわ」
瑞鶴「おい!」
利根「すまんすまん、先日まで制空権のない海域で戦っていたものでな」
大淀「全く、しっかりしてくださいよ」
利根「そういうお主はちゃんと水上機載せておるのか?」
大淀「私は……まぁ、そうですね」
大淀
装備
応急修理女神
応急修理女神
応急修理女神
応急修理女神
大淀「こんなところでしょうか」
瑞鶴「ちょ、この人全く戦う気ないよ! 自分だけ助かる気満々だよ!」
大淀「私は連合艦隊旗艦ですよ!? 沈んだら困るじゃないですか!」
瑞鶴「せめて攻撃できるもの装備して!!」
利根「まぁ過ぎてしまったことは仕方あるまい。それよりも今は、この先に待ち構える
敵艦隊に備えるのじゃ」
瑞鶴「憂さ晴らしにこの次の敵はぎったんぎったんにぶちのめしてやる」
瑞鶴「頭を垂れて、泣いて許しを請うくらい完膚無きまでになぁ……!」
58「物凄いゲス顔&ゲスボイス」
大淀「とか言ってる間に敵艦隊発見みたいですよ」
瑞鶴「皆殺しだああああああああああああああああ!!!!」
シズメ……
シズメ……
瑞鶴「ああああああ……あ?」
利根「なにか聞こえてきたぞ」
ヘェーヘェーヘェーヘェー アー アー アー アー
シズメフカクシズメフカク シズメフカクシズメシズメ
テンテンテンテテレテンテンテンテン テンテテンテテレテレテンテンテン♪
瑞鶴「あれ、なんかこれ聞いたことあるぞ」
大淀「具体的に言うと、2014年夏イベ辺りで聞きましたね」
利根「む、あ、あやつは……」
空母棲姫「火の塊とナって、沈んでユけ!!!」
瑞鶴「」
大淀「」
利根「」
大淀「瑞鶴さん。ほら、ぎったんぎったんにぶちのめすんでしょう?」
瑞鶴「無理ずい!!!! 空母一隻であれと戦うのは無理だずい!!!!!」
大淀「そんな情けないことを言うなんて、あなたそれでも帝国海軍の血を受け継ぐ
軍艦ですか!? たとえ相討ちになろうとも背を見せないのが大和魂でしょう!?」
401「とっこうとっこう!」
瑞鶴「だったら女神満載してるてめーが特攻しろやボケエエエエ!!」
大淀「いやですよ、痛いし」
利根「お主ら!!!」
瑞鶴・大淀「「なにか!?」」
利根「敵の航空波状攻撃の第一波がくるぞ!!!」
瑞鶴「え」
401「きゅーそくせんこー」ザブン
58「逃げるが勝ちでち!」ザブン
瑞鶴「あっ! ずる!」
利根「お、おい! 爆発するぞーーー!!!」
瑞鶴「翔鶴姉……ごめん、私……」
――今日間違えて、翔鶴姉の紐パン履いてきちゃった。
翔鶴「あれ、なんか今日パンツの表面積が広い気がする」
――――――
―――
―
~鎮守府/食堂~
瑞鶴「あ"~……ほんと今日は散々な目に遭った……」
翔鶴「お疲れ様、瑞鶴。お茶でも飲んで落ち着いて」
瑞鶴「ありがと翔鶴姉。あーもうあの空母棲姫とかいう空母おばさん
なんなの……何であんなところにいるの……ホント最悪……」
翔鶴「でも、なんとか撃退できたんでしょう? 凄いじゃない!」
瑞鶴「イクの魚雷がたまたま空母おばさんの肛門に刺さったおかげで
事無きを得ただけよ。運が良かっただけ」
翔鶴「えぇー……それどういうシチュエーション」
瑞鶴「まぁイクだからね、あの子の魚雷が何処に命中してもおかしくないし」
翔鶴「そ、そういうものかしら……?」
瑞鶴「にしても空母おばさんよ! あいつ搭載数おかしいんじゃないの!?
どんだけ制空権取りたいのよ……必死すぎでしょ」
翔鶴「空母棲姫……あの海戦で沈んだ艦の負の思念が凝り固まったかのような存在……
その姿は少し……先輩方に似て……」
瑞鶴「あーそういえばなんか加賀さんに似てるのよね、あいつ。確かに制空権取るのに
必死wなところとか血も涙もないところとか~」
加賀「他には?」
瑞鶴「あとはそうね、ねちっこそうなところとか」
加賀「ほうほう」
翔鶴「はわわわわ……」
瑞鶴「まぁストレートに言うと性格が悪いっていうか! ねえ翔鶴姉?」
加賀「なるほど」
瑞鶴「!?」
翔鶴「ひゃわわわあああぁぁぁ」ガクガク
加賀「瑞鶴、あなたが私のことをどう思っているのかはわかりました」
瑞鶴「……」
瑞鶴「な~んていうのは全部、ウッソ~!」
加賀「死ぬがよい」スコーン
瑞鶴「ぎゃひ!?」
翔鶴「ああっ! 瑞鶴の顔面に九九艦爆が!!」
加賀「……」
翔鶴「せ、先輩……?」
加賀「とりあえずこっちも」スコーン
翔鶴「あう!? 何で私まで……」
黒潮(一航戦こわ、かかわらんとこ……)
赤城「いつのまにーかこの街にぃ、丸め込まれたのは僕ぅ~♪」
加賀「赤城さん」
瑞鶴「」
翔鶴「」
赤城「おやおや加賀さんや。これは一体何事ですか」
加賀「……」
加賀「赤城さん、今夜は七面鳥、それも二人前ですよ」ドヤァ
赤城「うーん、私は焼き鳥が食べたい気分ね」
加賀「赤城さん!?」ガーン
赤城「……もう加賀さんったら、また後輩いびりして」
加賀「陰口を叩く後輩を教育していただけですが」
赤城「加賀さんって性格の割に体育会系的な思考よね……」
赤城「瑞鶴ちゃん、翔鶴ちゃん、大丈夫?」
瑞鶴「うぐぐ……栗田ターン……」
翔鶴「ポートモレスビー……」
赤城「全く、少しやり過ぎよ加賀さん」
加賀「赤城さん……何故五航戦の子の肩ばかり持つの……」ムスッ
加賀「さすがに気分が消沈します」
赤城「あらまぁ、拗ねちゃって」
加賀「拗ねてませんが」
赤城「はいはい」
そんなこんなで。
赤城「二人共ごめんなさいね、お詫びに間宮のアイスをごちそうするわ」
瑞鶴「わぁい! さすが赤城さん! 青いのとは違う!」
加賀「は?」
翔鶴「こら瑞鶴!」
瑞鶴「う……ごめんて翔鶴姉」
翔鶴「それにしても……赤城先輩、本当によろしいのですか?
元はうちの瑞鶴に非があったわけですし……」
赤城「いいのよ、うちの加賀さんも少しやり過ぎたみたいだし……」
翔鶴「でもやっぱり悪いです……ほら瑞鶴、加賀先輩に謝りなさい」
瑞鶴「う~……」
瑞鶴「確かに発端は私だし……いろいろ悪かったとは思うけど……」
加賀「7:3位の割合で五航戦が悪いけれど、今なら地べたに這いつくばって
土下座するくらいでチャラにしてあげましょう。ありがたく思いなさい」
瑞鶴「翔鶴姉、やっぱり私この人に謝るの嫌なんだけど……」
赤城「加賀さんったら、また瑞鶴ちゃんを挑発するようなこと言って!」
赤城「もう……加賀さんはアイス抜きかしらね?」
加賀「ああっ、そんな殺生な……」
赤城「はぁ……どうしてあなた達って、こんなに喧嘩ばかりなのかしらね……」
「それだけ仲がいいってことじゃない?」
「仲良き事は美しき哉! ね!」
赤城「あら蒼龍、飛龍も」
蒼龍「何々みんなで集まっちゃって、私達も仲間に入れてよ~」
飛龍「加賀さんと瑞鶴はいっつも喧嘩してるよね、素直じゃないなぁ二人共!」
翔鶴「蒼龍先輩、飛龍先輩、こんにちわ。演習帰りですか?」
飛龍「新入り空母の相手をしててねー」
加賀「新入り……と言うと、雲龍ね」
蒼龍「そうそう私の妹分!」
飛龍「ちょっと待って、雲龍は私の妹分だってば!」
蒼龍「? 何いってんの飛龍~、雲龍は私の妹分でしょ? そもそも飛龍だって
私の妹分みたいなものじゃない」
飛龍「初耳だなぁ……。正直な所、私より蒼龍のほうが妹っぽいって八割は思ってるよ」
蒼龍「そんなことは……」
飛龍「じゃあみんなに聞くけど、蒼龍と私、どっちがお姉ちゃんっぽく見える?」
蒼龍「そんなの私に決まって……」
赤城「飛龍」
加賀「飛龍ですね」
瑞鶴「飛龍さんかなぁー」
翔鶴「蒼龍先輩ごめんなさい……飛龍先輩で」
蒼龍「」
蒼龍「何故!?」
赤城「だって……」
瑞鶴「『やだやだぁ』とか言って提督に駄々こねたりするし……」
蒼龍「え、何で知ってるのそれ……////」
飛龍「風のうわさっていうのはこわいもんでね、蒼龍」
蒼龍「お前か! お前がばらしたのか!」
蒼龍「うぅ~~はずかし! もうお嫁にいけない!!」
飛龍「そうしたらまた提督に駄々こねれば?
『お嫁に貰ってくれなきゃやだやだぁ』って」
蒼龍「飛龍うううううううううううう!」
翔鶴「ふふふ……お二人は本当に仲がよろしいですね」
飛龍「あはは、腐れ縁なだけだって」
瑞鶴「でも、羨ましいな……そういう関係……」
飛龍「……ふっふーん?」ニヤリ
瑞鶴「な、なんですか?」
飛龍「いーや、なんでも?」
瑞鶴「……そ、そうですか」
飛龍(やれやれ、本当に素直じゃないんだから)
大鯨「ま、間宮アイス四人前、お待たせしました~」ゴトッ
赤城「上々ね」
加賀「さすがに気分が高揚します」
瑞鶴「いいみたい!」
翔鶴「はい! ありがとうございます!」
蒼龍「わぁアイスだ! 私達も食べよ、飛龍!」
飛龍「それじゃあ間宮アイス二人前追加で、くじらちゃん」
大鯨「は、はい間宮アイス二人前追加ですね! かしこまりました!」
蒼龍「くじらちゃんもすっかり食堂に馴染んだよね」
大鯨「そ、そうですか……?」
瑞鶴「あなた、空母に艦種転換できるんでしょ? しないの?
空母になればたくさん活躍できるよ?」
大鯨「今は航空戦力が充実していますから……来るべき時が来れば
改装します」
大鯨「それに私……あの……今のお仕事もきらいじゃないんです。
それなりに充実しているし、暫くはこのままでいいかなーなんて」
瑞鶴「そうなんだ……」
加賀「あれだけ苦労して掘ったのに、給仕係にさせるなんて……どんな判断だ
資材をドブに捨てる気か」
赤城「本人が良いと言っているんだから、ソレでいいじゃありませんか加賀さん」
大鯨「えっと、それじゃあ追加のご注文、ただ今お持ちしますねっ」
飛龍「そんなに急がなくてもいいからねー……」
蒼龍「んー! やっぱり間宮のアイスは別格だよね~」
飛龍「かーっ、これのためだけに生きてるぅ」(キラキラ状態)
瑞鶴「空母おばさんを撃退しただけに、アイスの甘味も一段と甘い。勝利の味ね」
蒼龍「あー、空母おばさんってあれか。MI作戦の。あれは大変だったよね~」
赤城「まぁ、最期には私達が勝ちましたけどね!」
蒼龍「で、その空母おばさんがどうしたの?」
加賀「……」
瑞鶴「だからですね、その空母おばさんが……」
加賀「……」イラッ
瑞鶴「いたんですよ、中部海域に! 空母おばさんが!!」
加賀「……」イライラ
蒼龍「おかしいね……空母おばさんは私達二航戦と赤城さん達一航戦がやっつけたはず」
加賀「」イライライラ
瑞鶴「いや、空母おばさんは沈んでないですよ蒼龍さん。現にMI作戦後に急襲してきた
深海棲艦の軍勢の中に空母おばさんはいましたもん」
加賀「」イライライライラ
蒼龍「それは知らなかった。じゃあまだあの空母おばさんは……」
瑞鶴「空母おばさんをこのまま野放しにしておくのも危険ですよね。
早急に空母おばさんを討伐する部隊の編成を……」
加賀「ちょっとあなた達」ガタン
蒼龍「加賀さん? どしたの?」
加賀「……空母棲姫のことを空母おばさんと呼ぶのはやめなさい」
蒼龍「え? なんで?」
瑞鶴「空母おばさんは空母おばさんじゃん。ねー?」
蒼龍「ねー?」
加賀「ねー? じゃありませんが。彼女にはれっきとした空母棲姫という
名前があるでしょう。それに言うほどおばさんじゃ……」
瑞鶴「いや、何処からどう見てもおばさんでしょ」
加賀「」カチン
ゴチンッ!
瑞鶴「!? ~~~~痛ぁっ!? ちょっと何すんですか加賀さん!!」
加賀「はっ! ついカッとなって……」
瑞鶴「何で加賀さんが空母おばさんのことでカッとなっちゃうんですか~……」
加賀「それは……何故? かしらね……うむむ」
赤城「……」
赤城(やっぱり加賀さんと空母棲姫は、何か通ずるところがあるのかもしれないわね)
飛龍「しっかし以前あれだけこっぴどく傷めつけたのに、
いまだ健在だなんて……どんだけタフなのよ空母棲姫」
加賀「あの驚異的な艦載機数で再び暴れられてはたまったものではありません
近日中に再び空母機動艦隊を編成し、討伐に当たりましょう」
瑞鶴「その時は、今度こそ私達も一緒に……!」
加賀「ダメよ」
瑞鶴「どうして!?」
加賀「空母棲姫はあなた達の手におえる相手ではないわ。アレは私達一航戦と
蒼龍達二航戦で仕留めます」
瑞鶴「練度が問題だっていうの!? 私達はもう以前のように未熟な艦娘じゃない!
一航戦と並び立つ戦力だと思ってる!」
翔鶴「お言葉ですが加賀先輩、私も瑞鶴に同感です。私達五航戦は、一線で戦える
実力を有していると自負しています!」
加賀「思い上がるのも大概にしなさいファッキンひよっこ風情が……!」
瑞鶴「なっ……」
加賀「あなた達五航戦なんて一航戦パゥワ―の前では無力、置物同然」
加賀「一航戦と五航戦では33-4位の差があるわ!!」
黒潮(なんでや!)
瑞鶴「そんなこと……!」
加賀「私から言えることはこれだけよ、瑞鶴」
瑞鶴「私だって!!」ガタッ
瑞鶴「私だって加賀さんの力に、なれるのに……!」
翔鶴「瑞鶴……」
瑞鶴「……すみません、失礼します」
翔鶴「あっ、まって瑞鶴……」ガタッ…
瑞鶴、翔鶴を伴い自室へと戻る。
飛龍「ん~……青春だねぇ~」
蒼龍「はぇ? 何が?」
赤城「……加賀さん、ちょいと言い過ぎやしないかね」
赤城「あの子達の実力は、あなたが思っているほど低くないわ」
加賀「……だからこそ、今はこれでいいのよ、これで」
加賀「あの子達はいずれ私達なんか追い抜いて、この艦隊の導く翼となる」
加賀「あの子達の力は未来を切り開くために使って欲しい。過去の因縁は……
私達の手で終わらせなくてはいけないのよ」
赤城「加賀さん……」
飛龍「加賀さんそれ自分で言っててめっちゃ恥ずかしくない?」
加賀「なっ」
飛龍「翼ってw加賀さんめっちゃ中二病ww」
蒼龍「ちょ、やめなってば飛龍! 加賀さんがドヤ顔で決めてたのにそれじゃあ……」
加賀「~~~っ!」プルプル
蒼龍「ほら加賀さん顔真っ赤になってるじゃん! 飛龍あやまんなって!」
飛龍「加賀さん。ごめんなさい……お詫びにこれ……レッドブル……」
飛龍「翼をさずけるwwwwwwwwwwコポォwwwwwwww」
蒼龍「飛龍ごらぁ!」
加賀「~~~ッ!」ジワッ
赤城「ほ、ほらほら加賀さん泣かないで! 大丈夫大丈夫、
私は素敵な言葉だったと思うわ! とっても心に響きました!」
加賀「ぐすっ……ほんろ……?」
赤城「ほんとほんと!」
加賀「赤城さんがいいなら……私はそれでいいの……(達観)」
~艦娘寮/五航戦部屋~
翔鶴「瑞鶴!」
翔鶴「加賀先輩も言葉通りのことを言っている訳ではないとおもうの!
きっと何か理由があるのよ……」
瑞鶴「ごめん翔鶴姉、今日はもう寝るわ……」
そう言って瑞鶴はベットに倒れこむと、枕に顔をうずめた。
瑞鶴「ねぇ、翔鶴姉……」
翔鶴「なぁに?」
瑞鶴「私って、そんなに頼りないかなぁ……」
翔鶴「そんなことないわ。瑞鶴はよく頑張っているもの」
瑞鶴「そう、だよね……この一年、私達は頑張ってきた。凄く強くなった」
瑞鶴「でも加賀さんは……一緒に戦わせてはくれない」
瑞鶴「何でなのかなぁ……」
翔鶴「……加賀先輩は、気むずかしい人だから……」
瑞鶴「じゃあやっぱり、嫌われてるのかな……」
翔鶴「そんなことはないわ。加賀先輩だって無意味に厳しい事を言っている訳じゃない」
瑞鶴「だったらなんで……」
翔鶴「それは……」
言葉が出なかった。翔鶴は瑞鶴を上手く納得させる自信がなかったのだ。
翔鶴「……」
重い沈黙が五航戦の部屋を支配した。息苦しさがそこら中に敷き詰められ、
もはや会話の継続は不可能な雰囲気となっている。翔鶴は途方に暮れた。
「……言葉で分かり合えないのであれば、拳で語るしかないのであります」
瑞鶴「!?」
その時だった。不意にベットの下からその声が聞こえてきたのは。
瑞鶴「あ、あんたは……」
あきつ丸「ややや、これは失礼。ベットの下からこんにちわ、自分、あきつ丸であります」ズイッ
瑞鶴「……何であなた、私のベットの下にいるのよ」
あきつ丸「瑞鶴どの、この部屋は少しせきゅりてぃが甘い。こうしてやすやすと
外部の侵入を許してしまうなど……これが万が一敵軍のスパイだった場合、瑞鶴殿は
寝首を掻かれていましたぞ。もっと危機意識を持った方がいいのでは!」
瑞鶴「質問に答えなさいよあんた……」
あきつ丸「それはそうと瑞鶴殿、加賀殿と一悶着あったようでありますなぁ~!
聞きましたぞ~(ベットの下で)」
瑞鶴「だったら何よ……」(なんか凄い馴れ馴れしい……)
あきつ丸「自分、三度の飯より他人の諍いに首を突っ込むのが大好きなのであります!
黒い感情のぶつかり合いを傍観していると、飯が進むのであります!!!」
瑞鶴「下衆の極みじゃん……」
あきつ丸「まぁそう気を悪くしなさるな。自分も瑞鶴殿と加賀殿が不仲であるという
現状は良くないと思っているのであります。個人的な感情を抜きにすると!」
あきつ丸「勿論本心ではお二方が醸し出すギスギスとした雰囲気は至高!
周りの気まずい空気も含めてこのあきつ丸、思わず前かがみであります!!!」
瑞鶴「おい陸軍」
あきつ丸「とはいえこのあきつ丸、私欲を優先するほど落ちぶれてはいないので
あります。瑞鶴殿、自分に考えがあるのだが、聞いては貰えないか?」
瑞鶴「どうせろくでもないことでしょ? 聞くまでもないし」
翔鶴「まぁまぁ瑞鶴。とりあえず話を聞くだけ聞いてみましょうよ」
瑞鶴「……翔鶴姉が言うなら……」
あきつ丸「ありがたい!」
瑞鶴「で、考えっていうのは?」
あきつ丸「……自分が思うに、加賀殿は瑞鶴殿の力を過小評価している」
瑞鶴「……」
あきつ丸「それは、加賀殿が瑞鶴殿と全力でぶつかり合ったことがないからだと
自分は思うのであります。従って……」
あきつ丸「加賀殿には一度、瑞鶴殿と全力でぶつかり合う場……決闘の場が
必要なのではないのかと! 自分はそう思うのであります!!」
瑞鶴「……!」
翔鶴「け、決闘!? ダメよそんな危ない……!」
あきつ丸「言葉で伝わらぬ以上、それしか方法はないのであります」
瑞鶴「……そう、いいじゃない」
翔鶴「瑞鶴!?」
瑞鶴「加賀さんに勝ってその力を証明する。単純明快でわかりやすい……」
瑞鶴「いいわ! やってやろうじゃないの!」
翔鶴「瑞鶴……私はそういうの、やめたほうが……」
あきつ丸「はっはっは、決まりですな。では僭越ながら決闘の場はこのあきつ丸に
手配させていただきたい」
瑞鶴「いいわよ。全部任せる」
あきつ丸「承知した!」
あきつ丸「このあきつ丸、ルール無用の残虐ファイトに思いを馳せ、
今から血沸き肉踊るのであります……!」
翔鶴「……なんてことだ……なんてことだ……」
この時翔鶴はとても嫌な予感がした。
そしてその予感は尽く的中することになる。
――――――
―――
―
朝潮「ちゅんちゅん!」
朝潮「数日後です!」
朝潮「そして私は朝潮型駆逐艦1番艦、朝潮です!!!」
~鎮守府・特設ホール~
霧島『アーアー、マイクチェックマイクチェック……わんつ、ワンツーワンツー……』
霧島『ごほん』
霧島『レディースエーン……フィートガールズ!! これよりぃ……』
霧島『"年末特別企画・・PRIDE艦娘祭2015~一航戦対五航戦/因縁の対決~"の開催を!
宣言したいと思います!!!!!!』
艦娘一同「yahooooooooooooo!!」
湧き上がる歓声。リングの周りを、駆逐艦から戦艦まで様々な艦娘達が埋め尽くす。
会場は、最高潮の盛り上がりを見せていた。
瑞鶴「……な、なんだこれ」ガビーン
一方、瑞鶴はそれと相反するように冷めていた。
霧島『いつもは海の上を優雅に滑る艦娘達も、今夜ばかりは体と体! 拳と拳で
ガチバトル! 本日のカードは一航戦と五航戦! この二組のデスマッチをお届けします』
瑞鶴「あのちょっと、あきつ丸くん」
あきつ丸「何でありますか!!」
瑞鶴「な、何なのかなこれは……」
あきつ丸「PRIDE艦娘祭であります!!!」ドン☆
瑞鶴「いやいやそういうことを聞いてるんじゃあ無くてね、何で肉弾戦で決闘
することになってるのかな……?」
あきつ丸「ははは、瑞鶴どのもおかしなことを仰る。昔から決闘といえば
拳と拳のぶつかり合いと決まっているのであります」
瑞鶴「私達空母! 肉弾戦の要素一切なし!!」
あきつ丸「瑞鶴殿! 直接拳を交えなければ、想いは伝わらんのであります!
覚悟を決められよ!」
瑞鶴「くっそ陸軍に任せたのはやっぱり間違いだった……」
翔鶴「というか瑞鶴……なんか私まで戦うっぽい流れなんだけど……」
あきつ丸「一航戦対五航戦のタックマッチですからな! 当然でありますぞー!!」
翔鶴「なんてことだ……なんてことだ……」
霧島『それでは早速ご登場してもらいましょう!! 赤コーナー……
全長260.67m、機関133,000馬力、速力30.2ノットの正規空母赤城と……
全長247.65m、機関127,400馬力、速力28.3ノットの正規空母加賀の……
一航戦・ゼロファイターズの入場だああああああああああ!!!』
プシュー!(白煙が上がる音)
暁の、向こうへ~♪(入場BGM:暁の水平線に)
加賀「……」ビキビキ
赤城「あはは……」
瑞鶴「うわ、なんか加賀さんめっちゃキレてんじゃん!」
翔鶴「ひ、ひえぇ……」
あきつ丸「明らかに『何故私がこんな催しに参加しなくてはならないの』といった
不満が滲みでた、いい感じに苛ついている顔でありますなぁ! これは始まる前から
大波乱の予感ですぞ~!」
瑞鶴「こいつ他人事だと思って……」
霧島『続いて青コーナー……
全長257.5m、機関160,000馬力、速力34.2ノットの正規空母翔鶴と……
同じく全長257.5m、機関160,000馬力、速力34.2ノットの正規空母瑞鶴の……
五航戦・ターキーシューティングスターズの入場だあああああああ!!!!』
翔鶴「チーム名にかなり悪意を感じる!!」
瑞鶴「はぁ……どうやらいくしかないみたいね、翔鶴姉」
翔鶴「あまり野蛮なことはしたくないけれど……瑞鶴が行くなら、ついていきます!」
瑞鶴「うんありがとう翔鶴姉! 一緒にいこう!!」
翔鶴「ええ!」
あきつ丸「頑張ってくるでありますぞ~」
瑞鶴「お前これが終わったら覚悟しとけよ!!!! マジで!!!!」
……こうして特設リングの上にて、一航戦と五航戦が対峙した。
~特設リング上~
瑞鶴「……」
加賀「……」ゴゴゴゴゴ
霧島『顔を合わせた両チーム。早くも火花が散っているようですねぇ~……!』
瑞鶴「うはー……やっぱりめっちゃおこってます?」
加賀「当然です。こんなくだらない遊びに巻き込まれて……その上赤城さんまで
巻き込むなんて……万死に値するわ、五航戦」
瑞鶴「いや、これはちょっとした手違いで……ていうかわざわざ律儀に
来ることないじゃないですか!」
加賀「私達は一航戦。一航戦が尻尾を巻いて逃げるなど、ありえません」
加賀「それに、要は相手をぶちのめせばいいのでしょう? 何も難しいことはない」
加賀「いつも通り五航戦を完膚なきまでに叩きのめせば事は済みますから」
瑞鶴「……そうやって、もう勝ったつもりでいるみたいですけど……」ギリリ
瑞鶴「今日ばかりは、勝たせていただきますよ、先輩!!!」
赤城(なんかもうやる気みたいだけど……)
翔鶴(私達はどうすれば……)
霧島『両者既に戦闘準備完了、いつでも出撃できますと言った所。
試合はまもなく開始です……!』
那珂ちゃん(レフェリー)「艦隊のアイドル那珂ちゃんはレフェリーでもかわいい!!」
霧島『レフェリーは川内型軽巡洋艦・那珂ちゃん、そして実況は金剛型高速戦艦の私、
霧島がお送りいたします……』
霧島『ルールは無制限一本勝負。目潰し以外なら何でもあり、参ったと言うか
倒れてから10秒間立ち上がれなかった方が敗者となります』
霧島『それ以外は何をしてもアリ! 危険ではとの声もあるかと思いますが……
私達は艦娘です。もし大事があってもバケツをかければすぐに元通りになるので
心配はご無用!』
那珂ちゃん「それじゃあ試合開始の前に、凶器を持っていないか那珂ちゃんが
チェックするからねー!」
加賀「別に私は凶器なんて持っていません。調べる必要はありません」
那珂ちゃん「そんなこと言ってもルールなんだから、ちゃんと調べなくちゃダメだよー」
瑞鶴「そうよそうよ、ホントは何か隠し持ってるんじゃないの?」
加賀「愚かな……」
加賀「私はあなたの為に言っているのよ。今の私に触れたら、きっと後悔することになる」
瑞鶴「えっ……?」
那珂ちゃん「そんなこと言ってもお仕事だもーん。それじゃあ那珂ちゃん、
ボディチェックしますねー」
ピタ
那珂ちゃん「え」シュイシュインシュインシュイン
加賀に触れたその瞬間、
那珂ちゃんは燃料と弾薬と鋼材に分解された。
瑞鶴「那珂ちゃんの霊圧が……消えた!?」
霧島『ああーっと! なんということでしょう! レフェリーの那珂ちゃんが
加賀選手に触れただけで分解されてしまいました! これは一体どういうことなのか!』
燃2弾4鋼11「ひどーい!!! 那珂ちゃんの顔がぁーー!!」
瑞鶴「どうしてこんなことを……!」
加賀「ごめんなさいね。この溢れ出る一航戦力にあてられて……那珂ちゃんは
分解されてしまったのでしょう……」
瑞鶴「!?!?」
瑞鶴は戦慄した。触れただけで那珂ちゃんが解体されてしまう程の一航戦力、
その凄まじさを目の当たりにして……。
加賀「今日の私はイライラしています。おかげで一航戦力の制御ができません……」
加賀「航空甲板がなくなっても恨まないことね、瑞鶴」ゴゴゴゴゴ
瑞鶴(くっ、やはり一航戦……一筋縄ではいかないか……!)
赤城(一航戦力ってなに……?)
赤城は加賀の言っていることが全く理解できなかった。
不知火「那珂ちゃんが解体されてしまったので、
落ち度のないレフェリーはこの不知火が、引き継がせてもらいます」
霧島『那珂ちゃんの代わりの新しいレフェリーも見つかり、
試合はいよいよゴングとなります! さぁ、一体どんなドラマが
待ち受けているのか!!』
瑞鶴「タッグマッチとはいえ戦うのは一人ずつ……翔鶴姉には
セコンドに回ってもらおう……」
加賀「あらいいの? 別に私は二人がかりでも構わないのだけど?」
瑞鶴「ぬかせ、その減らず口すぐに黙らせてやるわ」
赤城「もう私達はどうすれば……」
翔鶴「み、見守るしかないですよね……」
霧島『それではこれより、一航戦・ゼロファイターズ対……
五航戦・ターキーシューティングスターズの試合を……開始致します!』
カーン!!!
鳴り響くゴング。瑞鶴と加賀は即座に臨戦態勢に入った。
霧島『さぁーゴングが鳴りました、試合開始です。今回は解説に
航空戦艦の日向氏』
日向『最上、見ているか?』(カメラ目線)
霧島『そして二水戦旗艦の神通氏に来てもらっています。
よろしくお願いします』
神通『よろしくお願いします』
霧島『さてお二方、まずはこの対戦カードを見て……
何か思うところはありますか?』
日向『加賀は戦艦から改装して空母に生まれ変わった、いわば
航空戦艦に近しき存在だ。破壊力、耐久力、どちらも兼ね備えた
強者といえるだろう』
神通『ですが瑞鶴さんも空母の完成形たる翔鶴型の空母です。
速力や馬力では遥かに加賀さんを凌駕してるといえるでしょう』
霧島『殊に速力においてはかなりの差がありますね、スタミナも
瑞鶴選手に分があるようで……』
神通『恐らく加賀さんは瑞鶴さんのスピードに付いてはいけないでしょう。
ですが……』
加賀「……」ゴゴゴゴゴ
瑞鶴(加賀さんからは動いてこない……ならばこちらから仕掛けるまで)
瑞鶴(加賀さんは鈍足、こっちのスピードで翻弄して主導権を握る!!)
瑞鶴「はあああああああああ!!!」
霧島『おおっと! まず先に動いたのは瑞鶴選手!!!』
瑞鶴「食らいなさい!! 五航戦奥義・紫電回し蹴り改二!!!」
瑞鶴はステップを踏むとそのまま体を捻じり一回転し……
加賀に回し蹴りを叩き込んだッ!
瑞鶴「まだよ!! 紫電後ろ回し改二!!」
そこからさらに後ろ回し蹴りの追撃を加える!
瑞鶴「まだまだぁ!!! ドラララララララララララァッ!!!」
ダメ押しと言わんばかりの足技の連打、連打、連打ッ!!!
霧島『おおっと! すさまじい瑞鶴選手の足技!! 早くも一方的な
試合展開が繰り広げられています! やはり早さでは瑞鶴選手が上手!
この勝負、瑞鶴選手に分があるか~?』
神通『それはどうでしょうか?』
霧島『? と言いますと……?』
神通『よく見てください』
霧島『ん……?』
加賀「」シュパシュパシュパシュパ
霧島『な、なんということだ! 捌いている! 加賀選手、瑞鶴選手の
猛攻を全て捌いているぞー!!』
日向『まぁ、そうなるな』
神通『それも最小限の動作で行っています。言わば、経験。戦いの本能。
加賀さんの強みはここにあります』
瑞鶴(くそ、攻撃が通らない……何なのよ!)ガガガガガ
加賀「全くもって甘いわね、五航戦……」シュパパパパパ
加賀「あなたが全力で攻めてこようとも、私の防御は破れない
あなたは徒にスタミナを消費していくだけ……」
加賀「それではいくらスタミナがあっても意味は無い。
いくら性能があっても意味は無い。これがあなたと私の差」
加賀「認めなさい、そして絶望なさい、己の無力さに!!!」カッ
加賀は一航戦力を瞬間的に引き上げ、瑞鶴をリング端まで吹き飛ばした。
瑞鶴「ぐっ……強い……」
加賀「今なら泣いて許しを請えば、許し……やっぱ許さないわ」
翔鶴「絶望しかない!」
瑞鶴「冗談、ここで引く訳ないじゃない!!! うおおおお!!!」
再び加賀に猛攻を仕掛ける瑞鶴。だがやはり加賀の防御は破れない。
霧島『加賀選手強い強い! 瑞鶴選手の攻撃を全く通しません!!!』
加賀「何度来ても無駄だというのに……学習能力がないのかしら、
五航戦の子には」
瑞鶴「うおおおお!!!」ガガガガガ
瑞鶴(わかってる、がむしゃらにやるだけじゃダメだって……
でもどうしたら……)
翔鶴「瑞鶴! 落ち着いて!」
瑞鶴「翔鶴姉……!」
翔鶴「冷静に物事を見極めるのよ! 加賀さんの、一航戦の弱点を!!」
瑞鶴「冷静に……一航戦の弱点を……?」
加賀「全くお話にならないわね、欠伸が出る」
瑞鶴「……! そうか!」
加賀「ふんっ!」カッ
瑞鶴「うぐっ……」
瑞鶴はまたしても加賀の一航戦力に吹き飛ばされる。
瑞鶴「……次は、こうはいかないんだから!」
加賀「はぁ、また馬鹿正直に正面から突っ込んでくる気?
大概にして欲しいのだけど」
瑞鶴(それで、いい……そうやってあんたは、傲岸不遜に
構えていればいい……)
瑞鶴(それがあんたの、命取りになる!!!!)
瑞鶴、三度目の突撃。三度目の正直となるか。
霧島『瑞鶴選手、めげずに仕掛けていきますね』
日向『しかしこのままでは加賀のディフェンスは破れまい。
あまり賢い選択とはいえんな』
神通『そうでしょうか……?』
霧島『どういうことでしょう?』
神通『もし瑞鶴さんが意図して……何かを狙っているのだとすれば……』
神通『この戦い、次で大きく動きますよ……』
瑞鶴「おらああああああああああああ!」ガガガガガガ
加賀「瑞鶴、諦めなさい。いい加減頭の悪いあなたでも
理解しているはずよ……こんなことは無駄だって」シュパパパパパ
瑞鶴(ムダなんかじゃない……それを今、証明する……)
瑞鶴「はぁあ!!」
加賀「!!」
ここで不意に瑞鶴は前蹴り回し、所謂前蹴りの動作から回し蹴りに
移行するフェイント技を仕掛ける。
加賀「小細工を……あなたのスピードは既に見き……」
瑞鶴(ここだ!!! ここに全てをかける!!!!!)
瞬間、瑞鶴の回し蹴りは限界速度を突破して、
加賀のセービングをくぐり抜けたッ!!!
加賀「!?」
瑞鶴「いけぇ!!!」
ドゴォ!!!!
加賀「……かは!?」
瑞鶴「……やった」
霧島『入ったあああああああああ!!! 瑞鶴選手の強烈な一撃が、
加賀選手の脇腹を捉えたああああああああああああ!!!!』
瑞鶴「……あんたは私を下に見過ぎた。だから私の本気の速力に
気づけなかった。慢心さえしていなければ、防げたかもしれないけどね……」
加賀「ぐぅ……そう、ね……少し見くびっていたわ……だけど……」
加賀「やはりあなたは、ツメが甘いわ」ガシッ
瑞鶴「!?」
霧島『掴んだ!! 加賀選手、自分の脇腹にヒットした瑞鶴選手の足を
掴んだ!! まずい! これでは逃げられません!!』
瑞鶴(あれだけまともに私の一撃を食らったのに動けるっていうの!?)
日向『加賀の装甲は戦艦に迫るほど厚い。
ここでヤツの装甲の分厚さが生きたか』
加賀「……」スッ
神通『!! 加賀さん、まさかアレをやるつもりじゃ……』
霧島『アレ? アレとは一体……』
神通『大戦時代、何機もの艦載機が犠牲になったと言われている……
加賀さんの特殊体質……!』
加賀「今度は私が攻勢に出ます」
瑞鶴「がっ!?」
加賀は逃げられない瑞鶴の顔面を右手で鷲掴みにする。
瑞鶴「あがががが……」
霧島『おおっとー! これは加賀選手のアイアンクローだ!!!
瑞鶴選手、かなり堪えているようです……!』
神通『いや、これでは終わらない……やはり加賀さんは……!』
加賀「燃えろ、――【地獄の七面鳥炭火焼きタレ付き】」
(ヘルズロックジャッジメントフレア)
瑞鶴「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」ジュウウウウ……
翔鶴「瑞鶴!!!!」
霧島『発熱している!! 加賀選手が発熱している!
それも物凄い温度だ!!! これは一体……』
神通『加賀さんはかつてその悪すぎる排熱性でいくつもの航空機を
焼いてきました……ついた異名は"焼き鳥製造機"』
神通『あの技はそんな加賀さんの特殊体質を生かした……いわば
加賀さんの必殺技……まともに喰らえば、ひとたまりもありません』
霧島『なんということだー! 瑞鶴選手、加賀選手の必殺技を
食らってしまったようだーーーー!!!』
瑞鶴「がががががががっががががああああ」ジュウウウウウ
加賀「さぁ、降参なさい。惨めったらしく私にひれ伏して、
敗北を受け入れなさい」
瑞鶴「だれ、がぁ……」
瑞鶴「誰が認めるもんですか!!!」
ガッ!!!
加賀「ちぃ!!」
瑞鶴、渾身の一撃で加賀を引き離す。だがしかし、ダメージはかなり
蓄積しているようだ。
瑞鶴「はぁ、はぁ……」
瑞鶴(ひりひりする、風に触れただけで電流を流されているみたいだ……)
加賀「大分辛そうね。かわいそうに……」
加賀「そのまま大人しくしていれば、楽に逝けたのに……」
瑞鶴(次アレを食らったら……立ち上がれる自信がない……)
霧島『さて、試合の方も中盤に差し掛かってきました』
加賀「……」ジリジリ
瑞鶴「……」ジリジリ
霧島『瑞鶴選手、先程とは打って変わって間合いを取っていますねぇ』
神通『先程のヘルズロックジャッジメントフレアがよほど
堪えたようですね、無闇に懐には飛び込めなくなったのでしょう』
日向『まぁ、そうなるな』
霧島『しかし攻めなければ勝機は見えてきません。瑞鶴選手は
一体どうするつもりなのでしょうか?』
瑞鶴「……」
加賀「どうしたの、かかってきなさい」
瑞鶴(誘いに乗っては駄目だ……隙を……)
瑞鶴(でも……あの人に隙なんて見当たらない……どうすれば崩せる?)
瑞鶴(考えろ瑞鶴……何か手は……)
翔鶴「瑞鶴……悩んでいるのね……」
翔鶴「気づいて、あなたは何者であるのかを……」
加賀「来ないのであれば、こちらから行きます」
瑞鶴「!」
霧島『おおっと! 加賀選手、膠着状態を打ち破るかのように前進して
いきます! 一気に攻勢に出るのか!?』
瑞鶴「くぅ! でやぁ!!」ブゥン
加賀「効きません」ガッ
加賀の前進を拒むかのように瑞鶴は足技を繰り出す……が、当然加賀には
軽くいなされてしまう。
瑞鶴「うおおおおおおおお!!!」
加賀「むだだと……言っているでしょう!!!」
ゴッ……
瑞鶴「あぐっ……」
翔鶴「瑞鶴!!!」
霧島『瑞鶴選手ダウーーーーン!!!』
挙句リングの上に叩きつけられてしまう始末。圧倒的な力量差をまじまじと
見せつけられるようだった。
不知火「カウント取ります。ワン、ツー……」
瑞鶴(今までのやり方じゃダメだ……!)
加賀「あなたの力はこの程度? 第五航空戦隊の空母の力は
……こんなものなのかしら?」
瑞鶴「違う!!」
瑞鶴(そうだ、私は五航戦の空母瑞鶴……)
瑞鶴(私は、私のやり方で戦う……!)
霧島『立った! 瑞鶴選手、立ち上がりました!!!』
神通『彼女も歴戦の空母。そう簡単には沈みませんよ』
瑞鶴「加賀さん……ここからは、私のステージよ!!!」
加賀「更なる恐怖を教えてあげましょう。来なさい」
瑞鶴「ふっ!」
霧島『ん? これはどういうことでしょう? 瑞鶴選手、加賀選手に
背を向けあさっての方向へ駆けていきます!!』
神通『いや待って! あれは……!!』
瑞鶴「でりゃあああああああああ!!!!」
霧島「あああーーーっと!!! 瑞鶴選手、コーナーポストの上に
昇りました!!!」
加賀「ッ!」
瑞鶴「私達は空母! 空母が得意なもの、それは……急降下爆撃!!!」
瑞鶴「食らいなさい!!! これが五航戦の急降下爆撃よ!!!」
霧島『飛んだァ!! 瑞鶴選手、飛びました!!』
日向『いかにディフェンス力の高い加賀とは言え、これは防ぎきれないか』
神通『考えましたね、瑞鶴さん』
瑞鶴「くたばりゃアメ公ォーーーー!!!!」
加賀「誰がアメ公ですか……やれやれ」
ガシ
翔鶴「へっ?」ヒョイ
加賀「姉妹仲良く沈みなさい」ポイッ
瑞鶴「ちょ」
翔鶴「まっ」
加賀は咄嗟の判断で近くにいた翔鶴をつまみ上げると、上空の瑞鶴の
方へと放り投げた。結果は言うまでもなく……
瑞鶴「ぎゃっ」
翔鶴「あうっ」
激突。後、墜落。
朦朧とする意識の中、瑞鶴の目に映ったのは、自らの下敷きになっている
姉と、勝ち誇った表情を浮かべ仁王立ちする加賀の姿だった。
瑞鶴「うぐぅ……」
加賀「……無様ね」
瑞鶴「!!」
瑞鶴(くそ……くそくそくそ……)
瑞鶴「私じゃ……やっぱり勝てないっていうの……!?」
「そんなことはないわ、瑞鶴……」
瑞鶴「翔鶴姉!」
翔鶴「あなたの力は……きっと加賀先輩にも通用する。思い出して……
加賀先輩に認めさせるんでしょう? あなたの力を……」
瑞鶴「うん……そうだった……!」
翔鶴「私だって、本当は先輩方にもっと認めてほしいと思ってる……
だから……」
翔鶴「立って瑞鶴……そして……見せてあげて、かつてあの戦いを
共に戦った……私達の力を!!!」
瑞鶴「……わかったよ、翔鶴姉……」
瑞鶴「私、勝つよ。絶対に……!」
翔鶴「……」
翔鶴(そろそろどいて欲しい……)
霧島『さぁ試合再開です!!!』
瑞鶴「うあああああああ!!!」
霧島『瑞鶴選手、初っ端から攻めていっています!!』
加賀「何故……何故そこまで抗うのか……無駄なのに……」
ドゴォ!
瑞鶴「あぐっ……ま、まだまだぁ!!!」
霧島『瑞鶴選手、加賀選手のカウンターを受けてもなお、
立ち向かっていきます!!』
神通『大勢は決まりましたね……』
日向『いいや、まだわからんさ』
神通『そうでしょうか?』
日向『ああ、まだ瑞鶴の目に宿る闘志は、少しも衰えてはいない』
瑞鶴「うおおおおおおおおおお!!!」
加賀「ッ!」
加賀(何故……何故立ち上がってくる……こんなに痛めつけても?)
加賀「このっ!」ボカッ
瑞鶴「あぁっ!」
霧島『瑞鶴選手ダウン!!』
神通『いや、またすぐ立ち上がりますよ。何度やられても何度やられても
立ち上がる、不屈の精神力……!』
日向『これは厄介だな。さぁどうする加賀』
瑞鶴「あああああああああ!!!!」
加賀「……どうして」
加賀「どうしてそこまでしてあなたは!?」
瑞鶴「認めてほしかったから!!!」
瑞鶴「私達の力を……認めて欲しかったから」
瑞鶴「私達だってあなたと……加賀さん達と一緒に戦えるって!!!!」
加賀「瑞鶴……あなた……!」
瑞鶴「加賀さんは……私たちのことを未熟だって言う……でも……」
瑞鶴「私達だって、かつてあの戦いで……一航戦の名を継いで戦ったんだ!」シュインシュインシュインシュイン
その時、瑞鶴の体が何か得体の知れないものに包まれた。
そしてそれは徐々に視覚化していき……強い輝き、オーラとなって顕現した。
神通『アレはまさか……!』
霧島『知っているんですか!? 神通さん!?』
神通『ええ、間違いありません……あれは……一航戦力!!!!』
赤城(だから一航戦力って何……)
加賀「ば、ばかな……何故あなたが……」
瑞鶴「加賀さん、一航戦は……あなただけの誇りじゃない。
私達の誇りでもあるの」シュインシュインシュイン
加賀(ふっ……瑞鶴、あなた……まだまだひよっこだと思っていたのに……)
加賀(……私も少し、意地を張りすぎたのかもしれないわね
……あなたがそんなふうに考えていたなんて)
加賀「……いいでしょう、かかってきなさい、瑞鶴」
加賀「あなたの一航戦力と私の一航戦力、どちらが上か……勝負!」シュインシュインシュイン
瑞鶴「臨む所!!!!!」シュインシュインシュインシュイン
加賀「私の拳が真っ赤に燃える!! 暁の水平線に勝利を刻めと轟き叫ぶ!!」
霧島『おっと加賀選手! あの体勢は・・…ヘルズロックジャッジメントフレア
の体勢だああああああああああああ!!!!』
瑞鶴「負けない! 翔鶴姉のためにも! 私の……誇りにかけても!!!」
神通『――次の一撃で、決まる……!!』
日向『まぁ、そうなるな』
加賀「はあああああああああああああああ!!!!」
瑞鶴「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
二つの大きな一航戦力が、リングのど真ん中でぶつかり合う。
翔鶴「瑞鶴……!」
赤城「わぁ、こりゃあ、えらいこっちゃ」
それは膨大なエネルギーの爆発を引き起こし、同時に収縮し……
日向「これは……」
神通「なんて温かい、光……」
会場を、暖かい光に包んだ。
瑞鶴「はぁ、はぁ……」
加賀「……」
光がリングの中央に収束する。そこには仰臥する加賀と、
膝を折りながらも立ち上がる意志を見せる瑞鶴の姿があった。
不知火「……はっ! か、カウント! ワン、ツー……!」
加賀「いいわ、カウントを取る必要はない……」
不知火「!?」
加賀「……私の負けよ、瑞鶴」
瑞鶴「……へ?」
加賀「よくここまで頑張ったわね、瑞鶴……」
瑞鶴「うそ……」
翔鶴「嘘じゃないわ、瑞鶴! ……やったのよ!」
瑞鶴「やった……? 私……やったの?」
翔鶴「ええ!」
瑞鶴「……ゃ」
瑞鶴「やったあああああーーー!! 勝ったんだ私ーーーー!!!!」
観客艦娘「woooooooooooooooooo!!!!!」
神通『最後は想いの強さが、勝敗を分けましたね』
日向『久々にいいものを見せてもらった』
霧島『すばらしい! 本当に素晴らしいとしか言いようがありません!』
霧島『名勝負を繰り広げた両者に、惜しみない拍手を!!!』
パチパチパチパチ……
瑞鶴「どうよ、私達の力、少しは認めてくれた?」
加賀「ええ、認めるわ」
瑞鶴「な、何か凄い素直で怖い……」
加賀「あら、素直に感心しているのよ私は」
加賀「でも勘違いしないことね。この勝負はあくまでもあなたの
運が良かったから勝ち星を飾れたに過ぎません」
加賀「実戦ならばこの一航戦・加賀、遅れはとりません」
瑞鶴「ぶーぶー、私だって運だけじゃないし!!」
加賀「わかっています、だから……」
加賀「今後は、一緒に戦ってあげないこともないわ……」
瑞鶴「え? それって……」
赤城「ふふふ、加賀さんったら不器用なんだから」
加賀「別に……」
あきつ丸「やーやーやー、素晴らしいファイトでありましたなぁ~」
瑞鶴「あ?」
あきつ丸「このあきつ丸、お二人の熱きぶつかり合いに年甲斐もなく
涙腺が緩んでしまったであります」
あきつ丸「ですがそれ以上に、瑞鶴殿をいたぶる加賀殿がGOODであった!
アレは本当に興奮した!!!!! 瑞鶴殿の壮絶なリョナ声はこの
あきつ丸、思わずボイスレコーダーで録音してしまったでありますよ~」
瑞鶴「ほーん、そう」
加賀「そんなにリョナ声が好きなら、今からもっと凄いのを聞かせてあげ
あげないこともないですが」
あきつ丸「え? え? マジでありますか!?
それは楽しみでありますなぁ~。おなごが上げる悲痛な叫びほど
ご飯がススム君でありますぞ~~~(ゲス声)」
瑞鶴「よいしょっと」
あきつ丸「おや、瑞鶴どのー、なぜ自分のことを持ち上げるでありますか?」
瑞鶴「……そりゃ、てめえの胸に聞きやがれ!!!」
あきつ丸「うおっ!?」
霧島『ああーーーーっと! この体勢はまさか!!!』
加賀「行くわよ、瑞鶴」
瑞鶴「了解」
あきつ丸「やや! まさかこの自分、技をかけられるのでありますか!?
それはいけませんぞ~憲兵殿~」
瑞鶴・加賀「「くたばれ陸軍!!!!!!」」
ドッッゴオオオオオオオオン!!!!
霧島『決まったァーーーーーーーー!!! 瑞鶴・加賀選手両者による
ツープラトンのパイルドライバーだああああああああああ!!!!』
あきつ丸「ゴフッ……しかし、これはこれで、また別の快楽を……
見いだせそうで……ありま……」ビクンビクン
カーンカーンカーン!!!
試合結果
◯加賀・瑞鶴[1分30秒 ツープラトン・パイルドライバー]×あきつ丸
かくして
『年末特別企画・・PRIDE艦娘祭2015~一航戦対五航戦/因縁の対決~』
は無事(?)幕を閉じたのだった……。
――――――
―――
―
後日……。
~中部海域~
瑞鶴「ふふふ……」
翔鶴「あら瑞鶴、機嫌良さそうね」
瑞鶴「当然! だって今日は……!」
加賀「何を無駄口をたたいているの?」
瑞鶴「か、加賀さん……」
加賀「これから空母棲姫を討伐しに行くのだから、
気を引き締めてもらいたいものね」
瑞鶴「はいはーい、わかってますよーだ」
と言いつつも、瑞鶴は浮かれているのがまるで隠せていない様子。
加賀「全く、ピクニックか何かと勘違いしているのかしらこの子……」
赤城「まぁまぁ良いじゃありませんか加賀さん。きっと嬉しいんですよ
あの子は。一航戦と……いえ、加賀さん、あなたと共に戦えて」
加賀「……はぁ、理解しかねます」
瑞鶴(ようやく、私……加賀さんと並んで戦えるんだ……うれしい)
翔鶴「次は加賀先輩の隣を目指さなくちゃね? 瑞鶴」
瑞鶴「な、何言ってるの翔鶴姉!! ////」
翔鶴「フフリ、瑞鶴もお年ごろですからねぇ」
瑞鶴「も~! 翔鶴姉!」
加賀「こら! 五航戦! はしゃがない!!!」
瑞鶴・翔鶴「す、すんません」
加賀「……やっぱりまだまだ、未熟ね」
今はまだまだあなたには追いつけないけれど、
いつかあなたの背中を守れる、そんな空母になりたいと、
瑞鶴は思うのでした。
おまけ
空母棲姫「火の塊とナって、沈んでユけ!!」
加賀「出たわね空母棲姫」
赤城「第一次攻撃隊発艦用意!!」
瑞鶴「アウトレンジよ」
空母棲姫「なんどデも……」ピキーン
空母棲姫「ァ、ちょっとマって」
加賀「……?」
空母棲姫「アー……ってぇわ、ケツマジいてーワ……」
ヲ級「ヲッヲ~(大丈夫ですか)」スリスリ
空母棲姫「ああそこイイ、そこアー……」
空母棲姫「ヨシ」
空母棲姫「さぁ、かカってくるがイイ……」キリッ
翔鶴「えっと……あらためて第一次攻撃隊……」
加賀「鎧袖一触です」
空母棲姫「索敵ヲ……んン!?」ピキーン
空母棲姫「ちょっとマって」
加賀「……」
空母棲姫「いやー、まジいてーワ……ほんとこれ、魚雷一本は
流石にむちゃだワ……」
ヲ級「ヲッヲ~」スリスリ
空母棲姫「おーし復活シタ!! かかっt」ピキーン
空母棲姫「アーやっぱダメd」
加賀「死になさい」スコン
空母棲姫「ごふっ」
加賀さんの九九艦爆が空母棲姫の顔面を見事捉え、討伐は無事完了した。
Happy End
チカレタ……。
次回
叢雲「アンタ達設定統一しなさいよ!!!」
58「ふぁー眠いでち。早朝オリョクルはキッツイでち」
19「イッヒヒwwwwwイクは朝から元気モリモリマックスなのおおおおおお」モッコリ
168「ちょ、イク、あなた股関が凄くもっこりしてるけど……」
8「これは……立派なものですね」
401「えぇー!? イクさん男の子だったの!?」
19「イン・ザ・モーニングスタンデングなのおおおおおおお
スタンディングマスターベーションしなくちゃなのおおおおおおお」
58「よくみるでち、これは魚雷でち」グイッ
401「わっ、スク水の中から魚雷が出てきた!」
168「何でそんなところに魚雷隠してるのよ……」
19「イクの魚雷がwwwwwwウズウズするのおおおおおおおおおお」バシュン
58「あ、飛んでった」
168「ちょっと、不用意に魚雷飛ばしちゃダメだって!」
~中部海域~
空母棲姫「この前はひドい目にあっタ……」
空母棲姫「ケツの調子は大分楽二なっタ……あの忌々シい潜水艦め……」
空母棲姫「私ノ肛門に魚雷を打ち込むなんテ……今度あったラ……」
バシュン!
空母棲姫「ン?」
魚雷「やぁ」
空母棲姫「アっ」
ドスッ
空母棲姫「ケツがあああああああああああああああああ!!!!!」
※始まります
第三話
叢雲「アンタ達設定統一しなさいよ!!!」
――艦隊これくしょんアニメ化!!
その話題は瞬く間に鎮守府を圧巻し、艦娘達の話題の的となった。
ある者はアニメ出演に想いを馳せ、またある者はストーリー展開を妄想し……。
とにもかくにも、艦娘達は皆アニメの事でてんやわんやだった。
叢雲「……たく、遅いわね。他の連中は一体何をしているのかしら……」
そして本日、そんなアニメ放送に備え五隻の艦娘が招集を受けた。
叢雲「それにしても……さすがに冬の海は冷えるわね……ホット重油でも飲んで
温まりましょ」
叢雲「……」
叢雲「アニメ化かぁ……」
叢雲「着任数10万行くかもって噂してたあの頃じゃ想像もできなかったわね……」
叢雲「なんだか感傷深いわ……」
??「とうちゃーっく! ちょっと遅れちゃったかもね」
叢雲「ん、遅いわよ」
??「遅れてすまねぇ」
叢雲「あなたは……綾波型の……」
漣「漣! 特型駆逐艦『漣』をやらせて頂いてます! びし!」ケイレイ!
叢雲「私は吹雪型駆逐艦の叢雲よ。よろしく」
漣「じゃけん、同じ駆逐艦同士、仲良くしましょうねぇ~」
叢雲「よろしく」
漣「……」
叢雲「……」
漣「えーっと、他の子はまだ来てない……みたい?」
叢雲「そうね」
叢雲「……」
漣「……」
漣(何か、地味~に気まずい、感じ?)
漣(ここは漣が何か話題を振って、場を和ませなくっちゃね)
叢雲「……? 何? 人の顔ジロジロ見て」
漣「あ、いや、え~っと」
漣「そうだ、叢雲さんは艦娘になる前は何をなさっていたので?」
叢雲「は? 何言ってるのよあなた。駆逐艦に決まってるじゃない」
漣「ちょwwそう来たかwww」
漣「もしかして、叢雲さんってけっこう冗談とか好きなタイプ?ww」
叢雲「??」
漣「いやぁ~、叢雲さんが結構ノリ良い子で良かったわ~」
漣「というか、これから叢雲って呼んでいい? 私のことも漣、でいいから」
叢雲「? いいけれど……」
漣「キタコレ!」
叢雲(変わった子ね……)
漣「それにしても……今日は冷えるよね~……あっ、叢雲あったかそうなの
飲んでるじゃん~」
叢雲「何よ、欲しいの?」
漣「てへぺろ」
叢雲「……しょうがないわね、ほら、全部飲まないでよ」
漣「ゴチになりまーす」
漣「いやぁ~、体の芯まで温まりま……」ゴクッ
漣「ぶっっっっっっっへええええええええええ!?」ゲロゲロゲロ
叢雲「ちょ、ちょっと何盛大に吹き出してるのよ……」
漣「ごっほごほ! げほ……おえぇ……」
叢雲「だ、大丈夫……?」
漣「何この……何?」
漣「ナンナのこの飲み物はぁ!?」
叢雲「何って、ホット重油だけど」
漣「はい?」
鎮守府を圧巻ってなんだ圧巻じゃねえ席巻だてへぺろ(自己完結)
叢雲「あんた、重油苦手なの? なら言ってくれればよかったのに……」
漣「いやいやいやどっから突っ込めばいいのか……」
漣「重油って、ネタだよね?」
叢雲「ネタ? 何のこと?」
漣(うわ、目がマジだ……)
漣「えっと、ほんとのほんとに重油なの?」
叢雲「くどい。そんなことで嘘ついてどうするのよ」
漣「えぇー、マジか……」
漣(重油飲める人間がいたのか……こわ……)
漣「えーと……なんていうか、すごいっスね……」
叢雲「アンタさっきからよくわかんないこと言うわね……重油も飲めないし……」
漣「何かさも普通であるかのように語ってますが!! 異常ですからねソレ!!」
叢雲「どこがよ」
漣「普通人間は重油なんか飲めないってば!」
叢雲「ニンゲン? アンタボケてるの? 私達は"艦娘"でしょ?」
漣「いやいや! 艦娘ったって"人間"でしょ!?」
叢雲「……」
漣「……」
叢雲・漣(何か、おかしい……)
漣「えっと、"艦娘"っていうのは……史実の艦の名前と、それを象った艤装を
受け継いだ"訓練を受けた人間の女の子"の事デスヨネ……?」
叢雲「……は?」
叢雲「"艦娘"は、かつての大戦で沈んだ艦艇の魂が転生し、その姿を擬人化させ、
この世に顕現させたもののことを言うんでしょ?」
漣「えっ」
叢雲「……」
漣「……」
叢雲・漣「設定が違う!?」
叢雲(擬人化説)「どういうことよ!!」
漣(人間説)「こっちが知りたいわ!!」
??「はわわわ~遅れてしまったのです~」
ザッッパアアアアアアアン!!!
叢雲(擬人化説)「えっ」
漣(人間説)「なっ……」
水飛沫が上がる。物凄く大き物体が叢雲達の前に止まり、彼女達の姿を
大きな影で覆う。
電(メンタルモデル説)「暁型駆逐艦四番艦・電、ただ今到着なのです」(艦艇の上)
そこには紛れもない、一隻の駆逐艦が停まっていた。
漣「な、なんじゃこりゃああああああ~~~!?」
叢雲「これは……駆逐艦・電の船体……?」
叢雲「あなた……艦娘、よね?」
電「いかにも、なのです!」
叢雲「確かに史実の艦に沿ってるけど……
デフォルメして落としこむっていうのが日本人の文化でありいい所……」
電「……あれれ? お二人の本体は何処に……?」
電「……まさか、二人共本体を喪失してしまったのですか!?」
叢雲「本体は私自身よ!!!」
漣「そうだそうだ!」
電「? 何を言っているのですか? 本体は艦そのもので、これはNTDSのような
ものでしょう?」
漣「もう何言ってるかわかんねぇ……」
電「えっと、とりあえずそこで話すのもアレですし……電の上に上がってきますか?」
――――――
―――
―
~艦娘・駆逐艦「電」の甲板上~
叢雲「……で、話を整理するとだ」
叢雲「アンタはふつーの人間」
漣「う、ウス」
叢雲「そしてアンタは艦のユニットの一つ」
電「はいなのです!」
叢雲「そして私は艦艇が擬人化した、人間とは異なる存在……」
叢雲「しかしてここにいる者は皆艦娘である……と」
叢雲「統一できてねぇ!!! 全く設定統一できてねぇ!!!」
漣「いや~こりゃ参っちゃったね~」
叢雲「参っちゃったね―じゃないわよ! どうすんのよもう少しでアニメよ!!
このままじゃ相当カオスなことになるじゃない……」
電「大惨事まちがいなしなのです……」
叢雲「どうしてこんなことになってしまったのか……」
漣「設定は犠牲になったのだ……肥大化してしまった二次創作……その犠牲にな」
叢雲「公式でさえもガバガバな設定がこんな所でネックになるとは!!!」
電「で、でもそこが艦これのいいところでもあるのです! 柔軟性があるから
これだけ沢山の二次創作が生まれて、沢山の人に親しまれているのだから……」
電「みんなに愛されるなら、電はガバガバでも構わないのです!!」デ゙デン
漣「電ちゃんちょっと意味深発言過ぎんよ~」
叢雲「……はぁ、この調子じゃあ残りの二隻もまともじゃなさそうね……」
漣「自分がまともみたいに言ってるけど、叢雲さんもかなり
ファンシーな存在ですからね!!」
叢雲「うっさい! ファンシーで何が悪いのよ! アンタは設定が中途半端に生々すぎんのよ!」
漣「ミリタリ扱うんだからリアル志向でなくしてなんだって言うのさ!」
電「はわわ、お二人とも喧嘩はやめてください!!」
??「ごめんなさい! 待ち合わせ時間を間違えてしま……わぷ!?」
ドザブーン!!!
電「!? な、何事なのです!? 凄い波が……転覆しちゃうよぉ」
叢雲「敵襲!? こんな時に!?」
漣「わわわ、なんだこれ!?」
突如として起こる荒波に、駆逐艦「電」の船体は大きく揺れる。
何が起きたのかと叢雲達が甲板の端から身を乗り出してみると、そこには……。
漣「尻だ」
プリンとした大きなおしりがあった。
叢雲「尻ね」
電「おしりなのです……」
漣「いや、でも……あの尻ちょっとした小山位の大きさありますけど……」
??「いったたぁ……なんでぇ?」
電「はわわ! おしりさんが喋ったのです!」
叢雲「尻が喋るわけ無いでしょう」
漣「あー、もしかしてこの子も……」
叢雲「はぁ、みたいね……」
電「あ、あの……もしかしてあなたも、艦娘さん、ですか……?」
五月雨(原寸サイズ設定)「は、はい……私、白露型6番艦の五月雨って言います」
そう言うと五月雨は立ち上がり、その全貌を叢雲達に披露した。
ゆうに100mは超えるであろうその巨体に、叢雲達は度肝を抜いた。
漣「デカー……駆逐しなくちゃ(使命感)」
電「正義のヒーローみたいなのです!」
五月雨「あのー、あなた達は……?」
叢雲「アンタと同じ、艦娘よ」
五月雨「えっ、ええ!?」
叢雲「あー……」
事情説明中……
五月雨「ええ!? じゃあここにいるのはみんな艦娘……?」
漣「設定ガバガバだけどね」
叢雲「びっくりしたわよ、まさかこんなにでかいなんて」
五月雨「あ、あんまりでかいって言わないでくださいぃ……」
男「いやはや、びっくりしたのはこっちだ」
叢雲「え? 誰よアンタ」
五月雨の肩に乗る、海軍の軍服を身に纏う一人の男性。
歳は中年半ばといったところか。
艦長「私はこの五月雨で艦長をやらせてもらっているものだよ。よろしく」
そう言うと艦長は五月雨から電の甲板にまで降りてきて、
叢雲達一人一人と握手をした。
叢雲「艦長って……」
艦長「艦長だけではないよ。主計に整備士に砲術長に水雷長。軍医料理人に
沢山の乗組員が艦娘"五月雨"には乗っている。そうだよなお前ら~」
そう言って艦長は振り返り五月雨の方を見る。すると五月雨の艤装からは
何十何百という屈強な男たちが顔を出していた。
叢雲「そういうパターンかー……」
漣「おとこくせー感じですねぇ」
五月雨「私一人では戦えません。皆さんの力あってこそです」
電「電とは違うみたいですね。電は操舵から艦砲射撃まで自分で
やっているのです」ガコン
電がそう言うと、駆逐艦「電」の砲塔が独りでに旋回した。
艦長「これは驚いた」
叢雲「どんなテクノロジーを使ってるんだか」
漣「漣、叢雲の頭のやつの方が不思議で仕方ない人なんですが」
叢雲「まぁなんにしても四隻揃ったわね」
五月雨「駆逐隊が組めますね!」
叢雲「どんな駆逐隊だ……」
漣「五月雨ちゃんこんなにでかいとパンツも簡単に見えるね」
五月雨「ええっ//// ちょっと見ないでくださいっ」
電「えっと、あと一人は……」
叢雲「後一隻は同型艦だから分かっているわ。吹雪よ」
叢雲「あいつ、こんなに遅刻するような性格じゃないのに、
何処ほっつき歩いてるのかしら……」
「甘いですよ、叢雲!」
叢雲「!? この声は……吹雪!?」
「ふっふっふ……私は最初からここにいたんですよ?」
叢雲「アンタ、どこから……」
「叢雲! ポケットに手を入れてみなさい!!」
叢雲「ポケット……? ん……?」
叢雲「これは……!」
叢雲は自身のポケットの中にはいっていたソレを取り出す。
吹雪(カード説)「こんにちわ! 特型駆逐艦一番艦・吹雪です!」ペラー
叢雲「あんたカードになってるじゃない!!!」ガビーン
五月雨「か、カード……?」
漣「叢雲貴様、デュエリストだったのかッ!」
叢雲「いやいやいや! アンタどうしちゃったの、カードて」
電「これはまずいのです……まさかの黒歴史なのです……」
吹雪「叢雲、私思ったの……アニメの主人公を務めるにあたって……」
吹雪「今一度、初心に戻ってみようって!」
叢雲「そこまで戻らなくて良い!!」ズビシッ
かくして……
叢雲「頭が痛くなってきた……」
擬人化説。
漣「人間じゃねえのばっかりな件について」
人間説。
電「もうなんでもありなのです」
メンタルモデル説。
五月雨「うう……なんだか私だけ目立ってる気が~……」
原寸サイズ説。
吹雪「原初……私達はみんなカードだった……」
カード説。
その全てが、こうして一同に集ったのだ。
漣「とりあえず一つ確実に言えることは、こん中じゃブッキーが最弱ってことよね」
吹雪「そんなぁ!」
叢雲「でー……どうすんのよコレ」
漣「どうもしませんが」
叢雲「このままじゃまずいでしょうが!」
漣「ンなこと言っても私、重油飲んだり巨大化したりできないって!」
五月雨「なんかごめんなさい……」
叢雲「重油くらい気合で飲みなさいよ気合で!!」
漣「無茶言うなクルルァ!!」
吹雪「みんなカードになればいいのに……そしたら設定とか煩わしい物はなくなる」
吹雪「全て一枚絵で解決するからね……フフフ」
電「既存絵ばかり使いまわして荒稼ぎするのはやめるのです!」
電は突然よくわからないことを口走った。
漣「しっかし手のひらサイズから原寸サイズまでそろうとなんかこう
スケール感おかしくなるね」
電「五月雨ちゃんからしたら吹雪ちゃんなんてチリカス以下なのです」
五月雨「ええっ!? そんなことは……」
吹雪「乾燥した指先くらいなら切れないこともないです!」
漣「ひでぇ……」
叢雲「コレもう収拾つかな……ん? 本部から入電?」
叢雲「こちら叢雲。一体何の……」
叢雲「ええ!? 深海棲艦がでた!?」
漣・電・五月雨・吹雪「!!!」
叢雲「ええ、そう……近いのね、わかった、すぐ向かうわ」
電「叢雲さん……!」
叢雲「みんな……深海棲艦が出現したわ」
五月雨「ごくり……」
叢雲「まぁ色々話さなくちゃいけないことが山ほどあるけど……今は深海棲艦の
撃退を優先するわ!」
叢雲「私、漣、電、五月雨、吹雪……以下五隻で艦隊を編成。
これより敵艦隊の撃破に入る!」
漣「マジですか……この設定バラバラな状態で艦隊組むんスか……」
叢雲「仕今は一刻の猶予もない! そんなことを言ってる場合じゃないわ!」
漣「ていうかブッキー数に入れてもいいの? カードじゃん」
吹雪「き、切るぜー、深海棲艦の乾いた指先切るぜー」
叢雲「まぁなんかの役に立つかもしれないから……」
同型艦だからか、フォローを入れてくれる叢雲の優しさに、吹雪は涙した。
以下じゃねえ以上だ(誤字多発)
叢雲(擬人化)「それじゃあ、叢雲艦隊、出撃するわ!!」
電(メンタルモデル)「なのです!」
五月雨(原寸サイズ)「行きます!」
吹雪(カード)「私がやっつけちゃうんだから!」
漣(人間)「何この混沌とした絵面は……」
吹雪「叢雲! 叢雲!」
叢雲「何よ」
吹雪「なんか私あんまり目立って無くない? 目立ってないです!」
叢雲「そりゃアンタカードだもの。仕方ないじゃない」
吹雪「じゃあせめて! せめて掲げて、私を掲げて?」
叢雲「はぁ? いやよ。なんの為に掲げるのよ……」
吹雪「うう、主人公なのにぃ……」
叢雲「……」
吹雪「やっぱり私なんて主人公の器じゃないんだ……」
叢雲「めんどくさい……」
吹雪「うわーん」
叢雲「ああもう! うっさいわね! わかったわよ!」
吹雪「叢雲……!」
~海上~
ヲ級「ヲッヲ~(敵艦隊接近中です、姫様)」
南方棲戦姫「数ハ?」
ヲ級「ヲッヲ~(駆逐艦が五……いや、四隻です)」
南方棲戦姫「駆逐艦カ……恐れるに足らナい……」
リ級「!!」
南方棲戦姫「きたカ……」
ヲ級「……!?」
南方棲戦姫「ン? な……なん」
南方棲戦姫「何だ、アレハ?」
ヲ級「ヲッヲ!(パンツ! パンツです!)」
叢雲(擬人化)「うおおおおおおおおおおおおお!!」
南方棲戦姫の目に映ったのは、何やらパンツをチラ見せしている駆逐艦の描かれた
紙切れを掲げながら突撃してくる艦娘と。
電(メンタルモデル)「火器管制オールグリーン。全弾命中させちゃますね?」
史実通りの駆逐艦一隻と。
五月雨(原寸サイズ)「みなさん、準備はいいですか?」
乗員「まっかせとけよ、五月雨ちゃん!」
艦長「此れより我が艦は対水上戦闘に入る! 戦闘用意! 右砲戦!」
数百mは越えようかという、少女と言うには大きすぎる少女だった。
南方棲戦姫「な、なんだこれハ(困惑)」
リ級「クルッテル……ヤベェヨ……ヤベェヨ……」
ヲ級「ヲッヲ~(怯むな! ええい、攻撃隊発艦!!)」
艦載機「ッ!」
叢雲「!! 空母ヲ級の艦載機発艦を確認!! 近づいてくるわ!」
電「電の力を見るのです!! 対空戦闘用意! 右80度仰角30度」
高角砲「ガシャコン」
電「うちーかたはじめー」
ドンドン! パララララ……
電「全機撃墜なのです」
叢雲「CIWSかな?」
南方棲戦姫「お、オイ……早く撃テ……(汗)」
リ級「ムチャ……」
南方棲戦姫「上官命令ダ……」
リ級「モウドウニデモナレ……」ドォン
五月雨「敵艦砲撃してきました!」
艦長「心配しなくてもいい、ありゃあ豆鉄砲だ」
艦長「……どれ、こちらの火力を見せてやろう」
艦長「全砲門攻撃開始! 撃ち方はじめ!!」
砲手「撃ち方始め!」
ドッッゴオオオオオオオオン!!
漣(人間)「もうこいつらだけでいいんじゃないかなぁ……」
吹雪(カード)「設定ガバガバで一番割りを食うのって深海さんサイドだよね」
ガシャン!
――戦闘終了――
南方棲戦姫「……」ボロッ
南方棲戦姫「こんなん無理ヤん……」
漣「いやまぁ、こっちもちょっとだけ大人気なかったかなぁって、ちょっとだけね」
南方棲戦姫「ちょっとジャネエダロ……ナニコレ」
南方棲戦姫「剣道とアーチェリー相手にボクシングで戦ってるようなモンジャン……」
漣「いやまぁ、ほんと仰るとおり……」
五月雨「ごめんなさい……」
南方棲戦姫「最低限同じ土俵で戦わせろヨ……」
叢雲「まぁ、急だったから……」
南方棲戦姫「……」
南方棲戦姫「マァ、もうエエわ……」
南方棲戦姫「次回までには設定統一シテオケよな!! 絶対ニ!!」
電「善処するのです(やるとはいってない)」
南方棲戦姫「……帰るゾ、お前ら」
ヲ級「ヲッヲ~(覚えてろよな!!)」
リ級「テンショクシヨウ……」
叢雲「……」
叢雲「えっと~……色々あったけど……なんとか撃退できたみたいね」
漣「漣と叢雲はほとんど見てるだけだったけど」
叢雲「うっさい!」
叢雲「……」
叢雲「……やっぱこれ問題あるでしょ……まともな戦闘にならないわよコレ……」
五月雨「た、確かに今は設定ガバガバですけど……アニメまでには何とかなりますよ!」
電「三日後です」
五月雨「へ?」
電「アニメ放送開始まで……あと三日です」
五月雨「」
叢雲「あー……」
叢雲「なんかもうめんどくさいや。とりあえず飯食いに行くか!」
漣「おっ! 叢雲のおごりキタコレ!」
叢雲「奢らないわよ!」
漣「ほーん」
電「電は、電はうにが食べたいのです! 寿司食いに行くのです」
五月雨「私中華が食べたいです。みなさんもソレでいいですよね?」
五月雨乗員「五月雨ちゃんが言うなら異議なーし!!!」
漣「じゃあ漣はステーキで」
叢雲「ここでもバラバラかっ」
吹雪「ま、なにはともあれ……」
吹雪「私が主役を務めるアニメ『艦隊これくしょん~艦これ~』は1月からスタートです!
皆、見て下さいね!!」キラリン
漣「あっ! なんかこいつ美味しいところ持って行きおった!」
吹雪「この業界で生き残るには、これくらいの貪欲さが必要なんですよ……フフリ」
五月雨「私は少し出るだけでも……」
電「第六駆逐隊は安泰なのです」
叢雲「……ほんとに大丈夫だろうか、アニメ」
艦!
次回
卯月「大アイドル時代! ぴょん!!」
※週末艦これショートって名前だから基本週末更新なのだけれど、今回のネタははアニメ前に滑りこませたかったのだけれど
五月雨、数百メートルは無いよ。百メートルと少しだ
一応だけどto be continuedね
乙です
小ネタ
【執務室でヤってる最中に空気読まず遠征帰りの報告をする
艦娘がやってくるあの現象について】
~鎮守府/茶の間~
吹雪「ひゃ~今日いよいよアニメだよ~どうしよ~」
叢雲「何時間前から待機してんのよアンタ」
吹雪「だってだって私が主役のアニメが放映されるんですよ!?
そりゃもうドキがムネムネだよ!」
叢雲「ボキャブラリーが古い。10点。よくそんなんで主役張れたものね」
吹雪「ふふ……叢雲が何を言っても負け犬の遠吠えだからね……
この主人公の前ではね……」
叢雲「」カチン
叢雲「おめーそんなこと言ったらよ、アニメに出てるアンタ顔ぜんぜん違うじゃん!
ほんとは別人なんだろうええ? そうなんだろう!?」
吹雪「アレはアニメ用の顔ですぅー、ちゃんと私ですぅー」
叢雲「じゃあ今あの顔してみろやボケナスおんどりゃクソ森!!!」
吹雪「え~、あれは専用のスタイリストさんとか~、メイクアップアーティスト
さんがいないとぉ~」くねくね
叢雲「うっぜえええええええ!!」
白雪「そんなことよりも、艦これにおいてエロシチュエーションの
その殆どを占めるのが執務室S◯Xな訳ですが」
白雪「そんな所でS◯Xされたら、遠征帰りの報告とかで現場に
鉢合わせちゃう可能性があると思うんですよね。そこで、そうなった場合、
私達はどういった対応を取ればいいのか個人的に考えてみたんだけど」
叢雲「は?」
吹雪「ええええ!? 今アニメの話してたよね!? いくらなんでも話が飛びすぎ
じゃない!?」
白雪「いや、アニメとかどうでもいいから」
吹雪「ひどい!!」
白雪「まずは私達乱入者側が行為に気づいているかどうか」
白雪「人が入ってきても目の前で堂々とS◯Xするシチュエーションも無くはないですが
大抵の場合、その行為は隠されます。顔では平静を装いながらも
座位で挿入されていたり、机の下でイジっていたり、逆に艦娘が提督に
イジられていたり……まぁ御多分に漏れずどのケースでも何らかの性的接触により
下半身はグチョグチョの大洪水状態な訳ですが」
叢雲「い、いきなり何話してんのよアンタ……」
白雪「気づいていないのであれば気づいていないでいいんです。
問題は気づいている状態です。提督達は気づかれていないと思っている
でもホントはバレている。そんな時我々が取るべき行動はなにかという話です」
吹雪「ひゃああ……//// え、エッチな話はいけないと思います////」
白雪「吹雪ちゃん。そうやって純情ぶってポイント稼がなくてもいいからね」
吹雪「し、白雪ちゃん……?」
白雪「私が思うに、行為に気づいた君たちはそのまま混ざって3Pしてもいいし
執務室でヤってることをダシにして脅して3Pに移行してもいい」
叢雲「3Pシたいだけじゃないそれ……」
白雪「でもね、やっぱり一番なのは"気づかないふりをする"コレだと思います。
これが美学なんです」
叢雲「知らんがな」
白雪「簡単に言いますけどね、よく考えてみてください。目の前に
ち◯ぽゲットチャンスが転がっているのにそれを我慢してまで、
提督達の『気づかれそうで気づかれない極限状態でのS◯X』という変態的欲求を
満たしてやる為、気づかないふりをして脇役に徹するするんですよ?」
白雪「その姿勢を……これを美しくないとするならば何だと言うのですか!!!」
叢雲「お前アホだろ」
白雪「私はそんな脇役に徹する彼女達に感銘を受けました。
天龍さんと第六駆逐隊の皆さんに弟子入りしてきます」
叢雲「その人達をその道のプロみたいに言うのはやめなさい」
吹雪「……あの、アニメの話は……」
アニメ『艦隊これくしょん~艦これ~』はいよいよ今夜放送。
皆も吹雪ちゃんを応援しよう。
小ネタ
【アニメ「艦隊これくしょん~艦これ~」第一話より】
~那珂ちゃんがビラ配りしてるシーンの舞台裏~
陽炎「あー、やばい。もう少しで私の出番だ……緊張してきた……」
五月雨「おごごごっごごごおごっっごおおおごg」
陽炎「!? ちょっとあなたどうしたの!?」
五月雨「ああああああああにめしゅつえんんんんしちゃうんだああああ
私あにめしゅつつつつつt」
陽炎「ヤバイ! 緊張しすぎてこの子悪霊憑きみたいになってる!」
陽炎「しっかりしなさいよ! 気を確かに!」
五月雨「あががががが電波に乗っちゃうウ私電波にぃいいいいい!!!」
最上「おや、どうしたんだい?」
陽炎「あ、いやちょっとこの子、アニメ出演するから緊張してるみたいで……」
五月雨「ウヒヒヒウェヘヘヘエヘエヘ」
最上「え、何これ怖い」
最上「……でも五月雨って確かワンシーンしか映らないよね?」
陽炎「ワンシーンでも緊張するもんは緊張するのよ。この子は異常すぎるけど」
五月雨「ヒャッホーイウェアッハーイ!」
陽炎「ていうか確かあなたってセリフあったわよね?」
五月雨「!?」
最上「えっ? ああ、まぁ……ヒトコトだけだけどね?」
五月雨「しゃ、しゃべっ……電波に声が……?」
五月雨「あああああああああああ」ガクガクガク
最上「ちょ、大丈夫!?」
陽炎「出るだけじゃなくセリフまで有る艦娘を目の前にして
次元の違いを感じているようね」
最上「なんか痙攣してるけど……大丈夫なのかなぁ、彼女」
陽炎「非常に危険な状態ね……これ、メインキャストとか目の前にしたら
ヤバイんじゃ……」
那珂「みんなおっはよー! そこで集まって何してるの~?」
陽炎「あっ」
最上「こりゃイカン」
那珂「あれー? 皆固まっちゃってどうしたのー?」
五月雨「な、なかちゃ……メインキャラ……」
那珂「ん? 五月雨ちゃん?」
五月雨「ウゴハァッ!」ブシャ
陽炎「吐血した!」
那珂「ええっ!? 那珂ちゃん何もしてないよぉーっ?」
最上「……」
五月雨が
緊張しすぎて
吐血した
最上
陽炎「まんまじゃねえかよ!!」
最上「だめかなぁ?」
陽炎「万葉集からやり直して」
五月雨「ああ……私……」
今日、アニメに出ます……
五月雨「」ガクッ
陽炎「!?」
最上「……あっ、これ心臓止まってるやつだ」
陽炎「……」
陽炎「出る前に死んでるじゃん……」
一度は死んだかのように思えた五月雨ちゃんでしたが、シーン撮影に呼ばれると
すぐさま蘇生したらしい。よかったね、五月雨ちゃん。
アニメの朝潮ちゃん可愛かった(本編更新間に合わなかったから小ネタで濁す)
明日更新できたらいいな……
第四話
卯月「大アイドル時代! ぴょん!!」
~鎮守府/港~
五十鈴「皆ご苦労様。今回の遠征も無事成功よ」
長月「これくらい大したこと無いけどな!」
菊月「我らの力を以ってしてすれば造作も無い……」
弥生「……」
弥生「終わった……」ゲッソリ
卯月「どうしたっぴょん弥生! 大分窶れた顔してるぴょ~ん」
弥生「ここ一週間ひっきりなしに遠征してれば窶れもするよ……」
弥生「今日も遠征、明日も遠征……来る日も来る日も遠征遠征……」
弥生「多分一年後もずっと遠征……」
弥生「……弥生、生きてる気がしないんだよ」
卯月「生きてるってなんだろ、生きてるってなぁに? っぴょん!」
弥生「……」
卯月「……弥生、怒ってる?」
弥生「怒ってるよ」
卯月「いつもの定型文が返ってこなかった。こりゃあ相当切れてるっぴょん」
弥生「たまには戦闘海域に出撃させて欲しい……睦月型は性能が低いから
あまり重宝されないかもしれないけれど……司令官にはもっと私達の事も見て欲しい」
「――力がほしいか? 小娘……」
弥生「……」
弥生「いきなり何を言ってるの……卯月(冷めた目)」
卯月「もー、弥生ノリ悪いぴょん~」
弥生「めんどくさいだけだよ、めんどくさいだけ」
卯月「まぁ正直な話、司令官は最近うーちゃん達の事を軽んじている気がするぴょん
司令官はもっとうーちゃんたちに目を向けるべきぴょん!」
弥生「そうは言っても……私達睦月型じゃ……見向きもしてもらえないよ、
きっと。私達には力がないから……」
卯月「やよぴょんは視野が狭いぴょんね~」
弥生「は?」イラッ
卯月「確かにうーちゃん達は弱いぴょん。だけど……
強さだけが艦娘の力じゃないんだぴょん! ぴょぴょん!」
弥生「どういうこと……?」
卯月「これを……見るぴょん!!!」
そう言って卯月が取り出したのは……音楽雑誌だった。
弥生「これは……!」
卯月「『今話題の艦娘アーティスト"第一航空戦隊 旗艦二代"! 彼女達が
音楽界に巻き起こした風はまさに"烈風"! 快進撃が留まることを知らない
二人のその魅力に迫る!』……とまぁ、見て分かる通り……」
卯月「これは先日CDデビューした赤城さんと翔鶴さんの特集が組んである
音楽雑誌ぴょん」
弥生「それが、どうしたっていうの……」
卯月「相変わらずやよぴょんはニブぴょんね……」
卯月「いいですかぁ~? 赤城さんと翔鶴さんの衝撃CDデビュー……
それは予想外結果を産んだぴょん」
卯月「CDバカ売れによる臨時収入! 関連商品のヒット! TVへの露出の増加!」
卯月「お陰で母港も限界まで拡張されて、お風呂もたくさん増えたっぴょん」
弥生「そういえば、最近いろいろ設備が新しくなってると思ってたけど……
あれ、赤城さん達のおかげなんだ……」
卯月「そうっ! 二人は"戦わずして"鎮守府の力になったんだぴょん」
卯月「強さ以外の力……"艦娘の魅力"を使って!!!」
弥生「……艦娘の、魅力……?」
卯月「そうぴょん……ここまで言ったら言いたいことはわかるぴょん?」
弥生「まさか……」
卯月「世は大アイドル時代! 今こそアイドルを目指すべき! ぴょん!」
弥生「無理」
卯月「ちょちょちょ結論早すぎぴょん~。ギジェルモ並みのレスポンスの早さぴょん~」
弥生「ムリなものはムリ」
弥生「不可能」
卯月「そこまで徹底的に否定しなくても……」
弥生「無理だよ。だって私には……赤城さん達みたいな魅力、ないし……」
卯月「そうやって最初から決め付けるのは弥生の悪いところぴょん……」
卯月「弥生はとっても魅力的ぴょん! でもそれがちょっぴり伝わりにくい
だけなんだぴょん! でもうーちゃんはちゃーんとわかってるぴょん、
弥生は磨けばとっても魅力的なアイドルになれるって!」
卯月「さぁ弥生! うーちゃんと一緒にあいどるを~~~目指せ! ぴょん!!」
弥生「卯月……」
弥生「死んでも嫌だ」
卯月「ズコぴょおおおおんッ! ズコココココピョオオオオオン!!!」
弥生「なにそれ」
卯月「見てわからないぴょん? ずっこけた時のリアクションぴょん」
弥生「果てしなくうぜぇ……」
卯月「ていうか今の完全に話に乗る流れだったぴょん! 空気読むっぴょん!!!!」
弥生「いや無理。人前に出るの嫌だし……」
卯月「このわからず屋!」
弥生「なんと言われても、ムリなものはムリだよ……」
卯月「根暗! 陰険! コミュ障!」
弥生「」カチン
弥生「怒 っ て な ん か 無 い よ」ドゴォ
卯月「ブホッ! 怒ってるぴょん! キレッキレの右ストレートを脇腹にえぐるくらい
怒ってるぴょん!」
弥生「とにかくアイドルなんて無理だから……」
卯月「何でぴょん~弥生、アイドルやろう!」
弥生「何でそこまで弥生にこだわるの……」
卯月「だって……なんかアイドルっぽい名前だし」
弥生「てめぇの頭は年中お花畑かよ」
という訳で、弥生とうーちゃんはアイドルを目指すことになったんだぴょん……。
弥生「強引にナレーションで話進めないで」
~鎮守府/多目的ホール~
卯月「かくして、うーちゃん達はアイドル道を極めるべく先輩アイドル
の方々のところに来ているぴょん」
弥生「だから、アイドルなんてやらないって言ってるのに……」
卯月「そんなこと言ってないで、先輩方のアイドルっぷりを見たら気持ちが
変わるかもしれないっぴょん!」
弥生「それはないよ……卯月みたいに単純じゃないから……」
卯月「ぴょーん! 失礼極まりないっぴょん」
ワン・ツー! スリー・フォー! ファイブ・シックス! セブン・エイッ!
弥生「……? この声は……?」
卯月「先輩方がレッスンしてる声ぴょん! 早速行ってみるぴょん~」
卯月「お~い、先輩方~!」
那珂「え? 何々!? もしかして那珂ちゃんのファン!?」
神通「那珂ちゃん、集中して」
弥生「皆さんは、川内型の……」
卯月「川内型の三人はCDデビューにアニメ出演まで決まっている、
言わばアイドル街道爆進中の人達なんだぴょん!」
弥生「アニメ……」
弥生「弥生たちには関係ないよ、アニメなんて……」
卯月「先輩方こんにちわっぴょん! ちょっと見学してもいいですかぁ~?」
那珂「見学!? 可愛い那珂ちゃん顔ならいくらでも見学していいよ!
ほらほらもっと近くでもていいよほらほらほらほら」ハァハァ
神通「那珂ちゃん、よそ見はダメって言ってるでしょ」
神通「そこの振り、リズムがバラバラです」
神通「手首の角度も揃ってないです……」
那珂「うっ、神通ちゃんキビシーよぉ!」
神通「もう一回合わせますよ。ワン・ツー! スリー・フォー!」
神通の掛け声と共に、川内型三姉妹は踊り始める。
三人はどうやらダンスのレッスンの真っ最中のようだ。
川内「ぜぇ、ぜぇ……キツい」
神通「川内姉さん笑顔!」
川内「えがお、笑顔……」ニコリーン
卯月「た、大変そうっぴょんね……」
弥生「……」
弥生「いや、戦闘の訓練しようよ……」
神通「大丈夫ですよ。レッスンが終わった後、ちゃんと訓練もしますから」
那珂「まじっすか……」
神通「那珂ちゃんまた遅れてる!」
那珂「は、はいぃ!」
卯月「あはは……」
卯月「ど、どうっぴょん弥生! アイドルってキラキラしてるよねぇ~」
弥生「大量の汗で、ね……」
卯月「……アイドルやりたくなったぴょん?」
弥生「これでどうしてアイドルなりたいと思うのか……」
弥生「やっぱりアイドルなんて大変なだけだよ……」
那珂「そんなことないよ!」
弥生「那珂、さん?」
那珂「確かにレッスンと訓練を両立させるのはすっごく大変だけど……
那珂ちゃんの歌や踊りやスマイルで皆が幸せになってくれるなら……」
那珂「那珂ちゃんはどんな辛いことだって頑張れるんだから!」
そう言ってダンスに打ち込む那珂ちゃんの笑顔は……眩しくて、眩しくて……。
でも、弥生は不思議と目が離せなくて。惹きつけられて。
弥生「ああ、これが……」
魅力なんだなって。
弥生はそう思ったのでした。
卯月「……ちょっとだけ、憧れたっぴょん?」
弥生「なっ……」
弥生「そんなこと……」
卯月「ぴょーん?」
弥生「……ちょっとだけ」
弥生「ちょっとだけだよ……////」
卯月(弥生ってば意外とチョロいぴょぉおおおおん
チョロッチョロぴょおおおおおおおん!!!)
――――――
―――
―
卯月「川内型の先輩方、すごかったぴょ~ん」
弥生「うん、すごかった……本当にプロって感じだったし……」
卯月「よし、それじゃあ一緒にアイドル目指すぴょん!」
弥生「何がよしなのかわからない……やらないよ……」
卯月「ぷっぷくぷぅ!」
弥生「そんなことより……今からどこに行くつもり?」
卯月「あれ? やよぴー知らないっぴょん?」
弥生「何が?」
卯月「今日は鎮守府の中であの"第一航空戦隊・旗艦二代"の二人が特別ライブを
やるんだっぴょん!」
弥生「ライブ……?」
卯月「もう少しで始まるから、弥生、ついてくるっぴょん!」
弥生「え、ええっ!?」
~鎮守府アリーナ~
青葉『皆さんこんにちわーーー!』
「こんにちわああああああああ」
青葉『盛り上がってますかー?』
「うおおおおおおおおおおおおお!!」
卯月「うっひょー、もう観客が超満員っぴょん。これがどれだけ鎮守府の財源に……」
弥生「すごい……人がたくさん……」
青葉「凄い熱狂っぷりですねぇ。流石の人気ですー」
加賀「ちっ……良いからさっさと赤城さんを出しなさい……!」
大鳳「加賀さん、そう焦らないで。赤城先輩はもうすぐ出てくるわ」
瑞鶴「ったく……この青い人は赤城さんの事しか頭にないんだから」
瑞鶴「翔鶴姉だっているんだからねっ」
加賀「何故赤城さんと組むのが私でなくあの子なの……グギギギ」
瑞鶴「まーだそんなこと言ってんのか……」
青葉「では早速登場願いましょう! 第一航空戦隊・旗艦二代のお二人です!!」
「うおおおおおおおおおおおおお!!」
湧き上がる歓声。フェードインするあの曲のメロディ。
赤城・翔鶴「「暁の、向こうへ~♪」」
吹き出して交差する白煙。その奥から現れるのは、第一航空戦隊・旗艦二代の二人だ。
弥生「赤城さん、翔鶴さん……」
卯月「さっすが本番慣れしてるぴょん! これだけの大歓声を前にしても
微塵も緊張の色が見られないっぴょん!」
弥生「凄い……!」
加賀「うおおおおお! 赤城さん! 赤城さん! ほ、ほあーーーー!!」
大鳳「か、加賀さん……?」
瑞鶴「よく見ておきなさい大鳳。これがアンタの憧れるクールな先輩の本当の姿よ」
赤城「栄光の日 私の想い 刻むの暁の海に」
翔鶴「在りし日 懐かしい笑顔に 決意と驕り 嘆きの海」
ビスマルク「ヤーパンのライトの振り方には決まりがあるのよ!
お手本を見せてあげるわ!」フリフリ
オイゲン「わぁ~、さすがビスマルク姉様、物知りです~!」
ビスマルク「さぁあなた達もライトを振って」フリフリ
Z3「何故私達まで……」フリフリ
Z1「これがニホンのライブなんだね!」フリフリ
オイゲン「……あれ? ナンカ前のほうが凄く光ってません?」
ビスマルク「ホントね。何かしらアレ……」
五月雨「ゆ、夕張さん! あの、それ使い過ぎじゃあ……」
夕張「あぁ~、気持ちいい、サイリウムどんどん載せてぇ~」ビカ-
赤城「磨いた腕 集う 輝く翼達」
弥生「……すごい。すごいすごいすごい!」
弥生「うまく言葉に出来ないけど……本当に本当に……すごい……!」
赤城「――今こそ 放つ 全機 攻撃隊発艦!」
「うおおおおおおおおおお!!!」
弥生(皆がこれだけ熱狂して……そして、会場全体が笑顔に満ち溢れている……)
弥生(そうだ、私は、こんな風景が見たかったんだ……)
弥生(あの時代では見ることができなかった、この笑顔が……!)
赤城「九九の願望(ゆめ) 想いよ」
赤城「いつまでも どこまでも」
赤城・翔鶴「輝いて 貫いて さぁ~♪」
圧倒された。胸が熱くなった。弥生は今、確実にステージ上で歌う彼女達に
心を奪われていた。
そして羨ましくも思った。これだけ沢山の人を笑顔にできる二人の魅力に、
弥生は羨望を覚えたのだ。
弥生「」ボー
卯月「ニヤニヤ」
弥生「……はっ!」
弥生「見とれてなんか無いよ、見とれてなんか!」
卯月「はいはいぴょんぴょん」
――――――
―――
―
青葉「という訳で、ただ今素晴らしい歌を披露していただきました、第一航空戦隊
旗艦二代のお二人でーす!」パチパチパチ
赤城「ご紹介に預かりました、通称『一航線の誇り・赤城』です」
青葉(自分で言うのかそれ……)
加賀「きゃー! 赤城さああああん! 一航線の誇りぃいいい!!!」
翔鶴「五航戦の翔鶴です。はい、よろしくお願いしますっ」
瑞鶴「翔鶴姉かわいいー!」
加賀「五航戦の子は引っ込んで」
瑞鶴「青い人は黙っててください」
青葉「外野が騒がしいですねー。これほど熱狂的なファンが付くのも、
お二人の人気を物語っていますね~」
赤城「あ、あはは……」
翔鶴「もう、瑞鶴ったら……」
卯月「どうぴょん、弥生。アイドルって、キラキラしてすてきっぴょん?」
弥生「うん……確かに、アイドルは素敵……」
卯月「じゃあ……!」
弥生「でも尚更、私じゃアイドルなんかになれないよ……」
弥生「これだけ沢山の人を笑顔になんて、できっこない……」
卯月「くぅ~! このネガティブガールが!」
卯月(あとひと押しなのにぃ~~~っぴょん!!!!)
青葉「さぁ~てここで一つお知らせがあります!!」
赤城「おや、一体何でしょう」
青葉「第一航空戦隊旗艦二代の大活躍を受けて……カネに目が眩……あー、ごほん!」
青葉「次世代の歌う艦娘を世に送り出す為~、提督が急遽、歌う艦娘オーディションの
開催を決定なされました!!!!」
弥生「オーディション……?」
赤城「オーディションですか。提督ったらまた調子に乗って」
青葉「コン◯イル並に無計画な事業拡大ですよね」
翔鶴「で、でも悪い事じゃないと思いますけどね……」
青葉「まぁとにかく、提督の独断でオーディションが行われますという告知ですね」
青葉「求む! 次世代の歌う艦娘!! 我こそはと思う方はふるってご参加ください!
開催日程は後日、鎮守府公式ホームページの方で……」
卯月「これは願ってもない僥倖、ぴょん!! これも何かの運命、
でるしかないっぴょん、弥生!!」
弥生「だから、私なんかでたって……」
青葉「それでは歌う艦娘の先輩である赤城さんから、
未来の歌い手へ一言お願いします!」
赤城「一言、ですか? うーん……」
赤城「そうですね……私としては、自分達の他にも、このように沢山の
人を楽しませてくれるような子が出てきてくれると……嬉しいですね」
翔鶴「とはいっても、やっぱり躊躇っちゃいますよね……私達艦娘は
こういった活動とは本来無縁ですから」
赤城「そう、私達は艦娘。戦うことが使命の私達が、歌で人を楽しませることが
出来るのか……そう思ってしまうのも無理はありません。現に私もそうでした」
翔鶴「私もCDデビューするまではとっても不安で不安で……」
赤城「でもこうして沢山の方々の前で歌って、楽しんでもらえて……
私、CDデビューしてよかったなと、今は心からそう思います」
赤城「この感覚を……素敵な空間を……ここからの景色を、他の娘にも
知ってもらいたい、感じてもらいたい……」
赤城「人を笑顔にしたいという気持ち。その気持ちが大切なんです。
そういう気持ちを持った子達に、このオーディションは受けてもらいたいですね」
弥生「……!」
赤城「何事も最初からうまくいく訳はありません。ですが、その気持ちを持って
歌を歌い続ければ、必ずや人の心を動かす素敵な歌を生み出すことが出来るはずです」
弥生「気持ちを持ち続けていれば……私、でも……?」
赤城「……とまぁ、こんな所で。人並なことしか言えなくて申し訳ありません」
青葉「いえいえ! 大変素晴らしいお言葉をありがとうございます~」
弥生「……」
卯月「弥生。オーディション……」
弥生「受けるよ」
卯月「また即と……え?」
卯月「今、受けるって言ったぴょん……?」
弥生「う、受けるだけだよ……」
弥生「アイドルになりたいわけじゃないけど……」
弥生「私も、誰かを笑顔にしたいって思ったから……だから……」
卯月「ふっふっふ……きまりぴょんね……」
卯月(当初の目的を忘れてる気がするけど……まぁいいぴょん)
卯月(これで暫くは退屈しないで済みそうっぴょんwwww)
卯月「アイドルコンビ"やようづ"の結成ぴょんね!」
弥生「……」
弥生「安直すぎ……」
卯月「ぴょん!?」
かくして……
瑞鶴「歌う艦娘オーディションかぁ~。どうよ大鳳、出る?」
大鳳「ええ!? 無茶言わないでっ……」
加賀「……瑞鶴」
瑞鶴「ん? どしたの加賀さん?」
加賀「一緒にオーディションに出るわよ」
瑞鶴「は?」
瑞鶴「いきなり何を言い出すかと思えば……冗談やめてくださいよ加賀さん!」
加賀「私は本気よ」
瑞鶴「いやいや何言ってるんすか。どういう風の吹き回しですか! E風吹きましたか!?」
加賀「……CDデビューしてからの赤城さんは、なんだか遠くへ
行ってしまったように感じるのよ」
加賀「あなたは平気なの? 相方に置いてけぼりにされて……」
瑞鶴「……!」
加賀「私には無理よ……」
加賀「赤城さんがあの泥棒猫にいいようにされるのを黙って見てるなんて!!!」
瑞鶴「それが本音か!! 翔鶴姉は別に赤城さんをどうこうする訳無いし!」
加賀「うっさい! あの子、人畜無害そうな顔してるけど裏では何をしてるか
わかったものではありません! ドスケベな下着履いてるし!」
加賀「少なくともCDデビューして、同じ土俵に立たなければ……」
瑞鶴「そのりくつはおかしい」
加賀「黙って私の言うことを聞きなさい瑞鶴。拒否権はないわよ」
瑞鶴「ヒエッ……」
歌う艦娘オーディションの報せは鎮守府内を駆け巡り……
58「ふっふっふ……この時を待っていたでち」
58「ご存じないのでちか? この超時空潜水艦ごーやちゃんを……!」
58「オラお前ら! このままオリョクル奴隷としての生をのうのうと享受するつもりでちか!?」
58「立て! 立ち上がれよ! 我ら同じ志をもった潜水艦……」
58「このアイドル群雄割拠の時代で……天下を取り、オリョクルから解放されるでち!!!」
8「まだごーやが、おかしなことを言ってますね」
19「ちゃんぷるーの妄言癖にはこまったものなのwwwwいっひひwwwww」
168「でもイムヤ、歌には、ちょっと興味あるかも……」
58「ただでさえ天使なごーやちゃんが世界に羽ばたくでち!!!」
ビックウェーブを形成しようとしていた……。
時津風「ねー、皆でオーディション受けてみよ―よー」
雪風「雪風、しーでーでびゅー? したいです!!」
天津風「何馬鹿なこと言ってるのよ。そんなこと……」
陽炎「あら、いいんじゃない?」
天津風「えっ」
黒潮「面白そうやな。ねぇ不知火ちゃん?」
不知火「し、不知火は別に興味ありませんが」
黒潮「とか言ってその右手に隠してるオーディションのチラシはなんやの~?」
不知火「うっ」
初風「……めんどくさいのは嫌よ?」
磯風「このオーディションとやらで頂点を取れば、我々陽炎型の凄さが
広く知れ渡ることになるだろう。乗らない手はない」
浦風「提督さんも面白そうなこと考えよーねぇ。ここはちいとばかり付き合って
みるのも悪くないかもしれんねぇ」
谷風「うちにはおっぱいでけーのも沢山いるし、案外いけるかもな!」
浜風「な、何を言ってるんです谷風!」
谷風「特に浜風の乳は凄いからなー」モミン
浜風「ひゃうん!? ////」
谷風「これで勝つる!!」
浜風「……たにかぜー!」
谷風「ひゃはは!」
舞風「皆で歌って踊れたら、きっと楽しいよ~! ね! 野分もそう思うでしょ!?」
野分「そうだね舞風。うん、そう思う……かな」
陽炎「まー天津風は乗り気じゃないみたいだけどねー」
天津風「えっ」
舞風「えー、なんでぇ?」
秋雲「あまつんは痴女だからね!」
天津風「そこは関係ない!」
秋雲(痴女であることは否定しないのか……)
陽炎「いやー、ヒジョーに残念だけど天津風はやりたくなさそうだし
私達だけで……」
天津風「ちょっと待って! 誰もやりたくないだなんて言ってないじゃない!!」
陽炎「ニヤリ」
雪風「やっぱり天津風ちゃんもやりたかったんですね!」
黒潮「なんやー、やりたかったの天津風ちゃん」
天津風「なっ……なななな」プシュー
野分「天津風姉さんの煙突から煙が……」
初風「全く、素直じゃないわね」
天津風「あなたにだけは言われたくないわよっ!」
弥生「弥生も、赤城さん達みたいに……なれるかな……?」
早くも波乱の展開が予期される歌う艦娘オーディション。
果たして弥生は無事勝ち残る事ができるのか……?
続!
次回
弥生「大アイドル時代……です」
※鎮守府アリーナは転がり込んできた巨額の臨時収入を使い提督が独断で建てました。
卯月「今の時代アイドルも数がモノを言う時代ぴょん」
弥生「何時の世も最終的には物量が正義と化す……」
卯月「という訳でうーちゃん達も頭数を揃えるべく、他の睦月型を
我がグループに引き入れるっぴょん! 卯月四八艦隊計画っぴょん!」
卯月「まずは一番艦と二番艦からぁ~!」
~睦月・如月の部屋の前~
卯月「ぴょん!」
弥生「……」
卯月「ぴょぴょぴょぴょん!!」
弥生「……」
卯月「…ぷっぷくぷぅ~」
弥生「……」
卯月「あ、どうやら中に誰もいないみたいぴょん」
弥生「……え、いまのでわかるの? こわ……」
卯月「うーちゃんがこれだけ可愛い声を近くで出しているのに何の反応もないなんて
間違いなく留守だぴょんなー」
弥生「弥生だったらドアの前で奇声あげてるのがいたら絶対に関わらないように
居留守使うけど」
卯月「しっつれいなぁ~! じゃあドアを開けてみれば結果ははっきりとするぴょん」
弥生(これで中に居たらうーちゃんマジピエロ)
卯月「オープン・ザ・ドア! っぴょん!」
ガチャリ
・・・・・・・・・・・
弥生「誰も居ないね」
卯月「だから言ったぴょん。疑った弥生はその愚かさを悔いながら
うーちゃんにひれ伏すがいいぴょん。オラオラ、頭が高いっぴょん」
弥生「余計なことを言うと口を縫い合わすぞ」
卯月「ぴょん!?」
弥生「ん……あれ、なんか書き置きがあるよ、書き置きが」
卯月「ホントだねぇ。えっとぉ、なになにぴょんぴょん……」
『睦月でぇっす! 如月です。
私達、アニメに出演するので暫く部屋を開けます。
部屋の物勝手にイジらないでね。
PS. 睦月達のアニメでの活躍、とくと期待するのだー by睦月
今度から大女優って呼んでね。下々の者達 by如月』
弥生「……」
卯月「……」
卯月「クソが」
こうして弥生と卯月はコンビでオーディションに臨むことを決めたのだった。
始まります。
弥生「アイ……カツ、アイ……カツ」ズルズル
卯「ほらほらどうしたぴょん! そんなんじゃトップアイドルになれないぴょん!」
弥生(……どうも、弥生です)
弥生(弥生はオーディションに向けて猛特訓を始めました。はじめたけれど……)
弥生「卯月…この特訓本当に意味あるの?」ズルズル
弥生「今時タイヤ引っ張って走り込みなんて野球部でもやらないよ……」ズルズル
卯月「いいかい、やよにゃん。歌唱力というのは肺活量が命ぴょん」
卯月「美声を生み出すにはまず体から。貧弱な体から良い歌声なんて生まれないぴょん!」
弥生「弥生……運動苦手……です」
卯月「これもアイドルマスターになる為っぴょん! がまんするんだぴょん!」
卯月「さぁほら、アイカツ! アイカツ!」
弥生「はぁっ、 はぁっ……死ぬ……」
卯月「ぴょお~ん」
弥生「……」
弥生「ていうかなんで卯月は走り込みしてないの」イラッ
卯月「うーちゃんに特訓は必要ないからぴょん!」
弥生「何故」
卯月「普通の人間の肺活量はおよそ2500~3000cc……うーちゃんは、38,500cc!」
弥生「ほぼ馬力じゃねーかそれ」
卯月「うーちゃんの魅惑のキューティクルボイスはこの肺活量があるからこそ
出せるものなんだぴょん!」
弥生「このウザボイスにそんな秘密が……」
勿論卯月の出任せである。
卯月「さぁわかったらさっさと続けるぴょん! アイカツ! アイカツ!」
弥生「納得いかない……」
それから弥生は小一時間厳しいトレーニングに耐えました。
弥生「やっと終わった……もう駄目。帰って寝る」
卯月「ところがどっこい。これからレッスンぴょん」
弥生「明日でいいよ……」
卯月「オーディションまで残り一週間を切ってるぴょん! そんな余裕はないっぴょん!」
弥生「うう……仕方ない……」
卯月「それじゃあ音楽かけるから、練習通りに行くぴょん! ミュージック、スタート!」
ぽちっとな。と、
卯月はラジカセの再生ボタンを押した。
卯月「~♪ ~♪」
弥生「~♪ ~♪」
卯月(うんうん、歌は悪くないぴょん。練習の成果が出てるぴょん)
弥生「…! っ…!」フリフリ
卯月(ダンスも悪くないぴょん。問題は……)
??「おやおや? こんな所でオーディションの練習ですかい?」
弥生「……?」
卯月「だ、誰ぴょん!」
??「ある時は特型駆逐艦、またある時は綾波型駆逐艦、してその正体は!!」
漣「超大型新人アイドル、漣様だよ! キタコレ!」ババーン
卯月「……地下アイドルの間違いぴょん?」
弥生「大型は建造だけで十分だよ……」
漣「おー好き勝手言ってくれるじゃない」
漣「……見たところ、あなた達もオーディションに出るみたいだけど?」
卯月「そういう貴様もその口か、っぴょん!」
漣「まぁね。ちょいと世間様に漣の素晴らしさを知らしめようと思って」
漣「出るからには狙うは頂点! あ、あなた達のような華のない艦娘
には関係のない話だったかもね~」
卯月「ぴょおおおおおん……」
弥生「何を……!」
潮「漣ちゃん……ああああの、ちょっとそれは言い過ぎかも……」
漣「潮先生ェ! こんな奴らにヘコヘコする必要ないんすよ。先生ェは
どーんと構えててくださいよ、そのおっぱいみたいに!」
潮「あの、おっぱいの事は……あんまり……」
卯月「大口叩きやがってぇ~。オーディションでボッコボコに叩き潰して
やるっぴょおおおおん!」
弥生「後悔させてあげる……!」
漣「ん~? 言っとくけどこっちには潮先生がいるからね。これを見るがいい!」
そう言うと漣は潮の胸部装甲を後ろから持ち上げた。
潮「ななな!? 何するの、漣ちゃん……!?」バイン
漣「見よこのおっぱい! この超弩級おっぱいに君達平たい胸族が
対抗できるとでも? 無駄なんだよ無駄無駄!」
漣「ほーれおっぱい! ほーれおっぱい!」バインバイン
潮「あの……やめて、くださいぃ……」
弥生「くっ……」ストーン
卯月「さ、さらしで潰してるだけだぴょん……」ペターン
弥生「というか、胸の良さは大きさだけじゃないし……形とか、色々あるし」
卯月「デカけりゃいいってもんじゃないっぴょん! うーちゃん達はうーちゃん達の
良さで勝負するんだぴょん!」
漣「はぁ~、やれやれ。負け惜しみにしか聞こえないっすねー」
漣「せっかくだから漣が忠告しておいてあげる……」
漣「あなた達じゃ絶対にオーディションを勝ち抜くことはできない!」ババーン
弥生「なっ……」
卯月「聞き捨てならないっぴょおおん!」
弥生「どういうこと……?」
漣「……気づいていないの? あなた」
弥生「私……?」
漣「そうよ、あなた。あなたには絶対的に不足しているものがある!」
弥生「……不足してる? 弥生の何が……!」
漣「それはこれよ!!!」
漣「漣スマイル!!!」キュルピーン
弥生「……」
弥生「え、頭おかしいの?」
漣「んだとゴラァ!」
弥生「いやだって……いきなりそんなんやられたら……」
漣「あのねぇ! こっちはあーたの欠点を指摘してやってんですよ!?」
漣「弥生、あなたには笑顔が足りないの!!! 圧倒的に足りない!!」
弥生「!!」
卯月「あ~……」
卯月(そうなんだぴょん……弥生は……)
漣「さっきの歌、踊り。木陰から見せてもらってたけどね……弥生、あなたには
笑顔が一切なかった! そんなんじゃ絶対にオーディションでは受からないよ」
弥生「笑顔くらい……できる!」
漣「じゃああなたのスマイル、見せてもらおうじゃないのよさ」
弥生「いいよ……見てて……これが……」
弥生「弥生スマイル!」グギッ
卯月(壊滅的に笑顔が下手くそなんだっぴょん~……)
弥生「……!」
弥生「どう、これが……弥生の……!」
漣「ぷくく……あーっはっは!! はひゃひゃひゃひゃ!」
弥生「!?」
潮「漣ちゃん、笑いすぎだよ……」
漣「何の冗談っすかそれ、殺気出してるんすか?ww」
弥生「なっ……そんなこと!」
漣「笑顔の練習した方がいいっすよ先輩wwwwwキマリ先輩wwwww」
弥生「ば……バカにして!」
漣「あー笑った笑った。これならオーディションも大丈夫そうだわ~」
卯月「ぐぬぬ……今はそうやってふんぞり返ってるがいいぴょん。
本番で泣きを見るのはそっちの方だっぴょん!」
漣「それはないわね」
卯月「随分と自信があるぴょんね……」
漣「当然よ。こっちには絶対に勝ち残る秘策があるんだから……」
弥生「秘策……?」
漣「おっとこれ以上はいえねぇ。ま、せいぜいオーディションまで頑張り給えよ。
漣達の盛り立て役ぐらいにはなるだろうからね」
卯月「一々癪に障るヤツだっぴょん!!!!」
弥生(秘策……漣はどんな秘策を隠し持っているというの……?)
漣「それじゃあオーディションで待ってるから。……行くよ、潮先生ェ!」
潮「あ、あの……なんか色々とごめんなさいぃ。……まって漣ちゃん!!」
弥生「……」
卯月「……なんか、嵐のような奴だったぴょん」
卯月「まぁ~、とにかくライバルっぽいのも現れたし、弥生も……」
弥生「卯月」
弥生「もう少しレッスン、付き合って」
卯月「……ぴょん」
卯月(弥生、ようやくやる気になったみたいぴょん!)
弥生「特に、笑顔。笑顔の練習……手伝ってくれる?」
卯月「勿論ぴょん!」
弥生「あんなにコケにされて……黙っているほど、弥生もお人好しじゃない」
こうして、オーディションの日まで弥生はひたすらに笑顔を作り続けた。
卯月「それじゃあうーちゃんの真似をするっぴょん」
弥生「了解」
卯月「……」
卯月「ぴょおぉ~~ん」にへら
弥生「ぴょ、ぴょーん」ガチガチ
卯月「全然なってないっぴょん!!」
弥生「むぅ……」
来る日も来る日も笑顔の練習。
卯月「ワンモアセッ! ワンモアセッ!」
弥生「サーコォ! サーコォ!」
卯月「いいぞっ! その調子だ!」
弥生「ヴィクトリー!!!!」
がむしゃらに、ひたむきに。弥生は突き進み。
瑞鳳「いつやるの!? いまで……」
弥生「……」
弥生「ネタが古い」
瑞鳳「えっ」
弥生「まだ照れがある」
瑞鳳「えっ」
弥生「そもそも単純に面白く無い」
瑞鳳「ふえぇ……」
龍城「怒涛のダメ押しやん……」
弥生「弥生はただ笑いたいだけなのに」
そして彼女はいつしかあらぬ方向へと舵を取り始め……。
若葉「睦月は通す。如月も通す」
若葉「弥 生 は 通 さ な い」
弥生「だからキマリじゃねえっつってんだろ」
そのまま地平の彼方へと消えていくのだった……。
――――――
―――
―
朝潮「ちゅんちゅん!!」
朝潮「オーディション当日です!」
朝潮「そして私は……」
大潮「ドーン!」
荒潮「させないわよぉ?」
荒潮「そして私は朝潮型四番艦、荒潮よぉ」
朝潮「卑怯な!」
~鎮守府/オーディション会場前~
卯月「いよいよやってきたぴょん、弥生」
弥生「うん……!」
卯月「これまでやれるだけのことはやってきたぴょん。後はそれを本番で
出しきるだけ……」
卯月「弥生、一緒にオーディション頑張るっぴょんっ」ニコッ
弥生「そうだねっ」グギッ
卯月「……」
卯月(笑顔にまるで進歩が見られないぴょおおおおおん)
~会場内~
大淀「エントリーされる方はこちらに名前をご記入ください」
白露「いっちばん最初にエントリーするよ―!」
村雨「はいはーい、村雨エントリーしま~っす」
時雨「ほら夕立、そんな所で油売ってないでいくよ」
夕立「ちょっと待って、夕立まだこの新聞全部読んでないっぽいぃ~」
弥生「ここが、オーディション会場……」
オーディション会場は既に沢山の人と艦娘で賑わっている。
人混みに慣れない弥生は、会場の雰囲気に飲まれそうになった。
卯月「どこもかしこも癖の強そうな奴らばかりぴょん~。
はぁ~、燃えてくるっぴょおおおん」
弥生「そしてきっと、会場の何処かに……漣達も……」
秋月「号外です! 号外です!」
卯月「ん? 何だぴょん? 秋月かぴょん」
秋月「どうもこんにちわ! 弥生さん、卯月さん!」
ここで現れたのは秋月型一番艦・秋月だった。
弥生「ど、どうも……」
卯月「こんな所で何やってるんだぴょん」
秋月「少しでも鎮守府の負担を減らそうと、この秋月、新聞販売のアルバイト中です!」
弥生「えらい……」
卯月「それはそれは、ご苦労なことだぴょん。関心関心」
秋月「それよりどうです? 新聞読んでいかれませんか? 号外ですよ!」
卯月「号外って、いったい何が……」
弥生「ちょっと卯月、これ……」
卯月「ん……?」
《速報・歌う艦娘オーディションに枕営業強要疑惑!?》
先日、艦娘"あきつ◯"氏(陸軍出身)が駆逐艦U氏(綾波型駆逐艦)に
肉体関係を迫る事案が発生した。このあきつ◯氏は『歌う艦娘オーディション』
の審査員を務めており、同オーディションを受ける予定であったU氏に対し
「オーディションに受かりたければ今夜旅順(ラブホテルの隠語)まで来い」
「初めてでも問題ない。このあきつ丸にかかれば203処女膜も忽ち大洪水で水師営」
などと言い寄っており、同時にあきつ◯氏はU氏をホテルに連れ込もうと
したとされている。
なお、あきつ◯氏はU氏を無理やりホテルに連れ込もうとしていた所を
たまたま通りがかった通行人・子日のサイコガンに
眉間を射抜かれヒューッされている為、U氏は事無きを得ている。
憲兵団ではこの一連の事件の裏には駆逐艦S氏(綾波型駆逐艦)
が関係しているという見方が強く、現在、同氏の足取りを追うと共に
引き続き調査が……
秋月「枕営業なんて、物騒ですよねー。ところで枕営業ってなんですか?」
卯月「なんだこれ……」
弥生「いや、これって……もしかして……」
卯月「もしかしなくてもまぎれもなくヤツ(漣)さ……」
弥生「秘策ってまさかこれ……?」
卯月「下衆の極みぴょん」
弥生「……何か」
弥生「えっと、ライバル的なポジションだったよね、この人。」
卯月「勝手に自滅しとるぴょんこいつ」
弥生「ホントに何なんだこれ……」
ライバルが勝手に脱落した上に指名手配されて若干テンションが下がる弥生と卯月。
それでもオーディションは始まるのだ!
~オーディション会場/ステージ~
矢矧「さて、それではこれより提督主催による……
第一回『歌う艦娘発掘オーディション』を始めたいと思います」
卯月「ひゃ~、いよいよ始まるぴょん」
弥生「……笑顔笑顔」ガチガチ
矢矧「僭越ながら司会進行は私、軽巡矢矧が務めさせていただきます」
酒匂「矢矧ちゃん、がんばってねぇ」
矢矧「頑張るから向こうでおとなしくアイスでも食べてなさい、酒匂」
酒匂「ぴゃん~」
矢矧「失礼しました、それでは今回のオーディションの審査員を務める
方々をご紹介しましょう」
矢矧「まずはこの方、『帝国海軍のアイドルといえばこの私をおいて他にはいない』
世界のビックセブン、戦艦長門さんです」
長門「みんなのアイドル、長門だ。よろしく頼む」
長門「自慢ではないが、この長門、毎分300枚のスピードでサインの生成が可能だ。
これならどれだけ大勢のふぁんにサインを求められても対応できるぞ!」
長門「これも私のアイドル力がなせる技、といったところか……」
卯月「いや、それただ身体能力が人間離れしてるだけぴょん。とんだゴリラぴょん」
矢矧「続いてこの方、『イベント海域皆勤賞! 誰もが憧れる圧倒的な強さ!』
性能厨のアイドル! ハイパー雷巡北上様です!」
北上「くるしゅうない」
北上「あー、えっと、ども。ハイパー北上様だよー。イベント海域では引っ張りだこ
だけどさー、ダイソン相手にカットイン&目標ルーレット強要するのは
いい加減やめて欲しいんだよねー」
北上「お陰でダイソンと戦いすぎてもう完全に顔見知りの仲だからね、うちら。
最近しょっちゅう飲みに誘われて困るわー」
卯月「何か話してる話の次元が違うぴょん」
弥生「アイドルって凄い……」
矢矧「そして最後はこの方! 今をときめく第一航空戦隊・旗艦二代の
赤城さんです」
赤城「ご紹介に預かりました、一航戦の誇りこと、航空母艦・赤城です」
赤城「未来のスター誕生の瞬間に立ち会えるかと思うと、今から胸の高鳴りが
抑えきれません。今日はどうぞよろしくお願いします」
弥生「赤城さん……」
矢矧「あともう一人審査員がいたのですが……、諸事情によりこの三名で今回は
審査を行いたいと思います」
弥生「あっ」
卯月「ここは察してくださいというやつぴょん」
矢矧「では早速オーディション開始と参りましょうか。エントリーNO.1の方……」
白露「待ってましたー!」
卯月「……弥生、緊張してるぴょん?」
弥生「緊張なんかしてないよ、緊張なんか……」カチコチーン
卯月「弥生って実はわかりやすい子ぴょん?」
――――――
―――
ー
吹雪「とーどけー! とーどけー! おーもいーよとーどけー♪」
矢矧「はいどーもありがとうございました」
吹雪「ええ!? もう終わり!?」
矢矧「はい」
吹雪「そんなぁ! あ、あの私……赤城さんに憧れてて……!
一緒の艦隊で……!」
矢矧「そういうアニメ設定はいいから」
吹雪「出番これでおしまい!? 主人公なのに!」
矢矧「それでは気を取り直していきましょう。続いては……グループでの参加ですね。
KAGEXILEのみなさんです」
KAGEROU「さぁみんな、行っくわよ~!」
SIRANUI「SIRANUIに落ち度はありません」
KUROSHIO「ほな、出撃や―」
ぞろぞろぞろ……
北上「うわ、なんかちっこいのがぞろぞろ出てきたよー」
長門「くちくがこれだけ沢山出てくるとは、胸が熱くなるな!」
赤城「彼女達は陽炎型駆逐艦全員でグループを組んだみたいですね」
北上「あー、陽炎型ってあの無駄に多いアレねー」
矢矧「随分と大人数ね……」
TOKITUKAZE「わぁ! すごいすごい! ライトがいっぱ~い!」
TANIKAZE「かーっ、みなぎってきたー!」
ISOKAZE「ほお、中々どうして悪くない気分だ」
HAMAKAZE「私は少し、恥ずかしいですね」
URAKAZE「浜風ちゃんは恥ずかしがり屋じゃねぇ」
AMATUKAZE「あなた達、ステージに立ってるんだからもっと堂々としなさいな」
YUKIKAZE「あっ! 矢矧しゃん! 矢矧しゃんこんにちわ!」
矢矧「……えー、皆さんは陽炎型駆逐艦のみで結成された……」
HATUKAZE「……ちょっとアンタ達! 何見てんのよ、ぶつわよ叩くわよ!」
AKIGUMO「秋雲さんはちょっとこういう場に出る柄じゃあ無いんだけどさ~……」
MAIKAZE「そんなんじゃだめだよ~、舞風達と一緒に楽しもう!」
NOWAKI「そうだよ、秋雲」
AKIGUMO「たはは、姐さんたちにゃあ、かなわないねぇ……」
矢矧「ええい! ごちゃごちゃとうるさいぞお前たち!!」
KAGEROU「あはは、ごめんなさいね……」
KUROSHIO「数が多いんやから仕方ないやんかぁ」
矢矧「あなた達はお姉さんなのだから、もっと妹達をまとめなさい」
SIRANUI「無茶を言うのね」
矢矧「……まぁいいけれど。時間も押してるし早く曲の方に移ってもらいましょうか」
矢矧「曲名は……『LOVEタービン』!! ミュージックスタート!!」
~♪ ~♪
KAGEROU「あんたにゃ、モッタイナイ!」
KUROSHIO「あたしゃホント Top heavy heavy heavy♪」
卯月(グループ名はEX◯LEなのに曲はモー娘◯なのかぴょん……)
HATUKAZE「帝国の未来は!」
「「war! war! war! war!(戦争! 戦争! 戦争! 戦争!)」」
ISOKAZE「世界敵に回す!」
「「レイテ! レイテ! レイテ! レイテ!」」
AMATUKAZE「戦争しよじゃないか!」
「「war! war! war! war!(戦争! 戦争! 戦争! 戦争!)」」
MAIKAZE「Dance! Dancin' Ironbottom Sound……」
弥生(なんて歌だ……)
矢矧「KAGEXILEのみなさん、素晴らしい歌をありがとうございましたー」
矢矧「どうでしたか、審査員のみなさん」
長門「うむ、歌も素晴らしかったがダンスも目を見張るものがあった
このビックセブン、諸君らに惜しみない賞賛を贈ろう」
KAGEROU「いいのよ、そんなに褒めなくたって~」
NOWAKI「踊りの方は、舞風が皆を指導してくれたんだよね?」
MAIKAZE「えへへー!」
ISOKAZE「いつも踊っている舞風には適任だったな」
矢矧「実際ダンスの方は高水準。早くも優勝候補に名乗りを上げたようね」
AMATUKAZE「このままトップを独走するわ! 雪風、ついてらっしゃいな!」
YUKIKAZE「はい! 頑張ります!」
矢矧「それでは以上、KAGEXILEのみなさんでした~」
弥生「卯月……」
弥生「……なんだか不安になってきた」
卯月「いきなりどうしたぴょん」
弥生「私、勝ち残れるかなって……」
卯月「大丈夫! 心配要らないっぴょん!」
弥生「そう、かな……」
――――――
―――
―
阿賀野「さいしんえい~、さいしんえい~、阿賀野はとっても高性能~♪」
矢矧「はい、阿賀野ありがとうございましたー」
能代「ほら、帰るよ阿賀野姉」
阿賀野「ちょ、矢矧!? 能代!? 阿賀野の扱い雑じゃない!?」
阿賀野「ちゃんと審査してよ~」
能代「はいはい阿賀野姉はお歌がとってもおじょうずですね」
矢矧「お遊戯会か?w」
阿賀野「もー!」プンスコ
矢矧「えーそれでは気を取り直してまいりましょう。続いてはエントリーNO.8番。
かがりんさんでーす!」
??「さすがに気分が……高揚しちゃうゾ☆」
ガコンガコンという音と共に、何かがステージ真上から下がってくる。
矢矧「おおっと!? これは何だ? ゴンドラか?」
白煙とともにステージ真上からゴンドラに乗って登場する謎の人物……
そう、彼女がかがりんなのだ!!
かがりん「やっほー! みんな元気ぃー?」
どう見ても一航戦の青い方です。何やらファンシーな衣装を着飾っています。
赤城「か、加賀さん……?」
かがりん「カガサン……? 知らない子ですね?」
北上「いやそれはさすがに無理があるんじゃあ……」
長門「加賀、あまり無茶はしないほうが良いと思うのだが」
かがりん「無茶なんてしてないよー? きゅるりーん!」
矢矧(正直きっついわ)
黒ターキー「……」ゲンナリ
矢矧(あれは……瑞鶴さん?)
ここで矢矧は、かがりんの脇に控える奇妙なきぐるみを着た
瑞鶴を発見した。
矢矧「あの、加賀さん」
かがりん「かがりん」
矢矧「あはい、すみません。かがりん、彼女は一体なんなんですか?」
かがりん「ますこっとの、いたずら黒ターキーちゃんだよ~☆」
黒ターキー「なんなんだこれ……なんなんだこれ……」
かがりん「……瑞鶴」
かがりん「マスコットらしくちゃんと愛想振りまきなさい」
黒ターキー「……」ビクッ
黒ターキー「どーも! マスコットの黒ターキーちゃんでっす(ヤケクソ)」
瑞鶴は心の中で二三度轟沈した。
北上「大変そうだねー」
赤城「瑞鶴ちゃん……」
黒ターキー(加賀さん……私しにたい)
かがりん(我慢なさい瑞鶴……こういうのが世間では受けるらしいのよ)
黒ターキー(そのリサーチ絶対間違ってますよ……)
矢矧「えー、このまま放っておくと場がカオスな事になりかねないので
さっさと曲の方に移ってもらいましょう。曲のタイトルは……」
矢矧「赤城&Me」
黒ターキー「かえりたい……」
かがりん「いまなんと?」
黒ターキー「なんでもないっす」
かがりん「そう。練習通り頼んだわよ」
黒ターキー「はい……」
矢矧「それでは、ミュージックスタート!!」
ててて! ててて! ててててててて♪
ててて! てれてててててってって♪
黒ターキー「たっ たっ たっ たっ たっ たっ たったっ
Turn it up to the funky beat!!!!!」
かがりん「爆撃ドカドカ真珠湾 赤城にキスした烈風」
かがりん「おいでよ一航戦」
黒ターキー「ふっふー!」
かがりん「一緒に発艦」
黒ターキー「ふっふー!」
かがりん「恋のミッドウェー」
黒ターキー「yeah yeah!」
かがりん「まるで流星、飛行甲板の上に」
黒ターキー「Oh that's Grace」
かがりん「ONLY YOU とっておきの雷撃贈ろう~♪」
黒ターキー「ワレ奇襲ニ成功セリ!」
卯月「一航戦ってすげー……」
弥生「人ってここまで変われるんだ……」
かがりん「テトテ メトメ ヒトリトヒトリ 出会って
"誇り"になる 一航戦!」
黒ターキー「イッコーセン!」
かがりん「ニイタカヤマノボレ トラトラトラで
奇襲、成功する一航戦!」
かがりん「ゼロよりもっと、速い速度で
終わんない、航空戦ー♪ 」
黒ターキー「ひゅー!」
かがりん「みんなー! どうも、ありがとー☆」
長門「加賀は何処へ向かうつもりだというのか」
北上「銀河」
赤城「夜間戦闘機かな」
矢矧「はいどうもありがとうございましたー」
かがりん「みんなの声援があったから、かがりんとっても頑張っちゃったよ~☆」
黒ターキー「もう終わったんだし早く帰りましょうよ」
かがりん「ちょっと待ちなさい、最後に一言……」
かがりん「赤城さん……」
赤城「は、はいっ」
かがりん「……」
かがりん「いつか同じステージの上で……共演しましょう……」
赤城「……え、あ、はひ」
黒ターキー「赤城さんめっちゃ困惑してるじゃん」
矢矧「以上、かがりんと黒ターキーちゃんでしたー」
矢矧「さて……オーディションも後半に差し掛かってきたわね……」
卯月「弥生、次はいよいようーちゃん達の出番ぴょん」
弥生「……」
卯月「弥生?」
弥生「やっぱり無理だよ……」
卯月「!?」
卯月「こ、ここまで来て何言ってるぴょん!?」
弥生「あんなに個性的な人達に弥生が勝てるわけ無いよ……」
弥生「最初から無謀だったんだ……私なんかじゃ……」
卯月「~~~~っ!」
卯月「弥生の意気地なし! どうしてそうやってまた自分を下卑するっぴょん!」
弥生「だって……」
卯月「うーちゃんは最初に言ったぴょん! 弥生はとっても魅力的だって!
うーちゃんは弥生の魅力をみんなに知ってもらいたいんだっぴょん!」
卯月「うーちゃんはね、弥生の魅力は決して他に引けをとっていないと思ってるぴょん!
なのに何で当の本人がそんな調子なんだぴょん!」
卯月「うーちゃんは今まで弥生が頑張ってきたの、知ってるぴょん
せっかく頑張ってきたのに……それを自分から無駄にするなんて……
それがうーちゃんは一番悲しいぴょん……」
弥生「卯月……」
卯月「弥生はもう、うーちゃんの中では立派なアイドルなんだぴょん。
うーちゃんは弥生のファン第一号。アイドルはファンの声援に応えるべきだぴょん!」
弥生「……」
弥生「そう、だよね……」
卯月「弥生……!」
弥生「……弥生、間違ってたよ。一人でもファンが居るなら、弥生は、歌う!」
卯月「……その意気だっぴょん!」
弥生「ありがとう卯月。……さぁ、行こう」
卯月「ぴょん!」
卯月「……」
卯月(弥生ほんと乗せやすいっぴょおおおおおおおおん!!
ぴょぴょぴょぴょおおおおおおおおおん!)
矢矧「それでは次はエントリーNO.15! 『やようづ』のお二人です!」
弥生「笑顔よし!」グギッ
卯月「全然良しじゃないぴょん……」
弥生「……皆さんこんにちわ。睦月型駆逐艦、三番艦の弥生です」
卯月「卯月でぇ~~~っす」
矢矧「なんだか対照的なお二人ですね」
弥生「よく言われます……」
卯月「凸凹コンビってやつぴょん」
矢矧「……お二人はどうしてオーディションに?」
弥生「それは……」
弥生「この前、赤城さん達のライブを見て、私も赤城さんのようになりたいなって
そう思ったから……このオーディションに……」
矢矧「なるほど、赤城さんは憧れの先輩というわけですか」
吹雪「そ、それは私のポジションなのにぃ!!」
白雪「はいはい、どーどー」
白雪「帰ってアニメ二話見返しましょうねー」
吹雪「うぅ……こんなのってないよ……」
扶桑「……」
吹雪「あれ、扶桑さん。どうしたんですか?」
扶桑「……あの、私があこがれの先輩という設定は……」
吹雪「……え、なんですか? それ」
白雪「そんな運営が初期にとりあえず付けたような適当な設定なんて
オミットされて当然ですね」
白雪「ていうか扶桑さんに憧れる部分ってあるんですか?」
扶桑「はああああああああん!!!」ビターン
矢矧「それではそろそろ曲の方に行きましょうか」
弥生(きた、いよいよだ……)
弥生(おちつけ、おちつけ。笑顔笑顔……)ガチガチ
卯月(また表情硬くなってるぴょん)
矢矧「やようづの二人で、曲名は……」
ドッッゴオオオオオオオオオオン!!!
弥生「えっ……?」
矢矧「爆音?」
長門「な、なんだ!?」
突如として耳を劈く爆音。それに追従するように鳴り響くサイレン。
緊張が、会場全体に走る。
大淀『緊急事態、エマージェンシーです!!!』
北上「なになに、演出?」
赤城「違うと思いますが……」
長門「……一体何が起きている。矢矧」
矢矧「今、提督から連絡が入ったわ。……鎮守府近海にて敵艦隊が出現」
赤城「なんですって!?」
矢矧「現在、鎮守府に向けて侵攻中! 至急艦隊を編成すると共に出撃の要を求!」
卯月「そ、そんな……それじゃあオーディションは……」
長門「やむを得ない、中止だな」
弥生「!!!」
卯月「弥生……」
弥生「……仕方ないよ、非常事態だから」
弥生「私達は艦娘。本来の役目を果たしに行こう」
そうは言うものの、弥生はどこかやりきれない様子で……。
そんな弥生を、卯月は見ていられなかった。
~鎮守府正面海域~
「きゃー! 深海棲艦よー!」
「どうしてこんなところにまで!? 誰か、誰かおらんのかー!」
「ええい! 怖気づくな! 落ち着けい!」
逃げ惑う人々。深海棲艦は鎮守府のすぐ近くにまで迫っていた。
ヲ級「ヲッヲ……(深海のアイドル、ヲ級ちゃんを抜きにしてオーディションなんて……)」
ヲ級「ヲッヲ!(絶対に許せない!)」
ヲ級「ヲッヲ~……(最近レだのこーわんだのほっぽだの……)」
ヲ級「ヲッヲ(元祖深海のアイドルはこの私だというのに、
どいつもこいつも私の魅力がわからぬわからぬ馬鹿ばかり……)」
ヲ級「ヲッヲ(かくなる上は、オーディション会場など消し炭にしてくれる!!)」クワッ
ヲ級「ヲ!(第一次攻撃隊発艦!)」
ヲ級より次々と航空機が放たれる。それは雪崩れ込むように鎮守府へと向かっていく。
「……人のステージを邪魔する愚か者達よ……」
しかし、そんな一群を切り裂く一筋の光あり。
ヲ級「ヲ!?(何奴!?)」
「天知る地知る我知る人が知る……正義の心が燃え盛る」
赤城「一航戦の誇り……赤城とは、私の事!!!!」デデーン
ヲ級「ヲッヲ!(貴様はCDデビューをしたとか言うあの……)」
ヲ級「ヲッヲ!(妬ましい! お前たち、やってしまえ!)」
軽母ヌ級「ヌッヌー!」
重巡リ級「ウッシャー」
ヌ級は艦載機を放ち、リ級は赤城に向かって突撃を開始する。
弥生「させない!」
リ級「!!」
弥生、魚雷でリ級を牽制。リ級を赤城に近寄らせない。
卯月「対空戦闘用意~うてぇ! ぴょん!」
卯月はヌ級艦載機を機銃で迎撃。対空強化を施した改装が活きた。
赤城「……あら、ありがとう。二人共」
弥生「……弥生、今ちょっと怒ってますから」
卯月「せっかくのステージを台無しにされちゃったからねぇ~」
弥生「今日の弥生は、少し乱暴的かも……しれません」
赤城「だったら」
赤城「これからはじめましょう? 私達のステージを」
弥生「私達のステージ……?」
赤城「私達がその気になれば、どんな場所だってステージにできますからね」
赤城「さぁ、一緒に歌いましょう?」
弥生「赤城さん……!」
ヲ級「ヲッヲ~!(何を無駄口叩いている!)」
弥生「無駄口なんて叩いてないよ……」
赤城「ええ、そうよ」
弥生「ここからが」
赤城「私達の」
赤城・弥生「「ステージだ!!!!」」
58「ゴーヤ達の出番まだだったのに、許さないでち!!!」
168「海を荒らすならず者たちよ!!」
58・168「私達の歌を、聞けぇーーーーーーー!!!」
原曲
https://www.youtube.com/watch?v=kexAkVkwYs0
58「2-3回せ、オリョールの真ん中で~♪」
白露「いっちばん最初に砲撃開始~!」
村雨「魚雷も砲撃も!」
時雨「あまりこの僕を怒らせないほうが良いよ」
夕立「パーティパーティ楽しみっぽい~!」
陽炎「さぁ、私達も行くわよ! 陽炎型出撃ー!」
不知火「陽炎の背中は不知火が引き受けましょう」
黒潮「ほな、砲雷撃戦開始やー!」
168「建造すれば、どこかの提督が乱舞♪」
加賀「赤城さん、私も手伝います」
赤城「あっ、かがりん……」
加賀「ち、違いますから」
瑞鶴「……まだ隠すのかずい。意味ないのにずい! ずいずい!」
加賀「君が守る、一航線の誇り~♪」
酒匂「長門さん! 一緒にいこ!」
長門「このビックセブンがいるかぎり、この海に悪は栄えん!!」
北上「まー、キツーイお灸をすえてやりましょうかね!」
卯月「過ぎ去りし戦争の傷」
弥生「舐め合っても」
赤城「艦娘は」
弥生・赤城「強い~♪」
弥生「生き残りたい♪」
卯月「生き残りたい♪」
加賀「まだ沈みたくない~♪」
赤城「羅針の導きで~今、見つめ合った~♪」
ヲ級「ヲッヲ……(くそ、何だというのだこの力は……!)」
ヲ級「ヲッヲ!!!(ていうか何で歌ってるんだこいつら!!!)」
弥生「さまよい果てて司令の隣で、ほてり沈めたい~♪」
赤城「本気の体見せーつけるーまで♪」
弥生・赤城「私沈まない~♪」
瑞鶴「……えっと、終わりました?」
赤城「はい」
瑞鶴「……全機攻撃隊発艦。やっちゃって」
ヲ級「ヲヲヲヲヲッ!?」
こうして深海棲艦による鎮守府の侵攻は、艦娘達によって防がれたのだった……。
ヲ級「ヲッヲヲ~!(覚えてろよな~!)」
瑞鶴「一昨日来やがるずい! ずずい!」
赤城「ふう、なんとか撃退できたみたいね……」
卯月「一件落着、ぴょん!」
弥生「……でも」
弥生「オーディションは結局……ダメになってしまいました……から」
赤城「……確かに、オーディションはダメになってしまいましたね。でもほら、
見てください」
弥生「え……」
「ありがとー皆! 最高だったよー!」
「良いステージだったぜ!」
「ブラボー!!!」
港には沢山の人達が集まっており、皆それぞれ艦娘達に感謝や褒め称える言葉を送っている。
赤城「あなた達のお陰で、こうして皆さんに笑顔を届けられたのですから」
赤城「それでいいではありませんか」
弥生「……うん、うんうん……!」
赤城「どうです? ここからの景色も悪くないでしょう?」
弥生「そうだ、そうですよね……私は、この光景が見たかったんだ」
弥生「なんて、気持ちが良いんだろう……ふふっ」
ニコッ
卯月「あれ、今、弥生……」
弥生「そろそろ帰ろう、卯月」
卯月「ぴょ、ぴょん……」
~鎮守府/港~
長門「艦隊帰投だ」
卯月「ふぃー、うーちゃん疲れたっぴょん……」
赤城「ご苦労様」
瑞鶴「青い人のせいで今日は疲労MAXですわ……」
加賀「ああ?」
弥生「……」
弥生「……なんだか嵐のような一日、でした」
卯月「でも楽しかったぴょん?」
弥生「……たまにはいいかもね、たまには」
大淀「皆さん、おかえりなさい」
長門「大淀か。全艦隊無事に帰投したが」
北上「早く休ませて―」
大淀「皆さん、聞いてください。実はこの大淀、提督から一つ、
伝言を頼まれていまして……」
弥生「なんだろう……」
大淀「今回オーディションに参加した艦娘の皆さんは……素晴らしい
働きをしてくださいました。そこで提督は思ったのです」
大淀「『この素晴らしい艦娘達の中から一組を選ぶことなんてできない。
全員CDデビューさせてやろうじゃないか』と!」
弥生「え……」
卯月「マジかぴょん……?」
加賀「提督も大胆なことをするのね……見直しました」
瑞鶴「ていうかこれって私も入ってるってことよね!? そうだよね!?」
陽炎「やったぁ!」
浦風「提督さん、太っ腹じゃねぇ」
雪風「皆一緒なんて、素敵ですっ!」
58「棚から牡丹餅とはまさにこのことでち!」
卯月「弥生! やったぴょんね!」
弥生「うん……!」
赤城「よかったですね、弥生さん。……近いうちにまた同じステージで
共演できたら……その時はよろしくおねがいしますね」
弥生「はい! その為にも弥生……頑張ります!」
こうして、提督の粋な計らいによって全て丸く収まり一件落着。
黒潮(でも……この人数をCDデビューって無理ない?)
とはいかなかった。
朝潮「後日です!! 朝潮型一番艦・朝潮です!!!」
荒潮「あらあら」
~鎮守府/レコーディングスタジオ~
弥生「……確かに、確かにCDデビューではあるけれど……」
夕張「はーい、みなさーん。マイクは音を拾うのであまり雑音は出さないようにしてねー」
夕張「皆さんの歌う部分は『ランッランッ♪ フッフー♪』を繰り返すサビの部分ね」
卯月「いやこれバックコーラスぴょん!!!!」
夕張「? いやそうだけど……」
加賀「そうです。こんなの聞いてませんが……」
瑞鶴「何で私達がバックコーラスなのよ!」
夕張「ええ~、そんなこと言われても……提督から何も聞いてないんですか?」
天津風「説明もなにもないわよ! どうなっているのかしら?」
黒潮「なんとなく全員CDデビューとか無理があるって思ってたけど」
浜風「まぁ、この辺りが落とし所でしょうね。提督も悩んでのご決断だと思います」
58「そもそもだれのバックコーラスなんでちか! ゴーヤたちをバックコーラスに
使うなんてよっぽどの……」
明石「あ、ボーカルの皆さん入りまーす!」
電「わぁ、ここがレコーディングスタジオなのです?」
響「流石に本格的だね」
暁「なーに、皆キョロキョロしちゃって。一人前のレディはこの程度でそわそわ
したりなんかしないわ」
雷「雷、司令官の為にもーっと歌っちゃうからね!」
弥生「……あ、これ無理だ(人気的に)」
第六駆逐隊との人気の差を前にしては、何も言えなくなる一同であった。
雷「雷達第六駆逐隊が歌う『鎮守府の朝』は艦娘想歌Vol.1に収録されているわ! 司令官!」
電「現在好評発売中なのです。まだ買ってない全国の第六駆逐提督の皆さんは
今すぐ店頭にごー! なのです!」
卯月「すかさず宣伝してるぴょん。隙がないぴょん……さすがテレビ慣れ
してるだけあるぴょん」
弥生「恐るべき雷電姉妹……」
艦!
次回
「 最 終 兵 器 雷 」
第六駆逐隊のボーカル曲「鎮守府の朝」
耳を澄ましてみると、彼女達のバックコーラスが聞こえてくる……かもしれない。
終末が週末になるだけでこうも変わるもんかwwwwwwww
終末のときからそういう気配はあったけどwwwwwwww
終末の時も訳の分からないギャグ回とかあったからな……
加速する鬱展開の中の清涼剤だった
まさかこんなことになるとはおもわなかった
卯月「さーって! 今日もアニメの時間ぴょんねー!」
弥生「そうだね……」
睦月「みんなにこうやって見られるのって、睦月、なんか照れちゃうかもだしー」
如月「今回は特に私の名演に注目してね?」
卯月「はぁー、うーちゃんもアニメ出たかったぴょん~」
卯月「ま、うーちゃん達みたいな追加組はアニメ出演期待できないぴょん」
弥生「そ、そうだね……(逸し目)」
望月「……あれ? でも弥生ってさぁ~……」
弥生「望月!」
望月「な、なに?」
弥生「……言わなくていい、です」
望月「……でももうすぐアニメ始まるしどうせすぐわか……」
弥生「怒 っ て な ん か 無 い よ」
望月「……まー、いいけどさー」
卯月「まだかなまだかなー」
艦これアニメを見てうーちゃんが絶望のゴールしちゃうまであと少し。
始まります
第六話
「 最 終 兵 器 雷 」
若葉「若葉だ」
若葉「初霜。お前、改二になったのか」
初霜「ど、どうかしら? 変じゃない……?」
若葉「……」
若葉「凛々しくなったな。見違えたぞ」
初霜「ありがとうございますっ ////」
雷「……」
電「雷ちゃん、どうしたのです?」
雷「なんか最近、随分改二の子がふえたわよねー……って思って」
暁「イベントが近いから、司令官も戦力を整えてるらしいわね」
Bep「改二艦娘の能力は他とは一線を画しているからね。優先的に強化され
実戦投入されるはずさ」
雷「うぅ……ずるいわ、私だって司令官の力になりたいのに……」
電「雷ちゃんは遠征で頑張ってくれているのです」
雷「私はもっと司令官の力になりたいの!」
暁「まーたはじまったわね。雷の司令官依存させ症」
Bep「ダメ男製造機の名は伊達じゃない」
雷「私だって、私だって改二にさえなれば……!」
雷「響! あなたどうやって改二になったの!?」
Bep「えっ?」
雷「あなたは特Ⅲ型唯一の改二じゃない! どうやってなったのか教えて!?」
Bep「えっと、うーん……なんと言ったらいいか」
Bep「自分でもよくわからなかったり」
雷「なによそれ!?」
Bep「ある日突然工廠の妖精から『二次改装ができる』って言われたんだ」
Bep「それを司令官に話した後はトントン拍子に改造までいったよ」
雷「それじゃあ全然わかんないじゃない~……」
Bep「力になれなくてごめんよ」
雷「うぅ~……改二にぃ、改二にさえなれば~!」
「改二改造したいんですか? できますよ!」
雷「え……?」
暁「あなたは……」
明石「どうも、工作艦の明石です」
Bep「だと思った」
電「意外性の欠片もないのです」
明石「ひどい言われようですね!」
Bep「このパターンで出てくるのって明石か夕張くらいしかいないし」
電「なのです!」
明石「安心と信頼の明石です!」
雷「そんなことよりも!」
雷「明石さん、改二改造できるって、ほんと?」
明石「ええ、できますよ」
Bep「でも明石、雷はまだ……改二実装されていないよ?」
明石「問題ありません! この明石にお任せください!」
~明石工廠~
魔ー改造魔ー改造~♪
夢の魔改造明石♪
明石「さぁさぁさぁ! 本日ご紹介するのは改二ラッシュに乗りたい
貴女にピッタリのご商品!」
明石「我が工廠で独自開発した改二改造装置
"FG2000プレミアム・エディションVer.1.5"
をご紹介いたしましょう」
明石が満を持して披露する、その大掛かりな装置は見上げるほど大きく、
絡みあう配線や剥き出しの基板からとても複雑で精密な機械であることが伺える。
夕張「これってどういう装置なんですか~?」
明石「これはですねー、端的に言うとどんな艦娘でも改二改造を行える
装置なんです!」
夕張「ええ、ホント!? それは凄い!!」
暁「……」
暁(うさんくさい)
Bep(この二人が集まると尚更胡散臭い)
夕張「どんな艦娘でも改二になれるんですか?」
明石「ええ!」
夕張「本当にどんな艦娘でも!」
明石「本当に本当です!」
明石「それだけではありませんよ皆さん、聞いてくださいこの装置、同時に
三隻まで艦娘を改造することが出来るんですねぇ!」
夕張「三隻も!?」
明石「更にこの装置なんと!」
明石「CDラジカセが付いてるんです!!!」ババーン
夕張「これで待ち時間も退屈しないで済むわね~」
Bep(い、いらねぇー……)
明石「どうですこの装置、夕張さん?」
夕張「確かに凄いけれど……お高いんでしょう?」
明石「そうですね~確かにこの装置、それなりの値はしますけれど……」
明石「しかし今から30分以内にご注文された方には……
本来10京する所をなんと……10兆まで値下げいたしましょう!」
夕張「国家予算内でも買える値段になるなんて、安い!
こんなに下げちゃっていいんですか?」
明石「いいんです!」
夕張「なんてお買い得! 今すぐ注文しなきゃ損ですよ奥さん!」
Bep「奥さんに買える値段じゃない」
明石「以上、明石魔改造ショッピングでしたー」
Bep「……」
Bep「もうコントは終わったかな?」
夕張「あ、はい」
Bep「それで確認するけど、この怪しげな装置で本当に改二改造できるのかな?」
明石「心配しないでくださいよ~、動作テストも済んでますし」
暁「危険性はないの?」
Bep「そうだね。本来できないはずの改二改造を行う訳だし、何より私は
この装置が信用出来ない。もし雷に何かあったら……」
雷「明石さん! 雷はいつでも準備おーけーよ!」
Bep「!?」
電「はわわ! 雷ちゃん、もう装置の中に入っているのです!」
Bep「雷! 待っ……」
明石「それでは改二改造ポチッとな!」
ポチッ
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ……
Bep「あああ……」
明石「心配しなさんな。私は竣工した時からまめもできない」
電「あの、明石さん……本当に大丈夫なんですか?」
明石「大丈夫です。この明石の設計に間違いはありません」
夕張「あ、そういえばそろそろテスト第一号の多摩ちゃんが出てくるはずね~」
明石「もうそんな時間でしたかー」
暁「え? テスト第一号?」
Bep「……それって、どういう意味?」
明石「ん? いやこの装置まだ完成したばかりですから」
Bep「は?」
明石「だから多摩さんは改二テスト第一号です」
Bep「じゃあ……雷は……」
明石「テスト第二号ですねー」
Bep「今すぐこの装置を止めろ!!!!」
夕張「だ、だめよだめですってば!」
電「響ちゃん、落ち着いて……」
Bep「離してくれ電……このままじゃあ雷が……」
ビーッ! ビーッ! ビーッ!
Bep「!?」
明石「多摩さんですね」
鳴り響く警報。程なくして艦娘を収容するユニットの一つが開き、
白煙を吐き出した。
Bep「こ、これは……!」
夕張「多摩ちゃん……!」
そして、そこから現れたものは……!
猫(多摩)「にゃーん」
暁「ね、ねこ……?」
明石「いえ、これは多摩さんです」
電「どこからどう見てもただの猫さんなのですけど……」
正真正銘の猫だった。
明石「……あれれー、おかしいな。なんで猫に?」
Bep「明石……?」
明石「理論は間違っていなかった……この装置はその艦娘……を最大限に……、
それを改二として……形に……」ブツブツ
明石「そうだ、これが多摩さんの改二の形なんですね!」
Bep「ふざけるな!」
暁「あわわ……雷ぃ……」
電「雷ちゃんが動物になっちゃったらどうしよう……なのです……」
そんなこんなで……数十分後。
ビーッ! ビーッ!
暁「!」
電「!!」
Bep「雷!!」
ユニットの扉が開く。暁達は雷の事が心配だった。もしあの多摩と同じように
変わり果てた姿になってしまったら……!
心音は早鐘のように鳴り、不安は加速する。
「ふふふ、みんな、待たせたわね!」
雷の声がする。そしてその姿は……!
雷「じゃーん! パワーアップしたわ! どうみんな? 雷様の改二は!」
暁「……あれ?」
電「雷ちゃん……」
雷「何も変わってないのです!!」ナノデス
雷「ええぇ!?」ガーン
Bep「ほっ……」
雷「ちょ、ちょっと明石さん! どういうこと!?」
明石「あれー、動作は正常だったはずなのに……?」
夕張「失敗でしょうか?」
明石「うーん……とりあえずもう一度……」
Bep「失敗でも何でもいい。こんな危ない装置にもう一度雷を入れる訳にはいかない」
Bep「行こうみんな。電、雷を引っ張って」
電「なのです」
雷「ちょ、ちょっと響~」
――――――
―――
―
雷「離してったら、もうわかったから!」
Bep「……いいよ、電。離しても」
電「はいなのです」
暁「……全く、雷ったら後先考えないで行動するんだから。心配したんだからね」
雷「暁は心配症ね。……あーあ、もう少しで改二になれると思ったのに」
Bep「ズルはダメということさ。あんな装置に頼らなくても、雷の改二はいずれ
実装されるさ。それまでゆっくり待とう」
雷「雷は一秒でも早く司令官の力になりたいのに~っ!」
暁「忍耐力もレディーには必要不可欠よ?」
雷「忍耐力ねぇ……ん? 暁、ちょっと」
暁「ぴゃ? 何かしら?」
雷「制服の裾、ちょっとほつれてるわ」
暁「あっ、ほんとだ。気付かなかった」
Bep「レディーは身だしなみに気を使わなくちゃいけないんじゃなかったっけ?」
暁「れ、レディーだってたまには見落とすこともあるわ」
雷「ちょっとじっとしてて、暁」
暁「え? なに?」
雷「ふんっ!」ヒュン
シュパン
雷「これでよし!」
Bep「……?」
暁「な、なにしたの!?」
雷「ほつれを直してあげたんじゃない」
暁「は、はやい……」
Bep「どこから出したんだ……その裁縫セット」
雷「備えあれば憂いなしね!」
暁「そういえばなんかのど乾かない?」
電「あそこに自販機があるのです!」
雷「またジュース? 無駄遣いはダメよ暁」
暁「いいでしょちょっとくらい!」
雷「甘いモノばっかり飲んでると虫歯になるんですからね」
Bep(……なんだろう、何か雷……)
暁「そこまで子供じゃないし! ちゃんと歯磨きしてるし」
雷「しょうがないわねー。一つだけよ、飲み過ぎちゃダメだからね」
暁「ぴゃー!」
電「電も飲むのです~」
~自販機前~
電「電はフルーツ牛乳を飲むのです!」
Bep「ウォッカ」
雷「無いわよ」
Bep「テキーラ」
雷「ここ自販機!」
暁「私はオレ……こ、コーヒーで」
雷「暁、あなたコーヒー飲めるの?」
暁「ば、バカにしないでよ。レディーなんだからコーヒーくらい飲めるわ!」
雷「子供舌なんだからムリしないでオレンジジュースにしておきなさい」
暁「子供扱いしないでってば! も~!」
Bep(……雷、やっぱりさっきからなんか……)
電「あ、あれ? ボタンを押しても飲み物が出てこないのです。
お金はちゃんと入れたのに……」
暁「故障してるんじゃない?」
雷「そういう時は、こうよ!」
雷「波紋疾走!」ドゴッ
Bep「!!!」
雷は自販機にチョップを入れる。すると自販機は反応しなかったのが嘘のように
飲み物を排出し始めた。
雷「ま、雷様の手にかかればこんなもんね」
電「今日の雷ちゃんは凄いのです! 絶好調なのです!」
雷「も~っと頼っていいのよ!」キラキラ
暁「くぅ~、暁のほうがおねえちゃんなのに! なんか負けた気分!」
Bep「……暁」
暁「何よ響」
Bep「なんていうのかな、今日の雷って……お母さんっぽくないかな?」
暁「お母さん……?」
暁「……雷なんていつもこんな感じでしょ。ただのおせっかい焼きよ」
Bep「たしかにそうだけど……今日はなんかなんかいつもより……」
~食堂~
電「みんなでお昼なのです!」
暁「今日のお昼は~」
天津風「!! あなた達! こっちにきちゃダメよ!」
雷「なーにいきなり。一体どうしたのよ?」
天津風「今日は間宮さんおやすみなの! だから……」
磯風「おいどうした天津風」
天津風「!!」
Bep「君は……」
磯風「第十七駆の磯風だ。今日は突然体調を崩した間宮に代わり、台所に立つ
任を請け負っている」
暁「あなたって料理できたの?」
磯風「できない」
暁「ぴゃ!?」
磯風「しかし間宮から直接任された任務だ、他でもないこの私にな。
ならばやり通すのが筋というものだ」
Bep「何故間宮は彼女に……」
天津風「ちょっと間宮さんが熱出しちゃって……たまたま介抱したのが
あの子だったのよ」
天津風「あ、あの子、一度言い出したら聞かないからね……」
Bep「それで、料理の方はどうだった?」
天津風「あっちのテーブルを見てみなさいな」
陽炎「」
不知火「」
黒潮「」
雪風「皆さんどうしたんですか! どうしてお皿にお顔を突っ込んでいるのですか!
どうしてですか!?」
Bep「死屍累々だ……」
磯風「陽炎達もあまりの美味しさに皿まで舐め尽くしているようだな」
電「都合の良い解釈なのです!」
磯風「食堂に来たということはお前達も食事をしにきたのだろう?」
磯風「せっかくだから私の料理に舌鼓を打っていくといい」
電「これは非常に危険なパターンですよ……」
天津風「だからこっちにきちゃダメって言ったのに……」
――――――…………・・・・・・
~キッチン~
磯風「~♪」
鍋「紫色の煙だすでー」グツグツ
電「うわぁ、ベタなのです」
Bep「あからさまに毒物の香りだよね」
天津風「これからが本当の地獄だ……」
雷「……んー」ウズウズ
雷「ダメだ我慢できない、ちょっと行ってくるわ」
Bep「雷!?」
天津風「料理を手伝って少しでもマシにするつもり? でもあの状態じゃ
もう何やっても手遅れ……」
雷「磯風さん」
磯風「む、なんだ?」
雷「今のままでも独創的で悪くないけど、これをいれたほうがもっと
美味しくなるわよ!」
雷「じゃーん! 雷様特性味の素よ!」
磯風「ほう、それを入れれば更に味が引き立つというのか?」
雷「ええ! もっと美味しくなるわ!」
天津風「味の素て……それだけでアレをどうにかできるわけ……」
電「!? いや見てくださいアレ……味の素をいれた瞬間、紫色の煙が
浄化されていくのです!」
天津風「え、ええ!?」
Bep「奇跡だ……」
雷「うん、おいしい!」
磯風「悪くないな、感謝する」
天津風「うそでしょ……アレを口にできる代物にしたっていうの!?
ふ、不可能よ!」
Bep「でも雷はそれを可能にした……」
Bep「彼女は一体……?」
雷「さ、みんなでいただきましょう?」
――――――
―――
―
……それからと言うもの、雷は以前に増してお節介になった。
球磨「TVが壊れて映らないクマー」
雷「任せて! 波紋疾走!」ボコッ
球磨「……」
球磨「治ったクマー!」
雷がチョップすれば電化製品は治り。
秋月「ごちそうさまでした……」ぐぅ~
雷「それだけでいいの? ダメよもっとたくさん食べないと、大きくなれないわ」
雷「はい、これ私が作った唐揚げ! 召し上がれ!」
秋月「こ、っこここんなに食べてもいいんですか!?」
雷「おかわりもあるわよ!」
秋月「おいしい、おいしいよぉ……」ボロボロ
雷の前でお腹をすかせているものがいれば即座に料理を振る舞い。
時津風「いたいいたいー! ころんだころんだー!」
雷「はいはい、いたいのいたいのとんでけー」
時津風「いたいいた……」
時津風「なおったなおったー!」
雷が傷口を撫でれば痛みが引き。
鳳翔「今日のお洗濯物は……おや?」
雷「鳳翔さん、洗濯物はこの雷が洗っておいたわ!」
雷「いつもいつもご苦労様! たまには掃除も洗濯も雷に任せて、ゆっくり休んでね!」
鳳翔「い、一体どうなされたのでしょうか……彼女は」
間宮「実は私も最近彼女に頼りきりで……」
間宮「いけないとは思うんですけど、あのキラキラした目を見るとついつい
頼ってしまって……」
鳳翔「このままではお株を取られてしまいそうですね……」
間宮「ホントに、そうですよね……」
雷の手に掛かれば鎮守府の雑務は瞬く間に片付いた。
そうしていつしか鎮守府は……。
金剛「雷ー。紅茶が飲みたいネー」
雷「はいはーい、ちょっと待っててね!」
陸奥「雷ちゃん、三番砲塔の調子が……」
雷「波紋疾走! これで大丈夫よ!」
山城「不幸だわ……」
雷「はい! 新鮮なまるゆを沢山捕ってきたわ!」
舞風「野分ー、どこー!?」
雷「大丈夫、秋E4クリアしてきたわ!」
鈴谷「なんかヌメヌメするー!」
雷「大丈夫よ!」
如月「沈んだ……」
雷「助けるわ!」
皆がみんな、雷に頼りっきりになってしまった。
暁「み、みんな雷に頼りすぎよね……」
電「雷ちゃん、休む暇もなくてかわいそうなのです……」
暁「どうしてこんなことに……」
Bep「……あの日」
Bep「あの日、明石の所で雷の改造したことを、覚えているかい?」
暁「改二改造のあれよね?」
電「でもアレは失敗したんじゃ……」
Bep「これは仮説だけど……もしかしたら、改造は成功していたんじゃないかな」
暁「えっ……?」
Bep「改造が成功していたから、雷はあんなふうに……」
電「雷ちゃん、改二になっていたのです?」
Bep「……明石に聞かなければならないことができたね」
Bep「二人共、いこう。明石の工廠へ……」
~明石工廠~
Bep「ypaaaaaaaa!」ドゴーン
明石「ちょ、なんですか! 扉を蹴破って入って来ないでくださいよ!」
Bep「そんなことはどうでもいい。雷に施した改二改造について全て話してもらう」
電「雷ちゃんの身に……何が起きてるというのですか!?」
暁「姉として、今のあの子を黙って見ているなんてできないわ!」
明石「……ああ、雷さんのことですか」
Bep「あの時、明石は改造は失敗だといった。だけど……」
明石「そうですね。実際の所、"あの改造は成功していた"……ようですね」
Bep「気づいていたのか」
明石「そりゃ、ここまで大事になれば気付きますってば」
Bep「アレは普通の改造じゃない。何が起きているんだ」
明石「あの改造は……その艦娘の長所を最大限にまで引き伸ばす改造なんですよ」
暁「長所を……最大限に?」
明石「ほら、多摩さんは猫になったでしょう? あれも多摩さんの長所を
極限にまで伸ばした結果なんです」
電「なんだそれ!?(驚愕)」
明石「例えば暁さんにあの改造を施せば……」
暁「物凄いレディーに……?」
明石「すっごいおこちゃまになりますし」
暁「ぴゃ!?」
明石「扶桑さんを改造すれば運がマイナス100くらいになります」
電「こわ……」
明石「因みに大和さんを改造すると高級ホテルが一棟建ちます」
Bep「どういうことそれ」
明石「まぁ早い話、長所を最大まで伸ばすことで改二の壁を越えようといった
そういう主旨の装置なんですよアレは」
Bep「雷の長所……」
電「お節介焼きなところなのです?」
Bep「いや、違う」
Bep「男を駄目にすることに関して、雷の右に出るものはいない」
暁「男を駄目にする……」
明石「その力が今、最大限にまで増強されている……と見ていいですね」
電「ちょっと待ってください。雷ちゃんがダメにするのは提督だけじゃ……」
明石「強化されているんですよ。今やそのターゲットは提督や男性にとどまらない」
電「それじゃあ……」
Bep「ああ、このままいけば雷の手によってこの鎮守府の男だけではなく、
艦娘も……妖精も……」
Bep「みんなだめになる!!!!」
暁「なんてことなの……!」
明石「まぁ、時間の問題でしょうねー」
電「なにか、何か手はないのですか!?」
Bep「そうだ、明石。なんとか雷を元に戻す方法は……」
明石「ありませんねぇ」
Bep「何故そう簡単に結論をだせるんだ」
明石「残念ながら、改装した艦娘を元に戻すのは不可能ですよ。
あなただってそうでしょう……」
Bep「……くっ」
明石「現状を何とかしたいなら、解体するしか無いです」
Bep「!!!!」
電「だ、だめなのです! そんなの絶対に!」
暁「暁が許さないわよ、そんなの!」
「……お話は聞かせていただきました」
Bep「!? 誰?」
榛名「すみません、驚かせてしまって」
Bep「榛名、か……」
電「榛名さん、一体どうしたのです?」
榛名「秘書艦として、私も現状を看過できずにいたところです。雷さんのことなら
第六駆のみなさんが詳しいと思い、そして……」
榛名「今の話を、こっそり聞いてしまいました」
Bep「そうか……」
電「雷ちゃんは悪くないのです。ただ、司令官さんの為に……」
榛名「わかっていますよ。彼女はとても優しい方です」
榛名「だからこそ助けたい」
暁「でも……」
榛名「大丈夫、私に考えがあります」
Bep「榛名……」
――――――
―――
―
朝潮「ちゅんちゅん!」
朝潮「数日後です!」
大潮「……イカヅチサマー」
朝潮「……?」
朝雲「イカヅチサマ-」
朝潮「!!??!?!?」
朝潮「一体これは……?」
朝潮「あ、そして私は朝潮型一番艦・朝潮です!!!」
~鎮守府/大広間~
瑞鳳「雷様! 何卒、何卒烈風を開発してくださいまし!!!」
雷「そんなのお安い御用よ!」
雷「じゃーん! できたわ、亡霊改二よ!」
瑞鳳「こ、これジェット機じゃ……」ジョロロロ
雲龍「やっぱり雷様はすごい……」
「雷様ばんざーい! 雷様ばんざーい!」
Bep「……」
Bep(なんか教祖みたいになってるー!?)
榛名「まずいですね、早急に何とかしないと」
暁「なんとかって、どうするのよ~っ!?」
電「暁ちゃん、おちついて!」
榛名「大丈夫、その為に今日はこの人に来てもらったのですから」
榛名「ねぇ、鳳翔さん!!」
Bep「鳳翔?」
鳳翔「お呼ばれしたので。どうもこんにちわ、みなさん」
Bep「……榛名。一体何故鳳翔を……」
榛名「鎮守府のオカンといえば鳳翔さんです。鳳翔さんのオカン力で、
雷さんのオカン力を封じ込めるんです!!」
Bep「……」
Bep「まさか作戦ってそれ」
榛名「はい!(とても自信ありげな表情)」
鳳翔「私、まだ相手となる殿方さえいないのに……オカンだなんて」
Bep「な、何か色々すまない、鳳翔」
こうして、雷のオカン力を抑えるべく、元祖鎮守府のオカン、鳳翔が動き出した。
イカヅチサマ-
イカヅチサマ-
鳳翔「ちょっと、すみません、ちょっと退けてください。ごめんなさい」
鳳翔「雷さん」
雷「あら、鳳翔さんじゃない! こんにちわ!」
鳳翔「なんだか大変なことになっていますね」
雷「皆が頼ってくれるなら、雷はそれに応えるだけよ」
鳳翔「でもそんなに世話ばかり焼いていては、疲れてしまいますよ」
鳳翔「少し、休憩しませんか?」
雷「別に疲れてないけれど、他でもない鳳翔さんのお誘いだもんね」
雷「喜んでご一緒させていただくわ!」
鳳翔「あ、そうでした。私、お弁当を作ってきたんです。良かったら如何ですか?」
雷「わぁい、鳳翔さんの料理食べるの久しぶりだわ!」
榛名「いい感じじゃありませんか? ねえ響さん!」
Bep「どうだろうね……」
暁「大丈夫よ! だって鳳翔さんは鎮守府のお母さんなのよ?」
電「鳳翔さん、頑張って……!」
雷「いただきまーす!」
鳳翔「はい、召し上がれ」
雷「もぐもぐ……おいしい! やっぱり鳳翔さんの料理は一流ね!
お店出せるんじゃないかしら?」
鳳翔「あらまぁ、お上手ね、雷さんは」
雷「お世辞なんかじゃないわ!」
鳳翔「……おや」
鳳翔「雷さん、ほっぺにご飯粒がついてます」
雷「あらやだ私ったら!」
榛名「もうこれはオカン力では鳳翔さんの勝ちと見てもいいのではないでしょうか!?」
暁「そうよ! この調子でいけば……」
Bep「……」
Bep「いや、どうだろうか……?」
鳳翔「じっとしててくださいね。今とってあげますから」
雷「鳳翔さん……」
雷「鳳翔さんはやさしいね。いつも皆のこと見てる」
鳳翔「みんなのお母さんらしいですから、私」
鳳翔「はい、とれましt」
ぎゅっ
鳳翔「!?」
雷の頬にくっついたご飯粒を取ろうと接近した鳳翔。彼女はご飯粒を取った瞬間、
雷に抱きしめられた。
雷「ほんとうにいつもいつもお母さんをやってくれてありがとう」
鳳翔「雷さん……? 一体何を……?」
雷「でもね、雷は知ってるのよ。鳳翔さんだってみんなと同じ艦娘」
雷「鳳翔さんだって誰かに頼りたいし、甘えたいし……」
雷「お母さんじゃなくて、年頃の女の子として扱って欲しいって、そう思ってるって」
鳳翔「雷さん……」
雷「だからね……雷が受け皿になってあげる」
鳳翔「そんな……いけませんよ。今のあなただって……」
雷「もっと頼っていいのよ、甘えていいのよ」
雷「雷が全部、包み込んであげる」キラキラ
鳳翔「ああ……」
逆らえない、この目には。
鳳翔は直観的にそれを感じ取った。同時にそれは事実的な屈服であった。
榛名「そんな……!」
Bep「あれはもう、オカンなんてもんじゃない……」
Bep「聖母だよ……ッ!」
雷「……」
雷「響、暁、電。そこにいるんでしょ?」
Bep「!!」
雷「出てきて。少し……お話がしたいの」
Bep「雷……」
暁「雷、あなた……」
電「雷ちゃん……」
榛名「榛名は大丈夫です……」
雷「……みんな」
雷「ごめんね?」
Bep「!」
暁「雷!?」
雷「……これって全部、雷が原因なんでしょ?」
イカヅチサマ-
イカヅチサマー
榛名「気づいていらしたのですか?」
雷「さすがに気がつくわよ、こんなの」
雷「私の身に、何が起きているの?」
Bep「雷。君は……」
電「雷ちゃんは……」
電「雷ちゃんは何も悪くないのです!!」
雷「電……」
電「雷ちゃんはみんなのために頑張っていただけで、それで……!」
雷「……いいのよ、電。気を使ってくれなくても」
電「雷ちゃん……!」
榛名「雷さん。あなたは今……超駄目人間製造機と化してしまっています」
榛名「このままだと鎮守府中の……いえ」
榛名「世界中のありとあらゆるものがあなたにダメにされてしまうでしょう!!」
雷「……ッ!」
暁「雷……」
雷「そう、なんだ……」
雷「……私は、どうすればいいのかしらね」
雷「私、もう常に誰かの世話を焼きたがってる。誰かをダメにしたがってる」
雷「どうすれば……みんなを助けられるの?」
Bep「……っ!」
暁「それは……」
榛名「……あなたの、解体です」
電「!!!!!」
榛名「ごめんなさい。もう、それしか手段が……。私のことはいくらでも
恨んでください。何もできなかったのは私の責任です……」
雷「……そう」
電「そんなの絶対にダメなのです!!! なんで……なんで雷ちゃんが
解体されなくちゃいけないのですか! こんなの理不尽です!!!」
電「もし雷ちゃんを解体しようっていうなら、電が守ります!
どんな相手であっても容赦しません!みんな敵なのです!!!」
暁「そ、そうよ! 私だって雷を見捨てたりなんかしない! 私の妹なんだもの!」
Bep「私達は第六駆逐隊……ずっと一緒なんだ。もうわかれるのは……嫌だ」
雷「……全く」
雷「電。あなた、敵もできれば助けたいなんて言ってるあなたが
……無理すんじゃないわよ」
雷「暁。いつもはおこちゃまだけど……たまには姉らしいこともするのね」
雷「響。かつては一人残して先に沈んでごめんね」
雷「みんなみんな、ありがとう。でもね……私、これ以上私は私を制御できない」
雷「だから私は……」
電「だめです! 絶対ダメ……!」
雷「……いいのよ。私はもう一生分頼られた」
雷「もう、満足よ……」
Bep「させないよ。雷一人を逝かせはしない!」
雷「響……ごめん」
雷「みんな!! 響達を抑えこんで!!」
「イカヅチサマー!」「イカヅチサマー!」
Bep「な、なんだ……離せ!」
電「雷ちゃん!!!」
暁「雷ー!!!」
信者達に抑えこまれ、響達は身動きをとれなくなる。
そんな響達を背に、雷は歩き始めた。
Bep「雷……まさか!!!」
雷は進む。母なる海へと帰るために。
雷「ごめんね。さよなら」
Bep「雷いいいいいいいいいいい!!!!」
響達は何もできない。ただ彼女の小さな背を見送ることしかできない。
そして程なくして……
雷の姿は見えなくなった。
それから数日の時が過ぎ……。
~鎮守府/港~
Bep「雷……鎮守府はすっかり元通りになったよ」
あれ程いた信者たちは跡形もなく消え去り……。
電「あなたがいないという、その事実だけを除いて」
鎮守府は平穏を取り戻した。
暁「全く、どこにいるのよ。早く帰ってきなさいよ」
しかし、第六駆逐隊には大きな穴が一つ、ポッカリと空いてしまった。
それはもう埋めることのできない、深く深い、深淵に至る隙間。
Bep「……そろそろもどろうか。午後から演習だ」
電「はい……」
暁「じゃあ、またね。雷」
電「……」
……イカヅチサマー
電「……?」
Bep「? どうしたんだい? 電」
電「な、なんでもないのです!」
その時、……海の底から何かが聞こえた……ように電は感じた。
~深海~
ヲ級「ヲッヲ~(雷様、艦載機が見つからない~)」
雷「はいはーい! 今持ってくるからね~」
ほっぽ「ほっぽのゼロも!」
雷「わかったわ!」
離島「ネットが止まっているのだけれど」
雷「今すぐコンビニで料金支払ってくるからね、待っててね」
空母棲姫「け、ケツガ……いタい……」
雷「大丈夫? 雷がなでてあげるわね。いたいのいたいのとんでけー」
空母棲姫「ア、治ッた」
港湾棲姫「いつもいツも、すまないナ……雷」
雷「いいのいいの! いいのよ! もーっと私を頼っても!!」
雷「これが雷様改二の力なんだから!!」
雷改二。彼女はいずれ、どんな兵器も、どんな艦娘も成し得なかった、
"深海棲艦との戦いに終止符を打つ"という偉業を人知れず成し遂げる。
片っ端から深海棲艦をダメにしてしまう彼女のその力はまさに、
最終兵器……といえる程に強力なのかもしれない。
雷「みんな! 私がいるじゃない!!!」
おしまい
次回
最上「三隈……三く……ず、瑞雲!」ドピュッシー
何か良い話になってしまったからちくしょう!
>>217
>>218
こっちが通常営業です。
あ、そういえば終末艦これショートやってた時に「週末艦これショートだったらよかったのに」
っていう声があったからこのスレが生まれたらしいよ。
今回聞き手負傷したから短いです(言い訳)
第七話
最上「三隈……三く……ず、瑞雲!」ドピュッシー
三隈「……」ベットリ
最上「ふぅ……今日も良かったよ三隈」
三隈「……あの、もがみん?」
最上「? 何かな?」
三隈「今あの……何かさっき三隈以外の名前を叫んでいらしたように思うのですけれど」
最上「え? き、気のせいなんじゃあないかなぁ~」
三隈「そうかしら……?」
最上「あっ! な、何かボク、また催してきちゃったなぁ~」
最上「ほら! ボクの15.5cm三連装砲も教師びんびん物語だよ!」ギンギン
三隈「あらまぁ、もがみんったら! 三つもないくせに!」
最上「第二次ソロモン海戦の開始だよ!」ガバッ
三隈「ああっもがみん! くまりんこの子供部屋に衝突するのはだめ、だめですよ!」
最上「そんなこと言って三隈のここ、こんなにビチャビチャじゃないか!」
最上「これはいけない、早く注水しなくちゃ!」
三隈「いけませんわもがみん! 弾薬庫に火がついちゃう!」
最上「つけちゃえよ、一緒に燃え上がろうぜ」
三隈「ああんっ!」
――――――……・・・・・・
最上「はぁ、はぁ! 三隈、三隈!!」ギシギシ
三隈「もがみん! もっとして! くまりんこのくりま◯こもっと奥までりんこりんこしてええええええええええ!」
最上「いくぞ! 出すからな!」
三隈「はい! もがみん、きて!! 三隈の重油庫をもがみん棒で給油して!!
もがみんのホット重油で三隈の中満タンにして!!!」
最上「出すからな! 格納庫に出すからな!」
最上「ああ~~イク! 三隈! 三隈!」
三隈「もがみん! もがみん!」
最上「ああああ三隈! 三隈!! 瑞雲!!」
三隈「!?」
最上「三隈! 瑞雲! 三隈! 瑞雲!」
最上「瑞雲! 瑞雲!!! 瑞雲!!!!!」
三隈「……」
最上「瑞雲! うおおおおおおおお!!!!」
最上「ずいうーーーーーん!!!」ドピュッシー
三隈「……」ベットリ
最上「ふぅ~~~~~気持ちよかったぁ~~~~……」
三隈「……もがみん」
最上「ん?」
三隈「もがみんやっぱり三隈以外の名前を叫んでいます!!」
最上「え!? そ、そうかなぁ~?」
三隈「そうです! 今度はしっかりと聞きました! 瑞雲と!」
最上「な、なんだよそれ……それじゃあまるでボクが瑞雲でイクような変態だって
言ってるようなものじゃないか……」
三隈「違うのですか?」
最上「」
三隈「全く、三隈というものが目の前にありながら別のものでイクなんて……
三隈はかなしいです、もがみん」
最上「ご、ごめんよ三隈」
三隈「ふんっ……もがみんは三隈よりも瑞雲の方がお好きなんでしょう?」
最上「ち、違うよ! ボクが愛しているのは三隈だけさ!」
三隈「信用できません!」
最上「信じてよ、これはその……掛け声みたいなものなんだよ。こっちのほうが
気合が入るような気がしてつい……」
最上「ほら! 卓球の愛ちゃんも気合入れるとき『サァーッ!』
ってやるじゃん。アレと同じようなものだよ!」
三隈「そう、なの……?」
最上「そうさ!」
三隈「……でも、やっぱり最後は三熊の名前を呼んで欲しいです」
最上「次からは気をつけるよ……」
三隈「次からなんてだめです……」
三隈「今、証明してくださる?」ガバッ
最上「ちょ、三隈!?」
――――――……・・・・・・
三隈「フフフ……もがみんのもがみん棒……もう仰角最大よ?」ギシギシ
最上「み、みくま……激しすぎだってっ……!」
三隈「あら、もう弾切れなんていいませんわよね?」
最上「ボクを甘く見てもらっちゃ困るよ! 機関最大! 第四戦速で三隈の格納庫
に突撃さ!」
三隈「あ、だめ! ん、んぅっ、そこ……そこ、いいの……」
最上「あは! 三隈、ボクの魚雷発射管に食らいついて離さないじゃないか!」
最上「飢えた狼って、三隈の方がよっぽど飢えた狼だよ! このど淫乱!!!」
三隈「いやぁ……ちがう、ちがうの……くまりんこがこんなにみだれるのは
もがみんの前だけなの!」
最上「可愛いこと言っちゃって……」
三隈「もがみん! 三隈、そろそろ……」
最上「ボクもだよ! 三隈! 三隈!」
三隈「もがみん! もがみん!」
最上「三隈! 三隈! 三隈!!!」
三隈「もがみん!」
最上「三隈! 三隈!」
三隈「もがみん!」
――――――……・・・・・・
最上「三隈! 三隈!!!!」
三隈「……」
最上「くっそ! 三隈! 三隈!」
三隈「あの……ちょっともがみん? そろそろ……」
最上「ちくしょうなんで! 三隈! 三隈! うああああ!!!」
三隈「……」
三隈「瑞雲」ボソッ
最上「うわああああああああああああ」ドッッッッッピュッシーーーー
三隈「……」
最上「ああ、うあ……」ドクッドクッ
三隈「……」ベットリ
最上「……」
三隈「……もがみん。仏の顔も三度までですよ?」
最上「ご、ごめんよ三隈……」
最上「ごめんよ!!!」脱兎
三隈「ああ! もがみん! 一体どこへいかれるの!?」
――――――
―――
―
三隈「……と、いうことが先日ありましたの」
鈴谷「……えぇー」
鈴谷「なんでそれ鈴谷に打ち明けるの?」
三隈「だって鈴谷さんは姉妹艦でしょう? それになんかそういう性癖にも
理解ありそうですし……」
鈴谷「偏見だよ! 全くもー、みんな鈴谷のことどういう目で見てるのさ!」
若葉「処女ビッチJK」
鈴谷「!?」
初春「これ若葉! 貴様、どこでそんな言葉を覚えたのじゃ!」
若葉「提督が言っていたぞ」
鈴谷「あのクソ提督……」
初霜「うちの若葉さんが変な事言ってすみません……」
鈴谷「あー、いいよいいよ別に」
初春「本当にうちの者がすまぬな。ほれ、行くぞ二人共」
初霜「すみませんでした」
若葉「処女ビッチとは何だ」
鈴谷「……」
鈴谷「鈴谷ってそんなに遊んでる風に見えるかなぁ……」
三隈「もう、今はもがみんの話をしているんですよ?」
鈴谷「あー、ハイハイ。もがみんが瑞雲狂いで大変だーって話だったっけ?」
鈴谷(正直姉妹艦の性事情とか相談されても、鈴谷困るんだけど……)
三隈「ええ、どうやらもがみんは瑞雲じゃないとイケない……」
三隈「※瑞Dなんです」
鈴谷「イニDみたいな略し方やめよう」
※瑞雲EDの事
三隈「それで……三隈はどうすればいいのでしょう……」
鈴谷「どうすればって……うーん……もがみんの瑞雲狂いにも困ったもんだね」
鈴谷「まぁ~、艦娘の数だけ性癖もあるんです。折り合いつけていくしか
無いんじゃない?」
三隈「でも瑞Dはちょっと異常すぎではなくて? 三隈、夜戦が毎回アレでは
耐えられそうにありません……」
大井「何弱音を吐いてるのよ。そんなんじゃ、本当に最上さん取られちゃうわよ、あなた」
三隈「あなたは……」
大井「話は聞かせてもらったわ、どうやらお悩みのようじゃない」
鈴谷「うわ出た!」
大井「ちょっと! 何よその反応は!」
鈴谷「だって、大井さんってアレでしょ、鎮守府を代表するイロモノ枠……」
大井「失礼ね、九三式酸素魚雷ぶちかますわよ」
大井「そもそも、私がイロモノの代表みたいに扱われてる現状が気に食わないわ」
鈴谷「えっ」
大井「私なんてただの純粋なレズじゃない! そこら辺にもっとひどいのいっぱい
いるわよ。話に聞くと最上なんてレズな上に瑞雲狂いじゃないの。ソッチのほうが
よっぽどイロモノじゃない!」
大井「それに比べたら私なんてノーマルよ! ノーマルレズよ!」
鈴谷「ノーマルレズってなんだ……」
三隈「……もがみんをバカにしないでくださる?」
大井「あら、ごめんなさい。別に最上を悪く言うつもりはなかったのよ」
大井「私が言いたいのはね……三隈さん、あなたの魅力が瑞雲に
負けているんじゃないかって事よ」
三隈「えっ……」
大井「だってそうでしょ? 結局最上は共に果てる相手に瑞雲を選んだ。あなたは
選ばれなかった。それってつまり、あなたの魅力が瑞雲に負けてるってことよ」
三隈「そ、そんな……三隈は、瑞雲より、魅力的じゃない……?」
鈴谷「ひどい話だよ」
三隈「でも、もがみんは三隈の事を愛してくれていると!」
大井「口ではなんとでも言える。でもね、最上の心が、本能が求めているのは……
瑞雲なのよ!!!!」
鈴谷「……あれ、もがみんって屑じゃない?」
三隈「……うそ、うそよそんなの……」
大井「認めるのね、これが現実よ」
三隈「……」
大井「それで、どうする? このまま諦める?」
三隈「……ご冗談を」
三隈「三隈、諦めません。もがみんを振り向かせるくらい魅力的になってみせます!」
大井「……」
大井「その言葉が聞きたかった!」
大井「想っている相手の為なら、どんなことでもやり遂げる強靭な意思!
相手のために自分を磨く一途な心! それを確かめたかった!!」
三隈「大井さん……」
大井「ついてらっしゃい。私があなたをもっと魅力的な艦娘にしてあげる」
三隈「……はい!」
鈴谷「その人についていっちゃけないような気がする……」
一方、その頃最上は……。
~工廠~
最上「……」キョロキョロ
清霜「これを積めば戦艦になれるんですかぁ~?」
夕張「そうよ、このGNドライヴを積めばガンダムになれるのよ……」
清霜「がん? なんですかそれ? 戦艦ですか~?」
スタスタスタ……
最上「……よし、行ったな」コソコソ
最上「さて、アレはどこだろう……?」
最上「あるのは分かっているんだ。この前の任務報酬で配備された筈だからね」
最上「瑞雲634空……ああ、早く君の体に触りたいよ……」
[航空機整備室(瑞鳳勝手に入るな)]
最上「……ここが怪しいな。入ってみるか」
恐らく許可なしには立ち入ってはならないそこに、最上は躊躇なく侵入する。
最上「水上機、水上機の区画は……あった!」
最上「……えっと、634空は~~……!」
最上「……見つけた」
瑞雲634空「なんやなんや」
最上「会いたかったよ君に……」バサッ
634空「な、なんや。何でいきなりズボン脱いでるんや」
最上「扇情的なまでに色気を感じさせる流線型のフロート……性欲を掻き立てる
緑と赤のカラーリング……ああ、たまらないよ」
634空「ひぇっ……」
最上「瑞雲……」
最上「瑞雲瑞雲瑞雲……」シコシコシコ…
634空「う、うわあ! くる! こっちくる!!」
最上「瑞雲! 瑞雲! 瑞雲!!!」シコシコシコシコ
634空「な、何かこすりつけてきた!!」
最上「もがみん棒だよ! 今から君に空中給油してあげるね!!」
634空「らめえ! プローブアンドドローグされちゃうううううううううう!!!」
最上「瑞雲! 瑞雲! ずい……うん?」シコシコ
早霜「……」コソコソ
最上「何だあれ? 早霜? あんな所で何やってるんだろ?」シコシコシコシコ
早霜「……これが、那智さんの水偵(♂)……」
早霜「那智さんの水偵……那智さんの水偵……」クチュクチュ
最上「うわぁ! 那智の水偵で自慰始めたよあの子!」シコシコ
最上「流石に他人の私物は引くなぁ~!」シコシコ
りゅ……りゅ……
最上「……ん? 何だ? この声……!?」シコシコシコシコ
瑞鳳「りゅ……りゅ……」
瑞鳳「九九艦爆の足舐めりゅううううう!!!!」ペロペロペロ
最上「うわ! あっちでは瑞鳳が九九艦爆をおかずにしてるよ!」シコシコ
最上「ろくな性癖のヤツいないなこの鎮守府!」シコシコシコシコシコシコシコシコ
~鎮守府/広間~
TV『吹雪ちゃん……離してよ、痛いよ……』
白雪「ねえこれちょっと挿入ってない!? 吹雪ちゃん睦月ちゃんに挿入ってない!?」
伊勢「ええ!? まずくない!? そんなの流しちゃまずくない!?
ねえ日向ってば!!」
日向「最近の深夜アニメは過激になっているとは聞いていたが、これほどとは」
叢雲「挿入ってるわけないでしょ。放送禁止になるわ」
吹雪「て、ていうか本人が目の前にいるのにそういうこと言うのやめてくださいっ」
睦月「そもそもこれそういうシーンじゃないにゃしい!!!」
日向「そんなことで恥ずかしがっていてどうする。お前達は全国ネットの電波に
乗った役者なんだぞ。これからはベッドシーンの一つや二つ、平然とこなせるように
ならなくてはいけないぞ」
吹雪「そ、そうなんですかぁ!?」
睦月「べ、ベッドしーんて……睦月には無理です!」
白雪「……」
白雪「吹雪ちゃん、私ならいつでも練習相手になりますよ」
吹雪「や、やりませんから ////」
叢雲「どうでもいいけど、もう少し静かに見なさいよ……」
大井「……何やってるの? あなた達」
日向「む、大井か」
鈴谷「ちーっす。鈴谷たちもいるよ~」
三隈「皆さんお揃いで……一体これは……?」
白雪「今皆でアニメの吹雪ちゃんの濡れ場を鑑賞していたところです」
吹雪「濡れ場じゃないですって!!」
伊勢「大井達も一緒に見る?」
大井「私は事前に北上さんの登場シーンだけを抜き出した編集版を見ているから
必要ないわ」
叢雲「どのメディアでもブレないわねアンタ」ゲンナリ
睦月「およ、それじゃあなにか御用ですか~?」
大井「ちょっとそこの日向に……ね、三隈さん」
日向「三隈……? 一体私に何のようだ?」
三隈「三隈……日向さんに聞きたいことがあります。もがみんのことです」
日向「最上……? 一体何故」
三隈「日向さんはもがみんと大変仲がよろしいとお聞きしたので。
きっと三隈の知らないもがみんのことも、日向さんなら知ってると思い……」
日向「最上のことなら姉妹艦のお前たちの方が詳しいだろう」
三隈「三隈は姉妹艦以外の方から見たもがみんの姿を知りたいのです!」
日向「……おい、大井。一体、三隈に何があったんだ?」
大井「三隈さんと最上の仲が最近思わしくなくてね……そこで最上の
リサーチをして、状況を打開しようって流れよ」
日向「そうか、最上と三隈の仲が……」
鈴谷「まぁー、相談に乗ってあげてよ~。どうせ暇でしょ?」
日向「……私で良ければ、微力ながら力になろう」
三隈「日向さん……!」
日向「それで、三隈は何が聞きたいんだ?」
三隈「それはですね……ずばり、もがみんの好みの女性タイプです!」
三隈「もがみんはどういう女性が好きなのか! 日向さんはご存知で?」
大井(自分の中での理想ではなく、相手の理想を知ること。
何をするのもまずはスタートとゴールを知らなくちゃね。
だから私達は日向を訪ねた。最上の好みを知り、それに近づける為に……!)
日向「最上の好みか……」
睦月「なになに!? 恋の相談ですかぁ!?」
吹雪「えっと、確か三隈さんは最上さんとお付き合いをなされてるんですよね……?」
叢雲「当たり前のようにレズが容認されている現状が恐いわ」
大井「レズで何が悪い」
鈴谷「はいはい、外野うるさいってば」
日向「……そうだな、最上は……赤と緑、そして白の組み合わせが好きだな」
三隈「なるほど! その色を組み合わせたお洋服を着ればもがみんも……!」
日向「速度は約440km/h 武装は20mm機関砲と7.7っm機銃……更に250kgまでの
爆弾を搭載可能」
三隈「え?」
日向「帝国海軍最高傑作の水上爆撃機……」
日向「まぁ、瑞雲だな」
三隈「はい?」
大井「いや、女の好みを聞いてるんですけど」
日向「瑞雲っぽい女が好きだ」
大井「何よ瑞雲っぽい女って」
日向「因みに私も瑞雲っぽい女が好きだ」
大井「おめーの好みは聞いてねーよ」
日向「聞かれたから答えたというのに、何だと言うんだ」
大井「瑞雲好きってヤバイやつしかいないわね……」
三隈「……あの、日向さん」
日向「ん?」
三隈「もがみんは……瑞雲っぽい女性が好みなんですか?」
日向「ああ、そうだな。最上のやつは、瑞雲の格好すれば一発だぞ」
三隈「……それなら三隈は……!」
大井「だ、だめよそんなの!」
鈴谷「ていうかそれ本末転倒じゃん?」
三隈「でも三隈は!」
大井「ああもう! ちょっと日向、瑞雲以外に何かないの!? 最上の気を引ける
要素は!!!」
日向「ないな」
大井「即答か!」
日向「当然だ。何せ最上は……」
日向「瑞雲以外では興奮できぬよう、私が調教したからな」
三隈「は?」
鈴谷「え、なにそれ恐い」
今明かされる衝撃の事実……ッ!
日向「最初はさり気なく日常の中に瑞雲を紛れ込ませるところから始まった」
日向『最上、おは瑞雲』
最上『おは……なに!?』
日向「最上の私物を徐々に瑞雲カラーに塗りつぶし……夜は最上が寝た後に
ひたすら瑞雲のエンジン音を鳴らし続けた」
鈴谷「ほぼ嫌がらせだこれ」
日向「するとそのうち最上はありもしない瑞雲を幻視するようになった。
そして本物の瑞雲を求めるようになった」
日向「そこからは早かった。最初はミキサーにかけて粉々にしていた瑞雲も
そのまま食べられるようになったし、先っぽしか入らなかった瑞雲のフロートも
根本までずっぷり挿入できるようになった」
日向「こうして最上は瑞雲なくしては生きられない体となったのだ……」
鈴谷「……(唖然)」
叢雲「真っ昼間からなんて話してんのよ」
大井「……」
大井(つまりノンケ艦の北上さんもこれでレズ艦に艦種転換することが可能……?)
叢雲「またしょーもないこと考えてる顔してるわねアンタ」
三隈「あなたのせいだったの……!」
三隈「あなたのせいでもがみんは!!!!!」
日向「最上の体がそうなったのは私の責任だ。だが私は謝らない!!!!」
三隈「何故こんなことを!!!!」
日向「欲しかったのだ、同士が……知ってもらいたかったのだ……瑞雲の良さを!!」
三隈「そんなエゴの押し付けで!! 貴様、修正してやる!!!」
白雪「お、お? やるんですか? はじまるんですか?」
伊勢「いいぞー、やったれやったれ。ノールールでやったれー」
吹雪「お二人止めましょうよ!」
三隈「やってやんよおおおおお!!」
日向「来い。私は逃げも隠れもしない!」
三隈「うおおおおおおお! 覚悟おおおおおお!!!」
日向「ふはは! この飛行甲板に抱かれて眠るがいい!!!」
叢雲「……よそでやんなさいよアンタ達。うるさいから」
三隈の勇気が最上の性癖を救うと信じて……!
そんなこんなで。
~最上の私室~
最上「ふぅ……今日も15.5cm砲シコりすぎて砲身が摩耗しまくっちゃったよ」
三隈「もがみん」
最上「三隈……ってその格好は!?」
三隈「赤と緑と白のカラーリング……ダイブレーキを備え付けたフロート……」
三隈「もがみん、三隈……瑞雲になりました」
最上「もしかして……ボクのために……?」
三隈「ええ。ど、どうでしょうか? これでもがみんも三隈でくまりんこできますか?」
最上「……三隈ぁ!」ガバッ
三隈「やん! もがみんっ!」
鈴谷「……」
鈴谷「なんかもう、変態しかいないな……」
バタン!!!!
熊野「鈴谷! 今日も鈴谷のおしっこ貰いに来ましたわ!!!!」
おしまい
次回
瑞鶴「加賀さんの処女膜守るずい!」
熊野:最近飲尿健康法とかいうガセ療法に手を出し始めた。
鈴谷に尿を要求する。
鈴谷:ガセ療法と知っておきながら熊野の純粋な瞳に押し切られ尿を提供する。
初めは恥ずかしかったものの徐々に熊野に尿を飲ませる事が快感となっていき……。
ていう内容で誰かSS書いて。
再開します
第八話
瑞鶴「加賀さんの処女膜守るずい!」
~艦娘寮/空母部屋~
TV『浮上だ。右砲戦用意』
蒼龍「戦艦が潜行してるんだけどw」
飛龍「51cm砲w」
大鳳「この重武装じゃあ真っ先に転覆しそうだけれど……」
赤城「照和って凄いのね~」
翔鶴「あ、でも先日のイベントで艦これにも51cm砲実装されたみたいですよ」
蒼龍「マジで?」
飛龍「もう日本武尊作ろうよw」
瑞鶴「みんな笑って見てるけど、艦娘も大概トンデモ不可思議な存在だからね……」
加賀「……あら皆、集まっているようね」
赤城「おやおや加賀さん。今までどちらに?」
加賀「少し、執務室で……」
翔鶴「提督に呼び出されていたんですか?」
瑞鶴「なーになに? またなんかやらかしたの~?」
加賀「……」ムッ
瑞鶴(あ~、睨んでくる加賀さんの顔、たまらねぇずい~)
瑞鶴(きっと加賀さんは次にこう言う「五航戦の子と一緒にしないで」ってね)
瑞鶴(一日一回はこれを聞かないと落ち着かないずい~あぁ~ずいずい~^^)
加賀「……」
加賀「ふっ……」
瑞鶴「!?」
瑞鶴(わ、笑った!? なんで!? あの短気な加賀さんが!?)
瑞鶴(くっそ笑った顔もそそるずい! エロい!)
加賀「……まだまだ子供ね、瑞鶴」
瑞鶴「な、なんですって!?」
加賀「そろそろそういうのは卒業しないとダメよ」
瑞鶴「なっ……」
瑞鶴(なにか、おかしいずい……)
赤城「今日の加賀さんは随分と余裕がありますね」
飛龍「それに機嫌もいいみたいだしねっ」
蒼龍「何かあったの~?」
大鳳「……!?」
大鳳「あの、加賀さん!?」
加賀「何か?」
大鳳「く、薬指のそれは……!?」
瑞鶴「えっ……!?」
その時、大鳳は加賀の薬指で一際眩しく煌めくそれに気がつく。
加賀「おや、気がついてしまいましたか……」
赤城「加賀さん……もしかして、それは……」
加賀「ええ、実は私この度、提督とケッコンすることになりまして……」
蒼龍「は?」
飛龍「えっ」
赤城「まぁ!」
大鳳「ななな!」
翔鶴「ええええええ!?」
加賀「ついさっきケッコンを申し込まれたの。もちろん二つ返事でOKしたわ」
蒼龍「やだやだ……先を越されるなんて!」
飛龍「残念だったね、蒼龍。せっかくこの前チョコあげたばっかりなのにw」
蒼龍「う、うるさい飛龍!」
大鳳「おめでとうございます!」
加賀「ありがとう。空母の皆にはいち早く伝えたくて……」
加賀「特に赤城さん、あなたには……」
赤城「……おめでとう、加賀さん。よかったわね、想いが実って……」
赤城「あなた、人に本心を伝えるのが苦手だったでしょう? だから最初は
どうなるかと思ったけど……」
赤城「無駄な心配だったようね」
加賀「赤城さん……」
翔鶴「……何はともあれとてもおめでたいことじゃないですか! ねぇ瑞鶴?」
瑞鶴「」
翔鶴「瑞鶴?」
瑞鶴(はああああああああああああああん!?)
瑞鶴(ケッコンずい!? な、どういう風の吹き回し……)
瑞鶴(理解不能理解不能!!!!!)
翔鶴「ず、瑞鶴? どうかしたの? 顔色が悪いようだけど……」
瑞鶴「な、なんでもないよ翔鶴姉……」
瑞鶴(頭痛がする は…吐き気もだ…くっ…ぐう な…なんてことだ……)
瑞鶴(で、でも希望は捨てるな瑞鶴! まだ反撃の目は……!)
飛龍「そ・れ・で・! 加賀さんはさぁ~……」
飛龍「……シたの?」
蒼龍「なっ!」
大鳳「? シた?」
蒼龍「いきなり何を聞いてんのよ飛龍!」
加賀「……質問の意図が読み取れないのだけど?」
飛龍「またまたーとぼけちゃって! わかってるんでしょ?」
飛龍「で、どうなの? 提督としっぽりやったの?」
蒼龍「もー何馬鹿なこと言ってるのよ! あはは、ごめんね加賀さん飛龍が変なこと―」
加賀「……した」
蒼龍「へ?」
加賀「ヤりました」
翔鶴「あ……////」
飛龍「へえ~」ニヤニヤ
蒼龍「う、うわぁー! わぁー! ////」
赤城「うふふ、今日はお赤飯ね。加賀さんのために一航戦赤城、全力で食べます!」
大鳳「? 一体何の話なの?」
瑞鶴「ぁ……」
瑞鶴「あああああああああああああああああああああ!!!!」
翔鶴「瑞鶴!?」
瑞鶴は部屋を飛び出した。迫り来る現実が実感として襲い掛かってくる前に、
瑞鶴は駆けて駆けて駆け抜けて、懸命にその事実から逃れようとした。
瑞鶴「そんな、そんなそんなそんな……」
瑞鶴(加賀さんが……加賀さんが……!)
加賀『ヤりました』
瑞鶴「加賀さんの処女がああああああああああああ!!!!!」
だがしかし、翔鶴型の速力を以てしても逃れることは叶わず、
瑞鶴は、無慈悲な現実に飲み込まれていった。
瑞鶴「加賀さんの……かがさん……かが……うっ」
瑞鶴「おええええええええええ」ゲロゲロゲロ
そして悲しみのあまり……盛大に嘔吐した。
瑞鶴「おうえええええええええええ」ゲロゲロゲロ
夕張「……」
瑞鶴「おげえええええええええええ」ゲロゲロゲロ
夕張「……」
瑞鶴「げえええ……げふ……はぁはぁ」
夕張(終わっ)
瑞鶴「おげええええええええええ」ゲロゲロゲロ
夕張「長いわよ!!!!」
夕張「なんなの! なんで人の部屋の前で吐いてるの!?」
夕張「嫌がらせ!? 嫌がらせなの!?」
瑞鶴「うっうぅ……」ポロポロ
夕張「ちょ、いきなり泣かないでよーもぉー! どうしたの一体?」
瑞鶴「加賀さんが……」
瑞鶴「加賀さんが処女膜か"ら"ごえ"ででな"い"ぃ"~~~!!!」
夕張「どういうことなの……」
――………………・・・・・・・・・
夕張「はー、加賀さんが提督にねぇ~……」
瑞鶴「もうこの世の終わりよ……加賀さんの処女を守り通すことだけが
私の生きがいだったのに……」
夕張「い、嫌な生きがいだなー」
夕張(この人愛情が屈折しすぎでしょ……)
瑞鶴「もうこんな人生に意味なんて無い……いっそ楽に……
あの世で72人の加賀さんとレズコプターするんだ……」
夕張「早まらないで!(レズコプターって何……)」
瑞鶴「じゃあ私にどうしろっていうのよ!!! 脱げっての!?」
夕張「はい!?」
瑞鶴「いいわよ脱いでやろうじゃない!!」ヌギヌギ
瑞鶴(全裸)「これでどう!!!」スパーン
夕張「アンタ酔ってんのか!?」
瑞鶴(全裸)「私は正常よなめてんの!!!!??? 爆撃されたいの!?!?」
瑞鶴(全裸)「どうせアンタも私のこと甲板胸だとか思ってるんでしょ!?
ふざけんじゃないわよお椀くらいはあるわよ! 寧ろ理想的な大きさよ!!」
瑞鶴(全裸)「大体盛らないだけ潔いと思いなさいよ!!! 北上とか盛り過ぎでしょ!!!!!」
夕張「どうでもいいけど服着てくださいってば!」
瑞鶴(全裸)「……」
瑞鶴(着衣)「それもそうね……」
夕張「す、素直だ……」
瑞鶴「何!?!?? ダメなの!!!!???」
夕張「いや、いいです。そのままのあなたでいて」
瑞鶴「フー……フシュー……!」
夕張「どーどー! おちついて」
瑞鶴「……」
瑞鶴「わかってる……わかってるわよ……」
瑞鶴「……だけどあんなことがあって、落ち着いてなんていられる? いられないわよ!
冷静でなんか……!」
夕張「……」
夕張「あーもう、しょうがないですね……」
瑞鶴「……?」
夕張「ちょっとついてきてください」
瑞鶴「? ちょっと何処行くのよ」
夕張「明石さんの……工廠です」
黄金のパターンに入った瞬間である。
~明石の工廠~
子日「ア"ァ"ーーーーーーーーー」
夕張「こんにちわぁー」
明石「おや、夕張さんに瑞鶴さん。本日はどういったご用事で?」
子日「ア"ァ"ーーーーーーーーー」
瑞鶴「何、あの……何?」
明石「? どうかしました?」
瑞鶴「どうかしてるのはあの子じゃない。何か壊れたファービーみたいな声出してるわよ」
夕張「うわ、ファービーとか懐かしいなぁ~。今時の駆逐艦の子とか知らないんだろうなぁ~
あージェネレーションギャップ感じちゃう感じちゃう」
明石「艦娘がファービー懐かしいとか言っちゃ駄目ですよ。世界観的な意味で」
瑞鶴「どうでもいいわよ。それで、大丈夫なの? あの子」
明石「……まぁ、多分大丈夫だと思いますよ(逸らし目)」
瑞鶴「大丈夫じゃなさそう」
明石「いや子日さんって頭かどこかおかしいような雰囲気あったじゃないですか」
瑞鶴「何気に酷いこと言うわねあなた」
明石「だからちょーっと頭の調子を見てあげようかな―っと思って……」
明石「頭を開いてみたんですケド」
瑞鶴「は?」
夕張「ひえぇ……」
瑞鶴「それマジで言ってんの?」
明石「はい」
瑞鶴「正気の沙汰じゃない……狂ってる……」
明石「いやいや、狂ってるのは子日さんの頭に入ってたモノなんですが……」
明石「ああそうそう、これです。よっこいせっと」ゴトッ……
瑞鶴「……なにこれ?」
明石「おや、瑞鶴さんはご存知でない?」
夕張「これ、メガドライブじゃないですか!!!」
瑞鶴「メガ……? なにそれ?」
夕張「瑞鶴さんメガドラ知らないの!?」
夕張「S○GAから発売された、全世界で3000万台以上の売上を記録した有名な
ゲームハードですよ! スーファミよりも高性能な16bit機なんだからぁ!」
明石「漬物石に丁度いいですよ」
夕張「コラッ! アーケード版の開発に関わってるんだから下手なこと
言っちゃ駄目でしょ!」
利根姉さんの豆知識:
メガドライブは艦これアーケードの開発に関わっているセガが1988年に
発売したゲームハードで価格は21000円。漬物石なんぞはそこら辺で拾えば
いいだけだから、実質コスパでは漬物石の方がはるかに上じゃぞ!
因みにこのメガドライブとかいう漬物石、なんとこの時代からオンラインに対応していたのじゃ。
限定的とはいえこの当時からオンラインプレイが出来るなど、セガは本当に
時代を先取りしすぎておるな。オンラインプレイもできる漬物石を作る会社など
後にも先にもセガだけじゃろうて。
明石「今、子日さんがあんな風になっているのは、これを取り出して頭が空っぽだからなんですよ」
瑞鶴「何でゲーム機が頭の中に入ってるのよ……」
明石「……思うに、子日さんはこのメガドライブで動いていたんじゃないですかね……」
瑞鶴「えっなにそれは」
明石「メガドライブ程度で艦娘って動かせるんですね」
夕張「程度って言わないで程度って!」
明石「夕張さんや瑞鶴さんももしかしたらメガドライブで動いてるかもしれませんね」
瑞鶴「そんなばかな!」
明石「わからないですよ? 自分の頭の中なんて普通は見れないでしょう?」
夕張「うーん……正直なところプレステ2くらいはあって欲しいなぁ……」
瑞鶴「どういう基準よ……」
明石「もし良かったらお二人も頭開いてみます? 最新機種が出てくるかもしれないですよ?」
瑞鶴「艦娘とは一体……」
夕張「ってそうじゃなくて!」
明石「?」
夕張「明石さん、私……今日は瑞鶴さんに"アレ"使わせてあげようと思って来たんです」
明石「"アレ"……ですか?」
瑞鶴「な、何よアレって……」
夕張「明石さん、以前からテスターを探してたじゃないですか。瑞鶴さんならきっと
協力してくれるはずですよ」
明石「ほーう。それはそれは、願ってもないことですが……」
瑞鶴「ちょっと! さっきから勝手に話を進めないでよ! アレってなんなのよ!」
明石「タイムマシンですよー?」
瑞鶴「……」
瑞鶴「んん?」
瑞鶴「んん~~~?」
瑞鶴「ふざけんのも大概に……」
明石「いいえ、大マジですよ」
瑞鶴「……いやいや嘘でしょ?」
明石「この明石に不可能はありませんよ?」
瑞鶴「……タイムマシンってことは、過去に戻れるってことよね?」
瑞鶴「本当にそんなことが……」
夕張「それをテストしてもらいたくて、瑞鶴さんをここに連れてきたんですよ」
瑞鶴「テストって……大丈夫なの? それ……」
明石「……変えられますよ?」
瑞鶴「え?」
明石「タイムマシンを使えば……過去を変えることができるんですよ?」
瑞鶴「!!」
明石「やり直したい過去、あるんじゃあないですか? 瑞鶴さん」
それはなんと蠱惑的な囁きか。
瑞鶴「私は……加賀さんの……」
加賀さんの処女を、守りたい!!!
瑞鶴「私、タイムマシンで過去に戻るよ!」
抗えるはずもなかった。この話を持ちかけられた時点で、瑞鶴に選択の余地などなかった。
そう、それはまるでエンガノ岬での囮作戦のごとし……!
そして……。
明石「さぁ、こちらがタイムマシンですよ」
瑞鶴「これがタイムマシン?」
タイムマシンのある場所へと案内された瑞鶴。
しかしそこにあったのは何の変哲もないパソコンと電子レンジとヘッドホンだけだった。
夕張「いやもーあからさまにアレじゃないですかぁ瑞鶴さん!」
瑞鶴「何を言ってるのかわからないんだけど……」
明石「まぁこんなんでも鎮守府の資材の八割くらい注ぎ込んでますからね」
瑞鶴「八割!?」
明石「この前の冬イベで提督に何度も何度もE5に出撃させられましてねぇ~」
明石「……いくらダメコン積んでるからってやっていいことと
悪いことがあると思うんですよ」
明石「常識的に考えて戦闘要員でもない私がネオダイソンの攻撃を受けて
平気でいられるわけ無いじゃないですか……」
明石「にも関わらずですよ、提督ってば『ちゃんとネオダイソンの攻撃デコイしろ』
なんて言うんですよ? ほんと……ブチ転がしてやろうかと思いましたよ」
明石「まぁこれはその腹いせみたいなものです。盛大に資材を使ってやりました」
瑞鶴「ていうか勝手にそんな使用したらヤバイんじゃ……」
ドンドンドン!
霧島『明石さーん? 提督がお呼びです、至急執務室までご出頭願いますー』
瑞鶴「って言ってるそばから!」
明石「ちっ奴らの手の者がもうここまで……!」
ドンドンドン!
霧島『早くドアを開けていただかないと、この霧島、46砲ガン積みの砲撃で
ドアを破壊することなりますがー?』
夕張「うわ! しかも論者だ! 絶滅していなかったのか!」
明石「……迷ってる暇はないようですね! 瑞鶴さん、このヘッドホンをつけて!」
瑞鶴「えっ、ちょ!」
霧島『応答がないようなので砲撃を開始しますねー。ワン、ツー、さん、しー!!』
ドッッゴオオオオオオオオオオン!!!!!
夕張「明石さん! ドア破られました!!!」
明石「瑞鶴さん! あなたの意識を今から過去へと飛ばします!!!」
瑞鶴「唐突すぎる!!」
明石「時間がありません! いきますよ!!!」
瑞鶴「な、なんなのよもう!!」
明石「夕張さん! スイッチを!!」
夕張「とべよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
瑞鶴「!?」
( ^) だから♪
( ) ̄
( | | )
( )|
( | | )
( ^o) 1秒ー♪
 ̄( )
( // )
(o^ ) ごとに~♪
( )ヽ
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..三 \ \ V / (o^ ) 三 世界ー♪
三 \ \ V / ( )ヽ 三
三 \ \ | / / / 三
三 ( ^o) \ V // / / 三 線をー♪
三/( ) \ V / (o^/ 三
三 ヽヽ \ | /( / 三
..三/( ) \ V / (o^ ) 三 越ーえてー♪
三 ヽヽ^o) \ V / ( )ヽ 三
三 \ )\ | (o^/ / / 三
朝潮「ちゅんちゅん! 過去です!」
朝潮「――神の企てか、悪魔の意思か。これが21世紀の戦闘か」
朝潮「ちなみに私は朝潮型一番艦、朝潮です!」
~鎮守府/五航戦部屋~
瑞鶴「――んん?」
瑞鶴「あれ、私……」
瑞鶴「そうだ! 私タイムマシンで……」
瑞鶴「でも、本当に過去に戻ってるの……?」
翔鶴「……どうしたの瑞鶴? ひとりごと?」
瑞鶴「翔鶴ねえ……」
翔鶴「それよりも瑞鶴はチョコ用意したの?」
瑞鶴「チョコ?」
翔鶴「そうよ。今日はバレンタインでしょ?」
瑞鶴「バレンタイン!??!?!」
翔鶴「何? そんなに驚くこと?」
瑞鶴「……戻ってる」
瑞鶴「過去に、戻ってる……!」
――――――
―――
―
瑞鶴「あれから色々調べてみたけど、やっぱり私過去に戻ってる
……あのタイムマシンは本物だったみたいね」
瑞鶴「この時間軸ではまだ加賀さんは処女のはず……どうにかしてロストバージン
だけは阻止しないと……」
瑞鶴「でもどうやって……」
蒼龍「ちょっこ~ちょっこ~♪ 愛情たっぷりチョコで~♪」ルンルン
蒼龍「提督のハートに急降下爆撃ナンチャッテ……」
瑞鶴「……」
蒼龍「ナンチャッテ……」
瑞鶴「……あの」
蒼龍「う」
蒼龍「べべべつに提督に本命チョコ渡しに行くわけじゃないからね!」
瑞鶴「……!」
瑞鶴(そういえば、蒼龍さんは提督さんの事好きなんだっけ?)
蒼龍「あれだよ義理ってやつ! 飛龍にもあげたし!」
瑞鶴(ここで蒼龍さんに確実に提督を落としてもらえば、加賀さんの処女は……!)
蒼龍「提督のことを好きとかそういう……」
瑞鶴「……蒼龍さん」
蒼龍「ハイ!?」
瑞鶴「チョコ見せてもらえます?」
蒼龍「え、いいけど……」
そう言って蒼龍は可愛らしいラッピングの施されたそれを瑞鶴に見せる。
瑞鶴「これ、手作りですか?」
蒼龍「え? いやまぁ、その……」
蒼龍「そう、だけど……でも義理だからね! 義理だけど……」
蒼龍「けっこう上手く出来たなと、自分的には思って……」
瑞鶴「ダメですね」
蒼龍「えぇーーーー!?」ガーン
瑞鶴「こんなんじゃ提督さんのハートは落とせませんよ」
蒼龍「べ、別にそういう目的で作ったんじゃ」
瑞鶴「そんなんだから!!!」
瑞鶴「そんなんだから加賀さんに先越されちゃうんですよ!!!!!」
蒼龍「えぇ!? 加賀さん!?」
瑞鶴「そうですよ。あなたがヘタレなせいで!! 加賀さんの処女は提督さんに……
あああああああ蒼龍さんがヘタレなばっかりに!!!」
蒼龍「確かにヘタレなのは否定出来ないけど!」
瑞鶴「とにかくですね、このままだと提督は加賀さんと懇ろになってしまうわけですよ!
それは絶対に阻止しなくてはいけない!!!」
瑞鶴「今ならまだ間に合う! 蒼龍さんがヘタレないで
しっかりとアタックすれば未来は変えられる!」
蒼龍「そ、そんなこと言われても……」
瑞鶴「そうやってまたヘタれる!!! 真剣に向き合ってくださいよ、自分の気持ちと!」
瑞鶴「提督さんのこと、好きなんでしょ?」
蒼龍「う……」
瑞鶴「どうなんですか! 他の子に取られてもいいんですか!?」
瑞鶴「私なら蒼龍さんのちからになれる! だから教えてください! 蒼龍さん!!」
蒼龍「……やだよ」
蒼龍「提督が他の娘に取られるなんてやだもん。やだやだ!」
蒼龍「そうだよ……私、あの人が……提督のことが好き!」
瑞鶴「その言葉が聞きたかった……!」
蒼龍「う……うううううっ! 今日の瑞鶴変 ////」
瑞鶴「だったら話は早いです。こんな手作りチョコなんかよりももっと確実に
提督さんを落とす方法があります」
蒼龍「え、どうやるの……?」
瑞鶴「蒼龍さんには強力な武器があります。その立派な九九艦爆です」
蒼龍「九九艦爆って……ええ!? ちょっと何する気!?」
瑞鶴「もちろんナニに決まってますよ」
瑞鶴「その九九艦爆にチョコを塗って提督に食べてもらうんです。
そしてそのままなし崩し的に既成事実を作ればスピードケッコンですよ」
蒼龍「ええええええ!? 既成事実って……いきなりそれはハードル高すぎ!!」
瑞鶴「そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!!
もうなりふりかまっている場合じゃないんですよ!!」
蒼龍「でもでも! それってなんか、痴女っぽくない!?」
瑞鶴「男っていうのは皆痴女が好きなんですよ! だからいいんです!
むしろそれがいいんです!!」
瑞鶴「ほら早くしないと取られちゃいますよ! 先越されちゃいますよ!」
蒼龍「ぐぬぬ……」
瑞鶴「今ここでやらなくちゃ! 絶対に後悔しますよ! 蒼龍さん!!!」
蒼龍「……ううううううう~~……本当にそれで提督を落とせる?」
瑞鶴「五航戦嘘付かない」
蒼龍「……わかったよぉ。ちょっと恥ずかしいけど……頑張ってみる」
瑞鶴「蒼龍さん……!」
蒼龍「それにしても……意外だなぁ……瑞鶴が私の事を
ここまで考えてくれてたなんて……なんかありがとね」
蒼龍「瑞鶴にここまで背中押してもらったんだもん、
二航戦蒼龍、必ずや目標を落としてみせます!」
瑞鶴「応援してますよ!」
瑞鶴(なんてったって加賀さんの処女膜が懸かっているんですからね……!!)
実際は加賀の処女膜のことしか頭にない瑞鶴であった。
――――――
―――
―
~艦娘寮/空母部屋~
瑞鶴(あれから時は流れて……)
瑞鶴(蒼龍さんはあの日、ばっちり仕込んでくれただろうか……)
TV『浮上だ。右砲戦用意』
飛龍「51cm砲てwww」
雲龍「最近の戦艦は、とても進んでいるのね」
大鳳「また雲龍さんが間違った知識を蓄えてしまう……」
雲龍「カッコイイ……」
加賀「こんなガラパゴスの極みみたいな艦は認められませんね」
赤城「うちの国って昔からこういう所あるから」
加賀「ま、でなければ航空戦艦なんて代物は作らないか……」
加賀「あれこれ積むより一つの機能に特化していた方が潔くて美しいわ」
加賀「そう、赤城さん……あなたのようにね」
赤城「あらやだ、加賀さんったら」
瑞鶴(少しずつ、だけど確かに未来は変わっている気がする……)
瑞鶴(きっと加賀さんの処女膜の運命も変えられたはず……!)
蒼龍「みんなおっそよ~!」
翔鶴「お疲れ様です」
飛龍「蒼龍、今まで何処行ってたのよ」
加賀「……蒼龍、最近あなた訓練に身が入っていないように見えるのだけれど?」
蒼龍「あ、あはは~ちょっと色々あって~……」
加賀「色々とは何か。納得の行く説明をしなさい」
蒼龍「それはそのーえっとぉ……」
飛龍「なーに蒼龍歯切れ悪いわね。もっとはっきりしなさいはっきりとっ!」
蒼龍「実は……」
蒼龍「実はこの度、私……提督とケッコンすることになりまして……あはは」
瑞鶴「!!」
飛龍「は?」
翔鶴「へ?」
大鳳「えええ!?」
赤城「まぁ!」
加賀「……」
雲龍「ケッコン……夫婦になるの?」
蒼龍「えっとまぁ……そうなりますね、ハハ……」
飛龍「よ……」
飛龍「よかったじゃーーーん!! 蒼龍ったらちゃっかりしてるじゃんこのこの!」バシバシ
蒼龍「ちょ、飛龍痛いってば。九九艦爆が……」
飛龍「この九九艦爆で誘惑したのか! ほらほら!」
大鳳「あの! おめでとうございます!」
赤城「よかったわね」
加賀「ふぅ、最近上の空だったのはそういうこと……」
蒼龍「あはは、面目ない」
加賀「……ふ」
加賀「何はともあれ、おめでとうと言っておきましょうか、蒼龍」
蒼龍「加賀さん……」
蒼龍「瑞鶴もありがとうね。あなたのおかげで私、勇気が出せた」
飛龍「何々いつの間に二人そんな仲になってたの?」
瑞鶴「……」
瑞鶴(くっ……だめだ、まだ笑うな……しかし……)
瑞鶴(しかしこれで、加賀さんの処女は……!)
赤城「……丁度良い機会だし、私達も報告しておきましょうか? 加賀さん」
加賀「……そうね。赤城さんが良いのなら」
雲龍「? どうかしたの、二人共……」
赤城「蒼龍のビックニュースにつづいて私達からもお知らせしたいことがあります」
飛龍「へ? なになに!?」
大鳳「なんだか今日は沢山発表があるわね……」
加賀「この度、一航戦加賀と」
赤城「一航戦赤城は」
赤城・加賀「「ケッコンすることになりました」」
空母一同「……」
「「ええええええええええええ!?」」
瑞鶴「……」
瑞鶴「うそやん……」
大鳳「あの、お二人は女性同士では……」
加賀「一航戦にかかればそれは些細な問題です」
赤城「愛し合っている二人の間に性別は関係ありません」
加賀「この鎮守府はレズに寛容ですし」
飛龍「え、なにそれ初めて知った」
翔鶴「まぁ、同性愛者なのかなぁという雰囲気を醸している方は何人か
いますけど……」
蒼龍「ていうか衝撃的すぎて私のケッコン報告が吹っ飛んじゃったよ!!」
瑞鶴「くっ……そうだった……」
瑞鶴(元々加賀さんは赤城さんにべったりなところがあった……提督さんと
くっつかなければ赤城さんとくっつくというのは予想できた展開なのに……くそっ)
瑞鶴(でもまだ! まだロストバージンはしてないはず……!)
雲龍「ちょっと待って。おかしいわ。女性同士じゃ、性交できないわ」
大鳳「ちょ、雲龍! せせせせいこ……だなんて何言ってるの!!」
雲龍「? だって、そうでしょう? 入れるものがないのに」
蒼龍「正直ちょっときになるかもーなんて……」
飛龍「蒼龍はスケベだもんねー」
蒼龍「飛龍うるさい!」
加賀「それについては……」
赤城「大丈夫よ。道具とかあるしね」
瑞鶴「!!!」
翔鶴「赤城先輩!?」
蒼龍「ど、道具って……!」
赤城「んー、双頭デ◯ルドとか……」
加賀「あ、赤城さん////」
翔鶴「ちょ、ちょっと私達にはシゲキが強すぎるわね~瑞鶴?」
瑞鶴「あ……」
瑞鶴「あああああああああああああああああああああ!!!」
翔鶴「ず、瑞鶴!?」
ドアバタン!
瑞鶴「ああああああああああああああああああああああ!!!」
夕張「うわ、何かめっちゃどえらい形相のが近づいてくる!!」
瑞鶴「ああああああああああああああああああああああ!!!」
[――明石の工廠――]
瑞鶴「ああああああああああああああああああああああ!!!」
明石「ちょ、なんなんですかいきなり入ってきて!?」
瑞鶴「とべよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
( ^) だから♪
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三 \ \ V / ( )ヽ 三
三 \ \ | / / / 三
三 ( ^o) \ V // / / 三 線をー♪
三/( ) \ V / (o^/ 三
三 ヽヽ \ | /( / 三
..三/( ) \ V / (o^ ) 三 越ーえてー♪
三 ヽヽ^o) \ V / ( )ヽ 三
三 \ )\ | (o^/ / / 三
加賀の処女膜を守るべく、過去へのタイムリープを繰り返す瑞鶴。
その先にあるのは希望か、絶望か。
これも、シュタインズ・処女膜の選択だというのか……!?
今日はここまで。忙しくて途中までしか書けなかったでち。
小ネタ
吹雪「アニメED"吹雪"のCDはもう買いましたか! 司令官!」
~あらすじ~
2月18日にアニメ艦これのOPテーマ「海色」と
EDテーマ「吹雪」が発売したのである。
『光る磯波越え 叢雲の空まぶしー♪』
吹雪「あぁー、何回聞いてもやっぱり名曲だなぁ『吹雪』。惚れ惚れするよぉ」
吹雪「歌詞も曲も良いよね。艦これの世界観にマッチしてるし何より吹雪型の
艦名を歌詞に盛り込んでるのがいい……神曲! 神曲です!」
吹雪「……」
吹雪「CDもう一枚買っとこうかな~……」ニヘヘ
白雪「……」
吹雪「!? 白雪ちゃん!?」
吹雪「いいつからそこに!?」
白雪「相変わらず何の意外性もない平凡なリアクションだね吹雪ちゃん。
それでよくアニメの主人公が務まるね……」
白雪「いや、無個性故の主人公……? 没個性系主人公か……」
白雪「吹雪ちゃん、次回から目元隠してアニメ出て」
吹雪「初っ端からえぐり込むような雑言の連打!!!」
白雪「というか、いくら自分の名前が使われてるからって同じCDを何枚も買うのはさすがに
引きます。ドン引きです吹雪ちゃん」
吹雪「ほほほほっといてよ! これは保存用とか布教用とかそういうのだもん!」
白雪「重ね重ね平凡なリアクションだなぁ……平凡極まってるなぁ」
吹雪「もうどうしろっていうの!」
白雪「まぁそこが吹雪ちゃんの良さでもありますから……」
吹雪「意味分かんないよ……」
白雪「青い果実ってのは美味しく見えるものなんだよ吹雪ちゃん◆」ズキューン
吹雪「……それはそうと白雪ちゃんは『吹雪』のCD買ってくれた?」
吹雪「同じ吹雪型だしもちろん買ってるよね!」
白雪「へ?」
吹雪「えっ」
吹雪「……えっと、まさか買ってないの!?」
白雪「何その買ってるのが当たり前みたいなリアクション……こわ……」
吹雪「なんで買わないの!? あんなにいい曲なのにぃ~~!」
白雪「まぁ確かにいい曲だとは思うよ。でも……」
白雪「ジャケットの吹雪ちゃんのしたり顔見てると、なんか腹立つから……」
吹雪「そんな理由で買ってないの!? 何気に酷いこと言ってるし!」
白雪「どうせ撮影の時カメラマンに『もっと主人公っぽい表情して!』とか
言われたんでしょ。素の主人公力低いから。ふふ、無理しちゃって」
吹雪「主人公力低くないよ! 寧ろにじみ出てるよ!」
白雪「モブ感が?」
吹雪「いい加減怒るよ! 白雪ちゃん!」
吹雪「とにかく! せっかく私達吹雪型の事を歌ってくれてる曲なんだし、
白雪ちゃんも買わないとダメだよ!」
白雪「仕方ありませんね……」
~とら◯あな~
白雪「という訳で吹雪ちゃんのCDを買いにアナ虎までやって来ました」
吹雪「そのアナ雪みたいな略し方やめない?」
白雪「因みに私、以前財布落としたことあるんですが」
白雪「その際にポイントカード群も色々紛失してしまって……
アナ虎のポイントカードもあったんですが……」
白雪「結構ポイント貯まってたんですけど、アナ虎ときたらポイントカード紛失した
と申し出ても、再発行してくれないどころかポイントも戻ってこないわで……」
白雪「ホント何がとら◯あなだよ。クソアナルだよ、クソアナルでいいよこんな所」
吹雪「酷い言いがかりだ……」
白雪「因みにゲ◯ズは再発行してくれてポイントまで戻ってきました。
やっぱりゲ◯ズって神だわ」
吹雪「財布落とすほうが悪いとおもうよ! よ!」
吹雪「……ていうか、そんなに嫌ってるのになんでとら◯あなに来たの?
ゲ◯ズでいいじゃない」
白雪「え、だって……」
白雪「アナ虎がポイントカードのポイント一番たまってるし……」
吹雪(えぇー……!? 酷い矛盾だよ……)
吹雪「なんだかんだでとら◯あな好きなんだね、白雪ちゃん」
白雪「だれがこんなケツゆるガバガバのアナなんて好きなものですか。ファックですよ」
吹雪「もうその呼称原型留めてないよね!?」
白雪「まぁいいです。とりあえず目的のCDを買いましょう」
吹雪「そうだよ! CD! CDです!」
白雪「えっとどこだろCD……吹雪ちゃんってパンツ出してないと
存在感皆無だから……」
吹雪「何言ってるの白雪ちゃん!?」
白雪「寧ろなんでCDジャケットでパンツ出してないの吹雪ちゃん。
絶好のパンツチャンスだったでしょう?」
吹雪「わ、私別にパンツで売ってるわけじゃないし! それに
カッコイイ曲なんだから、私もちゃんとした格好しないとって思って……」
白雪「理解に苦しみますね。パンツのない吹雪ちゃんなんてバカボンのパパがいない
天才バカボンみたいなものだよ……」
吹雪「タイトルに名前使われてるのに確かにバカボンだけじゃ絶対に話回せないよね……」
白雪「あいつ何も考えてないからなぁ」
白雪「……ていうかバカボンのパパの本名ってなんなんでしょうね……」
吹雪「もう! バカボンの話はどうでもいいよ! CDだよCD!」
白雪「吹雪ちゃんがパンツ出してくれてたらすぐ見つかったのに……」
吹雪「あっ、ほら! これ! あったよ!」っ[CD]
白雪「ジャケットに写ってるこの美少女は誰だよ(笑)」
そんな訳で白雪はアニメEDのCDをレジに持っていくのであった。
―レジ―
鈴谷「しゃっせー」
白雪「……射精?」
吹雪「白雪ちゃん!?」
白雪「今この店員さん射精って言わなかった……?」
吹雪「言ってない! 言ってないです!」
鈴谷「お次のお客様どうぞー」
白雪「あ、はい」
白雪「こちらで」
鈴谷「はい。えっとぉ……艦これのEDテーマのCD『吹雪』がお一つと」
鈴谷「吹雪ちゃんのどエロな薄い本がお一つでよろしいですか~?」
白雪「はい」
吹雪「ちょちょちょちょちょっと待って! ////」
吹雪「白雪ちゃん何買ってるの!?」
白雪「何って……」
白雪「吹雪ちゃんの痴態を余すことなく描き込んだ、吹雪ちゃんがぐちょぐちょに
犯されてる本だよ。因みにレズものです」
吹雪「なんでそんなの買ってるの!? ////」
白雪「えっ、順番待ちしてる時に目に入ったから……」
吹雪「や、やめてよ! そんなの買わないでよ!」
吹雪「ていうかCDと一緒に買うのやめてよ! CDのジャケットの隣で
半裸の私が恍惚の表情を浮かべてる光景なんて見たくないよ!」
白雪「寧ろ即落ちみたいで興奮します……CDのジャケットを飾ったあの子が
こんなあられもない姿に的な」
吹雪「知らないよ! 本人の前でこういうことする神経が信じられないよ!」
白雪「こういうプレイだから」
吹雪「そういうプレイに参加した覚えはないです!」
白雪「……あのさぁ、吹雪ちゃんさっきからなんなの?」
吹雪「えっ?」
白雪「私がいくら吹雪ちゃんで性欲を満たそうが私の自由じゃないんですか。
それを妨げる権利なんて吹雪ちゃんにはないんじゃないですか」
吹雪「えっそれはどういう……」
白雪「吹雪ちゃんにその権利があるんですか? 何の権限があって
吹雪ちゃんはそんなことを言ってくるんですか?」
吹雪「いや、その……」
白雪「権限もないのに人の性欲を妨げるなんて、許されることではないよ
吹雪ちゃん……この落とし前はどう取ってくれるの?」
吹雪「あぅ……」
白雪「えぇ? どうするの? ここは体で払うのが礼儀ってものじゃないの?
ほら、この薄い本みたいな事しなきゃ? ほらほらほら」
吹雪「ページ開かないで! み、見せてこないで! 私の18禁!」
白雪「オラァ! もっと見ろ! 隅々まで! 己の痴態をその目に焼き付けろ!
これなんて見ろよすげえ繋がってんじゃん! レズサークルじゃねーかおい!
ほらほらどうだ? 興奮してきただろ~?」
鈴谷「……」
鈴谷「早く会計して欲しいんだけどー……」
その後、白雪と吹雪は出禁になった。
!いましお
てーとく、本編書く暇なかったから急ごしらえの小ネタで今週は勘弁してくだち
__
,ィfア´  ̄`ヾ
, / }}
〃 j!
/' ..-‐.:.:.:⌒:.:.:.:.ー-..
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
,.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ:.:.:.:.:.:.:.
/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.
′.:.:/.:.///.:.:.:.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.O.:.:.:..
'.:.:.:./.:.///{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.!:.:{}{}:.:.:.:.
/.:.:}.:.:.:.:i//ili∨!.:.:.:.:iレilili\}:.:{}{}:.:.:.:ハ
∠.:.ィ.:.∨.:{' ,zzzz、、:.:.:{,zzzz、}.:.:.:.}:.:.:ゝ:.\
\{\{《 廴ノlilil\{ 廴ノ,》.:.:.リ}:.:.{  ̄ もしかして今週も投下なしなのかい……?
|:.:.:.{  ̄´ ̄ ̄` ̄/}.:.:/./.ハ 君には失望したよ……
|:.:.:.ト 、っ /レ.:./.:.:.:ノ
Ⅷ:.{ >r- <{/ヽ.:.:.:./}
Ⅶi{>'. : {' __ / (;.:.:.:.:ィへ、
Ⅵ`. {‐-‐/ (.:__.:.ノ ハ
/i\ {i:i:/ ∠/i:}_} /i:ハ
,.:i:i:i|┃.-‐━{/ /.:.:.:.:.:.:} ,.i:i:八
__{i:i:i:i:!_.。s≦フ七{ィァ'.:.:ノ _/i:i:i:i:i/__
今週からは書く余裕できるはずでち(3度目の正直)
再開ッ!!!! 圧倒的再開!!!!!
――前回までのあらすじ。
加賀「実は私この度、提督とケッコンすることになりまして……」
加賀「ヤりました」
瑞鶴「おえええええええええええええ」ゲロゲロゲロ
提督とケッコンして処女膜を喪失した加賀さんの運命を変えるべく、
明石の開発したタイムマシンで過去へと戻り歴史を改変した瑞鶴。
蒼龍を焚きつけ提督とくっつける事により
加賀さんの処女膜の運命は変わったかのように思われた。
だがしかし――。
赤城・加賀「ケッコンすることになりました」
赤城「双頭ディルド」
瑞鶴「おええええええええええええええ」ゲロロロロン
提督とケッコンするという運命を変えても依然、加賀さんの処女膜喪失という
結果は変わらず……瑞鶴は再びタイムマシンで過去へと飛ぶ。
瑞鶴「とべよおおおおおおおおおおおおおお!!!」
果たして瑞鶴は歴史を変えることができるのか? 加賀さんの処女膜の行方は……?
朝潮「ちゅんちゅん! 過去です!」
朝潮「私は繰り返す。何度でも繰り返す……」
朝潮「因みに私は朝潮型一番艦、朝潮です!!!!!」
――――――
―――
―
~鎮守府/港~
赤城「……そろそろ皆集まったかしら?」
秋月「はい! この秋月、艦隊の皆さんをお守りいたします!!」
舞風「赤城さんと一緒に出撃できてうれしいなぁ~、野分もそう思うでしょ?」
野分「舞風、あんまりはしゃぎすぎて赤城さんに迷惑かけちゃダメだよ」
舞風「わかってるってば~! くるくる~っとね!」
野分「ほんとにわかってるのかなぁ……」
天龍「おらおらチビども、あんまり浮かれんなよ。出撃する以上、いつ深海棲艦と
遭遇してもおかしくねぇんだ。新米だろうが熟練だろうが関係ねえ。俺だって
赤城さんだって絶対に沈まねぇっていう確証はねぇんだ。俺がいいたいのは
常に沈むかもしれねえって緊張感を持ってだなぁ……」
舞風「赤城さん、沈んじゃう……?」
舞風「やだやだ! そんなの嫌だよぉ……」ウルウル
天龍「えっ」
舞風「もう、赤城さんが目の前で沈むところなんて見たくない……見たくないよぉ」ボロボロ
天龍「お、おい! 何も泣くこたぁ……」
野分「……天龍さん。舞風のトラウマをえぐって泣かせましたね?」
天龍「あ、いやその」
野分「……舞風の笑顔を曇らせるのなら、たとえ先輩だとしても容赦はしない……」ゴゴゴゴ
天龍「フフ……恐い……」
秋月「ど、どうしよう長10cm砲ちゃん! このままじゃ……」
赤城「大丈夫よ」ヌッ
秋月「赤城さん!」
ここで先輩風を吹かせた赤城が颯爽と一触即発の現場に介入する。
赤城「舞風さん」
舞風「あ、あかぎさ」
ぎゅっ
舞風「!」
そして赤城はそっと舞風を抱きしめると、耳元でこう囁くのだ。
赤城「舞風ちゃん。私は絶対にいなくなったりなんかしませんよ。約束します」
舞風「……うん」
舞風「うん……うん……!」ポロポロ
天龍「……なんかこれ最近アニメで見たぞ。吹雪のパク……」
加賀「パクリじゃありません」
天龍「あっ、加賀さん! いつのまに……」
加賀「そもそもパクリとかどうとかは問題じゃありません。事が丸く収まったのなら、
それで良いのではなくて?」
天龍「でも後輩の」
加賀「シャラップ! アニメにすら出てない輩がごちゃごちゃと!
そんなんだからアニメに出られないのよあなたは……」
天龍「フフ……やめろ……その言葉は俺に効く……」
舞風「うう……ぐすっ」ジュルジュル
野分「ほら舞風。鼻水出てるよ、チリ紙で鼻ちーんして」
舞風「ズビーッ!」
赤城「あらあら……」
加賀「赤城さん。遅れてしまってすみません」
赤城「まだ予定時刻は過ぎてませんから問題はありませんよ、加賀さん」
加賀「予定が少しでも狂えば作戦に支障が出ます。余裕を持って早めに行動するのは
当然のこと。それができていない私はまだまだ未熟ね」
赤城「そんなに肩肘張らなくても……今日の出撃はそれほど難しい海域じゃないですし」
天龍「んなこと言っても慢心は禁物だぜ赤城さん。アニメみたいな事になるかも
しれないしよ~」
加賀「アニメはアニメです。現実との区別もついていないのかしらあなたは」
加賀「だからそんな眼帯なんてして……中二病真っ盛りなの? 馬鹿なの? あなたもいい歳でしょう」
加賀「そんなんだからアニメに名前だけしかでてこないのね」
天龍「なんか加賀さん俺にめっっちゃ辛辣じゃない? ぶっちゃけ吐きそう」
赤城「加賀さん、あまり天龍をいじめてはいけませんよ」
加賀「本人がいじってくれオーラをまき散らしているのでついつい……」
天龍「そんなオーラ出てる俺?!」
加賀「そもそも存在自体がいじりどころ満載なのだけど」
天龍「ちくしょう……」
加賀「……それはそうと、そろそろ出撃の時間ね。全艦出撃の準備を……」
瑞鶴「ちょっと待った!!!」
加賀「……この声は、五航戦!」
瑞鶴「急だけど伝令よ。今日の出撃の編成、一部変更になったわ」
加賀「……随分と急ね」
赤城「それで、変更後の編成は」
瑞鶴「あー、赤城さんは翔鶴姉と交代」
加賀「!?」
赤城「翔鶴ちゃんと?」
瑞鶴「はい。赤城さんは私と一緒に出撃してもらいます」
加賀「なっ……」
加賀「……いったいどういう風の吹き回し?」
瑞鶴「? どうしたんですか~加賀先輩~?」
加賀「なぜ一航戦の私達を一緒に運用しないの? 一航戦と五航戦を混ぜるよりも
一航戦で統一していたほうが、艦隊の動きも安定します」
瑞鶴「まぁ同型艦ならその理屈は通用するけどあいにく一航戦の二人はそれぞれ
赤城型と加賀型の空母! 無理に一緒に運用する必要性はないんじゃない?」
加賀「でも今までそうしていたし……それなのにどうして突然……」
瑞鶴「提督さんのご意思よ。きっと何か考えがあってのことなんでしょう?」
加賀「……そう。提督がいうのであれば……」
瑞鶴(やべぇこのフレーズ便利すぎるずい……)
瑞鶴(本当は私が提督さんにごねて無理やり編成変えてもらっただけずいww)
赤城「きっとこれからは一航戦だけではなく、五航戦とも連携を強化していく
必要があると、提督はお考えなのでしょう」
加賀「そうね。……仕方ないけれど、たまには五航戦の子とも組んであげましょうか」
赤城「あんまり翔鶴ちゃんのことをいじめちゃダメよ加賀さん」
加賀「善処します」キリッ
赤城「うわぁこれ絶対わかってない顔だ」
瑞鶴(よし! これで……赤城さんを加賀さんから引き離したずい!)
瑞鶴(赤城さんは要注意人物……私がこれから徹底的にマークしてやるずい!)
こうして、瑞鶴の赤城を加賀さんから遠ざける日々が始まった。
赤城「艦隊帰投ね。さて、お腹が空きましたね」
加賀「赤城さん。丁度良かった……私と食堂に……」
瑞鶴「赤城さん!!!! 今日は私と一緒にお昼しませんか!!!!!」
赤城「あら、瑞鶴ちゃん。珍しいわね」
加賀「五航戦……赤城さんは私と……!」
瑞鶴「ちょうどここに(幸運艦補正で当てた)間宮の引換券があるんですよ!
一緒に食べに行きましょうよ!」
赤城「まぁ、間宮ですって!? それは……行くしかありませんね!」
加賀「赤城さぁん……」ガーン
瑞鶴(加賀さんごめんずい……でもこれも全てあなたの為なんです! わかってほしいずい!)
加賀「……」ショボーン
翔鶴「あれ? 先輩一体どうし……」
加賀「……」
ガシッ
翔鶴「!? 先輩!? いきなり肩を掴まれては……」
加賀「ちょっと付き合いなさい翔鶴」
翔鶴「えっ? えええ!?」
瑞鶴は来る日も来る日も赤加賀の間に割って入っては二人を遠ざけた。
加賀「負傷してしまいましたね。長いお風呂になりそうです」
赤城「でもたまにはこういうのもいいと思います。久しぶりに加賀さんと
二人っきりになれt」
瑞鶴「そぉい!」
バッシャーン
加賀「赤城さん!?」
赤城「これは……高速修復剤?」
瑞鶴「今はバケツにも余裕があるから使わせていただきました」
赤城「たまにはゆっくりとお風呂に浸かるのも悪く無いと思っていたけれど……」
加賀「五航戦……余計なことを……ッ!」
加賀「というか、私のバケツは?」
瑞鶴「……」
瑞鶴「一つしか持ってこなかったずい」
加賀「じゃあ今すぐ持って来なさい」
瑞鶴「加賀さんはこの所烈風改運搬係として出ずっぱりだし、今日のところは
ゆっくりと休むといいずい」
加賀「は?」
瑞鶴「それじゃあいきましょうか赤城さん」
赤城「そうね。加賀さん、今日はゆっくりと休んでね」
加賀「赤城さん! ちょっと待……」
瑞鶴「そーそー! この前提督さんからMVPのご褒美に間宮の新作スイーツを
もらったんですけど! 赤城さんも一緒に食べませんか?」
赤城「新作スイーツ!? それは……行くしかありませんね!」
ガラガラピシャアァン!
加賀「赤城さぁん……」
加賀「……」
加賀「おのれ五航戦のズイズイうるさい方……!」
ガラガラ
翔鶴「いたた……今日もたくさん被弾しちゃった……って先輩?
入渠していらしてたんですか」
加賀「……あ、五航戦の幸薄い方」
翔鶴「間違っていないから反論できない!」
加賀「……あなたはいつもボロボロね……鍛錬が足りていないのではなくて?」
翔鶴「面目ない……でも」
翔鶴「誰かが受けるはずだった傷を代わりに自分が受けたのかなーなんて考えたら……
これでよかったのかなって気も少し、したりして……」
加賀「……」
加賀(馬鹿な子)
翔鶴「うへへ……」
加賀「ていっ」ミズデッポウ
翔鶴「あが!? 目に! 目にお湯が!!」
翔鶴「薬湯だからすごく痛い! しみる!」
加賀「やりました」
瑞鶴は尽力した。それも全ては加賀の為。
赤城「ふわぁ……今日も一日ご苦労様。おやすみなさい」
瑞鶴「おやすみなさい」
加賀「何故あなたが赤城さんの布団の中にいるの!」
そう、加賀を守る為なのだ。
赤城「うー、トイレトイレ……」
瑞鶴「……」
赤城「さ、さすがにトイレにまでついてくるのはどうかと思いますよ私!」
瑞鶴(全ては……)
瑞鶴(加賀さんの処女膜を守るためずい!!!!!!)
意思はどこまでも曇りなく真っ直ぐだが、動機が不純極まりなかった。
そしてそんな日々がしばらく続いたある日……。
~艦娘寮/空母部屋~
TV『本日天気晴朗ナレドモ浪高シ』
加賀「時には昔の海戦に目を向ける事も大切です」
大鳳「日本海海戦はまさに歴史を変える戦いでしたね」
赤城「このドラマのお陰で東郷元帥だけではなく秋山参謀の活躍も広く知られるように
なったわね。彼はとても有能な軍人でした。日本海海戦における画期的な戦略の数々、
彼なくしてはなし得なかったものでしょう」
飛龍「……まぁ多聞丸には負けるけどね」
蒼龍「また始まった……」
雲龍「何故艦載機を飛ばさないの?」
蒼龍「まだこの頃に空母はないから!」
赤城「不思議なものですね。空母がその体系を確立したのが1920年台以降。
まだ100年も経っていないんですよ」
飛龍「鳳翔さんの竣工がその辺りだからねぇ」
赤城「随分昔のことのように感じるけれど、まだまだ私達も新人ということです。
これからも慢心することなく精進しなくては」
飛龍「大鳳も魚雷一本で沈まないように頑張んなさいよっ!」
大鳳「もう! 今度は魚雷一本で沈んだりしないんだから!」
雲龍「そういえば、なぜ大鳳は魚雷一本で沈んだの?」
大鳳「え? それはその……」
飛龍「ケツが緩かったんじゃない?」
蒼龍「その理屈でいくと長門くんも魚雷一本で沈むことになるんですが」
雲龍「天城はどう思う?」
天城「_(:3」∠)_」スヤァ…
瑞鶴「……」
瑞鶴(よし、よしよしよし……)
瑞鶴(今日の今日まで赤城さんを加賀さんから遠ざけてきた……二人の関係が
進展する可能性は尽く排斥してきた!)
瑞鶴(これで今度こそ加賀さんの処女は……!)
翔鶴「ふぅ~、スッキリしました」
瑞鶴「あ、翔鶴姉。お風呂あがり?」
翔鶴「今日もたくさん被弾しちゃって……」
加賀「全く、ホントあなたはよく被弾するわね。この被害担当艦」
瑞鶴「む、ちょっと加賀さん! そんな言い方……」
翔鶴「でも……」
翔鶴「でも、それで先輩の事を守れるなら……本望です」
加賀「な、何をバカなことを言っているの! 全くこの子は……」
翔鶴「ふふ……先輩、隣いいですか?」
加賀「好きになさい」
瑞鶴(……ん?)
加賀「翔鶴。私は、あなたばかり被弾する事をあまり快く思ってはいません」
加賀「もっと自分のことを大事になさい」
瑞鶴(あれ? なんだ……この感じ……)
翔鶴「ふふ、心配してくれるのですか?
私のことを心配してくださるなんて、先輩はやっぱり優しいですね」
加賀「心配ではなく忠告よ。先輩としてのね」
翔鶴「……そうやって素直じゃないところも可愛いですよ?」
加賀「かか、かわっ……」
加賀「年上をからかわないで」
翔鶴「からかってなんか、いないですよ?」
翔鶴「先輩は……いや、加賀さんは可愛いですよ?」
加賀「~~~~~っ!?」
瑞鶴(まてまてまてまて)
瑞鶴(何ずい? 翔鶴姉そんなキャラだったずい!?)
瑞鶴(ていうかこれなんか嫌な予感が……)
蒼龍「何々ー? なんか最近加賀さんと翔鶴仲良いよねー」
大鳳「なんだかこの所いつも一緒にいるような気がするわね。
以前は赤城先輩と一緒のことが多かったけれど……」
飛龍「おっ、まさかまさかのアレですかい? ラブですかい?」
翔鶴「い、いやそんなことは~。ただの仲の良い先輩後輩ですよ?」
加賀「……!」
加賀「……そう、なるほどね」
加賀「ベットで一夜を共にしておきながらあなたは、先輩後輩としか思っていないのね」
翔鶴「」
大鳳「えっ」
蒼龍「へ?」
飛龍「んん?」
赤城「これはこれは……」
雲龍「どういうこと?」
天城「_(:3」∠)_」スヤァ…
瑞鶴「えっと……今のは何かの聞き間違い?」
翔鶴「そ、そうよ瑞鶴! 今のは何かの……」
加賀「聞き間違いではないわ。私はそこのエロ下着空母と一夜を共にしました」ババン
瑞鶴「えんだああああああああああああいやああああああああああああ!!!!!」
瑞鶴「なんでや……」
翔鶴「あの……先輩もしかして怒ってます?」
加賀「怒ってませんが」イライラ
翔鶴「怒ってるじゃないですか……」
瑞鶴「あのー、ちょっと事態が飲み込めないんですけど……」
翔鶴「……はぁ、いずれわかることか……」
翔鶴「ごめんなさい。さっきのは嘘。私、実は……」
翔鶴「加賀さんとお付き合いさせてもらっています」
飛龍「あー……なんかそんな気はしてた」
雲龍「二人はレズなの?」
蒼龍「ド直球すぎる!」
瑞鶴「は、はは……」
瑞鶴「そう、これはきっと大本営の罠……」
飛龍「何にしてもめでたいじゃない! うんうん!」
大鳳「同性愛はいけませんよ! 非生産的な!」キリリッ
赤城「二人がそんな仲になっていたなんて……知りませんでした」
翔鶴「……私もこんなことになるとは思ってもいませんでした。ですけど……」
翔鶴「いつからか一緒にいる時間が増えて……間近で彼女のこと見て……
気がつけば惹かれていたというか……」
翔鶴「かつては凛々しく隙のないとてもお強い空母の先輩、そういうイメージでしたが……
本当は繊細で誰より悩み、怒り、悲しみ……そして、熱い闘志を宿した方だと知りました」
翔鶴「故に危ういところもある。だから私は守ってあげたいと思った!
この人を支えたいと心から思えた……そういうかけがえのない人なんです、加賀さんは」
加賀「い、いきなり何を言い出すの! やめなさい…… ////」
飛龍「ひゅーひゅーお熱いねぇ!」
瑞鶴(……なんてことだ)
瑞鶴(これはもしかして、私のせいなの?)
瑞鶴(私は赤城さんに固執するあまり……翔鶴姉と加賀さんの接近に気がつけてなかった)
瑞鶴(ぐぅ……だとしたらこれは完全に私のミスだ。まさか翔鶴姉に加賀さんの
処女膜を奪われるとは……)
瑞鶴(お、おちつけ瑞鶴……この世界線の加賀さんは非処女になってしまったけど、
タイムマシンを使えばまだ……)
瑞鶴(それにしても翔鶴姉……姉の分際で私の加賀さんの処女膜を奪い取るなんて
……なんて卑しいずい……紐パンなんか履いてるど淫乱な姉を野放しにしておくべきでは
なかった……)
瑞鶴「……次は絶対に守ってみせる……!!」
――――――
―――
―
朝潮「ちゅんちゅん! またしても過去です!」
朝潮「この闘いに、正義は無い。……あるのは、純粋な願いのみだ」
朝潮「そして私は朝潮型駆逐艦一番艦・朝潮です!」
~空母寮/五航戦部屋~
瑞鶴「……」
翔鶴「あら、どうしたの瑞鶴。そんなに神妙な顔して」
翔鶴「わかったわ! きっと提督にあげるチョコの事で悩んでるのね。
なんといっても今日は……」
瑞鶴「バレンタインでしょ。知ってる」
翔鶴「そうそうバレンタイン!」
瑞鶴「翔鶴姉は誰にチョコをあげるの?」
翔鶴「そうねぇ、まずは提督と、空母護衛部隊の駆逐艦のみんなに、あとは赤城先輩と
加賀先p……」
瑞鶴「加賀さんは甘いもの嫌いだって言ってたなぁ!!!」バンッ
翔鶴「え、そ、そうなの? 瑞鶴?」
瑞鶴「そうだよ。加賀さんはチョコとか嫌いだからあげない方がいいよ」
翔鶴「そう……でも加賀先輩にだけ何もお渡ししないというのも悪いし……」
瑞鶴「……」
瑞鶴「私もチョコ買いに行こうと思ってたし、せっかくだから加賀さんの好きなお菓子
ついでに買ってこようか?」
翔鶴「あら、いいの? 瑞鶴」
瑞鶴「いいよついでだしね」
翔鶴「じゃあ悪いけれど、お願いできるかしら……?」
瑞鶴「……ずいぃ」
~数刻後~
翔鶴「赤城先輩! 加賀先輩!」
瑞鶴「ずいぃ~」
赤城「あら、どうしたの二人共」
翔鶴「あの、今日バレンタインですよね?」
加賀「世間ではそんな浮ついたイベントで盛り上がっているようね」
翔鶴「いつも先輩方にはお世話になっていますから。はいこれ!」
赤城「まぁ、これは美味しそうなチョコ! ありがとうございますね!」ゴックン
翔鶴「ごっくんって……もうお召し上がりになったのですか……」
赤城「折角頂いたんですから、美味しい内に食べないと……」
加賀「……ところで翔鶴」
翔鶴「はい?」
加賀「なんで赤城さんはチョコで……」
加賀「私には『タラタラしてんじゃねーよ』なのかしら」
翔鶴「えっ」
利根「ご存知のこととは思うが『タラタラしてんじゃねーよ』というのは駄菓子の名前じゃぞ。
お主らも子供の頃世話になったことであろう。しかし、どうしてこのような名前なのじゃろうか?」
翔鶴「……ん? あれ? 瑞鶴?」
瑞鶴「ずいぃ~」
加賀「これは何? 遠回しに『いつもクソおせえんだよこの鈍足空母が!』とでも
言いたいのかしら?」
加賀「まぁ? あなたは最新鋭の空母? ですし? 私は所詮戦艦から
改装した欠陥空母ですから? 遅いのはしかたないですけど?」
翔鶴「いや、そういう意味じゃ……というかこれ瑞……」
加賀「言い訳なんか聞きたくないわ。少しお灸をすえる必要があるみたいね」スチャ
翔鶴「あ! だめ! 九九艦爆構えるのやめて!」
瑞鶴「フフリ……」
瑞鶴(翔鶴姉には悪いけど、別の世界線で加賀さんの処女を奪っている以上
翔鶴姉のことも警戒しなくちゃいけない……)
瑞鶴(とにかく翔鶴姉は加賀さんから遠ざける。
不安要素は可能な限り取り除く。削って削って……)
瑞鶴(そしてこんどこそ加賀さんの処女を……!!!)
その後、瑞鶴は翔鶴を警戒し恋愛感情が芽生えるチャンスを尽く潰した。
幾重にも幾重にも根気強く、執念深く。
念の為、翔鶴に加賀の下着を盗んだ疑惑をかけさせる徹底ぶりである。
翔鶴「うぅ……最近加賀先輩の私を見る目が零下を下回るほどに冷たい……」
若葉「初霜。そこに例の下着好きな空母がいるな」
初霜「若葉さん! 指差しちゃダメですっ!」
翔鶴「なんで私が下着好きの空母みたいな噂がたっているのかしら……」
若葉「ドスケベな下着を履くだけでは飽きたらず他人の下着にまで手を出すとは」
若葉「ド変態か」
翔鶴「ご、誤解ですぅ! 私他人の下着なんか……!」
若葉「だが紐パンだ。日常的に紐パンを着用している奴が変態でないハズがない」
若葉「そんな変態のいうことなど信用出来ないぞ」
翔鶴「ぐぬぬ……」
初霜(紐パン履くのやめればいいのに……)
瑞鶴(元々翔鶴姉は潜在的に変態な面があったし、この疑惑がそう簡単に
晴れることはない。ごめんね翔鶴姉……だけどこれは前の世界線で加賀さんの処女を
奪った報いなんだよ。加賀さんの処女は、命より重い……っ!)
初霜「えっと……若葉さん、少しいいすぎじゃあ……」
若葉「そんなことはない。もう行くぞ初霜。こんな変態紐パン空母の近くにいたら
初霜の下着も奪われてしまうかもしれない」
翔鶴「ちょっと待って! 私よりもあからさまに紐パンアピールしている
島風さんの方がド変態じゃ!!!」
若葉「……」
初霜「え~っと……」
翔鶴「そうでしょ!? 私よりも強烈なの人がいるのになのになんで私だけ……」
若葉「……」
若葉「あそこまで行くともはや変態を通り越して純粋に見える」
翔鶴「!?」
若葉「奴はきっと純粋すぎてアレが変態の履くものだと理解していないのだろう。
だから奴は臆面もなく晒している」
若葉「しかしお前はなんだ。隠してるじゃないか。その時点でお前はそれを
"変態が履くもの"と認識しているんだ。だからお前はド変態だ」
初霜「若葉さんそれ超理論すぎじゃあ……」
翔鶴「私変態じゃないです!!」
若葉「ならば曝け出せ。隠してるから変態なんだ。変態じゃないというなら
堂々と晒せばいい」
初霜「いや何言ってるのこの子」
翔鶴「……わかりました。私は変態ではないというところをお見せします」
ヌギヌギスパーン!!!
翔鶴「ほら!!!!! これでどうですか!!!!」(パンツ一丁)
青葉「うわあああああああああへんたいだああああああああああ」パシャッパシャッ
翔鶴「えっ」
初霜「あっ(これ詰んだな)」
青葉「早くこの事実を鎮守府中にお知らせしないと!!!!」
翔鶴「ちょ、まっ……写真はやめてええ!!!」
青葉「オサキニシツレイ!」ピューン
初霜「はや……!」
翔鶴「あぁ……!」
若葉「……」
若葉「まぁ、そういうときもある」
翔鶴「完全に疑惑に拍車をかけてるんですけど!!!!」
瑞鶴(ふふふ……ここまでやれば……!)
瑞鶴は最善の力を尽くした。最善の運命をつかみとる幸運艦である瑞鶴が
最善を尽くしたのだから、今度こそきっと大丈夫。大丈夫な……はずだった。
が、しかしだ。だがしかし、である。
瑞鶴「な、なんで……」
加賀「……どうかしら、私の肉じゃがは」
秋月「おいしい! 牛缶よりおいしいです!
こんな美味しい肉じゃが食べたこと無い……!」
加賀「そ、そう……////」
瑞鶴「なんで駆逐艦にデレてんのおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
加賀「そこの五航戦うるさい」
瑞鶴「うっ」
飛龍「ありゃま、加賀さん秋月ちゃんにデレデレだ」
赤城「なんでも加賀さんは秋月さんに何度も敵航空機の攻撃から守ってもらっていたとか。
そこから関係が発展したのではないでしょうか?」
蒼龍「そなんだー」
瑞鶴(そうか……被害担当艦の翔鶴姉がいなくなったから被害が加賀さんにも……
そこに秋月がいれば……)
瑞鶴(確か、秋月も同じ艦隊だったか……迂闊だった。空母にしか目が行っていなかった。
そうだよね、なにもカップリングが同じ艦種だけとは限らないもんね……)
秋月「私牛缶よりも美味しいもの初めて食べました! 加賀さんありがとうございます!」
加賀「それはよかったわ。ほら、もっとたくさん食べなさい」
加賀「たくさん食べないと、夜戦まで体力が持たないわよ」
秋月「秋月は夜戦はあまり得意ではありません! 防空駆逐艦なので!」
瑞鶴(絶対この子字面通りの意味に捉えてるよ!)
瑞鶴(さすがに駆逐艦に手を出すのはまずいですよ加賀さん! くそ……)
瑞鶴「やり直すしか無い……もう一度……!」
そして瑞鶴は、再び繰り返す。
てれれれんれん てん、てん てれれれん てん、てん♪
瑞鶴「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」
見つけてyour Dream♪ 何処へいても~♪
瑞鶴「絶対に加賀さんの処女を! 守ってみせる!!!」
覚えてる~♪
瑞鶴「今度はどうだ!!」
加賀「利根。昨夜のあなたのカタパルト・タートル、とても刺激的だったわ……」
利根「うむ、そうであろう? 筑摩のやつに教わってな!」
瑞鶴「うわああああああああああああああ!!!」
時を超えてKISS KISS KISS♪
真昼の空 月が♪
瑞鶴「くっ……今度こそ!」
大淀「……加賀さん。あなたは私のものです。私の権限でケッコン任務を消しました」
大淀「これで提督にケッコンを申し込まれることもない。あなたは永遠に私のもの」
加賀「この束縛感。嫌いではないわ ////」
瑞鶴「ヤンデレは危険ですよ! 加賀さん!! チクショウ!」
瑞鶴「とべよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
あなたの目をさらう♪
瑞鶴「今度こそ!!」
川内「熟成された軽巡の魅力、たっぷりと教えてあげる。もちろん夜戦でね?」
加賀「ドウゾ、ヨロシクオネガイシマス、センダイ=サン ////」
瑞鶴「加賀さんチョロすぎぃ!!!!!」
ずっと 待ってた この時~♪
瑞鶴「今度k」
168「大丈夫。ヨークタウンが来てもまた私が沈めてあげるから」
加賀「そんなことより今夜も一回戦から四回戦まで魚雷装填してほしいわ ////」
瑞鶴「加賀さんもう誰でもいいんじゃないか!!??」
もう涙 終わらせる夜明けに♪
(てれれてんてんてんっ♪)
まぶた溶ける日差し 遠い明日の記憶♪
瑞鶴「今d」
日向「どうだ? 瑞雲もいいだろう?」
加賀「もっともっと航空甲板に積んで欲しいわ……」
日向「しかしカタパルトがないぞ?」
加賀「……私にこんなことを言わせる気? あなたのカタパルトが欲しいの ////」
日向「まぁ、そうなるな」
瑞鶴「そうなるな、じゃねーよ! お前はモガミンと繋がってろ!!!」
ここに 目覚めの時 降りる~♪
(デレレデレレレレレレ♪)
瑞鶴「k」
オイゲン「あは♪ 加賀って本当に温かいね~、きもちいぃ~」
加賀「私の下の格納庫もとても暖かくてダンケダンケよ…… ////」
瑞鶴「国際化の波がちくしょう!!!」
見つけて your Dream 壊れかけた~♪
時に埋もれた その力に 気づいて♪
瑞鶴「どうせ今回も無理なんだろ!?」
間宮「私は加賀さんにいつまでお味噌汁を作ればいいのかしら?」
加賀「無論、死ぬまで」
瑞鶴「ほらやっぱりな!!!」
見つけて your Dream 何処へいても~♪
瑞鶴「アカン……」
イオナ「ナノマテリアルで感度を通常の十倍まで引き上げることができる」
加賀「あなたの超重力砲で私のユニオンコアにエンゲージして ////」
瑞鶴「原作版のイオナネキはなんかねちっこい責めしそう」
聞こえてる~♪
瑞鶴「奇跡よおこれ!!!」
加賀「なぜだかあなたといるととても落ち着くの。どうしてかしらね?」
空母棲姫「奇遇ネ。ワタシもそうオもう」
瑞鶴「空母おばさん同士だからだよ! チクショウ!」
瑞鶴「とうとう深海棲艦とくっついちゃったよ! もうダメだこれ!!!」
想い 伝い KISS KISS KISS♪
瑞鶴「想い伝わらねぇよ!!!!!!!」
瑞鶴「何度も何度も繰り返した。何度も何度もやり直した」
瑞鶴「だけど……結局は加賀さんの処女喪失という因果に収束してしまう……!」
瑞鶴「私は……加賀さんの処女を守れないの……!?」
瑞鶴「ていうか個人的にこれだけループしても自分が加賀さんとくっつく
世界線がないっていう事実に凹むわ……」
瑞鶴「……」
瑞鶴「加賀さんを守れない世界に価値なんて無い。……もう死のう」
そうして瑞鶴はロープを首に巻きつけると、そのまま首を……。
明石「ってやめてくださいってば! 私の工廠で死のうとするの!!」
瑞鶴「止めないでよ。加賀さんの処女膜がない世界線で生きる意味なんて……」
明石「何言ってんだこの人……」
瑞鶴「わかったわよ。じゃ別のとこで死ぬから……」
明石「あー、ええっと、処女膜一つで命投げ出すなんてバカらしくないですか?」
瑞鶴「だけどそれは私が諦めた全てだ」
明石「重症だこれ……あ、そういえば!」
明石「瑞鶴さん宛にメールが届いていますよ!」
瑞鶴「メール? 私、ケータイ持ってないわよ」
明石「鎮守府の公式アドレスに来てるんですよ、瑞鶴さん宛に」
瑞鶴「どうでもいいよそんなの。どのみち私は……」
明石「まーまー! とりあえず見てってくださいよ。いつまでもこのままに
しておく訳にはいかないし、かと言って勝手に開くのは規則で禁止されてるますし!」
瑞鶴「……はぁ、仕方ないわね。早くしなさいよ」
明石「はいはい、じゃあ早速開きますね、ポチッとな!」
そう言って明石は鎮守府のデータを管理しているパソコンのキーボードを叩き、
瑞鶴宛に来ているというメールを開いた。
ズ……ズズズ……
明石「これは……映像ですか?」
瑞鶴「砂嵐しか映ってないわよ?」
明石「待って! なにか見えてきた!」
??『――初めましてだな、脱処女してない頃の私』
瑞鶴「えっ!? 何!? 私!?」
パソコンのモニター。そこに映っていたのは……他でもない、瑞鶴本人だった。
瑞鶴(未来)『このメールを開いているということは、加賀さんを救えなかったということか……辛かったわね』
瑞鶴「……一体、何なの?」
瑞鶴(未来)『だが、その辛さが私に処女厨特有の執念を与えた。
だから、なかった事にする訳にはいかなかった』
瑞鶴(未来)『いわば、前戯のようなものね』ドヤッ
明石「なんか上手いこと言ったみたいな顔してる!」
瑞鶴(未来)『これでやっと計画の本題に入ることができる……加賀さんを救い、
シュタインズ・処女膜に入る計画だ』
瑞鶴「シュタインズ処女膜……?」
瑞鶴(未来)『だが、加賀さんの処女膜喪失を回避し、過去を改編するのは
アトラクタレズサークルの収束により不可能……そうね?』
明石「アトラクタレズサークルってなんだよ(笑)」
瑞鶴(未来)『――はっきり言おう。加賀さんを救うことは可能だ』
瑞鶴「!!」
瑞鶴(未来)『方法が間違っているだけなのだ……』
瑞鶴(未来)『いいかよく聞け、加賀さんの処女膜喪失をなかった事にしてはいけない。
改変すれば、全ては失われ、加賀さんは提督とケッコンする』
瑞鶴(未来)『お前がMI作戦で経験した事を思いだせ。わずか三週間だったが、
お前には加賀さんと出撃した記憶があるはずだ。加賀さんと共に、ダブルダイソンを
倒すため、多くのダメコンを犠牲にし、ついでに翔鶴姉の評判も犠牲にした経験が
存在しているはずだ』
瑞鶴(未来)『お前の、加賀さんを愛しているという想いを無駄にしてはならない。
なかったコトにしては、いけない……』
瑞鶴「……!」
瑞鶴(未来)『だから……奪え。お前自身の手で』
瑞鶴(未来)『他のレズに奪われる前にお前が加賀さんの処女を奪え。
生娘の加賀さんを犯し、処女膜を破れ』
瑞鶴(未来)『そうすれば全て解決する。お前ならわかるはずだ』
明石「どういうことなの……?」
瑞鶴「……!」
瑞鶴(未来)『因みに加賀さんの下着は普段は白の褌だが……休日街へ外出する時は別の
下着を着用する……その下着、何を履いているか……言うまでもないな?』
瑞鶴「黒の、レース……!」
瑞鶴(未来)『加賀さんがモナピーする周期も、お前ならわかるはずだ』
瑞鶴・瑞鶴(未来)『「特に、週末に集中している!」』
瑞鶴(未来)『そうだろ?』
瑞鶴「ずい……!」
明石「バカじゃねえかこいつら」
瑞鶴(未来)『……これよりオペレーション加賀ックスの概要を説明する。確定した
非処女のまま結果を変えろ。処女を他の連中に奪われる前に、お前が処女を奪え。
処女喪失した加賀さんという事実は変えずに、お前が犯すんだ』
瑞鶴(未来)『それが加賀さんを救う唯一の手段だ』
瑞鶴(未来)『……健闘を祈る。ニイタカヤマノボレ』
プツン!
瑞鶴「……ふふふ」
瑞鶴「フハハハハ!」
瑞鶴「今まで加賀さんの処女膜を守ってきたというのに、加賀さんを犯せだと!?
それではまるでレ◯プ魔じゃないの!!」
明石「いや、紛れも無くレ◯プ魔ですよ」
瑞鶴「いいわ! やってやるわよ! それがシュタインズ・処女膜の選択だと
言うのならね!!!!」
明石「何故そうなる」
過去は離れて行き 未来は近づくの?
観測者はいつか 矛盾に気付く
瑞鶴「うおおおおおおおおとべよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
神の創り出した世界は 完全なるもので 絶対の均衡
それは折り重なる偶然 宇宙規模の奇跡
守られてきた ゲート「規制」は終わった
――Open The Eyes――
瑞鶴「零が過去で! 一が未来! 今ぁは何処にもないぃ!」
瑞鶴「背く事の出来ぬううううう! ロジック!」
瑞鶴「Open The Eyes!!!!!」
ガシャン(以下略)
明石「……そういえば、あの映像に映ってた場所って……」
――――――
―――
―
朝潮「ちゅんちゅん! 過去です!」
朝潮「きみを救うため、ぼくは 何度でも過去に戻る」
朝潮「……私はかつて荒潮を守る為に命令違反をしました。そして沈みました」
朝潮「ですが私は、その選択に後悔はありません」
朝潮「何度過去を繰り返したとしても、私は命令違反をするでしょう」
朝潮「それは理屈じゃない。私の魂がそうさせるんです」
朝潮「そして彼女もきっと、その魂に突き動かされているのでしょう」
朝潮「朝潮型一番艦・朝潮です」
~空母寮/五航戦部屋~
翔鶴「瑞鶴? 今日は」
瑞鶴「バレンタインなんてもうどうでもいいんだよ!!!
紐パン姉ぇ! 加賀さん今何処にいるの!?!?!!?」
翔鶴「え? 加賀先輩? 先輩ならさっき訓練場に……」
瑞鶴「わかった!!!!」
ドアバタンヌ!
翔鶴「……あの子、一体どうし」
翔鶴「あれ、ん? 紐パン姉!? あの子私の事紐パン姉って呼んでた!?」
翔鶴「瑞鶴! 瑞鶴~!!!」
瑞鶴(加賀さん、加賀さん加賀さん!)
瑞鶴(なんでこんな簡単な事に気が付かなかったんだ……私は加賀さんが好きなんだ)
蒼龍「あ、瑞鶴じゃないの。どしたのそんなに急いで」
瑞鶴「どけ二航戦のチョロそうな方! 無駄にでっかいに乳ぶら下げてるんだから
へたれてないでさっさと提督に告白しろ!!」
蒼龍「うえぇ!?」
瑞鶴(一つになりたいとずっと思っていた! なのに、私はいつからか諦めて……)
瑞鶴(加賀さんの処女膜ばかりを追いかけてた)
夕張「うわわ、なんなのもー!」
瑞鶴「どきなさいよゲロ吐くわよ!!」
夕張「何その嫌すぎる脅し文句!?」
瑞鶴(本質を見失っていた……私が本当に守りたかったのは……)
瑞鶴(私の、加賀さんを想う心。恋心!)
瑞鶴(もう、見失ったりしない! だから加賀さんに届いて!)
瑞鶴「私の、恋心!」
~鎮守府/空母訓練場~
加賀「……寒気がするわね。何か、良からぬものが近づいてきているような……」
瑞鶴「加賀さん!!!!!!!」
加賀「……瑞か……!? どうしたのあなた、目が血走っているわよ?」
瑞鶴「加賀さん。私はあなたを救うために何度も何度も過去をやり直しました」
瑞鶴「でも救えなかった。だから……今からあなたの処女を頂きます」
加賀「は?」
瑞鶴「他のレズに犯される前に……大人しく犯されてください。あなたの為なんです」
加賀「ちょ、何言ってるのあなた……意味がわからない……」
瑞鶴「こうするしかもう方法がないんです! 大丈夫、優しくします!」
加賀「お、落ち着きなさい瑞鶴……きっとあなた疲れてるのね、ね?」
瑞鶴「心配はいりませんよ。これからもっと疲れることしますからね!」
加賀「本当にやめなさい! 九九艦爆当てるわよ!」
瑞鶴「九九艦爆でも何でも当てなさいよ! それくらいじゃ私は止められない!!!!」
瑞鶴「私は今からあなたを犯します!!!!!!!!!」
加賀「い、いや……! 私まだ……!」
瑞鶴「もう逃げられませんよ加賀さん。一緒に気持ちよくなりましょうね! ね!」
加賀「……!」
瑞鶴「……」
瑞鶴「SEX AND THE CITY!!」
こうして世界線は、境界面上のレズセックスの下に収束したのだった。
そして瑞鶴は……。
明石「……あっ、どこかで見たことある場所だと思ったらやっぱりここ刑務所だ!」
矢矧「ほら、さっさと歩きなさいこの性犯罪者」
瑞鶴「……」
朧「瑞鶴さんがこんなことをするだなんて……」
当然のように逮捕された。
矢矧「言い訳なら署で聞くわ。己の行いを悔いることね」
瑞鶴「矢矧。私は後悔なんてしてないわ……」
瑞鶴「加賀さんの処女を奪って捕まるなら、本望よ。そう、きっとこれが……」
――シュタインズ・処女膜の、選択なのだから。
あきつ丸「そもそも艦娘なんぞは皆処女航海を済ませている訳でありますから
もれなく非処女なのではないか?」
天龍「どういう理屈だよオイ」
あきつ丸「しかしながら全員非処女、というのも……中々そそるであります」
あきつ丸「自分的にはアリであります!」
天龍「聞いてねえよ!」
龍田「……」
龍田「でも天龍ちゃんは処女よぉ~?」
艦!
次回
「吹雪(人妻)」
本来は赤城さん・ずい・加賀さんのアトラクタレズサークルでネチョい展開になるはずが
間開きすぎてオチ忘れちゃったから打ち切りみたいになっちまったDEATH。
全然週末更新じゃないから最早週末艦これショートってスレタイの意味が機能してない気がするずい。
, ---- .、_
, イ ´ ____ `ヽ、
/ / /´__◎_゙_ヽ, ヽ、
/ / /´ /./| .∧`.、ヽ`,
,´ i i─入/ } /__l_i .i |/
l | l/{/ } /´ }l|`| .|
.i'|「ヽ| | ___ }/ ___ !| | !
| |ヽィi |. U U .| | ! なんだかんだ言って正妻は私なんですけどね
| | | | | , , , , リ| .| あ、加賀先輩政略ケッコン率1位おめでとうございます
! ! | | |_ 'ー=-' .イi |
.i\|ヽ_{_'`iヽヽ//、 i / ノ,リ
i / ,「シl-`=::、`、´´
', / ,'::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: 、ヽ
黒翔鶴
第九話
「吹雪(人妻)」
~鎮守府/桟橋~
菊月「俗世では新たな深淵が顕現したという話題で持ちきりのようだな……」
如月「長月ちゃん、通訳」
長月「巷では新マップが追加された話題で持ちきりだって言ってるんだよ……」
菊月「ふっ、まぁ我々には関係のないことだがな」
弥生「……睦月型、だからね……弱いし」
長月「ていうかお前ら姉妹なんだからいい加減こいつが何言ってるんだか察しろよ!
私は翻訳機じゃあないんだぞ!」
卯月「菊にゃんの痛い厨二言語を理解できるのは同じ厨二病を患っている長にゃん
だけぴょん。仕方ないぴょんね~」
長月「誰が厨二だ、誰が! こいつと一緒にするな!
それに痛さならお前もどっこいどっこいだぞ!」
卯月「ぷっぷくぷぅ~」
文月「……新マップかぁ~、遠征ばっかりだったし~、たまにはそういうところにも
行ってみたいよねぇ~」
皐月「そうそう! ドラム缶運ぶのはもう飽きたよ~!」
望月「ええ? いいよ面倒くさい。遠征だけでもだるいっつーか。
……そもそも、あたしら睦月型が攻略部隊に組み込まれるわけ無いじゃん」
睦月「ふっふっふ、そう決めつけるのは早いぞよ……」
長月「? どういうことなのさ」
睦月「今回のマップは戦闘主体のマップじゃなくて資源を運ぶ"輸送"を主体とした
マップにゃしぃ!」
睦月「普段遠征で慣らしてる睦月型にとってはお誂え向きな任務なのです!
故に睦月達が駆り出される可能性も十分にあるわけで!」
吹雪「そうだよねぇ! 資源輸送や船団護衛は駆逐艦の十八番!
新マップはまさに私達駆逐艦の輝けるマップになると思うよ! 睦月ちゃん!」
如月「!?」
睦月「吹雪ちゃん!?」
長月(こいついつの間に……!?)
菊月(こうもやすやすと我の背後を取るか……特型駆逐艦、面白い奴だ)クックック
卯月「菊にゃんにやにやしてキモいっぴょん」
吹雪「新マップ、一緒に出撃できるといいね! 睦月ちゃん!」
睦月「そ、そうだね……」
吹雪「これまでのパターンからして新マップの編成は水雷戦隊になると思うし……
夕立ちゃんや川内さん達第三水雷戦隊のみんなで出撃できるといいなぁ!」
皐月「? 第三水雷戦隊? 川内さん達って三水戦だったっけ?」
文月「川内さんはぁ、一水戦所属? あれ~? あたし間違ってた~?」
望月「いや、間違ってないから。多分吹雪が言ってるのはアニメのやつじゃね?」
吹雪「そうだ! 私が司令官に掛けあってみるよ! 第三水雷戦隊のみんなで
新マップに出撃できるように!」
睦月「え、い、いいよ吹雪ちゃんっ」
吹雪「大丈夫大丈夫! 司令官は夢に見るほど私のことが好きだから多分
聞いてもらえるよ!」
長月「アニメ前は面識すらなかったのに最近は妙に睦月に対して馴れ馴れしいなコイツ」
卯月「思わずいつもの口調が抜けるほど睦月っち困惑してるぴょん」
如月「んー、そろそろ助け舟を出してあげようかな?」
如月「ねぇ吹雪ちゃん。お誘いは嬉しいけど睦月は基本的に私や弥生達三十駆の面子で
行動しているから、急に編成を変えるわけにも……」
吹雪「……」
吹雪「遠慮しなくてもいいよ睦月ちゃん! 心配しないでよ、私は特別だから!」
如月「あの、吹雪ちゃん?」
吹雪「……」
吹雪「それじゃあ司令官に進言しておくからね!」
如月(き、聞こえてない……ハッ! まさか……!)
如月「私アニメで沈んだから、いないもの扱いされてる……!?」
睦月「にゃしぃ……」
望月「Anotherなら死んでた」
吹雪「あ~楽しみだなぁ! 睦月ちゃんやみんなと一緒の出撃!」
睦月(吹雪ちゃんアニメの影響受けすぎにゃしぃ……)
白雪「――吹雪ちゃん、またこんな所で油を売って。すみません、ウチの吹雪ちゃんが
ご迷惑をおかけしているみたいで」
菊月(!? またしても背後を取られた!? おいおい何だこいつら、吹雪型は皆
バケモノか? ふっ、ククク……面白くなってきたではないか……!)
吹雪「し、白雪ちゃん?」
白雪「吹雪ちゃんは今も昔も十一駆に所属するごく一般的な駆逐艦だよ。
強いて特異な点を挙げるとすればパンツをひけらかすことに固執する
異常な性癖の持ち主って事くらいだよ」
吹雪「せ、性癖じゃないから! サービス、サービスです!」
白雪「吹雪ちゃんの地味パンを見て喜ぶのは30過ぎの童貞か私くらいのものだよ」
長月「30過ぎの童貞と同列でいいのかお前……」
白雪「とにかく、勝手に編成買えるなんて無理だし、睦月さん達の迷惑にもなりますから
バカなこと言ってないで明日の遠征に備えますよ……」
吹雪「ダメです! 明日は睦月ちゃんや夕立ちゃんと新マップに出撃するんだもん!」
白雪「駄々こねてないでいきますよ」
吹雪「だっ! だめですぅー! だめなんですー!」
そう言って白雪はじたばたとあばれる吹雪を引っ張っていく。
白雪が吹雪を連れて行ってくれたお陰で、睦月はようやく一息つくことができた。
睦月「ふぅ~……にゃしぃ」
皐月「な、なんだか大変そうだね……」
如月「吹雪ちゃんにも困ったものねぇ……」
――――――
―――
―
吹雪「もう白雪ちゃん! なんで邪魔をするの!」
白雪「邪魔をしているのは吹雪ちゃんの方ですよ」
白雪「アニメ主人公に改二実装。吹雪ちゃんが浮かれるのもわかるけど流石に最近調子に」
吹雪「あっ、赤城さん達だ!」
白雪「ちょっと吹雪ちゃん」
吹雪「赤城さーん!」
赤城「おや、吹雪さん」
加賀「……」
金剛「oh、ブッキーじゃないDEATHか! どうしたデース?」
吹雪「あっ、金剛さんも! どうもです!」
白雪「お疲れ様です。皆さんは、今帰投したところですか?」
金剛「イエース! 今日も日課の5-4周回ネ!」
加賀「いい加減6-2を攻略してほしいものね。いつまで放置しておくつもりかしら」
漣「資源を貯める、戦果も稼ぐ……両方やらなくっちゃあならないってのが
ランカーの辛いところね。覚悟はできてるか? 私はできてる……」
曙「ランキングをあげるだけリアルでの人としてのランクが下がっていく訳ね。
やっぱりクソ提督だわ」
潮「あ、曙ちゃん! そんなこと言っちゃダメですっ!」
吹雪「そういえば赤城さん達無傷ですね! 凄いじゃないですか!」
赤城「5-4はそれほど難しい海域ではないですからね」
加賀「一航戦の私達がこの程度の海域に手こずる訳がありません」
吹雪「さっすが一航戦のお二人ですね! はぁ~やっぱり凄いなぁ、憧れちゃうな~」
白雪(仮面ライダー龍騎にこんな奴いたな……ん?)
扶桑「……」ジーッ
白雪(うわ、何か恨めしそうな顔で吹雪ちゃんを見てる戦艦がいる……)
扶桑「吹雪さん……昔は私に憧れていたはずなのになんで……」ブツブツ
白雪(まだそれ言ってるのか……)
扶桑「もう我慢できない……! ちょっとあなた!!!」
赤城「? おや、あなたは扶桑さん……?」
扶桑「そうよ、扶桑型一番艦の扶桑! フェイタリティバトルシップとは私の事!」
潮「フェイタリティ……fatality……不幸。不幸戦艦……」
漣「横文字にするとかっこよく聞こえる法則キタコレ!」
赤城「あの、私に何か……?」
扶桑「あなた……アニメ出演権を私から奪い取っただけでは飽きたらず、吹雪さんの
先輩ポジションまで奪うつもりなの!? どれだけ私から奪えば気が済むんだアンタは!」
赤城「ええっ!?」
金剛「酷い言いがかりデース! クレイジークレイマーデース!」
加賀「……空母とも戦艦とも言い難い中途半端な存在の分際で頭が高いわよ」
扶桑「アンタたち一航戦はいっつもそうだ……そうやっていつも俺たちを見下して!」
扶桑「そんな艦娘、矯正してやるー!!」
吹雪「やめてください!!!」
扶桑「!!」
赤城「吹雪、さん?」
吹雪「私、扶桑さんが何を言ってるのかわからない……」
白雪「うわ、バッサリ言うなぁ……」
吹雪「だけど、私は赤城さんの随伴艦だから……あなたを止めます!」
漣「まぁ実際の随伴艦は私達なんですけどねぇ」
扶桑「……そんなに、赤城のほうがいいというの……?」
扶桑「何故私じゃダメなの!?!?!?」
吹雪「ポンコツだからです!!!!!!」
扶桑「」
赤城「えっと、吹雪さん? 何もそこまで……」
吹雪「ポンコツだし……よくよく考えて見れば尊敬できるようなキャラ付けでもないし、
どちらかと言えば変人系ネタキャラなんじゃないかって……」
扶桑「ぐはっ!?」
赤城「そ、そうは言っても吹雪さん、扶桑さんにだって尊敬できるところが……」
吹雪「そうですね……」
吹雪「その違法建築並みの艦橋に加えて飛行甲板までつけているのに艦としての
体を保っていられるところにはある意味畏敬の念を抱きますね!」
扶桑「あれ!? 褒められている気がしない!? ちくしょう……」
扶桑「……」
扶桑「コウクウボカン、アカギデス(声真似)」
漣「アンタにプライドはないのか……」
白雪「――吹雪ちゃんいいかげんにして」
吹雪「白雪ちゃん? どうしたのそんなに怒って……?」
白雪「吹雪ちゃん、もうアニメの放送は終わったんだよ。いつまで引きずっている
つもりなの」
白雪「第三水雷戦隊も第五遊撃隊もないんだよ。アニメみたいに旗艦にもなれない。
だって吹雪ちゃんはただの駆逐艦だから」
漣「霞ちゃんみたいな例外もいるけどね」
吹雪「白雪ちゃん? どうしてそんな酷いこと言うの? それにアニメだって
第二期が……」
白雪「アニメアニメって……吹雪ちゃん、現実との区別をつけようよ」
白雪「曙さんは不知火さんと陽炎さんを取り合ってたりしないし」
曙「何よそれ」
白雪「幸運艦に最善の運命を掴み取る力なんてないし」
漣「運なんてまるゆちゃんでどうにでもなりますからなー」
白雪「金剛さんは別に深海棲艦投げ飛ばしたりしないし」
金剛「ちょっとやってみたい気もシマース!」
白雪「朝潮ちゃんに至っては島風さんと面識すらないんですが」
赤城「こうしてみると艦これのメディアミックスも大分増えましたね……」
白雪「いい加減目を覚まして吹雪ちゃん……」
白雪「吹雪ちゃんにできることといえば、パンツをチラ見せして私の性的欲求を
満たすことだけなんだよ!!!!」
曙「最後の最後でなんでそういう方向に行っちゃうのよ……」
吹雪「……こと、ない」
吹雪「そんなことない! だって司令官は私の事!」
白雪「それもアニメの話でしょ?」
吹雪「違う!」
白雪「違わない」
吹雪「いいよ、そこまで言うなら見せてあげる……本当は秘密にしておきたかったけど!」
吹雪「これで……どうです!?」
白雪「なっ……!?」
その時吹雪が掲げた左手の薬指には、煌々と輝くシルバーリング。
そう、所謂ケッコン指輪である。
加賀「!?」
赤城「おやまぁ」
金剛「アイエェ!?」
曙「な、何ィ!? あのクソ提督、ロリコン提督だった訳!?」
漣「コイツは予想外の展開ってやつなのね……」
潮「駆逐艦とケッコンしてもいいんですか!?」
漣「いいんです!」
白雪「そんな……バカな……!?」
――――――
―――
―
朝潮「数日後です!」
朝潮「朝潮です!」
満潮「アンタ最近めんどくさくなってきてない?」
~駆逐艦寮/特Ⅰ型部屋~
白雪「……かくかくしかじか、こういうことがありまして」
叢雲「白雪……」
叢雲(まー、この子吹雪にべったりだったからね。吹雪のケッコンに
ショックを受けるのも無理は……)
白雪「正直な所……」
白雪「性欲をもてあます」
叢雲「ズコーッ!」
白雪「? どうしたんですか叢雲ちゃん。そんな昭和のギャグアニメみたいなコケ方して」
叢雲「うっさいわよ! アンタ、落ち込んでるんじゃなかったの!?」
白雪「よく考えてみてくださいよ。人妻ですよ? 人妻吹雪ちゃん……」
白雪「めっちゃ興奮する……」
叢雲「心配して損した!」
白雪「実際吹雪ちゃんの挙動がいちいちエロくてもう私常に前かがみですよ。
それで最近困っているんですよ……」
叢雲「流れ的に『アニメのことを引きずっている吹雪の目を覚まそう』みたいな
話になるかと思ってたのに……」
深雪「なんだよ相談があるっていうから聞いてたけどそんなことかよー
どうでもいいじゃん。初雪、一緒にスマブラやろーぜ」
初雪「DXならいいけど」
白雪「あなた達は人妻吹雪ちゃんの破壊力をわかってない!!!」バンッ
磯波「白雪ちゃん!?」
白雪「今の吹雪ちゃんと一緒にいたらとてもじゃないけど体が持ちませんよ……」
叢雲「それはアンタが吹雪に固執してるからでしょ?」
白雪「嘘だと思うなら……今の吹雪ちゃんを見てくるといいですよ」
叢雲「はっ! どうせいつもと変わんないわよあんな芋娘!」
陽炎・不知火・黒潮「エクスキューズミー!!」だばだば
~鎮守府/食堂~
叢雲「吹雪! アンタケッコンしたそうじゃない。話題になってるわよ」
吹雪「あ、叢雲……」
吹雪のフェロモンは如何程のものか。
それを確かめるべく叢雲は吹雪の元へとやってきたのである。
吹雪「えへへ、おかげさまで……」
叢雲「こんな所で何やってるのよ。お昼はまだよ?」
吹雪「司令官とケッコンしたんですから、料理の腕も磨かなきゃと思って!
密かに特訓しているんです! ふんす!」
叢雲「はぁ~、そうなの。それはご苦労様……」
叢雲(ふん、何よ……いつもの吹雪と変わらないじゃない)
吹雪「光る磯波越え~叢雲のそらまーぶし~ふんふ~ん♪」
トントントン……
叢雲(結構様になっているわね。ま、こんなんでも人妻……)
吹雪「ふんふ~ん」フリフリ
叢雲(かわいいエプロンしてるのね……)
トントントン……
吹雪「おいしくなーれおいしくなーれ、なんちゃって、ふふふ……」フリフリ
叢雲「……」
叢雲は、無意識の内に右へ左へ揺れる吹雪の尻を追いかけていた。
青いスカートに浮かび上がるラインは吹雪の臀部をなぞっている。
小さいながらも張りがあり、思わず鷲掴みしたくなるような健康的なそれは、
若々しさとしおらしさを併せ持つ青い果実だった。
叢雲「……」ムラッ
そこに人妻という要素が加わるとどうだろう。
その幼さは忽ち化学反応を起こし吹雪をあどけない少女から一人の女へと押し上げる。
制服とエプロン。
一見どうということはない組み合わせに"人妻"という要素が付加されただけで、
料理をする吹雪の後ろ姿は一気に扇情的になった。
叢雲「」ムラムラ
揺れる吹雪の桃尻を追う叢雲の目は振り子のように規則的な運動を行う。
他の物は目に入っていない。余計なノイズは一切合切排斥した。集中しているのだ。
叢雲は今すぐ吹雪のランプ肉を堪能したいと思い、生唾をごくりと喉元に押し込む。
一歩、二歩、足が前に出る。
呼吸は荒くなり、思考は散漫だ。
目だけが吹雪の尻を完全に捉えていた。
吹雪「あ、そうだ叢雲」
叢雲「はっ!」
吹雪「叢雲……?」
叢雲「な、なによ!?」
叢雲(何なの今のは……!? 私何を考えて……!?)
吹雪「暇なら手伝う? じゃがいもの皮むいてくれたらうれしいかな~なんて」
叢雲「い、いいわよ別に。特にやることもないし……」
吹雪「じゃあこれ、おねがいね」
叢雲「わかったわ……」
叢雲(なんなのよなんなのよ! 吹雪のくせに!)むきむき
叢雲(そもそも私が何なのよ! なんで吹雪のことをこんなに意識して……!)むきむき
叢雲(ていうか私同性愛者じゃないわよ!? どうしちゃったの私……)むき……
叢雲「……ッ!! ったぁい!」
叢雲は吹雪のことに気を取られるがあまり、人差し指を切ってしまう。
吹雪「叢雲! 大丈夫!?」
叢雲「ふ、ふん! これくらい、なんともないわ……」
吹雪「ちょっと見せて! ……あー、結構切っちゃってるね」
叢雲「艦娘にとってこんなの傷の内にはいらな……」
吹雪「はむ!」
叢雲「!?」
叢雲の頭の浮遊物が激しく揺れた後、静止すると共に、赤に青にと、様々な色光を
放ち始める。彼女の脳内では情報が錯綜し、それらを処理しようと殺到する電気信号は
神経細胞の交差点で衝突事故を起こし、シナプスを破壊し、カリウムイオンをぶちまけた。
無理も無い、吹雪が突然自分の人差し指を咥えだしたのだから。
吹雪の口内にて分泌されている唾液が叢雲の人差し指に染みこむ。
そこから吹雪の体温が叢雲に伝わる。
にゅるにゅるとした吹雪の口内の頬肉が、生暖かさが、気持ちいい。
吹雪「はむっ……ん、ぇろ、ちゅぴ……んんっ」
吹雪の舌が叢雲の人差し指の傷口を撫でるようにして滑りこむ。
甲斐甲斐しく一生懸命傷口を舐める吹雪の姿に、叢雲はいつしか欲情していた。
吹雪は意図的に行っているわけではないのだろう。ただ純粋に叢雲の身を案じているのだ。
しかしそれが却って吹雪の色気を底上げした。少し乱れた呼吸も、薄紅色の唇も
その全ての要素が叢雲を蠱惑した。イノセントチャーム、これが無垢なる魔性か。
叢雲「」ムラムラムラムラ
叢雲「吹雪! もう我慢できな……」
白雪「シャオラァ!!!」ゴスッ
叢雲「へぶ!?」
叢雲のムラムラが限界に差し掛かったその時、彼方から飛んできたのは白雪の肘鉄だった。
吹雪「叢雲!? 白雪ちゃん!?」
白雪「……目は覚めましたか? 叢雲ちゃん?」
叢雲「……ええ」
白雪「だから言ったでしょ? 今の吹雪ちゃんは危険だと」
叢雲「そうね……これは恐ろしいわ。あやうくレズになりかけた……」
吹雪「な、なんなんですか!?」
磯波「なんなんでしょうねぇ……」
叢雲「人妻……なんて恐ろしい生き物なの……!」
白雪「あんなあどけない顔して夜は司令に好き勝手されてると思うと……」
白雪「正直辛坊たまらんですたい」
――――――
―――
―
~鎮守府/某所~
金剛「……報酬はいくらでも払いマス。だから……」
??「おやおや、あの金剛型姉妹の長女ともあろうかたが自分にこんなことを頼むなど……
相当焦っているようでありますなぁ!」
金剛「手段は選んではいられマセン。テートクのハートを掴むのは、このワタシデース」
??「まぁ、どちらにせよ自分、人妻を食うのは大好きなのであります。
後のことは任せられよ。必ずや任務を遂行してみせるのであります」
金剛(ソーリーねブッキー……でも、アナタにテートクを渡すわけにはいきマセン……)
一旦切るぞい。
今日中に続き投下できるかなぁといった所でシコってきます。
Wowsやってたらこんなに遅漏になってしまったずい
前回のあらすじ。
白雪「吹雪ちゃんに性欲をもてあます」
人妻になったブッキーがフェロモンが出まくりでエロスが留まる事を知らない。
~鎮守府・駆逐寮/大広間~
涼風「おーい、吹雪やーい。ちょっと大鳳に魚雷打ち込みに行こうぜー」
五月雨「何言ってるの涼風ちゃん!?」
吹雪「あ……涼風ちゃんと五月雨ちゃん」
涼風「あいつ魚雷一発ですぐケツ露出するからさぁ!
行こうぜ~」
五月雨「そんなことして何の意味があるのぉっ!?」
吹雪「……うーん、私これから夕飯の買い出しにいかなくちゃいけなくて」
涼風「夕飯の買い出し……!?」
五月雨「そっか、吹雪ちゃん提督とケッコンしたんだもんね……」
吹雪「そういうことだから……ごめんね二人共」
五月雨「い、いいの! いいんです! 私たちのことは気にしないで」
涼風「ちぇーっ。ケッコンがなんだってんでい」
五月雨「涼風ちゃんにはまだよくわかんないよね、ケッコンなんて」
涼風「なにさ、五月雨はわかってるような口ぶりだけど……それならケッコンがどういう
もんか説明してみやがれってんでいこんちきしょい!」
五月雨「ふえぇ!? そ、それはえっと……」
五月雨「あ、愛し合っている二人が一緒になって……その……その~……」
涼風「その? 何さ?」
五月雨「……毎日お味噌汁を作ります!」
涼風「一緒になって味噌汁作るのがケッコン?」
五月雨「そして子供が出来ます!」
涼風「味噌汁から子供ができるの!? 味噌汁すっげー! 明日試してみよ!」
吹雪「うん……ちょっと違うかな?」
涼風「違うの? じゃあなんなんだよー」
吹雪「それは……」
吹雪「やっぱりケッコンしてみないとわからないかな? えへへ……」
五月雨「……」
吹雪「あ、いっけない! 早くいかないとタイムセールに遅れちゃう!
それじゃあ私行くね、五月雨ちゃん、涼風ちゃん!」
挨拶も早々に慌ただしくその場を後にする吹雪。小さくなっていくその背中を、
五月雨はぼうっと見つめていた。
五月雨「……なんか最近吹雪ちゃん雰囲気変わったよね~」
涼風「そう?」
五月雨「うん、なんていうかその……」
五月雨「性欲をもてあます」
吹雪が人妻。そんな噂が蔓延し始めた今日このごろ。
鎮守府では吹雪の人妻臭にあてられ、ムラムラする艦娘が後をたちません。
白雪「駆逐艦で人妻……なんて良い響きなんでしょうか」
叢雲「よくよく考えてみると凄い字面よね」
磯波「日本は未来を生きてるんですねぇ……」
初雪「……ホモとケモナー率ではメリケンに負けてると、思う!」
初雪「……もっと頑張って」
叢雲「そこは負けてていいから」
磯波「でもホント、最近吹雪さん変わりましたよねぇ。
なんか垢抜けたというか」
初雪「……ちょっと、色っぽくなった、かも」
白雪「そりゃあ毎晩司令の魚雷5、6本咥えてますからね、エロくもなりますよ」
白雪「関係無いですけど、矢矧さんって魚雷六本目までは『絶対に屈しない……!』
みたいな態度とってそうだけれど、七本目が刺さった瞬間『んほおおおおおおお!!』って
即落ちしそうですよね」
叢雲「唐突な上にホント関係ないわね……」
白雪「まぁそれはそうとして、最近少し問題視していることがあるんです」
叢雲「問題視? やっぱり吹雪のこと?」
白雪「はい……吹雪ちゃんが人妻になったことでエロスが飛躍的向上したのは
良いことなんですが……」
白雪「それに伴って吹雪ちゃんに悪い虫が付くようになって……ほら、あんな風に」
長門「なかりしか!」
吹雪「長門さん……?」
長門「特型駆逐艦吹雪、お前にはこの戦争の因果、その楔を断ち切る力がある!」
吹雪「え? あ、は、はい!」
長門「だから吹雪よ! 改になれなかりしか!!!」
吹雪「改に……?」
長門「安心しろ、このビックセブン長門が必ずやお前を改にしてみせる……!」
長門「最初はキツイかもしれないが慣れれば徐々に快楽に変わっていく。
心配は無用、全てこの長門に任せておけ。だから今夜私の部屋に来てくれなかりしか!」
陸奥「なかりしか多用しすぎよ長門」
長門「陸奥ではなかりしか!」
陸奥「ちょっと自然に混ぜてもダメよ」
陸奥「というか長門、あなた吹雪ちゃんになにするつもり?」
長門「フッ、だから言っているだろう。吹雪を(私好みに)改造すると」
陸奥「()の中の本音が漏れてるわよ」
長門「括弧つけるのはやめるか」
長門「私は吹雪を改にしたい! 主におしりを重点的に改にしたい!!!」
ドグシャア!
長門の本音が露呈すると同時に陸奥の腹パンが炸裂する。
陸奥「ごめんなさいね吹雪ちゃん。うちの長門が変な事言って。
気にしないでね」
吹雪「は、はぁ……」
白雪「ほら、あんなふうにね……」
叢雲「……」
叢雲「いっちゃなんだけど長門っていつもあんな感じじゃない?」
初雪「……そうおもう」
磯波「えと、戦闘の時はカッコイイですからっ」
叢雲「そりゃあ艦娘だもの、戦闘時は皆真面目でまともよ」
白雪「そういえば、バレンタインの時、戦闘にチョコレート持参していた
まともじゃない艦娘がいましたね……」
叢雲「……」
白雪「まぁ長門さんの事はともかく、吹雪ちゃんに言い寄る子が増えているのは事実
なんです。これは由々しき事態ですよ……」
叢雲「アンタのことだから『NTRれて快楽に落ちていく人妻吹雪ちゃんも良い!』
みたいな感じで捗るんじゃないの?」
白雪「叢雲ちゃん、それマジでいってるんですか? さすがにドン引きです」
叢雲「えっ」
白雪「吹雪ちゃんは私達の姉ですよ? 姉の平穏で恒久な幸せを願うのは
当然のことでしょう」
白雪「NTRて……、叢雲ちゃんそういうのが趣味なんですか?
少し理解できないですね……どう思います初雪ちゃん」
初雪「……初っ端からあからさまにNTRモノだとわかるものなら許す。けど、
純愛モノに見せかけて実はNTRでしたっていうのは許せないし……」
叢雲「知らないっての! というか私、NTR趣味なんてないわ!!」
白雪「とにかくですよ、吹雪ちゃんはチョロいんでもしかしたら一時の快楽に
流されてしまうこともあるかもしれません」
白雪「そこで私達特Ⅰ型の姉妹艦が吹雪ちゃんを魔の手から守るべきではないですかと!」
叢雲「心配しすぎじゃないの? 吹雪のあの惚れ込みっぷりなら、そんな心配は
いらないと思うのだけど?」
白雪「……予感がするんです」
叢雲「予感?」
白雪「ええ、嫌な予感が……何か得体のしれない……黒い気配を感じるんです……」
初雪「そう、あいつはいつも事件の裏に隠れている……!」
叢雲「し、知ってるの初雪?」
初雪「……うん、知ってる。あいつはいつも事件の裏で暗躍し、邪悪なニヤけ顔を浮かべる」
叢雲「一体何者なの? 特徴は!?」
初雪「全身黒タイツ」
叢雲「それコナンに出てくる犯人役の人だよね」
※青山剛昌先生の艦隊は14冬E5甲抜けるレベルの艦隊練度じゃぞ!
重婚艦隊の面子が理想的すぎて正直羨ましいじゃぞ!
白雪「杞憂だといいけど……やっぱり胸騒ぎがする……」
白雪「吹雪ちゃん……」
~鎮守府近郊/商店街~
吹雪「あっさり~、しっじみ~、はっまぐっりさ~ん♪」
吹雪「ふふ、鎮守府で司令官がおゆはん待ってるし、早く買い物済ませちゃわないとねっ」
??「そこのおさげの可愛いお嬢さん、少しこちらに寄っていってはくれまいか?」
吹雪「? 私、ですか?」
??「でありますよ。自分、野に咲くきれいな花を見るのが好きでありまして……」
??「今、まさに一輪見つけたところであります」キリッ
吹雪「へ? ええ!? それって……」
??「夕食の材料ならここで買っていかれるといい。
牡丹の花の如き儚く美しい貴女にならば自分、いくらでもサービスしちゃうのであります」
吹雪「も、もう! 八百屋さんってばお上手ですねっ!」
??「はっはっは、お世辞ではないのであります。本当に心の底からそう思った
からこそ、つい口から出てしまった。可愛すぎるのも罪なものでありますなぁ」
??「……しかし残念だ。既婚者でなければ口説き落としていたというのに」
吹雪「そうですよ。私は司令官のものですから」
??「ほんとうに残念であります。……はは、おしゃべりが過ぎましたな、
本日は何をお買い求めで?」
吹雪「んーっと、今日は……」
??(たしかに普通の人間なら、既婚者という時点で手を引くでありましょうが)
あきつ丸(このあきつ丸、人妻相手だからといって尻込みはしないのであります。
寧ろ飛ばしていくのであります!)
――――――
―――
―
吹雪「ただいまです、司令官!」
吹雪「お待ちになられましたか? 今おゆはんの準備しますからね~」
吹雪「……や、ちょっと司令官! そういうのは困ります! これから
料理するんですから!」
吹雪「……もう、司令官ったら」
吹雪「その、あ、後でちゃんとしてあげますから……////」
吹雪「だ、だから今はおとなしく待っててくださいっ」
吹雪「……ふっふ~! 素直でよろしい! えへ♪」
吹雪「今日は司令官の一番好きなモノ作ってあげますからね~」
吹雪「……え? 一番好きなのは私!?」
吹雪「司令官ってば……食べ物の話ですよう」
吹雪「……まぁ、今夜食べられちゃうんですけど……」ボソッ
吹雪「……んえ!? や、なんでもない! なんでもないです!」
吹雪「司令官はあっちで大人しくしててください! キッチンは女の聖域ですよ!?」
吹雪「ふう、やっと出て行ってくれた……あ、しょげてる」
吹雪「そんなに私から離れるのが嫌なんですか? 全く、困った司令官」
吹雪「大丈夫ですよ。司令官、愛しています」
吹雪「なんて言ったりしてみて、えへへ……」
吹雪「……って司令官!? なんでこっちに来て……だ、ダメです!
こんな所で……ッ!?」
――――――
―――
―
山雲「数日後で~す」
朝潮「むにゃむにゃ……Zzz……」
朝雲「今日はこのとおり朝潮姉さんがお眠だから、代わりに私達が言うわね」
山雲「本日は朝潮型駆逐艦山雲と~」
朝雲「同じく朝潮型、朝雲よ。陽炎型なんかに負……」
陽炎・不知火・黒潮「エクスキューズミー!!」だばだば
朝雲「あっ! 陽炎型! 邪魔しないでよ!」
~鎮守府/大広間~
吹雪「那智さん、こんにちわ。いつもうちの司令官がお世話になってます」
那智「くっ、性欲をもてあます」
吹雪「川内さん! この前の夜戦、凄かったです。またご一緒させてくださいね」
川内「くっ、性欲をもてあます!」
吹雪「あ、夕立ちゃん。やっぱり夕立ちゃんは改二で胸が大きくなったよねぇ。
羨ましいなぁ……揉めば大きくなるって聞くし、司令官に……って何考えてるの私 ////」
夕立「くっ、性欲をもてあますっぽい」
叢雲「この鎮守府性欲持て余しすぎでしょう」
白雪「吹雪ちゃんがエロいのが悪いんです……」
叢雲「とはいえ、このままじゃ鎮守府の風紀が乱れかねないわね」
叢雲「……ちょっと吹雪!」
吹雪「はい!?」
叢雲「ちょっと最近アンタエロ過ぎるのよ。お陰で鎮守府は年中発情期じゃない」
吹雪「えぇ!? そ、そんなこと言われても……」
叢雲「新婚で浮かれているのはわかるけど、公私は分けるべきよ。自重しなさい」
吹雪「改二実装された時の叢雲程は浮かれてないと思うけど……」
叢雲「うっさいわね! 口答えすんじゃないわよ酸素魚雷食らわすわよ!」
白雪「まぁ吹雪ちゃんは毎晩司令の酸素魚雷をぶち込まれているんですけどね」
吹雪「白雪ちゃん!?」
白雪「ところで吹雪ちゃん。最近更に色気に磨きがかかってるような気がしますけど……」
白雪「……何か、ありました?」
吹雪「……」
吹雪「やっぱり白雪ちゃんにはわかっちゃうんだね……」スリスリ
白雪「ん? 吹雪ちゃん? 何意味ありげにお腹さすってるのかな?」
白雪「心なしか少女の顔から母親の顔になっている気がするよ?」
叢雲「ま、まさか吹雪、アンタ……」
吹雪「とっくにご存知なんだろう?」
吹雪「私は司令官との夜戦により身籠った艦娘……妊娠駆逐艦・吹雪だ!」
叢雲「マジか……」
磯波「人体の神秘ですねぇ……」
初雪「新しい艦種が生まれた……」
叢雲「微妙に語呂が良いのが腹立つわ」
白雪「……吹雪ちゃんが、孕んだ?」
磯波「白雪ちゃん……」
白雪「吹雪ちゃんが孕」
白雪「吹雪ちゃあああああんレロレロレロレロレロレロレロレロ!!!」
磯波「!? 白雪ちゃん!? なんで舐めてくるの?!」
白雪「あああああああああ妊婦吹雪ちゃんエロいよおおおおおおおおおおお」
磯波「なんで私を舐めてくるの白雪ちゃん! 白雪ちゃん!?」
利根「吹雪は人妻じゃ。いくら吹雪に異常な執着を見せる白雪とて、人の物に
手を出す事はできぬじゃろうて。従って吹雪によく似た磯波でその歪んだ性欲を
満たしているという訳じゃな」
叢雲「酷い理由ね」
磯波「吹雪ちゃんの2Pカラーとか言われてるの気にしてるのに!」
初雪「解説ありがとう、利根姉さん」
利根「うむ! 何かわからないことがあったらまたいつでも呼ぶが良いぞ!」スタコラサッサ
叢雲「……ま、まぁ何はともあれおめでとう吹雪」
白雪「吹雪ちゃん良かったね……立派なお母さんだよレロレロレロ」
磯波「いい加減舐めるのやめてくださひ!」
吹雪「みんな、ありがとう! 私、元気な子を生むね!」
初雪「……」
初雪「え、というか艦娘って子供できるの?」
叢雲「できるんじゃないの?」
初雪「いやなんか当たり前のように進行してるけど……」
初雪「そこら辺の設定曖昧だった気、する」
初雪「私達艦娘って人間とは違うんじゃないの? 人と交わって子供を作れるの?」
叢雲「やけに突っ込んでくるわね……」
初雪「一度気になりだすと眠れなくなる性格、だし!」
吹雪「……いやほら、そこは以前運営ツイッターだか公式掲示板だかでそんな感じの事
書いてませんでしたっけ?」
初雪「出たツイッター! そういう重要なことをツイッターで発信するのはおかしい!」
初雪「最近の悪い風潮! なんでもツイッターで済ませたりする!」
白雪「会社の業務連絡をツイッターで済ませる非常識な所もあるそうですよ……
なんというか、凄い時代ですよね……」
初雪「便利と引き換えにモラルを失う……なんて嘆かわしいことか!」
叢雲「普段からだらけてる奴が言うと全く説得力がない」
初雪「だらけてないし。力を蓄えてるだけだし」
吹雪「もう! そんなことどうだっていいじゃないですか!
現に私が孕んでるんですから!」
初雪「……それもそうか、HAHAHA。まぁ艦これなんて設定ガバガバでなんぼだし」
吹雪「細かいことなんてどうでもいいんですはい! 孕まそうとすれば艦娘は孕むんです」
初雪「フレキシブルな存在、それが艦娘」
叢雲「私達ってホントなんなのかしらね……」
白雪「……」
磯波「白雪ちゃん……?」
白雪(何か、変だな……)
初雪「スッキリした所で初雪、引きこもります」イソイソ
叢雲「またアンタはところかまわずこたつ引っ張りだして!」
初雪「こたつでゲーム……最高。私今、生きてるって感じがする」
磯波「冬は終わったとはいえ、まだまだ寒いですからねぇ。こたつさん安定ですねぇ」モゾモゾ
白雪「こたつの中でっていうシチュエーションも興奮する」モゾモゾ
叢雲「アンタ達も一緒に入ってんじゃないわよ!」
こたつがいそなみたちをのみこむ! ▽
白雪「……こたつとは一体……ウゴゴ!?」
初雪「こたつの力に飲み込まれたか……」
叢雲「ノリノリねアンタ達……」
初雪「こたつの魔力には誰も抗えない……ゲームとお菓子が合わさって最強に見える」ピコムシャ
磯波「初雪ちゃん、そのゲーム何?」
初雪「これ? これは司令官プラス」
叢雲「何か既視感あるなこれ」
初雪「提督とコミュニケーションを取って絆を深めていき……」
磯波「えっと、恋愛シュミレーション的な?」
初雪「進化させて他の提督と戦わせる育成型対戦ゲーム」
磯波「全然違った!」
初雪「育成できる提督の数はなんと200種類超え。アビリティの組み合わせや独自の
成長システムで同じ提督でも育てる人によってその個性は千差万別。
あなただけの最強提督を育てて友だちに差をつけよう」
磯波「ちょっと面白そう、かも」
初雪「面白いよ……多分。……あ、グリズリー提督に進化した」
磯波「強そう!」
初雪「ふふふ、グリズリーだし……?」
叢雲「それもう提督要素なくない?」
吹雪「……、……が……だし」
白雪「……吹雪ちゃん?」
吹雪「わわ!?」
白雪「どうかした? やけに静かでしたけど」
吹雪「なんでもない! なんでもないです……よ? あはは~……」
白雪「……」
白雪「ふーん……」
――――――
―――
―
~鎮守府近郊/商店街~
吹雪「あっさり~、しっじみ~、はっまぐっりさ~ん」
あきつ丸「吹雪殿~」
吹雪「あ、八百屋さん。こんにちわ~」
あきつ丸「やや、今日も買い出しですかな? うちは今日も新鮮な野菜が
入っているのであります」
吹雪「ごめんなさい。今日はお野菜は買う予定じゃないので……」
あきつ丸「それは残念……」
吹雪「それじゃ、また……」
あきつ丸「…………吹雪殿」
あきつ丸「最近提督殿とは上手く行っているのでありますか?」
吹雪「ふぇ? な、なんですかいきなり?」
あきつ丸「はっはっは。深い意味はござらん。ただ聞いてみたかっただけであります」
あきつ丸「それで? 提督殿とは如何程に」
吹雪「……別に、いつもと変わらないですよ。司令官はとっても優しいし、
私を愛してくれています……」
あきつ丸「……ふむ、おかしいな」
吹雪「え……何がですか?」
あきつ丸「吹雪殿……"欲求不満"って顔しているであります」
吹雪「!? そ、そんなことないです」
あきつ丸「本当にそうでありますか?」
吹雪「司令官は素敵な方で、いつも私に良くしてくれて……不満なんてないです!」
あきつ丸「ほう、なら……」
あきつ丸「こっちのほうが、不満なのでありますか?」
吹雪「!?」
ふとした刹那、あきつ丸は吹雪の腰に腕を回し彼女の体を抱き寄せる。
手慣れた手つきだ。あまりに自然な動きであった為、吹雪は拒むことも忘れ、
主導権をあきつ丸に握られてしまう。
あきつ丸「吹雪殿……」
吹雪「あ、あの……八百屋さん。こういうの、困りますっ……」
あきつ丸「しかし体は拒んではいないようであります」
吹雪「そんなこと……」
あきつ丸「言わなくてもわかる。その体中からにじみ出るフェロモンがその証拠であります。
持て余す性欲を発散できなくて困っているのでありましょう?」
あきつ丸「提督殿では、満足できていないということなのでありましょう?」
吹雪「!!」
あきつ丸「……何、吹雪殿が悪い訳ではござらん。こういうものには相性というものが
ありますからなぁ」
あきつ丸「しかし自分なら、吹雪殿を満足させてあげられるのであります」
吹雪「満足……?」
ゴクリと、喉を鳴らす吹雪。その様をあきつ丸の鋭い目が捉える。
その眼の奥で僅かな眼光が揺らめくと共に、あきつ丸は心の中で一言ポツリ、
――獲物が掛かった。
獲物を射程に捉えた陸の猛獣は狩人の如くジリジリと機会を伺いはじめる。
心の隙を、体の隙を、鵜の目鷹の目舐めずるように、入念にじっくりと。
そんなあきつ丸の熱い視線にあてられたのか、吹雪の心も俄に揺れ始める。
吹雪(な、何を考えてるの八百屋さん!? 私には司令官が……)
あきつ丸「ふふ、心配はご無用。自分のテクは百八式まであるのであります
必ずや吹雪殿を満足させてご覧に入れよう」
吹雪(だめ! 私には司令官がいるのに! ああ、司令官と八百屋さんの間で心揺れ動く
私……なんて罪な女なの……!)
あきつ丸「なに、人生何事も経験。不倫もまた経験であります。"大人の女性"である貴女なら
わかるでしょう?」
吹雪「……おとな?」
吹雪(そう、大人の女性なら……不倫の一つや二つ、してるものだよね。コレも経験、
そう、経験なんだ。けして性欲に負けたわけじゃないんだ。そうだよ、うん)
あきつ丸「吹雪殿……」
吹雪「あ、八百屋さ……」
叢雲「騙されちゃダメよ!!! 吹雪!!!!!」
ドンガラガッシャーン!!!
あきつ丸「へぶ!?」
叢雲棒(改二前に持ってるアレ)があきつ丸の脇腹を捉える。
吹雪「叢雲!? あ、八百屋さん!!」
叢雲「八百屋なんかじゃないわ! 吹雪、こいつはあきつ丸! 数々の駆逐艦を手篭めに
してきたヤリ艦よ!!!」
吹雪「ふぇ!? あ、あの悪名高き陸軍の!?」
あきつ丸「くっ! 余計な真似を……もう少しで吹雪殿の秘密の格納庫に突撃一番
できるところであったのに!!!!」
叢雲「白雪がやけに心配していたから尾けてみたら……こんなことになっているなんてね」
叢雲「でもよかった。まだ大事には至ってないようね」
吹雪「叢雲ぉ……助かったよぉ……」
叢雲「……だけどアンタちょっと心揺れかかってたでしょ?」
吹雪「うっ」
叢雲「はぁー……全くアンタときたら、しっかりしてるようで抜けてるんだから。
いい? あなたのお腹にはもうあたらしい命が芽生えているのよ。自覚を持ちなさい」
吹雪「うう、面目ない……」
叢雲「さて……」
あきつ丸「ぐっ……」
叢雲「うちの吹雪に手をだすなんて良い度胸してるじゃない。覚悟はできてんでしょうね?」
あきつ丸「駆逐艦風情が……このあきつ丸に敵うと思っているのでありますか!?」
叢雲「よくいる三下の台詞ね。もっと大物らしいボキャブラリーを揃えてから来なさいな」
睨み合う叢雲とあきつ丸。両者は互いに間合いを計り、臨戦態勢に入る。
戦いの火蓋はいつ切り落とされてもおかしくなかった。
あきつ丸「……生意気な小娘であります。後でヒイヒイ言わせてやるのであります!」
叢雲「ふん。私の前を遮る愚か者め……沈め!」
「勝手は! 榛名が! ゆるしません!!!!」
あきつ丸「む?」
しかし両者の決闘は、第三者の闖入により突然に、ある種暴力的に終わりを告げる。
あきつ丸「な、なんでありま……」
言い終える前に、あきつ丸の体を大口径主砲の砲弾が撃ちぬく。
あきつ丸「ごぽおおおおおおおおおお!?」
結果、あきつ丸は即座に大破したのである。
榛名「……ふう、間に合って良かったです!」
叢雲「ちょちょちょちょっと! なんなのいきなり!? 今のところは私があきつ丸を
かっこ良く倒して決めるところでしょ?」
榛名「長くなりそうだったので。榛名は高速戦艦なので展開も早いほうが好きです」
叢雲「ただのせっかちか!」
白雪「叢雲ちゃんのカッコイイ戦闘シーンはアニメ二期でやると思いますよ……」
叢雲「適当ぶっこいてんじゃないわよ……ていうか白雪、やっぱりアンタいたのね」
白雪「吹雪ちゃんを守ることが私の存在理由ですから」
榛名「無償の愛ですね。素敵です!」
叢雲「聞こえはいいけど白雪の場合歪んだ性癖故の行動だから」
吹雪「みんな……なんかよくわからないけどありがとう!」
白雪「いいんですよ、吹雪ちゃんが無事ならそれで」
榛名「鎮守府の風紀と平和は、この戦艦榛名がお守りいたします。あ、矢矧さん達、
そこで黒焦げになってるあきつ丸さんっぽいのを連行していってください」
矢矧「これ生きてるの? 何だがこんがり焼けたジューシーな匂い発してるけど」
初霜「大丈夫ですよ? ドックで修復剤をかければ元通りです!
一人でも一隻でも、救えるならば私は、それで満足なの」
初霜「絶対に助けますからね、あきつ丸さん!」
あきつ丸「……」
初霜「あ! いけない! 意識が! 電気ショック!!!」
バチチチチ!!
あきつ丸「でありますううううううううう!?」
初霜「よかった! 絶対に助けますからね!」
矢矧「天使のような悪魔の笑顔……」
榛名「これであきつ丸さんの身柄も確保できたことだし、一件落着ですね!」
白雪「……いえ、まだ一件落着ではありませんよ」
吹雪「どういうこと? 白雪ちゃん!?」
白雪「この事件には裏で糸をひく黒幕がいる……ですよね? 金剛さん?」
榛名「金剛お姉様!?」
金剛「オーゥ……やっぱり白雪は勘がベリーベリーsharpネー」
そんなセリフと共に、物陰に隠れていた金剛が観念したかのように姿を表した。
白雪「あの陸助に吹雪ちゃんをNTRように指示したのは……金剛さん、あなたですね?」
榛名「お姉さまがそんな……榛名、衝撃です」
吹雪「ど、どうして金剛さんが……!? 私達第五遊撃部隊の仲間だったじゃないですかぁ」
金剛「ワタシだってこんなコトしたくありませんでシタ……でも、ブッキーが……」
金剛「ブッキーがその右手の薬指に提督との絆を結んでいるから……!」
吹雪「金剛さん……あなたほどの人が嫉妬に取り憑かれるなんて……私、悲しいです!」
榛名「ええっと……榛名、話が見えてこないのですが……」
金剛「榛名は知らないのデスカ!? その指輪の意味を!?」
榛名「何って、ケッコン指輪ですよね? それなら……」
榛名「榛名もしてますよ?」
金剛「え?」
榛名「提督がくださったものですよね? ほらこれ」
そう言うと榛名は右手をかざしてみせる。そこには確かにあのケッコン指輪があった。
金剛「なんで榛名が指輪してるデェエエエス!!!?」
叢雲「ど、どういうことよ!? あいつ、吹雪ってものがありながら……重婚だなんて
ふざけんじゃないわよ! 提督という立場を利用してこんな……!」
白雪「あー、ちょっと待って下さい。これには色々誤解があるんですよ」
金剛「誤解も何もありまセン! 重婚だなんてェー! テェートク! 何考えてるデース!」
叢雲「ちょっとは落ち着きなさいよ金剛。で、どういうことなの白雪」
白雪「……少し疑問に思って先ほどいろいろ調べたんですが、
そもそもですね、このケッコン指輪には"結婚"の意味合いはないみたいなんですよ」
金剛「why?」
白雪「だからこれは、単純に練度の限界を突破する為のパワーアップアイテムでしか
無い訳で、そこに夫婦だの何だのという誓いは絡んでこないんです。そうですよね? 榛名さん」
榛名「はい! ……まぁ名前が名前ですから、勘違いされる方も多いですし……実際、本当に結婚する
意味合いで渡している鎮守府も有りますけれど……この鎮守府では基本的に単なる
強化アイテムとして扱っていますし、提督もそう捉えています」
白雪「ケッコンカッコカリという、練度上昇の為の儀式に必要。それだけの物です」
叢雲「クソ紛らわしいわね……なんでこんな名称なのよ」
白雪「趣味じゃないですか?(運営の)」
叢雲「じゃあ吹雪と司令は……結婚してない?」
金剛「待ってクダサイ! ブッキーはテートクとラブラブで、
ウェルカムベイビーもしてるはずデース!」
榛名「ウェルカムベイビーてwwww」
白雪「それについても裏はとれています。全ては……」
白雪「吹雪ちゃんの妄想!!!」
白雪「そうだよね? 吹雪ちゃん……」
吹雪「……な」
吹雪「何言ってるの? 私と司令官は強い絆で……」
白雪「それは練度の話だね。吹雪ちゃんは初期の艦娘だから、lv99になっていても
おかしくないね」
吹雪「お腹に子供が……!」
白雪「想像妊娠でしょ。検査してもいいんだよ?」
吹雪「司令官は私を愛してくれる!! いつも優しくて、好きって言ってくれるもん!」
白雪「それは吹雪ちゃんの妄想だよ」
吹雪「妄想じゃない! だってほら! ここにちゃんと存在してるもん!!!」ツンツン
DS『吹雪、愛してるよ』
叢雲「……」
金剛「……」
榛名「……」
吹雪「ほら!!!!」
叢雲「ほら! じゃないわよ! ゲームじゃないの!!!!!」
吹雪「ゲームじゃない! 提督はここにいるもんここにいるもん!」ツンツン
DS『吹雪、愛してるよ』
叢雲「タッチペンで突くのやめ!」
吹雪「司令官はここにいるもん、しれいかんはここにいる!」
吹雪「ここにいるここにいるここにいるここにいるここにいるここにいるここにいる」
叢雲「ちょっとこれ病んでるじゃん……」
白雪「例の"司令官プラス"というゲームですね。吹雪ちゃん、それにどっぷりと
ハマっていたみたいです」
金剛「fu……そんな矢先、あんなケッコンカッコカリだなんて紛らわしいコトを
されたら……ブッキーがああなってしまうのもむりはないかもしれないデス……」
白雪「思い込みの力というのは恐ろしい物で…現実と妄想の区別がつかなくなっていたん
ですね。吹雪ちゃん……」
叢雲「吹雪! 目を覚ましなさい! それはゲームよ!」
吹雪「ゲームじゃない! ゲームじゃない! 本当のことさ~♪」
叢雲「こんなんが姉とか泣けてくる……」
叢雲「ちょっと白雪! アンタからもなにか言ってよ!」
白雪「吹雪ちゃん……」
吹雪「なに!? 白雪ちゃんも私と提督を否定するの!?」
白雪「否定なんてしませんよ。ただ、吹雪ちゃん……辛かったねって」
吹雪「な、何が……私と司令官はラブラブで、幸せ……」
白雪「うん。私もそうなってくれれば嬉しかった」
吹雪「……」
白雪「どんな形であれ、吹雪ちゃんが幸せになってくれるならそれに勝る幸せはない
けど、今の吹雪ちゃんはなんだか……辛そう」
吹雪「……」
吹雪「……わかってる」
吹雪「……わかってるよ、自分が現実逃避してることくらい」
吹雪「司令官はアニメみたいに、私のことを特別扱いなんてしてくれない」
吹雪「司令官は私のことなんか、なんとも思っていない」
吹雪「司令官の周りには可愛い子がたくさんいる。所詮私は地味な一艦娘でしかない……」
吹雪「私にどうしろっていうの!? 現実逃避でもしなくちゃ、私は苦しくて苦しくて……
胸が張り裂けそう」
叢雲「吹雪……」
白雪「吹雪ちゃん、どうしてそんなに胸が苦しいんだと思う?」
吹雪「そんなの、わかんない……わかんないよ……」
白雪「……好きという気持ちをずっと打ち明けられないでいるからだよ」
吹雪「!!」
白雪「告白できずにいつまでも目をそらし続けて、自分を騙しているから」
白雪「吹雪ちゃん、本当の司令官に真正面から"好き"だと言ったことある?」
吹雪「そんなこと言っても、私磯波の次くらいに地味だし……告白した所で……」
白雪「そうやってまた逃げる。吹雪ちゃん、それじゃあダメです」
吹雪「じゃあどうしろって……!」
白雪「吹雪ちゃん、どうして私や叢雲ちゃんを頼ってくれないの?
私達はあなたの姉妹なんだよ?」
吹雪「あ……」
白雪「私達は少しでもあなたの力になりたいと思うし、あなたのために悩みたい、
あなたのために頑張りたい。そう思ってる。だから……一人で抱え込まないで」
叢雲「そうよ! 一人で背負い込むんじゃないわよ、姉妹艦がこんなに沢山いるのに。
……元から姉としての威厳なんて無いに等しいんだから、遠慮するんじゃないの!」
吹雪「ふ……二人共……」
白雪「皆で頑張れば、地味な吹雪ちゃんを司令官とくっつけることくらい訳ありませんよ」
吹雪「磯波の次くらいに地味」
白雪「うんそうだったね、磯波ちゃんの次くらいね」
叢雲「そういうことだから、いつまでもくよくよしてないの。アンタは私達の姉なんだから
少しはシャキッとしてもらわないと困るのよ……」
吹雪「う……うぅっ!」
吹雪「二人共ありがとう! だいすきだよ!!!」
そう言って吹雪は白雪と叢雲に抱きつきます。
叢雲は「全く仕方のない姉だ」と心の中で思いました。
白雪は「吹雪ちゃんの胸0.2mmくらい大きくなった?」と心の中で思いました。
金剛「レイン降ってサンド固まるネー!」
榛名「本当に良かったですね……」
金剛「本当ですネー……ところで榛名?」
榛名「はい、なんでしょう金剛お姉さま?」
金剛「どうしてテートクはワタシにケッコン指輪をくれないんデスかね?」
榛名「……(逸し目)」
――――――
―――
―
叢雲「はぁ~……ホント、色々と騒がせてくれたわね、吹雪」
吹雪「あはは……ごめんて」
叢雲「……それにしても思い込みの力って凄いわね。思い込みだけで吹雪のフェロモンが
あんなに増して見えるんだから……人妻フィルター侮りがたし」
白雪「ああ、そのことでしたら実際吹雪ちゃんからはフェロモン出ていましたよ」
白雪「だって吹雪ちゃんは今、発情期ですから」
吹雪「ししししっしししらゆきちゃん!?!??!?
白雪「なんか引っかかるなぁとずっと思っていたんですけど謎がようやく解けました
吹雪ちゃんがエロかったのはモナピーの回数が最近増えたからなんですね」
吹雪「モモモモモナピーなんてしてないです! してないですってば!」
白雪「吹雪ちゃんの部屋のティッシュ、最近減るの早いよね?」
吹雪「!? 白雪ちゃん!? なんでそんなこと!?」
白雪「吹雪ちゃんのことならなんでも知ってますよふふふふふ」
叢雲「やっぱりコイツヤバイ奴だわ……」
白雪「いやですねぇ。全ては吹雪ちゃんのためですよ。そして私は吹雪ちゃんの幸せを願う
姉思いの妹ですよ」
艦!
次回
雪風「雪風、不幸になりたいです!」
今回のイベント、恐らく資源各十万無い状態で挑むから心細すぎて困りんこ
今更だが川内はアニメ関係なく三水戦であってないか
小ネタ
「慢心! 十一号作戦!」
~ステビア海・第十一号作戦海域~
若葉「若葉だ。いよいよE6だ」
龍驤「……」
榛名「さぁ皆さん! 今作戦も佳境、残すは敵の主力艦隊のみです!」
霧島「これまで順調に進んできましたが、最後まで何が起こるか分からないのが
イベント海域よ。決して気を抜かないように!」
龍驤(ンなコト言うても……今回撤退一度もなしやで。気も抜けてまうわ)
龍驤(……ま、限度はあるけどね)
準鷹「ヒャッハー! 龍驤飲んでるかー?」
龍驤(こんなん論外やん。全然決戦に向かうテンションやないでこれ……)
龍驤「アホか。今からダイソン共叩くのになんでアルコール入ってるん君……」
準鷹「決戦前の気付けってやつよ~」
龍驤「酒のんで飛行機飛ばすなんて自殺行為やで。空は酔いがすぐ回る。どんな飲兵衛でも
必ず潰れてまうよ」
準鷹「それはパイロットの話じゃん~。あたしらはさ、空母だしセーフ!」
龍驤「そういう問題やないでほんま……」
龍驤(ああもうコイツは酒臭いし……)
北上「ほいほいほいっと~。北上様お得意の魚雷ジャグリングだよ~」ポイポイ
大井「流石北上さん! オミゴトです!」
龍驤(こいつらはいつもアレやけど今回はいつにも増して酷いで……)
天龍「久々のイベント海域出撃……長かった遠征旗艦……」
天龍「チクショウ嬉しくて前が見えねえ……」
龍驤(ええ……天龍はイベント攻略にはちょっちキツくない?)
天龍「おっしゃあ! やってやるぜ!!!」
龍驤(ま、まぁやる気は十分みたいやし……他の連中よりはマシか)
龍驤「天龍、気合入ってるみたいやね~」
天龍「ひっさびさの出撃だからな!」
龍驤「そうなんや。今日はいっしょに頑張ろうなー」
天龍「おうよ! 俺まだ未改造だけど頑張る!」
龍驤「」
龍驤(あ……アホか! 天龍改でもキツイのに未改造て!)
天龍「俺まだダイソンって奴とあったこと無いんだよなぁ~。早く戦って
土手っ腹に風穴開けてやりたいぜ~」
龍驤(無理やで。君の火力じゃ割合カスダメが関の山やで)
オイゲン「ビスマルク姉様~、お姉さまの好きなヴァイスブルストが焼けましたよ~」
ジュウウウ……
ビス子「ダンケ! ちょうど小腹がすいていたのよ、本当にあなたは気が利くわねプリンツ」
オイゲン「えへへ~、このプリンツめは、お姉さまの胃袋事情を常に把握してますから!」
龍驤「ちょっと君達ィ! 何海の上でウインナー焼いてるん!!!???」
ビス子「分からないの? 昼食よ。ヤーパンのコトワザにも有るでしょ?
『腹が減っては戦はできぬ』って」
龍驤「あのねぇ! どこの国に戦場のど真ん中でウィンナー焼く奴がおるんや!!」
オイゲン「そうは言っても、仮に空腹でビスマルク姉さまが全力を出せなかったら
困るし……」
龍驤「まぁそれは困るな」
龍驤「で、君はこの調理道具一式をどうやって持ってきたん?」
オイゲン「ふぇ? どうやってって……主砲を全部おろしたに決まってるでしょ?
そうしないと持ってこれないもんね!」
龍驤「ほげえぇ~どうなっとるんやこの艦隊は~!!」
龍驤「提督は何を考えとるんや! こんな艦隊舐めすぎやろ! ちょっと榛名!
あんた秘書やろ? なんでこんな提督の暴挙を止めなかったんや!」
榛名「……あの、……なんというか提督は今……お忙しいようで……」
龍驤「何が忙しい言うんや!」
榛名「なんでもその……落城した、とか何とかで……」
龍驤「……落城?」
榛名「はい。なので提督は殿として、落城した城達の敵討の為に現在、
オヤカタとの全面抗争に突入したとの事らしいです」
龍驤「それ完全オヤカタとばっちりやん!!」
榛名「そんな訳で、編成も装備もろくに確認せずに出撃した為……こんな事に……」
龍驤「城◯ロはもう戻ってこないんやで……」
準鷹「お、何これウインナー? つまみにイイね~、一本もらえる?」
オイゲン「どうぞどうぞ! 皆さんの分もありますからね~」
若葉「若葉だ。いただくぞ」
北上「じゃあご好意に甘えようとしましょうかね~、大井っち」
大井「あつあつのウインナーって……素敵……!」
オイゲン「おかわりもたくさんありますからね~」
ビス子「ほらそこのあなた達も! せっかくプリンツが焼いたのだから、冷めない内に
食べなさい!」
榛名「あはは……」
霧島「……全く。近くでこんないい匂いを嗅がされては、お腹も空いてきてしまうわね」
龍驤「……はぁ。まぁ、あれや」
龍驤「ここはとりあえず、ウィンナー食べとこか」
その後もプリンツはウィンナーを焼いて進軍を続けたが、
焼いた時に出る煙は垂れ流しだった為、すぐに敵の偵察隊に見つかり、
艦隊は無事集中爆撃を受けるのであった。
艦!
最高に熱いBGMからアホみたいにヌルい難易度。
>>476
一応初期一水戦旗艦だったりする川内。
とはいえ一水戦旗艦といえはあぶくまですにぇ。
このSSまとめへのコメント
信じられるか?これ、終末艦これショートの作者なんだぜ
マジか