後輩「ねぇ、答えてくださいよ」
後輩「ねぇ先輩」
後輩「いつまでのほほんとしてるつもりですか」
後輩「先輩の小さい頃はそんなんじゃなかったですよね」
後輩「先輩はとても勉強ができて頭いいねって皆に言われてて」
後輩「スポーツもそこそこできて」
後輩「コミュニケーションもしっかりできて」
後輩「告白も何回もされてましたね」
後輩「私は先輩の後輩であり幼馴染でもありますから」
後輩「先輩の話は小さいころからずっと聞いてました」
後輩「先輩は天狗になってるって」
後輩「あ、自覚してましたか」
後輩「やっぱり天狗は気付いていたんですね」
後輩「でも私は...先輩が天狗でも...アレでしたよ」
後輩「アレの内容は言えないです」
後輩「まぁ...時が来たら言います」
後輩「とにかく、先輩は小さい頃は凄かった」
後輩「先輩言ってましたね」
後輩「将来は有名な大学行って」
後輩「可愛いお嫁さん貰って」
後輩「普通よりいい人生送るって」
後輩「なのに」
後輩「なのに、どうして?」
後輩「どうして、先輩は」
後輩「どうして先輩はこうなってしまったんですか?」
後輩「先輩は天狗のように長い鼻のまま小学生時代を過ごしてましたね」
後輩「そして先輩は中学受験した」
後輩「先輩は県内で一番偏差値の高い学校を受験した」
後輩「そして特に勉強してませんでしたよね」
後輩「その受験前も私と普段通り遊んでくれましたし」
後輩「しかし先輩は無事合格しました」
後輩「まぁ、あの頃の自信満ち溢れる先輩なら合格できましたよね」
後輩「頭もとても良かったですし」
後輩「入学前の3月には私と買い物したり遊んだりして」
後輩「その度に言ってましたよね」
後輩「俺はそこでも一番になる、って」
後輩「......」
後輩「今思えば入学を止めとけばよかった」
後輩「なんて言っても先輩は入学してたでしょうが」
後輩「先輩は入学した」
後輩「私も先輩の後を追いかけて」
後輩「良くない頭をフルに使って必死に勉強して」
後輩「努力の限りを尽くしてなんとか先輩の通ってた学校に私も合格できた」
後輩「必死に努力していたは私は普段一緒に遊んでいた先輩とはほとんど遊ばなくなっていた」
後輩「だから先輩のその時の現状を知らなかった」
後輩「しかし入学して先輩の現状を知りました」
後輩「先輩は自信を失っていた」
後輩「先輩は輝いていなかった」
後輩「あの天狗でうざったらしい先輩が」
後輩「冗談ですよ」
後輩「先輩は成績も悪く」
後輩「そこそこできたスポーツはほぼ出来なくなって」
後輩「私とのコミュニケーションさえ苦手になっていた」
後輩「私はその理由が知りたかった」
後輩「先輩は何故ここまで落ちぶれたのか」
後輩「先輩に直接聞いても曖昧な返事をして笑うだけ」
後輩「私は先輩の周りに色々聞きましたが分かりませんでした」
後輩「そんな中でも先輩は遊んでくれましたね」
後輩「先輩から遊びに誘うことはなくなってましたが」
後輩「先輩は遊んでくれるし落ちこぼれてるのはちょっと気分が乗らないだけだろうと楽観してました」
後輩「憧れの先輩ならまた天狗になってくれると思ってました」
後輩「でも結局天狗にはなりませんでしたね」
後輩「入学して5年後、先輩は突然学校を辞めた」
後輩「私はまた理由を探しました」
後輩「しかし何も出てこなかった」
後輩「コミュ障気味の先輩になってましたから交友関係の問題かと思いましたが違いました」
後輩「私は探しました」
後輩「ご両親とも話しましたがご両親でさえその理由を知らなかった」
後輩「しかし私は聞きこむうちに思い当たることが出てきました」
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