スクールアイドルの日常 (27)
~ある日の夕暮れ、川原にて~
ヒュウウウウウ
真姫「…………」
パラパラパラパラ
真姫「…風が強くて全く読めないわ」
真姫(失敗したわね…川原で本なんか読むんじゃなかった)
ザッ
真姫「ん?」チラッ
男「…………」
真姫「…………」
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男「どっこいしょ………」
真姫「…………」
男「…………」
真姫「…………」
男「…………」
真姫「…………」
真姫(き、気まずい…!)
真姫(何!?何なの!?誰なの!?)
真姫(何で無言なのよ、こんな広い川原でわざわざ私の隣に座っておいて!!)
真姫(何の用かは知らないけどやっぱりわたしから声をかけるべきなのかな…)
真姫(…いや、でも何で?とにかく私に気の利いたセリフなんて言えるわけないでしょ!意味わかんない!)
真姫『…夕焼けが綺麗ね』
真姫(ダメダメダメ!そんなありきたりなセリフこの状況に合わないわ!)
真姫(そう、この状況。夕日に染まる川原で孤独に本を読む少女と出会う幻想的なシチュエーション)
真姫(……多分この人、ロマンチックで非現実的なボーイ・ミーツ・ガールを期待してるんじゃないかしら……)チラッ
男「んー……///」ソワソワ
真姫(どうもそんな感じだわ!)
真姫(…となるとイカした一言ね。そう、それこそ海未の歌詞に出てくるような)
真姫(……………よし。飛ばすわよ、スカした言葉を)
真姫「……今日は……風が騒がしいわね……」
男子高校生とのコラボはもうやったんだよなぁ…二番煎じ
真姫(……いや、何か死にたくなってきた)
真姫(何よこれ?恥ずかしいとかそういうんじゃなくて何かこう………死にたい)
真姫(はあ………やっちゃったかしら)チラッ
男「ん、んんんん……///」
>>8
マジかよ何か死にたくなってきたkwsk
真姫(あ、嬉しそうだわ!ちょっと精神が崩壊しかけたけど言ってやったわ!)
真姫(……さあ、どう返すつもりなのかしら?)
男「……でも少し……この風、泣いてる」
真姫(あはははははは!!この人おもしろーい!!)
真姫(……いやー、ごめんなさい。勘弁してくれない?)
真姫(もう…限界なのよ…)
真姫(いや、正直ね?後ろに座られた時は少し嬉しかったの……でも、私って想像力があまりない人間みたいで……この空間に耐えられないようなの)
真姫(……だから既に呼ばせてもらっているわ、2人の救援隊を)
真姫(来て、私の救いの女神達!この硝子の花園を打ち砕いてちょうだい!)
凛「真姫ちゃん!」
男「!?」ビクッ
真姫(来た!意外と早いわね)
真姫「凛!」
凛「………」
真姫「凛…?」
凛「………急ぐよ真姫ちゃん。どうやら風が音ノ木坂によくないものを運んできちゃったみたいだにゃ……」
真姫(何で今日に限ってテンション高いのよあんたはあああああああああ!!)
凛「!!」
凛「あ……あ……あの……」
真姫(こんな時に男苦手キャラ出してんじゃないわよ!!チャーシュー喉に詰まらせて死ね!!)
男「んんんんんんんん!!///」
真姫(何でそんなに嬉しそうなのよあんたは!!最早不審者じゃない!!)
真姫(はあ……もう嫌だ!私をぶる〜べりぃとれいんで現実世界へ帰して!)
真姫(川原で1人黄昏てる少女に声をかけたいという願望はもう十分叶ったでしょ?)
真姫(この空間をぶち抜いて帰らせてもらうわよ!現実的な一言でね)
真姫「……風が止む前に急ぐわよ」
真姫(何言ってるのよ私はあああああああああ!!)
真姫(もういいわよ!!こうなったら行けるとこまで行ってやるんだから!!)
花陽「はあはあ……待って凛ちゃん!真姫ちゃん!」
真姫「花陽……!?」
凛「かよちん!」
花陽「大変だよ!!あそこのコンビニでおにぎりが全品半額だって!!早く買いに行こう!!」
真姫(空気読みなさいよあんたは!!………いや、読んでるけれども!!)
男「……お前…………!」
花陽「ひっ!誰この人!?真姫ちゃんの彼氏さん!?」
真姫「んなわけないでしょ!」
花陽「は、花陽に何かご用でしょうか…」
男「……お前…………空気を読めこのやろおおおおおおおおおお!!」
花陽「ひいいいいい!!助けてええええええ!!」
凛「か、かよちん!!」
男「待てコラァァァァァァァァァ!!」
花陽「助けて………助けて凛ちゃあああああああああああん!!!!」
凛「……………!!」
瞬間ッ!凛の心の中で彼女の動きを妨げていた決定的な何かが音をたてて崩れ去ったッ!
ガッ
凛「かよちんを………いじめるなァァァァァァァァ!!」
ドゴォッ!!!!!!!
男「ボグアッ!?」
凛「オラァッ!!オラァッ!!思い知れどうだッ!!思い知れどうだッ!!」
ドゴォドゴォドゴォ!!
男「ドギャス!!タコス!!ぐああああああああああ!!」
凛「オラオラオラオラオラオラオラァッ!!」
花陽「凛ちゃんやめて!!もうその人息してないからぁ!!」
男「……大丈夫……なん、とか……げふっ……」
凛「こいつまだ息が……!!」
バサッ
真姫(ん?何これ?原稿用紙?)
真姫「……」パラパラ
真姫「……ふーん、自作小説か」
男「!?おいお前!!何勝手に読んでんだよ、やめろ!!」
真姫「なるほど……少年と少女が川原で出会うラブストーリーか……」
男「解説すんな!!まだ完成してないし人に読ませるレベルでもないんだって!!やめろよ!!」
凛「主人公の男の子は風の能力使いだってー!かっこいいにゃー!」
男「か、かっこいいって///……じゃなくて!!」
凛「ああん?」
男「何でもありません!!」
真姫(ふむふむ…びっくりするほど今の状況と一致してるわね)
真姫(なるほど。この人は自分の憧れを実現させたくて私をヒロインに見立てて隣に座ったってわけか)
真姫(……まあ、それは別にいいわ。ただ問題は、このヒロインが特徴的な設定をしてるってこと)
真姫(……これはつまり)
男「あ、あの……」
真姫「……」グッ
真姫「私が貧乳ツンデレのピンク髪病弱女に見えたってことかァァァァァァァァ!!!!!」
ドゴォオオオオオオオオオ!!
男「ヤッダーバァァァァァァァァ!!!!!!」
凛「別にいいじゃん……」
その後、偶然通りかかった理事長によって真姫・凛には2週間の自宅謹慎が言い渡されμ'sも3ヶ月の活動停止になることはこの時の花陽は知る由もなかった。
〜完〜
くぅ疲
機会があれば希でコンビニのやつとかうみことで彼女かと思ったら妹だったってやつやりたいです。
わざわざ付き合っていただきどうも。
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