「愛が無いな…」(1)

夏の気だるさが懐かしく感じ、秋真っ只中の11月
私はピンクに染まった山々をバックに撮った家族写真にライターで火を付け、灰にした。
名前も知らない父親らしき男と娘と母親らしき女、3人とも笑顔で笑って楽しそうだった。
不意に目の前に通った若いキャバ嬢風の女に頭の上から湧き出る謎の殺人衝動を爆発させる。
背負っていたギターケースから日本刀を取り出し鞘を抜く、刃の先端を指でなぞる
指先から滴る血を舐め、露出した女の背中の上当たりの首筋に切先を突き刺す
首の筋に突き刺さった日本刀、ゆっくりと刃を腰の方へ下ろして行く
振り返る女の唖然とした顔、苦しそうに悶え苦しむ
刀を伝い私の手に着いた鮮血は行き場を無くしポタポタと足元に溜まっていく
骨盤当たりで刀を引き抜き、一気に首を落とす
返り血が左目に入り目にしみる
血の水溜りに落ちた肉片と首
血塗れの手
左目を拭い服も血塗れだと気付く

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