シャーリー「ルッキーニに訓練させるんですか?」 (58)


501基地 ハンガー お昼すぎ


坂本「ルッキーニは確実に強くなる。だが訓練もなしに開花するとは到底思えんのでな」

シャーリー「確かにルッキーニは可能性を秘めていますけどまだ幼いですし……」

坂本「確かにまだ身体はできていないがネウロイは待ってくれない。シャーリーの口から言ってみてくれないか?」

シャーリー「少佐の頼みじゃ断れないですよ。了解です!見つけたら会話に織り交ぜておきますよ」

坂本「助かる。それと頼んだぞ」


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風呂


シャーリー「フンフフンフフ~ン♪」チャプチャプ

ガララッ

ルッキーニ「ウジュワァ…とぅ!」ピョン

ドボーーン

シャーリー「うわっ!びっくりしたじゃないかルッキーニ!」

ルッキーニ「ごめんねシャーリー!」ダキッ

シャーリー「罰として少佐の訓練を1週間付き合う!どうだ?」

ルッキーニ「それは…ウジュ」

シャーリー「嫌か?」

ルッキーニ「うん……」

シャーリー「そうか…ならしょうがないな!じゃ今日は私と一緒に寝よう!それでチャラだ!」

ルッキーニ「それならいいよ!」


執務室


コンコン ミーナチュウサハイリマスヨ?

坂本「ん?シャーリーか。入っていいぞ」

カチャ

シャーリー「おじゃましますっと」

ミーナ「なにか欲しい部品でもあったの?」

シャーリー「欲しいパーツはありますけど今回は少佐に用がありまして……」

坂本「ふむ…ルッキーニのことか?」

シャーリー「はい…本人にそれとなく聞いたところダメでした」

坂本「やはりか…どうすればいいと思う?」

シャーリー「ルッキーニの行動源は〝楽しさ〟と〝いまの環境を守る〟のふたつにひとつですからね」

ミーナ「なるほどね…」

坂本「訓練に娯楽を入れるのか…難しいな」

シャーリー「となると環境を変えるしかありませんね」

ミーナ「環境…というと雪が降ったり雨が降ったりってことかしら?」

シャーリー「天候もありますけど人間関係の方がルッキーニには大きく影響すると思います」

坂本「確かにこの前マルセイユが来たときはルッキーニの様子が少しおかしかったな」

シャーリー「喧嘩とか極端に嫌いますからね。しても明日には仲直りしてますし」

ミーナ「…ハイリスクでハイリターンなことを思いついたわ」

坂本「なんだ?」

シャーリー「中佐の作戦…聞かせてもらいますよ」


夕食


宮藤「えぇ!?シャーリーさんリベリオンに帰っちゃうんですか!?」

坂本「リベリオン合衆国が自国の優秀なウィッチをかき集めていてな」

ミーナ「シャーリーさんは明日の昼にこのロマーニャ基地からいなくなります」

シャーリー「今日の昼頃電報が届いたんだ。まぁ空を飛んでいればいつかは会える。また配属されるかもしれないからそうなったらよろしくな」


ルッキーニ「えっ……」

シャーリー「どうしたルッキーニ?」

ルッキーニ「シャーリーいなくなっちゃうの?」

シャーリー「そうだ」

ルッキーニ「いや!絶対にダメ!」ギュー

シャーリー「おいおい抱きつくなよ」

ルッキーニ「だってぇ…だってぇ!」ギュー

シャーリー「ここで泣くと堅物がまた怒るぞ?食後の風呂でも行くか!」

ルッキーニ「いっしょに寝るぅ」ギュー


宮藤「シャーリーさんがいなくなっちゃう……」

リーネ「芳佳ちゃん。そこまで落ち込まなくても……」

宮藤「何言ってるのリーネちゃん!」バンッ

リーネ「はうぅ…ごめんなさい」

宮藤「もう決まったことだからどうしようもできないけど。私たちに出来る最高のお別れ会にしようね!」

リーネ「う…うん!頑張ろうね!」



バルクホルン「…ハルトマン」

ハルトマン「面白そうだから黙っていようよ」

バルクホルン「だが宮藤が!」

ハルトマン「はいはい出ました。言ってもいいけどミーナと少佐に相談してね」

バルクホルン「そうか…後で聞いておこう」


風呂


ルッキーニ「ねぇシャーリー」モコモコ

シャーリー「なんだルッキーニ?」ワシャワシャ

ルッキーニ「ほんとに行っちゃうの?」モコモコ

シャーリー「何度聞いても同じだ。明日の昼に私はここからいなくなる」ザバーッ

ルッキーニ「っ…リベリオンに行けば会えるの?」

シャーリー「どうだろうな。リベリオンは広いから探すの大変だぞ?」

ルッキーニ「…頑張ってさがすもん」

シャーリー「ありがとな…次私の頭やってくれ!」

ルッキーニ「あぃ!」ワシャワシャ

シャーリー「フンフフンフフフーン♪」モコモコ


翌日


シャーリー「パーティーとかいろいろとありがとな!」

宮藤「本当に行っちゃうんですね。頑張ってください!」

シャーリー「宮藤も頑張れよ?」

宮藤「はい!」



シャーリー「バルクホルン」

バルクホルン「なんだリベルアン」

シャーリー「私が不在の間…まかせるぞ?」

バルクホルン「ふんっ!私に構わず目一杯暴れてこい」

シャーリー「おうよ!」


ミーナ「私達とシャーリーさんはロマーニャに着き次第解散。シャーリーさんはユニットと共に船へ、私と坂本少佐はロマーニャ本軍と会談をしてきます」

ハルトマン「ここはどうするのさ」

坂本「おまえとバルクホルンがいればどうにかなろう。明日の昼にはもどる」

ハルトマン「了解。それまでは自由行動ってわけね」

ミーナ「もしものことがあったら本軍に連絡をちょうだいね」

ハルトマン「任せておきなって!私の華麗な歌声で援軍を呼んじゃうから」



ミーナ「それではいってくるわ」

シャーリー「運転は私だな」

ミーナ「不慣れですが私がします」

シャーリー「ちぇ」



ブロロロロォ


宮藤「行っちゃいましたね……」

ハルトマン「だね。私はネウロイが来るまで寝てるから夕食になったら起こして」

宮藤「わかりました!」

バルクホルン「いやわからなくていいぞ宮藤。自主的に起きてこなければ飯は無しだ!」

宮藤「えぇっと…わかりました!」

ハルトマン「ガチで起こしてね?」


ルッキーニ「………」

ペリーヌ「あら。お見送り中は静かでしたわね」

ルッキーニ「………」

ペリーヌ「体調が優れなくて?」

ルッキーニ「うるさいペタンコ眼鏡」

ペリーヌ「ペタッ!あなたに言われたくは…ないですわね」

ルッキーニ「…ごめんねペリーヌ」タタタッ

ペリーヌ「あぁ…いってしまいましたわ」


夕食


宮藤「できました!…けどハルトマンさんがまだ……」

バルクホルン「しょうがないやつだ。宮藤…蒸し籠はどこだ?」

宮藤「蒸し籠ならこのしたに……」

バルクホルン「これか。ジャガイモももらうぞ」チャカッボッ

宮藤「はい!」

バルクホルン「よし!あとは時間が経てばやってこよう」



ルッキーニ「………」モグモグ

ペリーヌ「口についていますわよ」フキフキ

ルッキーニ「ンーッグ」モグモグ

ペリーヌ「もう!」


エイラ「中佐に少佐。それとシャーリーがいないとこうも静かなんダナ」モグモグ

サーニャ「ハルトマンさんもいないわ」モグモグ

エイラ「中尉はじきに起きてくるっテ」

サーニャ「いい匂い…ジャガイモって火を通すといい匂いがするのね?」

エイラ「カールスラント料理のことはわからないんダナ」

サーニャ「今度料理当番が来たら挑戦してみようかしら」

エイラ「私も手伝うんダナ」


ハルトマン「いいにおい……」トテトテ

バルクホルン「遅いぞハルトマン!お前以外は全員食事は終わったぞ」

ハルトマン「エ゛ッ!ミヤフジは?」

バルクホルン「私が監視しておいた。風呂に入るまでゆっくりとな」

ハルトマン「それで私のご飯は?」

バルクホルン「蒸した芋があるが塩とバターを用意してある」

ハルトマン「おっ!いいじゃんちょうだいよ」

バルクホルン「そのくらい自分でやれ!」


翌日 お昼すぎ


坂本「戻ったぞ!」

宮藤「坂本さん!おかえりです!」

坂本「飯は食ってきたからいらんぞ。それでルッキーニはどうだ?」

宮藤「すごく落ち込んでいます」

坂本「そうか……」

宮藤「どうしましょう……」

坂本「本人が乗り越えるしかないな」

宮藤「私も坂本さんがいなくなったらルッキーニちゃんみたいに……」

坂本「それはないから安心しろ宮藤」

宮藤「そうですか?」

坂本「私にはもうここしかない。まぁここから離れる気はないがな」

宮藤「そうですよね!安心しました!」

坂本「そうか!安心したところで訓練だ!リーネを呼んでこい!」


ハンガー


ルッキーニ「………」カチャカチャ

ルッキーニ「ヒグッ……」ポロポロ

ルッキーニ「ングッ……」フキフキ



ミーナ「ルッキーニさん」

ルッキーニ「………」カチャカチャ

ミーナ「シャーリーさんに会いたいかしら?」

ルッキーニ「ぁぃ」カチャカチャ

マリア「そんなルッキーニさんに朗報です」

ルッキーニ「うじゅ?」ピタッ

ミーナ「今日から明日の昼過ぎまでマリア公女を預かることになったわ」

ルッキーニ「マリア!」

マリア「お久しぶりですルッキーニさん」

ルッキーニ「どうしたの?遊びに来たの?」

マリア「501を視察したいとお父様に言って遊びに来ちゃいました」

ルッキーニ「そうなんだ!んじゃ遊びにいこ!」タタタ

マリア「楽しみですわ」タッタッタッ



ミーナ「これで環境は変えたわ…あとは任せたわよ」


滑走路


坂本「ルッキーニじゃないか!一緒に訓練でもしないか?」

ルッキーニ「ウジュワァ…今日はマリアと遊ぶの!だからダメ」

マリア「訓練ですか…やりましょう!ルッキーニさん」

ルッキーニ「少佐の訓練は辛いよ?それでもやるの?」

マリア「何事にも挑戦し、高みを目指せと言われてます!さぁ!」

ルッキーニ「マリアなんか積極的だね…私もやろっと!」

坂本「そうか!なら滑走路周回3周!終わったら宮藤達と同メニューについてもらう」

マリア&ルッキーニ「了解!」タタタ



坂本「早速ミーナが動いたか…いやマリアがか?」


滑走路


宮藤「ヒッヒッフゥー」タッタッ

リーネ「ハッハッ」ポインポイン

宮藤「………」ジー

リーネ「どうしたの?芳佳ちゃん」タッタッ

宮藤「大丈夫!私まだ頑張れるから!」タタタ

リーネ「そッそう?」タタタ


ルッキーニ「マリアは長距離苦手?」タッタッ

マリア「いつも室内にいるから体力には自信がないわ」タッタッ

ルッキーニ「限界になったら言ってね?ペース落とすから」タッタッ

マリア「お気遣い感謝です」タッタッ


坂本「よし!集まれ!」

宮藤「運動は終わりですか?」ハァハァ

リーネ「次は長距離射撃ですよね」ポヨンポヨン

ルッキーニ「そうなの?」

マリア「長距離ですか?」

坂本「距離は500M!カラーは赤で見やすいはずだ!」



ルッキーニ「その前に自己紹介だよマリア!」

マリア「マリア訓練兵です!よろしくお願いしますわ」ニコッ

宮藤「宮藤芳佳です!よろしくね!マリアちゃん!」

マリア「宮藤さん。よろしくですわ」

リーネ「リネット・ビショップです。よろしくお願いします。マリア公女」ボソッ

マリア「リネットさん。よろしくお願いしますわ」

坂本「紹介が終わったところで訓練再開だ!」


坂本「まずは宮藤だ!」

宮藤「えぇ!私からですか!」ヒュイン ピコ

坂本「構え!」

宮藤「うぅーんと……」カチャ

坂本「撃て!」

宮藤「そこっ!」パパパッ



坂本「…全弾外れたな」

宮藤「そんな……」


坂本「次はリーネ!自分のタイミングで撃て!」

リーネ「はい!」ヒュイン ピコ


リーネ「…いま!」カチャ…パン


坂本「…うむ!見事中央に貫通させたな」

リーネ「やった!」


坂本「よし!ルッキーニ!やってみろ!」

ルッキーニ「あい!」カチャパパパパン


坂本「リーネの開けた穴を中心に綺麗に打ち抜かれている。まるでサイコロの目のようだ」

マリア「私には見えませんわ…でもすごいです!ルッキーニさん!」

ルッキーニ「訓練すればいつかはできるようになるよ!」

マリア「ウィッチはこのような訓練をしているのですね」

坂本「似たような訓練も合わせれば無限とある…が退屈じゃないか?」

マリア「この光景を目にすることができただけでも来た意味はあります」

坂本「そうか。なら良かった」


夕飯


宮藤「よしできた!マリアちゃんは配膳を手伝ってね!」

マリア「はい!わかりましたわ」


ミーナ「えっ!?」

坂本「マリアが自分のことを訓練兵だと名乗ってな。宮藤の手伝いをしているそうだ」

バルクホルン「王室に何か言われる前にやめさせよう」ガタッ

エイラ「そうダナ。宮藤にひとこといってくる」ガタッ

ハルトマン「やめなって。本人はまんざらでもないようだし」

ペリーヌ「そうですわ!何事にも体験ですわぁ」ガクガク

リーネ「ペリーヌさん。肩が震えてますよ?」

サーニャ「マリア公女…楽しそう」

ルッキーニ「ごっはん♪ごっはん♪」


エイラ「なぁ宮藤」

宮藤「なんですか?エイラさん」

エイラ「あのネバネバしたの出したらコレだからナ」クビスパッ

宮藤「えぇ!ダメですか?」

エイラ「501の秩序と名誉とその他の為だ。ゼッタイだゾ!」

宮藤「はぃ…わかりました」


宮藤「今日は魚の姿焼きです!」ドドン

坂本「これはスズキか?」

宮藤「多分そうだと思います!昨日ルッキーニちゃんが釣り上げていました」

ミーナ「そぅ……」

宮藤「頭と尾はありますが体の骨は全部処理済みです!残っていたらごめんなさい!」

ルッキーニ「よしかーはやくー」

宮藤「はい!マリアちゃん急ごう!」テキパキ

マリア「分かりましたわ」テキパキ


サウナ 食後


エイラ「ドウシテコウナッタ」ダラダラ


サーニャ「公女様ってどんな生活を?」

マリア「毎日作法や国についての勉強ですわ」

ルッキーニ「楽しいの?それ」

マリア「楽しいか楽しくないかでは確かに楽しくはありません。ですが501の皆様のおかげでロマーニャは平和なのです。ありがとうございます」

ハルトマン「また美味しいお菓子たくさんちょうだいね!その分私達も全力で守るから!」

マリア「またお父様に言っておきますわ」

ハルトマン「おぉ!言ってみるもんだね。私は熱いからここでリタイアするよ!」ギィバタン


風呂


宮藤「マリアちゃんサウナ大丈夫かなぁ」

リーネ「ロマーニャに蒸し風呂があったはずだから大丈夫だと思う」

宮藤「マリアちゃんってロマーニャから来たんだ!」

リーネ「たしか…そうだった気がする」



ペリーヌ「………」ブクブクブク

坂本「どうしたペリーヌ。のぼせたか?」

ペリーヌ「いえ大丈夫ですわ!少佐はあのことをどう思ってますの?」

坂本「マリアのことか?本人がいいと思ったのならいいのだろう。ロマーニャ人は気さくだからな」


ハルトマン「扶桑人って鈍感だし頑固だしなんかすごいよね」モコモコ

バルクホルン「少佐も公女殿下のことを名で呼んでいるのだからな。そういう習慣なのかもな」ワシャワシャ

ハルトマン「じゃあ私達は?」モコモコ

バルクホルン「………」ピタッ

ハルトマン「扶桑人って最初に聞いた名前で印象に強い方を呼ぶらしいよ」ザバッ

バルクホルン「そうなのか?」

ハルトマン「そうらしいよ。じゃお風呂行ってくる」

バルクホルン「まてハルトマン!まだ泡が残っている!」


脱衣所


ミーナ「マリア公女はゲストルームで今夜は過ごしてもらうわ」

マリア「ルッキーニさんの部屋は?」

ミーナ「ルッキーニさんの部屋はシャーリーさんの物置みたいになってるし…なにより本人は部屋で寝ないわよ?」

マリア「そうですか……」

ルッキーニ「わたし今日ゲストルームで寝る!」

ミーナ「そう。じゃあ案内は任せたわ」



ルッキーニ「ゲストルームじゃ扶桑の竹井って人とハルトマン中尉の妹とハンナってひとが泊まったんだよ!」

マリア「ハンナ…カールスラントの4強の?501って凄いのね」


翌日 朝食


宮藤「ダメですか?」

エイラ「ゼッタイにダメだ!」

宮藤「そうですか……」



坂本「今日の朝食は…かき揚げか?」

宮藤「昨日のスズキの残り物を集めて揚げてみました。少し濃い目に調整した出汁醤油に浸して食べてください」

ミーナ「この出汁醤油は飲めるのかしら?」

宮藤「飲む時はひとこと言ってください。昆布とスズキのアラで取った海鮮出汁で味を調整して出しますので」

ミーナ「わかったわ」

宮藤「それでは」

みんな「いただきます!」


バルクホルン(なんだこの醤油は……)ペロッ

バルクホルン「…宮藤。この醤油で焼きおにぎりを作ってくれないか?」

宮藤「わかりました!」

バルクホルン「すまない」


ルッキーニ「マリア!どう?美味しい?」シャクシャク

マリア「扶桑の料理って食べたことなかったけど美味しいわ」モグモグ

ルッキーニ「ニヒー!ならよかった!」


坂本「宮藤!塩はあるか?」

宮藤「はい!塩です!」コトッ

坂本「それとこの出汁醤油に海鮮出汁を入れてくれ。揚げ物には塩と決めているのでな」

宮藤「わかりました!すぐ準備します」タタタッ


ノーブルウィッチの小説か…買おうかな

>>34は無視しsてくれ!


ヴ-ヴ-ヴ-ヴ-ヴ-ヴ-


バルクホルン「ネウロイか!」ガタッ

エイラ「食事中には来て欲しくなかったンダナ!」ガタッ

サーニャ「わたしも行かなきゃ」カタッ

エイラ「サーニャは夜間飛行で疲れてるんダ!休んでロッテ」

サーニャ「それは…ミーナ隊長が決めること」

ミーナ「全員ハンガーに集合。出撃命令があるまで待機」

みんな「了解!」



バルクホルン「…仕方がない。持っていくか」タタタッ


通信室


ミーナ「ネウロイの位置は……」

坂本「ここから首都を背に20Km…速度が遅いから爆撃タイプと判断する」

ミーナ「でも近いわね。レーダー網もそろそろ買い替え時かしら」

坂本「軍の機械のことはミーナとシャーリーに任せる」

ミーナ「行きましょ」


ハンガー


ハルトマン「みんなおっはよー」タタタッ

バルクホルン「遅いぞハルトマン。敵襲だ」

ハルトマン「わかってるって。ミーナと少佐は?」

バルクホルン「通信室でネウロイの進行角度と速度を見てくるらしい。じきにくる」

ハルトマン「んじゃユニット装着して待機だね」

バルクホルン「ちなみにもう全員朝食は済ませたぞ」

ハルトマン「エ゛!いきなりお腹がすいてきたような気がする」

バルクホルン「少しはこれで紛らせ」ポィ

ハルトマン「くれるならもらっちゃうよ!ありがとトゥルーデ♪」モグモグ


ミーナ「みんな揃っているわね?今回のネウロイは低速飛行の爆撃タイプと予測するわ」

坂本「ハルトマンとバルクホルンが先行。続いて私とペリーヌ。後続でエイラとミーナ。その他は基地待機だ」

マリア「私も連れて行ってください」

坂本「すまないがそれは無理だ」

マリア「お願いします!」

坂本「連れて行くにしてもユニットがない。諦めてくれ」

ルッキーニ「私が連れてく!」

坂本「…死守するんだぞ?」

ルッキーニ「了解!」

坂本「役割を一部変更する。先行はハルトマンとバルクホルン。続いて私とサーニャ。後続はミーナとペリーヌ。遊撃にエイラとリーネ。戦闘範囲外でルッキーニと宮藤だ」

ミーナ「ちょっと美緒!」

坂本「ルッキーニの自己判断だ。今回は大目に見てやろう」

ミーナ「…全員出撃!」

全員「了解!」


アドリア海 上空


ルッキーニ「大丈夫?風強くない?」ニコッ

マリア「大丈夫よ」
そう言って彼女…ルッキーニさんは身体を海面と平行に戻し飛行を再開した。

ウィッチは魔法を使って空気の抵抗を和らいでいるが、私はウィッチではない為、空気の抵抗を直に受けてしまう。

ウィッチは飛行時には400Km。戦闘時には250Kmのスピードを出して戦うと王室では習った。

その為、ルッキーニさんは最低速で飛行を続けている。私を空気から守るために。

ルッキーニ「うーん。このままじゃ戦闘に間に合わないかも…そうだ!お腹の中に入って!」

そう言ってルッキーニさんは抱え抱きしていた体制から海面を背にするように回転し、私の頭部をルッキーニさんの上着に仕舞い込んだ。

ルッキーニ「これで直接の空気抵抗は防げるね!ちょっとこの体制のままスピードを上げるからしがみついててね!」

この言葉と同時に足全体に風が切るように通り過ぎるのが感覚でわかった。

私は落とされまいとしがみついた時に、ルッキーニさんは私の頭部を抱くように両方の耳を塞いだ。


ルッキーニ「これで鼓膜は大丈夫なはず。痛かったらどこでもいいからつねってね」

そう言ってルッキーニさんは更に加速した。

私の頬に当たる柔らかくて…そして温かい膨らみ。ウィッチの初恋はウィッチとはよく言ったものです。


そんなことを考えていると突如、足に流れていた空気の波が和らぎ、視界が開けた。

ルッキーニ「ついたよ!」

視界の先には黒い浮遊体〝ネウロイ〟とそれを囲むように躍動するウィッチ達。

ルッキーニ「はいこれ」

私が目を凝らしているとルッキーニさんは双眼鏡を渡してくれた。

マリア「ありがとう」

私がお礼を言うと、ルッキーニさんは目線を私の顔からネウロイに戻した。

ルッキーニ「ここの位置はネウロイとの距離、目測2000M。ネウロイの射程内だけどネウロイは私たちよりみんなに目が行くから安全圏内だよ」

その言葉を聞くと私は双眼鏡を覗いた。


ルッキーニ「いまなにしているかわかる?」

ルッキーニさんの質問を聞き、私はネウロイとウィッチ達を観察した。

マリア「ウィッチが銃でネウロイを撃っています。それに応じてネウロイも反撃しています」

ウィッチが弾を撃ち、それに応じてネウロイがビームを放つ。

機械的な作業で終わりがないように思えた私にルッキーニさんは新たな質問を出しました。

ルッキーニ「次はネウロイが撃たれた場所を観察してみて」

そう聞くと私はネウロイの表面を観察しました。

攻撃されると表面の塗装が剥がれ白く色を変えます。ですが直ぐに再生し、また黒い塗装が施されます。


ここで私は気づきました。部分的に再生速度が異なっているのを。

マリア「コアの周辺は再生速度がはやいの?」

ルッキーニ「気づいたね。そうやって私達ウィッチはコアの位置を割り出しているの」

あとで聞いたのですがこの501には坂本美緒少佐。ネウロイのコアの位置を特定できるウィッチがいたそうです。

ルッキーニ「ネウロイについてはこのくらいかな。それじゃ終わらせるよ」

そう言ってルッキーニさんは担いでいた銃をネウロイに構えた時でした。

背後から轟音が襲い、その次にウィッチ、そして豪風が流れてきました。


シャーリー「戦況はどうだ?」

宮藤「もう少しで終了です!」

シャーリー「終了?何やっているのかわからないけど宮藤!インカム貸してくれ!」

宮藤さんがいま到着したウィッチにインカムを渡すと、そのまま前線へ向かっていきました。

少し時間が経つとルッキーニさんは再び銃を構え、弾を発射した。

撃った弾はネウロイに的中し、ネウロイの塗装を剥がすことなく中に四散した。赤い煙と共に。

煙の出現とともにウィッチの動きが変わり、直ぐにコアの結晶が現れ、粉砕された。

コアの崩壊と共にネウロイの破片が宙に舞う。それをルッキーニさんはシールドを貼り、破片を避けた。

その後ミーナ隊長の提案で私はルッキーニさんの手から途中参加のウィッチ。イエーガー大尉の手によって基地へと帰った。



蛇足ですが、ハルトマン中尉の固有魔法で私はみなさんと同じスピードで基地へ帰還することができました。


滑走路


黒服A「公女様!」

黒服B「大丈夫でしたか?」

マリア「大丈夫です。それよりももう帰りの時間ですか?」

黒服A「時間が迫っています。お早めに」

マリア「それでは。このような別れになりましたが私は楽しかったです。ヴェネツィア解放後にまた会いましょう」

坂本「十分なお見送りができなくてすまない」

マリア「いえ。十分な見送りはもうされました。私はもう行きますので……」


ブロロロロォ


シャーリー「行っちまったか」

宮藤「シャーリーさん…リベリオンへの移動はどうなったんですか?」

シャーリー「ん?アレは嘘だよ…ところで宮藤。飯ははどうしたんだ?」

宮藤「マリアちゃんも手伝ってくれました!働かざる者なんとやらです!」

シャーリー「ヒエー。公女様に手伝いをさせたのか?」

宮藤「こうじょ?公女…え?もしかして王室の…?」

シャーリー「だろうなぁ。どう見てもこの前補給をくれた公女様にそっくりだったし」

宮藤「あわわわぁ…どどどどうしましょう?」アタフタ

シャーリー「本人は何も言わなかったのならいいんじゃないか?」


シャーリー「ルッキーニよ?寂しくなかったか?」

ルッキーニ「全然!むしろマリアと遊べて楽しかった!」ニコッ

シャーリー「そうかぁ…楽しかったかぁ」

ルッキーニ「あとね!シャーリーが帰ってくるって知ってたから!」ギュー

シャーリー「気づいてたかー」

ルッキーニ「だってこの501は独立部隊でしょ?だったらシャーリーがリベリオンの言うことは聞かなくていいって途中で気づいたんだ!」

シャーリー「今回は私の負けかー」


ミーナ「休日と補給をいちどに頼んでしまって…ありがとね。シャーリーさん」

シャーリー「いえいえ。私もちょうどロマーニャに買い物行きたかったですし休暇ももらえるなんてこっちのほうが感謝ですよ」

ミーナ「そう言ってもらえると助かるわ」

シャーリー「買ってきたものは全部荷台に積んだままなので仕分けは補給班まかせでいいですか?」

ミーナ「えぇ。長旅ご苦労様です。午後はゆっくり休んでちょうだい」

シャーリー「それじゃありがたく休憩しています」


シャーリー「少佐!作戦はどうでした?」

坂本「失敗したが成功したな」

シャーリー「詳しく聞かせてください」

坂本「ミーナが提案した作戦。シャーリーがリベリオンに帰国すると嘘をつき、ロマーニャで待機。悲しみに暮れたルッキーニにミーナが〝訓練すれば戻ってくる〟と話す。そのご真面目に訓練をした褒美に翌日シャーリーが来る。だがこの作戦は失敗した」

シャーリー「まぁルッキーニのやつ勉強はしていたそうで見抜かれていました」

坂本「そうか。だがマリア公女の訪問というイベントのおかげでルッキーニは元気を取り戻し…今に至るってわけだ」

シャーリー「予想外の誤算ってあるもんですね」

坂本「その代わりしっかりルッキーニは訓練に参加してくれたぞ!マリア公女と共にな」

シャーリー「え?公女様にも訓練させたんですか?」

坂本「本人の意思を尊重したまでだ」

シャーリー「はぁ…そうですか」


シャーリー「おーい!ルッキーニ!」

ルッキーニ「なにー?」タタタッ

シャーリー「今度少佐と訓練しないか?」

ルッキーニ「シャーリーと一緒ならいいよ!」ニコッ




シャーリー「ちょっと追加で書き足しておこう」


帰り道



シャーリー「さて…ルッキーニの奴はどうなってるかなっと」ブロロロォ

シャーリー(中佐の作戦は確かに良かったけど今考えたらほかに手があったきがする)

シャーリー「まぁ買い出しのついでに休暇をもらえるだけで今回は儲けもんだな」

シャーリー「ロマーニャを日の出前に出たから朝食には間に合うかな…この前の車さえいなければ」

シャーリー(黒い高級車…こんな峠道を選ばなくてもほかに道はあっただろう)イライラ

シャーリー「それにしても…ん?」ヒュイーン ピコ

(ヴ-)(ヴ-)(ヴ-)(ヴ-)(ヴ-)(ヴ-)

シャーリー「おいおいネウロイ来てんぞこれ!」

シャーリー「早くしてくれ!」パーパー!

高級車「クラクションを鳴らすな!こっちは慎重に進んでいるんだ!」

シャーリー「こっちのほうが急いでんだ!どこ行くつもりなんだよ!」

高級車「海辺の501基地だ!」

シャーリー「そりゃあちょうどいい。そっちに運転手はなんにんいる?」

高級車「私を含めて2人だ!」

シャーリー「ひとりこっちに寄越してくれ!この荷物も501行きだ!」

高級車「あんたは誰だ?」

シャーリー「501所属のウィッチだ!ネウロイが出たからここから発進する!」

高級車「了解!健闘を祈る」

シャーリー「荷物は任せたぞ!シャーロット・イエーガー!出る!」ブゥゥン



シャーリー(待ってろルッキーニ!いま行く!)


よし!HTMLだしておきますお

ノーブルのSS買ったらちゃれんじしてみようかな

それじゃ
(´・ω・`)おやすむ

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