絵里「にこと希とこたつ」 (47)
※絵里達が大晦日を希宅で過ごすアニメとは違う話です
希「なぁ、にこっち?エリち?」
にこ「何よ?」モグモグ
「ナンデヤネーン」
絵里「くすっ…ふふっ」クスクス
希「どうしてウチの家でそんなにくつろげるん?」
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にこ「希。お茶が切れたわ。淹れてくるわね」スクッ
希「お、ありがとうな…………じゃなくて」
絵里「あー…面白かった。CM入ったしお手洗いに行ってくるわね」スクッ
希「うん。行っておいで………じゃなくて」
希「なんでにこっちもエリちもウチの家に住み着いてるんよ」
にこ「仕方ないじゃない。居心地いいんだから」
にこ「はい、お茶。淹れるわよ」トポトポ
希「おおっと……」
のぞにこ「ずずず…………ふぅ」ホッコリ
希「居心地いいって言うのはとても嬉しいけど」
希「ここ最近、毎日のように来てない?」
にこ「冬休みは色々と忙しいから部活はほとんど休止」
にこ「そう言いだしたのは絵里なんだけど……」
絵里「ただいまぁ」
希「言い出したエリちすら用事がほとんどないって言うのがな」クスッ
絵里「……どうかしたの?」
にこ「なんでもないわよ」
絵里「それよりも希。このこたつ、なんだかいいわね」モゾモゾ
希「そう?別にどこにでもある普通のこたつよ?」
絵里「確かにそうなんだけど………」
にこ「本当不思議ね。なんか薬でも使ってるんじゃないの?」
希「ないない」
希「ところでよかったん?さすがに大晦日に来るとは思ってなかったけど」
にこ「別にいいわよ。家にいても妹たちはいつも9時くらいには寝ちゃうし」
にこ「ママもたまにはーって言ってくれたし」
絵里「私も大丈夫よ。亜里沙は穂乃果の家に行っちゃったし……」
絵里「いつも亜里沙と年を越してたのに、気がついたら亜里沙だけ遠くに行っちゃったみたいだったわ…」
絵里「なんだか……娘を取られた父親の気持ちがわかった気分ね」
のぞにこ(寂しかったんだ…)
にこ「なーに落ち込んでるのよ」
希「そうそう。エリちにはウチらがいるやん」
希「亜里沙ちゃんが悔しーいって言うくらい、ウチらはウチらで楽しんだらいいやん」
にこ「ほら、口を開けなさい。ほのまん詰めてあげるから」
絵里「にこ……希……」
絵里「そうね、こうなったら亜里沙や穂乃果達にまけなっ――――」
のぞにこ「ていっ」
絵里「んぐっ!?」
のぞにこ「くしし、いえーい」パンッ
絵里「もぐもぐ………ごくん。ちょっと、人が話てる途中なのよ?」
にこ「にこは言ったはずニコー?」
希「だって、エリちがだらしなく口開けるから」
絵里「だらしな………ふふっ、もう」クスッ
絵里「………ありがと♪」
―――――――――――――――――
希「いやぁー助かったよ。ふたりがおせち作り手伝ってくれるなんて」
希「ふたりとも料理抜群に上手だから、これから楽しみやね」
にこ「ま、にこにーの手にかかればこんなもんよ」
絵里「希もだし巻き玉子作ったじゃない。味見したけど美味しかったわよ?」
希「ふたりのご指導の賜物だから、美味しいのは当たり前やん」
希「さてさて、片付けも終わったことやし」
希「東條家伝統の皆でお風呂タイムの時間や」
にこえり「えっ?」
絵里「そんな伝統あったの?」
希「伝統って言うのはな、日々つくられるものなんよ」
にこ「なによそれ」
絵里「でも面白そうね。合宿みたいで」
希「エリちがノリ気で嬉しいなぁ」
にこ「年越えたら帰る予定だったし、着替えないわよ」
絵里「希から借りればいいじゃない。私も下着とかパジャマ一式借りるし」
希「別にいいけど、当たり前のように言ってますね絵里さん」
にこ「………それ嫌味?」
絵里「………?ああ、希。中学生の頃に使ってた下着ってあるかしら?」
希「いやいや、さすがのウチでも中学の頃にはにこっち以上で……」
にこ「中学生の希に負けた!?」
にこ「なんかもう……人生って不公平なのね…」ガックリ
希「よしよし。にこっちだってまだまだチャンスあるよ?」ナデナデ
希「大学生になったらあっという間にウチら追い越すかもやし」
絵里「そうよにこ。諦めないで」
にこ「…………気休めなんていらないわ」
にこ「もう……いいわよ」
絵里「にこ……?」
にこ「こーなったら、この鬱憤を希と絵里の胸にぶつけるんだから―!」
希「やー、エリち逃げろー♪」ダッ
絵里「え?…ええ?」
にこ「覚悟ー!」ガバッ
絵里「きゃああっ!?」
――――――――――――――――
希「いやぁー、楽しいお風呂タイムやったなぁー」
にこ「そうね。なんだかさっぱりしたし」
絵里「うぅ………私はむしろ疲れたわよ…」
希「湯冷めしないうちにこたつ入ろっかー」モゾモゾ
にこ「そうね」モゾモゾ
希「あ、お茶取ってこないと」
絵里「だったら私が取ってくるわね」
希「ありがとうなエリち」
にこ「ついでにみかんもよろしく」
絵里「覚えてたらもってくるわね」ガラッ
にこ「絶対持ってくるわね」
希「そうやね。エリちやし」
ガラッ
絵里「持ってきたわよ。お茶とみかん」
絵里「うぅ………寒い寒い」モゾモゾ
絵里「ふぅ………」
にこ「なんか以外ね。絵里って寒いの平気だと思ってた」
絵里「私だって人並みに苦手よ?」
絵里「だから冬にこたつや暖房器具は欠かせないわね」
絵里「にこが持ってきてくれた美味しいお茶もあるし」
絵里「はぁ……幸せねぇ」
にこ「褒めたって何もないわよ」
絵里「知ってるわよ」
希「ねぇ、エリち。ウチはウチは?」
絵里「え?希は………そうね。一緒にいるだけで暖かい気分になれるわ」
希「むぅ……なんかトゲある気がする」
絵里「気のせい気のせい」
絵里「ずずず………ふぅ。お茶が美味しいわぁ」
希「にこっちー。エリちが虐めるー」
にこ「気のせいよ。気のせい」リモコンポチポチ
希「ひどいっ!?」
にこ「ねぇ、ところでなに見るのー?」
にこ「にこ的には、紅白一択なんだけど」
希「んー?ウチはお笑い番組みたいなぁ」
にこ「そっちも魅力的なんだけど、今年の紅白はアイドルグループがたくさん出演するのよ?」
希「あー、それは見たい」
のぞにこ「んー………どっちがいいと思う?」
絵里「ずずず…………えっ?」
にこ「え?じゃないわよ。絵里はどっちがいいの?」
絵里「私はどっちでもいいわよ」
希「エリち決めてよ。エリちが決めたんなら文句ないし」
絵里「そうねぇ………」リモコンポチポチ
絵里「あっ、アニメがあるじゃない。これにしましょう」
にこ「第三の選択が出てきたわよ。どうすんのよ」
希「んー………それじゃあ、アニメは録画して」
希「お笑い番組見ながら、アイドルグループが出る時間はそっち見る」
希「んで、アニメは明日見る。エリちもにこっちもこれでいい?」
にこ「それが現実的かもね」
絵里「ふふっ、明日も3人一緒ね」クスッ
希「そうやね」クスッ
にこ「なによもう。ニヤニヤしちゃって」
希「そういうにこっちが一番ニヤニヤしてるよー?」
にこ「なっ、そういう冗談いいからっ」
希「ウチが冗談言うときと言わないときくらい、にこっちわかってるやん?」
絵里「にこー?」
にこ「絵里も希に何か言ってや――――」
絵里「えいっ♪」
にこ「んぐっ!?」
絵里「ふふ、お返しよ♪」
希「エリち地味に根に持つタイプやからね」
絵里「希も後でお返しするわね」
希「ちゅーでも構わんよー?」
絵里「私のちゅーは安くないわよ?」
にこ「もぐもぐ………ごっくん」
にこ「これは………後で仕返しが必要ね」ボソッ
――――――――――――――――
絵里「お茶ばっかり飲んでちゃ近くなって嫌だわ」
絵里「うぅ………寒い」ブルブル
ガラッ
絵里「ただいまぁ……ってあら?」
絵里「にこも希もいないわ」
絵里「コンビニにでも行ったのかしら?玄関が開いた気はしなかったけど」
絵里「まぁ、すぐ戻ってくるわね」モゾモゾ
絵里「はぁ……温まるわ」
希(にこっち準備いい?)
にこ(もちろんよ。希こそしっかりしてよね)
希(もっちろん。ウチに任せてなー)
希(さぁて、エリちの腰をしっかり掴んで……)ガシッ
絵里「」ビクッ
絵里「え?なに?こたつの中に誰かいる…?」
にこ(覚悟しなさいよ~!)
コチョコチョ
絵里「ひゃあっ!?」
絵里「ちょ、足……くすぐったい!」
絵里「や、止めなさい……!」モジモジ
絵里「希!にこ!あなた達……の、ふふっ……仕業で…」
絵里「やぁっ……やめっ……!」
ゴトゴト
ゴソゴソ
絵里「やぁっ……はぁっ……はぁっ…んっ……!」モジモジ
絵里「やぁっ…ふふ、やめてっ……」
にこ(くしし、どうよどうよー?)コチョコチョ
絵里「やめ……っ、やめてって言ってるでしょ!」ゲシッ
にこ「ぐふっ!?」
絵里「と、止まった……?」ハァハァ
モゾモゾ
希「え、エリち!」
絵里「や、やっぱりあなた達の仕業だったのね…」
希「大変!にこっちが鼻血出して気絶してる!」
絵里「………え?」
希「ほら、しっかりしてにこっち!」ゴソゴソ
にこ「………」
絵里「ご、ごめんなさい!しっかりして!にこ?にこー!?」
――――――――――――――――
「ナンデヤネーン」
絵里「………」ボー
にこ「すぅ……すぅ……」
希「すぅ………うーん…むにゃむにゃ…」
絵里「…………」コクリコクリ
絵里「」ガクッ
絵里「ハッ……!?な、なに…!?」
絵里「……って眠りかけてたのね」
絵里「今何時かしら…?」
絵里「………え?うそ、年越してるわ…!」
絵里「年越しそば食べ損ねた……」
絵里「って、そうじゃなくて」
絵里「……にこも希も眠ってるわ」
絵里「起こさなきゃ……」
のぞにこ「すぅ……すぅ……」スヤスヤ
絵里「のぞみーにこー?風邪ひいちゃうわよー?」ボソッ
のぞにこ「すぅ………すぅ……」
絵里「………気持ちよさそうに寝ちゃって」
絵里「なんだか起こし辛いわよ」
希「えりひ……やめ……」スヤスヤ
絵里「ふふ、夢の中の私は何をしてるのかなー?」
絵里「………さて、希とにこが寝てる間に、と」スクッ
――――――――――――――――
希「くかー………」
希「………くんくん」
希「ふぁ……いい匂い…」
にこ「やーっと起きたのね。絵里ー、希が起きたわよー」
ガラッ
絵里「あら、ちょうどいい頃ね」
希「………?」
里「おはよう希。そしてあけましておめでとう」
希「…………」チラッ
希「………年越してるやん」ガクガク
絵里「ふふっ、にこと同じ反応」
にこ「もっとまともだったわよ」
絵里「間の抜けた顔じゃ同じくらいだったわよ?」
絵里「さてさて、そんな話してる場合じゃないわね」
絵里「歳越しちゃったけど、年越しそば作ったの」
絵里「買って食べないって勿体ないじゃない」
希「そうやね。なんか色々と予定狂っちゃったけど食べよか」
にこ「あ、薬味取ってくるわね」
にこ「おまたせ」モゾモゾ
絵里「ありがとう、にこ」
希「おそば食べたら初詣いこっか」
絵里「いいわね。起きてたら穂乃果達も誘ってみる?」
にこ「花陽や海未辺りは寝てそうね」
希「なんかわかる」クスッ
希「それじゃあ3人で初詣行って、昼頃にもう一度、次は皆でいこっか」
絵里「ちょっと待って、アニメ見れないじゃない」
にこ「帰ってからで問題ないでしょ」
希「んー?にこっち連泊希望なん?」
にこ「別にそんなつもりで言ったわけじゃ―――」
絵里「それもいいわね。にこももちろん泊まるんでしょ?」
希「冗談半分で言ったのに本気にしてますね絵里さん」
にこ「はぁ………どうせ絵里の中じゃ既に決まってるんでしょ。好きにすれば」
絵里「ふふ、色々と決まったことだし、おそばが伸びないうちに……」
絵里「いっただきまーす♪」
絵里「もぐもぐ……うーん美味しいわ」ニコニコ
のぞにこ「………」
希「なんか新年早々良いもの見た気がする」
にこ「そうね」
絵里「?どうしたの?」
にこ「別に。にこ達もいただきましょう」
希「そうやね。エリちの作ってくれたおそば美味しくいただきまーす」
絵里「………?」モグモグ
おしまい
最後まで読んでいただきありがとうございました。
誤字脱字ひどいかもです。
次回は多分のぞえりです。
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