男「うるさい!お前がいなくなればいわくつき月1万物件がただの1万物件に早変わりだ!」
幽霊「そ、そんな!会って間もない女の子をさっそく殺すおつもりですか!」
男「・・・・女の子って言われるとちょっと気が引けるけど」
幽霊「ほっ・・・」
男「この部屋に同居霊などいらん!」ペタッ
幽霊「ギャー!消えるー!!」
幽霊「ぐるじいぃぃぃ!!しぬうぅううう!!」ジタバタ
男「はっはっは!消えてしまえぇ!!」
幽霊「くそぉ!!生まれ変わったら絶対殺してやるぅ!!」
幽霊「殺して・・・や・・・あれ?」
幽霊「・・・・・・」ペリリ
男「まさかチラシ裏に『おふだ』って書いただけで効くとはな!!」
幽霊「子供だましか!!!!!!」バコーン!
男「うん!!ごめん!!!!」
男「でもポルターガイストはやめて!!部屋が散らかっちゃうから!!」
幽霊「・・・っち、悪かったわね」
幽霊「この無駄に達筆な『おふだ』って字がムカつく・・・」
男「〇ーキャン資格講座の賜物だね!!!」
男「でも、偽物のお札ってわかっててなんで苦しんだの??」
幽霊「・・・・・・」
男「なんで???」
幽霊「・・・・・・」
男「なんでなんでなん????」ワキワキ
幽霊「うっさい!!!!」
男「あい!!ごめんね!!!」
幽霊「まったく・・・なんでこんなのが入居してくんのよ・・・」フヨフヨ
男「ふっ」サッ
幽霊「・・・何よ」フヨフヨ
男「ふっふっ」ササッ
幽霊「ちょっと!前に来ないでよ!!」
男「なんで???」
幽霊「邪魔だからにきまってるじゃない!!」
男「じゃあ俺を通り抜けてってみてよ!!!」
幽霊「・・・気持ち悪っ」ヒキッ
男「ガチで引くのは止めて!!!」
幽霊「さっきは本気で消そうとしてきたくせに、今度はなんなのよ・・・」
男「あっはっは、あれは除霊ジョークさ」
幽霊「わけわかんない」
男「幽霊ちゃんだってノってくれたじゃん!!!」
幽霊「なっ、何の話よ」
男「ぐるじいぃぃぃ!!しぬうぅううう!!wwwwwww」
幽霊「ばっ!やめっ!!」
男「生まれ変わったら絶対殺してやるぅ!!wwwwwww」
幽霊「やめろっつってんでしょ!!///」ゴゴゴ
男「あっらwwwwタンスがコッチに傾いてるwwwww」
男「タンスおもすぎワロタwwwwwww」
幽霊「ふん、そのまんまくたばっちゃえばいいのよ!」
男「いいね!!それ!!!」
幽霊「・・・なんで?」
男「俺も幽霊になれば、幽霊ちゃんとずっといっしょだね!!!!」
幽霊「うわぁ・・・」
男「ガチ引きはさっきの一発で耐性がつきました!!!!」
男「楽しみだなー死ぬの楽しみだなー」
幽霊「・・・・・・」
男「おお!!タンスが軽くなった!!!」
男「助けてくれてありがと!!!」
幽霊「はぁ・・・」
幽霊「・・・あのねぇ」
男「なに??なになに???」ズイズイ
幽霊「寄って来ないで気持ち悪い」
男「ショック!!!!!」
幽霊「うるさ・・・」
幽霊「なんというか、『死ぬの楽しみ』とか言わないでくれる?」
幽霊「私死にたくて死んだわけじゃないし」
男「そうなんだ!!ごめん!!!」
男「じゃあ生きながらにしてイチャつけば問題ないね!!!」
幽霊「えっ・・・何よ、イチャつくって・・・」
男「幽霊ちゃんと触れ合いたいです!!!!」
幽霊「・・・私幽霊なんだけど」
男「しまった!!!!」ガビーン
男「あ!!!」
幽霊「!?」ビクッ
幽霊「いきなり大声ださないでよ・・・」
男「さっきお札幽霊ちゃんに張り付いたじゃん!!!」
幽霊「それがどーしたのよ」
男「お札の上からなら触れるんじゃね???」
男「うはwwwww俺天才wwwwwwww」
幽霊「・・・・・・」フヨフヨ
男「やめる!!やめるから逃げないで!!!」
男「じゃあどうやって触れ合えばいいの!!!」
幽霊「もうアンタに絡まれるとしんどいから、私は居ないものとして生活して」
男「無理です!!!!!!」
ドンッ
幽霊「!?」
男「!?」
男「か、壁ドンされたった・・・・・・ww」
男「人生初壁ドン!!!!」
ドンッ!! ミシッ
男「ごめんなさいごめんなさい」フルフル
幽霊「隣の三宅さんを怒らせるなんて、あなたどんだけウルサイのよ・・・」
男「三宅さん??」
幽霊「ここはアパートの端っこの部屋でしょ?」
男「そうだね!!日当たり悪すぎ!!!」
幽霊「その隣が三宅さん・・・って、そのくらい知っててよ」
男「挨拶がまだなんです!!」
男「三宅さんってどんな人なのかな!!!」
幽霊「静かなるマッチョってとこかしら・・・?」
男「マッチョwwwwwすげぇ!!!!wwww」
ドンッ!
男「静かにしますごめんなさいごめんなさい・・・」
幽霊「その点、アンタは学校に行けば静かなるボッチって感じよね」
幽霊「学校で溜まった分家で騒ぐ、みたいなね」
男「う、うるへぇ!!!」
幽霊「へぇ、図星?」
男「図星じゃないもんねーだ!!!」
男「男友達くらいは居ますしー!!!!」
幽霊「女友達は?」
男「いるかいないか当ててみ??み???」
幽霊「そういう奴に限っていないのよね」
男「な、なんだとぉ!!!」
男「もう幽霊ちゃんなんて知らない!!!」
幽霊「ふん、そっちから離れてくれるなら丁度いいわ」
幽霊「さぁて、何するんだったっけ・・・」
男「ふんだふんだ」ゴソゴソ
幽霊「ん・・・靴なんかはきだしてどこ行くのよ」
男「しーらない」ツーン
幽霊「・・・これはこれでウザいわね」
幽霊「散歩ならついてったげるわよ、暇だし」
男「知らない知らなーい」ガチャ
幽霊「うっざ」
幽霊「せっかく女友達もいないって言うから構ってあげようと思ってんのに・・・」
幽霊「・・・ま、勝手について行っちゃいましょ」
男「三宅さーん、こんにちはー」コンコン
幽霊「・・・っ」ズルッ
幽霊「三宅さんに挨拶しにきたのね・・・」
ガチャ
三宅さん「・・・・・・」コオォォォ・・・
男「っちわっす!!隣に越してきた男です!!」
男「先程はすみませんでした!!つまらないものですがどうぞ!!!」サッ
三宅さん「・・・??」コオォォォ・・・
男「辛子蓮根とヘッドギアと辛子蓮根です!!」
幽霊「ヘッドギアって・・・」
男「このヘッドギアには快眠効果があるので、うるさいなーって時にどうぞ!!」
三宅さん「・・・・・・」コクリ
男「ではおたっしゃで!!」バイバイ
三宅さん「・・・・・・」コオォォォ・・・
ガチャ バタン
男「こええ・・・三宅さんマジこええ・・・・・・」ガクガク
男「刺すようなオーラ垂れ流してたマジこええ・・・・・・」ガクガク
男「ヘッドギアは買ってて正解だったは・・・・・・」ガクガク
幽霊「どう、落ち着いた?」
男「つ、つーん」プイッ
幽霊「はぁ・・・プライドだけは高いみたいね」
幽霊「わかってる?一応アンタは同居人なの」
幽霊「嫌でも顔合わせなきゃいけないんだから、仲良くするに越したことはないじゃない?」
男「こ、ここ俺の家だしーーー」
幽霊「私だってここに居たくて居るわけでもないわよ!あまり離れられないだけ!」
幽霊「それでも退かしたかったら・・・消しちゃえば?」
男「!!!!!!」
幽霊「まともなお札なら消えちゃうんじゃない?そんな大層な未練なんて残してないし」
幽霊「邪魔だと思うならさっさt」
男「シャラップ!!!」
幽霊「成仏させちまえばいいのよ」
男「シャーーラーーッップ!!!!」
ドンッ!
男「シャ、シャラップ・・・」ビクビク
幽霊「・・・何よ」
男「さっき『死ぬの楽しみ』とか言わないでって注意した人は、どこのどいつだ~~い???」
男「アタシだよっ!!」
幽霊「いや、私だけど」
幽霊「私が消えるのと死ぬのとじゃ違うんじゃない?」
男「違わないからね!!全然!!」
男「そこにいる何かが次の日から居ないって、ものすごく寂しいからね!?!?」
幽霊「へぇ、アンタ一応そういう経験してるのね」
男「例えば猫とか!!」
男「猫とか!!!」
男「猫・・・・・・とかぁ・・・・・・!!」グスッ
男「ミーコ・・・俺のミーコ・・・・・・」シクシク
幽霊「・・・まぁ、アンタの様子見てたら理解できたわ」
幽霊「でも私幽霊よ?」
男「俺の目に見えてるなら一緒なの!!!なの!!!!わかる????」グイグイ
幽霊「わ、わかったから離れなさいよ」
幽霊「まぁ・・・少し卑屈になってたことは謝るわ、ごめんなさい」
男「おk!!!!」
幽霊「・・・ほら」
男「何かな??何ですかな???」
幽霊「アンタの謝罪待ちよ」
男「あああ!!無視してごめんなさい!!!」
幽霊「よろしい」
幽霊「それじゃあ、ほら、握手。これからよろしく」
男「え??いいの???」
幽霊「どーせすり抜けちゃうんでしょうけど、特別よ」
男「いゃっほおおぉお!!!やったあああぁあ!!!!」ドンッッ!
男「う、うぇ~~ぃ・・・」ビクビク
男「ん、んじゃあよろしく」
ギュッ
幽霊・男「「・・・えっ?」」
幽霊「さっ、触っちゃった・・・」
男「幽霊ちゃんとの初タッチ!!私は感動した!!!」ウルウル
幽霊「はいはいキモいキモい」
幽霊「ま、触れるからといって気安く触らないでね?」
男「なんで!!!」
幽霊「アンタ、同級生の女子をベタベタ触れる?」
男「触ってみたいです!!!」
幽霊「無理なのね。私もそれと一緒なの、わかった?」
男「ええ、わかりましたとも!!!」
男「でも、ふとナデナデしたい拍子n」
幽霊「却下。それくらい抑えなさいよ」
男「そんな殺生な!!!!」
男「あーー幽霊ちゃんをナデナデできなくて暇だわーー」ゴロンゴロン
幽霊「・・・・・・」
男「この休日をどう乗り越えたらいいんだーー」ゴロンゴロン
男「辛いわーー少し手を伸ばせばナデナデできるのにーー」ゴロンゴロン
幽霊「・・・ねぇ」
男「いいの?!?!」ピタッ
幽霊「いいわけないじゃない」
男「ふえぇ・・・」ゴロンゴロン
幽霊「なんで私を撫でたいって言うのよ」
男「そりゃもう撫でたくてしょうがないからさ!!!」ゴロンゴロン
幽霊「答えになってないんだけど」
男「じゃあせめて、今日中にもう少し仲良くなっておきたいな!!!」
幽霊「べっつに、今みたいな感じでいいんじゃない?」
男「俺が不満なの!!!!」
男「乳繰りあうのも多生の縁っていうからね!!!どーせならもっと仲良k」
幽霊「こら!!!」
幽霊「気持ち悪いわ、やっぱ近寄んないで」ヒキ
男「なんで!!!」
幽霊「袖触れ合うも多生の縁を、どう間違えたらそんな卑猥にできんのよ」
男「そういえばそうだったね!!ごめん!!間違えた!!!!」
幽霊「そういえばそうだったじゃないわよ」
幽霊「本音がポロッと出ちゃった感じなんじゃないの?」
幽霊「はぁ・・・これからは自分の身を守りながらやってかなきゃなんないなんて・・・」
男「わかった!!!!」
男「これからはノータッチでいきます!!!」
男「触れません!!触りません!!おk????」
幽霊「・・・ま、それが守れるならね」
男「っっし!!っっし!!」
男「じゃあ早速触れずに仲良くなる方法を考える前に!!!」
男「ブレイクタイムです。10分程お待ちください。」
幽霊「とたんに静かになるのね」
男「ガス欠なんです。緑茶を摂取せねば。」ジャバババ。
幽霊「はいはい、どーぞご勝手に」
男「ふーっ。ふーっ。・・・。」ズズズ・・・。
男「んではいwwwwww」
男「仲良くなる方法は何かありますかぁ???」
幽霊「ちょっとタンマ」
男「ナルホド!!!ちょっとタンマ!!!いいですねぇこれだ!!!!」
幽霊「うっさ、ずっとガス欠してればいいのに・・・」
幽霊「あのねぇ、アンタから仲良くしてきたがってるのに、なんで私が提案しなきゃいけないのよ」
男「幽霊ちゃんも俺と仲良くしたいっしょ????」
幽霊「今のまんまでいいっつったし」
幽霊「仲良くなりたいんなら、アンタがその気にさせてみなさいよ」
男「ちぇーー、自分が暇なら構ってくるくせにーー」
幽霊「それとこれとは別だし」
男「ちぇーーしょうがないなーー」
男「・・・・・・」
幽霊「・・・あのさ」
男「・・・・・・」
幽霊「なんでいきなり逆立ち始めるわけ?」
男「ごうずるどあだまにぢがのまわるんでず!!!」
幽霊「あっそ。ほどほどにね」
男「・・・・・・」ポクポクポクポク
男「・・・・・・」ポクポクポクポク
男「・・・!!!」ッティーン!!!
男「・・・っうえ」バタリ
幽霊「ち、ちょっと!!」
男「考えついたよ!!!」
幽霊「・・・びっくりさせないでよね」
男「そんなにうるさくぶっ倒れたかな!!!」
幽霊「そういう意味じゃないんですけど」
男「とにかくめんご!!!そんなこんなで仲良くなる方法発表ぅいっひ!!!!!」
ドンッ!!
男「しま~~すぅぅ~・・・」ガクガク
幽霊「言ってみなさいよ」
男「えーはい、今回の仲良くなってみよう大作戦第一弾は・・・!!!」
男「相手の弱みを握ろう!!!でっす!!!!」
幽霊「・・・え?」
男「相手の弱みを握れば脅しが効きます!!!」
幽霊「それって仲が良いっていう?」
男「すこぶる怪しい!!!!」
幽霊「ま、表面だけならそうなんでしょうけど」
幽霊「見せつける相手もいないのにする必要も無いわね」
男「え??相手いたら見せつけちゃうの??というか案外乗り気???」
幽霊「揚げ足とんな!!」
男「ごめんちゃい!!!」
幽霊「まったく・・・」
幽霊「・・・でも」
幽霊「弱みを握る、ねぇ・・・」ニヤリ
男「おおお幽霊ちゃんの始めての幽霊っぽい仕草だ!!!」
幽霊「うっさい!!!」
幽霊「弱みじゃなくても、軽い秘密くらいなら共有しててもいいんじゃない?」
男「それっぽい!!!採用!!!!」
幽霊「じゃあそれは明日で。日が暮れて来たわよ」
幽霊「荷物の整理も終わってないみたいだけど」
男「はっ!!!しまった!!!!ガッデム!!!!」
男「幽霊ちゃん・・・おねげえします・・・手伝ってはくれませんかね・・・」
幽霊「めんどくさ」
男「そこをなんとか!!!!!!」
ゴンッッ!!
男「ほほ、ほらぁ、とと隣の三宅さんもももも拳でそういってくくくれてますしししし」ガクガク
幽霊「・・・今日だけよ」
男「ありがとうございます!!!」
男「片付け終わったは・・・」
幽霊「はいはい、お疲れ様」
男「あーー休み終わって欲しくないわーー」
男「こんな気持ちになるの夏休みの宿題未完成なのに登校日なあの日以来だわーー」
幽霊「終わったんならサッサとご飯食べてお風呂入って寝なさい」
男「歯磨きは???」
幽霊「うっさいわね、察しなさいよ」
男「うす!!!」
男「明日からかーー友達100人できないかなーー」
幽霊「あら、男友達は?」
男「メ、メールとかするしーー!!」
~して、翌日~
男「おはやう!!!!」
ドンッ!
男「お、おはようございま~す・・・」ビクビク
男「早朝にまで反応するなんて・・・ゴクリ」
男「そして」
幽霊「・・・・・・」
男「幽霊も寝るみたいだねっ☆」
男「さてと!ノータッチノータッチ・・・」ソロリソロリ
男「緑茶持った!!これで今日はいける!!」
男「いってきまーす!!!」
ガチャガチャ
三宅さん「・・・・・・」コオォォォ・・・
男「・・・・・・うっす」
<大学>
男「 」
女「ねぇ何あの教授・・・」
三宅教授「・・・・・・」コオォォォ
ブス「さぁ?静かなるマッチョってとこじゃない?」
女「そんな感じだけどさぁ・・・」
イケメン「へぇ、良い体してるね。僕好みだよ」
dqn「何あの上腕二頭筋wwwww触ってみてぇwwwwww」
ざわわ・・・・・・ざわ・・・ざわざわ・・・・・・
三宅教授「・・・・・・」コオォォォ
・・・
バァンッッ!!!
一同「「「!?!?」」」ビクビクッ
三宅教授「・・・・・・」コオォォォ・・・
<男の家>
幽霊「・・・ん?」
幽霊「ふわぁ・・・ぁ、だいぶ寝過ごしたみたいね・・・」
幽霊「・・・・・・」
幽霊「・・・何しましょ」
幽霊「そうそう、アイツが来るまでは、こっからずっと外眺めてたのよね」
幽霊「どのくらいだっけ・・・ええと」
幽霊「・・・七週間」
幽霊「一ヶ月ちょい、か・・・」
幽霊「あとは動ける範囲でブラブラしてただけで、やれることもそれだけなのよねぇ」
幽霊「でも、今は動かせるものもあるから・・・よし」
段ボール箱「 」ズーン
幽霊「ふふふ、怪しい箱を発見・・・」
幽霊「昨日は全然気づかなかったけど、しれっと隠してたのね・・・」
幽霊「ま、私に見抜けないわけが無いけど」
グッチャ~・・・
幽霊「一日もあれば片付く片付く!」
幽霊「さてさて、中身は何かしら・・・っと」ゴソッ
幽霊「・・・何これ」
幽霊「・・・・・・」パサッパサッ
幽霊「へぇ~・・・」パサッパサッ
パタン
幽霊「なるほどなるほど」
幽霊「片付けたら全部見てやりましょうか」
幽霊「これは当分暇に悩まされることはないわねぇ・・・」
ガチャ。 バタン。
男「緑茶が枯渇しています。」
幽霊「あら、おかえり」
男「ただいま。緑茶緑茶・・・。」
ゴクゴクッ
男「っっしゃおるぁああああ!!!!」
幽霊「うるさい」
男「ごめりんこ!!!冷えた緑茶おいしいね!!!」
幽霊「私に言われてもわかんないんだけど」
男「そうだね!!!そうだよね!!!」
男「そう・・・ですね・・・」
幽霊「何?私何か悪いこと言った?」
男「ちがう・・・ちがうの・・・・・・」
幽霊「隣の三宅さん、教授だったの」
男「こんな偶然・・・あってたまるもんですか・・・・・・」
幽霊「いや、あってるんじゃない」
幽霊「こっからはもう少し気を配ることね」
男「そんなぁ・・・・・・」
幽霊「どこでもそうだと思うんだけど」
幽霊「んで、どんな講義するのよ」
男「壁殴り倫理」
幽霊「は?」
男「壁殴り倫理だよぉ・・・」
幽霊「何それ」
男「三宅さん・・・じゃなかった、三宅教授、昨日壁殴ってきてたじゃないですか・・・」
男「俺が騒ぐたんびに・・・」
幽霊「騒ぐたんびというか騒ぎっぱなしだったけどね」
男「俺はその壁殴りを、ただの注意喚起だと思っていたけど、それだけではなかったのさ・・・」
男「壁殴り倫理の講義を受けて俺は悟った・・・」
幽霊「大仰すぎるんじゃない?」
男「そんなことはございません!!!!」バン!
幽霊「!?」ビクッ
男「講義は壁殴りの歴史から始まり、現代の心理学的な見地から見た壁殴り・・・」
男「それに壁殴りの方法論に危険性の説明・・・いかに壁を割らずに大きな音を出せるかなど」
男「とにかく奥が深いんだ・・・」
幽霊「なんだかいろんな分野がごちゃまぜになってる気がするんだけど・・・」
男「しかもだ・・・三宅教授は・・・」
男「壁殴りで教鞭を振るうんだ・・・」
幽霊「なに?体で覚えろってこと?」
男「チッチッチ!!違うね!!」
男「モールス信号だよ!!!!」
幽霊「モールス信号・・・聞いたことしかないんだけど」
男「だから、初っ端はモールス信号習得のお時間でした!!」
幽霊「実用性のかけらも無いんじゃない?」
男「テストの時間にモールス信号で答えのやり取りができます」
幽霊「せっこ・・・」
幽霊「で、なに?テストで答えやり取り出来るような子はできたの?」
男「どういう意味かな!!!!」
幽霊「ダチはできたのって聞いてんのよ」
男「イケメンとはメアド交換したよ!!」
男「男子全員と一応やってたみたいだけどね!!!」
幽霊「へー、イケメンねぇ、一度家に呼びなさいよ。見てみたいんだけど」
男「いやどす」
幽霊「は?なんで?」
男「イケメン見たら寒気がするんですよねーーー」
男「こう・・・ぞわわわわっ!!!!っと」
幽霊「風邪でも引いたんじゃないの?馬鹿なのに」
男「そうですかねぇーー、いや、そんなはずは無いんですけどねぇーー」
男「そういえばさ、お昼だれか来なかった???」
幽霊「? べっつに誰も来てないけど」
男「ほうかほうか!!!いやそれはよかった!!!」
幽霊「・・・何よ、何か隠してんの?」
男「うん!!だけど何かはいわない!!!」
幽霊「それってアンタの弱みになりえる?」
男「ドストライクです!!!!」
男「!!おぎゃああああ!!!ばらしてしまったあああぁあ!!!!」
ドンッ!
男「な、なんてこったい・・・」ガクガク
幽霊「んじゃ、私の秘密も教えなきゃね」
男「ふえぇ・・・等価交換じゃ無いんだよぅ・・・」ガクガク
男「まぁいいや!!秘密はばれなきゃいいんだもん!!!!」
男「して、幽霊ちゃんの秘密は??は???」
幽霊「ふふふ・・・私の秘密はねぇ・・・」
男「うんうん!!!」
幽霊「・・・この部屋のどこかにあるわよ」
男「ん???どゆこと???」
幽霊「アンタのあの段ボールみたいに隠してるってわけ」
段ボール「 」デーン
男「ああああああ!!!!」
男「みぃ~たぁ~なぁ~・・・」ズズズ
幽霊「キモい。近寄んないで」
男「ぶーぶー!!!!」
幽霊「まぁ、全部は見てないけどどんなのが入ってるかはわかったわ」
男「かわいかったっしょ????」
幽霊「ミーコちゃんはね」
幽霊「アンタの顔がスッゴく邪魔だったわ」
男「ぶーぶー!!!!!」
幽霊「ホントは、えっちぃ本でも見つけ出してからかってあげようと思ってたのに」
幽霊「アンタ以外と一冊も持ってやがらないのね」
男「え???」
幽霊「ん?どうしたのよ」
男「どんな本だって???」
幽霊「はぁ?だからえっちぃ本の一冊でm」
男「グッド!!!」
幽霊「・・・は?」
男「ベリーグッド!!!」
幽霊「意味わからないんだけど」
男「いやぁ、実にいい気分ですね!!!」
男「さて!!幽霊ちゃんの秘密探しはボチボチやるとして」
男「飯を作らねば!!!」クワッ
幽霊「よくわかんないけど頑張ってちょーだいな」
幽霊「料理へったくそ・・・」
男「食えればいいのですよ!!!!」
幽霊「しかも時間かかりまくりだし」
幽霊「コンビニで何か買って食った方がいいんじゃない?」
男「うるへぇやい!!!」モグモグ
幽霊「こんなんでよく一人暮らししようなんてバカなことすんのかしら」
男「おいらの勝手ですーーだ!!!」
幽霊「はいはい、あーもうサッサと寝よ」
幽霊「アンタも寝ないと遅刻するわよ」
男「っうえ!?もう12時近いとか!!!」
男「・・・・・・」
男「コンビニ食に切り替えますかね、ええ」パクパク
~翌朝~
幽霊「今日くらいは見送ってやるわよ」
男「今日だけ???」
幽霊「気が向いたらね」
男「うす!!行ってくるっす!!!」
ガチャガチャ バタンバタン
三宅さん「・・・・・・」コオォォォ・・・
男「・・・・・・うぃっす」
三宅さん「・・・!!」コオォォォッ!!
男「うおおおぅ!!」ビュオオオオ
フッ
三宅さん「・・・・・・」カツカツカツ・・・
男「こええ・・・挨拶でオーラ全開とかこええ・・・・・・」ガクガク
ガタガタッ・・・
幽霊「・・・ん、今日は風が強いわね」
幽霊「まぁ関係ないか。どーせ外には出ないんだし」
幽霊「んーと・・・」フワリ
幽霊「よし、まだ天井裏にはあるわよね」
幽霊「いつ見つかるかはわかんないけど、アイツなら大丈夫でしょ」
幽霊「大事に取り扱ってくれるはずよね~・・・」
幽霊「・・・・・・」
幽霊「・・・さて、昨日の続き」
幽霊「アルバムでも見て暇を潰しましょうか」
幽霊「幽霊幽霊してない私がアルバムを読んどります」
幽霊「まぁ死んだからってひがんでばかりじゃあねぇ」ペラッペラッ
幽霊「あーポルターガイスト便利」ピラッ
ガチャガチャ! ガチャガチャ!
幽霊「!?」ビクッ
幽霊「だ、誰よこんな真昼に・・・」
幽霊「男が言ってた弱みかしら・・・?」
パチン!
幽霊「うわ、ピッキングできるなんて高度な泥棒ね」
幽霊「どーせ暇だし追い払ってあげましょ」
???「コソコソ!コソコソ!」ノソノソ
幽霊「口で擬音を発してるとこ見るとただのバカらしいわね」
???「むむ?今何やら侮辱されましたね」
幽霊「地獄耳か・・・」
???「誰が地獄耳だとぉ!?」バッ
幽霊「・・・・・・」
???「・・・・・・」
???「で・・・出た・・・・・・うそ・・・・・・お昼なのに・・・・・・」カタカタ
幽霊「ん?見えんの?」
???「・・・・・・」コクコク
幽霊「ああそう、じゃ、好都合」ニヤッ
???「ひっ!?」
幽霊「たっぷり可愛がってあげるわ・・・・・・」フワラ
???「ひいぃいいい!?!?」
???「ダメっ!!やめてーー!!!」ギュウウウ
幽霊「抵抗しても無駄よ。引っぺがしてやるわ」
幽霊「無様な姿を晒しなさい・・・ふふふ・・・」
???「こっ、この悪霊めぇ!!!!」ギュウウウ
幽霊「悪霊結構。言って助かるなら言ってりゃいいわ」
幽霊「まったく、大人しく尻尾巻いて逃げれば怖い思いしなくていいのに」
???「それは無理です!!!!」ギュウウウ
幽霊「うっさい上に往生際の悪いガキね」
???「ガ、ガキじゃ無いし!!!」ギュウウウ
???「ガキじゃ・・・ない・・・」
幽霊「ん?もう布団に篭城はしないのね。ならさっさt」
???「・・・お茶、きれた」
幽霊「・・・は?」
???「・・・お~〇お茶買ってくる」スック
ガチャ・・・バタン
幽霊「はぁ、ようやく帰った・・・」
幽霊「・・・って、お茶買ったら戻って来る気でいるのよね」
幽霊「お茶きれたら静かになるってなんなのよ・・・」
幽霊「・・・あれ?デジャヴ?」
ガチャ・・・バタン
???「・・・ただいま」
幽霊「おかえり」
幽霊「じゃなくて、ここはアンタの家じゃないでしょ?」
???「・・・どうして?」
幽霊「ピッキングして入室してるのに、どーしてそんな不思議そうな顔できんのよ」
???「・・・弟の家に入った、それだけ・・・んっ」ゴクッ
???「だっから全然オッケイなんですよ!!!」バンッ
幽霊「あー、なるほどねぇ・・・」
ガチャ
男「幽霊ちゃん!!帰ったよ!!!!」
幽霊「おかえり」
???「来ましたね!!」バッ
男「!?そういう貴様は姉貴!?!?」
男「後一週間はばれないと思ってたのに!!!!くそ!!!!!」
姉「逃すかああぁあああ!!!!」ダダダダ
男「ああっあっあ・・・」ガクガク
男「悪霊退散」バタム
ガンッッ!!
姉「んぶ!?!?」
ベチャ
姉「・・・・・・」ピクピク
幽霊「こいつらうっさ・・・」
男「・・・・・・」スッ
ペタリ
姉「 」ピクピク
男「よし、お札も貼ったし除霊完了!!!!」
幽霊「アンタの姉貴キョンシーみたいになってるわよ」
男「しったこっちゃなーす」シレー
男「あっ、粗大ごみに出さないと・・・」
男「でもお金かかっちゃうし・・・」
幽霊「アンタにとっての姉ってなんなの?」
姉「・・・っふ」ダラダラ
男「!?」
姉「ふふふふふふ・・・」ダラダラ
姉「あっはははははぁ!!!!」ダラダラ
幽霊「鼻血流しながら高笑いしはじめた・・・」
男「ゆゆゆ幽霊ちゃんより怖いなんてそそそそそんな・・・・・・」
姉「あはははは!!!あはは!!」ダラダラ
姉「あはっ!あはぁ・・・」フラッ
バタリ
姉「・・・お茶、足りない・・・・・・」
男「貧血か!!ザマーカンカンだぜ!!!」グッ
幽霊「違うみたいよ。っつーか何ガッツポーズしてんのよ」
幽霊「ほら、早いとこ介抱してやりなさいよ」
幽霊「あ、お茶は飲ませないでちょーだい」
男「しっかたないなーーでも幽霊ちゃんがそういうなら仕方ないなーー」
男「幽霊ちゃんのためならえーんやこーら」グイッ
姉「・・・私・・・今、弟に担がれてるのね・・・」
姉「・・・やった」フフッ
幽霊「辛気臭い面でにやけるのやめてくれる?」
姉「・・・今日から同居・・・間違えた、同棲する姉といいます」
姉「・・・よろしく」
男「ああ、彼氏つれてくんの。迷惑千万な姉貴だなーー」
姉「・・・ちがう」
ギュッ ミシミシ
姉「・・・私の相手は、弟だけ」
男「うわわ、リンゴを握り潰す握力で俺のてをぁいたたたた!!!!」
幽霊「お茶で駆動する姉弟の片割れってことね」
姉「・・・お茶」ジーッ
男「はっ!!飲ませるわけには!!!」ガッ
姉「・・・弟が飲ませるの・・・?」
男「立派な社会人が妄言を垂れ流しておられる!!!」
男「姉貴に飲まれるとまずいから俺が飲んでしまった方がいいな!!」
姉「・・・いいよ」
男「うわ、やっぱやめとく」
姉「・・・チッ、せっかくの間接・・・」ブツブツ
男「うわーーあぶねーー・・・人生ドブに捨てるとこだったは・・・」ガクブル
幽霊「アンタら仲いいわねー」
幽霊「私邪魔だったりする?」
男「やめてえええええ!!!!一人にしないでえええええ!!!!!」ガッシ
幽霊「ちょ、ちょっと!!さわんな!!!」
男「わ・・・サーセン・・・・・・」ションボボボリ
幽霊「いや、そんなに落ち込まなくてもいいんじゃない・・・?」
姉「・・・っふ」ニヤリッ
幽霊「・・・何よ」
姉「・・・もっと、弟をはねつけてね・・・」
姉「・・・自ずと、弟は、私に引かれる・・・から・・・」
幽霊「どーいうことよそれ」
男「どーいうことよそれ!!!」
姉「・・・弟、何時でも、私に甘えていいよ・・・?」
男「いやどす」
姉「・・・そう言ってられるのも、今のうち」
ゴクゴクッ
姉「ぷはぁ!!ふははははぁ!!!さらばだぁあああ!!!!」ダダダッシュ!
男「台風かアイツは・・・」
幽霊「・・・さあね」
男「チビクソバカ姉貴がどこに宿るかはさておき・・・」
男「我思ふ!!!」ビシッ
幽霊「指ささないでくれる?」
男「幽霊ちゃんは料理できるんですかできますよね??????」
幽霊「できないできない」
男「マジで???」
幽霊「マジマジ」
男「う~んあやすぃ・・・・・・」
男「こういうときは・・・??」
男「百聞は一見に如かず!!ミスる幽霊ちゃんを見てみたい!!!」
幽霊「きもちわる・・・」
男「すげぇ・・・ポルターガイストすげぇ・・・」
男「めっちゃ万能やん・・・・・・」
幽霊「五、六品あれば充分でしょ」
男「作りすぎです!!!でもありがと!!!!」
ドンッ!!
男「ござま~す・・・」ビクビク
幽霊「疲れたから私もう寝る。おやすみ」
男「おやすみ!!!」
男「・・・あれ?」
男「また12時越えてらっしゃる、あれ???」
男「・・・・・・」
男「・・・ん?」
男「うげ!!なんやかんややった後突っ伏して寝てた!!!」
男「といっても別段なんともないのであるが」
男「布団で寝るに限る・・・そうにちがいない・・・」ブツブツ
男「あれ」
男「幽霊ちゃんいないじゃん、あれっ」
男「さては夜中にかくれんぼか!!幽霊ちゃんはお茶目さんだね!!!」
ゴソッ
男「・・・ん?」
男「物音を感知!!鳴らしたのは十中八九幽霊ちゃんに違いない!!!」
男「上から聞こえた・・・ということは」
男「天井裏だなッ!!!」クワワ
男「えーと確か押し入れのうえの方から天井裏には行けるはずぅ・・・」ガラッ
ゴソゴソ・・・カタッ
男「やりぃ!!!!!」グッ
男「そこに幽霊ちゃんが居るのは百も承知なのである!!」
男「無限の彼方へ、さぁ行くz」チラッ
???「・・・・・・」
男「へっ???」
???「・・・おとこぉ・・・?」
男「あ、はい、そうですけど」
???「おとこぉ・・・」ズルル・・・
ペチャッ
男「えっえっ、何これ」ヌチャ・・・
男「血・・・?」
ドッ グチャッ
???「・・・・・・っ・・・」モゾッ
男「!?」
???「・・・おとこぉ・・・・・・」ヌル・・・
男「な・・・なにこれ・・・」
男「近寄んなっての!!」
???「・・・おとこぉ・・・?」ズルル
男「うわっ!!」バッ
男「や、やば・・・天井裏から半腐りの人間が湧いて来やがった・・・」
男「これが家賃一万か・・・」ブチャッ
???「・・・・・・うぅ・・・」ヌル・・・
男「うっ・・・ひでぇ・・・」
男「この家から出ないと・・・」イソイソ
ガチャッ
男「・・・ん?」
ガチャガチャガチャガチャ
男「あ、開かねぇ!!」ガチャガチャ
男「なにこれ!?姉貴の時は開いたじゃんか!!!」
???「・・・・・・おとこぉ・・・」
男「いっ!?!?」ビクッ
???「・・・どう・・・・・・?」
男「な、何がだよ・・・」
???「・・・わたし・・・もどれた・・・・もとの、わたし・・・・・・」トッ
男「くんな・・・」
???「・・・いっしょに・・・・・くらそ・・・・・・?」トッ
???「・・・・いつも・・・いっしょぉ・・・・・・」ニヘラ
男「そっ、そんな姿じゃ生きれないし!!」トッ
男「死ぬならちゃんと成仏しろぉ!!!」トッ
???「・・・おとこは・・・・わたしを・・・だいじに・・・・・・」ニヤニヤ
男「目一杯弔ってやるから!!こっちにくんな!!幽霊!!」トッ
男「ゆ、幽霊・・・?」トッ
???「・・・おとこぉ・・・・・・」トッ・・・
男「ひっ!?」
タタッ
男「うわ」
男「っっくしょい!!!!」
男「・・・あれどこここ」
男「・・・・・・」キョロキョロ
男「イン・ザ・自室ですね、ええ」
男「そして机に突っ伏して寝て・・・!」サッ
男「・・・いないいなーい」
男「そして幽霊ちゃんもいないいなーい・・・」
男「・・・・・・」ザワッ
男「・・・逃げた方がいい気がする」ソワソワ
男「ドアは・・・」
ガチャッ
男「・・・開いた」
幽霊「夜霧よ今夜もありがとさん・・・ってね」
幽霊「アイツのいびきに追い出されてから何時間立つんだろ」
幽霊「いつの間にか止んでるけど全然眠くなんないし」
幽霊「明日はどやしつけてやるわ・・・」
ガチャッ
男「・・・開いた」
幽霊「ん?男?」
男「うわっ!?」
男「で・・・でた・・・」ガクガク
幽霊「は?何で震えてんの?」
幽霊「まっさか今更怖くなったとか?」
男「・・・・・・」ビクビク
幽霊「ちょっと、顔真っ青じゃない!どこか悪いんじゃないの?」
男「おっ・・・お前・・・」ガタガタ
幽霊「お前・・・?」
幽霊「はは~ん、さては悪い夢でもみた?」
男「天井裏に・・・何を隠してるんだ・・・?」フルフル
幽霊「天井裏?」
幽霊「・・・っつーことは、私の秘密がわかったって事ね」
幽霊「どうやって知ったかは知らないけど、自分で確かめなさいよそんくらい」
男「ここで何があるか言うんだ!」
幽霊「な、なんなのよ・・・いつもと打って変わってえらく高圧的な態度ね・・・」
幽霊「んじゃ言ってやるわよ」
幽霊「置物よ、置物。30センチくらいの」
男「・・・それだけか?」
幽霊「ええ、そんだけよ」
幽霊「信じらんないなら、ほら、確かめるわよ」
男「・・・無理」
幽霊「何で無理なのよ」
幽霊「三宅さんの壁ドンで鍛えられてるんだから、ちったあビビり心くらい押さえ付けなさい」
幽霊「私もついてったげるから、ほら!」ポンッ
男「 」ビクッ
幽霊「私から触る分にはいいのよ、反応しなくても」
幽霊「だからさっさとその重たい尻持ち上げなさい」
男「・・・・・・」スック
幽霊「よしよし、おりこーさん」
幽霊「んじゃ、いざ、天井裏へ~」
幽霊「よいしょ」
ズズズ・・・
幽霊「レディに先導させるなんていい度胸よねぇ」
幽霊「ビビりの癖に、まったく・・・」ブチブチ
男「・・・・・・」
幽霊「懐中電灯持ったなら覗いてみなさい」
幽霊「出てくんのは最悪ゴキブリくらいよ、ビビりさん」
男「・・・・・・」スック
男「これ・・・」
幽霊「まぁ気味悪いといえば気味悪いわよね」
幽霊「お札まみれの招き猫なんて、ね」
男「よかったぁ・・・ホントによかったぁ・・・」グスグス
幽霊「・・・確かにひどい夢ね」
幽霊「んで、夢と現を混同してたからあんな態度をとってしまった、と」
男「ごめんなさいぃ・・・ごめんなさいぃ・・・」グスグス
幽霊「ま、とんだとばっちりだけどわからなくもないし」
幽霊「恩赦っつーことで無罪にしてやるわ」
男「ありがとう・・・ありがとう・・・」シクシク
幽霊「んじゃあもういいわね、放してくれる?」
男「まだ・・・もう少し落ち着くまで・・・」ギュウウ・・・
幽霊「はぁ・・・お子ちゃまね、アンタも」
幽霊「もう少しだけよ?」
男「・・・ありがと・・・・・・」
幽霊「ん~っ!ようやく解放されたわ・・・」
幽霊「うっすら汗くさかったのが期待ハズレなんだけど」
男「マジで???」
幽霊「あと腰いたい・・・強く閉めすぎだっつの・・・」
男「うへへへ、すみませんねいやまったく」
幽霊「こちとら華奢にできてんだから手加減しなさいよね」
幽霊「アンド、今回限りよ」
男「そんな無茶な!!」
幽霊「無茶でもヤムチャでもやんの、わかった?」
男「おk!!!」
幽霊「そんで本題」
幽霊「この招き猫、持ってきてどうすんの?」
幽霊「アンティークとか言って飾っちゃうの?」
男「それはないかな!!」
男「これのせいでひどい夢見ちゃったんだし、お寺にでも持っていこうかな!!」
幽霊「ゾンビくらいノックアウトしなさいよ、意気地無し」
男「俺の不名誉な肩書きが増えて行ってますがやむなしですね」
男「いやぁ、でも、声は幽霊ちゃんにクリソツだったし!!」
男「俺も咄嗟に幽霊!!って言っちゃいましたよ!!!」
幽霊「私をゾンビと一緒にしないでよ・・・気持ち悪い」
男「ごめんね!!!」
幽霊「んでも割とそれっぽいわよね」
幽霊「私のドロドロした部分が具現化しちゃったとか?」
男「うわなにそれエロ 幽霊「くないから!!!」
幽霊「んなわけあるかバカ!!!」
男「仮にそうじゃなかったとしてもーー」
幽霊「そうじゃない意外に有り得ないし」
男「おとこといっしょ・・・とか、おとこはわたしをだいじに・・・とか」
男「言われちゃったりしたんだけど、幽霊ちゃん的にはどうなのかな??????」
幽霊「そいつが私かわかんないのに私に振らないでくれる?」
男「仮にだよ!!仮に!!!」
幽霊「まぁ・・・今まで通りでいいって感じじゃない?」
幽霊「アンタなら大事にしてくれるでしょ?一応私の下っ端って感じで」
男「それでもいいかな!!!!」
幽霊「んじゃ、そういうことで」
男「そういうことってどういうこと????」
幽霊「うるさい、さっさと寝ろ、バカ」
男「怖くて今日中は眠れる気がしませんですはいぃ・・・」ガクブル
幽霊「あっそ」
幽霊「んじゃ私の身の上話でも聞いてもらいましょっか」
男「身の上話???」
幽霊「死んだちょっと前くらいからのね」
男「ほうほう、グロ描写無しでおねげぇします!!!」
幽霊「んなグロい死に方してないわよ」
幽霊「記憶が正しければ、七週間ちょい前の話になるんだけど・・・」
~七週間ほど前~
キィイイイイイッ ガシャン!!
少女「 」
―――――――――
――――――
―――
―
幽霊「ま、こんなとこね」
男「短すぎます!!先生!!!」
幽霊「うっさいわね、いらない部分割愛しただけよ」
男「その結果が死ぬ数秒前からの回想だったわけですね!!先生!!!」
幽霊「そーゆーこと」
幽霊「んで、一ヶ月くらい記憶なくて」
幽霊「二週間前くらいに、気づいたらこの部屋にいたってわけ。招き猫も一緒にね」
男「なんで一ヶ月くらいってわかったの???」
幽霊「カレンダー見たの。そしたら死んだ日からまるっと一ヶ月たってたのよ」
男「まるほどまるほどぉーー」
男「んでも、なんで事故死したのにこんなとこにいるの???」
男「死んだとこに幽霊って湧く気がするんだけど!!!」
幽霊「しんないわよそんなこと」
幽霊「一ヶ月の間になんかされたんじゃないの?」
幽霊「死んだ時からのこと全然記憶ないし」
男「タイムワープしてたりして!!!」
幽霊「ないない。そんな非現実的なこと無いに決まってるでしょ」
男「幽霊ちゃんだって非現実的じゃないの???」
幽霊「・・・・・・」
男「・・・・・・」
幽霊「・・・なんか腹立つから認めない」
男「なんで!!!」
幽霊「もう少し現実的に考えましょ」
男「幽霊ちゃんがそういうならしょうがないよね!!!」
幽霊「そういうこと。解るようになったじゃない」
男「あざーーす!!!」
幽霊「で、思うんだけど、その物々しい招き猫、それが怪しいと思うんだけど」
招き猫「 」
男「むしろ怪しく無い点を探す方が難しいという」
幽霊「たぶんそれのせいで私の移動距離に制限かかってると思うのよねぇ・・・」
幽霊「ねぇ、ちょっとそれ持って散歩してきてくれる?」
男「嫌です!!なんかよくわかんないけど捕まりそう!!!!」
幽霊「つれないやつねぇ・・・」
男「塀の中まで幽霊ちゃん来てくれるなら考えたげる!!!」
幽霊「めんどくさ。それなら遠慮するわ」
男「なんだか微妙な心持ちです!!!」
男「でもさぁ、この一分の隙も無いくらい貼られてるお札剥がせば、封印??溶けたりして!!!」
男「少し剥がれてきてるけど」
幽霊「いいわね、やってごらんなさいよ」
男「うぃっす!!ではお言葉に甘えてまずは一枚・・・せーの!!!」
ベリッ
幽霊「!?!?」
幽霊「痛い!!痛いぃぃぃ・・・」
男「!? 幽霊ちゃん!?!?」
<病棟>
少女「・・・っく・・・!」ビクッ
母親「! 少女ちゃん!?気がついたの!?」ガタッ
少女「うぅ・・・」ビクッビクッ
母親「少女ちゃん!!」
母親「お、お医者さんは!?お父さんも!!!」アセアセ
母親「急いで呼ばないと!!ナースコール!!」アセアセ
母親「すみません!!少女ちゃんの容態が!!」
母親「・・・お願いします!!」
母親「あとはあとはえええとお父さんに電話電話・・・」アセアセ
母親「もしもし!!お父さん!!少女ちゃんの容態が・・・!!」
ダダダダダッ バタァアアン
父親「我が娘よwwwww大丈夫ですかなwwwwww」
少女「・・・・・・」
母親「お父さん!!」
医師「まだ精密検査を行っておりませんので何とも言えない状態ですが」
医師「今のところは大丈夫なようです」
父親「早急なる精密検査を請求しますぞwwwww」
医師「わかってます」
母親「私が見たときは凄く苦しそうにもがいてて・・・」
母親「意識が戻ったと思ったけどそれどころじゃなくて・・・うぅ・・・」グスッ
父親「母殿wwwww安心するんですなwwww我が娘は必然力によって必ず復活しますぞwwww
父親「今回は言わばその前兆wwwwww諦めるなんて有り得ないwwwwww」
母親「・・・うん、わかってるわ。ありがと、お父さん」
<男の家>
幽霊「はぁ・・・痛かった・・・」サスサス
幽霊「首から肩にかけて生皮引っぺがされたみたいな痛みだったわ・・・」サスサス
男「ごめんね・・・俺が浅はかすぎたせいで・・・」シクシク
幽霊「いいのよ、私が許可だしたんだし」
幽霊「つうか私達朝っぱらから騒ぎすぎ・・・」
男「いつの間にか明るくなってる・・・」
男「・・・ん?招き猫がなんか赤いんだけど!!」
幽霊「何これ・・・血がにじんでる・・・」
幽霊「そして、お札剥がしたとこが痛んだみたいね・・・」
幽霊「招き猫ばらさない方がよかったかもね」
幽霊「こうやって置いとく方が絶対危険だし」
男「ううん!!もし教えてくれなかったら夢のせいで壊してたかもしれないし」
男「結果オーライじゃないかな!!!うん!!!!」
幽霊「・・・そうかしら?」
男「ここは俺を信じて、任せてよ!!!大切にするから!!!」
幽霊「大切に・・・?」
男「うむ!!!!!」
ドンッッ!!
男「が、がんばりまぁ~す・・・」ビクビク
幽霊「ま、どーせ頼れんのはアンタだけだし、ヨロシク頼んだわよ」
男「おお・・・これが頼れる男というやつか・・・・・・」
幽霊「ビビり屋が調子乗っちゃダメよ?」
男「おおおお・・・・・・」
男「幽霊ちゃんが心配すぎて学校に行けない!!!」
幽霊「自炊できるからアンタよりはいい生活できる自信あるわよ」
男「そういう意味じゃないから!!!」
男「不在時に招き猫壊れでもしたらどうすんの!!!!」
幽霊「アンタの部屋に上がって来る奴なんて一人くらいしかいないと思うけど」
姉「ぴんぽ~ん!!」
男「うわあああ!!幽霊ちゃんが噂をするから!!!」
幽霊「偶然の産物なのに私のせいにしないでよ!!」
男「はいすいませんでした」
幽霊「まったく・・・んで、そんな大風呂敷抱えて何用よ」
幽霊「それ何キロあんの?」
姉「重さは知らないですけど、これは私の荷物です!!」
姉「つまり引っ越してきました!!!よろしくぅ!!!!!」
ドンッッ!
姉「おっ、お願いしますうぅ・・・」ガタガタ
姉「んはぁ!!弟の布団いい匂いぃいいい!!!」ブモーブモー
男「きんもー☆ミ」
男「つーか出て行ってくださいよ本気で!!」
姉「嫌ですから!!嫌ですから!!追い出されるくらいならここで果てます!!!」
男「ならばしょうがない、お茶は没収」サッ
姉「しまったあああ!!!」
姉「活動限界まであと48秒・・・」
姉「あと96回しか嗅げないじゃない!!!」スーハスーハ
男「なんだこいつまじきめぇ」
幽霊「私からしたら、アンタら二人何やってんのって感じなんだけど」
姉「・・・お茶切れても、匂いは嗅げる」クンクン
男「こんな妖怪の住む家になんて帰れないよぉ・・・・・・」シクシクシクシク
幽霊「それはちょっとやめてくんない?」
男「幽霊ちゃんそんなこと言ってくれるのね・・・!!!」
姉「・・・ふぅ・・・っん・・・・・・」クンクン
ゴクゴク
男「ぷはぁ!!こら!!姉貴!!!」
姉「・・・んっ・・・何・・・・・・?」クンクン
男「招き猫にはさわんないでね!!ずぇったい!!!」
姉「・・・わかった」クンクン
男「ああ・・・後ろ髪を引きずられるような心境だ・・・・・・」
男「行ってきます・・・・・・・・・・・・」ガチャ・・・・・・
幽霊「はいはい、いってらっしゃい」
幽霊「・・・・・・」
姉「・・・・・・」
幽霊「・・・そこ離れらんないの?」
姉「・・・うん」
幽霊「まぁ、動かないんならそれに越したことはないわね・・・」
幽霊「・・・・・・」
姉「・・・・・・」スンスン
幽霊「・・・そんなにいい匂いすんの?」
姉「・・・する」スンスン
幽霊「・・・あっそ」
姉「・・・・・・んふふ・・・」スンスン
幽霊「・・・・・・」
幽霊「くっさ・・・」
姉「・・・悪霊には、まだ早い」
幽霊「癪に触る言い方だけど、金輪際しないからどーでもいいわね」
幽霊「ところで、せっかく追い出されずに済んでるんだし、何かしたら?」
姉「・・・?」
幽霊「一宿一飯の恩義。居候なんだから少しくらい動きなさいよ」
姉「・・・無理、お昼から仕事」
幽霊「お昼までまだ数時間あるんですけど」
姉「・・・さっきと言ってること、逆」
幽霊「招き猫にさえ触れなきゃいいのよ」
姉「・・・あれ?」
招き猫「 」
幽霊「そう、それ」
姉「・・・ミイラ招き猫」ツンツン
幽霊「あんまり触んないでくれる?」
姉「・・・?・・・どうして・・・?」
幽霊「割れでもしたら私が消えるかもしんないからよ」
幽霊「ほら、そこ赤黒くなってるでしょ?」
姉「・・・ほんとだ」
幽霊「それ、お札剥がした跡なんだけど、剥がしたとき死ぬほど痛かったのよ」
姉「・・・もう死んでる」
幽霊「うるさい。だから、その招き猫と私はどーもリンクしてるらしいのよね」
幽霊「だから、割れたら消えるかもって思ってんのよ」
姉「・・・なんで消えたくないの?」
幽霊「なんでって何よ」
姉「・・・悪霊は・・・成仏すべき」
幽霊「あのさ、悪霊って言うのやめてくんない?」
姉「foo!!一息つきました!!!」
姉「んで悪霊ちゃんよぉ、なんで成仏しないんですか??ん???ん???」
幽霊「うざ・・・アイツそっくりね」
幽霊「まぁ、今のところはアイツのために残ってやってるって感じじゃない?」
姉「はい嘘ですーー!!この悪霊嘘ついてますーー!!!流石悪霊!!やり方が汚いですね!!!!」
幽霊「・・・一言多いけど、よくわかったわね」
姉「あれ???あてずっぽだったのに・・・」
姉「天才ですか!!!!」
幽霊「カマかけてきたかと思ったんだけど、考えすぎだったわね」
姉「きーーーーっ!!!!」
幽霊「実際のとこ、私あの世とかよくわかんないし」
幽霊「そういうとこに飛ばされるのが怖いのよね」
姉「なんだビビりですか」
幽霊「・・・アイツには黙っとこ」
姉「じゃあ、除霊されるまでここにダラダラ居座るんですね」
幽霊「まぁそういうことになるわね」
姉「はっきり言って邪魔ですよ!!悪霊!!!」ビシッ
幽霊「・・・確かにちっさいアンタよりは場所取っちゃうかもね」
姉「ちっさい言うな!!気にしてるんですからぁ!!」
姉「それはともかく、悪霊が居ると私と弟のイチャイチャライフが実現出来ないんですよ!!!」
幽霊「八つ当たり?」
姉「違う違う!!あんたらがイチャイチャしてるから付け入る隙が無いんじゃないですかぁ!!!」
幽霊「イチャイチャってちょっとアンt」
姉「せっかくフラグ立ててったのに・・・立て損だよぉ・・・」シクシク
姉「・・・はっ、もしかして」
姉「弟はドmか!!!」クワッ
幽霊「ついていけない・・・」
姉「ここに昨日仕掛けたカメラがあります」サッ
幽霊「うわ、いつの間に・・・」
姉「早速見てみましょう」ジー
姉「ふむふむ・・・悪霊もちゃんと写ってますねぇ」
幽霊「あ、ホントだ」
幽霊「カメラに写っちゃうんなら誰にでも見えちゃうんじゃない?私」
姉「カメラと人の目は別物ですから、よくはわかりませんね」
姉「しかし見れば見るほど・・・」ジー
姉「弟は悪霊に命令されて喜んでるように見えますねぇ・・・」
幽霊「そう?」
姉「す、素晴らしい・・・弟が懐いてます・・・」カタカタ
幽霊「あら、禁断症状かしら」
バッ
姉「悪霊・・・いや、先生!!私を弟子にしてください!!!」
幽霊「アンタ一々薮から棒よね。土下座は止めてくれない?」
姉「その振る舞い方をどうぞ私に伝授してくださいぃ!!!」
幽霊「これが素なんですけど」
ジジジ・・・
姉「真髄をば、是非とも私に!!!!」
幽霊「真髄とか無いんだけど」
ジジジッ・・・
幽霊「とにかく顔上げて」
姉「! 教えてくださるんですね!?先生!!!」
幽霊「先生とか言わないでくれる?虫ずが走るんだけど」
ジジッ・・・ おと・・・こぉ・・・ ジジジッ・・・
~数刻後~
幽霊「あ゙ーつかれた」
幽霊「昼前中追い掛けられて私が取り付かれてる気分だった・・・」
招き猫「・・・・・・」
幽霊「・・・そういえば」
幽霊「お札剥がしたとこが何となく軽く感じるのよね」
幽霊「別に見た感じかわんないけど・・・」
幽霊「・・・やっぱり封印だかが解けてたりして」
幽霊「剥がした部分が解けたから肩が軽いのかしら」
幽霊「これは・・・」
招き猫「・・・・・・」
幽霊「試す価値あり、よね・・・」
ペリ・・・
幽霊「いっつ」
幽霊「ポルターガイストじゃ力の加減が難しいわね・・・」
幽霊「でも我慢・・・」
ペリリ・・・
幽霊「・・・・・・」ペリ
幽霊「・・・よし、これで半b」ペリ
ッガッシャアアァアアアン!!
幽霊「!?」ベリッ
幽霊「~~っぅ~~~!?!?」
<病棟>
少女「・・・・・・」ビクッビクッ
ガラララッ
父親「んんwwwwwww」
看護士「すみません、廊下ではもう少しお静かに・・・」
父親「ペヤッwwww病室に入る直前に言われても困りますなwwwwwwww」
父親「今の注意は我に対して役割が持てませんぞwwwwwwww」
看護士「ではこれから廊下に出る際は気をつけてください」
父親「んんwwwwwww」
ピシャリ
父親「スッキリしましたぞwwwww温水便座は我に対して役割が持てますなwwwwwwww」
父親「ヤん水便座ですなwwwwwボ式トイレはありえないwwwwwwww」
少女「・・・・・・」
父親「んんwwwww我が娘が汗をかいてますなwwwwwwwww」
父親「暑いのですかなwwwwwww我も暑いから窓を開けますぞwwwwwwwww」
ガラララッ
父親「んんwwwwww実に快い風ですなwwwwwwwww」
父親「どうですかなwwwwwww我が娘よwwwwwwwwww」
少女「・・・・・・」
父親「wwwwww・・・・・・」
父親「・・・我は明日からまた仕事なんですなwwwwwww」
父親「しかし何時でも復活してくれて構いませんからなwwwwwwその時まで笑顔は絶やしませんぞwwwww」
父親「娘の生還を笑顔以外で出迎えるなんてありえないwwwwwww」
少女「・・・・・・」
<男の家>
幽霊「うぅ・・・耳とか頬が焼けるように痛い・・・」グスッ
・・・・・・・・・ww・・・・・・w・・・・・・・・・
幽霊「だ、誰っ!?」ビクッ
・・・www・・・・・・w・・・むすめ・・・・・・・・・
幽霊「!!!!」
幽霊「お父さん・・・お父さんなの・・・?」
幽霊「どこにいるの?!外?!」フワッフワッ
幽霊「・・・いない・・・いない!!」
・・・・・・w・・・w・・・・・・ww・・・・・・
幽霊「うぅ・・・」グスッ
幽霊「なんなの・・・なんなのよぉ・・・」ポロポロ
~夕刻~
??「・・・・・・う・・・」グググ
招き猫「・・・・・・」
??「だ・・・めだ・・・引き寄せ・・・」グググ
スポンッ
招き猫「・・・・・・」
バタァームッ!!
男「ただいまああああっああ!!!幽霊ちゃん!!!」
幽霊「・・・・・・」グスッ
男「しもた、寝てらっしゃる・・・んん!?」
男「これは・・・泣いていた後に見えるゾ!!!」
男「どう考えても犯人は姉貴ですね、クソぅ!!!」
ピラッ
男「しかもお札まで剥がして・・・はっ・・・!!」
男「もしかして・・・」
姉『ヒェッヒェッヒェッ、ほれぇ、痛かろうが・・・ヒェッヒェッ!!』←悪い魔法使いの様な人相に格好
幽霊『や、止めてくださいぃ・・・』ビクビク
姉『えぇのぅ・・・その怯えた表情・・・!!』
姉『さらに醜く歪ませてくれるわ!!キェェーッ!!!』ビリッ
幽霊『いやあああああっ!!!』
――――――
――――
――
男「とかやってたに違いない・・・・・・」ブルブル
男「悪鬼羅刹か・・・きゃつめ・・・」ブルブル
男「その横暴許すまじ!!!」カッ
バタァームッ!!
姉「ぅおっしゃあ!!ただいまですよーっと!!」
男「来たな!!!」
ドンッ
男「姉貴!!」
姉「弟?!」
姉「そ、そんな・・・出迎えてくれるだなんて・・・///」モジモジ
男「貴様ッ・・・貴様という奴はァ・・・!!」
男「幽霊ちゃんを泣かせるとはどういう了見だッッ!!!」
姉「むむ?!私何もしてないですよ!!!」
姉「むしろ先生に頭下げたりしてました!!」
男「先生・・・つまり教授に頭下げてたのか・・・???」
男「わけがわからん!!!」
姉「ちーがーいーまーすー!!というか教授ってどなた??」
男「お隣りさんです!!」
~数分後~
幽霊「アンタの姉貴なんかに泣かされるようなタマじゃないし」
幽霊「つうか泣いてないから、アンタの姉貴は無罪」
姉「せ、先生っ!ありがとうございます!!」
男「先生って幽霊ちゃんの事だったんですね」
男「でも泣いてたよね!?どうしたの!?!?」
幽霊「あぁ・・・アレよアレ」
幽霊「寝る前にあくびしまくったからじゃないかしら」
男「なるほど、そういうことか」ケロッ
幽霊(・・・はやっ)
男「じゃ、じゃあなんでお札剥がれてるの!!」
男「ぼく心配しちゃったんだからぁ!!!!」
ドンッッ!!
幽霊「きもちわるい」
男「あいごめんなさい」ブルブル
幽霊「私が自分で剥がしたのよ」
男「なんで・・・???」
幽霊「前にアンタに引っぺがされた時あったじゃない」
男「あの時はごめんなs」
姉「おい」ガタッ
男「姉貴邪魔、静かにしてて」
姉「引っぺがしたってどういう事じゃあああああ!!!!」
ドンッッ!
姉「ナニかしたんか??言うてみろや弟ぉ!!!!」
ドンッッッ!
男「ちょっ、姉貴三宅教授無視しないであげて!!!」
男「俺がやらかしたのは、その招き猫のお札ベリッてやっちゃっただけだから!!!」
姉「あらあらそうなんですか私としたことがおほほほほ」(棒)
幽霊「アンタらのせいで話進まないんだけど」
幽霊「招き猫が手を挙げてる・・・左肩から左手までのとこね」
幽霊「剥がした時から軽くなった感じがするのよね」
男「ということは・・・??」
幽霊「アンタが言ってた通り、封印?を解くならお札剥がせばいいんじゃない?」
男「キタ!!」
幽霊「だから今日自分で剥がしてみて・・・あっ」
幽霊「お昼過ぎすごい音がしたんだけど」
男「え、なにそれ」
姉「おーそれはたぶん」
姉「ここから少し離れた所であった事故の事でしょう」
幽霊「事故・・・」
男「姉貴が知ってて俺が知らないなんて・・・・・・」
男「なんだこの敗北感は・・・」ガクッ
姉「それ以上は知りませんけどね!!!」
男「ふん、所詮はその程度か」
男「テレビ欲しいなーーテレビーー」
男「ひょっとしたらニュースでやってるのかもしれないのに!!」
幽霊「私の暇つぶしにもなるのにね」
姉「こんな所にワンセグが」パカッ
男「な、なんだとおおぉぉぉ・・・」ワナワナ
姉「・・・あれ、映りませんね」
男「使えねぇ姉貴だ。テレビかいますかねぇ」
幽霊「そうしてちょうだい」
姉「私が買ってあげますよ!!!」
男「変な恩着せられそうだからノーセンキュー」
男「ラジオも無いとか情弱どころの騒ぎじゃないよ!!!」
男「あ、幽霊ちゃんとの日常が充実してたから要らなかったんだ、なーーんだ」
幽霊「そういうことは言わなくてよろしい」
幽霊「さて、んじゃあアンタお札剥いでくれない?」
男「えっいきなりどうしたんでしょう」
男「というか・・・俺にさせたらダメだって・・・」
幽霊「ビビってんじゃないわよ、全く」
男「でも幽霊ちゃん痛いでしょ・・・?」
幽霊「このキモい人形に縛られてるって方が痛いのより嫌なのよ」
幽霊「アンタだって一度失敗してるんだから優しくやってくれるでしょ?」
幽霊「んじゃ、よろしくね」
男「うん・・・頑張るよ!!!」
姉「弟、その前にご飯は??あとお茶」
男「姉貴はご飯も作れないんですか????」
姉「作れますとも!!任せてください!!!」
姉「私の愛と薬のこもった手作り・・・」
男「さてと、夕飯作りましょうかね!!!」
姉「いや、私が作りますから!!」
男「明白に薬を盛ることを宣言してる方には任せられないですよね」
幽霊「よくわかんないけど、それならアンタが剥がしてくれない?」
姉「先生、それはどちらに言っているのでしょう???」
幽霊「アンタに決まってんじゃない」
姉「くそぅ・・・くそぅ・・・!!」
男「優しくしてよね!優しく!!俺の分まで!!!」
姉「この手持ち無沙汰な睡眠導入剤は招き猫にでもくれてやりましょう・・・」シクシク
男「どうやって投与するおつもりでしょう」
ペリリリ・・・
姉「ほいっと」
ペリッ
幽霊「いっつ・・・」
男「また聞こえた!!また痛いって聞こえたよ!!!」
幽霊「一々騒がないでくれない?」
男「心配なんだよぅ・・・」
幽霊「はいはい、あんがとさん」
幽霊「今のでニ枚目よね」
姉「・・・お茶切れた」
幽霊「なんでアンタそんなに燃費悪いのよ」
幽霊「あと六枚・・・まぁいいか、明日にしよ」
姉「・・・招き猫の左側・・・汚い・・・」
招き猫「・・・・・・」
幽霊「赤黒い点のせいで水玉模様になってるわね」
姉「これ・・・血だよね・・・」ソッ
ツンッ
姉「っ!?」ゾクッ
幽霊「まーしかし、そこそこ軽い感じがするわよ。左半身だけ」
姉「うぅ・・・」ズキズキ
幽霊「ん?どうしたのよ」
姉「・・・頭痛い」ズキズキ
幽霊「大丈夫なの?顔色も若干悪いけど」
姉「・・・少し座る」
幽霊「それがいいと思う」
姉「・・・お札剥がれてる所は、触らないほうがいい」
男「つうかよく触ろうと思ったよね!!」
男「あと六枚なんだっけ。幽霊ちゃん大丈夫???」
幽霊「そこそこね」
男「そこそこじゃよくわかんないけど」
男「元気そうだからいいよね!!グッジョブ!!!」
姉「・・・そして今夜は焼きそば」ズルズル
姉「弟の愛がこもってて・・・おいしい」
男「注:込めた覚えはありません」
幽霊「まだ少しヒリヒリするわね・・・」
男「全身隈なくさすって差し上げましょうか!?!?!?」
ドンッッ!
男「ごめんなしゃ~い・・・」ガクガク
幽霊「少し風にあたってくる・・・」フワフワ
男「いってらっしゃいませぇ・・・」ガクガク
幽霊「ふー・・・」
・・・・・・です・・・・・・・・・は・・・・・・・・・
幽霊「・・・やっぱり聞こえる」
幽霊「耳のトコのお札剥がれてからよね、聞こえるようになったの」
幽霊「静かな場所で、耳を澄まさないと聞こえないけど・・・」
幽霊「・・・・・・」
『・・・www・・・w・・・・・・むすめ・・・・・・・・・』
幽霊「・・・あれは、確かにお父さんの声だったわ」
幽霊「まさか、この辺りで私を探し回ってるわけじゃないだろうし」
幽霊「いったいどこから・・・」
幽霊「・・・・・・」
幽霊「・・・また聞こえてこないかな・・・」
男「・・・・・・」ササッ
姉「・・・・・・」ササッ
姉「・・・二人っきり・・・///」
男「姉貴や、落ち着いて周りをよく見なさい」
男「ほら、招き猫さんがいらっしゃるでしょう。二人っきりであるわけでは無いのですよ」
姉「・・・物は勘定に入れない」
男「見た目は招き猫でも、祟り的な何かが詰まってますから!!人為的な何かが!!!」
姉「・・・私達の愛の前には・・・そんなの関係ない」
男「ぼくを勘定に入れないでください」
姉「・・・今宵こそ、弟を私のものに・・・」ジリッ
男「・・・ッフ、無用心だな、姉貴・・・!!」
スッ・・・
姉「・・・!!!!」
男「僕の攻撃は刹那に終わる・・・」
姉「・・・なっ・・・何を・・・」フルフル
男「何、だって??少し突いてやっただけだよ」
姉「・・・おのれ・・・弟ぉ」フルフル
バタリ
男「明日まで静かにしているがいい」
姉「ん・・・」zzz
幽霊「・・・何やってんのよアンタら」
男「経絡ナントカを突いて眠らせたのだ・・・・・・」フッ
男「のではなく、焼きそばにきゃつの睡眠薬を盛りました」
幽霊「へぇ、何にせよ静かにはなったわね」
幽霊「んじゃあ私そろそろ寝るから」
男「ええっ!?!?」
幽霊「何よ」
男「夢にゾンビ女出てきそうで寝れないよ!!!」
幽霊「でも寝ないと体に悪いじゃない?早く寝たほうがいいわよ?」
男「そんなこといってもさぁ!!幽霊ちゃん!!!」
幽霊「・・・しょうがないビビりねぇ」
幽霊「だったらアンタの目につくところに寝といてあげるから、さっさと寝てくんない?」
幽霊「アンタは寝不足なんでしょうけど、こっちも痛いの我慢して疲れてんのよ」
男「あ、ありがたき幸せーー!!!」
幽霊「・・・ねぇ」
姉「・・・ふふ」zzz
幽霊「アンタの姉貴のせいで寝る場所無いんだけど」
男「僕のここ、空いてますよ」クイックイッ
幽霊「そこに姉貴ぶち込めばいいじゃないの」
男「死んでも嫌です」
幽霊「私もイヤデス」
男「うう・・・これじゃぼくちゃん眠れないよぅ・・・」シクシク
幽霊「んじゃあ、床で寝てくんない?私が椅子か何かに座って寝るから」
男「それもそれで不健康じゃありません!?!?」
幽霊「はぁ、誰かさんのワガママに付き合ってやってる私偉い」
男「いやーかたじけない!!」
幽霊「見ない、触らない、近づかない。いい?」
男「もちのローン!!!」
幽霊「んじゃ寝る。おやすみ」
男「!?」
男「おしゃべりとか無いの!?!?」
幽霊「疲れてるって言ったでしょーが」
男「あい、名残惜しいけど寝てみます・・・」
幽霊「はいはい、おやすみ」
男「おやすみ・・・」
・・・・・・や・・・めろ・・・・・・・・・
男「・・・はっ!?」
男「・・・あれ?なんでまた俺は机になんて突っ伏して・・・」
??「あ・・・あんたは一体何者なんだよっ!!」ジリッ
男「!?」
???「・・・・・・」ヒタッ・・・ヒタッ・・・
??「な・・・なんなんだよここ・・・いきなり引き寄せられて・・・」ジリッ・・・
???「・・・・・・」ヒタッ・・・
??「こっ、こんな化け物・・・」
男「おい!ゾンビ!やめろ!!」グッ
男「!?体が動かない・・・!?」
??「こ・・・こっち来て何すんだ・・・」ジリッ
トンッ
??「! 玄関か!!」
???「・・・・・・」ヒタッ・・・
ガチャ
??「あ、開かない!?」ガチャガチャ
??「ふざけるな!!開け!!クソ!!」ガチャガチャ
???「・・・・・・」
??「ひっ!?」
男「そいつに何するんd」
ガブッ
男「!?!?」
ピチャッ・・・ ピチャッ・・・
???「・・・・・・」カプッ・・・ジュルッ・・・
男「はわわわわわ・・・・・・」プチッ・・・
男「ど、どんなに耳押さえても聞こえてくるぅぅ・・・・・・」クチャ・・・
???「・・・ふぅ」モゾッ
???「・・・・・・」スッ
男「・・・!」ビクッ
???「・・・おとこ?」
男「・・・や・・・めろ・・・」
???「そこにいるのね・・・おとこ・・・」
男「幽霊ちゃんの声で喋るのを止めろぉ!!!」
???「・・・いや?」
男「嫌だ!!幽霊ちゃんじゃないくせに!!!」ガタガタ
男「このっ・・・」チラッ
???「・・・・・・」
男「このっ、人体模型野郎!!!」ガタガタ
???「・・・おとこ、ごめんね?まだたりないの・・・」
男「前よりゾンビらしくなくなってもな」
???「だかラ・・・まッてて・・・?」
男「気持ち悪いんだよ!!でてけ!!!」
???「あト・・・ふたり・・・だカラ・・・ダカ・・・ラ・・・」
???「 マ ネ キ ネ コ ニ サ ワ ル ナ 」
男「!?」
ドンッッッ!!
男「!?」ビクッ
幽霊「ひゃっ!?」ビクッ
幽霊「び、びっくりした・・・。三宅さん寝相悪いのかしら・・・?」
幽霊「はぁ・・・でも、とりあえず男の震えは止まったみたいね・・・」サスサス
男「・・・幽霊ちゃん」
幽霊「わっ!?!?」バサッ
姉「むぎゅう!?」グチャ
男「ふっ・・・姉貴が踏まれてやがる!スカッとするね!!」
幽霊「どっどっ、どこから起きてたのよ!!!」
男「え?何か大きな音がしたときだよ?幽霊ちゃん」
姉「くふふ・・・もっと・・・」ニヤニヤzzz
幽霊「ホントね??絶対ね??」
男「え???何かしてたの???」
幽霊「聞くな!!寝ろ!!!///」
男「そういえがドンッッッって聞こえたとき背中に何らかの感触ががが」
幽霊「明日に差し支えるからさっさと寝なさいよ!!///」
男「私・・・気になりますっ!!!」
幽霊「こうなったら・・・ほいっと」クンッ
ゴチン!!
男「たっ、たわばあぁぁっあぁあ・・・」バタリ
幽霊「・・・寝た」
幽霊「・・・・・・」
幽霊「・・・はぁ。ぶつけた皿洗っとこ」
~翌朝~
男「頭の痛さで目が覚めたんだよね」
男「なんでだろう、記憶にございませんな」
幽霊「・・・・・・」
男「おほほ、寝たときはあっち向いてたのにこっち向いてらっしゃる」
男「起きるまで凝視してみましょう」ジーッ
幽霊「・・・ん」パチクリ
男「じーっ」
幽霊「うわ!?」バサッ
姉「むぎゅう!!」グチャ
男「また潰されとるwwwひゃっひゃっひゃwwwwww」
男「・・・ん?また?」
姉「背中の痛さで目が覚めたんですよね」
姉「しまった・・・今頃は弟に覆いかぶさってる予定だったのに・・・ッ!!」
男「ふざけんなって怒られた・・・」シクシク
姉「あら、弟、どうしました?泣くなら私の胸の中で泣きなさいな」
男「顔洗ってくるは・・・」トボトボ
姉「チッ・・・」
幽霊「寝起き最悪・・・」
姉「みなさん朝から辛気臭いですねー」
姉「ここは一発、私が一肌脱いで差し上げましょうかぁ???」
姉「結局何も思いつかなかったのでおもむろにケータイを取り出した私」サッ
姉「そのままの勢いでワンセグを使用」
姉「先生もどうですか?」
幽霊「昨日つかなかったでしょ、それ」
姉「つきましたよ!ほら!!」
姉「昨日は調子が悪かったんですよ、たぶん」
幽霊「あらそう。じゃあチャンネル変えてくんない?」
姉「え!?なんでですか!!」
幽霊「それニュースばっか流れてるチャンネルじゃない」
姉「これ見ないと朝って感じがしないんですよねー」
幽霊「へぇ~・・・」
男「あれ、幽霊ちゃん何見てるの???」
幽霊「見りゃわかるでしょ」
男「おお!!これは朝のニュース番組!!」
男「ばーちゃんと毎朝よく見てたわ。超懐かしい!!!」
姉「そうですよね!!私もくっついてよく見てて」
男「えっ、そうだっけ」
姉「えっ??」
幽霊「っつーか、よく朝のニュース番組でそんなに盛り上がれるわよね」
『続いて、昨日〇〇で起きた人身事故についての・・・』
姉「あ、ほら!!昨日私が言ってた事故じゃないですかねこれ!!」
男「本当だったんですね」
姉「悔しがってたのは嘘だったのかおいこらぁ!!!」
『昨日起きた事故の被害者、青年は・・・』
男「?!!!」
姉「凡人面ですね。弟の方が超カッコイイ」
幽霊「めちゃくちゃ不謹慎よアンタ」
『意識不明のまま病院に搬送され、翌日未明に死亡が確認され・・・』
男「オイ・・・おい・・・」
男「この人昨日の夢に出てきた人そっくりじゃん・・・」
幽霊「そういえばまた怖い夢見たんだっけ、アンタ」
男「え??まだ言って無いのになんで幽霊ちゃん知ってるの???」
幽霊「!!!!」
『容疑者のトラック運転手は「突然眠気に襲われた」と話し・・・』
男「あれ、そういえば早朝に・・・」
幽霊「忘れなさい!!今すぐ忘れろ!!!!」
<大学>
ドンッ ドンッッッ
男「最近〇〇付近では頻繁に事故が発生していて」カキカキ
男「ここ一ヶ月ちょっとで起きた、事故・ひき逃げでの死亡者は計八人・・・」カキカキ
男「あの辺りそんなに危なかったのか」
男「教授も注意しろって言ってるし、気をつけないとね・・・」
三宅教授「・・・・・・」コオォォォォッ!!
ヒュオオッ
男「うぉう、講義終了か」
男「しかし気分悪いわ・・・」
男「朝のニュースのせいで昨日の夢思い出してしまったせいだな・・・」
<男の家>
男『夢の中で、その青年って人がゾンビ女に喰われてたんだよ・・・』
男『それにゾンビ女が少しゾンビらしくなくなってて』
男『最後に、"マネキネコニサワルナ"って・・・』
男『ん?その後??起きた後を思い出そうとすると頭が痛むんだ・・・』
幽霊「って事だったけど、アンタはどう思う?」
姉「・・・たとえ弟が夢と現実の境を忘れても」
姉「・・・私は、弟を、愛せる」グッ
幽霊「いや、そういうこと聞いてるんじゃないんですけど」
姉「・・・?」
幽霊「アンタはそのゾンビ女をどう思ってるのか聞いてんじゃない」
姉「・・・何度も、弟に夜這いを仕掛けるゾンビ女・・・」
姉「・・・その女は、敵。倒すべき、敵」
幽霊「・・・ま、理由は全然違うけど、私もさっさとどうにかしたいわ」
姉「夜中に・・・張り込む・・・?」
幽霊「男の夢の中に出てくるんだから関係ないでしょ」
幽霊「有効そうなのは、そうねぇ・・・」
幽霊「招き猫をどうにかするのがよさそうね」
姉「・・・なんで・・・?」
幽霊「ゾンビ女本人が招き猫に触るなって言ってるんだし」
幽霊「何かあるからさわるなって言ってるんじゃないの?」
姉「・・・なーるー・・・」
業者か・・・
実は>>5だったりするのです、ありがとう
自分の中では完結してるので、練りつつゆっくりいきます
姉「・・・罠だったらどうする・・・?」
幽霊「罠って言っても・・・何が地雷かわかんないし・・・」
幽霊「適当にいじくり倒しちゃいましょ」
姉「わかった・・・じゃあ、私はこれ」サッ
幽霊「・・・何それ」
姉「・・・アー〇ジェット」
幽霊「いくらなんでも効かないでしょ」
姉「いっぱいかければ・・・人だって・・・ふふふ・・・」
幽霊「ま、まぁ私に実害無ければ好きにどうぞ」
姉「・・・了解。照準」カチャ
幽霊「廊下に出とこ」フワフワ
姉「・・・発射」
ブシュウウウゥ
~数分後~
幽霊「アンタ臭い」
姉「・・・大丈夫。お風呂入って仕事行くから」
幽霊「これじゃあお札剥がしはお預けね・・・」
???「こんにちは」
幽霊「ん?」
姉「・・・はい、何でしょう」
???「男さんのお宅で・・・よろしかったですかな」
姉「・・・宅配屋さんですか。ご苦労様」
姉「男の姉なので、代わりに受け取っておきます・・・」
宅配屋「そうですか、ではここにサインを・・・くさっ」
宅配屋「ありがとうございました、ではこれにて・・・」スタスタ
姉「・・・ごきげんよう」フリフリ
姉「・・・なんだろ、これ」
幽霊「アイツの物なんでしょ?ほっといたら?」
姉「・・・気になる」ジーッ
姉「・・・私は弟と同棲している身。弟の物は私のもの」
幽霊「何その理屈・・・」
姉「開けてみる・・・」ビリビリッ
姉「・・・?」
幽霊「あら?」
招き猫「・・・・・・」
招き猫「・・・・・・」
幽霊「何の変哲もない招き猫ね」
姉「・・・元からあったのは白い。だけどこれは黒い」
幽霊「なんでこんなもん取り寄せたのかしら・・・」
幽霊「あ、ひょっとして」
幽霊「いわゆる詐欺商法だったりして」
姉「・・・!」
幽霊「勝手に送り付けてお金払わせるってやつ」
姉「・・・もう開けた」
幽霊「男に怒られるわよ?」
姉「とりあえずシャワー浴びてくる・・・」
幽霊「のんきねぇ、アンタ・・・」
<某所>
宅配屋「・・・ふぅ」ヌギッ
パサ
? 「しっかり受け取ってくれたな、よしよし」
? 「どれどれ、映りは・・・」ピッ
テレビ「・・・」ブーン・・・
? 「もう箱から出してくれたか」
? 「映りもよし、音もよく入っておる」
? 「見たところ、札は剥がしている途中、といったところかのぅ。手間が省けてよろしい・・・」
? 「・・・後一人か」
? 「悲願が成就するぞ、孫や・・・」
テレビ「・・・スッキリした・・・」
? 「ぶっ!?!?」
<男の家>
姉「昨日入ってなかったから・・・」
幽霊「目障りだから服くらい着なさいよ」
姉「・・・涼しくてよろしい」
幽霊「ハァ・・・めんどくさいわねぇ」
幽霊「そして臭いといえば」
招き猫「・・・」カピカピ
幽霊「すごく臭う・・・」
姉「今、じわじわ効いてるはず」
幽霊「怪しい・・・」
~そして夕刻~
男「あーーマジ痛むわーー」
幽霊「・・・・・・」
男「幽霊ちゃんにさすってもらいたいなーー」
幽霊「・・・その手のこと?」
男「うん!!!!」
幽霊「湿布貼ってあるからいいでしょ、別に」
男「あ~ん、もう、幽霊ちゃんのいけずぅ~~」
幽霊「キモ・・・」
幽霊「っつか、何やったらそんなに腫れるのよ」
男「いやこれは教授の講義中に腫らしまして・・・」
男「拳と壁へ伝わるエネルギーを最小限に抑え」
男「かつ、エネルギーを音エネルギーに変換する・・・」
幽霊「どーゆー原理なわけ?」
男「わかんないです!!」
男「だからとにかくむずい!!次のテスト実技なのに!!」
プルルル プルルル
男「あ、電話だ」
幽霊「ここにアンタが来てから初電話、これって・・・」
男「僕には幽霊ちゃんがいるもん!!」
幽霊「へいへい」
ガチャッ
男「はいもしもし男でございます」
男「・・・・・・」
男「おいこるぁ!!!」
幽霊「?」
男「マジで姉貴ふぁっく」
幽霊「招き猫はアンタが頼んだわけじゃなかったのね」
男「キモいの一体だけで十分です!!」
男「それに加えて雨降ってきたから迎えに来いだと・・・?」プルプル
男「図々しいにもほどがあるぞ・・・姉貴・・・ッッ!!!」プルプル
幽霊「最近この辺危ないんでしょ?行ってあげた方がいいと思うけど」
男「幽霊ちゃんがそういうなら仕方ないね!!!」
男「ウルトラスーパーめんどくさいけど行ってくるよ!!」ガチャッ
幽霊「はいはい、行ってらっしゃい」
招き猫「・・・」バタン
<駅前>
姉「・・・ぷふぅ」
男「いた!!おいゴルァ!!」
姉「ん!弟、迎えに来てくれたんですね・・・///」
男「姉貴が呼び出したんだろうがゴルァ!!!」
男「それにおいゴルァ、黒招き猫の件はどう片してくれるつもりなんだぁよぅ???」
姉「あ・・・それは・・・えっと・・・」
姉「このお茶あげるからそれで勘弁・・・」
男「お残しは許さん!!!飲まんか!!!!」
姉「はい!!!」
男「招き猫はどうにかするとして・・・ほら」スッ
姉「ん?どうしたんですか??手を繋ぎたいんですか???」
男「手からぶら下がってる傘は無視ですか????」
姉「恋は人を盲目にしますから・・・///」
男「盲目云々じゃなくて、ただ単に姉貴の目が節穴なんだよ」
姉「これ・・・ビニール傘ですか?」
男「見りゃわかるでしょ!!」
男「まったく、幽霊ちゃん待ってるんだからさっさと帰らないと・・・」ブチッ
姉「あ、弟、この傘不良品ですよ」
男「んん!?」
姉「ほら、ここの柄のところですよ」
男「マジだ・・・捩切れてる」
男「・・・捩切れてる・・・?」
姉「というわけで、弟の傘に入れてください!!!」
男「いやでもまだ傘の部分は残ってるわけだし一応それで雨風も凌げr」
姉「入れてください!!!」グググ
男「ぎゃああああああ!!!!」
男「か弱い僕を力で捩じ伏せてくるなんて・・・」フルフル
姉「きゃー!!男かわいいよ!!!」
男「姉貴と二人で居るときにはふざけるのは止めよう」
姉「つまらん弟ですね」
男「幽霊ちゃんが待ってるんだ!!走れ!!」ダッポイ
姉「えっ!!ちょっと!!私走るの遅いからタイムぅ!!」
男「ちぎゃぎゃー!!!」ダダダ・・・
姉「あら・・・傘だけ置いて行っちゃいました」
姉「弟ったら、照れ屋さんなんですから!!」
姉「よし、それじゃあ私も傘持ってとっとと・・・」
ブロロロロッ
姉「・・・ん?」
車「・・・」ブロロロロッ
姉「あら・・・一本道だからってぶっ飛ばしてますね」
姉「とりあえず危ないんで端か避けときますか」スッ
ブロロロロロ
姉「・・・えらくこちら側に寄りますね。あれじゃ当たるのですけど・・・」
姉「・・・あれ?」
ブロロロロ
???「・・・・・・」ブロロロロ
姉「!?!?」ゾクッ
姉「な、何あれ!?助手席に座ってるの!?」
???「・・・・・・」ニヤニヤ ブロロロロ
姉「ゾンビ・・・ゾンビ女・・・」
姉「えっ!?えっ!?逃げないと!!」
ブロロロロロロ!!
姉「でっ、でもあの速さじゃ無理ですし!!どうしたら・・・どうしたら・・・」アタフタ
???「・・・・・・」ニヤニヤ ロロロロロロ!!
姉「どうしたら・・・いいんでしょう・・・」ヘタッ
姉「何すればいいのか解りません・・・」
姉「弟・・・私・・・」
ザッ
三宅教授「・・・・・・」コオォォォォ
姉「・・・?」
ブロロロロ!!
三宅教授「・・・・・・壁殴(壁ドン)」コオォォッ!!
ガゴオォォォォ!!!
車「 」
運転手「 」
姉「あ・・・あれ・・・?」
姉「車・・・止まったんですか・・・?」
三宅教授「・・・・・・」コオォォォ・・・
ザッ・・・ザッ・・・
姉「あっ、ありがとうございます!!」
三宅教授「・・・・・・」ザッ・・・ザッ・・・ コオォォ・・・
姉「謎のオーラを垂れ流しながら行ってしまいました・・・」
姉「帰り道が同じだと思えば、お隣りの三宅さんだったんですか・・・」
姉「それにしても・・・」
姉「広くて逞しい背中でした・・・ぽっ」///
ガチャ
男「部屋の前でブツブツ言うのはやめてくださいよ」
姉「弟!!私生きて帰って来たよ!!」
男「姉貴が死ぬなんて有り得ませんな。太陽系が滅ぶ方が先に決まっております」
姉「カチーン・・・」
姉「流石の私でも、今回ばかりは茶化されたくはありませんでした!!!」
男「えっ何」
幽霊「何揉めてるの?」
姉「弟のばかやろぅ!!!」ペチョ
男「ぐゎば!?!?」
幽霊「ちょっ・・・」
ドシャアアァ・・・
~その頃、事故現場~
運転手「いつの間にか眠ってしまってて・・・」
運転手「起きたらフロントがめちゃくちゃだったんです」
警察「ぶつかった痕跡もないのに?」
運転手「はぁ」
警察「人を轢いたにしても、ここには何もない・・・」
警察「とりあえず、外の所で同時に起きた事故と関連がないか調べるから」
運転手「そんなぁ・・・」
姉「べらんめぃ畜生ぅぅ・・・」イジイジ
男「 」
幽霊「んー!抜けないー!!」
幽霊「ちょっと!!起きなさいよ!!」
男「 」
幽霊「起きろ!!!」
ゴチン
男「痛い!!!」パッチリ
スルッ
幽霊「ったく・・・轢かれた私の身にもなりなさいよ」
男「すまんご!!!でも!!いきなり叩き飛ばす姉貴もどうよ!?!?」
ドンッッ!!
男「マ、マジありえねーっつうかかかか」ガクガク
幽霊「謝って理由くらい聞いておきなさいよ」
男「う、うむ・・・」
男「ごめりんこ」ペコリ
姉「いいよ!!!」
幽霊「軽っ・・・」
男「んでんで、生きて帰ってこれたって???」
姉「うん、実はこういうことがありまして・・・」
男「ひぇぇ・・・」
幽霊「ゾンビ女・・・」
姉「理科室の筋肉模型みたいでした」
男「じゃあ俺達狙われてるって事か・・・」
幽霊「そうよねぇ、なんせ」
幽霊「アトフタリ、ダシ?」
男「ひぃ!?!?」
幽霊「マネキネコニサワルナ」
男「あああっあぁああっあ・・・」ガクガク
幽霊「ビビりすぎよアンタ」
男「驚いてちびるとこだったよ!!!!」
幽霊「うわ、なにそれ・・・じゃあもう二度とやんない」
幽霊「でも、それがゾンビ女の仕業なら早く何とかしなきゃね」
幽霊「というわけで、はい、また手伝ってくれない?」
男「何を?」
幽霊「お札剥がしに決まってるじゃない」
男「やるやる!!!」
幽霊「アンタの姉貴だけどね」
男「ぐふっ・・・そんな・・・」
姉「ん?どうしたんですか?先生」
幽霊「こことここ、剥がしてくんない?」
姉「あらら、ここも痛むんですか」
幽霊「いや・・・それは知らないけど・・・」
男「え!?どこどこ!?!?」ズズズイ
幽霊「ヨルナ・・・」
男「ひゃあ!?」
幽霊「ソトデマッテロ・・・」
男「ひいぃぃぃ!!!」パタタタ
ガチャバタン
幽霊「・・・よし」
幽霊「さ、一思いにやってちょうだい」
姉「先生、辛抱です・・・」
男「そして僕は追い出された」
男「新月の夜です。月明かりもありません」
男「暗い、暗いです」
男「そんな暗すぎる外で僕は・・・」
男「ぼくは・・・」
男「寝る」
男「・・・・・・」
男「・・・・・・」zzz
??「うう・・・う・・・・・・」グググ
男「・・・・・・」zzz
ペリッ
幽霊「う・・・」ピクッ
姉「よし、これで一枚」
姉「次行く前に休憩します???」
幽霊「・・・さっさとやってちょうだい」
姉「わかりました、では・・・」ペリリ
幽霊「うううう・・・」フルフル
姉「いい感じですよ・・・」ペリリ
??「うぁ・・・ぁぁ・・・」グググ
姉「ひゃんっ!?」ベリィッ!
幽霊「 」
姉「うわ、たまげて思わず変な声が・・・///」
幽霊「 」
姉「あっ・・・」
~数分後~
男「姉貴ィ・・・」
男「指一本つめて済むような所業ですかねェ、これはァ・・・」
姉「悪気はありません!!!」
男「びっくりするのは仕方が無いにしても」
男「幽霊ちゃんを巻き込んじゃダメでしょ!!!」
姉「はい・・・・・・」
男「罰として今日中はお茶抜き!!!」
姉「そんな殺生な!!!」
男「精進せよ」
姉「ぐぬぬぬ・・・」
幽霊「・・・ん」ムクッ
男「んああああ!!幽霊ちゃん!!!」
幽霊「うっさいから静かに」
幽霊「うー、ヒリヒリする・・・」
男「どこがヒリヒリするの???さすってあげちゃう!!!」
幽霊「別にいいから」
幽霊「それよりさっさと次に・・・」
男「ええっ!?無理しちゃダメだよ幽霊ちゃん!!」
幽霊「別に無理してないし。さっさと引っぺがしたいのよ」
幽霊「アンタの姉貴は?」
男「断茶刑に処しました」
姉「・・・・・・」
幽霊「静か過ぎて気がつかなかった・・・」
幽霊「今日中には剥いじゃって封印?とはおさらばよ!」
男「よっしゃきたぁ!!!」
姉「・・・私は?」
男「待機だ」
姉「・・・らじゃ」
幽霊「ほら、早くしなさいよ」
幽霊「早くこれどうにかしないと、ラスト一人の分埋められちゃうわよ」
男「! そっか、そういえばそうか・・・」
男「頑張るよ!幽霊ちゃん!!」
幽霊「はいはい。さ、残り全部剥いじゃって」
男「わっかりました!!!」
<某所>
?「おお・・・」
?「あのペースだと、今日中には・・・」
?「それに、今日も付近で一人死んでおる」
?「ということは、計10人・・・」
?「これにわしの手助けさえあれば・・・!」
?「長かった・・・長かったぞ、孫・・・」
?「もうすぐじゃ・・・孫・・・」
ペリリリ
男「ラスト!後半分だよ!!幽霊ちゃん!!!」
幽霊「ううう・・・」フルフル
男「よしっ!!!」
ペリッ
フッ
幽霊「う・・・うぅ・・・はぁ・・・」
幽霊「・・・ん、なんだか体が軽くなったみたい」
幽霊「予想的中ね、男。封印みたいなのは解けたみたいよ?」
男「~~~~!!」
幽霊「ん?」
男「~~~?」
幽霊「ちょっと、アンタ何言ってんの?」
幽霊「・・・・・・」パクパク
男「よし!!幽霊ちゃんお疲れ様!!」
幽霊「・・・・・・」パクパク
男「あれ?幽霊ちゃんどうしたの??」
幽霊「・・・!」ググッ
男「え、なにこれなにこれ」
男「姉貴!!」
姉「・・・いぇっさ」
男「幽霊ちゃんが何言ってるかわかる???」
姉「・・・先生?」
幽霊「・・・!・・・!」パクパク
姉「・・・?」
幽霊「ねぇ、聞こえてるなら返事!わかんないの?」 ・・・・・・!!・・・!・・・・・・
男「~~~~」
幽霊「ねぇってば!!」 ・・・・・・・・・・・・・・・
男「~~~!?」
幽霊「何・・・何これ・・・」 ・・・ピッ・・・・・・・・・・・・
幽霊「何なの・・・何なのよ・・・!!」 ・・・・・・・・・ピッ・・・・・・
幽霊「なんだってのよ!!なんで聞こえてないし聞こえないのよ!!」 ・・・・・・ピッ・・・・・・・・・
幽霊「うっさい!クソ耳障りな雑音ばっか響いて!!」 ・・・・・・・・・ピッ・・・・・・
幽霊「私は男の声が聞きたいのよ!!アンタのせいなのなら邪魔すんな!!」 ・・・ピッ・・・・・・・・・
招き猫「・・・無理だよ」
幽霊「!?」 ・・・ピッ・・・・・・・・・ピッ・・・・・・
招き猫「貴女は金輪際・・・二度と再び、男の声なんて聞けない・・・」
招き猫「わかる・・・?」
幽霊「うううう・・・!!!」 ・・・・・・ピッ・・・・・・・・・
幽霊「これはアンタのせいなんでしょ・・・ゾンビ女!!」 ・・・ピッ・・・・・・・・・・・・
招き猫「違う・・・よ」
招き猫「私達が蒔いて・・・貴女達が育てたのよ・・・?」
幽霊「どーいう意味よ!!」 ・・・!・・・・・・・・・ピッ・・・
招き猫「ねぇ、聞こえてる・・・?この音・・・」
幽霊「こ、この音って・・・」 ・・・・・・ピッ・・・・・・・・・
招き猫「弱々しいけど・・・これは生きてる証なの・・・」
招き猫「でも・・・もうすぐ死んじゃうわ・・・」
招き猫「10人目の生贄・・・少女ちゃん」
<病院>
ガラララララ
母「少女ちゃん!!少女ちゃん!!」ガラララララ
少女「・・・」ピッ・・・・・・ピッ・・・・・・
母「お願い!!死なないで!!少女ちゃん!!」ガラララララ
母(なんで・・・?なんでなの・・・?)
母(精密検査を受けても異常なんて無かったのに・・・!!)
医師「ここからは治療室ですので・・・」
母「は、はい・・・」
ガラララララ・・・
母「・・・お父さんにも電話繋がらないし・・・」ジワ・・・
母「どうしたらいいのよ・・・私・・・」ポロポロ
男「あわわわわどうしようどうしよう・・・」
姉「・・・これ」
男「これは・・・瞬間接着剤・・・?」
姉「・・・ホントは、弟と私の手をくっつけるためだった」
姉「・・・だけど、今は、先生の危機。だから、あげる」
男「自白の部分はいらなかったと思います」
男「何はともあれでかした姉貴!!これでお札を貼付ければ・・・」
コンコン
男「ああんもぅ!!誰なんですか!!こんな夜更けに!!!」
ガチャッ
?「ほほほ、こんばんは」
男「・・・どちらさま?」
?「わしはちょいと有名な僧侶なんじゃが」
僧侶「この部屋からただならぬ妖気を感じてのぅ・・・」
男「解るんですか!?」
僧侶「ああ解るとも。今すぐはらってしんぜよう」
男「いえ、はらうとかじゃなくて何というか」
僧侶「時間がない、はやくやってしまうぞ」ズカズカ
男「えっ、ちょっと!!」
僧侶「あったぞ、この招き猫じゃな・・・?」グッ
姉「・・・!あなたはあの時の・・・」
僧侶「ほう、覚えておったか」
僧侶「じゃが、もう遅い」パッ
バリイィィン!!
姉「!?」
男「!?」
幽霊「ひっ!?」ピーー・・・・・・・・・・・・
幽霊「あ・・・わ、私・・・消えて・・・ない・・・?」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
???「音が変わったね、少女ちゃん」
???「なぜかわかる?」
幽霊「うっさい!ゾンビ女!なんで私が犠牲者なのか教えなさいよ!!」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
女「音が変わったよね」
女「なんでかな?当ててみて?」
幽霊「こっちが聞いてんのよ!!話反らすな!!」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
女「わからないかー、わからないよねー少女ちゃんには」
女「これは少女ちゃんが死んだ音なんだ!」
幽霊「は?私が死んだ?」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
幽霊「私とっくの昔に死んでるの。知った風な口聞いといてわかんないの?」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
女「わからないんだーわからないよねぇー」ニヤニヤ
幽霊「あーもう、うっざ!!」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
女「今までの少女ちゃんは、招き猫のおかげで体と繋がってたけど」
女「割っちゃった今、少女ちゃんは体から完全に解き放たれてるの」
女「よかったね!これで少女ちゃんは完全な幽霊だよ?」
女「少女ちゃんの欲しがってた自由だよ?どう?」
幽霊「わけわかんないし・・・いらない・・・自由なんか・・・」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
幽霊「男・・・早くお札貼付けてよ・・・」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
女「そして、私の前に10個目の魂がある・・・」
女「魂も集まって体ももらえる・・・ステキだよね・・・?」
幽霊「男ぉ・・・」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
男「なんてことすんだよクソジジイ!!」
僧侶「おお・・・孫や・・・」
女「・・・・・・」フワフワ
姉「・・・先生は消えてない」
男「あ、あれは・・・」
男「ゾンビ女かよ・・・」
僧侶「・・・これでワシの手助けは終わった」
僧侶「あとは・・・見てしもぅたもんを」
チャキッ
僧侶「始末するだけじゃ」
姉「・・・銃刀法違反。弟、警察呼んで」
男「まったりしすぎです!!」
僧侶「請うても情けなどかけんぞ?」
男「ちっ・・・仕方がない。姉貴!」ポンッ
パシッ
姉「んくっ」ゴクッ
僧侶「刃物を向けられとるのに茶なぞ飲むとは・・・」
僧侶「なめられたもんじゃなぁ!!」ザッ
男「姉貴、いける?」
姉「いつでも!!」
男「傘をも引きちぎるその力でいけぇ!!姉チュウ!!」
男「ジジイに必殺の三連殺っ!!!」
姉「よっしゃあああ!!」ダッ
僧侶「バカめ!!真正面から突っ込んでくるとはな!!」
姉「ちぇすとー!!」タタタッ
僧侶「てぇやっ!」ブンッ
スカッ
僧侶「なっ」
姉「死ぬかぁ!!」バシィ
カラン
僧侶「くっ、得物が・・・」
姉「消えるかぁ!!」ドゴッ
僧侶「ぐふぉ!?!?」
姉「土下座してでも生き延びるのかぁー!!!」
メキャ
僧侶「 」ピクピク
男「半殺しか。今日の姉貴は紳士的だな!!」
女「そんな・・・おじいちゃんが・・・」
僧侶「 」ピクピク
女「・・・っ!」
女「・・・もういい。死んであまり時間たたないうちに貰っちゃわないとね」
幽霊「い・・・嫌よ・・・」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
女「どこから食べるか選ばせてあげるけど、どう?」
幽霊「嫌・・・男・・・早く・・・」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
女「・・・・・・」イライラ
女「あーもう!男おとこうるさいなぁ!!」
女「貴女の体で近づいたら、私も男に可愛がってもらえるかしら?」
幽霊「!!」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
女「それじゃあ・・・」
女「いただきまぁす」
幽霊「ひっ・・・!」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
バッ
男「ーー!!」
女「!?」
幽霊「お・・・男・・・?」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
女「・・・無駄」
女「立ち塞がったって無駄だし」スッ
男「ーー!!ーーー!!」サッサッ
女「もぅ!うっとうしい!!」
幽霊「男・・・男ぉ・・・」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
幽霊「お願い・・・」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
男「ー!ーー!!」バッバッ
幽霊「私じゃない私に・・・騙されないで・・・っ・・・」ピーー・・・・・・・・・・・・・・・
コオォォォッ!!
ヒュオォォッ バサバサバサ・・・
女「~~っ!?誰!?」
三宅教授「・・・・・・」コオォォォ・・・
男「三宅・・・教授・・・?」
三宅教授(・・・君達)コオォォォ・・・
女「 」ビクッ
幽霊「・・・・・・」
三宅教授(私は今から君達を成仏させねばならない・・・)コオォォォ・・・
三宅教授(私はこの世に存在してはならぬ者を祓う者・・・)コオォォォ・・・
三宅教授(壁殴り師・・・三宅である)コオォォォ・・・
女「壁殴り師・・・っ!」
女『・・・そんな!ここまで来て消されてたまるか!』
ガシッ
幽霊『・・・・・・』
女『ちょっ、ちょっと!放してよ!』
三宅教授(・・・準備はいいか)コオォォォ・・・
幽霊『・・・はい』
女『ふざけないでよ!!放せ!!』
男「三宅教授!何するつもりですか!!」
幽霊『どうせ私で失敗しても・・・次を探すでしょ・・・?』
幽霊『例えあったとしても、私には戻り方なんかわからない・・・』
男「幽霊ちゃん!!そいつには近づくな!!」
幽霊『なら・・・これ以上迷惑かけないうちに・・・ね?』
女『このおお!!放せええええ!!』ジタバタ
三宅教授(では、ゆくぞ)コオォォォ!
男「み、三宅教授!?」
女『ちくしょおおおお!!』ジタバタ
幽霊『・・・・・・』
男「きょ、教授!!やめてください!!」
幽霊『男・・・』
三宅教授「・・・葬打・壁殴・・・」コオォォォッ!!
ドゴォォォォッッ!!!
この>>1もしかして寺生まれのtさんと壁なぐりの戦いかいた人か?
パラ・・・パラパラ・・・
三宅教授「・・・・・・」コオォォォ・・・
姉「ゴホゴホッ!!」
姉「あいたた・・・壁に穴が空きました・・・」
男「ぐ・・・」ムクッ
男「・・・・・・」キョロキョロ
男「・・・あれ?」
姉「どうしたんですか?」
男「幽霊ちゃんは・・・どこ?」
姉「先生ですか?」キョロキョロ
姉「・・・どこ・・・なんでしょ」キョロキョロ
男「幽霊ちゃん・・・?」ザッ
男「幽霊ちゃん!!」ガッ
ゴトッ
男「・・・いない」
ガッ
姉「弟・・・」
男「ここにも・・・いない・・・」コトッ
男「くっ・・・ふんぐぐぐ!」ガラララッ
僧侶「 」ピクピク
三宅教授「・・・・・・」コオォォォ
男「いない・・・」ガシャッ
男「なんで・・・」ガクッ
男「なんで・・・いないの・・・幽霊ちゃん・・・」
男「悪いことやってたのは・・・ゾンビ女なん、だよね・・・」
男「幽霊ちゃんは、俺と数日間だけど・・・一緒に暮らして・・・」
男「俺の馬鹿な事には・・・付き合ってくれて・・・」
男「勘違いした俺を気づかせて・・・くれて」
男「ご飯作ってくれて・・・気も使ってくれる・・・」
男「いい子・・・だったのに・・・」ポロ
男「悪いこと・・・なんて・・・一個もやっちゃいない・・・のに・・・」ポロポロ
男「幽霊ちゃんは・・・悪くないのに・・・」ポロポロ
姉「・・・・・・」
三宅教授「・・・・・・」コオォォォ・・・
ォォォォ・・・
その後
姉の紳士的な攻撃によって一命を取り留めた僧侶から、その場の三人は真実を聞いた
僧侶は・・・一月と少し前に孫を亡くした
死因は、いわゆる不治の病による衰弱死
徐々に弱り、死に行く孫に対し、僧侶はただ神に祈る事しかできなかった
孫の死を知り、自分のふがいなさを呪い、死を決意した当日
僧侶はとある店で、この『招き猫』を見つけた
十の魂と引き換えに、一つの魂を甦らせる『招き猫』
それを手に入れた僧侶は即座に行動を起こした
そして、僧侶が招き猫を手に入れた翌日
一人の少女が犠牲になった
それから僧侶は事故を装い犠牲者を稼ぎ
魂を取り込み力を付けた孫・・・女と共に、魂を集めた
この間、最初の犠牲者の少女は昏睡していた
それは・・・女の魂の入れ物となるためだった
招き猫のお札は、体と魂をリンクさせるもの
リンクを断ち切り、がら空きになった入れ物に潜り込む、そういう算段だった・・・そうだ
ただ、男の耳には僧侶の語る声は届いていなかった
男は、幽霊が今までいた空間を、ただ見つめ続けていた
さて、その頃
少し離れた町で、とある奇跡・・・
・・・いや
必然が起こっていた
<某会社>
キュッピーン!
父「んんwwwww」ガタッッ
社員男「どうしたんですかなwww父氏wwwww」
父「我が娘の危機を察しましたぞwwww駆け付ける以外ありえないwwwww」ヌギヌギ
父「上の方にはよろしく頼みますぞwwwww」ダッ
社員男「ぺやっwww可愛い娘さんの事ですなwwwww了解しましたぞwwww」
社員女「・・・はぁ。なんでここの部署、こんなに騒がしいんだろ」
社員娘「女さんwwシケた面しちゃってwwwwwどうしたんスか?www」
社員女「・・・会社辞めよっかな・・・」
社員娘「えっ・・・」
プープー ブッブブー
父「wwwww」
タクシー運転手「20キロの渋滞だってよ」
父「これではタクシーは役割を持てませんなwwwww」
父「ボクシーですなwwww車種が変わってしまいますぞwwwww」
タクシー運転手「んで・・・乗るの?乗らないの?」
父「走った方が早いですぞwwwwwぺやっwwww」ダッ
タクシー運転手「あっそ。気をつけ・・・って」
父「んんwwww・・・」ダダダダ・・・
タクシー運転手「はええなおい」
<河川敷>
子供「んぁっ!!ママっ!!」ゴボバシャ
若妻「誰か!ウチの子が溺れてるんです!!助けてください!誰か!!」
バシャッバシャッ
父「んんwwwwww」バシャッバシャッ
ガシッ
子供「んぶぁ!?」
父「会社と病院の対角線上に居てもらっては困りますなwwwww」バシャッバシャッ
ダバァ ポンッ
子供「ママ!!」ダキッ
若妻「大丈夫だった!?」ギュッ
若妻「あの!ありがとうござ・・・」
父「んんwwww・・・」ダダダダ
若妻「いっちゃった・・・」
<住宅街>
マダム「ひったくりー!!」ワナワナ
ひったくり犯「へへっ、あばよぉ!!」タタタッ
ドンッ
ひったくり犯「おーっとすまねぇn」グイッ
ひったくり犯「おわっ!?」ズルルルル
父「んんwwwww」ダダダダ
ひったくり犯「ひっ、ひったくった!バッグの紐が!引っ掛かってりゅうううう!!」ズルルルル
ブチッ ゴチン
ひったくり犯「 」ズザザ・・・
マダム「ああ良かった。バッグはこんなありさまだけど・・・」
マダム「もし、そこの方?」
父「んんwwwww・・・」ダダダダ・・・
マダム「行ってしまいましたわ・・・」
<市街>
拳銃男「こっ、こいつを殺して俺も死ぬぞ!!」チャキ
彼女「いやあああああ!!」
警察「キ、キミ!!落ち着きなさい!!話し合えば解りあえるはずだ!!」
拳銃男「うっせぇ!!俺の気持ちがわかってたまるかよぉ!!」
ダダダダ
父「んんwwwww」ダダダダ
警察「こ、こら!待ちなさい!!」
父「病院への道のりを邪魔するなどありえないwwwwww」ダダダダ
拳銃男「ひっ!?」
父「そこをどくんですなwwwww」父は 集中力を 高めている!
拳銃男「なっ!なんだお前っ!」
拳銃男「来るな!く、来るなよっ!!」バン!バンバン!!
チュンッチュンチュン
父「必然力の賜物ですなwwww掠りもしませんぞwwwww」ダダダダ
拳銃男「く、くそっ・・・!?」カチッカチッ
拳銃男「玉切れ!?嘘だろ!?」カチッカチッ
父「ぺやっwwwww」ダッ
拳銃男「うっ、うわああああああ!!」
父の きあいパンチ!!
ドスッ!
拳銃男「ぐふぉえっ!?!?」
きゅうしょにあたった!!
パシャッ
記者「・・・なんてこった」
記者「これはスクープだな」
記者「明日の一面はこの事件で飾るか・・・」
<病院>
ヒュウゥゥゥ・・・ バリィィィィィン!!
ガシャン カシャンカララララ
ストンッ
父「んんwwwwwww」
看護士「!!!!」
看護士「くおるああああ!!廊下では静かにしなさいってぇぇぇ」
看護士「言ったでしょうがああああッッ!!」ダッ
父「忘れていたんですなwwwwしかし今は緊急事態故wwwww」ダダダダ
看護士「問答無用ッッ!!」ダッダッ
父「看護士としての役割放棄は喜ばれませんぞwwwww」ダダダダ
看護士「そこに止まれ!!急ぐ必要なんてありませんから!!」
父「む?wwwどういうことですかなwwwww」
看護士「それは・・・こういうことです」
ガララッ
少女「・・・・・・」ズズズ
母「・・・あ、お父さん!」
父「んんwwww駆け付けてはみたもののwwwww」
父「我が娘の体位ぐらいしか変わった所はありませんなwwwww」
少女「・・・ぷふぅ」コトッ
少女「ホントにそう・・・?お父さん」
父「!?!?」
少女「・・・おはよう」
父「・・・ww我が娘よwwwもう夕刻ですぞwwwwその挨拶はありえないwwwwww」
少女「そう?」
父「それはそうと我が娘よwwwwもっとよく顔を見せてくれませんかな?wwwwww」
父「逆光でこの位置からでは見えづらいんですなwwwww」
少女「・・・ふふ、どうぞ」
父「ふむwwww見馴れた可愛らしい顔ですなwwwwww」
少女「・・・まぁ一応褒めてるのよね」
父「目を開いている姿は久しぶりですぞwwwww」
父「それに声もですなwwwwww」
少女「まぁそれもそうよね。一ヶ月ちょい寝てたんだし」
父「wwww・・・」
父「・・・帰って・・・来たんですな・・・wwww」グスッ
父「我が娘よ・・・ww帰ってきたんですなwww」ポロポロ
父「この世で・・・役割を全う・・・する、ために・・・wwww」ポロポロ
少女「な、泣かなくたっていいじゃない・・・」
父「信じていたんですぞwwwそれゆえwww笑顔で迎えるつもりが・・・ww」ポロポロ
父「忝ないwwwww涙が止まりませんぞwwwwww」ポロポロ
少女「ううん、お父さん今でも十分笑顔じゃない」
少女「ありがと、お父さん」ナデナデ
父「wwwwww」ポロポロ
母「よかったね・・・お父さん・・・」グスッ
少女「・・・ねぇ、お父さん」
父「何ですかな?wwwwww」
少女「私・・・ここ最近眠ってる間に、夢なのか何なのかよくわからないけど」
少女「不思議な体験をしたのよね・・・」
父「んんwww興味がありますぞwwww聞かせてもらえますかなwww」
少女「どうぞ、じゃあ・・・」
少女「これ、その夢の中で出てきた人達が飲んでたお茶なんだけど」
少女「お父さんもお母さんも、これ飲みながら・・・ね?」
~数日後~
少女「得に何の異常も無いからさっさと退院できてラッキーよねー」
少女「それから即行でこの町に来て、警察からお父さんに表彰とかなんとか・・・」
少女「川で溺れる子供を助け」
少女「連続ひったくり犯の逮捕に貢献して」
少女「銃で心中しようとした奴を捩じ伏せた」
少女「って新聞で報道されて有名人・・・」
少女「いろいろ押しかけて来てうるっさいから、折角抜け出してきたのに」
少女「どうしよ・・・道に迷ったかも・・・」ウロウロ
少女「見たことある町並みなのは確かなのよね・・・」
「行きたくないでござる!!行きたくないでござる!!」ズビビビ
少女「・・・ん?」
姉「・・・学費払ってる。大学には行くべし」ズルズル
男「教授とは顔をあわせたくないでござる!!!!」ズビビビ
少女「あ・・・」
男「!?!?」
姉「・・・!」
少女「アンタ・・・」
男「ま、まさかっ・・・」
「幽霊ちゃん!?」「男ぉ!?」
おわり
スレタイどこ行ったんだろうね
お疲れ様
思いつきで書いていったんで
どうしてもよくわからないとこあったらどうぞ
乙乙
もっと長く見ていたかった…
女と僧侶は最終的にどうなっちゃったの
>>251
ありがとうございます
女はこの世に存在してはならない者を祓う者によって祓われてしまいました
僧侶はその後警察行きです。いろいろやらかしているので
このSSまとめへのコメント
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