ななこおの幸せ (18)

ななこお姉さんの幸せ

今は秋、とても気持ちいい風と共に夏の終わりがまだ悲しい季節

~野原家~
みさえ「しんのすけー??おもちゃかたずけなさい??」

しんのすけ「えー、アクション仮面達がまだここにいたいって~」

げんこつ☆

みさえ「返事は?」

しんのすけ「ほい…」

……

しんのすけ「んー全くも~、すぐあのケツデカお祖母は」

みさえ「なんか言った?」

しんのすけ「いえ??なんでも??」

ピンポーン

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みさえ「はーい」

しんのすけ「オラが出るオラが出る・・」

みさえ「ダーメ、ちゃっちゃとかたずけなさい」

しんのすけ「おケチ」

げんこつ☆

みさえ「今行きまーす☆」

しんのすけ「うぅ…」

みさえ「あらななこちゃん・・」

しんのすけ「ななこお姉さん・・」

しんのすけは5歳児とは思えない速さでおもちゃをかたずける
そして玄関へ駆け足で

しんのすけ「ななこお姉さー…」

ななこ「あらしんちゃん久しぶり」

みさえ「ほらしんのすけ、ちゃんとご挨拶なさい」

しんのすけはすぐには反応出来なかった、なぜならななこの隣にはとてもスタイルのいい男性がいたからだ

?「初めまして・・臼井逞(うすいたくま)です」
※この人物は自分想像の人物です

みさえ「しんのすけ?」

しんのすけ「あぁ…オ、オラ野原しんのすけ5歳…」

みさえ「ホントななこちゃん久しぶりねぇ、よかったら上がってって

ななこ「はいおじゃまします・・」

四人は居間に行って、みさえはお茶を入れると台所へ、ななこはひまわりの相手をしている、しんのすけと逞は…

しんのすけ「…」

逞「…」

しんのすけは逞を邪見していた、逞は少し気まずそうにしている

ポコ☆

みさえ「なーに睨んでんの?まったく…(まっ、こーなるわな)」

みさえはしんのすけの心を察しほんの少し拳をしんのすけの頭に当てた

そしてななこと逞にお茶を出した

ななこ「改めて紹介します、同じ大学の臼井逞さん」

逞「初めまして臼井逞です。野原さんの話はよくななこから聞くのでお会いできて光栄です」

みさえ「あらホントに・・ウチもななこちゃんには世話になってて
そーいえば今日は急にどうしたの?」

ななこ「実は突然なんですけど…逞君と私、付き合ってるんです・・」

しんのすけ「・・…」

しんのすけはよく分からない感情に陥った、心臓にグサっと刺さるような痛みが込み上げてきた

アン・・アン・・

シロが窓をギシギシと叩いてる

みさえ「あっ・・まだシロの散歩してなかった・・しんのすけ、行ってきなさい」

しんのすけ「…」

みさえ「しんのすけ・・」

しんのすけ「ビクッ・・」

みさえ「行ってきなさい…」

やはりしんのすけの心を察したみさえはしんのすけに気を使いシロの散歩に行かせた

しんのすけ「ではオラはこれにて…」

ななこ「あら残念…しんちゃん・・」

しんのすけ「ほい…」

ななこ「またね・・」

またねと言ったななこの笑顔はしんのすけの心を強く引き締めた
そしてシロを連れて行く時に見たななこの恋人、逞に向けられてた笑顔は凄く幸せそうでしんのすけはまた心が引き締められたままシロと散歩に出かけた

そして夕方しんのすけとシロはいつもの川辺に座り込んでいた

?「おーい・・しんのすけー・・」

振り向けばひろしがいた

しんのすけ「父ちゃん…」

ひろし「こんなとこで何してんだ?」

しんのすけ「父ちゃんこそこんな早い時間に帰ってきて…リストラでもされたの?…」

ひろし「違うわ…普通に仕事が早く済んだだけだよ」

しんのすけ「ふーん…」

ひろし「どうした?なんか元気ねーじゃねーか、何があった?言ってみろ?」

しんのすけは口を開こうとするが話すことは出来なかった

ひろし「(こりゃみさえに聞いてみるか…)」

そして2人で家に帰るとななこと逞はとっくに帰っており、また来るからとしんのすけに伝えて欲しいと伝言を残していったらしい

しんのすけはなんだか次会うのは気まずい気がした

そして4人は夕食を摂りしんのすけが寝た後
ひろしはみさえに尋ねた
そしてみさえは全てを話した

ひろし「そーか…そんな事が…」

みさえ「まあ結構話進んでるみたいで今結婚も考えてるみたい」

ひろし「そりゃショックだわな〜」

みさえ「あの2人の事は祝ってあげたいけどしんのすけのショックを受けた顔はあまり見たくはないわね」

ひろし「分かるけど、それも人生だ、必要な事だろ」

みさえ「そーね」

ひろし「けどあいつはまだ5歳児だ気持ちの整理に時間がかかるだろうから
ななこちゃんの事はしんのすけの前では今は出さないでおこう」

そして数ヶ月後
今は冬、しんのすけはこの数ヶ月間ななこ達に会ってもいつものような元気の良さはなかった
それにここ数日はななこ達を遠ざけるようにカザマ達と遊んだりしている

みさえ「やっぱりまだ立ち直れないみたいね」

ひろし「あいつにとってななこちゃん特別だったからな、どんなにななこちゃん以外のお姉さんに軽く声かけてもななこちゃんだけにはそんな事出来なくていつも良い子ぶる、あいつはホントななこちゃんが好きだからな」

みさえ「まだ話すのはやめときましょうか」

ひろし「いやもう話してやろう、あいつは男だ、失恋を経験してまた強くなるだろ
あいつには俺から話すよ明日は日曜だしどっか行って」

みさえ「そう、なら男どうしで行った方が良さそうね
明日はひまとお留守番しとくわ」

〜日曜日〜

この日の深夜帯に雪が降り、朝には雪が積もっていた
そしてしんのすけを連れて近くの公園に出かけた
しんのすけはいつものようにはしゃいでいた

しんのすけ「父ちゃん見てみて〜・・雪の上で死んだフリ」

ひろし「しもやけになるぞ笑」

しんのすけ「顔がかい〜・・」

ひろし「当たり前だ・・笑」

そして一通り遊んだ後近くのコンビニへ行き温かい飲み物を買い、ベンチのにつく

ひろし「しんのすけ…」

しんのすけ「ん?」

ひろし「ななこちゃんの事なんだが」

しんのすけは顔色を変える

ひろし「お前にとってスゴく辛いのは分かる、けどな、ななこちゃんは逞君を選んだんだ
ななこちゃんの幸せを願って2人を祝ってやろう?」

しんのすけ「んない…」

ひろし「?」

しんのすけ「オラ子供だから分かんない・・父ちゃんの言ってる事なんか全然分かんないんだゾ・・」

しんのすけは泣きじゃくりながら言った
そしてその顔を見られたくなかったのかすぐに顔を隠す

ひろし「しんのすけ…泣いたっていいんだぜ?こうゆう時は」

しんのすけ「オラ男だから泣かないんだゾ・・これは全部雪だゾ・・雪が悪いんだゾ・・」

ひろしはただその姿を見守っていた

しんのすけ「グズッ…とお…ズズッ…父ぢゃん」

しんのすけは涙と鼻水をすすり

しんのすけ「オラ、ななこお姉さん達をを祝福するゾ・・何があってもするゾ・・オラが逞君ごと幸せにするゾ・・」

ひろし「よく言ったしんのすけ・・約束出来るか・・」

しんのすけ「うん・・、男同士の…」

しんのすけ&ひろし
「お約束・・」

ピルルルルッ…

ひろしの携帯が鳴るみさえからだ

ひろし「はいもしもし?」

みさえ「あなた?家にななこちゃん来てんだけどしんのすけに会いたいみたいで」

ひろし「あぁわかった」

ピッ

しんのすけ「誰?」

ひろし「母ちゃんからだ、家にななこちゃん来てるんだってさ
だから帰って来いって」

しんのすけ「うん・・ななこお姉さんに会いに帰るゾ・・」

そして2人は家に帰り体中に着いた雪を払い家に入る
そしたらななこがいた

しんのすけ「ななこお姉さん、逞君は?」

ななこ「今日は私一人よ」

しんのすけ「なんで?」

ななこ「しんちゃんとデートしようと思って」

しんのすけ「えっ?」

ひろし「えっ?みさえ、どういう…」

みさえ「まあ細かい事は気にしないで男同士でちゃんと話してきたんでしょ?
まさか…失敗した?笑」

ひろし「してねーわ笑」

しんのすけ「でも…オラ…」

みさえ&ひろし「しんのすけ・・」

しんのすけ「ほ、ほい・・」

みさえ&ひろし「行って来なさい(来い)」

ななこ「いこ?」

しんのすけ「ほい・・」

しんのすけとななこは近くのサトーココノカドーに行く
そこでななことゲームをしてアイスを食べて屋上の乗り物に乗って
家路につきながら話していた

しんのすけ「ななこお姉さん」

ななこ「ん?なーに?」

しんのすけ「オラ今日すっごく楽しかったゾ、逞君いないのにこんなに楽しい思いをして、オラなんだか逞君に悪いゾ」

ななこ「いいのよ、逞にはちゃんと言ってるから」

しんのすけ「でも」

ななこ「しんちゃん、ここ、覚えてる?」

しんのすけ「え?」

ななこ「私としんちゃんが会った場所、あの日は風が凄く吹いてたわね」

しんのすけ「うん…」

ここでしんのすけはななこと会った、あの日は風が吹いておりしんのすけの目にゴミが入ったところにななこが通りかかり目に入ったゴミを取ってくれたのだ
その時しんのすけはななこに恋に落ちる

ななこ「しんちゃんのケツだけ星人、面白かったな〜笑」

しんのすけ「それは…///」

しんのすけはななこに会おうとパーティーなどで着る服を着て一輪の花を手に道の角でななこを待っていた、だがそこで風間を見かけ脅かそうと角に隠れ足音が近づくのを待ち、ケツだけ星人をして道に飛び出すすると目の前には風間ではなく、ななこがいた、しんのすけはその瞬間嫌われたと思いその場を足早に立ち去り、次の日落ち込んだままこの道を歩いていた、すると次はななこが自分の前でケツだけ星人をしてくれた、その時2人は友達になった

ななこ「なんかつい最近の事なのにちょっと懐かしいね」

しんのすけ「そーですね」

ななこ「…」

しんのすけ「ななこお姉さん・・」

ななこ「ん?」

しんのすけ「好きです・・オラななこお姉さんが大好きです・・」

しんのすけは赤面しながら自分の胸の内を精一杯言った

しんのすけ「…」

ななこ「しんちゃん…私もしんちゃん大好きよ」

しんのすけは嬉しかったがななこの好きの意味は察することができた
少し辛いがしんのすけには涙はない逆に笑顔なくらいだ

しんのすけ「ありがとう・・ななこお姉さん・・それじゃあ家に帰るゾ・・」

ななこ「うん・・」

2人はしんのすけの家に帰る

しんのすけ「父ちゃん母ちゃんおかえり・・」

みさえ「ただいまでしょ笑」

ななこ「すみません夜遅くまで」

ひろし「いやいや気にしないでくれななこちゃん」

ひまわり「たたたとぉ」

みさえ「ふふ」

ひろし「しんのすけ今日は銭湯行くから準備しろ」

しんのすけ「うっほほーい・・銭湯だぁー・・急いで準備するゾ・・」

ななこ「私も行くからね」

しんのすけ「やったー・・」

野原一家とななこは銭湯に向かって歩くそして銭湯の前には逞がいた

しんのすけ「逞君…」

逞「今日はお招きありがとうございます、今日はよろしくねしんちゃん」

しんのすけ「う、うん」

まだしんのすけは気まずそうだ

ひろし「(まだ打ち解けられないか…まあ今まで散々避けてきたしな)」

ひろし「あ・・いっけね・・財布忘れた・・今から取りって来るわ・・」

そしたらみさえも察するように

みさえ「あたしもバスタオル忘れちゃった・・あなた一緒に行きましょ・・」

そして2人は家に戻る、そしたら

ななこ「私先入ってるね」

そう言うとななこは中に入っていった、しんのすけと逞は2人を待つことにした

しんのすけ「た、逞、君」

逞「ん?なんだい?」

しんのすけ「ななこお姉さんの事好き?」

逞「え?いや、なんで急に」

しんのすけ「ごまかしちゃダメだゾ、男なら胸張って言わなきゃダメなんだゾ・・」

逞「えっ…」

しんのすけ「そんなウジウジするならオラがななこお姉さん取っちゃうゾ・・、逞君、ななこお姉さん好き?」

逞は最初何を言うかと思っていたがしんのすけの気持ちを察しちゃんと答えようと決心する

逞「うん、大好きだよ」

しんのすけ「うん…ならいいゾ・・ななこお姉さん幸せにしなきゃオラが母ちゃん直伝のグリグリ攻撃するからね・・」

逞「うん分かった・・」

しんのすけ「約束する?」

逞「当たり前だよ」

しんのすけ「なら男同士のお約束ね・・」

逞は頷き小指を立てるが

しんのすけ「違うゾ・・、男同士のお約束はこうするんだゾ・・」

しんのすけは逞にやり方を教える
逞は少し呆然としたが、しんのすけにウジウジした姿を見せてたまるかと決心をする

しんのすけ「男同士の…」

しんのすけ&逞「お約束・・」

しんのすけ「あと今までごめんね、避けたりしちゃって」

逞「全然気にしてないよ・・」

しんのすけ「うほほーい・・逞君、優しいゾ〜・・」

するとひろしとみさえが帰ってきて銭湯に浸かる
帰りに牛乳を飲み2人と別れ帰っていった

2年後
しんのすけは小学1年生になっていた

みさえ「しんのすけ〜早く準備なさーい」

しんのすけ「ほっほーい・・」

ひろし「みさえ、ちゃんとパスポート持ったか?」

みさえ「ええ持ったわよ」

ひまわり「マーマー」

みさえ「なに?ひま?」

ひまわり「おちっこ」

みさえ「えー・・」

しんのすけ「オラが連れて行くゾ・・行こ、ひま・・」

ひまわり「おにたんといく〜」

みさえ「ありがとうしんのすけ・・」

ひろし「あいつも本当のお兄ちゃんになってきたな…」

ジャー…

しんのすけ「準備オッケーだゾ・・」

ひまわり「ゾ・・」

ひろし「んじゃななこちゃんの結婚式にサイパンへ出発おしんこー・・」

「「きゅうりのぬか漬けー・・」」

ひまわり「ぬけ〜・・」

しんのすけの入学と同時に父に婚約を許してもらい、今日はその式へ行く
そして飛行機に乗りサイパンに着く

しんのすけ「こっちは暑いゾー・・」

ひろし「明日は昼間だからもっと暑いぞー今日は夜だし明日に備えてチェックインしたらすぐに寝よう」

しんのすけ「ほっほーい・・」

しんのすけは少しうかない顔をしていた
あの時に祝福すると決めたがやはり少し嫌なようだ

そして翌日
式は始まった、ななこのウエディング姿はとても美しく、しんのすけは目を奪われる
ななこの歩く先には逞がいた、しんのすけは少し悔しかった
だがそれでも祝福すると誓ったのだからしんのすけは誓いのキスまで目を逸らさず見届けた

そして式も終わりしんのすけは夕暮れの海沿いで黄昏ていた

ひろし「しんのすけー・・」

しんのすけ「父ちゃん」

ひろし「なんだ?」

しんのすけ「オラ、ちゃんとななこお姉さんの前で笑えてたかな?」

ひろし「ああ」

しんのすけ「オラ泣かなかったよ?」

ひろし「ああ、お前は偉い…よく頑張った・・」

しんのすけ「オラ、えら…偉いん…だゾ…」

ひろし「おう…」

しんのすけはあの時と同じように泣いた、だがあの時のようなワガママな涙ではなくしっかりと事実を受け入れた上での涙だった

しんのすけ「オラ、2人ごと…幸せにするは…ずだっ…たのに涙が止まらないゾ…これじゃ…まだ祝福できてないゾ…」

ひろし「いいんだよ、2人の式は終わったんだしんのすけ…こんな時は泣いたっていいんだ…」

しんのすけ「オラ、男…だか…ら泣かないって決めたのに…こんなん…じゃ…かっこ…かっこ悪いゾ…」

ひろし「しんのすけ…泣くことはなんもかっこ悪い事じゃないんだぜ?お前はななこちゃんをずっと好きでいつづけて、その上でお前は2人の幸せを受け入れて2人に祝福したんだ、かっこ悪い?バカ言え、お前は今世界一カッコいい俺の自慢の息子だ・・」

ひろしはしんのすけを力いっぱい抱きしめた、ひろしの腕の中でしんのすけはずっと泣き続けていた

そしてしばらくしてみさえとひまわりが迎えにきた

ひろし「しんのすけ、行くぞ…」

しんのすけ「うん・・」

それから7年後
しんのすけは今中学二年生になっていた

ななこと逞は今は幸せな家庭を築き、今ではもうすぐ2歳になる子供がいる、今でも家には遊びにくる
いつもひまわりは、ななこの子供と遊んでいる

しんのすけはイガグリ坊主頭だった時とは思えないほどのイケメンになっていた
そんな周りからはとてもしんのすけはモテていた
しんのすけは変わらず年上のお姉さんが好きで先輩にも声をかけていたが
ある時一人の後輩がしんのすけに声をかけてきた

しんのすけ「オラ年下には興味ないんだけどな〜、まあ名前は?」

?「たみこです・・たみって呼んで下さい・・」

しんのすけ「たみちゃん?」

たみこ「はい・・仲良くして下さいね・・しんのすけさん・・」

しんのすけ「…///」

しんのすけの新しい恋が始まりそうだ

END

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月12日 (火) 23:05:30   ID: BJHsvx0v

最後の終わりかたがあざといでもそれがまたいい

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