蘭子「聖夜の象徴が、影に忍ぶ者だと?」みく「……うん」 (9)


蘭子「貴様の精神の海に、暗雲が……? まさか、貴様も影に……」(みくちゃん……どうかしたの? まさか、みくちゃんも忍ドルに……)

みく「違うよ。みく、これ以上属性は要らないよ。むしろ忍ドルが増える分だけ、あやめチャンのキャラが薄まっちゃうにゃあ」

蘭子「問うわ。ならば何故そのような戯言を?」(それなら、どうしていきなりそんなことを?)

みく「実は昨晩、あやめチャンとあやめ「クリスマスと言えば忍者です」みく「……うん?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418568412/)って話をしてにゃあ」

蘭子「……あー」

みく「あやめチャン本人は楽しそうだったけど、クリスマスにプレゼントをもらった経験が無いって、割とへヴィじゃないかにゃあ」

蘭子「血の盟約は為されている。されど影は、うつつを前に瞼を閉じるのね……」(あやめちゃんが気付いてないだけで、御両親はしっかりプレゼントしてるのにね…)

みく「クリスマスの朝まくら元に手裏剣が落ちてて、ニンジャがアンブッシュしてきたと思うような娘じゃどうしようも無いにゃ」

蘭子「して、猫よ。我が身に何を求める?」(それで、私はどうしたらいいの?)

みく「どうにかして、あやめチャンにちゃんとした形でクリスマスプレゼントを渡したいにゃあ、って思って」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418654801


蘭子「愚かな人の子らしい、矮小な幸福ね。群を総べる猫にしては、上々の出来よ」(素敵!さすがはみくちゃん!委員長!)

みく「委員長は止めなさい。出来れば『群を総べる猫』って表現も控えて欲しいにゃ」

蘭子「あ、ごめん……クラスメイトは猫じゃないもんね…」

みく「そういう意味じゃないんだけどにゃあ……」

蘭子「しかし、影に忍ぶ者へ送る餞か……花開く鍵とは一体……」(うーん……あやめちゃんへのプレゼントかぁ……どんな物がいいかなぁ)

みく「蘭子チャン。野暮だけど、餞(ハナムケ)は新たな旅立ちを祝って送る贈り物のことだからね。それだとあやめチャンが移籍する感じになるにゃ」

蘭子「彼の者は影……耐え忍ぶ影。ならば永劫の昔より伝わる、同胞の剣を送るべきか……」(やっぱり、忍具とかが喜んでもらえそうじゃない?)

みく「忍具はダメにゃ。それじゃ、ご両親の二の舞三の舞だよ」

蘭子「ふっ、正鵠を得ている」(そっかぁ……)

みく「こうして考えるてみると、意外と難しくってにゃあ……」

蘭子「影の選ぶ道は、全て等しく、影……」(あやめちゃん、忍者グッズ以外で喜びそうなものが見えてこないもんね……)


みく「時代劇のDVDとかも考えたけど、既に持ってる可能性が高いよね」

蘭子「加えて他人の世界を除くには、境界の淵をなぞらねばならないわ」(それに、鑑賞作品は人それぞれに拘りがあるから避けた方がいいかも)

みく「そういうものかにゃあ……」

蘭子「捧げられし血肉。牛では無く荒ぶる鮫……祭壇に祀ろわれ、無下に出来るとでも?」(仕事帰りのご飯、ハンバーグじゃ無くてお寿司だったら嫌でしょ?)

みく「あー、それは嫌だにゃ。わざとなら全力で抵抗するけど、悪意が無いと断り辛いにゃあ」

蘭子「何を想い、何を手にするか……人の子は、肯定否定の権利を持つ」(趣味指向は人それぞれだから……押し付けられるのが一番嫌だと思うなぁ)

みく「あやめチャンは自称伊賀忍だからにゃあ。八方手裏剣がプレゼントと認識できなかったのは、その辺り大きいのかも」

蘭子「高らかに宣言する真実が、優しいとは限らない……」(だからと言って、堂々と言っちゃったらクリスマスプレゼントじゃないし……)

みく「もういっそのこと、夢守ってあげるのが一番いいかも知れないにゃあ。守る夢がサンタクロース忍者説なのがいまいちやる気出ないけど」

蘭子「世界の守護……成し遂げるには先ず、影を掌握しなければ」(なにをするにしても、先ずはあやめちゃんの予定を聞かないと)

みく「ああ、そうだね。じゃあ24日は三人でお泊り会だにゃ」

――――――
――――
――


みく「……ということなんだけど。あやめチャン、24日の夜って暇かにゃ?」

あやめ「24日は、クリスマスライブの最終練習でしたか。夜であれば無論、用事はありません」

蘭子「ククク……魂が猛るわ!」(お泊り会、今から楽しみ!)

あやめ「しかし御二方、お気持ちは誠に嬉しいのですが、ライブ直前にそのような調子で良いのでしょうか?」

みく「むしろライブ直前だからだよ。決起集会みたいなものにゃ」

あやめ「成程……景気付けの、所謂『女子会』なる催しというわけですね」

みく「そういうことそういうこと。普段できないようなガールズトークを……この面子で出来るかは不安だけど……」

蘭子「魔王……影……猫………『闇夜の覆音』(ナイトメアワルツ)……ククク……」

みく「たった今、不安が確信に変わったにゃ」

あやめ「わたくし、女子会に参加するのは初めてです!」

みく「あ、うん……なんかゴメンね? 初めてがこれで」

あやめ「とんでもありません!わたくし、感激しています!」

みく「………あやめチャン」

あやめ「わたくしの忍術、前川殿の動物的直感、蘭子殿の魔力が合わされば、必ずやクリスマスを忍者一色に染め上げられることでしょう!」

みく「だからダメって言ってるにゃ」



おしまい

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom