P「765プロ超能力FILE」【FILE-4】 (55)

P「765プロ超能力FILE」第二話です。
(FILE-4の表記は間違いではありません)

前スレ
P「765プロ超能力FILE」【FILE-1】
P「765プロ超能力FILE」【FILE-1】 - SSまとめ速報
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P「おはようございまーす」

バンッ!!!

P「ッ!!」ビクッ

真「そんな事を言ったのはどこのどいつだ!!僕がこらしめてやる!!」

雪歩「ぐす……真ちゃん、わ、私は大丈夫だから……」

真「いや、そいつは絶対に許せないよ!!」

P「おいおいどうした。朝から何があったんだ?」

真「あ、プロデューサー。ちょっと聞いてくださいよ!!」

P「お、おう。まぁまずは座って話そう」

真「分かりました!!座ります!!じゃあ話しますね!!」

P(朝から元気だなぁ……)

真「えっと、昨日の夜に──」

雪歩「ううん、大丈夫だよ。真ちゃん。私が自分で話すから……」

真「雪歩……」

P「雪歩の問題なんだな。ゆっくりでいいから、話してくれるか?」

雪歩「はい……」

雪歩「昨日の夜の事でした。私が仕事を終えて家に帰っている時、何か誰かの目線を感じたような気がして、はっと振り返ったんです」

雪歩「すると、私の後ろの方に、カメラを構えた男の人がいたんです」

雪歩「振り返ったことで開き直ったのか、その男の人はパシャパシャと写真を撮り始めて……」

雪歩「私は怖くなって、『勝手に撮るのは困ります』って言って走って逃げたんです」

雪歩「そしたら、その男の人も走ってきて、あっという間に追いつかれて……」

雪歩「がっ、と腕を掴まれました……」ブルブル

雪歩「そしたら、そしたら、その男の人が……」ガタガタ

真「雪歩、もういいよ。後は僕が話すから……」

真「その人は雪歩を掴んだまま、こう言っていたそうです」

『全く……男嫌いなアイドルのスクープでも撮ろうと思って張り込んでたが、お前ほんとに何にもねーのかよ?』

『大体、男嫌いってのもキャラなんだろ?本当はお前男が大好きなんじゃないのか?』

『くくっ、こんな状態なのに声一つ挙げないなんてな。本当はこうやって乱暴されるのも嫌いじゃないんじゃないか?』

『せっかくだしちょっとくらい手を出してやろうか?』

真「男が雪歩の顔を掴もうとした時に、たまたま家の周りを見まわりしてた雪歩の家の人が通りかかったらしくて、
  それで男は逃げたらしいんですけど……」

雪歩「わ、わたし…本当に怖くて怖くて……」グスッ

真「絶対に許せない!!雪歩をこんなに怖がらせるなんて……!!」

P「写真やスクープって言うくらいだからメディア関係の人間だろうな……」

P「雪歩、なんでもいいから、その男の特徴は分かるか?」

雪歩「ニット帽やマスクをしてたので顔はあまり……」

P「雑誌社に問い合わせてもいいんだが、フリーライターの可能性もあるしな……男を捕まえるのは、難しいかもしれんな」

P「とりあえず、今後雪歩は基本的に一人では出歩かないように出来るか?」

雪歩「は、はい。今日から、事務所への行き来はお父さんやお弟子さんが送り迎えしてくれるそうです」

真「プロデューサー!!それ以外の時間は僕が雪歩を守ります!!」

P「……確かに、今月は二人で出てる番組が多いおかげか、レッスンの日程も合ってるな」

P「真だけじゃなく、他のみんなにも頼んで、雪歩が一人で移動することは絶対にないようにする」

P「当然、他のみんなも一人での移動は極力ないようにスケジュールを組むよ」


雪歩「すみません、私なんかのせいで……」

真「雪歩は何も悪くないじゃないか!!悪いのはその男!!もし僕が見つけたら絶対にこらしめてやる!!」

P「真、気持ちは分かるが、絶対に手を出すな。それこそ相手の思うつぼだぞ」

真「プロデューサー!!プロデューサーは悔しくないんですか!?」

P「誰よりも悔しいし申し訳ないと思ってる。そいつの正体が分かり次第俺が社会的にも抹殺してやる」

雪歩「ぷ、プロデューサー……」

P「安心しろ。抹殺って言ったら怖い響きだけど、きちんと大人の対応をするってことだからな」

真「プロデューサーだけじゃない!!僕もみんなも雪歩を守るから、安心して!!」

雪歩「プロデューサー……真ちゃん……本当にありがとう……」グスッ


────
──…
─…


P「ってことで、全員基本的に一人で出歩いたりしないように」

P「特に夜は絶対に一人で歩いて帰ったりするな。俺か律子が手が空いている限りは送るが、どうしても無理なときはタクシーを使って、とにかく歩く道のりを減らすんだ」

貴音「承知しました、あなた様」

あずさ「あらあら……」

伊織「やよいは私が送ってあげるからね」

やよい「うっうー!!でも、伊織ちゃん最近はオーディションに向けて頑張ってるから、邪魔はしたくないかなーって!!」

伊織「うっ……」

千早「あら、それなら高槻さんは私が毎晩送ってあげるわね」

響「なら自分も一緒に帰るぞ!!そんな変態記者も自分なら追い払えるはずだからな!!」

春香(いざとなったらリボン外せばいっか。あははは)


──夜、事務所

律子「……」カタカタ

P「戻りましたーっと、律子まだいたのか。お疲れ様」ガチャ

律子「お疲れ様ですプロデューサー。こんな時間まで送り迎えは大変ですね……」

P「なに、俺の担当アイドルのことだからな。それより律子も頑張ってるじゃないか」

律子「三週間後のオーディションは絶対に合格したいですからね」

P「伊織のテレビドラマ主演のオーディションか……今まで主演レベルのチャンスは無かったからな」

律子「油断してるわけじゃないですが、今回は行けますよ。何より伊織自身のやる気が半端じゃないですし」

P「あいつは自分で自分を追い込める人間だからな。だが、無理だけはさせないように頼むぞ」

P「それと、お前自身も無理しないようにな」

律子「大丈夫ですよ。さて、もう一仕事頑張りましょう!!」

──三日後、朝

P「おはようございまーす」

小鳥「おはようございます、プロデューサーさん」

P「あれ、まだ真美と亜美は到着してないですか?」

小鳥「そうですね……あ、今日は二人は朝からの収録でしたね」

P「あいつら寝起きだけはかなりいいですからね。何気に遅刻はほとんどないですし」

小鳥「たまに悪戯しちゃってて集合時間に遅れてくることはありますけどね」クス

P「うーん、とりあえずもう少し待ってみます」

小鳥「そういえばプロデューサーさん、彼女さんとは上手くいっているんですか?」

P「え?俺に彼女なんていませんよ?」

小鳥「ぴよっ!?この間はプロデューサーさんそれらしきこと言ってたじゃないですか!!」

P「そんな事俺言いましたっけ…?今の俺には彼女を作る余裕も、そんな気も、そんな相手もいませんよー」

小鳥「そうなんですかぁ〜。いやはや、良かったです」

P「え?」

小鳥「プロデューサーさんが彼女いると思っていたものですから、アイドル達との交流に影響が出ないか不安だったんですよ」

P「ははっ、仮に俺に彼女が出来たところで誰にも影響ないでしょう」

小鳥「またこの人はそんなこと言って……。まぁ、でも最近のプロデューサーさん見ていて、交流に影響がないことは分かってたんですけどね」

P「俺はいつも通りですよ」

小鳥「まぁそうかも知れないですね。でも少し前から、春香ちゃんと響ちゃん、そしてついこの間から、貴音ちゃんは今まで以上によく仲良くなってる気がしますけど?」

P「」ギクッ

小鳥「たまにその娘たちとこっそり話してる姿も見ますし……」

P「い、いやあ。最近あいつらが懐いてくるんで、その相手してるだけですよ」

小鳥「だから、彼女がいるなら影響が出ないか不安だったんですよ。どうやら杞憂だったみたいですけど」

P「そうですよ。……っと、そろそろ真美たちに連絡してみます」

P「双海真美…っと」ピッ

P「……おう、真美か?そろそろ事務所を出たい時間なんだが──」

P「はぁ!?今起きた!?」

P「目覚まし時計が壊れてたって……!!」

P「とにかく亜美も起こしてすぐに準備しとけ!!俺は今からお前の家に迎えに行くから!!」

P「慌てなくてもいいから、準備はしっかりな!!それじゃあまた後で!!」ピッ

小鳥「珍しく悪戯関係なしの寝坊みたいでしたね」

P「まだ間に合いそうなうちに電話してみて良かったです。それじゃ、ちょっと出てきますね」

小鳥「はい、気を付けて下さいねー」

────
──…
─…

──それから三日後、夜

P「それじゃあお疲れ様でした、あずささん」

あずさ「はい〜、送って頂いてありがとうございました」

P「いえいえ。ではこれから雪歩たちを迎えに行くので……」

あずさ「お疲れ様でした〜」



P「さて、残るは雪歩と真の二人か。二人はレッスンだったな」ピッ

P「お、雪歩か?今からレッスン場に向かうから、15分くらいで着くと思う」

P「はは、楽しい話は車の中で聞くとするよ。それじゃ待っててくれー」ピッ


P(あの事件から一週間弱。雪歩も大分笑顔が戻ってきたな)

P「さてさて、出発しますか」

────
──…
─…



P「……と、レッスン場が見えてきたな」

P「雪歩と真……いたいた」

P「遅くなってすま──」

真「プロデューサー!!!!!!!!!!」

P「うおっ、どうした真。出会い頭に大きな声で……」

真「また、雪歩を狙った男が現れたんです!!」

P「なんだって!?お前たちは大丈夫か!?」

雪歩「私は大丈夫です。でも、真ちゃんが……」
真「僕は大丈夫です!!でも、雪歩が……!!」

P「とりあえず車に乗れ。事務所に向かうが時間は大丈夫か?」

──夜、事務所

P「それじゃ、話してくれるか?」

真「プロデューサーから電話が着て、僕たちはレッスン場の前で待っておくことにしたんです」

真「レッスン場で待ってても良かったんですけど、迎えに来てくれるプロデューサーのために缶コーヒーを買うために外に出たんでそのまま……」

P「……」

真「レッスン場の前で二人で話してたら、カメラを持った男が近づいてきて……」

真「雪歩が震えているのを見て、例の男だってのは分かりました」

真「『雪歩を付け回しているのはお前だな!!』って叫んだところで、男は言いました」

『俺は別に誰だっていいんだぜ?スクープ的な行動をしてくれるやつなら、誰だって』

『そうだなぁ、菊地真。なんならお前でもいいぜ』

『試しに俺を殴ってみろよ。ほら、ムカつくんだろ?』

P「……まさかと思うが、殴ったわけじゃないよな?」

真「もちろんです!!それをしたら相手の思うつぼって分かっていたので……」

真「僕が何も言えないでいたら、男はどんどん近づいてきたんです」

『ほら、殴れよ?』

雪歩「真ちゃんが震えているのが分かって、私もどんどん怖くなってきちゃって……」

真「悔しかったんです。それに、どうしたらいいかも分からなかった」

P「……それから、どうなったんだ?」

真「……」

雪歩「……急に」

雪歩「急に、男の人は後ろに向き直って、走りだしたんです」

雪歩「私達にほんと数歩のところまで近づいてきて、急に逃げ出したんです」

P「……男が、逃げた?」

真「プロデューサーが来てくれたのかと思いましたが、プロデューサーはそれから5分後くらいに来たし」

真「なんで逃げたのかは、分かりませんでした」

雪歩「ごめんね、真ちゃん、怖い思いさせて……」

真「いいよ雪歩。それより、僕がついていたのに、雪歩まで怖い思いさせてしまって……」

P「何より、二人が無事だったのが本当に良かった」

P「……今回のことは、ストーカー被害として警察にも届けておく」

P「遅くまで残らせてしまってすまん……お前たち、明日は休みにも出来るが……」

真「僕は絶対に休みません!!こんなことで休んだら負けたみたいだ!!」

雪歩「私も……私も休みません!!」

P「……了解した。ただ、来る時は絶対に親御さんかタクシーで来ること」

P「他のアイドル達にも伝えておくよ。とりあえず、今日は帰ろう。送るぞ」
────
──…
─…

──翌日、朝

雪歩「おはようございますぅ」

P「おう、おはよう。ちゃんとタクシーで来たか?」

雪歩「はい。お父さんからも心配してくれてて、家の周りは特に警戒を強めてくれるそうです」

P「それは良かった。今律子に頼んで警察に話をしに行ってもらってる」

雪歩「わざわざ私のためにすみません……」

P「お前のせいでじゃないだろ。それに、これ以上は誰に被害が出るかも分からないからな。こういうのは警察に頼むのが一番良い」

律子「ただ今戻りました」ガチャ

P「お、噂をすればだな。お疲れ様」

雪歩「あ、ありがとうございました!!」

律子「あー……えっと。プロデューサー殿」

律子「例の犯人ですが……」

律子「昨日の深夜の時点で、自首し、既に逮捕されているそうです……」

P「昨日の深夜の時点だと……?」

律子「はい。雪歩や真の証言と一致する事実を述べ、自ら出頭してきたようです」

律子「他にも盗撮や違法行為を色々行っていたようで、それも全て認めているそうです……」

P「そ、そうか……とりあえず、良かったな、雪歩」

雪歩「はい!!逮捕されて良かったですぅ!!」ピョンピョン

P「!?」

雪歩「すっごく嬉しいですぅ!!」ピョンピョン

P「……ま、まぁ不安が無くなってくれたのは何よりだ」

律子「そうですね」

雪歩「それじゃあ真ちゃんとのレッスンに行ってきますね!!」ガチャ

P「……どう思う?律子」

律子「あんなはしゃぎ方をする雪歩は初めて見ましたね……」

P「それも、誰かが逮捕されて喜ぶっていうのは……なんとなく、おかしい気が……」

律子「それだけ雪歩にとっては事件だったのかも知れないですね」

P「そうだな……今後の仕事にも影響出ないように、しっかり心のケアはしていこう」

律子「はい。プロデューサーさんには話せないようなこともあるでしょうから、私や他のアイドルにも頼んでみますね」

P「すまんな。よろしく頼むよ」

律子「それじゃ、私も行ってきますね」

P「ああ、いってらっしゃい」

────
──…
─…

──一週間後、朝、事務所

P「おはようございまーす」

雪歩「おはようございますぅ!!プロデューサー♪」

P「おう、おはよう」

律子「おはようございます」

雪歩「あ!!もうこんな時間だ!!それじゃあレッスン行ってきますね!!」

P「おー。ちゃんんとタクシー使っていけよー」

雪歩「はい♪」ガチャ

P「……あれから一週間たったが、雪歩はやけに元気だな」

律子「そうですね。特に元気、という以外はいつも通り仕事もきちんとやってくれてますよ」

P「律子はよく雪歩と話したりするのか?」

律子「最近はなかなか時間が合わなくて……。レッスンでよく時間が被る、真と伊織の二人がよく話をしているようですが……」

P「真と伊織、か。分かった。俺も時間がある時にその三人にアプローチしてみるよ」

律子「伊織は二週間後のオーディションに向けて少しナーバスになってるんですが……そこは私の方でケアしてみます」

P「ああ、すまん」

小鳥「そういえばなんですが……」

小鳥「最近、千早ちゃんの様子も少しおかしい気がします」

P「千早ですか?」

律子「最近、ようやく周りの子たちと打ち解けて、笑顔も増えたと思ってますが……」

小鳥「そうなんです。そうなんですが……」

小鳥「何かを探すようにやけにキョロキョロしていたり、どことなく春香ちゃん達を避けてたりする気が……」

P「初めてこんなに打ち解けて、大切な友達が出来て、少し焦っているのかも知れません……」

P「分かりました。とにかく千早とも出来るだけ時間を作って話をしてみようと思います」

伊織「……おはよう」ガチャ

P「お、おはよう伊織」

伊織「ああ、あんたもいたのね」

律子「どうしたの、伊織。全然元気がないじゃない」

伊織「……なんでもないわよ」

律子「そんなんじゃ、来週のオーディション受からないわよ。絶対主演取るんだ、って意気込んでたじゃない」

伊織「主演……」ビクッ

P「……」

伊織「そう…そうよね!!この伊織ちゃんとしたことが、ちょっと元気がなかったみたい!!」

伊織「さぁ律子!!早くレッスン場に行くわよ!!絶対に主演をもぎ取ってやるんだから!!にひひっ!!」

律子「そっちの笑顔の方が伊織らしいわよ」ニコッ

律子「でも、もし体調が悪いんだったら、今日は無理しなくていいわ。
   一週間前に風邪引いたりしたら、そっちの方が大事なんだから」

伊織「大丈夫よ!!私としたことがガラにも無く疲れてたみたい!!」

律子「……そうね!!それじゃ、早速レッスン場に行きましょう」

伊織「にひひっ!!もし私が主演とったら、あんたも大忙しなんだから、覚悟しときなさいよね!!」

P「ははっ、楽しみにして待っとくよ。律子も言っていたが、無理はしないようにな」

律子「それじゃ、行ってきますね」

P「おお、いってらっしゃい」

────
──…
─…

──伊織のオーディション当日、昼、事務所

P「お疲れ様です。外回りから帰ってきました」ガチャ

小鳥「あ、プロデューサーさん……」

P「どうしました?小鳥さん?」

小鳥「それが……えっと、あの……」

雪歩「あ、プロデューサー♪おかえりなさーい♪」ニコニコ

P「お、雪歩……えらく楽しそうだな」

雪歩「うふふ、そう見えますかぁ?そうなんですよぉ、すっごく楽しい気分なんですぅ♪」

P「どうした?何かいい事でもあったのか?」

雪歩「え?いや、何もないですよぉ。うふふっ♪」ニコニコ

P「そ、そっか……」

小鳥「えっと……プロデューサーさん」ヒソヒソ

小鳥「実は……朝から雪歩ちゃんがずっとこんな感じで……」

小鳥「一人にしておくのは少し不安なので、今日はスケジュールを変更して誰かを付けてあげれないでしょうか?」

P「えっと……あ、春香と真なら予定を変えられそうです。三人を同じレッスンにしましょう」

P「俺もその時間なら空いているので、着いて行くことが出来ます──」

Prrrrr, Prrrrr

P「すみません……お、律子から?」ピッ

P「どうした?そろそろオーディションの開始時間じゃなかったか?」

P「……どうした?落ち着け」

P「伊織が……?お前は大丈夫なのか?」

P「……分かった。今すぐ伊織のトコに向うよ」ピッ

小鳥「律子さん、どうしたんですか?」

P「伊織が……オーディションに出たくないと。今から行ってきます」

小鳥「!!分かりました。春香ちゃんと真ちゃんには私から伝えておきます。プロデューサーさんは急いで伊織ちゃんの元へ向かってください」

────
──…
─…


──夕方、レッスン場

春香「ふぅー。ちょっと休憩しよっか」

真「そうだね。それにしても急に予定変更だなんてびっくりしたよ」

雪歩「うふふっ♪私は真ちゃんと一緒にいれて幸せだよ♪」

真「急なスケジュール変更のせいで、プロデューサーもレッスンの先生もいないから自主練習だなんてさ……。
  まぁ好きにダンスの練習出来たから良かったけど」

雪歩「真ちゃんは本当にダンスが好きなんだね?うふふっ♪」

真「……今日の雪歩、どうしちゃったんだろう?」ヒソヒソ

春香「さぁ……?なんか浮かれているというか、ずっと喜んでると言うか……」ヒソヒソ

雪歩「うふふっ♪」ケラケラ

真「……雪歩、今日はやけに楽しそうだね」

雪歩「楽しいよー?真ちゃんは楽しくないの?」ケラケラ

真「僕は普通かなぁ。雪歩はなんがそんなに楽しいんだい?」

雪歩「なんでもないよ♪ただただ楽しいの♪真ちゃんも楽しくしてあげようか?」ケラケラ

真「……いいよ、じゃあ楽しくしてみてよ」

雪歩「うーん、じゃあ少しだけだよ♪『はい』っ♪」ケラケラ

真「───ッ」ビクッ

春香「……??」

雪歩「……ふぅ。ずっと楽しいってのも疲れるんだね、春香ちゃん」

春香「え──」

真「はははは!!!!なんだこれ!!!すっごく楽しいや!!!」ケラケラ

春香「───!!??」

真「ははははは!!!楽しい!!楽しい!!!」ケラケラ

春香「ちょっと、真……!!雪歩、一体何をしたの!?」

雪歩「私は真ちゃんを楽しくしてあげただけだよ」

春香「楽しくって……!!これは明らかに異常だよ!!」

雪歩「何?春香ちゃんも楽しくして欲しいの?」ギロ

春香「──ッ!!真を元に戻してよ!!」

雪歩「……まぁ、私も今は何にも楽しくないからね。そろそろ返してもらおうっと」

雪歩「『はい』真ちゃん。返してもらうね」

真「あはは……あ、あれ?」

春香「真!?大丈夫!?」

真「え、えっと……う、うん。大丈夫」

雪歩「うふふっ♪真ちゃん楽しかったぁ?」ケラケラ

真「今のは……何だったんだろう……」

雪歩「私が持ってる楽しさを『移植』してあげただけだよ♪楽しかったでしょ?」ケラケラ

雪歩「楽しさだけになるように、その時の真ちゃんの感情は私に『移植』してたから、私はちょっと怒ってたんだけどね♪」ケラケラ

春香「移植って……まさか───超能力!?」

雪歩「あー、楽しい楽しい♪」ケラケラ

真「超能力……!?雪歩、しっかりしろよ!!」ガシッ

雪歩「真ちゃん離してよ〜♪」ケラケラ

真「雪歩!!超能力ってなんだよ!!いつもの雪歩に戻ってよ!!」

雪歩「あー、もううるさいなぁ♪『はい』」

真「──ッッ!!………あー、なんでこんなに心配してたんだろ……」

春香「真!?」

真「心配なんていらないじゃん……っていうか全部面倒臭い。帰るね」トコトコ

春香「ちょっと待ってよ!!雪歩、何をしたの!?」

雪歩「真ちゃんの感情……『心配』と『やる気』を貰っちゃいましたぁ!!」ケラケラ

雪歩「ついでに私の『後悔』の感情はプレゼントしちゃいました!!」ケラケラ

雪歩「でもこのまま、『心配』を私が持っておくのは不安だなぁ!!」ケラケラ

雪歩「よしっ!!善は急げですぅ!!春香ちゃんに移植しますぅ!!」ケラケラ

春香「〜〜ッ!!」

春香(リボンを……!!いや、間に合わないッ!!なら──!!)

雪歩「『はい』どうぞ、春香ちゃん♪たくさん心配してね♪」ケラケラ

雪歩「──あれ、なんで春香ちゃんには……?」

ガチャ

P「おっす、お疲れ様ー」

春香「!!プロデューサーさん!!」

真「プロデューサー……そこどいて下さいよ。僕帰るんですからぁ」

春香「プロデューサーさん!!雪歩が、雪歩が超能力を!!」

P「!?三人とも大丈夫か!?」

春香「私は大丈夫です!!だけど、真と雪歩が……」

P「春香、雪歩の超能力はどんなものか分かるか!?」

春香「たぶん、『感情を移植する超能力』だと思います……今の真は、やる気や心配といった感情が雪歩に取られています!!」

P「ッ!!雪歩──!!」
雪歩「『はい』プロデューサー♪頂きます♪」

P「──ッ」

春香「!!!プロデューサーさん!?」

P「……雪歩が心配だけどなぁ……俺なんかじゃどうしようも出来ないし……」ウジウジ

雪歩「プロデューサーさんさんの『自信』頂きましたぁ♪これずっと欲しかったんですぅ!!」ケラケラ

春香「そんな、プロデューサーさんまで……!!」

春香「プロデューサーさん!!しっかりして下さい!!」

春香「私を…私達を、守ってくれるって約束してくれたじゃないですか!!」

春香「今ここを止めれるのは、プロデューサーさんしかいないんですよ!!!」

P「春香……」

春香「今のプロデューサーさんには自信がないかもしれない……でも!!約束してくれたじゃないですか!!」

雪歩「あっつあっつですぅ♪」ケラケラ

P「……」

P「……すまん、春香。どうかしてたみたいだ……」

P「自信なんて、最初から無かった……」

P「それでも、俺は、約束したもんな」

P「お前たちは、俺が守ってやるって!!」

春香「!!」パァッ

P「雪歩、いまから───」




P『特別レ───」



雪歩「『はい』♪」



P「────ッッ!!!」ビクッ

P「………」

雪歩「何かされそうな気がしたんで、とりあえず全部頂いておきますね」

春香「え……ぷ、プロデューサーさん……!!??」

雪歩「あー駄目駄目。何を話しかけても無駄なんじゃないの?今のプロデューサーは感情が『一つも』残ってないし」

春香「『一つも』って……!!そんな!!」

P「………」ボーッ

雪歩「これは初めてだったから不安だったけど……こんな廃人になっちゃうんだ……」

雪歩「……って……!!こんな心配とか良心とか、いらない!!!!!」

雪歩「こんな感情貰ったって、なんの得にも……!!」

雪歩「……あ、もう一人器になってくれる人がいた♪」

春香「……!!」

雪歩「春香ちゃん、さっきは上手く行かなかったみたいだけど……次は覚悟してね♪」

雪歩「『はい』春香ちゃん。『心配』とかそういういらない感情、あげるね♪」

雪歩「……!!?」

雪歩「なんで!?どうして!?」

春香「……雪歩」

雪歩「ち、近づかないで!!『心配』『不安』『恐怖』『後悔』!!ほら『はい!!』」

春香「……大丈夫だから。私は、何にもしないから、ね」

雪歩「なんで移植が出来ないんですかぁ!!なんで!!なんで!!??」

春香「雪歩……」ギュッ

雪歩「あ……!!離して……!!私には、もう、『喜び』以外の感情はいらないんですぅ……!!」

春香「……ううん、そんなの、嘘だよね」

雪歩「嘘なんかじゃ──」

春香「──さっき、真の『やる気』『心配』をとった時、雪歩は『後悔』を真に移植してた……」

春香「雪歩はこの能力を使う度に、後悔してたんじゃないの?」

雪歩「───ッッ!!」

春香「たとえ色んな感情を手に入れても、性格までは変えることは出来ない……」

春香「雪歩は、きっと何かの間違いで、黒い感情を手に入れちゃったのかもしれないけど……」

春香「人に何かをする時、相手のことをきちんと考えてあげれてるから、後悔が生まれてる……」

春香「雪歩は雪歩。他人思いで優しくて、とってもいい子な、萩原雪歩なんだよ」ギュゥ

雪歩「……うぁ……」

雪歩「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」

────
──…
─…

P「……よしっ、これで大丈夫だ」

雪歩「あの……これで本当に、私はもう能力を使えないんですか?」

P「使えない訳じゃない。コントロールして、自由に使えるようにするのが俺の超能力だからな」

春香「でも、雪歩は大分コントロールして使ってましたよね?また何か起きるんじゃ……」

P「いや、きっと一度だけ意図せずに能力が暴走したことがあるんだよ」

P「その時に恐らく、強烈な『悪意』を雪歩は自分のものにしてしまったんだろう」

P(恐らく、二回目に記者に会った時だ)

P(その時、雪歩は『悪意』を奪い、代わりに雪歩が感じていた『恐怖』を押し付けたんだろう)

P「悪意さえなければ、あとは雪歩の意思で、この能力自体は封印出来るだろうしな」

雪歩「あの……本当に、本当にすみませんでした……」

P「謝ることじゃない……といいたいところだが、今回はきっと巻き込まれた人間がたくさんいるはずだ」

P「最後に、今までに移植した感情を、全て元の人に戻すことは出来るか?」

雪歩「私の中で消えてしまったり、他の人の中で消えてしまった感情は無理ですけど……それ以外なら」

P「感情っていうのはあくまで一時的なものだからな……でも、自信や心配は、戻せるだろう?」

雪歩「はい……!!」

P「今の雪歩なら、『戻す』だけならここからでも簡単に出来るはずだ。頼む」

雪歩「はい!!えっと……」

雪歩「『はい』……たぶん、出来ました」

P「……俺はさっき雪歩に全部の感情を返してもらってたから分からないが……」

雪歩「……その、失敗しちゃったんでしょうか……?」

ドタドタドタ

ガチャ

真「雪歩!!!!!!!!」ダキッ

雪歩「きゃっ!!」

真「雪歩!?大丈夫!?さっきはあんなこと言ってごめんよ!!」

真「なんで僕は雪歩を置いたりして帰ったんだ……!!」

真「本当にごめん!!そして、何か不安があるなら話して!!僕はあんなケラケラした笑い方じゃなくて、いつもの雪歩が好きなんだよ!!」

雪歩「まこと……ちゃん……」グスッ

雪歩「ごめん……ごめんね……うわぁぁぁぁぁん……」

真「え……ど、どうしたんだい……」

P「真、今日は雪歩を送ってやってくれないか?もちろんタクシーでな」

真「は、はい…!!ほら、雪歩、行こう?」

雪歩「まごどぢぁぁぁん……」

真「はいはい……それじゃプロデューサー、お先に失礼します……」

ガチャ

P「……すまないな春香、今回は何もしてやれなくて」

春香「そんな……最後はビシッとプロデューサーさんが『プロデュース』してくれたじゃないですか」

P「いや……。雪歩に完全にやられてたよ。ふと気づいたら、泣いている雪歩と肩を抱くお前がいて、急に感情が戻ったんだもんな」

P「それにしてもどうやって、あの雪歩の超能力を乗り越えれたんだ?」

春香「乗り越えた……ってほどじゃないですけど」

春香「今回は私、超能力を『リボンを付けたまま』使ってみたんです」

春香「『リボンを外したら誰だか分からなくなる』……プロデューサーさんのおかげで、かなり思い通りに使えるようになったので」

春香「今回は、その能力を正反対……つまり、『リボンを付けていると、天海春香を絶対的に認識出来る』ようにしたんです」

P「なるほど……。それで、雪歩は『天海春香』を絶対的に認識していたせいで、『天海春香』じゃなくなるような感情の移植は無意識に出来なかった……という感じか」

春香「正直その時はそこまで考えてなかったし、成功するかは分からなかったんですけど……上手くいったみたいで、良かったです」

P「いや、それにしても、今日はすげー疲れたよ……」

春香「そういえば今日、昼から急にスケジュール変更してましたよね?どうしたんですか?」

P「いやなに、ちょっとした用事でさ……」

P「あ!!」

春香「ヴァイ!!どうしたんですか急に!!」

P「いや、なるほどなーって思ってさ」

P「あー、なるほどなるほど。こういう仕組みかー」ゲラゲラ

春香「もー!!なんですか!!教えて下さい!!」

P「あぁ、きっちり解決したら、今度教えてやるよ」ゲラゲラ

春香「解決……ってことは他にも事件が!?」

P「まぁそんなところだ。もうほぼ解決したようなもんだがな」

Prrrr, Prrrr

P「お、律子か」ピッ

P「おう、そっちは……お、本当か!?」

P「それは良かったな!!伊織にも直接言っておくよ!!」

P「おう、それじゃ、また明日な」ピッ

P「伊織が主演オーディションに合格してそうだ。明日はお祝いだな」

春香「本当ですか!?ワッホイ!!それじゃ、スケジュールの変更って伊織関係だったんですか?」

P「ま、そんなとこだ。今日はめちゃくちゃ疲れたけどな……っと」

P「それじゃ、最後にもう一仕事残ってるからな。春香はタクシーで帰れるか?」

春香「事件が解決したら、ちゃんと教えて下さいよ!!」

P「へいへい、それじゃ、帰りますか」

春香「適当に返事をしなーーーい!!!」

これで本編は終了です。
以降二レスほどおまけが続きます。

! FILE No.4 !

『感情移植』 - 萩原雪歩

他人の感情を自分に、もしくは自分の感情を他人に移植することが出来る能力。
感情は『喜び』『悲しみ』を始めとして、雪歩が『感情』として認識しているものは全て移植することが出来る。
しかしあくまでも移植出来るのは『感情』の類であり、『行動理念』等を変えることは出来ない。
(雪歩が『心配』を誰かに移植したとしても、移植された人間が同じことを『心配』をするとは限らない)
発動条件は、対象の近くで『はい』と相手に向けて言うこと。
そのため、ほぼタイムレスで能力を発動することが出来る。
また、自分を媒体としてしか感情は移植出来ないため、誰かの感情を別の誰かに移すには一度自分を通さなければならない。

『プロデュース』以前から能力はほぼ完璧に使いこなすことができていたが、能力開花の時点で一度暴走している。
その時点で雪歩はまだ能力の開花に気づいていないが、日を追うごとに能力について理解していく。
『プロデュース』後は、『元に戻す』ことに関しては、対象との距離の問題はほとんど無くなった。

犯人が出頭したのは雪歩が悪意を抜いたからなの?

! ANOTHER FILE HINT !

律子「……」

小鳥「おはようございます!!あれ、律子さん早いですね」

小鳥「あ!!今日は伊織ちゃんのオーディションの日ですもんね!!」

小鳥「さすが律子さん、気合バッチリだなぁ!!」

律子「……小鳥さん、今日は何月何日ですか?」

小鳥「え、そりゃあ伊織ちゃんのオーディションの日だから……」ピヨピヨ

律子「……分かりました!!ありがとうございます!!」

小鳥「ぴよっ!?ど、どういたしまして……」

律子「……」

律子「おかしいのは百も承知だけど……」

律子「やるしかない!!」

小鳥「ぴよぉ……?」

悪意が抜けた上に恐怖を押し付けられて、自分のしでかした事に恐怖を覚えて自首じゃね?

P「765プロ超能力FILE」【FILE-4】
終了です。ありがとうございました。
今後もP「765プロ超能力FILE」は続く予定なので、よろしくお願いします。
次回はFILE-3を投下予定です。

HTML化依頼出してきます

>>47,51
作品内の出来事や事件の解決は出来る限り作品内で解説しようと考えていたので、あえて答えないようにしていました。
力不足で申し訳ありません。

(以下少しですが本編ネタバレ含みます)
>>49で言われている通りですが、
雪歩が二度目に会った際に、記者の「悪意」を抜き、「恐怖」を押しつけたのが原因です。
『このままこいつら(真、雪歩)に捕まえられたらどうしよう』『この間の怖そうな人たち(雪歩の家のお弟子さん達)が潜んでいたらどうしよう』
という恐怖心からその場を逃げ出し、逃げ出した後も
『捕まったらどうしよう』『警察に捕まらないにしても、怖そうな人たち(雪歩の家のお弟子さん達)にボコボコにされたらどうしよう』
といった恐怖心から、そのまま警察に出頭しています。


もしまとめサイトさんがまとめる場合、このレスは載せないで頂けると幸いです。
また、HTML化依頼以降の私の書き込みも申し訳ありません。
次回も機会があればよろしくお願いします。

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