絵里「犯人はあなたね?」 (28)


穂乃果「……希ちゃん?希ちゃんっ!!」

希「」

穂乃果「そんな…誰がこんなこと…」

???「……」ザッザッ

穂乃果「…っ!だ、だれ!?」バッ

穂乃果「…嘘…だよね?そんな…」

穂乃果「いやっ!来ないで!」

穂乃果「いやああああああああああああああ!」バタッ






ことり「どうして……あなたが…」


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海未「そんな…ほのか…ほのかあああああ」グスッ

真姫「ことり…どうして……」

にこ「………希いいいい」ワアアン




絵里(昨日、私たちスクールアイドルμ’sのメンバーである穂乃果、ことり、希の3人が死体で発見された)

絵里(3人とも何者かに刃物で刺されて出血死)

絵里(死亡時刻は3人ともほぼ同時刻と推定された)

絵里(当然警察は、事件として犯人探しを行った)

絵里(が、その調査はすぐに打ち切られてしまった)



花陽「どうして……ことりちゃんはこんなこと……」


絵里(死体として見つかったことりの手には凶器であろう包丁が握られていた)

絵里(包丁に付着していた血液も3人のものと一致)

絵里(…さらに死体のそばにはこんなメッセージが)


売り子 巫女 ことりは消えます


絵里(筆跡鑑定の結果、ことりが書いたものと判明)

絵里(これらから警察は、ことりが2人を殺した後、自分も後を追って自殺したと断定)

絵里(こうして捜査はすぐに打ち切られてしまった)


にこ「なんで!なんでよ!」

にこ「なんでことりはこんなこと!」

にこ「私……ことりを許さない…」

真姫「にこちゃん落ち着いて。死んだ人のことを悪く言うのは良くない」

にこ「でもっ!」

海未「にこ!」

海未「…気持ちは分かります。私も穂乃果と希を失って気持ちの整理がつきません」

海未「しかしことりも私の親友です」

海未「ことりが何を考えてたかは分からないけど」

海未「私はことりがいなくなったことも悲しい。」

海未「ですからみなさんにもことりのこと、悪く言ってほしくないんです。」

にこ「……そうね。悪かったわ」


花陽「でも…どうしてことりちゃんが……」

絵里「ちょっと待って!」

絵里「どうしてことりちゃんが犯人だと決めつけられてるのかしら?」

凛「だってそれは警察の人が…」

絵里「それはそうだけど、ことりはただ手に包丁を持っていただけでしょ?」

絵里「もしかしたら別に犯人がいて、ことりを殺した後、罪をなすり付けるためにことりの手に包丁を持たせたかもしれないでしょ」

花陽「まさか…ことりちゃんも被害者!?」

にこ「でも、ことりが犯人な理由はそれだけじゃないでしょ?」

にこ「あのメッセージはどう説明するのよ」

凛「メッセージって 『売り子 巫女 ことりは消えます』ってのかにゃ?」

にこ「そうよ!あれはことりが書いたもの!」

にこ「そして、巫女ってのは希のこと」

にこ「売り子ってのは、たぶん店番とかよくしてる穂乃果のこと」

にこ「つまり穂乃果と希とことり、3人はこの世から消えますってことを表した遺言のようなものよ!」

にこ「それをことりが書いたってなると…」

真姫「まあ確かに、犯人が自殺するときにはよくあるわよね。そういう遺言みたいなもの」


絵里「…でも、どうして売り子なんて面倒な言い方をしたのかしら?」

絵里「そのまま穂乃果とか希って書けばいいのに」

にこ「それは…ことりが死人の名前を書くのはよくないと思ったからとか…」

絵里「殺した犯人がそんな気を使う?」

絵里「私は思うの」

絵里「これって逆にことりが残したダイイングメッセージとは考えられないかしら?」

一同「!?」


凛「ダイイングメッセージ…!?」

花陽「そんな……」

にこ「まさか…さすがに……ねえ真姫?」

真姫「いや、ありえるかもしれない…」

真姫「これが本当にことりが残したダイイングメッセージで」

真姫「犯人はその意味に気づかずに、逆に利用してことりを犯人にしようとした…」

絵里「ありえるでしょ?」

海未「――いいかげんにしてくださいっ!!」

一同「!」

海未「犯人なんてどうでもいいじゃないですか」

海未「それよりμ'sのメンバーが3人も死んだんです」

海未「私は…それだけでもう…うぅ…」

凛「海未ちゃん…」

花陽「海未ちゃんは亡くなった2人と幼なじみだったからなおさら辛いよね…」


絵里「そうね。こんな犯人探しはやめにしましょ」

絵里「もし真犯人がいても警察が見つけてくれるわ」

絵里「みんな疲れただろうし、家に帰って休みましょう」

絵里「海未も早く休んだ方がいい」

凛「そうだにゃー、こんなこと考えても無意味だにゃ」

凛「かよちん帰るにゃー」

花陽「あ、待ってよ凛ちゃん!」

真姫「じゃあ私たちも帰るわよ、にこちゃん」

にこ「そうね」

絵里「あ!にこちゃん!」

にこ「ん?どうしたのよ?」

絵里「悪いんだけど、海未ちゃんを家まで送って行ってくれない?」

絵里「海未、一人じゃ心配で…」

にこ「確かに一人で家に帰らせるわけにはいかないわね…」

にこ「任せなさい!にこにーことこの矢澤にこが身をもって家まで送り届けるわ」

絵里「ふふ、ありがと」

絵里「あ、それともう一つ」

にこ「なによ、まだ何かあるの?」





絵里「今日は真姫と帰るのやめなさい」


にこ「な、なんでよ!」

絵里「あなたたちが付き合っているのは知ってる」

絵里「だからこその忠告よ、今日は一緒に帰らないで」

にこ「なっ///え、えりには関係ないでしょ!」

にこ「それに海未を送り届けるには2人より3人の方が…」

絵里「にこ!…お願い」

にこ「……分かったわよ」

にこ「ごめん真姫!今日は先に帰ってて」

真姫「え?…うん分かった」バイバーイ

にこ「これでいいんでしょ?」

絵里「うん、ありがと」

絵里「あのね…にこ」


にこ「じゃあ絵里、私たちも先に行くわよ」

にこ「海未、行くわよ。立てる?」

海未「はい…すみません。にこ」

にこ「いいのよ!こういうときは先輩を頼りなさいっ」

にこ「じゃあまたね絵里!」

絵里「ええ」







絵里「さーて、これで一人か」

絵里「…ふふ…ふふふ……あーはっはははは!」

絵里「もう…笑わせないでよね」


絵里「気づいてないとでも思っているのかしら」

絵里「…犯人はことりじゃない」

絵里「というかあの子しかいない」

絵里「穂乃果、ことり、そして希」

絵里「この3人が殺されたとなると」

絵里「犯人は決まってるようなもんじゃない」

絵里「でも……あのメッセージの意味がまだ…」


売り子 巫女 ことりは消えます


絵里「これはどういう意味なのかしら…」


絵里(売り子ってのは…やっぱりにこの言う通り穂乃果のことかな)

絵里(巫女は希のこと…)

絵里(ことりは……ことりのことよね当然…)

絵里(そして『消えます』っていうのは……やっぱりこの世からってこと?)

絵里(うーん…確かに一見意味は通っている)

絵里(でも…でも!必ず何か意味があるはず)

絵里(ことりが最期に残したこのメッセージ)

絵里(絶対に解いてみせるんだから!)


絵里(まず…なんで『売り子』なのかしら)

絵里(穂乃果を表現する言葉はもっとある気がするのに…)

絵里(それこそ『リーダー』とかの方が分かりやすいはず…)

絵里(それなのになんで『売り子』って言葉を選んだのかしら…)

絵里(あとは…『ことり』)

絵里(あれがダイイングメッセージだと仮定すると)

絵里(穂乃果と希は名前を使わずに表現したのに、『ことり』だけ名前…)

絵里(まあことりが書いたから言ってしまえばそこまでなんだけど…)

絵里(でも…もし『ことり』という文字に意味があるなら…)

絵里(………)

絵里(まあいいわ。犯人が私の思った通りなら…)

絵里(復習を果たすために、向こうから私のところに来るはず…)

絵里(見てて希、敵は絶対に討つから!)


その日の夜 絢瀬家

ピンポーン

絵里「はーい」

絵里「どちら様ですかー?」ガチャ

???「…こんばんは」

絵里(……来た)

絵里「どうしたの?こんな時間に」

???「いてもたってもいられなくなって……」

???「一緒に公園とか来てもらっても…」

絵里「…ええ、いいわよ」

絵里「行きましょう」


絵里「それで何の用かしら?」

???「3人の事件どう思っていますか?」

絵里「私?私は昼に言ったようにことり以外の真犯人がいるかもと思っているわ」

???「……なぜ?」

絵里「なぜかって…?ふふ、それはね…」

絵里「あなたが犯人だと思っているからよ」

絵里「海未」


海未「……」

絵里「あら?驚かないの?」

海未「…なぜ私が犯人だと?」

絵里「あなた、穂乃果のこと好きだったでしょ?」

海未「……っ!」

絵里「そして、穂乃果はことりと付き合っていた」

海未「くっ…」

絵里「それを知ったあなたは穂乃果を奪ったことりと」

絵里「自分の気持ちを裏切った穂乃果に復習を計った」

海未「…確かに、私は穂乃果のことが好きでした」

海未「ことりのことを少し妬ましく思っていたことも事実です」

海未「でもそれだけ」

海未「二人は私の親友で、殺す理由なんて何もありません」

海未「そんな適当な理由で犯人扱いされるなんて…」グスッ


絵里「海未、あのメッセージの意味分かった?」

海未「メッセージ?」

絵里「あなたが気づけなかったあのメッセージ」

絵里「ことりはちゃんと海未が犯人だと伝えてくれていたのよ!」

海未「どういうこと……?」

絵里「『売り子 巫女 ことりは消えます』」

絵里「これはまさしくあなたの名前を表していたの」

絵里「気づいたのは私もついさっき」

絵里「ことりったら、あんなして意外に頭が切れるのね」フフッ

海未「だからどういうこと!」


絵里「海未、たぬき言葉って知ってる?」

海未「『たぬきの肩たたき』は『かき』っていう?」

絵里「そう。『たぬき』は『"た"抜き』」

絵里「『かたたたき』から"た"を抜いて『かき』になるあれよ」

海未「…それと今回のメッセージにどういう関係が」

絵里「今回のメッセージもたぬき言葉と一緒なのよ」


絵里「『売り子 巫女 ことりは消えます』」

絵里「たぬき言葉と一緒。もう気づくかしら?」

海未「『ことりは消えます』って……はっ!」

絵里「そうよ。『ことりが消えます』は『”こ” と ”り” は消えます』」

絵里「つまり、”こ” と "り" の二文字を消せという意味」

絵里「そしてその前の『売り子 巫女』」

絵里「ひらがなで書くと『うりこ みこ』」

絵里「これから、"こ" と "り" の二文字を消すと…」

絵里「『う み』」

絵里「もういいでしょ」

絵里「……犯人はあなたよね?海未」


海未「……ふふ…あはは…あはははははははは!!」

海未「まさかそんな意味があったなんて。さすがことりです。」

海未「そしてさすが絵里ですね。よく分かりましたねこんなメッセージ」

絵里「まあ…ことりは犯人じゃないと決めつけてたからね」

海未「ではこれは分かりますか?」

海未「なぜ、私は希を殺したのか?」

絵里「それは……」

絵里「私と希があの二人をくっつけたから」

絵里「海未が穂乃果のことを好きなことを知っていながら、ことりに協力したから」

海未「くくく…そこまで分かっているなんて…」

海未「さすが絵里です」

海未「ではこれは分かっていますか?」

海未「私が今ここであなたを殺すつもりだということも!」ナイフ チラッ




にこ「そこまでよ」


にこ「もう警察は呼んでるわ。囲まれている、諦めなさい海未」

海未「……どうして…どうしてあなたがここに…?」

にこ「絵里から聞いていたからよ」




――――――

――――

絵里「あのね、にこ」

絵里「私の予想が正しければ、今晩私は襲われる」

絵里「死ぬかもしれない」

絵里「だからにこ、あなたには伝えておくわ」

絵里「もし私が死んだら……」

絵里「犯人は…海未よ!」

――――

――――――


海未「そうですか…私は最初から怪しまれていたのですね…」

にこ「絵里にね。私は分からなかったわ」


「では、署まで御同行を」


海未「はい…」

絵里「海未!」

絵里「あなたのしたことは許されない」

絵里「けれど、穂乃果たちの分まで生きなければならない」

絵里「罪を償って、そしてμ'sに戻ってきなさい」

絵里「それが穂乃果たちへの償いよ」

海未「…はい」


絵里「っていうか、にこ…なんで来たの!?」

にこ「そんなの絵里を助けるために決まってるでしょ!」

絵里「もう、にこまで危ない目にあうかもしれなかったのよ!」

にこ「だって私と真姫の恩人だもん」

絵里「?」

絵里「私、にこと真姫の恋愛を手伝った覚えなんか…」

にこ「今日、私と真姫を一緒に帰らせなかった」

にこ「海未は恋愛で傷つき、精神がとても不安定だった」

にこ「その海未がいちゃついている私たちを見たら、私たちも殺されかねないと思ったから」

にこ「だから私たちを別々に帰した。違う?」

絵里「分かってたのね…」

にこ「ありがとね、絵里」

にこ「…私たち、μ's頑張らないとね」

にこ「あの子たちのためにも」

絵里「ええ」

絵里「海未が帰ってくる場所を残さないといけないしね」


――――――

――――

絵里「これからのアイドルは演技ができないと駄目よ!」

絵里「かしこいかわいいエリーチカこと私が書いたこの脚本でみんな演技の練習よー!」

ことり「絵里ちゃん?」

絵里「ん?どうかした?」

穂乃果「私たちって、死ぬ演技の練習…?」

希「うちに至っては台詞ゼロやん」

絵里「あら?死ぬ演技って意外と難しいのよ!今から特訓ね!」

ことり「…どうしよっか穂乃果ちゃん」

穂乃果「これはもう…希ちゃんお願い!」

希「そやね。わしわしするしかなさそうやね」

絵里「ひっひいいいいいい助けてええええええ!!」




海未「なぜ私はいつもこんな役……」

花陽「というか私たちも」

凛「台詞少なくないかにゃ?」

真姫「イミワカンナイ!」



おしまい

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月10日 (水) 12:08:43   ID: MRj4VI6-

海未ちゃんがまともで良かった

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