「えっと…」
「うむ!君のその顔にティン!と来てねぇ!」
……。
ゴミ箱に頭突っ込んじゃった顔に…?
「で、でも…その、ええと…」
「?…ああ!今すぐでなくてもいいんだ!ゆっくりと考えて、それでもしもOKだったら!ウチに来てくれないか?」
「は、はい………!!!!?」ギュン
ちょっと、モモタロス!
うるせぇ!お前このままじゃこのジジイに丸め込まれんぞ!!
「おいジジイ!聞いてりゃなんだお前は?アイドルだかコンドルだか知らねえけどよ!!」
「!?ど、どうしたのかね?」
「悪いがな!俺にはそんな事やってる暇なんてねえんだよ!!」
「そ、そうかね?…少し残念だが、一応名刺を渡しておくよ」
「お?…お、おお…」
「…」
モモタロス、あれじゃあ失礼だよ。
「しょうがねえだろ、こういう性分なんだよ!」
でも、良い人だったね。
「…あのなぁ…そんなんだからお前は…!」
ど、どうしたのモモタロス?
「……イマジンの匂いだ」
イマジン!?
何処から?
「…こっちだ!!」
時の列車、デンライナー。
次の駅は過去か、未来か…。
http://www.youtube.com/watch?v=ZuA6bPvHvwE
「おらおらおらどけどけどけぇ!!」
モモタロス!
そんな乱暴しちゃ駄目だよ!
「うっせぇ!こちとらイマジン狩りでそんなの気にしてられねぇんだよ!」
全く、鬼っていうより、野良犬だよねぇ。その行動。
「あぁ!?ノロマな亀よりマシだよ!!」
あ、野良犬って事は認めるんだ。
「あああああああ!!!いちいち鼻につく野郎だなああああ!!!…………あれ?」
…どうしたの、モモタロス?
「………匂いが消えやがった!!」
あーあ。カリカリしてるから。
「てめぇのせいだろが!!!」
そんな事より、イマジンが何処に行ったのか探さなきゃ…。
「~!…つってもなぁ…匂いがなきゃあ…」
「しかし、モモの鼻が効かん事もあるんやな」
「確かに、今まで無かったような…」
「逃げられる事は幾らでもあったけどね」
「へへー!モモの鼻壊れたー!」
「んだとこのクソガキャあ!!!」
「あんた達!いつまで暴れてんのよ!!」
「あ、ハナさん」
…鼻の話題に、ハナさん。
「今、失礼な事考えた?」
「う、ううん。違うよ…」
「少なくとも、この街にいる、という事は間違いないようですねぇ…」
「オーナー…」
「…ま!片っ端から探していくしかねえな!」
………大丈夫かな。
「うう~ん…」
また道に迷ってしまいました。
…三浦あずさ、恥ずかしい。
事務所に行きたいだけなのに…。
「困ったわぁ…事務所までの道のり、ええと…こっちかしら?」
……。
「…」ズバア…
「ひゃっ!…砂が、形に?」
「…願い事を言え。どんな願いも叶えてやろう」
「あら~。砂のお人形さんが喋ってるわ~」
「…」
「もしかして貴方も迷子なのかしら?」
「…いや、そうではなくてだな」
「?」
「お前の願い事を叶えてやる、と言ってるんだ」
「私、ランプは持ってないですよ?」
「何の話だ…」
「今お前は迷子になっているんだろう?」
「そうですねぇ…何時もの事なんですけど…」
「つまり、それが願い事か?」
「あら?」
願い事…。
どんな願いも叶う?
…なら、運命の…ううん!それは自分で見つけなきゃ駄目よ!あずさ!
なら事務所に行く…それも何だか軽いわよねえ…。
今日行けてもまた明日駄目かもしれないわ。
…。
「うう~ん…」
「………まだ?」
「!…そうだわ!あの、ええと…お砂さん!」
「変な名前で呼ぶな!」
「私、すっごく方向音痴なんです」
「ほう」
「だから、事務所までの道を覚えたいんです!」
「…ほ、ほう…(その癖を治した方がいいんじゃないか?)」
「だから、お願いします~」
「…分かった。その願い、叶えてやろう」
「……ん?!!来た、来たぜ!今度こそイマジンだ!」
ホント!?今すぐ行かなきゃ!
…待ってよ、良太郎。
?
「あ?何だ亀!…うおっ!?」
おい!何しやがる亀公!!
「またこないだみたいになったら嫌でしょ?…それに僕もちょっと、ね?」
…大丈夫なの?
「…大体、目星はついてるよ。ここまで来ればね、ほら。あれ」
!?
な、なんだぁ?ありゃあ…。
「うふふ。こうすれば事務所までの道も覚えられますね~」
「おい!待て!まだ実体化出来てないから引きずるな!!」
「何あれ…」
「何か凄い女がいるぞ…」
「……あの、少しよろしいですか?」
「?」
「なんだか、貴方の顔を見ていると、昔僕を可愛がってくれたお姉さんを思い出すんです…」
「あら~…そうなんですか~?」
「ええ。だから、もし、宜しければ…これから少し、ほんの少しだけ時間、あります?」
「ええと…大丈夫です!」
「おい!!!!」
「こんな、こんな屈辱が…」
「可愛らしいワンちゃんですね」
「あらあら~さっき会ったんですよ。私の事を助けてくれたんです!」
「へぇ…」
「…」
「でも、この方も何だかお困りみたいなんです…」
「…お困りと、言うと?」
「う~ん…何でもこのままじゃ自由になれないって…」
「そう、そうだ!お前の願いを叶えなくてはならないんだ!」
「!そういえば、私そんな事言われてたような~」
「お前……」
「……それは、少し悲しいです」ガシ
「あら~?」
ちょっと!ウラタロス!
「…折角こんな素敵な人と逢えたのに、これっぽっちしか話せないなんて…」
「あ、あらあら~」
おい!スケベ亀!!何やってんだお前は!!目の前にイマジンいんだぞ!?
…まだ、実体化してないからさ。少しくらい、いいよね?
良くねえよ!!
「………ええと、その~ごめんなさい~」
「あれ?」
「私、折角この方に助けていただいたんです。だから少しでも恩返ししなきゃと思って…」
「ええと…なら、連絡先とか…」
「あら?もうこんな時間!!行かなきゃ!…すいません~」
「……」
嘘、だろ?
亀ちゃんがフられた?
「………センパイ、どうぞ」
お、おお…。
「お前は、「事務所」までの道を覚えたいんだな?」
「はい~。よろしくお願いします」
「……分かった」ズバア…
「あら?自由になれたんですか!?」
「?」
「良かったです~!」ガシ
「!?……やめろ!!……よし、その願い、叶えてやる!」
「は、はい~」
「キャー!!」
「うわー!!」
「やめて下さい~!」
「ええい離せ!!事務所まで案内してやるんだ!!」
「人を傷つけちゃダメなんです!」
「これが一番手っ取り早いんだよ!」バシ
「きゃあっ!!」
「おい!お前!事務所までの道を教えろ!!」
「じ、事務所?何のですか!!?」
「ええい役立たずが!!!」
「役立たずはテメェだこのカメレオン野郎!!!!」
「ぐほおっ!」
「悪りいがな!折角実体化出来たばかりかもしれねえが、今すぐ消させてもらうぜ?」
「き、貴様、まさか電王か!!?」
「へっ!マヌケ野郎が!」
「あら?…貴方さっきの…」
「?…おお、悪りいな姉ちゃん。どっか行っててくれ…事情は後で話すからよ」
「……!!!」///
「おい!カメレオン野郎!俺のかっこ良い変身、見せてやるから良く見とけ!」
「…変身!!」SWORD FORM
「……俺!ようやく参上!!」
「ほ、ほざけ!!!」
「うらあっ!!!」
「……」
一体、私は何を見てるのかしら…。
さっきはあんなに落ち着いてた人が、いきなりワイルドになって、何だか姿が変わってしまいました。
そして、お砂さんと戦っています。
私は、幻覚でも見ているのかしら…?
でも、あんなワイルドに言われたの、初めてかも…///
「…くそっ!こうなったら!」
「!?…逃がすか!おい姉ちゃん!何変なポーズとってんだ!!」
「!?」グワァン
………。
あ、あら?
今、なにが起きたのかしら…。
「…ったく世話の焼ける女だぜ。おい!…ちょっと失礼するぜ」
「2005年の3月9日?…何だこりゃ?」
「?…その日は、確か~…」
小学校の卒業式、よね…。
それで、確かクラスの男の子に呼び出されて…。
「初めて告白された日です~…うふふ」
「うふふ♪じゃねえよ!!」
2005年3月9日
「○○君!話ってなあに?」
「あ、あずさちゃん!……え、えっと……」
「…?」
「そ、その、す、すす好きです!付き合って下さい!!!」
「!?」
「初めて会った時から好きでしたー!!!」
「えええ!!?…そ、そんな、困るよ…私…」ブワッ
「あ、あずさちゃん?…う、うわああああああ!!!か、怪物だあああああ!!!!」
「…う、うう…」
「…ふん。やっと自由になれたか。…この女、随分と…」
「うう…○○君…」
「……………お前……!?まさか!?」
「行くぜ行くぜ行くぜえええええええ!!!!!」
http://www.youtube.com/watch?v=UifPsSf17S4
「おいおい!随分と歯応えが無えじゃねえか、ああ!?」
「ぐわっ!!き、貴様ああああ!!!」
「うるせえ!!!」
「ぐほうっ!!!」
「そろそろ終わりにしてやるよ!」FULL CHARGE
「…俺の必殺技、パート2!……おらあっ!!」
「○○君、違うの…私は…」
「……!?…くそっ」
「おらあっ!!」
「ぐっ!!」
「終わりだあああああっ!!!」
「ぐおあああああああああ!!!!」
「ふー、一丁上がりっと!!」
……待って、モモタロス。
「あ?」
…あのイマジン、最後様子がおかしかったよ。
「?何だそりゃ」
…もしかしたら、あの人を、守ったんじゃ…。
「ああ?…あああ!!!おい、大丈夫かあああ!?」
「…え?…え?」
「…お、おお…無事みてえだな!良かった良かった!」
……良くないよ。
「わ、悪かったよ…!」
『○○君、違うの、私は…』
『…お前!?』
………。
この方も何だかお困りみたいなんです…。
私、折角この方に助けていただいたんです。だから少しでも恩返ししなきゃと思って…。
あら?自由になれたんですか!?良かったです~!
『………くそっ』
……何で、俺が、こんな奴ごときに…。
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