野上良太郎「僕が、プロデューサー…ですか?」 (53)

「えっと…」

「うむ!君のその顔にティン!と来てねぇ!」

……。

ゴミ箱に頭突っ込んじゃった顔に…?

「で、でも…その、ええと…」

「?…ああ!今すぐでなくてもいいんだ!ゆっくりと考えて、それでもしもOKだったら!ウチに来てくれないか?」

「は、はい………!!!!?」ギュン

ちょっと、モモタロス!

うるせぇ!お前このままじゃこのジジイに丸め込まれんぞ!!

「おいジジイ!聞いてりゃなんだお前は?アイドルだかコンドルだか知らねえけどよ!!」

「!?ど、どうしたのかね?」

「悪いがな!俺にはそんな事やってる暇なんてねえんだよ!!」

「そ、そうかね?…少し残念だが、一応名刺を渡しておくよ」

「お?…お、おお…」


「…」

モモタロス、あれじゃあ失礼だよ。

「しょうがねえだろ、こういう性分なんだよ!」

でも、良い人だったね。

「…あのなぁ…そんなんだからお前は…!」

ど、どうしたのモモタロス?

「……イマジンの匂いだ」

イマジン!?
何処から?

「…こっちだ!!」

時の列車、デンライナー。

次の駅は過去か、未来か…。

http://www.youtube.com/watch?v=ZuA6bPvHvwE

「おらおらおらどけどけどけぇ!!」

モモタロス!
そんな乱暴しちゃ駄目だよ!

「うっせぇ!こちとらイマジン狩りでそんなの気にしてられねぇんだよ!」

全く、鬼っていうより、野良犬だよねぇ。その行動。

「あぁ!?ノロマな亀よりマシだよ!!」

あ、野良犬って事は認めるんだ。

「あああああああ!!!いちいち鼻につく野郎だなああああ!!!…………あれ?」

…どうしたの、モモタロス?

「………匂いが消えやがった!!」

あーあ。カリカリしてるから。

「てめぇのせいだろが!!!」

そんな事より、イマジンが何処に行ったのか探さなきゃ…。

「~!…つってもなぁ…匂いがなきゃあ…」

「しかし、モモの鼻が効かん事もあるんやな」

「確かに、今まで無かったような…」

「逃げられる事は幾らでもあったけどね」

「へへー!モモの鼻壊れたー!」

「んだとこのクソガキャあ!!!」


「あんた達!いつまで暴れてんのよ!!」

「あ、ハナさん」

…鼻の話題に、ハナさん。

「今、失礼な事考えた?」

「う、ううん。違うよ…」

「少なくとも、この街にいる、という事は間違いないようですねぇ…」

「オーナー…」

「…ま!片っ端から探していくしかねえな!」


………大丈夫かな。

「うう~ん…」

また道に迷ってしまいました。
…三浦あずさ、恥ずかしい。

事務所に行きたいだけなのに…。

「困ったわぁ…事務所までの道のり、ええと…こっちかしら?」



……。

「…」ズバア…

「ひゃっ!…砂が、形に?」

「…願い事を言え。どんな願いも叶えてやろう」

「あら~。砂のお人形さんが喋ってるわ~」

「…」

「もしかして貴方も迷子なのかしら?」

「…いや、そうではなくてだな」

「?」

「お前の願い事を叶えてやる、と言ってるんだ」

「私、ランプは持ってないですよ?」

「何の話だ…」

「今お前は迷子になっているんだろう?」

「そうですねぇ…何時もの事なんですけど…」

「つまり、それが願い事か?」

「あら?」

願い事…。

どんな願いも叶う?

…なら、運命の…ううん!それは自分で見つけなきゃ駄目よ!あずさ!

なら事務所に行く…それも何だか軽いわよねえ…。

今日行けてもまた明日駄目かもしれないわ。

…。

「うう~ん…」

「………まだ?」

「!…そうだわ!あの、ええと…お砂さん!」

「変な名前で呼ぶな!」

「私、すっごく方向音痴なんです」

「ほう」

「だから、事務所までの道を覚えたいんです!」

「…ほ、ほう…(その癖を治した方がいいんじゃないか?)」

「だから、お願いします~」

「…分かった。その願い、叶えてやろう」

「……ん?!!来た、来たぜ!今度こそイマジンだ!」

ホント!?今すぐ行かなきゃ!

…待ってよ、良太郎。



「あ?何だ亀!…うおっ!?」

おい!何しやがる亀公!!

「またこないだみたいになったら嫌でしょ?…それに僕もちょっと、ね?」

…大丈夫なの?

「…大体、目星はついてるよ。ここまで来ればね、ほら。あれ」

!?

な、なんだぁ?ありゃあ…。


「うふふ。こうすれば事務所までの道も覚えられますね~」

「おい!待て!まだ実体化出来てないから引きずるな!!」



「何あれ…」
「何か凄い女がいるぞ…」




「……あの、少しよろしいですか?」

「?」

「なんだか、貴方の顔を見ていると、昔僕を可愛がってくれたお姉さんを思い出すんです…」

「あら~…そうなんですか~?」

「ええ。だから、もし、宜しければ…これから少し、ほんの少しだけ時間、あります?」

「ええと…大丈夫です!」

「おい!!!!」

「こんな、こんな屈辱が…」

「可愛らしいワンちゃんですね」

「あらあら~さっき会ったんですよ。私の事を助けてくれたんです!」

「へぇ…」

「…」

「でも、この方も何だかお困りみたいなんです…」

「…お困りと、言うと?」

「う~ん…何でもこのままじゃ自由になれないって…」

「そう、そうだ!お前の願いを叶えなくてはならないんだ!」

「!そういえば、私そんな事言われてたような~」

「お前……」

「……それは、少し悲しいです」ガシ

「あら~?」


ちょっと!ウラタロス!


「…折角こんな素敵な人と逢えたのに、これっぽっちしか話せないなんて…」

「あ、あらあら~」

おい!スケベ亀!!何やってんだお前は!!目の前にイマジンいんだぞ!?

…まだ、実体化してないからさ。少しくらい、いいよね?

良くねえよ!!








「………ええと、その~ごめんなさい~」

「あれ?」

「私、折角この方に助けていただいたんです。だから少しでも恩返ししなきゃと思って…」

「ええと…なら、連絡先とか…」

「あら?もうこんな時間!!行かなきゃ!…すいません~」



「……」


嘘、だろ?

亀ちゃんがフられた?



「………センパイ、どうぞ」

お、おお…。

「お前は、「事務所」までの道を覚えたいんだな?」

「はい~。よろしくお願いします」

「……分かった」ズバア…

「あら?自由になれたんですか!?」

「?」

「良かったです~!」ガシ

「!?……やめろ!!……よし、その願い、叶えてやる!」

「は、はい~」

「キャー!!」
「うわー!!」




「やめて下さい~!」

「ええい離せ!!事務所まで案内してやるんだ!!」

「人を傷つけちゃダメなんです!」

「これが一番手っ取り早いんだよ!」バシ

「きゃあっ!!」

「おい!お前!事務所までの道を教えろ!!」

「じ、事務所?何のですか!!?」

「ええい役立たずが!!!」












「役立たずはテメェだこのカメレオン野郎!!!!」

「ぐほおっ!」

「悪りいがな!折角実体化出来たばかりかもしれねえが、今すぐ消させてもらうぜ?」

「き、貴様、まさか電王か!!?」

「へっ!マヌケ野郎が!」



「あら?…貴方さっきの…」

「?…おお、悪りいな姉ちゃん。どっか行っててくれ…事情は後で話すからよ」

「……!!!」///

「おい!カメレオン野郎!俺のかっこ良い変身、見せてやるから良く見とけ!」







「…変身!!」SWORD FORM

「……俺!ようやく参上!!」

「ほ、ほざけ!!!」

「うらあっ!!!」



「……」

一体、私は何を見てるのかしら…。

さっきはあんなに落ち着いてた人が、いきなりワイルドになって、何だか姿が変わってしまいました。

そして、お砂さんと戦っています。

私は、幻覚でも見ているのかしら…?


でも、あんなワイルドに言われたの、初めてかも…///




「…くそっ!こうなったら!」

「!?…逃がすか!おい姉ちゃん!何変なポーズとってんだ!!」

「!?」グワァン





………。
あ、あら?

今、なにが起きたのかしら…。

「…ったく世話の焼ける女だぜ。おい!…ちょっと失礼するぜ」

「2005年の3月9日?…何だこりゃ?」

「?…その日は、確か~…」

小学校の卒業式、よね…。

それで、確かクラスの男の子に呼び出されて…。

「初めて告白された日です~…うふふ」

「うふふ♪じゃねえよ!!」

2005年3月9日



「○○君!話ってなあに?」

「あ、あずさちゃん!……え、えっと……」

「…?」

「そ、その、す、すす好きです!付き合って下さい!!!」

「!?」

「初めて会った時から好きでしたー!!!」

「えええ!!?…そ、そんな、困るよ…私…」ブワッ

「あ、あずさちゃん?…う、うわああああああ!!!か、怪物だあああああ!!!!」

「…う、うう…」

「…ふん。やっと自由になれたか。…この女、随分と…」

「うう…○○君…」

「……………お前……!?まさか!?」

「行くぜ行くぜ行くぜえええええええ!!!!!」

http://www.youtube.com/watch?v=UifPsSf17S4

「おいおい!随分と歯応えが無えじゃねえか、ああ!?」

「ぐわっ!!き、貴様ああああ!!!」

「うるせえ!!!」

「ぐほうっ!!!」

「そろそろ終わりにしてやるよ!」FULL CHARGE

「…俺の必殺技、パート2!……おらあっ!!」

「○○君、違うの…私は…」

「……!?…くそっ」

「おらあっ!!」

「ぐっ!!」

「終わりだあああああっ!!!」

「ぐおあああああああああ!!!!」

「ふー、一丁上がりっと!!」

……待って、モモタロス。

「あ?」

…あのイマジン、最後様子がおかしかったよ。

「?何だそりゃ」

…もしかしたら、あの人を、守ったんじゃ…。

「ああ?…あああ!!!おい、大丈夫かあああ!?」

「…え?…え?」

「…お、おお…無事みてえだな!良かった良かった!」

……良くないよ。

「わ、悪かったよ…!」

『○○君、違うの、私は…』

『…お前!?』

………。

この方も何だかお困りみたいなんです…。

私、折角この方に助けていただいたんです。だから少しでも恩返ししなきゃと思って…。

あら?自由になれたんですか!?良かったです~!

『………くそっ』


……何で、俺が、こんな奴ごときに…。

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