C.C.「平行世界」(93)

~黒の騎士団アジト ゼロの私室~


c.c.「……あぁ、そうだ。こちらはまだだ」

c.c.「………」

c.c.「…ほう……皇帝か。凄いじゃないか」

c.c.「……あぁ、わかっているさ。私の望みの為にもな」

プシュッ

コツコツ…

ゼロ「…」

c.c.「おっと、噂をすれば、だな。……あぁ、そうだな。感度も悪くなってきたから、ここまでにしとこう。……じゃあな」

ゼロ「…ふん、また別世界の自分と交信か?」

c.c.「あぁ、久しぶりに出来たよ」

c.c.「繋がらなかった間、向こうはかなり時間が進んでいたようだ」

ゼロ「ほう…」

c.c.「あちらのお前はブリタニア皇帝を倒したようだぞ」

ゼロ「! …本当か?」

c.c.「消滅させた…が正解らしいが。そして、お前は新たなブリタニア皇帝になったそうだ」

ゼロ「俺が新たな皇帝に!?…何故だ?」

c.c.「さぁな……興味が無かったのであまり深い事は聞かなかった」

ゼロ「…ふむ。あちらの俺は黒の騎士団を追われたんだろう?戦力もなくどうやって……」

c.c.「自分の事だ。自分で考えろ」

ゼロ「…」

『ゼロ様、親衛隊隊長、紅月カレンです』

ゼロ「あぁ、入れ」

プシュッ

カレン「失礼します」

c.c.「……ふふ、お前はカレンが随分とお気に入りみたいだな」

ゼロ「……黙れ。…カレン」

カレン「はい」スルスル…

カレンはなんの迷いもなく、服を脱ぎ出した

c.c.「やはり、同年代の方が落ち着くのか?」

ゼロ「…黙れと言っている。 さっさと出ていけ」

c.c.「わかっている。覗きは趣味ではないしな」

ゼロ「…」


c.c.「……ルルーシュ、やはりお前、後悔しているんじゃないか?」

ゼロ「ギアスで団員を完全な支配下に置いた事をか?……いい加減、その質問も聞きあきたぞ」

ゼロ「お前と契約を結んだあの時に言っただろう、母さんやナナリーを死に追いやったあの男をこの手で殺す為に なら、どんな手でも使うと」

c.c.「…」

ゼロ「俺に止まる事など許されない…母さんとナナリーの無念を晴らす、その時までは」

c.c.「…そうだったな。」

ゼロ「わかったか?ならば、この部屋から出ていってもらおう」

c.c.「あぁ、わかっている」

プシュッ

ゼロ「…」カチャ

ルルーシュ「そうとも…復讐を果たすまでは…俺は………」

コツコツ…

c.c.(こちらではルルーシュの妹…ナナリーは死んでいる。あちらでは生きているようだが、妹がいないだけでここまで変わってしまうものなのか)

片瀬「c.c.様」

c.c.「ん、片瀬か。なんだ」

片瀬「ゼロ様にお知らせしたい事が」

c.c.「ゼロは今、手が放せない。私が代わりに聞こう」

片瀬「はっ。先程ディートハルトから連絡が入りまして、草壁の部隊が例のkmfの奪取に成功したと」

c.c.「おお、それは吉報だな」

片瀬「ブリタニアの兵士も数名捕縛に成功したようです。草壁の部隊は後2時間程でこちらに合流出来るかと」

c.c.「わかった。伝えておこう」

c.c.「ラクシャータの班に解析の準備をさせておけ」

片瀬「承知」

c.c.(王の力とはよく言ったものだな。これ程上手く行くとは…。)

c.c.(次はキュウシュウで日本解放戦線の残党と中華連邦の一部戦力の吸収か……ブリタニアもだいぶ焦るだろうな)

~特別派遣嚮導技術部~

スザク「ガウェイン…?あの試作kmfが奪われたんですか?」

ロイド「うん、そう」

セシル「テスト飛行中にね。パイロットが命令を無視して空域を離れて行ったの」

スザク「そんな…じゃあ、テストパイロットが黒の騎士団のスパイだったんですか!?」

ロイド「うん、そういう事になるよね。でも、まさか適当に選ばれたパイロットがスパイだったなんてねぇ」

セシル「偶然にしては、出来すぎてますよね…」

ロイド「…やっぱり、騎士団の催眠術士の仕業なのかなぁ?」

スザク「…催眠術士?」

ロイド「ほら、ブリタニアの部隊が騎士団に捕まって、次の戦闘で騎士団に寝返ってた事が何回かあったでしょ? 」

ロイド「尖兵ならともかく、ブリタニアに高い忠誠を誓ってた部隊まで騎士団についちゃうんだから、絶対に強力な暗示をかける者がいると思うんだよねぇ僕は。んふふ」

スザク(…確かに、総督に絶対的な忠誠を誓う、あのグラストンナイツまでもが今や黒の騎士団の戦力になっている事を考えると……催眠術士みたいなのがいてもおかしくはないのかもしれない)

セシル「ガウェインの追撃に出た部隊も待ち伏せしていた黒の騎士団に撃破されて、何人かが捕まったそうなの」

ロイド「これでまた黒の騎士団は力を付けちゃったねえ」

ロイド「日本解放戦線も黒の騎士団に取り込まれちゃってるしねえ。兵の数ならブリタニアに匹敵するかもしれないよ~」

セシル「なにより恐ろしいのは彼等の死を怖れない戦いぶりでしょうね」

スザク(そう…。黒の騎士団のkmfは窮地に追い込まれると、迷わず自爆をする。捕虜にしようものなら一機でも多く道連れにしようとする…)

スザク(本当に人間が乗っているとは思えない。ゼロのカリスマというだけでは納得出来ない。本当に暗示にでもかかっているんじゃないかと思う程だ)

ロイド「うーん、その特攻精神が各地のイレヴンの心に火をつけてるから余計に質が悪いんだよねぇ。ゼロはそんな所も計算に入れてるんだろうか」

セシル「ロイドさんの考えでは、黒の騎士団にはラクシャータさんがいるかもしれないんですよね?」

スザク「ラクシャータさん?」

ロイド「うん、僕の同期さ。…あのナリタの戦いでグラストンナイツを行動不能にしてランスロットの相手をした、あの赤いkmfの特異な武装。あれはどう考えてもラクシャータが関わってると思うんだよ」

スザク「強力な武装でしたね。近接特化の機体かと思ってましたけど、ワイヤーで射程を伸ばしてきたり…」

ロイド「でもラクシャータが関わってると考えると納得いかない部分もあるんだよね。」

セシル「ええ…、機体に自爆装置をつけるなんて、ラクシャータさんが許す筈もありません」

ロイド「考えたくないけど、ラクシャータまで催眠術にかかっているのかもしれないね…」

セシル「…」

ロイド「ガウェインの件は気にしなくていいとシュナイゼル殿下は仰ってくれてるけど…ハドロン砲の技術まで騎士団に渡るのは…ちょっと怖いよね」

セシル「…はい」

スザク「大丈夫です。もし、戦場にガウェインが現れたら、自分が必ず破壊します」

ロイド「破壊はちょっと勿体ないから、行動不能くらいで勘弁してほしいかな~」

セシル「ロイドさん…」

ロイド「ま、その時に備えてさっさとランスロットのフロートシステムの完成をさせちゃおうか」

セシル「そうですね。流石のランスロットも空中の敵が相手では分が悪いですものね」

スザク「…」

スザク(ゼロ…君がこれ以上、力をつける前に……なんとしてでも君を捕まえてみせる。例え、この身を犠牲にしてでも…)

~黒の騎士団アジト 格納庫~

草壁「ゼロ様、仰せの通り、kmfガウェインを奪取して参りました」

ゼロ「うむ」

草壁「それと、ブリタニアの兵士を数名ですが、捕縛に成功しました。奴等のkmfも一緒です」

ゼロ「ご苦労だったな。草壁」

草壁「勿体なきお言葉」

c.c.「これが噂のガウェインか。なんとも悪役の匂いがする機体だな」

ゼロ「ガウェインは二人乗りだ。お前には操縦を担当してもらう」

c.c.「私がか?面倒だな」

ゼロ「共犯者なんだ、これぐらいの事はしてもらう。…ではラクシャータ、後は任せる」

ラクシャータ「お任せあれぇ、ゼロ様」

ゼロ「この機体の色合い、そして通常のkmfを上回る大きさ。ゼロの存在感をより引き立てるいい道具になってくれそうだ」

c.c.「確かに、お前の為に造られたような物だな」

ゼロ「…さて、捕虜の処遇だが……」

ブリタニア軍人「ゼロ…!」

ゼロ「兵士諸君、君達のkmfの操縦技術は捨てがたい。 我々の力となってもらおうか」

ブリタニア軍人「ふざけるな!テロリスト風情が!!」

ブリタニア軍人「我らは誇り高きブリタニア帝国の兵士!我らが忠誠を誓うのは皇帝陛下!!そして、陛下に連なる方達のみ!」

ゼロ「なるほど、君達は皇族に忠誠を誓うか…」

ブリタニア軍人「テロリストの仲間になどに誰がなるものか!さっさと殺せ!」

ゼロ「…ならば、全く問題はないな」カチャ…

ルルーシュ「…」

ブリタニア軍人「!?」

ブリタニア軍人「こ、こんなガキが……ゼロ…!?」

ルルーシュ「このゼロが命じる。我に…従えっ!!」

キイィィン……!!

ブリタニア軍人「「「イエス、ユアハイネス!」」」

ルルーシュ「ふっ…、お前達のブリタニア皇帝に対する忠誠はこの程度か。グラストンナイツは、もう少し抗ってみせたがな……ふはははは…」

c.c.「……お前、割りとsだな」

ルルーシュ「…そうか?」

コツコツ…

ディートハルト「ゼロ様」

ルルーシュ「ん…、どうした。ディートハルト」

ディートハルト「インドにいる、扇副司令から伝言を預かっております」

ルルーシュ「扇から?…斑鳩の事か?」

ディートハルト「はい。無事、完成したようです」

ルルーシュ「そうか。これで、キュウシュウに攻め入る用意が出来たか」

ディートハルト「密偵の報告によれば、澤崎は近い内にブリタニアに独立の宣言をするようです」

ルルーシュ(澤崎の戦力を手に入れる為には、ブリタニアよりも早く行動を起こさねばならない……か…)

c.c.「モタモタやってる時間はないようだな」

ルルーシュ「……よし。ディートハルト、扇に連絡。斑鳩をこちらに持ってこさせろ」

ディートハルト「わかりました」

ルルーシュ「草壁、幹部を召集しろ。これより、作戦会議を始める」

草壁「承知!」

ルルーシュ「お前達にはブリタニアの情報を教えてもらおう。私と一緒にこい」

ブリタニア軍人「「「イエス、ユアハイネス!」」」

c.c.「では、私は部屋でピザでも食べている」

ルルーシュ「……お前も来るんだよ…」

~数日後 キュウシュウブロック フクオカ基地~

澤崎「予定より早く、ガン・ルゥの配備も完了しましたな」

曹将軍「うむ。このガン・ルゥがあれば、ブリタニアのkmfなど赤子も同然」

澤崎「ブリタニアの魔女などと呼ばれているあの女の精鋭部隊とて、我らの力の前にはただただ飲まれるしかないでしょう」

澤崎「これもひとえに、曹将軍のお力によるものであります」

曹将軍「はっはっは、澤崎さん。あなたの日本を思う心が我々を動かしたのです。私一人の力ではありませんよ」

澤崎「はっ、ありがたきお言葉」

曹将軍「さぁ、始めましょうか。ブリタニアの悪魔共に、新たな日本の誕生を宣言してやりましょう」

澤崎「はっ!…おい、ブリタニアに回線を繋げ!」

中華連邦兵「はいっ!………ん?」

「? なんだ、どうした?」
澤崎
ピーピー

中華連邦兵「…!レーダーに反応あり!!何かが我が領空に侵入してきます!」

曹将軍「なんだと?」

中華連邦兵「この反応はkmfです!数は……一機!」

澤崎「まさか、ブリタニアか!?我らの動きを察知していたとでも?しかし、一機とは…!?」

曹将軍「ええい、モニターに出せ!」

中華連邦兵「はいっ!」

ブンッ…
ガウェイン『…』

曹将軍「な、なんだあれは…?」

澤崎「で、でかい…!ブリタニアの新型か?」

…ザザー……
『…ご機嫌いかがかな?中華連邦の兵士諸君』

澤崎「こ、この声は?」

曹将軍「何者だ、貴様は!?」

『私の名はゼロ。黒の騎士団の総帥だ』

曹将軍「ゼロだと!?」

澤崎「まさか…?」

ゼロ『まず、君達の領空内に不法侵入した非礼をお詫びさせていただこう』

澤崎「…わ…詫びなどいい!貴様がゼロなら、ここに何をしにきた?」

ゼロ『私も色々と忙しい身なので、単刀直入に言わせてもらおう。今すぐ、黒の騎士団に降れ』

曹将軍「!?」

澤崎「な、なんと?」

ゼロ『今すぐ投降するのならば、お前達二人もそれなりの待遇をさせてもらう事を約束しよう』

澤崎「ふ、ふざけるな!テロリスト風情が生意気な!」

ゼロ『…澤崎、お前の目的は日本の再興だろう?我々も最終的な目標は日本を…いや、世界をブリタニアの支配から解放する事だ。いわば、我々は同志といえる』

曹将軍「我々の情報が漏れていたのか…?」

澤崎「ゼロよ!同志というならば、お前達黒の騎士団が我が軍に降るべきた!我々は日本の解放を真に願う者だ。テロリストの下になど、つけるか!」

~ガウェインコックピット内~

ゼロ「それは、出来ない」

澤崎『!』

ゼロ「何故か?…それはお前達のやり方では日本は救えないからだ」

ゼロ「日本を救うのは、我々黒の騎士団だ。それは全てのイレヴンが望んでいることだろう」

ゼロ「我々がブリタニア相手に死に物狂いで戦っている間、お前はコソコソ隠れ戦力を蓄えていた。中華連邦の傀儡に成り下がってな」

澤崎『き、貴様…!』

ゼロ「更には我々の勢いを利用し、日本の独立をブリタニアに宣言しようとした。そのような姑息な男に、日本の未来を背負う資格などない!」

澤崎『ぐ…ぬぬぅ……!戦略を知らぬ奴が………!!』

曹将軍『黙って聞いていれば、テロリストごときが生意気な!ガン・ルゥ部隊、出撃!!あのkmfを叩き落とせ!!』

ゼロ「ふっ…」

c.c.「予想通り、部隊を出してきたな」

ゼロ「ああ、条件はクリアされつつある。斑鳩が予定の位置に到着するまでまだ少し時間が必要だ。お前の腕の見せ所だ、c.c.」

c.c.「気軽に言ってくれる…」

~数日前 黒の騎士団アジト 作戦会議室~

ゼロ「今回の作戦の目的は、澤崎についた日本解放戦線の残党、ならびに中華連邦軍の戦力を奪う事である」

c.c.「…」モシャモシャ

ゼロ「中華連邦製のkmfもどき、ガン・ルゥを手に入れるのが本作戦の最重要目的だ」

カレン「そのkmfもどきが騎士団の主力になるのでしょうか?」

ゼロ「いや、このハリボテにそこまでの力は期待出来ない。だが、このkmfは後に行うブラックリベリオンにはなくてはならない存在となる」

団員「ザワザワ…」

ゼロ「このガン・ルゥ、出来る事なら無傷で手に入れたい。そこで私が考えた作戦を発表する」

ゼロ「先日、我らの新たな母艦となる
斑鳩が完成した。斑鳩は水陸空、全てに対応出来る万能艦だ。この斑鳩で海中から奇襲を行い、奴等の司令部を押さえる」

片瀬「しかしゼロ様、奴等はブリタニアを相手にする気でいるのです。海中からの侵攻は予想されていると思いますが…」

ゼロ「その心配はない。既にギアスをかけた工作員を数人、フクオカ基地に送り込んである。澤崎も決起前に敵が紛れ込んでいるとは夢にも思わないだろう」

ディートハルト「おお、さすがです。ゼロ様…!」

ゼロ「しかし、ただ奇襲作戦を行っては大規模な戦闘と化してしまい、目当てのガン・ルゥも多くが傷物と化してしまうだろう」

ゼロ「そこで、私は自身を奴等を引きずり出す餌にする事を思い付いた」

カレン「えっ?」

c.c.「…ひゃに?(なに?)」

ゼロ「私とc.c.がガウェインでフクオカ基地の前まで近づく。中華連邦の曹将軍は謀を知らない、武勇一筋の人間と聞いた。奴は私の首を取ろうと部隊をいくつか前に出してくるだろう」

ゼロ「私がその部隊の相手をしている間に、斑鳩は海中から司令部の背後に移動。浮上後、kmf部隊による奇襲をする。司令部を守るガン・ルゥの数が減れば奇襲後の制圧も楽になるだろう」

カレン「ガウェイン一機でもどきとはいえ、kmfの大軍を相手に出来るでしょうか?私もお供に…」

ゼロ「大丈夫だ。c.c.がなんとかしてくれるだろう」

c.c.「………」モグモグ

ゼロ「奇襲部隊は紅蓮弐式とグラストンナイツの編成でいく。少数精鋭で一気に決めてもらう」

ゼロ「奇襲部隊の隊長はカレン。グラストンナイツはカレンの指示に従え」

グラストンナイツ「承知しました、ゼロ様」

カレン「抵抗してくるガン・ルゥはどうしたらいいでしょうか?」

ゼロ「それはそちらの判断に任せる。囮で引き寄せた数だけでも最低限必要な数に達する筈だ」

カレン「わかりました」

ゼロ「作戦の説明は以上だ。斑鳩は遅くとも2日後の夜には到着する。斑鳩が到着次第、すぐに作戦を行う」

団員「了解!!」

ラクシャータ「…あ~、ちょっとゼロ様ぁ。一つ問題があるんだけどぉ?」

ゼロ「む…?問題?なんだ、その問題とやらは」

ラクシャータ「ガウェインの事なんだけどねぇ。解析も始めたばっかりで、後2日くらいじゃハドロン砲も使えやしないんだよねえ」

ゼロ「…」

ラクシャータ「せめて4日くらい貰えれば、なんとか使えるようになると思うんだけどさぁ」

ゼロ「…駄目だな。澤崎がいつブリタニアに宣戦布告するかわからない以上、4日も大人しくしている訳にはいかない」

ゼロ「ブリタニアの邪魔が入れば、ガン・ルゥも破壊される。なんとしてもブリタニアが現れる前に勝負を決めなくてはならない」

ラクシャータ「それじゃあ、ガウェインは戦えないって事になるけどぉ…?」

ゼロ「構わん、ガウェインの役目は囮だ。動く事さえ出来ればいい」

c.c.「おい、ちょっと待て」

ゼロ「なんだ」

c.c.「武器が無い裸の状態で大群の相手をするなど自殺行為もいい所だろう」

ゼロ「お前ともあろう者が、怖じけづいたか?」

c.c.「誰が怖じけづくか。仮にガウェインが堕ちたら、私はともかく、お前は確実に死ぬぞ」

カレン「そうです、ゼロ様が死んだら私達は……」

ゼロ「大丈夫だ。敵の兵士もまさかゼロが丸腰のkmfに乗ってるとは思うまい。何かあると勘繰り、攻撃を躊躇うだろう」

c.c.「…そこまで上手く行くかな。相手はギアスのかかっていない普通の人間だぞ」

ゼロ「なんだ、不死の存在であるお前でも、武器がないと不安か?」

c.c.「…ハッタリは必要だろう」

ゼロ「ハッタリならガウェイン単機で十分過ぎる程だ。後はお前の操縦次第…頼りにしてるぞ、c.c.」

c.c.「…」

ゼロ「お前も俺に死なれては困るだろう。毎日ピザばかり食ってゴロゴロしていないで、たまには本気で仕事をして見せろ」

c.c.「やれやれ…面倒な事だ……」

………………

…………

……

中華連邦兵『ゼロが乗っていると思われるkmfを視認!』

曹将軍「ガン・ルゥ部隊、攻撃開始!身のほど知らずの愚か者を地に叩き伏せてやれ!!」

中華連邦兵『了解!攻撃開始!!』

澤崎「お待ちください、曹将軍!ゼロは奇策に長けた男です!!迂闊に手を出しては危険です!」

曹将軍「ふっ、何を弱気な事を」

澤崎「ゼロが一人で戦場に出てくる訳がありません。何か罠を用意している筈です!」

曹将軍「罠があろうと、ゼロを仕留めれば我らの勝ちだ!ゼロさえいなくなれば、残る黒の騎士団など烏合の衆に過ぎん!我がガン・ルゥ部隊が全て叩き潰してくれるわ!!」

澤崎「…!あのkmfのパイロットが本当にゼロだという証拠もないのですぞ!?」

中華連邦兵『攻撃開始!あの黒いkmfを叩き落とせ!!』

中華連邦兵『了解!』

バババババババ…!!!

ゼロ「! 避けろ、c.c.!!」

c.c.「躊躇いの欠片も見せないではないか!」ググッ

ゼロ「曹将軍が俺の予想を上回る猪武者だったという事だな」

ゼロ「動きを止めるなよ、少しでも止まれば蜂の巣にされるぞ!!」

c.c.「わかっている…!集中しているから話しかけるな!」

ゼロ「扇!斑鳩の進行状況はどうだ?」

扇『目的位置まで、あと2分はかかります!』

ゼロ「急げ!モタモタする……うおっ!?」グラッ

ズズズゥゥン…!

c.c.「ちっ…」

ゼロ「何をやっているc.c.!当たっているぞ!!」

c.c.「私はカレンと違ってkmf乗りではないんだ!ちょっとくらいの被弾は見逃せ!」

ゼロ「まだ1分も経っていないんだぞ!」

c.c.「わかっている…!私だって必死にやっているだろう……!」

バババババババ…!

c.c.「鬱陶しい奴等だ…!ハーケンなら……」

ゼロ「やめろ!ガン・ルゥを傷つけるな!!あれは無傷で手に入れるんだ!」

c.c.「死にたいのかお前は…!」

ゼロ「多少の被弾は許してやる!ピザ代の分くらいはちゃんと働け!!」

c.c.「そんなに高いピザを食べた覚えはないっ!」

バババババババ…!

曹将軍「ははははは!ご覧なさい、ゼロは手も足も出せず、避けるので精一杯ではありませんか!!」

澤崎「…むぅ……しかし…反撃の一つもしてこないとは…」

曹将軍「澤崎さん、我々はこれからブリタニアという大国を相手にするのですぞ。いちテロリスト組織の頭に怯えてどうされます」

澤崎「は……はぁ」

曹将軍「ゼロを倒し、奴の首を持ってブリタニアに宣戦布告すれば我が軍の士気も大幅に上がる。その勢いを持ってあのブリタニアの魔女をも倒し、日本の再興を世界中に宣言してやりましょう」

澤崎「…」

澤崎(しかし、防衛部隊の半分をゼロ一機に集中させるとは…。索敵に異常はないようだが、万が一背後から奇襲を受けたら我々は…)

澤崎(……やはり、無理にでも奴等をここに留まらせておくべきだった…!)

バババババババ…!!

ババババ…!

c.c.「くっ!」グイッ

曹将軍『どうした、ゼロ!我がガン・ルゥ部隊がこれ程の力を持っているとは予想出来なかったか!』

ゼロ「…」

曹将軍『そのkmf一機で我らを倒せると思い上がっていたようだが、貴様は中華連邦の力を嘗めすぎた!今さら命乞いは聞かんぞ!』

c.c.「……やかましい奴だな」

曹将軍『ふははははっ!己の力を過信し過ぎた愚か者め!後悔しながら死んでいけっ!!』

ゼロ「……ふっ、その言葉……そのままお返ししよう」

曹将軍『なんだと?』

扇『斑鳩、予定位置に到達しました!!!』

ゼロ「時は来た!斑鳩、浮上せよっ!!」

扇「了解!斑鳩浮上!!奇襲部隊、発進準備!!」

カレン『了解!』


ゴゴゴゴゴ…

中華連邦兵「お、おい!なんだあれは!?」

ザバアアアァァンッッ

中華連邦兵「せ…戦艦?」

中華連邦兵「まさか、奇襲か!」

カレン『グラストンナイツ、私に続けっ!!』

グラストンナイツ『イエス、マイロード!』

ゴオオオッ

中華連邦兵「ナ、kmfが出てきたぞ!」

中華連邦兵「う、撃て!撃てぇっ!」

バババババババ…!!

曹将軍「な…!戦艦だと!?」

澤崎「や、やはり奇襲が…!おい、索敵は何をやっていたんだ!!」

中華連邦兵「そ、それが索敵機能に細工が施されていたみたいで反応が全くなく……!」

澤崎「く…!ゼロめ、いつの間に……!!!」

曹将軍「ええい、怯むな!冷静に対処すれば防げぬ敵ではない!!」

中華連邦兵「し、しかし曹将軍!あれをご覧になってください!!赤いkmfの後ろにいる奴です!!」

曹将軍「なにぃ…?……ん!?」

グロースター『…』

澤崎「あ、あれは…ブリタニアの親衛隊が扱うkmf!?な、何故、黒の騎士団に……!?」

曹将軍「 まさか…黒の騎士団がブリタニアと手を組んだと言うのか!?」

カレン「てぇやあぁーーっ!!!」グオオッ

中華連邦兵「う、うわあああっ!!」

チュドオオォンッ…!

カレン「抵抗するkmfは容赦なく撃破!中華連邦の将軍を捕まえれば戦闘も終わる!速やかに司令部の制圧を!!」

グラストンナイツ「イエス、マイロード!」


中華連邦兵『な、なんで黒の騎士団とブリタニアのkmfが一緒に…!?』

中華連邦兵『ま、まさか…俺達が奴等にとって共通の敵だから一時的に手を組んだとか…!』

中華連邦兵『じょ、冗談じゃねえ!ブリタニアと騎士団相手にこんなkmfで相手に出来るか!俺は死にたくねえ!!降伏するぜ!』

中華連邦兵『お、おい、何を言って…』

中華連邦兵『お、俺もだ!』

中華連邦兵『俺も!こんな所で死にたくない!』

c.c.「やれやれ、なんとか間に合ったか」

ゼロ「これで勝負は決まったようなものだ」

c.c.「ほう…?では、こちらが引き寄せたあのガン・ルゥの大群はどうするつもりだ?」

ガン・ルゥ部隊『…』

ゼロ「ふっ…奇襲の報を受け、混乱しているようだな。…今こそ好機」

ゼロ「c.c.、ハドロン砲発射準備!」

c.c.「なに?撃てないんじゃなかったのか?」

ゼロ「本当のハッタリというものを見せてやる」

中華連邦兵隊長「ほ、本陣が奇襲を受けているだと!?』

中華連邦兵「隊長、どうします!?」

中華連邦兵「本陣周辺の味方は一人、また一人と投降しているようです!」

中華連邦兵隊長「く…!し、しかし目の前にはあのゼロが……!」

ガウェイン『…』ゴゴゴゴ…ゴン…

中華連邦兵「た、隊長!黒いkmfが動きを!」

中華連邦兵隊長「!」

ガウェイン『…』バチッ… バチバチバチッ…!

中華連邦兵「な、なにか撃ってくる気だ!」

ガウェイン『…』バチバチバチバチィッ

中華連邦兵「た、隊長!指示を!!」

中華連邦兵隊長「……!くっ…」

ゼロ『聞け、中華連邦の兵達よ』

中華連邦兵隊長「ゼ、ゼロ…!」

ゼロ『我ら黒の騎士団はお前達を倒す為、ブリタニアと一時的に手を組んだ。奇襲部隊にブリタニアのkmfが混ざっているのが確認出来たと思う』

中華連邦兵隊長「… !」

ゼロ『お前達も私とブリタニア、両方を敵に回して勝てるとは到底思うまい…潔く投降するのだ。身の安全は保障しよう』

ゼロ『しかし、それでも抵抗をすると言うのならば………このハドロン砲の光を受けてもらう』

ガウェイン『…』バチバチバチバチィッ

中華連邦兵「ひっ」

中華連邦兵「た、隊長…!」

中華連邦兵隊長「く……クソッ!確かに、ブリタニアと組まれちゃ俺達なんかが敵う筈もない…!………わかったよゼロ、降参だ」

ゼロ『ふっ…そうだ。それでいい』

ガウェイン『…』バチバチバ… プシュー

c.c.『…大した奴だよ、お前は』

ゼロ『お前が俺を誉めるか』

c.c.『私とて、わざわざ痛い思いをするのは嫌だからな』

ゼロ『それは俺も同感だ。…さて、後は我が精鋭達の働きを見物させてもらうとしよう』

~フクオカ基地運搬路 トレーラー内~

ブロロロ…

曹将軍「お、おのれゼロめ…!小癪な…」

澤崎「…」

澤崎(だから、迂闊に手を出してはいけないと言ったのだ!この無能の将め…!)

中華連邦兵「まもなくヘリポートに出ます!」

曹将軍「急げ!奴等が来る前に!!」

澤崎(ゼロよ、今日は貴様の勝ちだ……それは認めてやる。だが、中華連邦の損害は微々たるもの。再び力を蓄え、今度こそは…)

チュドオオォンッ!!

曹将軍「!?」

澤崎「な…」

中華連邦兵「う、うわああっ!?」キャキャキャキャキャッ


突如、用意されていたヘリコプターが爆発し、トレーラーは爆風により横転する

ガシャアアァンッ

澤崎「う……ぅ」ズズ…

曹将軍「ぐ…」ズズ…

横転したトレーラーから澤崎と曹が這いずり出てくる

曹将軍「さ、澤崎さん…ご無事か」

澤崎「な、なんのこれしき……おのれゼロめ…!既にヘリに細工まで……!!!」


ズシィィンッ!!

曹将軍「!!」

澤崎達が起き上がろうとしたその時、炎の中から紅蓮弐式が姿を現す

紅蓮『…』

澤崎「ひ…!!」

カレン『元枢木政権のメンバー、澤崎敦。そして中華連邦の将軍、曹だね』

曹将軍「あ、赤いkmf…!」

ズシンッ ズシンッ

さらに澤崎達を囲むようにグロースターが現れる

澤崎「ブ、ブリタニアのkmf…!」

曹将軍「く、くそぉ…!」

ズシンッ

ゼロ『勝負あったな、澤崎』

さらに、空からガウェインが降りてくる

澤崎「ゼ、ゼロ…!」

ゼロ『お前達の敗北は私がお前達の前に姿を現した時から決まっていたのだよ』

プシュゥッ

澤崎「!」

ゼロがガウェインのコックピットから下りてくる

コツコツ…

カレン『ゼロ様!』

ゼロ「よい。手は出すな」

曹将軍「お前が……ゼロ…」

ゼロ「澤崎、曹よ。お前達の部下も殆どが我らに降った」

澤崎「…っ」

ゼロ「お前達の勝ち目はもう万に一つもない…降伏しろ」

澤崎「お……お、おのれゼロめ!」チャキッ

ゼロ「!」

曹将軍「澤崎…!」

澤崎が拳銃を抜き出す

澤崎「私が…私がここまでの準備をするのに、どれだけの時間と苦労を掛けたと思っている!?それを全てぶち壊してくれおって!」

ゼロ「…お前が先に、私の言う事に従ってさえいれば、このような事にはならなかった筈だ」

澤崎「黙れ!素性も明かさぬテロリストが!!貴様のような奴に誰が従うか!」

ゼロ「おっと、これは失礼した」カチャ

ルルーシュ「…」

澤崎「な、なに?お、お前がゼロ…?」

ルルーシュ「そうだ」

曹将軍「こんな子供が…」

ルルーシュ「澤崎、お前は日本を再興する理想を掲げていたが、その実、本当の目的は自分の王国の設立だろう?」

澤崎「…!」

ルルーシュ「ふ、やはりな…。お前が本当に日本を思うのなら、中華連邦などではなく、日本解放戦線にいる筈だったのだから」

ルルーシュ「澤崎敦!貴様のような小物には日本を治められる力も、資格もない!」

澤崎「こ、この小僧が!」チャキッ

ルルーシュ「だが、貴様の心根の何処かに、まだ日本を憂える気持ちがあるのら!…我に従え!!」

キィィィン…!

澤崎「!」

曹将軍「!」

………………


…………


………


「…さま」

「……いさま」

ルルーシュ「…?」

「お兄様…」


「起きて下さい、お兄様」

ルルーシュ「……はっ?」ガバッ

ナナリー「きゃあっ」

ルルーシュ「……!?」

チュン… チュチュン…

ルルーシュ「こ…こは?」

ナナリー「おはようございます、お兄様」

ルルーシュ「……ナナリー………?」

ナナリー「? はい、ナナリーです」

ルルーシュ「ナナリー…?生きて…」

ナナリー「何をおっしゃっているんですか、お兄様?私は幽霊ではありませんよ?」

ルルーシュ「…!!ナナリー!」ガシッ

ナナリー「きゃあ?お、お兄様…どうしたのですか?///」

ルルーシュ「良かった…良かった……!」

ナナリー「く、苦しいです。お兄様」

ルルーシュ「あっ、す…すまない。取り乱して……」

ナナリー「いきなりびっくりしますよ」

ルルーシュ「その……長い、長い夢を見ていたようなんだ」

ナナリー「夢、ですか?」

ルルーシュ「ああ…お前も、母さんも……みんな、俺の前から消えていった…そんな夢を……」

ナナリー「そうだったんですか…。じゃあ、私がお兄様を悪夢から救ったのですね。ふふっ」

ルルーシュ「ああ…。あぁ、そうだな…」

ガチャッ

マリアンヌ「ナナリー?ルルーシュはまだ起きないの?」

ルルーシュ「!! か、母さん…」

マリアンヌ「なんだ、起きてたの。おはよう、ルルーシュ」

ルルーシュ「…」

マリアンヌ「? …どうしたの?」

ナナリー「お兄様、悪夢を見ていたんですって」

マリアンヌ「あら、そうなの。じゃあ冷たい水で顔を洗って、早く現実に戻ってきなさい。ナナリー、朝食の用意手伝って」

ナナリー「はい、お母様。…お兄様、早く来てくださいね」

ルルーシュ「あ、あぁ……」

パタン

ルルーシュ「………」

ルルーシュ「夢……か。なんの夢を見ていたか覚えていないが…」

ルルーシュ(この安堵感…よほどの悪夢だったんだろう…)

~????????~

ガチャッ

ルルーシュ「…」

咲世子「おはようございます。ルルーシュ様」

ルルーシュ「! 咲世子…!…さん?」

咲世子「? はい、どうかされましたか?」

ルルーシュ「何故、ここに………」

ルルーシュ「ここは、アッシュフォード学園のクラブハウス…?」

咲世子「そうですが…?」

ナナリー「咲世子さん、お兄様はさっきまで悪い夢を見ていたんですって」

マリアンヌ「まだ、目が完全に醒めていないみたいね」

咲世子「そうだったのですか」

ルルーシュ(なんだ……)

ナナリー「お兄様?早く、座ってください」

ルルーシュ「…あぁ」スッ

ルルーシュ(なんだ…この……違和感は…)

マリアンヌ「咲世子さん、紅茶を持ってきてくれる?」

咲世子「かしこまりました」スタスタ…

ナナリー「はい、お兄様」スッ

ルルーシュ「ん?……これは…」

マリアンヌ「ナナリーがあなたの為に作ったんですって」

ナナリー「お兄様、プリンが大好きでしたよね?」

ルルーシュ「…」

ルルーシュ「…あぁ、そうだよ。嬉しいな」

ナナリー「? あまり、嬉しそうには見えませんが…」

ルルーシュ「! い、いや!本当に嬉しいよ。ありがとう、ナナリー」

ナナリー「うふ、良かったです。さ、食べてみてください」

ルルーシュ「ああ、いただくよ(嬉しい……本当に嬉しい………だが…)」

パクッ

ルルーシュ「…」

ナナリー「どうですか、お兄様?」

ルルーシュ「……」

ルルーシュ「………味が…しない」

マリアンヌ「えっ」

ナナリー「本当ですか?ちゃんと作ったのに…」

ルルーシュ「いや……作り方に間違いはないんだろう。形も、食感も…プリンそのものだ」

ナナリー「…」

ルルーシュ「……ただ、俺が知らないだけなんだろう……『ナナリーが作ったプリン』の味を」

マリアンヌ「…」

ルルーシュ「約束はしたんだよな。ナナリーが俺にプリンを作ってくれるという…約束は……」

ルルーシュ「…だが……その約束は果たされる事なく…」

ナナリー「お兄様…」

ルルーシュ「何かおかしいと思った…母さんやナナリーが生きているのに、咲世子さんともアッシュフォード学園のクラブハウスで一緒に暮らしている」

マリアンヌ「こういった可能性の世界もある筈だわ」

ルルーシュ「ああ……これは…俺自身が望んで作り出した……これこそ、夢…」

ルルーシュ「その証拠に…ナナリーは昔の姿のまま……」

ナナリー「…」

コンコン

マリアンヌ「?」

ナナリー「お客様…?」

ルルーシュ「……迎えが来たか」

ナナリー「リヴァルさんですか?」

ルルーシュ「…。いいや、違うよナナリー…」スッ

マリアンヌ「…行くの?ルルーシュ」

ルルーシュ「ああ…行かなくてはいけない。俺にはやるべき事があるから」

コンコン

ナナリー「私達と一緒にいるよりも、大事な事なのですか?」

ルルーシュ「………俺は、この世界…いや、この夢の中にいる資格はないんだよ、ナナリー」

ルルーシュ「ありがとう…母さん、ナナリー。再び、俺と会ってくれて」

コンコン

ルルーシュ「ごめんなさい、母さん。あなたが命をかけて守ったナナリーは……」

マリアンヌ「…」

コンコン

ルルーシュ「すまなかった、ナナリー…。日々衰弱していくお前を、俺はただ見ているだけしか出来なかった…」

ナナリー「お兄様…」

ルルーシュ「…すぐには行けないけど…」

コンコン

ルルーシュ「いつか……」

コココンコココンコココンコン

ルルーシュ「いつか必ず、二人の元…に……
コンコココンコンッコンコンッ

ルルーシュ「…ええい!!別れの挨拶ぐらい、ちゃんとさせろ!この魔女めっ!!!」

バンッ!!

c.c.「起きろ、ルルーシュ」

~斑鳩内 ゼロの私室~

c.c.「おい、起きろ」

ルルーシュ「う………ん…」

ルルーシュ「…ここは……」

c.c.「斑鳩の中だ。お前は捕虜達にギアスをかけた直後に倒れたんだ」

ルルーシュ「…そうか」

c.c.「………大丈夫か?」

ルルーシュ「心配は無用だ。久々に大人数へギアスを使ったからな、その反動だったんだろう」

ルルーシュ「…お陰で懐かしいものも見れた」

c.c.「?…まぁ無事ならそれでいい。部下達も心配していたぞ。顔を出してやれ」

ルルーシュ「…ああ、わかっている」カチャ

c.c.「ああ、ちょっと待て。お前が寝ている間、澤崎への尋問でわかった事だが」

ゼロ「?」

c.c.「お前が探してたトードーとシセイケンとやらの潜伏場所がわかった」

ゼロ「! 本当か」

c.c.「ああ。奴等はちょっと前まで補給の為にフクオカ基地に寄っていたそうだ。私達とは入れ違いだったみたいだが」

ゼロ「して、彼等は何処にいる?」

c.c.「ナリタの日本解放戦線のあった基地に身を隠しているそうだ」

ゼロ「ナリタに…」

c.c.「ブリタニアとの戦いの後、あそこは基地としての機能を失って放棄されたからな。隠れ家にするにはちょうど良かったんじゃないか」

ゼロ(…ナリタの戦いの後、彼等は我々とは合流せず、行方不明になっていた。何処に潜んでいるかと思えば、またナリタに戻っていたとは)

c.c.「ブリタニアと日本解放戦線の戦いに乱入したあの時も、奴等の捕獲が本当の目的だったものな」

ゼロ「ああ。あの時は今程戦力もなく、白カブトやグラストンナイツの邪魔も入ったからな……だが、今度は逃がさん」

ゼロ「斑鳩をナリタに向かわせる。藤堂と四聖剣の力もまた、ブラックリベリオンにはなくてはならない必要な駒だ」

c.c.「そう言うと思って、ナリタへ向かっている所だ」

ゼロ「…良し。c.c.、お前は斑鳩に残っていろ」

c.c.「ガウェインは出ないのか?」

ゼロ「今回は戦いに行く訳ではないからな。無頼で十分だ。それに、誰かさんが傷をつけた分の修理も行わねばならん」

c.c.「悪かったな」

ゼロ「お前には、彼等を連れて帰ったきた後にやってもらう仕事があるからな。それまで待機だ」

c.c.「わかったよ。斑鳩では冷凍ピザしか食えないから不満だ。さっさと連れて戻ってこい」

ゼロ「ピザピザピザ…お前の頭にはそれしかないのか」

c.c.「私はc.c.だからな」

ゼロ「意味がわからん」

~斑鳩 格納庫~

カレン「ガン・ルゥ…結構な数が手に入りましたね」

ラクシャータ「そうだねえ。試作の段階で何機かダメにしちゃうかもしれないけど、ゼロ様の求めるkmfは完成すると思うわよぉ?」

カレン「ガン・ルゥを基にした、決戦用kmf…『神風』ですか」

ラクシャータ「そ。無駄な武装は取り除き、あの白カブト並の機動力を持って敵に特攻する…。流体サクラダイト大量搭載の特攻kmfねぇ」

カレン「来るブラックリベリオンの先陣を切る、重要な戦力…」

ラクシャータ「あのブリタニアの魔女もさぞや驚くだろうねぇ」

コツコツ…

ゼロ「ふむ…kmfもどきとは言え、こうやって並べて見ると壮観だな」

カレン「ゼロ様!」

ゼロ「カレン、制圧の任、ご苦労だったな」

ラクシャータ「大丈夫なのかい?ゼロ様」

ゼロ「心配いらん。私もたまには疲れる事もある」

ゼロ「それよりも、これから我々はナリタに向かい、藤堂鏡志郎と四聖剣の面々の捕獲を行う」

ラクシャータ「それじゃあ、ずぅ~っと埃を被ってたあの子達の出番がようやく来るんだねぇ」

カレン「紅蓮弐式の量産型、月下ですね」

ゼロ「ああ。日本解放戦線で使われている無頼改では、彼等本来の実力も存分に発揮できまい」

ゼロ「素直に我々に降ってくれれば、なんの問題もない。…が、ナリタで合流せずにすぐに姿を隠したという事は、私を信用していないと思っていいだろう」

カレン「安心して下さい。何があろうと、ゼロ様は私がお守りします」

ゼロ「うむ。カレン、君は私の無頼と共に来てもらう」

カレン「はいっ!」

ラクシャータ「無頼?ガウェインで行かないのかい?」

ゼロ「あのような物騒なkmfで行けば余計に警戒されるだろうからな」

ゼロ「万が一、話し合いが決裂した場合の策も考えてある。ラクシャータ、お前が開発したあれを使わせてもらう」

ラクシャータ「ゲフィオンディスターバーかい?いいけど、間違って自分が引っ掛からないでよぉ?」

ゼロ「ふ、私を誰だと思っている…」

~ナリタ連山 日本解放戦線基地跡地~

藤堂「…」

朝比奈「藤堂さん、聞きました?例の噂…」

藤堂「……ああ。キュウシュウの事か」

卜部「ブリタニアと黒の騎士団が共同で澤崎と中華連邦の反乱を未然に防いだってあれか…」

仙波「我々がキュウシュウを発ってすぐの事だったようだな…。危うく、巻き込まれる所だった」

千葉「しかし、ブリタニアが黒の騎士団と一時的とはいえ、手を組むとは…」

藤堂「…ブリタニアはその事に対しては、何も言っていないそうだな」

朝比奈「まぁ、テロリストと呼んでる連中の手を借りたなんて、言えやしないですよね」

藤堂「……」

千葉「藤堂中佐?どうされました?」

藤堂「…今回のキュウシュウの出来事……」

藤堂「恐らく、ブリタニアは関わっていないだろう」

千葉「え?」

朝比奈「どうしてそう思うんです?」

藤堂「ブリタニアは黒の騎士団を最も警戒している。あのコーネリアの気質を考えると、黒の騎士団との共同作戦など認める筈もない」

卜部「では、ブリタニアのkmfが一緒にいたというのは…」

藤堂「恐らくはゼロが戦力として取り込んだ奴だろう」

朝比奈「そういえば、黒の騎士団はブリタニアのkmfを従えてるという噂もありましたっけ」

千葉「所詮、噂と気にはしていなかったが………まさか…」

仙波「むぅ…」

藤堂「以前、黒の騎士団が乱入してきたあの戦いの時も、ブリタニアのkmfを何機か行動不能にしていたようだしな」

仙波「しかし…兵力でブリタニアに大きく劣る黒の騎士団に、ブリタニア兵が降伏するとは到底思えませんな」

藤堂「kmfだけを奪ったという事も考えられるがな。…とにかく、今の我々に正しい情報を手に入れる術はない。噂に頼らねばならんとは情けない事だ」

千葉「日本解放戦線も、私達5人だけになってしまいましたからね…」

朝比奈「な~に、藤堂さんさえいれば再起は何度だって出きるさ」

藤堂(仮に黒の騎士団がキュウシュウを攻め落としたとしたら、あの中華連邦製のkmfも騎士団の戦力に…。澤崎がゼロに我々の事を話していたら、もしかすると次は……いや、考えすぎか…)

……ザザー…

藤堂「…ん?」

卜部「通信?……誰だ?」

『藤堂鏡志朗、そこにいるな?』

卜部「誰だ?」

千葉「まさか、ブリタニアが?」

藤堂「いや、違うな。この声には聞き覚えがある…」

『私はゼロだ。君達に話があって来た』

仙波「ゼロ…」

朝比奈「話だって?」

ゼロ『表に出てきてくれないか。こちらは私と護衛のkmf一機しかいない』

藤堂「…」

千葉「中佐、どうします?」

藤堂「…あのゼロの事だ。何か仕掛けがあるに違いない」

朝比奈「…でしょうね」

藤堂「しかし、ここに立て籠っても意味はない。…出るしかないだろう」

ゼロ「……さて、どう出るかな」

カレン「………………!出てきました!!」

無頼改『…』

ゼロ(やはりkmfで出てきたか)

藤堂『…そちらの角付きの無頼に乗っているのがゼロか?』

ゼロ「ああ…」

プシュッ

無頼のコックピットハッチが開き、ゼロが姿を現す

藤堂『!』

ゼロ「お初お目にかかる。藤堂鏡志朗、それに四聖剣の面々…私が黒の騎士団総帥のゼロだ」

ゼロ「隣のkmfは紅蓮弐式。私の護衛として来てもらっている」

紅蓮『…』

千葉『あれが騎士団のエース…』

卜部『悪名高い、赤いkmfか…』

仙波『向かい合っているだけでも、実力の高さがハッキリと見てとれるな…』

藤堂『…話とは?』

ゼロ「キュウシュウの事は既に知っているか?」

藤堂『…。噂程度には』

ゼロ「ふむ。先日、我々はキュウシュウへと攻めいり、中華連邦と結託した澤崎の部隊を壊滅させた。澤崎は中華連邦に支配された日本を作りあげようとしたからだ」

ゼロ「その後、捕虜となった澤崎から君達の事を聞いたのだ。各地でブリタニア相手にレジスタンス活動を行っていたようだな」

藤堂『ああ、その通りだ』

ゼロ「藤堂よ、君と私の敵は同じブリタニアだ。我々と共に戦ってはくれないか」

ゼロ「実力者揃いとはいえ、たった5人での活動は極めて効率が悪い。ブリタニアが相手では、まさに焼け石に水といえるだろう」

藤堂『…』

ゼロ「こちらには君専用のkmfを用意している。その無頼よりもはるかにスペックの高い機体だ」

朝比奈『既に部下にした気でいるのか、気に入らないね…』

藤堂『焼け石に水……か。確かに、そうかもしれん。だが、我々はどうしても君とは手を組めない訳がある』

ゼロ「ほう…その訳とは何だろうか」

藤堂『それは、君を信用出来ないからだ』

ゼロ「…………ふむ」

藤堂『以前、ブリタニアに追い込まれていた際に窮地を救ってくれたのには感謝している。……しかし、兵を駒のように扱う君の考え方には賛同出来ん』


千葉『黒の騎士団のkmfには自爆装置が搭載されているようだな。騎士団員は追い込まれると自爆をすると聞いた』

朝比奈『そんな事を平気でさせる男の下には、怖くてつけないよね』

ゼロ「それぐらいの覚悟がなくては、ブリタニアという大国の相手をする事は出来ない。私の部下達はそれを理解し、実行しているだけだ」

藤堂『…』

ゼロ「彼等の犠牲を無駄にしない為にも、私は絶対に勝たなくてはならない。だから、君達の力がどうしても欲しいのだ」

ゼロ「…もう一度だけ言う。藤堂、日本の為…散って行った部下達の為……黒の騎士団の力となってくれ」

藤堂『…すまないな、ゼロ』

藤堂『こちらの考えは変わらない。我々は自分達の力だけでブリタニアと戦う』

ゼロ「……そうか。それは、残念だ…」

藤堂『…』

藤堂『気を抜くなよ…』

千葉『…?』

仙波『ゼロがこんな簡単に引き下がるとは思えん』

ゼロ「…………だが、ようやく見つけたお前達をここで逃がす訳には行かない」

藤堂『…!』

ゼロ「不本意ではあるが……実力行使と行かせてもらおう!黒の騎士団!!!」パチンッ

ピピピピピピー

千葉『こ、これは!?』


ゼロが指を鳴らすと、藤堂達を囲むように配置されたkmfの反応が一斉に現れた

ゼロ『黒の騎士団よ!藤堂と四聖剣を捕獲せよ!!』

団員『了解!!』

ゼロは伏せていた無頼の部隊に命令を下すと、紅蓮弐式と共に森の中へ姿を消していった

千葉「結局は武力で従わせる気か…!何が話し合いだ!」

朝比奈「藤堂さん、どうします?無頼程度なら殲滅させる事も出来ますけど」

藤堂「いや、戦う必要はない。ゼロは我々を消耗させようと企んでいるかもしれん」

卜部「では、強行突破を?」

仙波「…中佐、包囲網に一点の綻びが見えます」

藤堂「よし…その綻びを切り開き、突破口とするぞ!一機たりとも遅れるな!」

四聖剣「承知!」

ゴオオォォ…!

無頼『!』

仙波が見つけた包囲網の穴の前に無頼二機が立ちはだかる

千葉「死にたくなくば、そこをどけ!」

千葉の無頼改が廻転刃刀を構えながら、無頼に接近する

朝比奈「無駄だって、千葉。ゼロの狂信者にそんな事言ったって」

無頼『!』バシュシュッ

千葉「!」

その脅しに怯む事なく、無頼二機は千葉達にスラッシュハーケンを放つ

朝比奈「ほら、ね」

千葉「ちっ…」

避け様に千葉と朝比奈は無頼の脚を叩き切った

玉城『ちっくしょおぉ~!』ズシーン


藤堂「よし、道は開いた!このまま突っ切るぞ!!」

四聖剣「承知!」

団員「逃がすな、追え!!」

ゴオオォォ…

騎士団の無頼部隊が藤堂達を追跡するが、カスタム機である無頼改のスピードにはついて行けず、徐々に距離を離されていく


千葉「このまま逃げ切れるといいが…」

卜部「そうは問屋がおろさないだろう」

藤堂「気をつけろ、奴が来るぞ!」


メキベキベキベキッ

ギャギャギャギャッッ

紅蓮『…』

木々を薙ぎ倒しながら紅蓮弐式が出現。藤堂の前に立ち塞がった

カレン『逃がさないよ』

仙波『この声……女か?』

藤堂「紅蓮弐式…凄まじい殺気だな」

千葉「藤堂中佐、追っ手はまだこちらには追い付いてきていません。ここは散開してこのkmfを抜けた方が…」

藤堂「…いや、それは駄目だ。このkmfは尋常な相手ではない……散開などしたものなら最低でも2機は捕まるだろう」

千葉「…!」

朝比奈「そして、姿を現さないゼロが後に控えてると考えると…」

卜部「残った3機も同じように捕まる可能性が大きい…か」

仙波「ならば、方法は一つ…」

藤堂「うむ。全員で速やかにこの紅蓮を行動不能にするしかあるまい」

藤堂「ここは旋回活殺自在陣で往く!」

四聖剣「承知!!!」

ゴオオォォ…

カレン『来る…!』

紅蓮弐式が右腕を前に出し、構える

藤堂「仕留めようと欲を出すな!動きさえ出来なくすればいい!」

千葉「はいっ!」


ギャギャギャギャ…!

5機の無頼改が紅蓮弐式に迫る

紅蓮『…!』

流石の紅蓮弐式と言えども、藤堂、四聖剣のエースパイロット相手にたった一機で太刀打ち出来る筈もない

活路を切り開く為、藤堂達は捨て身で紅蓮弐式に襲い掛かる

藤堂「行くぞ!!紅蓮弐式!!」

カレン『……っ!ゼロ様!!』


――しかし、そんな藤堂達の覚悟…わずかな希望をかき消すかのように、ゼロは笑う

ゼロ『フフフハハハハ!!愚直すぎるぞ、藤堂鏡志朗!』

ゼロ「今だ、やれっ!」

扇「了解!ゲフィオンディスターバー始動!!」ピッ


ヴンッッ

バヂバヂバチィッッ!!!


紅蓮、無頼改に強力な電磁波が走り、双方の動きが完全に停まる

藤堂『!?』
千葉『なにっ!?』
朝比奈『あ、あれ?』
卜部『こ、これは…!』

仙波『まさか……!!』

カレン「………よし」

扇「よし!策は成った!!囲め!」

さらに森の中から武装した黒の騎士団員が現れ、無頼改は完全に囲まれた

藤堂『……不覚!』

仙波『まさか…こちらが本命だったとは……!』

ゼロ「チェックメイトだ。藤堂」

藤堂『…』

ゼロ「もはや、君達に成す術ははあるまい。出てくるのだ」

プシュッ …


…ザッ

藤堂「わざと包囲網に穴を開け、我々を誘い込み、赤いkmfを囮に罠とするとは…さすがだな、ゼロ」

ゼロ「お褒めいただき光栄だ。相手が君達だったからこそ、成った策だ」

朝比奈「…やれやれ……言葉も出ないね」

千葉「…くっ……」

藤堂「ゼロよ。俺達を捕らえてどうするつもりだ」

ゼロ「無論、黒の騎士団として戦ってもらう。君達には幹部の席を用意してある」

藤堂「いくら説得しようと、拷問にかけようとも、我々がお前達の仲間になる事はない」

ゼロ「…」

藤堂「ゼロ、お前のやり方は間違っている。ブリタニアと戦うにしろ、もっと他に方法はあった筈だ」

ゼロ「…他に方法……か。もし、私がナリタの戦いの際、その『他の方法』でブリタニアに挑んでいたら……君達はこの場にいなかったのかもしれんな」

千葉「!?」

ゼロ「綺麗事や精神論だけで勝てる程、ブリタニアは甘くはないのだ。奇跡の藤堂よ」

藤堂「……そうか。もう、お前と話す事は何もない。…藤堂鏡志朗、四聖剣は既に死んだ」

卜部「…」

仙波「……」

藤堂「煮るなり焼くなり好きにするがいい、ゼロよ。だが、何をされようとも我ら誰一人、お前に屈したりはしない」

ゼロ「フフ……ハハハハ…!」

藤堂「…」

ゼロ「…流石だよ、藤堂。その強い信念を持つ者こそ、私の部下となるに相応しい」

千葉「まだ言うか…!」

ゼロ「それ程の強い信念を持つならばあるいは………耐えられるのかもしれないな」

カチャッ

卜部「!」

ルルーシュ「…」

藤堂「…!」

朝比奈「これがゼロ…」

ルルーシュ「さぁ、見せてもらうぞ。お前達の信念の強さを…」

仙波「こんな子供に我々は…」

ルルーシュ「ゼロが命じる!…我に従えっ!!」

キィィィィン…!!

藤堂「!」
四聖剣「!!!!」

~斑鳩 ゼロの私室~

c.c.「………ゼロ・レクイエム?」

c.c.「………。…ふぅん……そっちのルルーシュはそんな事を企んでいるのか」

c.c.「……。ああ、こちらはまだブラックリベリオンも始まっていない」

c.c.「…私が余計な事を言ったからな。ブラックリベリオンは失敗したと……」

c.c.「…そうだな。だから慎重になっているんだろうさ」

プシュッ

ゼロ「…戻ったぞ」

c.c.「おかえり、ルルーシュ。……悪いな、仕事が入ってしまった」

ゼロ「…」

ゼロ(……皇帝となった俺の世界のc.c.…か)

c.c.「……ああ、またな…上手く行くよう願っているよ」

c.c.「さぁ、始めるか」

ゼロ「……何かあったのか?」

c.c.「…ふっ、気になるか?」

ゼロ「他人事ではないからな」

c.c.「確かに、そうだな」

c.c.「…皇帝となったお前を認めない者達が集まり、新生ブリタニア帝国に宣戦布告したそうだ」

ゼロ「ほう…」

c.c.「相手はシュナイゼル率いる旧ブリタニア勢と黒の騎士団の混成軍だ」

ゼロ「……シュナイゼルが相手か。厳しい戦いになりそうだな」

c.c.「…ああ(…妹まで敵に回った事は言わない方がよさそうだな)」

c.c.「それと、向こうのお前は遂にあの白兜を味方につけたようだ」

ゼロ(!スザクを…)

c.c.「…しかも、ギアスを使わずに、な。向こうのお前も中々やるじゃないか」

ゼロ「ギアスを使わずに…!?あのスザクを説得出来たというのか?」

c.c.「さぁ、どうやって引き入れたのかは知らん。それより、さっさと仕事を終わらせたい」

ゼロ「………あ、あぁ」

c.c.「冷凍ピザでは私の欲求は満たされないからな」

ゼロ「…。…箱3つも空けといてよく言う……」

ゼロ「入ってこい」

プシュッ

藤堂「失礼します」

ゾロゾロ…

c.c.「これが噂のトードーとシセイケンか。確かに、強そうだな」

ゼロ「…紹介しよう、彼女の名はc.c.。たまに私の代理人をしている女だ」

c.c.「よろしくな」

藤堂・四聖剣「はっ!!!!」ビシッ

c.c.「…うるさいな」

ゼロ「日本の軍人はこんなものだ」

ゼロ「…c.c.の言う事は私の言葉と思い、従うように。ピザ関連の命令は無視しても構わない」

藤堂・四聖剣「はっ!!!!」

c.c.「おい」

ゼロ「よし、後は頼んだぞ」

c.c.「…ふん。ああ、任せておけ」

プシュッ

c.c.「……さて、面倒だが始めよう」

c.c.「早速だが、お前達にやってもらいたい事がある」

藤堂「なんなりとご命令を」

c.c.「そんな固くならなくてもいい。私と一つの『契約』を結んで欲しいだけだ」

千葉「契約…?」

c.c.「ああ。幹部にのみ与えられる特別な契約だ」

c.c.「なに、難しい事じゃない。私の言う通りに従ってくれれば、それで…な……」キュイイイィィ…

藤堂・四聖剣「……………!」

c.c.「さぁ、契約を始めよう…」

コツコツ…

ゼロ(…ガウェインの奪取、中華連邦の戦力吸収、藤堂、四聖剣の捕獲……全て上手く行っている……)

ゼロ(後はkmf神風の完成を待ち、そして………)

c.c.『あの白兜を味方につけたようだ』

ゼロ「…」

ゼロ(ギアスを使わずに…か……スザク…俺のただ一人の親友…………)

ゼロ(……俺は…)

電話「ピリリリリリ…」

ゼロ「!」

ピッ

ゼロ「私だ。どうした?」

電話「ピリリリリリ…」

ゼロ「…、プライベートの方だったか。咲世子か……?」

スッ

ゼロ「………会長だと?」

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