P「今日は3時30分からTHE iDOLM@SCLETERか・・・」 (71)

女「嫌よ!いきなり顔も見たことない相手から結婚を前提におつき合いとか言われて、ハイいいですよなんて言うわけないじゃない!」

黒服「ごもっともです。ですからまずはお会いするだけでも・・・」

女「じゃあなんで本人が来ないのよ?どうせヒョロヒョロでガリガリで弱っちいから私にビビッたんでしょう?」

黒服「我が主は大変忙しいので、日本に立ち寄れるのもわずかな時間なのです。ですから先に我々がお迎えに」

女「こんなに怪しいあなた達についていくわけないわよ。どうしてもその主とやらの元に連れて行きたければ・・・」

黒服「連れて行きたければ・・・?」



女「私を倒して無理やり引っ張っていくことね!」ムキムキムキムキィ!!




ベキッバキボコッドスドスドスッ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417611056

黒服「・・・ごふっ・・・ぜ、全員無事か?」

黒服「ああ、なんとか・・・」

黒服「くそ、なんて強さだ・・・しかも逃げられてしまった!」

黒服「しかたない、応援を呼ぼう。あーあー、こちらチームα、ターゲットに逃げられた。至急応援を頼む、どーぞ」

『こちらチームβ、至急現場に向かう。ターゲットの特徴を教えてくれ』

黒服「了解、応援感謝する。ターゲットの特徴は、えーと・・・」




「ドレスを着たムキムキの若い女だ」

~結婚式場~

パシャッパシャッ

カメラマン「いいですねー、じゃあ今度はこっちからもう一枚撮りますよー」パシャッ


今日は雑誌のモデルの仕事だ。結婚雑誌のウェディング特集ということで皆それぞれ適した衣装を着ている。

そして今、ウェディングドレス姿のあずささんがピンで撮影中だ。

美希「とっても似合ってるね、流石はあずさなの」

真「いーなぁ、綺麗だなぁ・・・はぁ、結婚雑誌のモデルっていうからボクもヒラヒラでフリフリした可愛い服が着られるって思ったのに」

竜宮小町で人気のあずささんと、別に結婚式に似合いそうなモデルを二人ほど先方が希望だったので、うちのアイドルから美希と真を連れてきた。

人気の竜宮で揃えようにも伊織と亜美では容姿が幼すぎると、まあそういうことだろう。

こちらとしても仕事をみんなに回せるのはありがたいことだ。

だが美希はドレス姿であるのに対し、真はタキシード姿である。というのも、

P「すまん、男も一人欲しいって依頼だったんだが、うちの事務所女性しかいないからな・・・」

真「ふーんだ、ボク拗ねちゃいますからねー」

拗ねられると困る。主に物理的な意味で。

美希「真君、それぴったりなの。選んだネクタイのセンスも流石って感じ!」

真「そ、そうかな・・・えへへ・・・」

美希のフォローでなんとか機嫌を損ねずに済んだ。

撮影は今日丸一日で、今はまだ午前中。今日は長い一日になりそうだ。

どうか今日も平穏無事に終わりますように。






だがこの平穏は、2時間も経たぬうちにたやすく粉砕されるのであった。

 

この番組は

P「今日は0時00分からTHE iDOLM@SCLETERか・・・」

から始まる一連の話の続きとなっていますが

とりあえず筋肉だということだけわかっておけばなんとかなるかもしれません


 

~CM~

PlayStation3専用ソフト THE IDOLM@STER ONE FOR ALL

好評発売中!

~CM~

 

        第八話 まっするへ
                   の
                   回
                   り
                   道


 

~楽屋~

あずさ「まさか、初めてのウェディングドレスがお仕事だとは思いませんでした」

P「どうしてですか?」

あずさ「私、自分はもっと早く結婚するものだと思ってましたから」

P「なるほど、あずささんは結婚願望が強いんですね。似合ってますよそのドレス、サイズもぴったりですし」


失礼な話だが、最初にうちの事務所にブライダルの仕事が来たときは何かの間違いではないかと思ったものだ。

だが考えてみれば当然のこと。いくら筋肉が鎧のようであっても彼女たちは人であり、食事をするのも恋をするのも俺たちと変わらない。

だからこそこうした筋力系の結婚式の需要があり、そのモデルとしての仕事も回ってくる。

あずさ「それに、こうして頑張っていればいつか運命の人が見つけてくれるかなって」

P「あずささんの思う運命の人ってどんな人ですか?」

あずさ「そうですね~、まずお金が・・・あ、そうだ。プロデューサーさん、このドレスもうすぐ着替えちゃうんですよね」

P「はい、昼休み終わったら別の衣装です」

お金が、の後は聞かなくていいや。

あずさ「それじゃあ・・・」

あずささんは大きな鏡の前へ行き、意外と手早く携帯を操作する。

ピロリーンというデフォルトらしい音が鳴り、どうやらまた一枚この世に筋肉が刻まれてしまったようだった。

P「あ、よければ俺撮りましょうか?」

あずさ「大丈夫です、友達に送るだけですから・・・えっと」ピピピッ


『結婚することになりました。抜け駆けしない約束だったけど、ごめんね』


あずさ「画像も付けて、これでよし・・・っと。うふふ、友美びっくりするかしら」

あずささんがメールを送るや否やその携帯が返信を知らせる振動を始めた。

あずさ「あら早い、えーっとなになに・・・」

と、メールを見たその顔がそのまま凍りついた。

P「どうしました?」

あずさ「ぷ、ぷ、ぷ」

P「ぷ?」

あずさ「プロ、プロロロ、プロロロロオオオオアアアアア」

こちらを向いたあずささんの目の焦点がだんだん合わなくなってきた。

まずい、この現象は――

P「二人とも、気をつけろ!」

アズサ「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」

美希「暴走あずさなの!」

真「何で!?お酒まだ残ってるよ!?」

P「わからん!わからんが被害を出すわけにはいかない!真は扉前で待機してあずささんを外に逃がすな!美希は攻撃を引きつけろ!」

真「プロデューサーは!?」

P「律子を呼ぶ!」

俺には肉体言語的なことは何もできないからな!

だが、予想に反してあずささんはこちらに向かっては来ず、我々に背を向けてそのまま窓からダイブ・・!?

P「おいおいここ4階だぞ・・・!」

あずささんが飛び出して数秒、下からズゥン・・・と鈍い音が遅れて響き、そのままドスドスと走り去る地響きがビルを揺らした。

P「まずいぞこれは・・・」

暴走状態がいつまで続くのかは知らないが、今の状態は獣が街を走り回るのと大差ない。

『765プロの三浦あずさ、街一つを破壊!』なんてことになればいろんな方面にただじゃすまない。

だが休憩時間はもうすぐ終わる。このままこちらをほったらかしにするわけにも・・・

P「・・・しかたない、美希、できるだけ早く戻ってくるからなんとか時間稼ぎしといてくれ」

美希「うん、ミキやってみるの!」

P「真は俺と一緒に行くぞ、もし暴走状態のままだったら・・・すまんが律子たちが来るまで殴りあってくれ」

真「わ、わかりました」

P「あとは・・・律子に連絡だな」

時間もないのでメールで『あずさ超特急』とだけ送っておいた。律子ならわかってくれるだろう。

~屋外~

アズサ「ア゛ア゛ア゛ア゛・・・ア゛ア゛・・・ァァァァ・・・」

あずさ「・・・あ、あら~?ここはどこかしら~?」

あずさ(たしか、友美からのメールを見たところまでは覚えてるんだけど・・・)ブー、ブー

あずさ「あら、電話だわ・・・って友美?」

あずさ「もしもし友美?あなたまで結婚するってどういうこ・・・え、嘘?なぁんだ、びっくりしたわ~・・・」

あずさ「ええそうよ、私も嘘、これはお仕事の衣装なの」

あずさ「っていけないわ、もうすぐ休憩時間終わっちゃう。ごめんね、また今度ゆっくりお話ししましょう?じゃあね」ピッ

あずさ「さて、早く式場に戻らないと・・・」

黒服「おい、いたぞ!」

黒服「女性を発見、ああ、連絡のとおり筋肉モリモリ、マッチョレディのドレスだ」

黒服「さあ行きますよ、車に乗ってください」ガシッ

あずさ「え?え?あ、あの、私撮影が・・・」

バタンブロロロロロ

真「遅いですよプロデューサー!」ズシンズシン

P「ま、真が、速いんだよ、はあっ、はあっ、な、なあ、タクシー、使わないか?」

真「車なんか乗ってたら見失っちゃいますよ!それに今ならまだそんなに遠くまでいってないだろうし歩きの方が便利です!」

俺の全力疾走に対し、こんなのジョギングですよ?と言わんばかりのペースと顔で俺の前を走る真。

スーツは運動に向いてないなと思いながら、しかしより動きにくそうなタキシードの真はなぜあんなに涼しい顔で走っているのだろうか。

真「あ、いた!」

P「本当か、どこだ!」

真「ほらあっちですよ!」

真の指差す先を見ると、そこにはあずささんと謎の黒服数名がいた。どうやら見る限り暴走は収まっているようだ。とりあえず安心・・・

と、そのまま黒服の車に無理やり乗せられるあずささん。なかなかのスピードで走り去る車。置いていかれた俺たち。

真「ね、ねえプロデューサー、これってもしかしてもしかしなくても」

P「ゆ、誘拐・・・!?」

真「大変だ!プロデューサー、今すぐ助けに行きましょう!」

P「ああ!・・・だが焦るな、ちょっと待て!」

真「何ですか、ひょっとして何かいい案が・・・」

P「・・・・・・限界なんでタクシー使わせてください!」

真「もう!このひょろひょろプロデューサー!」

これでもたるき亭の店主からはおお兄ちゃん最近ガッシリしてきたなあと言われてるんだけどな。

~車内~

黒服「顔も見たことのない相手との結婚を前提に・・・などと言われても気が進まないのはわかります」

黒服「ですが我らが主は立派なお方。会っていただければ、きっとあなたもお気に召すでしょう」

あずさ「あ、あの~・・・もしかしたら、人違いをされているのでは・・・あはは・・・」

黒服「は?いや、そんなはずは・・・間違いなくドレスを着たムキムキの若い女性・・・」

黒服「一応チームαに聞いてみるか・・・あーもしもし、こちらチームβ、対象の容姿を確認したい、どうぞ」

黒服「・・・ああ、ドレスでムキムキだ・・・それで黒髪ショートで間違いないな?・・・は、違う?」

黒服「違うだと?じゃああなたは・・・」

あずさ「私、三浦あずさと申します。竜宮小町というユニットでアイドルやってます~」

黒服s「はあああああ!?」

黒服「紛らわしい格好しないでください!」

バタンブロロロロロ

あずさ「あ、あら~、どうしましょう・・・またさっきよりもわからない場所に来ちゃったわ~・・・」

あずさ「まあとにかく、なんとか式場に戻らないと・・・それで、どうやって戻ればいいのかしら~・・・」

あずさ「とりあえず歩いてみましょうか。たぶん・・・こっちね~」ズンズン

黒服「全く、まさか人違いだとは・・・」

黒服「だがちゃんと確認しなかった我々も我々だ、あの女性を八つ当たりのように追い出してしまって申し訳なかったな」

黒服「ドレスのムキムキが二人もいるなんて普通は考えないからな・・・おっと、αからだ、はいこちらチームβ、どうぞ」

『こちらチームα、ターゲットを発見!だが抑えきれない、至急応援を・・・ぐあああ!!』ブツッ

黒服「おい大丈夫か!くそ、通信が切れた!」

黒服「おいおいどうやら本命は随分危険なようだな・・・αが壊滅させられるとは、俺たちだけでは対処できるのか・・・」

黒服「ああ、せめてこっちにも誰か普通以上に力のあるやつがいれば、安心なん・・・だが・・・」

ティン!

黒服s「・・・・・・さっきの女性だ!!」

黒服「引き返せ!探してスカウトするぞ!」

ブロロロロロ

~どこかの路地~

女「ふん、私を捕まえようっていうならあと20人は連れてきなさいっていうのよ・・・っていうかさっきより数減ってない?逃げたの?」

黒服「げほっ・・・チームβが見つけたというから数人向こうに行かせたんです・・・結局人違いでしたが・・・」

女「私と見間違えるほどの女性ねえ・・・その人強いの?」

黒服「報告ではムキムキだと聞いていますが、強いかどうかは・・・」

女「へえ・・・ねえ、私をそのチームβの見つけたっていう女性のところに連れて行きなさい。そしたらあんたのところの主と会うだけ会ってあげてもいいわ」

黒服「な、なんですって?」

女「これはお願いじゃないわ、命令よ。連れて行かないっていうなら・・・」ムキムキムキィ

黒服「い、行きましょう!おい車の準備だ!」

バタンブロロロロロ

~街中~

真「プロデューサー、もっと急いで!」

P「無理いうな、法定速度いっぱいいっぱいだ!」

タクシーを止めてる間に誘拐犯たちの車は見失ってしまったが、とりあえず逃げられた方向へと急いで追う。

もちろん俺はタクシーに乗り、それを先導するように真がタクシー以上の速度で疾走している。彼女たちに自動車は必要ない。

P「しかし、この広い街中で車一台をやみくもに探してもそうそう見つかるわけが・・・」

真「見つけましたよ!プロデューサー、あれです!あずささんをさらったの!」

P「本当か!?よし運転手さん、前の車を追ってください!」

運転手「お、おう!しかしあんたら、特殊部隊かなんかかい?」

P「いえ、一応アイドルです!」

黒服「おい、今度はムキムキのタキシード男が追ってくるぞ!」

黒服「今日はやたら筋肉に縁があるな!なんかこっちに向かって叫んでるぞ?」


真「こらー!あずささんはどこだー!」


黒服「あずさ?さっきの人のことだ!」

黒服「こいつらもあの人を探してるのか。まずいな、合流されて帰られたらターゲットを抑えられなくなる」

『緊急連絡、ウェディングドレスを着た黒髪ショートの女性を駅で目撃。繁華街へ移動している模様』

黒服「了解!急げ、何としても先に三浦あずさを確保するんだ!」


真「プロデューサー!あいつら車から降りてそこの繁華街に入っていきますよ!」

P「わかった!すいません、ここで止めてください!・・・あ、領収書も下さい!」

黒服に遅れること数分、俺たちは下町感あふれる繁華街の入り口に立っていた。

真「参ったなあ、まさかここに逃げられるとは・・・」

P「何かまずいのか?見た感じ普通の繁華街だけど」

真「説明は後です!今は急いであいつらを追わないと!・・・でも、気を付けてくださいねプロデューサー」



真「ここから先、はぐれたら命の保証はありませんよ」



P「ちょ、まこ・・・!?」

真「だからはぐれないように一生懸命ついてきてくださいね!どりゃあああああ!!!」ダダダダダッ

P「言ったそばから全力!?待てって真!そんなスピード追いつけるわけがないから!」タタタタッ



後になって俺は知ることになる。

この繁華街の別名――『筋肉商店街』――という呼び名を。

~式場~

編集「で、三浦さんも菊地君もいなくなって、あなただけ残ってるってこと?」

美希「そういうことなの」

カメラマン「いいじゃない、どうせ彼女も撮るんだし、三浦さんが戻るまで先に撮ろうよ」

編集「そうするしかないですね。ほらあなた、はやく用意して」

美希「慌てなくても大丈夫なの。あずさたちが来るまでに、ミキのこといっぱいいーっぱい、撮っていいよ?」



美希「撮れるもんなら、ね?」シュッ!



カメラマン「は、速っ!?」パシャッ

美希「どこを撮ってるの?そっちにはもう誰もいないの」シャッ!

カメラマン「後ろ!?いつの間に・・・」パシャッ

美希「遅い、実に遅いの!そんなスピードでミキを捉えようなんてイチゴババロアより甘いの!」シャッ!

カメラマン「くっ・・・今だ!」パシャッ

美希「ハエが止まるの!」シュッ!

編集「いや撮らせなさいよ!」

~繁華街~

P「あーもう本当にはぐれたし・・・」

真の超スピードに置いていかれた俺は一人繁華街をさまよっていた。

P(しかし、やたら筋肉系の人が多いな・・・)

そこそこの賑わいを見せている通りだが、店の中も外もその多くが巨体で占められている。

さらにその半数程度が、こちらを見る時にある種の気を混ぜた視線を送ってくる。

それは獲物を狙うかのごとき視線で、言葉にすれば闘気とか殺気とかそういうものだろう。

すなわち、俺、大絶賛ピンチ中。

P(目を合わせたら死ぬ・・・!)

全身を伝う冷や汗と足の震えを誤魔化しながら、俺は一刻も早く真と出会えることを祈って歩き続けるのだった。

黒服「三浦さんはこの繁華街のどこかにいる可能性が高い」

黒服「よし、範囲を狭めて挟み撃ちにするぞ!」

黒服「こちらチームβ、繁華街大通り南側に到達。αは北側を封鎖してくれ」

『こちらチームα、了解』

黒服「よし、あとはこれでうまく挟み撃ちにできれば・・・」



真「見つけたぞお前ら!」

黒服「なっ、お、お前はさっきの大男!」

真「あずささんはどこだ!」

黒服「ふん、悪いがお前に渡すわけにはいかないんでな。あの人は是非にも我々のところに来てもらわなければならんのだ」

真「どうしても返さないっていうんなら・・・力ずくでも返してもらうぞ!」ムキムキムキィ

黒服「・・・クックックッ・・・」

黒服「フハハハハハ・・・」

黒服「アーッハッハッハッハ!」

黒服「馬鹿め、我々を誰だと思っている?」

真「ただの誘拐犯だろ!体もそんなに大きくないし」

黒服「お前らと比べるな!この規格外どもが!」

黒服「だが、我らとて石油王様のお付き、すなわちそれ相応の力があるということだ」

黒服「我々が5人力を合わせて本気を出せば、貴様らの一人や二人軽く叩きのめしてやるとも」

黒服「いや軽くは無理だな」

黒服「まず二人ってのが無理だな」

黒服「そもそも一人でも怪しいな」

黒服「うるさい!いくぞお前ら、我らの力を見せてやれ!」

真「お前らを倒してあずささんの場所は教えてもらうぞ!」



うおおおおおおおおお!!!!!

ドガッバギッゲスゲスゲスッ

真「く・・・くそ・・・参った・・・」ガクッ

黒服「・・・お、おい!勝ったぞ!」

黒服「マジで!?」

黒服「やればできるじゃん俺たち!」

黒服「腑抜けてる場合じゃないぞ、今度こそ道路封鎖だ!目的は三浦さんだぞ!」

黒服「封鎖ー!ここは封鎖するぞー!用事のあるやつはあっちに回ってくれー!」

?「ねえ、ここ通してくれない?」

黒服「ん?」

黒服「悪いな、今ここは封鎖中だ。通りたかったら別の道を回ってくれ」

?「娘が反対側で待ってるのよね。回り道してたら肉まんが冷めちゃうわ」

黒服「そいつは残念だが、こちらも仕事なんでね」

?「ふぅん、どうしても通してくれないっていうんなら・・・力ずくで通らせてもらうけど」

黒服「ふはは、そいつは面白い冗談だな。我々は5人がかりとはいえそこに転がってる筋肉男を倒したんだぞ」

黒服「お前のような小娘、俺一人でさえ倒せまい」

?「それこそ面白い冗談ね。それを人生最期のジョークにしたくなければ、命がけでかかってきなさい」

黒服「舐めた口を・・・後悔しても知らんぞ!」

黒服s「・・・く、くそっ・・・」ドサッ

黒服「な、なんて強さだ・・・」

?「あら、もう終わり?せめて左足以外も使わせてくれないと楽しくないわ」

黒服「もはや人間じゃないぞこいつ・・・」

黒服「鬼だ、鬼が見える・・・!」

『チームαより連絡、三浦あずさを港で目撃したという情報あり、そちらに移動する』

黒服「なんだと、いつの間にそんなところに・・・!」

黒服「行くぞお前たち、港まで退却だ!」

黒服「くそ、覚えてろよ!」ダッダッダッ

真「・・・はっ!?ここはどこ?」

?「大丈夫かしら?」

真「は、はい、気を失ってたみたいで・・・そうだ、それよりさっきの黒服たちは!?」

?「あいつらなら、港の方で誰かを見つけたとかで走っていったわ」

真「探してるってことは・・・あいつらもあずささんとはぐれてたのか?あずささん港まで行っちゃったのか・・・」



P「おーい、まーことー、どこだー?」



真「ああぁ!プロデューサーのことすっかり忘れてた!」

?「寝転がったままじゃいけないでしょう、ほら起こしてあげるわ」ガシッ

真「あ、ありがとうござ、わあっ」ヒョイッ

真「お、お姉さん意外と力ありますね、ボクを軽々と持ち上げるなんて・・・何か格闘技でも?」

?「そうね、色々格闘技もやってきたし、色んな心得もあるけど、『私が何か』と言われれば・・・」

 





?「『アイドル』よ。『元』はまだ付けてあげないわ」





 

真「・・・・・・えっ?あの、それって・・・」

?「ごめんなさい、そういえばあっちに娘を待たせてたの。それにほら、あなたも急いでるんでしょう?」



P「まーことー?どこだよぉー」



?「ここの喧嘩っ早い連中に見つかる前に助けてあげないと、あの人ミンチになっちゃうわよ」

真「いやあ流石に全治3ヶ月とかだと思いますけど・・・とにかく、ありがとうございました!さようなら!」

真「プロデューサー!こっちですよー!」ドシドシドシドシ



?「・・・・・・ええ、また会いましょう、765プロの菊地真くん」

~海の近く~

あずさ「困ったわ、どうやって帰ればいいのかしら~・・・」

あずさ「あら?あれは・・・あの、どうかしましたか?」

易者「あいたたた・・・腹が痛くて・・・すまんが、店番を頼めんかの・・・?」

あずさ「ええぇ!?」

易者「路上じゃから人がいないと撤去されてしまうかもしれんのじゃよ・・・頼む・・・あいたたた」

あずさ「わ、わかりました~・・・座ってるだけでいいなら・・・」

易者「できるだけすぐ戻ってきますからの・・・」スタタッ



あずさ「はあ、何でこんなことに・・・早く仕事場に戻らないとみんな心配してるわよね・・・」

外国人「アノ、スミマセン、占ッテ欲シイノデスガ」

あずさ「はい~、あら外国の方・・・?あの、アイキャンノットスピークイングリッシュ・・・」

外国人「日本語デ、ダイジョブデス」

外国人「実ハ、好キニナッタ女性ニ振ラレテシマイマシテ・・・探シテイルノデスガ、結局見ツカラナイヨウナノデス」

外国人「私ハ今日日本ヲ発ツノデ、最後ニコノ国ノ思イ出ニナルヨウナ場所ニ行キタイノデス。ドコガイイデショウ?」

あずさ「分かりました、やってみますね~?・・・でも、易者さんの残して行った道具じゃさっぱりわからないわ・・・」

あずさ「じゃあ、こうしましょうか~、私とあなたが腕相撲して、腕が倒れたほうに行ってみるってのはどうでしょう?」

外国人「アームレスリングデスネ、ワカリマシタ、ヨロシクオ願イシマス」ヌギッ

あずさ「あら~、なかなかいい身体してますね~、でも、手加減しませんからね~?」

外国人「望ム、トコロデス」

あずさ「じゃあいきますよ~、レディ~・・・ゴー!」


ズンッ・・・!

外国人「・・・・・・」

あずさ「・・・・・・」

外国人「・・・私ノ、勝チデスネ」

あずさ「・・・あ、あら~?」

外国人「アッチハ、港デスネ。行ッテミルコトニシマス。アリガトゴザイマシタ」スタスタ

あずさ「あ、はい~、お気をつけて・・・」

易者「いや~すまんすまん、今戻ったわい。ところでさっきの地響きはいったい何が・・・?」

あずさ「・・・そんな・・・私も本気でやったのに、一瞬で・・・?」

易者「あ、あの、お嬢さん?」

あずさ「ま、まあ、お帰りなさい!お客さんは一人だけ来ましたよ?お代もここに置いときますね?」

易者「本当に助かったよ。君には何かお礼をせんといかんな」

あずさ「いえ、そんな~。それより、式場に帰りたいんですけど道がわからなくて・・・」

易者「ふむ、それならタクシーを使ったらどうかね?ほれ、そこに並んでるあの列じゃよ」

あずさ「あら~、その手があったわ!ありがとうございます、それでは~」

~式場~

美希「それっ!」シャッ!

カメラマン「そこっ!」パシャッ

美希「こっちなの!」シュッ!

カメラマン「と見せかけてこっち!」パシャッ

編集「はぁ・・・あの二人遅いわね・・・」

美希「カメラマンさん、大分追いつけるようになってきたね?」シャッ!

カメラマン「はい師匠!」パシャッ

美希「美希的にはウェディングドレスにも、やくどーかん?があったほうがいいって思うな!」シュッ!

カメラマン「仰る通りです師匠!」パシャッ

美希「よーし、それじゃ第二段階として、もっと広い外で撮影するの!ミキもテンポ上げていくの!」

カメラマン「喜んで!」

編集者「なんなのもう!」

~海の近く~

女「あの人、本当にこっちに来たのね?」

黒服「はい、この通りを通ったという目撃情報が」

女「この先には何があるの?」

黒服「観覧車と港です」

女「観覧車・・・いたわ!観覧車に乗ってるあの人でしょ!ウェディングドレス着てる筋肉質の女性!」

黒服「ど、どこですか!遠すぎて見えません!」

女「ほらあそこよ!」

~観覧車~

あずさ「困ったわね~、タクシーの列と間違えて観覧車の列に並んじゃうなんて・・・」

あずさ「でも、すごくいい眺め・・・あら?」ビリビリッ

あずさ「何かしら、今闘気が飛んできたのだけど・・・どこからかしら~・・・」

あずさ「あれかしら?ウェディングドレスの・・・あら~、ひょっとして私と間違われた人?」

あずさ「何かしら、港の方を指差して・・・勝負のお誘いかしら」

あずさ「お誘いとあっては断るわけにはいかないわね~、すみません、あの、はやめに降ろしてください~」

\アイヨー/

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

あずさ「ありがとうございます、回してる方~」

あずさ「さてと、じゃあ行きますか~」

あずさ「あの人は・・・先に港に向かったみたいね~」

あずさ「うふふ、久しぶりに血沸き肉躍るわ~」ゴゴゴゴゴゴ




女「さあ来なさい、三浦あずさ!」

女「私を満足させる力見せてちょうだい・・・!」ゴゴゴゴゴゴ




~繁華街~

モブA「むっ!これは・・・!」

モブB「そこそこ大きな闘気が二つ、港の方へと移動している!」

モブC「これは戦の気配!」

モブD「ヒャッハー!バトルの時間だぜぇ!」

モブE「こうしちゃいられねえ、店閉めて見に行かねえと!」

モブF「行くぞお前らぁ!」

うおおおおおおおおお!!!!ドドドドドドドド

~港近くの公園~

美希「じゃあ次の修業は噴水のあるここでするの!」

カメラマン「はい師匠!」

編集「撮影よね?私たち雑誌の写真撮りに来たのよね?」



女「この辺が広くて、リングにはちょうどよさそうね・・・」ザッザッザッ



美希「・・・あれ?ウェディングドレスの女性・・・あずさ?」

女「え?私?」

美希「じゃなかったの・・・あーあ、一体真君もプロデューサーもどこに・・・」


ドドドドドドドドドド


編集「な、何?地震?」

カメラマン「いや違う、あれは・・・!」

あずさ「すいませ~ん!お待たせしました~!!」ドドドドド

モブA「ヒャッハー!」ドドドドド

モブB「祭の気配だー!」ドドドドド

モブC「血の匂いだー!」ドドドドド

モブD「見逃せねえぜ!」ドドドドド

モブE「我慢できねえ!」ドドドドド

うおおおおおおおおお!!!!ドドドドドドドド

編集「筋肉の群れ!?」

カメラマン「凄いスピードで走ってくるぞ!」

女「来たわね・・・!」ニヤリ

美希「先頭にいるのは・・・あずさなの!そうだ、ねえカメラマンさん、あれ絶対に撮ってなの!」

カメラマン「し、しかし、あんな速度のものをぶれずに撮るなんて・・・」

美希「さっきまでの修業を乗り越えたカメラマンさんなら出来るはずなの!」

カメラマン「・・・そうですね師匠!やってみせます!」パシャッパシャッ!

~噴水前~

女「挑戦受けてくれたのね」

あずさ「ええ、もちろんです」

女「ありがとう。そしてこれ以上の言葉は私たちには不要ね。筋肉系なら・・・」ムキムキィ

あずさ「ええ、力で語り合いましょう」ムキムキィ

黒服「時間無制限一本勝負、ダウン10カウントか降参で勝負あり、目つぶしなどの急所攻撃は反則とします」

黒服「それでは・・・レディー・・・ゴー!」

筋肉の流れに押し流されて辿り着いた噴水前では、ウェディングドレスでムキムキのあずささんと、ウェディングドレスでムキムキの見知らぬ女性が死闘を繰り広げていた。

いやもう自分でも何言ってるかわからんが事実だ。

真「あの人、あずささんと互角かそれ以上に戦ってますよ!凄いです!」

真も目を輝かせてバトルに魅入っているが、俺はそれよりギャラリーの筋肉率の重圧で精神的に苦しい。

徐々に応援らしき声も飛び交ってきてるし、隅の方では二人の闘いに感化されたのか別の試合が始まっている。あ、あれさっき観覧車回してた人だ。

バキッ!ガスガスッ!ドガッ!

女「ふふ、やるわねあなた」

あずさ「いえいえ、それほどでも~」

女「埋もれさせるにはもったいないわ、格闘の道に進んだら?」

あずさ「いえ、私なんてまだまだ・・・それに、さっきも腕相撲で負けちゃいましたし~・・・」

女「へえ、あなたを腕相撲で倒せる相手が近くにいるなんてね・・・是非そちらとも手合せしてみたいところだわ」



外国人「ソレハ、光栄デス」

そう言いながら、ノシッと俺たちの後ろからこれまた筋肉質な男が現れた。

随分と掘りの深い顔立ちで、訛りから言っても外国人だろう。

女「誰?」

あずさ「まあ、占いの時の!」

黒服s「石油王様!」

女「えっ!?こんな強そうな男だったの!?」

外国人「占イ師サン、アノ時ハ、アリガトゴザイマシタ。オカゲデ、コチラノ女性ニ、マタ会エマシタ。ソシテ・・・」

石油王「ハジメマシテ、石油王デス。結婚ヲ前提ニ、是非一度闘ッテイタダケマセンカ」

女「お受けしないわけないじゃない!喜んで!」

黒服「おおおおお!!!」

黒服「よかった!よかったぞおおお!」

モブ「なんかよくわからんがおめでとう!」

モブ「祭だ!」

モブ「闘いだ!」

女「こうなったらバトルロイヤルよ!全員かかってきなさい!あなたもそれでいいわね?」

石油王「望ムトコロデス」

うおおおおおおお!!!!ドドドドドガガガガガッ!

P「真、どうなってんだこれ」

真「はぁ・・・ボクにもさっぱり・・・」

あずさ「あら、真ちゃん、プロデューサーさん、迎えに来てくれたんですか?」

P「ええ、あずささん、無事で何よりです」

先の戦いで打撲痕は増えたかもしれないけど。

P「じゃあ、帰りますかあずささん」

あずさ「いえ、私も参加していきます~」

はい?

あずさ「三浦あずさ、いっきま~す!」ガシッボカッ

群がる巨体を薙ぎ倒し、捻じ伏せ、ちぎっては投げていくあずささん。

噴水が赤く染まるのも時間の問題だろう。

P「ああ、だけどあずささんの撮影の残りが・・・」

美希「そっちは心配ないの。一番いい写真はもう撮れてるの!」

P「え?あ、美希、悪かったな任せっぱなしにして・・・カメラマンさんもすみませんでした」

カメラマン「いえ、師匠のおかげで自分もまた成長することが出来ました!次もお願いします!」

美希「ミキたちの分のページ確保、しっかりよろしくなの!」

こちらは何やら妙な師弟関係が出来ていた。

~事務所~

小鳥「あー、載ってる載ってる!」

後日、俺たちは事務所に届いた雑誌を見ていた。

チェックするのはもちろん例のウェディング特集だ。

小鳥「この雑誌、この写真で大評判らしいですよ。増刷も増刷、あずささんと竜宮小町の知名度も一躍高まったみたいで」

そういって見せてくれた写真は、あずささんが先頭で、後ろに大量の筋肉どもを従えて全力疾走している写真だった。

ついた見出しは『恋は戦い!』だったが、これと戦う勇気は俺には無いなあ。

ちなみにこの写真自体も、このスピードのものをここまでピタリと納めるのはハイレベルな技術が要求されるとかで、そちらの道の玄人さんから評価されているらし

い。

美希「ミキと真君もいっぱい載せてもらったよ、ほら見て?この真君すっごくカッコいいの!」

真「えへへ、そうかなあ・・・」

ペラ、とめくった次のページには美希と真もしっかりデカデカと載せてもらっていたわけだが、

P「こっちはさっきと比べると普通だな。美希が若干スタイリッシュなポーズだけど、しっかりウェディングっぽい雰囲気だし」

恋は戦い、いらなかったんじゃないだろうか。

律子「でもよかったですね、後片付けとか色々、石油王さんがやってくれたんでしょう?」

P「まあ・・・後片付けというか後始末というか・・・」

あの後、恋は戦いの延長戦で軽傷者58名及び死者重傷者0名という、酷いのか酷くないのかよくわからない顛末の末に公園は壊滅した。

その修理や傷の手当てをまとめてやってくれたのが石油王達だったということだ。

雑誌をめくるとその石油王の結婚の記事が載っている。

P「しかし、まさかあの時の女性が海運王の娘さんだったとはな、驚いたよ」

真「まさかこんな街中にそんな人がいるなんて驚きましたね」

まあそれもそうだけど、むしろあんな戦闘狂だったことに驚いたわけで。大丈夫か未来の海運業界。

そんな俺の杞憂をよそに、写真の石油王と海運王の娘は傷だらけだが嬉しそうに腕を組んでいた。

この傷も恋の結果だ。もうはっきり言ってあれは酷い乱闘だった。

ピロリーン

あずさ「あら、友美からだわ」

その乱闘の覇者の携帯が、メールを知らせる着信音を鳴らした。

なんだろう、嫌な予感がする。

あずさ「えーっとなになに?結婚の予定もないのにウェディングドレスを着ると、婚期が遅れ、おくれ、おく、おくおくおくくくくくく」

的中した。

アズサ「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」パリーン!

P「またか!ここは9階だぞ!?」

何度も言うがここは9階であり、命綱は無いが外壁にはボルタリング用の足場が取り付けてあるため登る分には彼女たちには安全だが、飛び降りる際の安全までは保障できない。

律子「追います!プロデューサーは亜美か真美か伊織に連絡してください!皆もついてきて!」

P「わかった!俺も連絡したらすぐ追うから!」

返事に答える間もなく小鳥さんまで含めて全員で窓からスルスルと降りていくうちのアイドルたち。

急いで3人に連絡して、さて俺もタクシーか何かで追おうと思ったが、

P「あ・・・扉開けられないや」

俺の筋力ではこの扉は開けられず、さりとて窓から降りるわけにもいかず。

P「・・・ま、俺が行っても手伝えることないし・・・スケジュールの整理でもするか」

綺麗に開き直って俺のできる仕事をすることにしたのであった。





ちなみに、結局この日は誰も事務所に帰ってこなかったので強制的に泊まり込みになった。

次回のTHE iDOLM@SCLETERはー?

水瀬伊織ちゃんです!

それにしても皆は本当幸せものよね!だって毎回伊織ちゃんの筋肉が拝めるんだもの!

だから次回、『筋肉だから出来ること』も

お楽しみにー!

☆NOMAKE

~用語集6~

・石油王
産油国で頻繁に開催される、石油を賭けて一対一で戦う『油田争奪アームレスリング大会』という、
とってもバブリーでオイリーな遊戯において勝率87%を誇る猛者
連勝に次ぐ連勝で、その身一つで大富豪になった彼をいつしか人々は”ミスターオイル”と呼ぶようになった

そんな彼だが、日本に来る際せっかくだからこのあだ名を日本名にしてみようと思い立ち和訳を調べたところ
石油はともかくミスターで長嶋に引っ掛かり、なぜかさらにそのまま王貞治に辿り着いた
結果として彼は王族でないままに石油王を名乗るのであった

~用語集7~

・筋肉街&筋力系(2)
かつて日本に数ヶ所存在した古来の筋力系の人の隠れ里であり、絶対数の少ない彼らの安住の地だったものが、形を変え現代まで引き継がれた場所
その存在は古くは鎌倉のころから伝説の類として文献などに散見され、口伝としてはさらに古く奈良時代より語り継がれてきたとされる

筋力系の彼らが公の歴史に現れ始めたのは江戸時代中期であるが
それ以前から絵巻物や偉人の手紙などに”見上げるほどの巨体”などの表現は見られたことから武士にもわずかにいたものと思われている
近代の大戦中では規格外な巨体ゆえに装備が用意できず、敵兵にも見つかりやすいため一部の特殊兵以外は登用されず
それが遠因となり一部の地域では厳しい迫害を受けていたものの、数十年を経た現代ではほぼ差別は消えてなくなっているといえるらしい

~アイドル名鑑No.4~

三浦あずさ

大酒豪、というよりむしろいつも酔っ払いで、水筒の中身は大抵お酒
筋肉もあるがかなり胸もある
圧倒的なパワー型だが普段はちゃんとセーブしている

「運命は己の力で切り開くもの」を曲解しており、「運命の人は力ずくで探しだす」を信条としているが、
別に己より強い相手を求めているわけではなく、恋路の障害を取り払うための己の力としてとらえている
いざ鍛えはじめたら筋力系の素質があったためみるみる成長し、これ幸いと筋肉あふれる方のアイドル界へと殴りこんだ

また、「酒が切れると暴れだす」というのは実は本人の自己暗示
「早く結婚したい」という深層心理の重圧、
「結婚するなら収入が安定している人」という願望に加え
「酒には金がかかる→金がないと酒が飲めない→酒が飲めないのはお金がない」
というあずさ式ワープ型三段論法が合わさり、主に酒類が手元になくなったと自覚したときや、
結婚に関するストレスが高まった時に自己防衛の暴走が起きる
彼女が運命の相手と静かにグラスを揺らすとき、彼女の暴走は収まるのかもしれない

という感じで八話おしまいです
繁華街の人たちは普段はただの気が優しくて力持ちなおっちゃん達なんだと思います
カメラマン大成長
小鳥さんはまだ結婚を諦めてない

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom