なんでも来い人向け
短い
書き溜めなし
部室――
穂乃果「最近できた焼肉屋に行きたいんだけど……」
海未「焼肉ですか……今は、大会前なのでちょっと」
穂乃果「えー……」チラ
ことり「ごめんね、穂乃果ちゃん。私も、無理かな……」
穂乃果「……ことりちゃんまで」
花陽「穂乃果ちゃん、良かったら私が」
穂乃果「え? ホント!」
凛「ダメだよかよちん」
ポンッ
花陽「ひいいッ……ごめんなさいごめんなさい。もうたべませんもうたべませんゆるして」
海未「……何があったんですか」
ガチャ――
絵里「賑やかね、どうしたの」
希「花陽ちゃん、なんで頭抱えてしゃがんどるん?」
穂乃果「はッ!」
ガシッ
希「うん?」
穂乃果「の、希ちゃん!」
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希「なん?」
真姫「ちょっとなんで私には聞かないのよ」
穂乃果「あ、い、行く?」クル
真姫「行かないわ」
穂乃果「ひどいッ」
希「?」
穂乃果「はッ、あ、あの……良かったら、付き合ってくれないかな?」モジモジ
希「へ?」
絵里「……」ガタッ
海未「……」ガタッ
ガチャ――
にこ「にっこにっこ……なに睨み合ってんの?」
希「……あ、あの穂乃果ちゃん?」
絵里「聞き捨てならないわね」
海未「穂乃果、今、なんと?」
ことり「ど、どうどう海未ちゃん」
海未「ガルルルッ……」
凛「穂乃果ちゃんは馬鹿だにゃあ」
花陽「しッ……」
希「穂乃果ちゃん……気持ちは嬉しいんやけど、うちにはえりちが……」
穂乃果「あ、違う違う、最近出来た焼肉屋に一緒に付き合ってほしくて」
絵里「……そんなことだろうと思ったわよ」
海未「……絵里、とりあえず穂乃果の胸ぐらを掴むのは止めてもらえませんか?」
絵里「あれ?」
希「ええよええよ。うちなら大歓迎やで!」
穂乃果「ほんとー!? わーい!!」
海未「あんなに嬉しそうな穂乃果が見れるなら……涙を飲んで見送るのが愛ですよね」ジワッ
希「行ってきてええ? えりち」
絵里「別に私の許可なんて必要ないでしょ?」
希「一応、えりちにはちゃんと確認しとこかなーって」
絵里「……」ジワッ
にこ「部室の空気が気持ち悪い」
ことり「……なんだかごめんね」
穂乃果「じゃあじゃあ、いつ行く?」
希「そうやね……今日、でもええで。練習後は、お腹空くしな」ワクワク
穂乃果「善は急げだね! じゃあ、練習後に行こー!!」ワクワク
希「おー!」
にこ「金のある奴はこれだから……ちッ」
希「にこっち、おみやげ買ってこようか」
にこ「いらないわよ……」
凛「……」スッ
にこ「凛、あんたさり気なく私の目の前に冷凍にしたご飯置くのやめなさい」
花陽「……あ……ッ」
にこ「ま、もらえるもんはもらっておくけど」スッ
バタッ
穂乃果「花陽ちゃんが倒れた!」
花陽「この世は全て諸行無常……なり」ガクッ
穂乃果「花陽ちゃんッ……」
にこ「……今日はチャーハンでもするか。冷凍ご飯だとちょうどよくぱらっとするし」
真姫「練習始めないの?」
練習後――
穂乃果「終わったあああ!」
ことり「あ、穂乃果ちゃんってば、ちゃんと汗吹かないと」
海未「……あ」
ことり「はい、タオル」
穂乃果「ありがとー、ことりちゃん」
フキフキ
海未「ああッ……なんてもったいないことを」
穂乃果「海未ちゃんも汗、すごいよ」
フキフキ
海未「はあああんッ……混ざり合ってしまう」
ことり「はは」
にこ「なに、あのことりの乾いた笑い。マジで怖いんですけど」ゴクゴク
希「にこっちー……それ、新商品の『トロける醤油味サイダー』やん。ちょっとちょーだい」
にこ「はいはい……」
スッ
希「わーい」ゴクゴク
絵里「ちょ、ちょっと……にこ! なに、ちゃっかり希と間接キスしてるのよ」
にこ「へ?」
希「ぷはッ……えりちもいる?」
絵里「希、口からちょっとたれてる……」ゴクリ
希「あー……」ペロン
絵里「……私は口の端に残るサイダーになりたい」
にこ「……飲む?」
絵里「我慢できそうにないから、いいわ」
にこ「何が……?」
凛「三人とも、味覚大丈夫かにゃ?」
穂乃果「希ちゃーん、着替え終わったよー! いつでも行けるよー!」
希「あ、待って……背中のホックが止まらん……真姫ちゃん、お願い」
真姫「なんで、私が……」ブツブツ
カチッ
希「おおきにな」
真姫「いいけど別に」
絵里「……」
真姫「……背後に寒気が」くるッ
真姫「誰もいない……」
希「さあ、穂乃果ちゃんいざ楽園へ!」
穂乃果「おー!」
焼肉屋――
穂乃果「ちょっと、見た目は中華料理屋っぽいんだよ」
希「ほんまやな。でも、匂いは焼肉の濃いいタレ臭がする……たまらんで」
穂乃果「私もお腹空いてきちゃったよッ。いざ、ゆかん!」
ガラガラ――
店員「ヘイ、イラシャイッ。ナンメエサマ?」
穂乃果「が、いこくの人だッ……中国人? え、えっと、ニーハオ?」
店員「ニーハオ。トットトウセナサーイ」ニコッ
穂乃果「……」
希「……」
店員「ナンメエサマ? 3ビョウカンダケマッテヤル」
穂乃果(……い、今のはもしかして挨拶?)こそこそ
希(うちにもわからんけど、そうなんやないん?)こそこそ
穂乃果「二名でーす……」ニコ
店員「カチワリマシタ」ペコ
穂乃果「……かしこまりましたかな」こそこそ
希「せやないかな?」こそこそ
店員「コッチニドーゾ」
穂乃果・希「はーい」
個室――
希「換気扇付き、掘りごたつ焼肉……最高やん」
穂乃果「でしょでしょ!」
店員「オノミモノハー?」
希「ウーロン茶で」
穂乃果「オレンジジュースお願いします」
店員「カチワリマシター」ペコ
今日は、ここまで
穂乃果「なににするー?」ワクワク
希「穂乃果ちゃんは牛派?豚派?鳥派?」
穂乃果「えー……そうだなあ。牛がいいかな。カルビとか好きだよ」
希「そっか、じゃあまずはカルビ行っとこ」
穂乃果「わーい! 希ちゃんは?」
希「うちはどれでも、タレが美味しければいける口や」
穂乃果「タレは……醤油テイストと、柚子胡椒風味の塩と、あとレモン……」
希「タンはいる?」
穂乃果「食べるッ」
希「はいはいっと、あ、メニュー見える?」
穂乃果「うん、見えるよー……あ、韓国風冷麺食べたい」モジモジ
希「太るでー」
穂乃果「いいもんいいもん。明日、練習するもん!」
希「じゃあ、それと……あ、ご飯とかいるん?」
穂乃果「ご飯はまだいいかなあ」
希「サラダとかは?」
穂乃果「希ちゃんの好きなのでいいよッ」
希「じゃ、和風サラダ頼もっと」
穂乃果「デザートもけっこうあるんだね……」
ペラ
希「パフェとかもあるんや」
穂乃果「……」ごくり
希「これは、あーと」
ペラペラ
穂乃果「ああん……わかってるもん」
希「お肉は他に欲しいもんある?」
穂乃果「ぼんじり食べたいかも……」
希「ああ、ええよええよ」
穂乃果「希ちゃんも何か好きなの言ってね?」
希「んー……せやな、じゃあピートロいこ」
穂乃果「あ、私も好きッ」
希「とろけるよなあ」
穂乃果「とろけるよねー」
希「とりあえず、こんなもんでえっか」
穂乃果「頼みすぎてないかな食べれるかな?」
希「へーきへーき。育ち盛りやん」
穂乃果「……」サスサス
自分のお腹をさする。
希「ボタン押すでー」
穂乃果「うん」
ピンポーン!
ガラッ――
店員「オレンジジュースト、ウーロンチャニナリマース」
穂乃果「ありがとうございます。注文いいですか?」
店員「カチワリマシター」
穂乃果「えっと、まずはカルビ……」
店員「ハイ……エット……トクジョウギュウカルビ……ヒトツ」カキカキ
希「いや、特上やのうて、普通のカルビな」
店員「トクジョウ?」
希「いや、普通」
店員「トクジョウ?」
希「フ・ツ・ウ」
店員「……タマリマセン」
穂乃果「……希ちゃん、どうしよ」
希「……しょうがない。……特上行こッ。これは、ウチの奢りな」
穂乃果「ええ、悪いよッ」
希「ま、もしかしたら滅多に来れんなるかもしれんしな」
穂乃果「……んー、じゃあお言葉に甘えます!」
希「よろしい」ニコ
穂乃果「えっと、あとピートロ」
店員「ハイ、ウワミスジヒトツネ」
穂乃果「ち、違います違います!」
穂乃果「ピートロッ」
店員「……エ? オキャクサン、イマナンテ?」
希「……ほ、穂乃果ちゃん、注文いったんキャンセルして、ちょっと他の店員呼んだ方がええんとちゃう?」
穂乃果「そ、そうだね……」
店員「イジョウデ?」
希「す、すいません。ちょっと、今の全部キャンセルしてもらっていいですか?」
店員「イイデスケド……」シュン
穂乃果「……すっごく、悲しい顔してるよッ」こそこそ
希「い、いやいや同情したいとこやけど、できん……」こそこそ
穂乃果「も、もしかして……最近入ったバイトさんで、注文を取るのが楽しい段階なのかも」こそこそ
希「う……ーん。じゃ、韓国風冷麺頼む?」
穂乃果「うん……。あの、韓国風冷麺一つお願いします」チラ
店員「ア……」
希「……お?」
店員「……レイメン?」
穂乃果「そうそう!」
店員「カンコクフウ?」
希「せやで!」
店員「カチワリマシタ!」ニコ
穂乃果「やった! やったね!」
希「良かったな!」
店員「イエーイ!」
パン!(ハイタッチの音)
店員「チョットマッテテヨー!」
希「ゆっくりでええでッ」
穂乃果「焦らなくていいよ!」
店員「マカセテヨッ」
ガラ―
希「良かった良かった! やればできるやんな!」
穂乃果「うん!」
希・穂乃果「……」
希「次は、別の店員さん呼ぼうか」
穂乃果「そうだね」
店員「……カンコクフウレイメン♪ カンコクフウレイメン♪」
トタタタ―ドンッ
店員「ホアッ!?」
絵里「……いったあ」クラッ
店員「オケガ?!」
絵里「あ、いえ大丈夫です……すいません」ペコ
店員「ヨカッタ」
絵里「あの、ここに二人組の……」
店員「ニメイサマ? カチワリマシター!」
絵里「はい?」
店員「コシツ!」
絵里「……え、あ、いやちょっと、どこに連れ込む気?!」
店員「コシツ!」
絵里「ひッ……や、止めて!?」
海未「ラブアローシュート!」
ドシュッ
店員「ホアッ!?」
バタッ
絵里「海未!? どうして、あなたがここに!」
海未「……焼肉を、食べに来たんです」
絵里「……ホントに?」
海未「ええッ」
絵里「嘘よ」
海未「嘘なんて……」
絵里「ホントは、希と穂乃果のことが気になって追いかけてきたんでしょ」
海未「そ、そういう絵里は、なぜここにいるんですかッ」
絵里「私? 私は、ここでバイトしようかなーって……」
店員「……ウーン……」
海未「……」チラ
絵里「……」チラ
海未「絵里、私良い事を思いついたのですが」
絵里「奇遇ね、私もよ」
海未「交代でどうですか」
絵里「いいわよ」
海未「じゃんけんで勝ったら、先に。負けたら、後に」
絵里「オーケー」
じゃんけん――ぽん!
トイレ――
ごそごそ
絵里「……っしょ。あとは、髪の毛を縛って」
絵里「よし、できた……」
店員(絵里)「密室で女と女が二人。間違いが起きないわけがない……」ゴクッ
海未「絵里、できましたか? 今なら、誰も通ってないですよ」
店員(絵里)「行けるわよ」
海未「しっかり邪魔してきてくださいね」
店員(絵里)「ええ。任せて」
海未「誰か来ないか、見張っておきます」
店員(絵里)「お願い」
穂乃果「まだかなー」
希「さっき頼んだばかりやん」
穂乃果「そうだけど……このもやしキムチ食べちゃお」
パカッ
ヒョイ
穂乃果「……あーん」もぐもぐ
希「美味しい?」
穂乃果「からーいッ……ひりひりするー!」
希「はい、お水」
穂乃果「あひがと……」ゴクゴク
コンコン―
希「どーぞ」
店員(絵里)「失礼します」
穂乃果「まともな人……来たよ」こそこそ
希「ほんまや……」こそこそ
希・穂乃果「……」ニコ
(安堵のあまり、笑顔)
店員(絵里)「……!!」ズキューン!
希「どないしたんですか?」
店員(絵里)「……フフ」
穂乃果「?」
店員(絵里)「い、いえ……お、お客様。お召し上がりになる前に、こちらの櫛で髪の毛をといてください……」
スッ
希「?」
穂乃果「きっと、ご飯の上に落ちないようにっていう配慮じゃないかな?」
希「せやな、もしかしたら、お店の作法なんかもな」
店員(絵里)「上着もお預かりしますね」
穂乃果「あ、匂いがついちゃうところだったね」
希「なるほどな」
ゴソゴソ――
店員(絵里)「こちらのクリームを塗ってください……」
ゴトッ
希「なんや苺みたいな甘い匂いがするな。もしかして、これで焼肉の匂いが染み付くんをおさえられるんかもな」
穂乃果「そうかもね。じゃあ、肌にまんべんなく塗ったらいいかな」
ヌリヌリ――
穂乃果「……乾燥肌が潤った」ぐー
穂乃果「……お腹すいた」
希「うちも。あの……色々とありがたいんですけど、そろそろお腹が空いたので、注文いいですか?」
店員(絵里)「はい」
穂乃果「……あ、身体が熱い」
希「え?」
店員(絵里)「もう3分ほどで、すぐ出来上がりますので」
希「……う、うちも何か火照って」
店員(絵里)「……」
穂乃果「……あう」こて
希「ほ、穂乃果ちゃん!? しっかり!」
穂乃果「土星が見える……」
希「違う、それ電球やッ」
穂乃果「うーん」
希「ほのかちゃああん!」
店員(絵里)「……希」
希「だ、だれ?!」
絵里「私よ」
希「え、えりち……ここでバイトしよったんか?!」
絵里「違うわよ。二人に間違いがあったらいけないから見に来たの……」
希「うち、そんな信用ないん?」シュン
絵里「ち、違うの。ごめんなさい希」
希「えりち……」じッ
絵里「うッ」
希「焼肉食べよ?」
絵里「……そんなのより、希が食べたい」
希「……えっと」
絵里「希……」
ズイッ
希「え、えりち……あ、あかんって、ここはッ」
ガラ――!
海未「お楽しみの最中にすいません」
希「海未ちゃん!?」
海未「絵里」
絵里「な、なに。ここからがいいところなのよ」
店長「……オキャクサン」
海未「捕まりました」
絵里「わーお」
穂乃果「……はッ」パチ
キョロキョロ
希「……穂乃果ちゃん」
穂乃果「……や」
希「や?」
穂乃果「焼肉たべさせてよお……」グス
希「せやなあ……」
おわり
終わりです
焼肉食べたい
このSSまとめへのコメント
何だかよくわかんない話だな