勇者「そんなに嫌な顔するなって……これから一緒に暮らすってのによ……」
魔王「どういうつもりなのか私には理解しかねる」
魔王「そもそも何故、私を殺さないのか?貴様は勇者だろう?」
勇者「うむ、まぁそうなんだけどね。それには深い事情があるわけだ」
勇者「お前んとこの王制ってさ……確か、存続してる魔王が生きている限り、交代はない……だったよな?」
魔王「ふん……どうだったかな?」
勇者「まぁいいや。それで、その王制を採用してる魔の王を殺さずに、生け捕りにして閉じ込めておけば……」
勇者「俺が死ぬまで魔王を君臨できない訳だ」
勇者「つまり、その間だけ魔王軍は総大将が不在で魔王軍も下手に動けず統率も麻痺する……」
勇者「って、メリットばかりだからね……だから戦って生け捕りにして幽閉したんよ」
魔王「……」
勇者「まぁ、俺も一緒にいるから幽閉よりかは監禁っつった方が正しいかもなー」
魔王「……つまらぬ策ばかり考えるのだな人間は」
魔王「それも勇者を使って私と共に閉じ込めるとはな」
魔王「美しい自己犠牲だな?」クス
勇者「まー何とでも言ってくれ」
勇者「俺は勇者としての任を果たしたまでだからな」
勇者「……さて、朝食でも作ってくるよ」スタスタ
ギィイ……バタン
魔王「…………」
魔王「……ふん」
勇者(とは言ったものの……)
勇者(どーしよかね、これからの生活)
勇者(食料もあるけど、娯楽がないからな……閉鎖的な空間だし鬱気味になるのも否めない、よなぁ……)
勇者(最悪なのは鬱になって魔王自ら命を絶つ……なんて、あいつも王としてのプライドもあるだろうし、簡単には死なないだろうけど)
勇者(……ま、俺も女神の加護があるせいで少なからず100年以上は生きれるだろうし)
勇者(あいつと一緒に気楽にやりますかね)
勇者「……さーって、てきとーに作って持ってくかねー」
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