モバP「隣で朝食を」 (39)

モバマスSSです。

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事務所

みちる「おはようございますー」モグモグ

P「あぁ、おはよう」

みちる「フゴゴゴゴ」

P「とりあえず落ち着け」

みちる「…あ、プロデューサーさんどうもおはようございます」

P「あぁ、おはよう」

みちる「パン食べますか?」

P「いや、今はいいかな」

みちる「朝ごはん食べないと元気出ないですよ」

P「大丈夫だ。まだ朝は食べてないけど」

みちる「と言うか、もう十時過ぎなんですけど、まだ食べてないんですか」

P「ちょっと朝は用事があってな。今から食べるよ」

みちる「何を?」

P「朝ごはんを」

みちる「……」サッ

P「その申し出はありがたいけど、もうあるから」

みちる「…?コンビニのパンよりは栄養もあると思いますけど…」

P「それは俺も思うけど」

みちる「だったら…!」

ピー

P「お、出来たみたいだ」

みちる「今作ってたんですか」

P「あぁ、一緒に来るか?」

みちる「はーい」

みちる「炊飯器ってことは…プロデューサーは朝はご飯派なんですか?」

P「まぁ、見てのお楽しみだ」

パカ

みちる「うわ~!」

P「どうだ。炊飯器で作ったパンだ」

みちる「凄いですね!手作りですか!」キラキラ

P「ほとんど炊飯器がやってくれたから手作りは微妙だけど」

みちる「……」ジュル

P「食べるか?」

みちる「え?いいんですか!」

P「半分ならあげるぞ」

みちる「それじゃ、私のも半分あげますね♪」

P「ありがとな」

ちひろ(炊飯器でパンって…プロデューサーさんはパン屋さんにでもなりたかったんでしょうか…?)

みちる「ん~美味しいですねっ!」

P「みちるのパンも美味しいな」

みちる「それはそうですよ」モグモグ

P「まぁ、パン屋のパンだもんな」

みちる「はい。それにしても炊飯器でパンを作るなんて…プロデューサーの職業は一体なんなんですか」

P「プロデューサーだよ」

みちる「あ、そうですね!」

P「実はさ」

みちる「フゴ?」

P「みちると食べる為に作っておいたんだよな」

みちる「…フュ!」ゴホゴホ

P「だ、大丈夫か?」

みちる「んぐ。だ、大丈夫です…多分」ハーハー

P「水飲んどけ」

みちる「は、はい…」ゴクゴク

みちる「ぷはぁ」

P「落ち着いたか?」

みちる「はい。どうも。ただ、さっきの言葉に驚いちゃいまして…」

P「あぁ、みちると食べるためって奴か?」

P「だって、考えてみろよ。炊飯器で焼成なんて普通しないだろ?それこそパン屋で買ってきた方が手軽だ」

みちる「ま、まぁ確かに」

P「俺がごはん派だと思ってテンションが下がり気味の所から、一気にテンションが上がる所を見たくてさ」

ちひろ(それで、朝、炊飯器をセットしてたんですね…)

みちる「確かに…驚きました。それに焼きたての魅力は最高です!」

P「だろ?ちなみに普段は炊飯器は夜食でおにぎりとか作るように使ってるんだけどな」

みちる「美味しいパンの隠し味っていつの時代も決まってるんですね!」

P「ん?」

みちる「あ、いや、なんでもないですっ!そ、それより、こっちのパンどうですか?」

P「あぁ、こっちも美味しいと思う」

みちる「ですよねー!」

P「気の利いたコメントできなくて悪いな」

みちる「そういうのは専門の人がやってくれればいいんです」

みちる「プロデューサーは、あたしがあげたパンを美味しいって食べてくれればいいんです!」

P「そっか」

みちる「そうです!あ、ちひろさんもどうぞー」

ちひろ「あ、ありがとうございます」

車内

P「さて、腹拵えも済んだし仕事頑張るか」

みちる「頑張りますね!」

P「あぁ、今日も頑張ろう」

みちる「はいっ!」

みちる「そう言えば、プロデューサーは他にパンを作ったりすることはあるんですか?」

P「いや、そもそもあれが初めてだ」

みちる「初めてであれほどの物を作るとは…」

P「パソコンと睨めっこしながら作ったよ」

みちる「それでも凄いと思いますよっ!」

P「そうか。ありがとう」

みちる「今度はクロワッサンとかどうですか」

P「俺が作るのか?」

みちる「はいっ!」

P「流石にオーブンも何もないから無理だな」

みちる「た、確かに…そうですね」

P「クロワッサンが食べたいんだな」

みちる「ま、まぁ…」

P「そうだな。頑張ったら考えとく」

みちる「本当ですかっ!?」

P「俺は作らないけどな。買ってくるだけ」

みちる「お疲れ様でしたー!」

P「おう。おつかれ」

みちる「はい。プロデューサー。あたし頑張りました」

P「よくやったな。クロワッサンだぞ」

みちる「わー!ありがとうございます!」モグモグ

P「丁度、近くで焼きたてって書いてあってな」

みちる「焼きたては最高ですねぇ」モグモグ

P「そうだろうな」

みちる「……」ジー

P「ん?」

みちる「プロデューサーの分はどこですか?」

P「俺はいいって」

みちる「ダメです!こんなに美味しいんですからプロデューサーも食べないと罰が当たります!」

P「そこまで言うなら…」

みちる「はい。あーん」

P「え……いいのか?」

みちる「ダメですか?」

P「いや、俺は気にしないけど…みちるがいいなら」

みちる「?」

P(気づいてない感じか)

P「…ん。美味いな」

みちる「ですよねー!」

P「みちるに食べさせて貰ったからかもしれないな」モグモグ

みちる「え…」

P「まぁ、元々美味いのもあるんだろうけどな」

みちる「……」ジー

P「どうした?」

みちる「これをアタシに食べさせて下さい」

P「え?」

みちる「ほらほら。美味しく感じるかもしれないですし!」

P「そ、そうなのか?」

みちる「食べさせてくれないと、手も一緒に食べちゃいますよ?」

P「分かった分かった。ほれ、あーん」

みちる「あ、あーん」

みちる(い、意外に恥ずかしい…)カァァ

P(顔真っ赤にしちゃって…)

みちる「…ん。ふむふむ」モグモグ

P「どうだ?」

みちる「パンの味自体は変わらないですね」モグモグ

P「そうか」

みちる「でも、なんかこう、体がポカポカします」

みちる「なんででしょう?」

P「さぁなぁ…」

みちる「お仕事ガンバるとお腹が空きますね」

P「まぁ、エネルギーは使うだろうなぁ」

みちる「そんな時はこのパンを…」

P「どこから出した」

みちる「いふゅもがもが…」

P「落ち着け」

みちる「いつもお腹が空いた時用にカバンに入れてあるんですよ」

P「凄いな」

みちる「パン屋の娘ですから」エッヘン

P「パン屋って凄い」

みちる単体SSとな…期待

車内

P「そう言えば、バレンタインの撮影も近いな」

みちる「そうですねー」

P「実家のパン屋だとそういう時に特別なパンとか作るのか?」

みちる「どうなんでしょうね?多分作ると思うんですけど」

P「みちるは?」

みちる「どうでしょう?」

P「アイドルが考案したパンとか売れそうだけどな」

みちる「いいですねっ! お父さんに話してみます」

みちる「あ、もしもし―」

みちる「あ、うん。それで――」

みちる「はい。はーい」

みちる「とりあえず、試作を見て決めるそうです」

P「まぁ、店に並ぶものだしな」

みちる「みたいですね」

P「頑張れよ」

みちる「はいっ!」

P「アイドルの仕事もな」

みちる「勿論ですよ」

>>10
中々ないんで自分で書いちゃいましたww

数日後

事務所

みちる「あ、プロデューサー」

P「どうした?」

みちる「実はですね…」ゴニョゴニョ

P「うん。なるほど試食か。分かった。明日の朝な」

みちる「はい。お願いしますね」

ちひろ「どうかしたんですか?」

P「あぁ、今度みちるの家のパン屋で出す新しいパンの試食を頼まれまして」

ちひろ「楽しそうですねー」


P「朝早いですけどね」

ちひろ「え、遠慮しておきます」

みちる「それじゃお願いしますねー!」

P「気を付けてなー」

事務所

ちひろ「みちるちゃんって太らないですよねぇ」

P「何でも太らない体質だとか」

ちひろ「…そんな羨ましい体質がこの世に存在するんですね」

P「俄かには信じがたいですけどね」

ちひろ「パン以外何も食べてないとかだったら太らないかもしれませんけど」

P「分からないですけど、みちるだから強ち冗談に聞こえないですね」

ちひろ「あはは…」

P「でも、顔色も良いし元気だし問題ないですかね」

ちひろ「そうですね。親御さんと一緒に暮らしてますし問題ありませんよ」

P「そうですね」

ちひろ「えぇ」

P「ちなみにちひろさんはどんなパンが好きですか?」

ちひろ「私ですか?そうですね…シナモンロールとか好きですね。たまに無性に食べたくなります」

P「その気持ち分かりますよ」

ちひろ「プロデューサーさんは何が好きなんですか?」

P「俺ですか? 変かもしれませんけど食パンが好きなんですよ」

ちひろ「毎日食べる物が好きって幸せですね」

P「えぇ、幸せです」

翌日
パン屋

P「おはよう」

みちる「あ、どうもー!」

P「朝から元気だな」

みちる「はいっ!」

P「お、三種類くらい作ってるのか」

みちる「一種類じゃ心もとなくて…」

P「まぁ、確かにそうか」

みちる「見た目的にどれがいいですか?」

P「そうだなぁ…ハートの形してるやつとかアイドルっぽくていいんじゃないか?」

みちる「あ、これですか?」パク

P「え…なんで食べるんだ?」

P(二個しかないのに…)

みちる「折角なんで味見を…う~ん!美味しいですよプロデューサー!」

P「それは良かったな」

みちる「はいっ!ちょっと甘すぎてくどいかなーとか思ってたんですけど、ちょっと工夫したらいい感じになりました」

P「それはよかったな」

みちる「はい。どうぞ」

P「ん?」

みちる「美味しいですよ?焼きたてですし!」

P「いいのか?」

みちる「はいっ!寧ろ食べないとダメです」

P「まぁ、食べるけど」

みちる「これで、共犯ですね。あとで一緒に怒られましょう」

P「え……」

みちる「冗談ですよ!許可は取ってありますから」

P「ならいいけど…」

みちる「はいっ!」

P「しかし…美味いな」モグモグ

みちる「真剣に言われると照れますね…」

P「何だか作ってる人の想いが伝わる感じだよ」

みちる「そりゃそうですよー」

みちる「だって、隠し味が入ってるんですから」

P「お、隠し味か。なんだろうなぁ…」

P「分かった。チョコだからオレンジピールを…」

みちる「多分それだったらあんまり隠れてないですよ」アハハ

P「確かに…」

みちる「愛情です…」

P「ん?」

みちる「だ、だから、パンに入れた隠し味は愛情なんですよ!あははー!」

P「ん?ん?パンに対する愛情か?」

みちる「プロデューサーも言ってたじゃないですか。喜ぶ顔を見る為にパンを作ったって」

みちる「それと一緒です。アタシもこのパンだけはプロデューサーが喜ぶ顔が見たくて作ったんですよ」

P「みちる」

みちる「なんですか?」

P「ありがとな」

みちる「……っ!」カァァ

みちる「きょ、今日もパンが美味しいですねー!」

P「しかし、本当に美味いな」モグモグ

みちる「ありがとうございます」

P「食べるだけじゃなくて、こういう方面でも売り出していこうか」

みちる「そこは、任せます」

P「でも、あれか審査してもらう前に自分で食べちゃうのか」

みちる「その場合は自分で食べる用を予め作っておけば問題ないです」

P「なるほど。確かに」

P「そう言えばみちる」

みちる「なんですかー?」

P「ここのパン屋ってホームページあるんだな」

みちる「あー、あった気がします」

P「あぁ、さっき見つけた」

みちる「へぇーなんて書いてあるんですか?」

P「バレンタインキャンペーンって書いてあって新作が出てる」

みちる「あ、そうなんですか」

P「そうみたいだ。そこに置いてある二つが新作みたいだな」

みちる「へー」

P「案の定、みちるも一枚噛んでるらしいな」

みちる「一杯試食しましたっ」

みちる「あ、そろそろお仕事の時間ですかね」

P「ん? まだちょっと時間があると思うけど」

みちる「あ、あたしはちょっとここを片づけないといけないんで、外で待っててくださーい」

P「あ、あぁ、分かった」

車内

P「なんか甘い匂いがするな」

みちる「チョコレートっぽい匂いですね」

P「さっきまで作ってたしな」

みちる「そうですね」

P「仄かな甘い匂いってなんかいいな」

みちる「もしかしたら、今のアタシはチョコ味かもしれませんねー」

P「かもしれないな」

みちる「む。なんか釣れませんね」

スタジオ

みちる「プロデューサー、プロデューサー」

P「どうした?」

みちる「この衣装…とっても美味しそうですねっ!」

P「その感想はどうなんだ…」

みちる「だってほら、有名なチョコレートのお店とかだとこんな感じになってませんか?」

P「まぁ、言いたいことは分かるけれども」

みちる「今のあたしは美味しいかもしれないですね!」

みちる「いくらでもおかわり自由なんでどうぞ!」

P「えっと…なにをおかわりするんだ?」

みちる「さ、さぁ…?」

P「その場のノリで言ったのか」

P「それじゃ、ガンバってこい!」

みちる「はい。皆に美味しい笑顔を届けてきますね!」

P(ノリノリだな…)

P「しかし、おかわり自由ってのはどういう意味だ…?」

P「いくらでも食べて下さい。ってことになるのか…?」

P「でも、それって…」

P「いや、きっと変な意味じゃないはずだ。みちるだし」

車内

みちる「お疲れ様でしたー!」

P「おう。お疲れ」

みちる「どうでしたか?甘かったですかね?」

P「甘かったんじゃないか」

みちる「ならよかったです」

P「あぁ」

みちる「なんか、撮影の後ってお腹が減りますよね」

P「パンが出てくるのか?」

みちる「今は出ないですけどね」

P「そう言えば、今朝食べたパン美味しかったな」

みちる「あ、本当ですか!?」

P「あぁ。メニューに載るのか分からないけど」

みちる「載らないと思います」

P「なんだそうなのか」

P(やっぱり手間の関係かな?)

みちる「だって、最初からそういう目的で作ってませんし」

P「……ん?」

みちる「なんでもないですよー!」

P「そうか。ならいいけど」

P「毎日俺のパンを作ってくれ」

みちる「ひゃい!?」ビク

P「いや、みちるがプロポーズされる言葉はこういうのかなと思ってさ」

みちる「どういうことですか?」

P「いや、俺の味噌汁を作ってくれ。ってプロポーズがあるじゃん」

みちる「あ、なるほど。それのパンバージョンですね」

P「そういうこと」

みちる「ちなみになんですけど」

P「ん?」

みちる「プロデューサーはあたしに毎日パンを作って欲しいですか?」

P「どうだろうな。ほら、大変だし」

みちる「ま、まぁそうですけど…そういうことじゃないですって」

P「…ここで何らかの回答を出すのは無理だな」

みちる「否定も肯定もしないって感じですね」

P「まぁ…そうなるのかな」

みちる「今は、それでいいです。今は」

P(今は…か)

みちる「まぁ、あたしも作るより食べる方が好きですからね」

P「それは分かる」

みちる「あ、それじゃ、毎朝一緒にパンを食べましょう!」

みちる「これでいいですね!」

P「パンを食べる位なら」

みちる「あ、だったら、毎朝パンを半分こにしましょう」

P「一杯種類が食えるな」

みちる「はい。お得な気がします」

P「確かにな」

みちる「それに自分が食べたいパンを選ぶより、相手と一緒に食べたいパンを選ぶと思います」

P「相手の顔を思い浮かべると言う感じか」

みちる「その通りですっ!」

P「お、そろそろだな」

みちる「はい。あと少しですねー。パンでも食べますか?」

P「今はいいかな。お腹が一杯だ」

みちる「そうですかー。残念です」モグモグ

P「さっきないって言ってなかったか」

みちる「見つけました」モグモグ

寝落ちしてました…。

みちる「そう言えばプロデューサーってクビになったりするんですか?」

P「いきなり…えげつない質問だな」

みちる「ふと思ったんですよ」

P「まぁ、どうだろ。そこらへんは社長が俺より有能なプロデューサーを探してきたら俺は危ないかもな」

みちる「ふーむ…」

みちる「中々そんな人いないと思うんですけどね」

P「そんなもんかね」

みちる「自分の胸に手を当てて考えて下さい」

みちる「でもでも、仮にクビになってもアタシはいいですよ」

P「俺は良くないけど」

みちる「ま、まぁ、確かに縁起はよくないですね…」

P「まだ、皆をプロデュースしてたいしな」

みちる「そ、それじゃ、プロデューサーが満足いってお腹いっぱいって位プロデュースした後の話でもいいです」

P「どうした?」

みちる「お腹一杯になったら、あ、あたしの隣はずっと空いてますから、その…」

みちる「『毎日あたしにパンを作って下さい』…って言っちゃいます。あはは…♪」ニコ

終わりです。

読んで下さった方ありがとうございました。

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