男「泣き…デレ…?」(114)


 -校舎裏-


男「君があの手紙をくれた人かな?」

女「!?」

女「う…」ジワ…

男「え?」

女「うわぁぁぁぁぁあぁん…」ポタポタ

男「えぇっ!?何で泣くの!?」

女「ふわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」タッタッタ…

男「なんだったんだ…」



タッタッタ

女「ぐす…」ピタ

女「やっぱりダメだった…」グシグシ

女「男君のこと想うと何故か泣いちゃうよ」

女「わたしの気持ちを伝えたいだけなのに…」

女「たった一言『好きです』って」

女「男君…」


 -翌日-


男「久しぶりに早く起きてしまった…」トコトコ

男「まぁいいんだけど」

男「それにしても昨日の子はどうしたんだろう?」

男「俺を見るなり泣かれたしな…」

男「もしかして怖い顔してたのか…?」

男「ああやって呼び出されるの初めてだったし…」

男「緊張してたのは認めるが…」

男「気になる…気になる…」



女「男君には昨日悪い事したなぁ…」テクテク

女「できたら謝りたいな」

女「謝って、それからもう一度…」

女「頑張ろうっ」グッ

女「また手紙書こうかな…」

女「でも二回も同じだと怪しまれちゃうかぁ」

女「偶然1人でいるって事ないかな…」


男「あ、昨日の…」

女「あ…」

男「突然走っていったけどあれは…」

女「うっ…うっ…」ジワ…

男「え?」

女「ふわぁぁぁぁぁぁぁ…」ポタポタポタ

男「ちょ…またかよっ!?」

タッタッタッ

男「どういうことなの…」



女「すん…」

女「またやっちゃった…」ズーン

女「どうしてだろう…」

女「どうしても我慢できなくなるんだよね」

女「これじゃ会話もまともにできない…」

女「泣かないように特訓しようかな」

女「うんっ!!そうしよう!!」

女「でも何すればいいんだろう」ズーン


 -教室-


男「はぁ~」

友「どうした、元気ないな」

男「昨日手紙もらったんだけどさ」

友「もしかしてラヴレターとか言わないよな?」

男「正直どうなのかも分からん…」

友「なんじゃそりゃ?イタズラか?」

男「お前じゃあるまいし」

友「俺、出始めでいきなりイタズラキャラ設定?」


男「顔見た瞬間泣かれたんだ」

友「おいおい、社会の窓は閉めていけよ」

男「脳漿搾り出して飲ませるぞ」

友「何その新しい拷問!?」

男「泣かれてそのまま走って逃げた」

友「さっぱり分からんぞ」

男「俺にもさっぱりだよ…」


友「でも、間違いなくその…性別は?」

男「別クラスの女子だと思う」

友「その子に手紙もらったのは間違いないんだろ?」

男「指定された場所にあの子しかいなかったし…」

友「じゃあ実は昔の知り合いとか?」

男「エロゲーのしすぎじゃね?」

友「うるさい黙れ黙れ!!」


友「でもありえなくはないぞ」

友「『私のこと覚えてくれてないの…悔しい!!』」

友「って泣かれたのかもしれんだろ」

男「やっぱりエロゲーの…」

友「真面目に答えてるのにこの扱いだよ!!」

男「イタズラキャラだからそうかと思って」

友「その設定マジで通すつもりか!?」


男「それに通学途中でも同じ事があった」

友「…やっぱ嫌われてるんじゃね?」

男「それだと手紙出す意味がないだろ」

友「それは実は別の誰かだったとか」

男「確かにあの子が本人かは確認してないが…」

友「ほれ見ろ」

男「だとしたら泣かれた意味は?」

友「強○魔に見えた」

男「コイツ…マジ脳漿飲ませたろか…」


ー隣の教室ー


女「はぁぁぁぁぁ」

女友「何なっがい溜息ついてるのよ?」

女「いやね、昨日の件で失敗しちゃって…」

女友「あぁ、断られたの?」

女「それ以前の問題だったよぉ…」

女友「渡した相手違った?」

女「女友ちゃんは間違ってない…」

女友「渡すの人まかせにするとは思わなかったけどね」

女「すいませんでした!!」ドゲザー


女友「じゃあどうしたってのよ?」

女「えっと…」

女友「5、4,3,2,1…」

女「え、時間制限あるの!?」

女友「で?どうなのよ?」

女「うん、走って逃げちゃった」

女友「あんたアホでしょ?」


女「ホントはもっと別の理由あるんだけど」

女「いざ目の前にいられると怖くなって…」

女友「そんなのでよく告白しようとしたわね…」

女「だって…しゅきだもん///」

女友「肝心な部分噛むとか、ホントダメ子ねあんた」

女「アホとかダメ子とか言いすぎだよ!?」

女友「手紙出しといて敵前逃亡とかダメ子すぎるのですが」

女「そうですよね」ズーン


女友「確実にあっちは気にしてるわよ」

女「うぅ…そうだよね」

女友「ちゃんと話して来なさいよ」

女「うん…でも…」

女友「でも、なに?」

女「ううん、なんでもない」

女(見ただけで泣くなんて言えないよね…)


 -運動場-


友「そっちボールいったぞ!!」

男「よしっ!!まかせろ!!」ダダッ

スカッ

男「…」クネクネクネ

友「空振った挙句、カズダンスすな!!」

男「…ボールちゃん待てーっ!!」ダダダッ!!

友「逃げた上に台詞がきめぇ!?」


女「あ、男子はサッカーやってるんだ」タッタッタ

女友「マラソンよりはマシだと思うけどね…」タッタッタ

女「あ、ボールが…」

女友「あらあれ、あなたの大好きな男君じゃん」

女「う…ぐ…!!」ジワ… ダダダッ

女友「ちょ…待ちなさいって!?」

女(こんな所で泣きたくないっ…)グスッ


女友「はい、ボール」

男「あ、さんきゅ…ってあの時の」

女友「手紙読んだ?」

男「え、あぁ」

女友「あの子逃げたんだって?」

男「顔見た瞬間ダッシュされたよ…」

女友「本当のようね…」

女友「実はイタズラしたとか?」

男「お前は何言ってるんだ」


女友「本当に何事もなくすぐ逃げたの?」

男「えっと、何かいきなり泣かれたんだが…」

女友「はぁ?」

男「俺が声かけた瞬間…」

バシッ!!

男「ぶべっ!?」

女友「やっぱりなんかしたのかこの変態!!」

男「どうしてこうなった…」


女友「真面目そうだったのにそんな事するなんて…」

男「そんな事ってどんなだよ…」

女友「こっちは真面目に言っている!!」

バシーン!!

男「いてぇよ!!」

男「無実の罪でここまでされたらさすがに俺も怒るぞ!!」

女友「逆ギレするの?最低ね」

男「見てもないのに好き勝手言ってるからだろうが!!」ガシッ


友「はいストップ」グイッ

男「離せ!!友!!」

友「お前は戻ってろ」

男「離せって言ってるだろうがっ!!」

友「周り見ろ」

ザワザワザワ

男「くっ…いつの間に…」

友「分かったら戻れ」

男「…ちっ」トコトコ


友「あんたはあとで話があるから」

女友「…分かったわよ」

友「これだけ言っておくわ」

友「あいつは平気で人を傷つけるような真似はしない」

女友「…」

友「決め付けだけで判断するのはやめておけ」

女友「そうね…」トコトコ

友「やれやれ」


 -教室-


男「…」ムスー

友「まーだ怒ってんのか?」

男「さすがにあれは誰でも怒る…」

友「女相手に手ぇあげようとしなかったか?」

男「…」

友「まぁお前の気持ちは分かるよ」

友「あとで彼女と話し合い決定な?」


男「あいつの顔見たくねぇ…」

友「また殴ろうとするからか?」

男「じゃあかわりに友がサンドバックな?」

友「マジ鬼畜」

男「俺二回引っぱたかれたのはどうすれば…」

友「だからと言って女を殴ろうとするな」

男「じゃあかわりに…」

友「やっぱり俺の扱いひどくね?」


 -隣の教室-


女「さっきは逃げてごめん」

女友「別にいいよ」

女「なんかさっきから機嫌悪くない?」

女友「別に」

女「…頑張りたい気持ちは分かるけど無理しちゃダメだよ」

女友「いや、アレじゃないから…」

女「まだだったかぁ」

女友「女同士とはいえそれネタにするのやめなさい」


女「でもホントなんかすごく機嫌悪そう」

女友「さすがに付き合い長いと分かるみたいね」

女「中学からだもんねー」

女友「でもあんたは未だに分からないわ」

女「え?わたし単純だから分かりやすいよ?」

女友「それは自分が言うべきじゃないだろjk」


女友「今日のお昼は私いないから」

女「どこ行くの?」

女友「ちょっと呼び出されててね」

女「まさか女友も告白を!?」

女友「それだったらいいけどね…」

女「あ、機嫌悪くなった」

女友「と、いうわけで自由にしててよ」

女「じゃあ自由についてくっ」

女友「…やっぱアホね」


 -昼 中庭-


友「来てくれたようだね」

女友「まぁね」

男「…」ムスッ

友「とりあえず言う事ない?」

女友「あの時は叩いて悪かったわ…」

男「え?」

友「謝ってんのに何だその反応」

女友「もう一発叩いたほうがいいのかしら?」パシンパシン

男「…真面目な話じゃなかったのこれ」


女友「さすがにあれはやりすぎたわ」

女友「ごめんなさい」

男「あ、あぁ…もういいよ」

友「よし、じゃあ仲直りの握手をどうぞ」

男「元から別に仲良くはなかったが?」

女友「何せ二回しか話した事ないしね」

友「なんだそれちくしょう!!」


友「で、何が原因だったわけ?」

女友「私の友達泣かせたって聞いたから」

友「それでカッとなってやったわけか」

女友「反省はしたけど後悔はしてない」

男「そこは後悔もしろよ!!」

女友「なんかすっきりしたし」

男「ひでぇ!?」


友「んで、実際のところどうなんだ?」

男「いやホント俺にも分からないんだって…」

男「いきなり涙ぐみだして号泣だったし」

友「で、走って逃げていったと?」

男「そういうことだ」

女友「あの子何がしたいのかしら…」

男「俺が聞きたいよ…」


男「手紙で呼ぶには理由あると思うけど…」

女友「その理由は知ってるよ、私」

男「じゃあ教えてくれっ」

女友「教えたら意味ないし」ボソッ

男「なんだって?」

友「俺も聞こえんかった」

女友「モテない男ってこういうものか…」


女友「今、気になるのはあの子が何故泣いたかって事よ」

友「呼び出した理由分からねぇとどうにもならなくね?」

女友「それ無視しても会った瞬間泣くのはおかしいでしょ?」

男「俺の顔が怖かったのかもしれん…」

女友「はぁ?」

友「少なからず下心というものがあってだね…」

男「ちょっと頭貸せや!!飲ませたるっ!!」

友「まだそのネタ引っ張るの!?」


男「正直下心はあったのは認める…」

女友「男子って大体そういうものよね」

友「おっと、男子株急落したっ」

男「お前はふざけてるのか真面目なのかどっちかにしろ」

友「まぁホントは俺無関係だし?」

男「殴っていいか?」

女友「私にも殴らせて」

友「いや、元々お前らがケンカしたからだろ!?」


男「マジなところ、俺どうしたらいいんだろう?」

女友「あの子と話すればいいと思うけど」

男「でも、二回会って二回とも泣かれてるわけだが…」

友「よっ!!女泣かせ!!」

女友「この人、コロコロ変わるけど元々こんな性格なの?」

男「普段はエロゲ脳のイタズラキャラだからな」

友「なんかレベルアップしとる…ダメな方向に…」


 -一方その頃-


女「1人は寂しいよ…」

女「楽しく1人でご飯食べてやる!!」

女「うわぁ!!このから揚げおいし~!!」

女「このヒジキも味が浸みてていい感じだね!!」

女「この…この…」プルプル…

クラスメート「えっと、女さん…一緒に食べようよ」

女「うん…ありがと…」グスン


 -放課後-


男「帰るか」

友「あれ、あの子と話しないのか?」

男「無理だろ…」

友「でも、女友さんが校門前に待たせるらしいぜ」

男「マジかよ…」

友「気になってるなら会ってみろって」

男「もう絶望するのはイヤでござる!!」

友「そこまでダメージでかかったのか…」


 -校門前-


女友「ちょっとここで待ってて」

女「女友が忘れ物なんて珍しいね」

女友「まぁ人間だし、忘れる時もあるわよ」

女友「じゃあ頑張ってね」タッタッタ…

女「え?今なんて…」

女「男君、もう帰ったのかな…」

男「…えっと」ポリポリ

女「!?!?!??!」


女「あ…ひぐっ…」ジワッ

男「だから何で泣くんだよ…」

女「ご…なさ…ふぇぇぇぇぇぇん」ポロポロポロ

男「俺が何したってんだよ…」

男「ほら、こんな所で泣くと迷惑に…」スッ

バシッ!!

男「!?」

友「本当に泣いてる…外野から見ても原因分からんな」


女「あ…なん…で…うわぁぁぁぁぁぁん!!」ダッ!!

男「お…おいっ」

男「ホントどうなってんだよ…クソッ!!」

バンッ!!

男「ってぇ…」ジンジン

友「痛いなら壁叩くなよ…」

男「じゃあお前ならいいか」グッ

友「俺、本当にお前とダチなの…?」


女友「あれ、あの子は?」

男「すまん、また泣かせた…」

友「このバカっ!!」ブンッ

バシッ!!

友「へぶしっ!!」

女友「空気読みなさいよ」フリフリ

男「あんた容赦なさすぎだろ…」


女友「また走って行ったの?」

男「あぁ…」

女友「これはちょっと普通じゃないわね…」

男「でも、少しだけしゃべろうとしてたわ」

男「何言ってんのかは分からんかったけど…」

女友「ごめん、あの子追いかけるわ」タッ

友「冗談抜きであの子に何もしてないのか?」

男「した覚えはないよ…」


 -住宅街-


女「はぁはぁ…ぐすっ」

女「やっぱりわたしはダメ子なんだ…」

女「もう自分がイヤになるよ…」

女友「女!!」タッタッタ

女「!?」ダダッ!!

女友「ちょ、待ちなさい!!」ダダダッ!!

女(ダメ!!来ないでっ!!)


女「はぁはぁはぁ…」

女「振り切った…?」

女「女友…ごめん…」

女「今はあまり顔見てほしくないんだ…」

女「こんなひどい顔…」

女「訳も分からず泣く子なんか嫌われるだけだよ…」

女「しかも今日はつい叩いちゃった…」

女「もうイヤ…だ…」ズルズル


 -再び校門前-


男「なぁ、俺ってそんなひどい顔してるか?」

友「いいや?」

男「こういうときだけ空気読むのな?」

友「ひでぇ…」

男「どう考えても俺が嫌われてるようにしか見えないんだよな」

友「でも無実なんだろ?」

男「そうだよ…いい男だよ」

友「お前こそ空気読め」


男「これ以上あんなの見せられたら」

男「どうにかなってしまいそうだわ…」ガシガシ

友「男…」

男「ふぅ…じゃあ帰るか?」

友「そうだな」

友(空気読んでも何も言えない俺がいる…)

男(このままだとあの子の事嫌ってしまいそうだ…)

今日はこの辺でストップ。

続きはまた夜にでも更新します。

女友の株が暴落しとるwww
勢いで書いたから結構ひどい事になってるのは認める。

以下より続き投下します。


 -翌日 通学路-


男「なんか学校行くのがイヤになってる…」トボトボ

男(正確にはあの子に会うのが…か)

男「だからといってサボるのもあれだしな」

女「…」テクテク

男「!?」サッ

男(とっさに隠れてしまった…)

男(なんか寂しそうだな)


男「行ったか…」

男「別に顔も悪くないし、スタイルもいい方だ」

男「性格は…分からん」

男「普通に可愛いといえる子なんだけどな」

男(そんな子が何故俺の前でだけ泣くのだろう…)

女友「ちょっと独り言多いね、君は」

男「ひゃっはーいっ!?」

女友「どんな叫び声よ…」


男「う…昨日あれからどうなったんだ?」

女友「さりげなく流したわね」

女友「逃げられたわ」

男「え」

女友「体育の時も似たような事あったのよね」

男「あの時か」

女友「あの子は何を隠してるのかしらね…」


男「友人なんだったら何かしら分かるんじゃないか?」

女友「随分と付き合い長いけど」

女友「今回の件だけは何も分からないわ」

男「…そうか」

女友「とりあえず学校行ってあの子に話聞いてみるわ」

男「あぁ」

男(友人にすら隠す何か…か…)


 -校内の売店-


男「えらい混んでやがるな」

友「いつもの事だろ」

男「友、今なら蹴散らすチャンス!!」

友「俺を何だと思ってるんだ…」

男「友無双が見れると思ったんだが…」

友「学校で何が悲しくてジェノサイドしないといけないんだ!?」

友「つーかんな事できるか!!」

男「チャラララーッ、友のツッコみレベルが15上がった」

友「レベルが15アップってすごいな!?」


男「あ」

女「あ」

女「ふぇっ…」ジワ

女「あぁぁぁぁぁぁん…」ポロポロ

男「おい…」

女「……さい…わぁぁぁぁぁぁん…」ダッ

男「…」イライラ


友「何度見てもひどいな…」

男「悪い…1人になってくる…」トボトボ

友「え、分かった…」

友「思いつめるなよっ!!」

男「あぁ…」トボトボ

男(友、お前はいい奴だな…)

男(でも今は1人じゃないと爆発しそうだ…)


 -同時刻 校舎裏-


女「はぁはぁ…」

女「なんでだよぉ…」ズルズル ペタリ

女「もうやだよぉ…」ポロポロ

女「こんなのじゃ嫌われちゃうよぉぉぉ…」ポロポロポロ

女友「ここにいたのね…」

女「!?」

女友「逃げないでよ」


女「…」

女友「あんたねぇ」

ゴツン!!

女「いたっ」

女友「今まで避け続けた罰」

女「ごめんなさい…」

女友「…あんた、頭固すぎ…」ズキズキ

女「何で殴った方が痛そうなの…?」


女友「単刀直入に言うわ」

女友「何であの人の前だけ泣くの?」

女「…わたしだって知りたいよぉ」ジワ

女友「知らずにそれなの…?」

女「こんなのじゃ男君に近づくことも出来ないよぉ」ポロポロ

女友「…分かった、信じる」

女「ふぇ?」


女友「いや、その泣き癖のようなもの」

女友「冗談じゃなく本気で泣いてしまうっていうのをね」

女「女友ぉ」ガバッ

女友「おっと、いきなり抱きつかないでよ」

女「嬉しいもんっ!!」

女友「はいはい」ナデナデ


女友「でもこのままだとまた同じじゃない?」

女「…」

女「やっぱり諦めるべきなのかな…」

女友「本気で言ってる?」

女「割と本気」

女友「重症ねぇ…」

女友(そういえば…)


女友「泣いてる時って言葉出ないの?」

女「ちょっとぐらいなら…」

女友「だったら会話できるチャンスあるじゃない」

女「でも…」

女友「つい逃げ出してしまう、と」

女「うん…」

女友「ならば特訓しかないね」

女「へ?」


 -廊下-


男「帰ろ」トコトコ

男「ん?」

女『───』

女友『──、────』

男「…楽しそうだな」

男「つーか隣のクラスだったのか」

男「そりゃ体育同じだったし当然だったか…」トコトコ


 -翌日 廊下-


男「おっと」ドンッ

女「きゃっ」ドサッ

男「わりぃ…ぁ」

女「ぁ…」ブワッ

男「ちっ」ダダッ

女「うぅぅ…」グスグス

女「男君…」


 -次の日 売店-


男「おばちゃん!!タクアンパン!!」

女「イチゴコロッケパンください!!」

男「ん?」

女「あぁぁぁぅぅぅぅ…」ポロポロ

男「…」

男「お金ここ置いておくっす…」トコトコ


 -また次の日 教室前-


男「教科書さんきゅ」

隣の生徒「もう忘れんなよ」

男「おう」クルリ

女「!?」ジワ…

男「…っ」

女「…んぐっ!!」ダダッ

男「く…」イライライラ

男(なんだってんだよ…ホント…)


 -住宅街-


男「…」トコトコ

友「じゃあな…」トコトコ

男「あぁ…」

男「…」トコトコ

男(少し寄り道しよう)

男(公園行くか)トコトコ


 -公園-


男「はぁ」ドサッ

男「ここ数日あまり人と話してないな」

男「できるだけ避けてきてたからかな…」

男「だってよ…爆発しそうだから…」

男「関係ない奴に怒鳴り散らしそうなんだよな…」

男(『何も知らないでヘラヘラしやがって』)

男(『俺がどれだけ苦しんでるか分かるのか』てな…)

男「正直…限界かもしれん…」グタ…


男「もうあの女に会うだけで苦痛だわ…」

女「え…」

男「!?」

女「あ…ぅ…」ジワ

女「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁん…」ポロポロ

男「…」

男(何かが音を立てて切れた─)


男「お前は…なんなんだっ!!」

男「俺の前で泣いてばっかり!!」

男「俺に何の不満があるんだよっ!!えぇ!?」

男「何か言えるもんなら言ってみやがれぇっ!?」

女「うぐっ…ひぐっ…」ポロポロポロ

女「ごめ…さい…」

女「ひっく…ごめんなさいっ!!」

男「え…」

きょうはここまで。

次の更新で終わると思います。


女「男くんはっ…うぐ…なにも…わるく…」

男「…」

男(いつも逃げ出してたくせに…)

女「わたしの…せい…でっ…」ポロポロ

男(一生懸命に言葉を繋いでいる…)

女「ごめんなさいぃぃぃぃぃ」ポロポロポロッ

男「お前…」

女「ゆる…してっ…くださいぃ…」ポロポロポロ


男「ちっ…ちょっと待ってろ」ダッ!!

女「ぁ…」

男(最初から分かってたんじゃないのか…)

男(捕まえて話をすればよかったよかった事だと…)

男「…」ピッ ガシャン

男(もうちょっと落ち着いて話を聞こう)

男(泣きっぱなしでも話は出来るのが分かったことだしな)


女「ぁ…ふぁぁぁぁ…」ポロポロ

男「また俺見て泣くし…」

女「ごめっ…ごめんな…さ…」グスグス

男「さっきは怒鳴って悪かったな、ほら」スッ

男「この状態で飲めるかは知らんがやるよ」

女「あり…がと…ぐすっ」

男「しかしこんなのがはじめての会話とか空しすぎる…」


女「んぐっんぐっ…うぇぇぇぇ…」ポロポロ ゴキュゴキュ

男「泣きながら飲むとか器用すぎるだろ…」

男「もう怒鳴らないし、逃げたりしないから」

男「言いたい事話してくれないか?」

男「ほら、最初手紙くれたのは何か言いたい事あったんだろ?」

女「あっ…ぁぅぅぅぅ…」ポロポロ


男「ゆっくりでいいぞ」

女「んぐっ……き」

男「なんだって?」

女「す…うぅ…」

男「…」

女「好きなんですぅぅぅぅぅえぅっ!!」

男「えっ」


男「予想できたはずなのに何で驚いたんだ俺…」

男(俺なんかがありえないって逃げてたのかもしれん)

女「えぇぇぇぇん…」

男「えっと…」

男「長い会話は難しそうだな…」

男「携帯持ってるか?」

女「ふぇぇぇぇ」コクリ

男「じゃあメルアドと番号交換だ」


男「これでよし」

女「うぇっ…あのっ…」

男「多分それ俺の前でだけなんだろ?」

女「えうっ…」コクリ

男「だったら続きは離れてからだ」

女「うえぇぇぇぇぇぇっ!!」グイッ ブンブンッ

男「意外と積極的な奴だな…」


男「あと、ひとつ試したい事あるから」

男「頼むから離れさせてくれ」

女「ぐす…わかっ…た」パッ

男「んじゃ公園を出てかけるわ」タッタッタ

女「うぅ…?」

男(電話なら話せるんじゃないかと思ったわけだ…)

prrrr

女「!?」ピッ

男『俺だ、どうだ?話せるか?』

女「ふえぇぇぇん…えぇぇぇん」

男『何で顔も見てないのにダメなんだよ…』

男『じゃあメールに切り替える』

女「うえっひぐっあぅっ…」

男『話してるのか泣いてるのかすら分からなくなったぞ…』プツッ


女「男君…頑張ってくれてる…」

女「すごく嬉しい…」ギュッ

女「でも何か忘れてるような気が…」

女「すごく大事な事…」

ユーゴッタメー!!

女「ひゃあっごめんなさいごめんなさい!!」

女「…メールだった///」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 メール得意じゃないから

 簡潔にしか出来ん。

 大丈夫かどうか返事をくれ。   男 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

女「使い慣れてないんだ…」

女「でも律儀にそれを教えてくれるんだね」ニコ

女「返信しなきゃ」カコカコカコ

女「『もーまんたーいっ』っと」

女「送信っ…」ピッ

女「あれ、男君との初送信がこれってどうなんだろ?」


男「ぶっ!!」

男「この一言であいつに対するイメージが壊れたんだが…」

男「でもメールなら問題ないのか」

男「『だったらしばらくこれで会話しよう』と」カコカコカコ

男「メールなんてこれで3回目だ、使ったの…」

男「俺のメール機能は受信専用と化してるからな…」


ピロリロリン♪

男「返信はえぇな」カコカコ

男「ちょ」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 分かったよ!!これからよろしくねっ

 暇な時いつでもメールしていいかな?かな?

 こっちもいつでも待ってるから!!キャッ

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

男「…実は送信してるの別人じゃね?」

[ここからは面倒なのでメール内容を会話形式で表示します。]



男「なんかお前、俺が思ってたイメージと違うんだが?」

女「えー?普段こんなのだよ、わたし」

男「もっと大人しいと思ってた…」

女「あっはっは、残念だったねっ!!これがわたしの正体だ!!」

男「これはひどい」

女「あ、でもそういうの嫌いならやめる」

男「性格をやめるとか本気で言ってるのか…?」


女「嫌われたくはないのですっ!!す」

男「最後の『す』ってなんだよ…気になるだろ」

女「途中なのに間違えて送信押しちゃいました、てへ」

男「で、何言おうとしたんだ?」

女「すすすすす好きだから!!」

男「そうか…つーかメールでどもるなよ」

女「あれ?やっぱりなんか忘れてる気がする」

男「今の状況説明じゃね?」

女「あーそうでしたすいません吊ってきます」


男「それでなんで俺の前で泣くんだ?」

女「正直わたしにも分からないんだ」

女「男君見たら何故か我慢できなくなって泣いちゃうんだ」

男「こういうのはなんて言うんだろうな…」

男「泣き…デレ…?」

女「泣きデレって何?」

男「俺が勝手に名付けた」


男「でもこれからは泣いても気にしないから」

男「話したいならメールでも会ってでもかまわない」

女「男君…やっぱり優しいな」

男「でもいつから俺を好きになったんだ?」

女「なんとなく!!」

男「よし、本当に泣かせてやろう」

男「そこを動くなよ?今から行く」

女「ごめんなさい、別の意味では泣きたくないです」


女「いつだったかな、男君とぶつかった事があって」

女「謝りながら起こすのに手を貸してくれて…」

女「多分その時からだったと思う」

男「そうか」

女「変…かな?」

男「ありえなくはないだろ」

女「そっか、えへへ…」


 -次の日-


友「やっと話が出来た?」

男「あぁ」

友「とうとうお前にも彼女が出来たか…」

男「え?…あ…」

友「どうした幸せ者?」

男「重大な事忘れてた」

友「『私達結婚します!!』とか?」

男「色んな意味で間違いが起こるから黙れ…」


 ー隣の教室ー


女友「やっと話せたのね」

女「うんっ!!話したいならメールでも会ってでも話すって!!」

女友「特訓したかいがあってよかったわ」

女「悪いけど特訓は意味がなかったー」

女友「男君の顔写真拡大して付けたお面張り付けてた昨日の私に謝れ」

女「ウソです、助かりましたすいません」ドゲザー


女友「これでやっと恋人ってわけね」

女「うん!!…あれ?」

女「何か大事な事忘れてるような…」

女友「キス」

女「いきなりできる人いたら見てみたい」

女友「****」

女「女友ちゃんって結構すごい発言する…」


女友「じゃあ何忘れてるのよ?」

女「ここまで出掛かってるんだけどなぁ」トントン

女友「そこは心臓だ…まだ全然じゃないのっ!!」

女「うぅーん…」

女友「普通、大切な事なら忘れないでしょ」

女友「やっぱりダメ子ね、あんた」

女「ぐすん」


女友「あんた見てると何だか色々疑いたくなってきた」

女「例えば?」

女友「本当に話をしたのかと」

女「したよ~」

女「ほとんどメールでだけど…///」

女友「告白とか」

女「それだってちゃんと…あ!!」

女「それの返事もらってなかった…」


女友「今からもらっていなさい!!ダメ子!!」ドンッ

女「あぅっ…今からは無理無理っ」

男「おいっちょっと話がある」

女「あ…ぐす…」

女「男くぅんわぁぁぁぁぁぁぁ…」

男「やっちまったっ!?やっちまったっ!?」

女友「そういえば、男君いる前で泣いてるの初めて見たわ…」


 -屋上-


男「正直すまんかった…」

女「うぇぇ…いいよぉ…」

男「昨日言い忘れてた事があってな」

女「ぐすぐす…」

女(もしかしてっ!?)

男「俺、メールの返信すごく遅いけど怒らないでくれって事」

女「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!」ポカポカ

男「何怒ってるんだ!?」


男「冗談だよ」

男「付き合おうか、俺達」

女「!?うぁ…」

女「あぁぁぁぁぁぁん、あぁぁぁぁぁん…」ギュッ

男「今、いいシーンのはずなんだけど」ポンポン

男「泣き顔しかできないのが1人いて台無しだった」

女「すいませんでしたぁぁぁぁぁ」ドゲザー


友「返事忘れだったのかよ」

女友「二人そろってなにやってんだか…」

友「あんたは彼氏いないのか?」

女友「だが断る」

友「まだ何も言ってないがな!?」

女友「『俺達も付き合うか?』とか」

女友「気持ち悪い事言いそうだったので」

友「どいつもこいつもちくしょう!!」


女「うぇぇぇん」カコカコ

男「泣いてるだけかと見せかけて携帯いじってるのがシュールだ…」

ピロリロリン♪

男「俺にメール送ってたのか」カパッ カコカコ

男「この数字の羅列…何?」


『42673925242d』

『ヒント=16』


女「ぐすっ…教えないもぉん」

男「こういう謎解きは苦手なのに…」

男「大体ヒントまで数字ってなんだよ!?」

女(わざと解けないようなの選んだもん)

女(解いてくれたらもちろん嬉しいけど分からなくてもいいんだ)

女(えへへっ)


男「教えろよ!!じゃないと泣かせるぞっ!!」

女「うぇ…もう泣いてる…もぅん…」

男「気になるじゃねぇかよぉ…」

女「分からなくて…うぇぇぇぇぇっ…いいよ…」

男「おしえろぉぉぉぉぉぉぉ…」




  「───っ!!」

これで終わりです。
もうちょっと長く続かせればよかったけどグダグダになるの見えてた。

最後の暗号については分かる人だけ分かってください。
調べればそこまで難しくないです。

読んでくれた人ありがとう。では。



十六進法?

1です。
分かりにくかったかな…。

>>111の言うとおり16進数で『大好き』って書いてあります。

ちゃんと答えだして終わったららよかったと少し反省。

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