優希「裏が乗れば栽培マンだじょ!」 (60)
純「リーチ!」
優希(あの捨て牌…!ドラの7pが切りづらいじょ…)
美穂子「…………」ゴゴゴ
美穂子(ドラが切れなくて困ってるのね?大丈夫、道は作ってあげる…)
美穂子「…………」タンッ
純(こいつ…っ!)
優希(ドラが…通るっ!)チャッ
優希「リーチ!」
純(俺はしくったのか!?…いや、めくり合いで勝てば良いだけの事!)チャッ
6萬「やぁ」
純「」
優希「ローン!」
優希「リーチ一発門清平和ドラ1っ!裏が乗れば栽培マンだじょ!」
優希「乗った!栽培マン!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
優希・純・美穂子・睦月「!?」
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栽培マン「キキーッ!!」
優希「おぉ」
純「はぁ!?」
美穂子「!?」
睦月「さ、栽培マン!?」
健太『えー…解説の藤田プロ、何か出てきてしまいましたが…』
靖子『栽培マンじゃないか。ヤムチャ倒したアレ』
健太『いや、それは実物を見れば分かるんですけど…』
靖子『パワーだけならラディッツに相当するんだぞ?』
健太『いや、それも知ってるんですけど…』
靖子『何だ、私と同じ世代か。もうあの辺から引き伸ばしが、やばかったな…』
健太『そうじゃなくってですね…』
靖子『しゃきっと歯ごたえ~♪』
美穂子「さ、栽培マン?」
睦月「え、ええ…漫画ドラゴンボールに出現するキャラクターです」
美穂子「そ、そう…。三倍満に語呂が似てるのね…」
優希「あ、そうだ。裏が乗ったら栽培マンじゃなくて三倍満だったじぇ」
純「今更指折り数えながら言ってるんじゃねえ!」
栽培マン「キキーッ!」
純「お前はちょっとうるさい!黙ってろ!」
栽培マン「ギギッ!?」
純「お、おう…何だやるのか!?」
優希「こら、栽培マン!今はそんな事やってる場合じゃないじぇ!」
栽培マン「ギッ!」
美穂子「あ、あら…あなたの声にはきちんと反応するのね…」
睦月「清澄が三倍満を栽培マンと間違えて発言してしまったせいで、彼(?)が出現した…」
純「だからチビの言うことだけは聞くって言うのか?納得いかねーっ!」
審判(ど、どうなってるんだこれ…)
優希「って!そうだじぇ!おいこらノッポ!親の三倍満分の36000早くよこせ!」
純「はぁ!?お前栽培マンって言ったじゃねーか!今更申請し直すのかよ!」
睦月「それに、その代わりとして今清澄は栽培マンを手懐けているようだし…」
純「そうだ!お前栽培マンって申告したな?栽培マンの戦闘力は1200だ。その分だけ払ってやるよ。ほれ」
優希「な…っ!さ、栽培マンは栽培マンでも、テレビスペシャル『たった一人の最終決戦』で出てきた強化栽培マンかもしれないじょ!?」
純「おっと!それは残念だったな。あれは地球で生まれた栽培マンが誕生するずっと昔の話だ」
純「その頃の栽培マンが例え強化型とは言え、その後二十数年後の科学力以上とは思えないぜ!」
優希「ぐぐ…!」
純「しょうがねーから親の最低得点な。1500。サービスでリー棒はくれてやるぜ」
純(あーやべぇ、助かったわ。36000と1500じゃ段違いだからな)
睦月(栽培マンか…。本当に戦闘力が1200なら、使い様によってはとんでもない訳だが…)
美穂子(みんなが何を言ってるのか全くさっぱりなのだけれど…)
優希「さ、36000が1500になったじょ……」
栽培マン「ギィィィ…」
優希「!」
優希「き、気にするな!栽培マン!お前のせいじゃない!まだまだ私のターンは始まったばかりだじぇ!」
栽培マン「ギギッ!」
審判「…えーと、では今の局は1500点+リー棒分の移動+栽培マンの獲得と言う事で進めるんですね?」
優希「おう!」
純「そういう事だ」
睦月「うむ」
美穂子「何だか良く分からないけど、みんなが納得してるならもうそれで良いわ…」
審判「では、清澄の南場の親番、1本場から再開して下さい」
優希(まだまだ…1点でも多く終わらせる!)カシャッ
純(このチビに良い流れが行く前に流さないとな…)カシャッ
睦月(現在三着…。もう少し頑張りたい…)カシャッ
美穂子(うーん、せっかくトップの龍門渕を削れたと思ったのだけれど…)カシャッ
栽培マン「ギギッ」ヒュン
健太『あぁっと!栽培マンが消えましたよ!』
靖子『いやそりゃ消えてない。超スピードで移動してるだけだろ』
健太『何でそんなに藤田プロは冷静なんですか!?』
靖子『…ふっ。そりゃ対局中に何があっても動揺しない強い精神力がだな…』
健太『おっと。ここで超スロー再生の映像が来たようです。見てみましょう』
靖子『聞けよ』
健太『これは…』
靖子『思いっきり他家の配牌見てるな。超スピードで』
靖子『あれでいて結構栽培マンは知能が高いからな。清澄に逐一手牌進行を教えるのはワケないだろ』
健太『こ、これって完全に清澄は他家を覗いてるって事じゃないですか!良いんですかそれで!』
靖子『はぁ…。お前本当に実況か?さっきの審判の台詞を思い出してみろ』
健太『え…っ?』
靖子『「今の局は1500点+リー棒分の移動+栽培マンの獲得と言う事で進める」』
靖子『獲得したからにはどう使用しようが権利者の勝手だろ。そしてもう一つ』
靖子『この団体決勝は点棒やその他諸々の状況も引き継ぐ…つまり…』
健太『清澄はこの団体決勝、いかなる区間においても栽培マンをどう使っても構わない…!?』
靖子『そういう事だ。…使えればの話だが』
健太『こっ…これは大変なことになって参りました!』
靖子『それに、これだと証拠も何も残らないからな。栽培マンがただ理由もなく動いているだけかもしれん』
靖子『別に牌のすり替えとかをやっているわけじゃないんだからな』
靖子『龍門渕は36000を支払わずに済んで良かったと思ってるだろうが…はたしてどうなる事やら』
栽培マン「ギギッ」
優希「ええ!それは本当か!?」
優希(おねーさんのアシストっぽいのでノッポに6100を打ち込んだのは良いけど…)
優希(二本場になった今、しれっと平和ドラ1を聴牌してるとは…)チラッ
美穂子「?」
優希(この不要牌を切るとノッポが鳴きを入れそうなのも理解した…なら、こっちだじぇ!)
優希「…」タン
睦月「…」タン
純(紛れを起こす牌が出ない…)タン
美穂子(満貫への手替わりはあったけど…出ないわね、3-6萬…)タン
優希「それだじぇ、おねーさん!」
優希「ロン!タンヤオドラ1!3900の2本場は4500!」
美穂子「ーっ!?」
美穂子(私とした事が…)
栽培マン「ギギッ!」ヒュンッ
美穂子「…!」
美穂子(今の気配…そして清澄の子の不自然な面子落としからの3-6萬5枚使い…)
美穂子「ふふ、そういう事かしら…」
優希(うーむ…やっぱり南場って事か…。配牌5シャンテンじゃ上がれる気がしないじぇ)
優希(栽培マンのアシストで他の三人の手牌進行は分かるから、受けれる手にしておこう)
栽培マン「ギギッ」ヒュンッ
美穂子「…………」ゴゴゴゴ
パシッ
栽培マン「!?」
美穂子「あらあら…貴方は清澄の子の味方なのでしょう?どうして私の真後ろにいるのかしら?」
優希「なっ…!」
優希(あの栽培マンの超スピードを見切って止めただと…お姉さん…!)
栽培マン「ギッ…ギィィ…ッ!」
美穂子「ふふ…。おいたはだめよ?Don't you seeよ?ほら、清澄の子の所に戻りなさい?」
美穂子「いや…それとも『他の二箇所』かしら?まぁ、私はそれでも良いけど…ふふふ」
栽培マン「ギイイィッ!」
純「おい、何やってるんだ。あんたのツモ番だぞ」
美穂子「あらいけない。ごめんなさいね」
美穂子「………」チラッ
優希「!」
優希「………」コクッ
美穂子「…」ニコッ
優希(おねーさん…流石だじぇ…もう栽培マンの行動の全容に気付くとは…)
美穂子(あの超スピードで他家の進行を見ていたわけね…)
美穂子(確かにすり替えをやった訳でもなく、証拠が残るわけでもない)
美穂子(一度ならば、栽培マンとやらがハメを外したくなって私の真後ろに付いていたと言い張れるかも知れない)
美穂子(けれど、それが二度三度続けば?それはただの偶然とはもはや言い張れない)
優希(そんな状況の中、審判に進言する訳でもないけど、ただおねーさんは『他の二箇所』と言い直した)
優希(つまりおねーさんは栽培マンの行動については自分のところ以外ならば容認すると言っているようなもの)
美穂子(はっきり言って龍門渕はこの先鋒で大きく沈ませたい)
美穂子(その為には清澄の親番と私の親番で大きく削るのがベスト)
優希・美穂子(共闘と行きましょうか…!)
南1局 9本場
純(な、何だってんだ…!鳴きも入れられない、上がれもしないでチビの他家からの上がりか風越のキャプテンとの聴牌が続いてやがる…!)チャッ
純(…来たっ!ドラ5の多面帳!こいつは貰ったっ!)
純「リーチっ!」
美穂子「……」タンッ
優希(跳ね満確定の多面帳!)
優希(ノッポの待ちは捨て牌とおねーさん以外の手牌構成から考えて山に生きまくっているはず…)チラッ
美穂子「………」コクッ
優希「…………」コクッ
栽培マン「ギギッ」
純「おいチビ、ダントツトップが長考は良くないぞ」
優希(………なるほど、じゃあおねーさん…)
優希「ああ、今切るじょ…」
優希(借りは返すじぇ!)タン
純(惜しい、それじゃな…)
美穂子「ロン。タンヤオのみ。1300の9本場は4000ですね」ニコッ
美穂子(さて、清澄の子の親が流れてしまった以上、私の親まではサクサク行きましょうか…)
純(ぐっ…何だってんだ!)
睦月(…………)
優希(まだ一応トップだけど…オーラスのおねーさんの親が怖いじぇ…)
美穂子「ロン。ツモ。ロン」
美穂子「オーラス…私の親ですね」
睦月(…おかしい。これはどう考えてもおかしい)
睦月(これで栽培マンが出現してから、点棒が増えてるのは風越と清澄ばかりだ)
睦月(そしてその両校同士の点棒の移動はたった二回のみ)
睦月(いずれも犠打に見える安い点数だった)
睦月(これらから導き出されることは、風越・清澄の結託)
睦月(そして恐らく、それが行われたのは…あの一局…)
睦月(やはり栽培マンを使ってどうにかしていると言うのだろうか)
睦月(いずれにせよ、それを明らかにする術を今の私には持っていない。だから、私がやるべき事は…)キュッ
睦月「…ツモ。400・700」
純・美穂子・優希「!?」
睦月(この明らかに異質な先鋒戦を一刻も早く終わらせること)
純「そ、その多面帳をリーチもかけずにラス目のあんたが上がるのかよ!」
美穂子(迂闊だったわ…)
優希(てっきり手替わり待ちかと思ってたじぇ…まさかそれで上がるとは…)
睦月「どうも異様な場に感じましてね…。それでは。ありがとうございました」
純「あ、あぁ…。ありがとうございました!っくしょー。納得いかねーっ!」
美穂子「………」
優希「………」
栽培マン「ギギッ…」
美穂子「鶴賀の方にはバレちゃったみたいね」
優希「ドラゴンボールを知らないお姉さんが、栽培マンの行動に気付いた事の方が凄いじぇ…」
美穂子「あら、何のことかしら?」くすっ
優希「喰えない人だじょ…」
―清澄控え室―
優希「ただいま戻りましたじぇー」
栽培マン「ギギッ!」
咲「優希ちゃん!お帰り!その…さ、栽培マンってのも…お帰り…」
まこ「二人とも大活躍じゃったのう」
優希「な、何の事だじぇ?」
久「やす…藤田プロが超スロースピードで栽培マンの動きを追ってたから、何やってたかモロバレよ」
優希「」
栽培マン「ギギッ?」
咲「…優希ちゃんの言葉しか分からないんだね」
まこ「しかし全身緑色とはイカしてるのぉ」
京太郎「栽培マンって言ったらやっぱヤムチャだよなぁ…」
和「何で皆さんこの状況に普通に対応してるんですか???」
咲「私が聞きたいよぉ…」
久「そりゃー、ドラゴンボールの栽培マンと言えば有名でしょ!私も召喚できるならしてみたいわ!」
―風越控え室―
美穂子「ただいま、みんな」
華菜「キャプテン!お帰りなさいだし!」
貴子「あー。良くやった」
未春「やっぱりキャプテンは栽培マンの行動に気付いてたんですか?」
美穂子「んー。まぁ、そんなところよ?」にこっ
星夏「でも次鋒戦以降も栽培マンを清澄は使っていいんですよね?それだと相当清澄が有利じゃ…」
純代「手牌を覗かれてると厳しいですし…」
華菜「って言うか清澄だけ栽培マン使えるとかずるいし!あたしだって使いたい!」にゃー
星夏「わ、私だって使ってみたいですよ!」
美穂子(そ、そんなに人気あるの?あの栽培マンって言うの…)
美穂子「い、いいえ、大丈夫よみんな。あれが効力を発揮しているのは、あれが現状一体しかいないからよ」
美穂子「もう策は考えてあるわ…」
―鶴賀控え室―
ゆみ「良くやった、睦月」
智美「ワハハ、最後の多面帳の平和ツモは渋かったぞ。ムッキー」
桃子「やっぱり栽培マンの悪さに気付いてたんすか?あ、今リプレイやってるっすよ」
睦月「…なるほど。いや、何かをしているとは思っていたが、何にしてもこの異様な場を早く終わらせようと思って」
佳織「何にしてもお疲れ様ですっ」
睦月「栽培マンの戦闘力を活かした手牌除き見か…」
桃子「まぁ、同じようなことなら頑張れば私も出来るっすけどね」
智美「おお、モモの戦闘力も1200あったのか」
桃子「冗談っす。流石に今のステルスモモじゃ出来ないっすよ。今のじゃぁ、ね」
ゆみ「しかし、栽培マンか…私も召喚してみたいな」
智美「ドラゴンボールはいつの時代も子供の憧れだからなー」
―龍門渕控え室―
智紀「先鋒戦の超スロービデオの再生」ピッ
純「なっ!そういう事かよぉおおおおおおおおお!」
透華「純!いくら栽培マンの覗き見があったとは言え、悪い方に目立ちすぎですわ!」
一「まぁこれくらいが良いハンデだと思うけどねー」
純「おぉい国広君!俺の出番はもう無くなったんだぞ!」
純「くっそ…あの清澄のチビと風越のキャプテンめ…俺に一人じゃ叶わないからって徒党を組みやがって…!」
智紀「何にしても現状、うちが大幅にマイナスの3位なのが事実」
透華「流石にこの状況では衣に来て貰わないと困りますわ!」
一「まだ衣の出番まで三人もいるから大丈夫だよ。心配性だなー透華は」
智紀(それに、考えはある…)
―次鋒戦―
まこ「宜しくのう」
未春「宜しくお願いします」
佳織「宜しくお願いしますね」
智紀「宜しく」
栽培マン「ギッ」
未春・佳織・智紀「………」
未春「や、やっぱり次鋒戦でもいるんですね…」
まこ「ん?ああ、そうじゃのう」
まこ(まぁ優希以外にこいつの言葉を理解できる奴はおらんのじゃが…)
久『例え言語を解する方法がなくても、その場に栽培マンがいるだけで他の三人への牽制には十分だわ!』
まこ(なんて久が言うからのう…)
まこ(みんな伏せ牌にして打っとる)タン
未春(これなら栽培マンのスピードでも見れないはず…)タン
智紀(単純だけどこれが一番効果的)タン
佳織(あわわわ、これ、何をツモれば聴牌なんでしょうか?)タン
靖子『清澄以外伏せ牌じゃ中継が盛り上がらんな』
健太『栽培マンに手牌を覗かれたくないでしょうからね…』
靖子『伏せ牌にしたら良いってもんじゃないんだけどな』
靖子『戦闘力1200というレベルの恐ろしさを、あいつらはまだ完全に理解しきってはいない』
健太『銃を持った男性の戦闘力が5でしたっけ?』
靖子『その気になれば、何でも出来るということだ』
靖子『だからこそ、現状では清澄が一歩も二歩もリードしている…現状では、な』
佳織「つ、ツモです!…裏は、なし…」
未春「いや、手牌を見せて頂けないと…」
佳織「あわわっ、すみません!リーヅモトイトイ…」
まこ・未春・智紀「!」
智紀「それはリーヅモトイトイじゃなくて役ま…」
智紀「………いや」
智紀「そう、それも栽培マン」
まこ・未春「!?」
佳織「そ、そうなんですか?なるほど…では私も…栽培マンです!」
ゴゴゴゴゴゴ
栽培マンB「ギギッ!」
栽培マンA(元からいたやつ)「ギギッ!?」
智紀「やっぱり、思った通り…」
まこ「おい何を言うとるんじゃ!」
未春「…そうですよ、何を言ってるんですか?立派な栽培マンの上がりじゃないですか」
佳織「へ?へ?」
智紀「もう点数の申告は終わった。はい、1200」
佳織「あ、これはご丁寧にどうも…」
まこ「おい審判!これでええんか!?ありゃどう見ても役満じゃろうが!」
審判「えー…そうですね…」
審判「……………」インカムごにょごにょ
審判「大は小を兼ねるとかで問題ないみたいです」
まこ「そんなんでありなんか!?」
審判「まぁ実質、点棒は損してる訳ですし…打点は基本、自己申告制ですから…取り返しも効かないですし」
まこ「じゃあわしが次局リーのみ上がって栽培マンって言ったらありなんか?」
審判「それは低い打点を大きく申告する虚偽申告なので罰符ですね」
まこ「意味が分からんんんんんん」
未春(なるほど…キャプテンが言った通り…)
智紀(清澄に出来て私たちに出来ないことはない…私たちも条件付きで栽培マンを召喚できる…!)
健太『打点を低くして栽培マンの召喚を選んだわけですが、どう思いますか?』
靖子『まぁ、この場では正解だろうな。この場では』
靖子『栽培マンを封じるには、栽培マン以外の適役はいない』
健太『すると、未だに栽培マンを所有していない風越と龍門渕は…』
靖子『現状では、不利だと考えていいだろうな。現状では』
健太『栽培マンという戦力を持つ二校』
健太『そしてそれを持たない二校』
健太『ここからどう戦っていくのか、見ものですね』
靖子『…』
健太『何か、言いたげですね?』
靖子『…いや、私の杞憂であることを祈るよ』
―清澄控え室―
まこ「すまんみんな…栽培マンの所有数で並ばれてしもうた…」
優希「し、心配することないじぇ!まだ所有数なら同率で一位だじぇ!それに…」
久「そうそう三倍満以上が起こることはないでしょー」ケラケラ
優希「いや、そうじゃなくて…」
栽培マンA「ギギッ…」
咲「は、原村さん…」
和「非常に不安です」
―中堅戦―
星夏「つ、ツモ!栽培マンです!」
久「!」
一「!」
智美「ワ、ワハハ…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
栽培マンC「ギギッ」
栽培マンB「ギ~ッ」
栽培マンA「Zzzzzzz」
久(全局国士っぽいヤケクソかと思ってたけど…まさかこれが狙いだったとは…)
智美(成功しなければ8局を無駄にする…。賭けに勝ったわけだな…)
一(これで栽培マンを召喚出来てないのはうちだけか…早く互角に並ばないと…)
一「ロン!栽培マン!」
栽培マンD「ギギギッ!」
久「ーっ!」
久「ぴったり11本ね…はい、1200」
久(やるわね…どこの高校の人たちも…!)
智美「これでどこの高校も栽培マンを一体ずつ所有したわけだな、ワハハ」
一「そういう事だね…」
星夏「全校が同じ数の栽培マンを所持しているというこの現状…」
久「栽培マンの超スピードによる手牌除き見は勿論」
智美「その他戦闘力1200によるあれやこれやも不可能」
一「全員同じ戦闘力の栽培マンだからね…」
星夏「つまり、こうなった現状、4校の戦力はこれでイーブン…」
久・一・星夏・智美(次の栽培マンを獲得した高校がこの戦いを制す…!!)
―清澄控え室―
久「いや本当に参った…並ばれちゃった…。みんなごめんね…」
まこ「すまん…。わしも初めから栽培マン狙いで行けば良かったものを…」
優希「な、何で先輩二人はこんな落ち込んでるんだじぇ…?」ヒソヒソ
栽培マンA「ギギッ」
優希「だって…」
咲「………さぁ」
和「………分かりませんね」
―風越控え室―
華菜「凄いじゃないか文堂!国士狙いで本当に国士を上がるとは!」
星夏「…はい。正直震えてます。本当に上がれて良かったです…!」
栽培マンC「ギギッ!」
未春「こうなるといち早く次の栽培マンを出せた高校の勝ちと言って良いですね…」
純代「二体いれば他の栽培マンを無力化出来ますからね」
華菜「華菜ちゃんにお任せだし!」
美穂子「え、ええっと…。みんな?」
純代「分かってます、キャプテン。いち早くもう一体の栽培マンを召喚して、風越が有利に立ってみせますよ」
美穂子「あうう…」
―鶴賀控え室―
ゆみ「並ばれたか…」
智美「ワハハ、すまないぞ。私もちょこちょこ狙っていったんだが…」
桃子「大丈夫っすよ。後は先輩と私、どっちかで一体召喚すればこっちのもんっす!」
佳織「お二人ならきっと大丈夫ですよ!」
栽培マンB「ギ~ッ」
睦月「…あの、その…」
ゆみ「ん、分かってる睦月。皆まで言うな」
睦月「そ、そうですよね…」
ゆみ(召喚したいのはお前だけじゃないんだからな…)
―龍門渕控え室―
衣「何と!まことに奇っ怪な!」
栽培マンD「ギギギッ」
衣「待て待て~♪」
透華「…良くやってくれましたわ、一!」
一「えへへ…。上手く一色に寄せきれて助かったよ」
智紀「お見事」
純「国広君が栽培マンを召喚できたのは良いんだけどよ…これ以上は…」
透華「心配いりませんわ!後は私と衣が召喚してみせます!」
衣「衣も召喚してみたいぞ!」
純「あぁ…うん…」
―副将戦―
和「ツモ」
和「ロン」
和「ロン」
桃子「ロン。タンヤオドラ1っす」
桃子(この手は安手にしかならないっすね…上がれないよりはマシっす)
和「ロン」
和「ツモ」
透華「ツモ。倍満ですわ!」
透華(後3本折れないと召喚は出来ませんのね…なかなか難しい条件ですこと)
純代「一人テンパイ…」
和「ツモ。1本場でお願いします。これで終了ですね。ありがとうございました」
―大将戦―
ゆみ(副将戦では栽培マンの数の増減はなし、か…)
華菜(そうなるともう一回栽培マンを上がったらほぼ勝ち確だし!)
衣(頑張って栽培マンを召喚するぞ!)
咲(…………)
健太『清澄以外の三校はこれまた副将戦以降から続いてる高打点狙いの打ち方ですね』
靖子『……』
健太『副将戦では何度か上がりを捨てて、最高めにしてから上がろうとする打ち手が多く見られましたが…』
健太『はたして決勝卓の四人はどのような闘牌を見せてくれるのか』
衣「よし!貰った!栽培マンだ!」
栽培マンE「ギエーッ!」
ゆみ「…くっ!ぴ、ぴったり11本か!」
華菜「や、やられたし…!!」
咲「………」
衣「この瞬間、龍門渕が手懐けている栽培マンは二体になった!」
栽培マンD「ギ?」
栽培マンE「ギギッ!」
衣「さあ、一斉に各校の栽培マンを蹴散らせぇっ!手始めに数が少ない清澄からだ!」
ゆみ(いかん…!栽培マン二体に栽培マン一体が叶うはずがない!)
華菜(清澄がやられたら次はうちか鶴賀…どっちにしても終わりだし!)
栽培マンE「ギギッ!」
栽培マンA「ギ~ッ…ギッ?」
咲「やっぱり、皆さんその栽培マンとやらの召喚にしか目が行ってなかったんですね…」
咲「あのさ、天江さん」
衣「?」
咲「知ってます?栽培マンって自ら召喚した人以外の命令って効かないらしいですよ?」
衣「え!?そうなのか?」
咲「だから、見て下さいあれを」
栽培マンD「Zzzzzz」
衣「こ、衣の指示に従ってない…!」
ゆみ「と、すると…」
栽培マンA「ギギギギーッ!」
栽培マンE「ギギギギーッ!」
華菜「ど、同士討ち…!」
衣「そ、そんなの聞いてないぞ…。折角召喚した栽培マンが…」ぐすん
ゆみ(こうなると、俄然チャンスだな)
華菜(つまりあそこに居る栽培マンたちは烏合の衆)
ゆみ(これから一体でも出した高校の勝ちだ!)
華菜(栽培マンの介入を止める唯一の方法は、栽培マンしかないんだからな!)
咲「それで、皆さん…。凄く聞きたいことがあるんですけど…」キュッ
咲「今、私たちは何をやってるんでしたっけ?…カン」
咲「ツモ、嶺上開花。清一色一盃口ドラドラ」
咲「三倍満です。12000オールでお願いしますね」
ゆみ・華菜「!?」
華菜「ど、どういう事だし!それは栽培マンに置き換えられる上がりじゃないか!」
ゆみ「まさか、この期に及んで勝ちを捨てたのか!?」
衣「衣の栽培マン…」
咲「さて、一本場です」
咲「長野決勝大将卓後半戦、南3局の…ね」
華菜「………」
ゆみ「………」
衣「………」
華菜・ゆみ・衣「「「あ」」」
美穂子(やっぱり…)
睦月(気付いて…)
純(なかったんだな…)
優希(さ、咲ちゃんがドラゴンボールについて全くの無知の興味なしの麻雀バカで助かったじぇ…)
久(そ、そういえばそうだったわ…)
まこ(すっかりそっちに夢中になっとった…)
和(副将戦の方々もそれしか見てませんでしたからね…簡単な手合いでした)
未春(さ、栽培マンをいくら多く手に入れても…)
星夏(その優位が保てるのは、十分な局があればこそ…)
純代(もう、残り2局しかない…!)
智紀(や、やられた…)
一(これが狙いだったのか、清澄…!)
透華(きぃぃいいい!私が倍満上がった時に裏が3つ乗っていれば!)
佳織(え、え?みんな分かってたものだと…)
智美(ワハハ、やられたぞ…!)
桃子(そ、それでも先輩にはラス親があるっす!まだ分からないっすよ!)
健太『な、なるほど!私も途中から栽培マン…三倍満以上の上がりにばっかり目が行ってました!』
靖子『あいつら途中から栽培マン集めを競ってたからな』
靖子『冷静に考えてみろ?仮に三倍満を上がったとして、それを栽培マンと申告する』
靖子『三倍満なら子でも24000なのに栽培マンじゃ1200だ』
靖子『確かに途中までは所有数を競っても良かった。牽制にもなる』
靖子『けれど、今やってるのはなんだ?洒落た栽培マン集めか?違うだろ?』
靖子『これは麻雀なんだ。得点を下げた申告を続けてどうする』
健太『そうこうしている間に他家が大物手を狙う中、清澄は丁寧に降りた!』
健太『ノーテン親流れで残る局はたった一局!』
健太『2本場を積んだ南4局しかありません!』
靖子『いやまぁ100%決まりだろ』
健太『決まったーっ!長野団体決勝は初出場の清澄高校が優勝だーっ!』
咲「ありがとうございました」ぺっこりん
衣「うぅ…。散々だ…」
華菜「そ、そうだ!栽培マン!残った栽培マンを得点に戻しても良いはずだろ?」
ゆみ「…いや、栽培マン分の得点は貰っている…。しかも、栽培マンを得点に戻したところで、1200だ…」
ゆみ「私たちは浮かれていたんだな…漫画やアニメでしか出てこないと思っていた栽培マンが現実に出現して…」
ゆみ「そしてこの決勝卓で三倍満以上を上がればそれを使役出来ると聞いて…。ほんのちょっと手が届いたはずのものを放棄してしまった…」
咲「…そういう事ですよ。栽培マンは、三倍満にはとても及ばないんです」
ゆみ「ふっ…栽培マンに浮かれて三倍満に踊らされ…待っていたのは…」
ゆみ「最下位マン…いや最下位ウーマンと言ったところだったな…」
咲「…………」
華菜「………」
衣「ん?どういう事だ?説明してくれ」
ゆみ「うああああああああああああ」
咲「お、お疲れ様でしたー」
カンっ!
三倍満も栽培マンも良いですが、やっぱり僕は三倍満!
ダジャレタイトルだからね、落ちがどっちも一緒でも仕方ないね。
最近安価以外は発送の根幹がおかしいSSしか書いてないので、次こそは咲ちゃんが方向音痴可愛い安価スレを立てたい。
読んで頂いた方、ありがとうございました。後ほど誤字脱字等を確認してHTML化申請致します。
>>10
×優希(あの栽培マンの超スピードを見切って止めただと…お姉さん…!)
○優希(あの栽培マンの超スピードを見切って止めただと…おねーさん…!)
>>20
×純「くっそ…あの清澄のチビと風越のキャプテンめ…俺に一人じゃ叶わないからって徒党を組みやがって…!」
○純「くっそ…あの清澄のチビと風越のキャプテンめ…俺に一人じゃ敵わないからって徒党を組みやがって…!」
>>36
×健太『副将戦では何度か上がりを捨てて、最高めにしてから上がろうとする打ち手が多く見られましたが…』
○健太『副将戦では何度か上がりを捨てて、最高目にしてから上がろうとする打ち手が多く見られましたが…』
読みは「さいたかめ」です
>>37
×衣「さあ、一斉に各校の栽培マンを蹴散らせぇっ!手始めに数が少ない清澄からだ!」
○衣「さあ、一斉に各校の栽培マンを蹴散らせぇっ!手始めに清澄からだ!」
初期案ではここで3221の持ち数になってた名残
>>42
×ゆみ「そしてこの決勝卓で三倍満以上を上がればそれを使役出来ると聞いて…。ほんのちょっと手が届いたはずのものを放棄してしまった…」
○ゆみ「そしてこの決勝卓で三倍満以上を上がればそれを使役出来ると聞いて…。ほんのちょっと『で』手が届いたはずのものを放棄してしまった…」
どうでも良い話ですが、先に全部書き上がったのは三倍満の方です。栽培マンは17日に書きました。寝ます。
キュウコンマンとカイワレマンも出しちくり~
>>48
そいつらだとダジャレにならないから…
テンネンマンとジンコウマンも忘れず!勿論コピーマンも!
この話題、三倍満の方でやるべき気がする…超サイヤ人伝説は良ゲー。
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