穂乃果「おーまいジュリエット!!」 (32)



『大人になったら穂乃果たち、絶対に結婚しようね』

『結婚…ですか』

『うん、だって仲良しは結婚するんだよ!テレビで見た!』

『でも、結婚するのは男の人とじゃないと駄目なんですよ?』

『え…?そうなの?』

『知らないんですか?』

『??』

『穂むらのおじさんだって男の人ですよ?』

『確かに…』

『でも…』

『やっぱり…』


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『それでも…結婚する!』

『するったらするの!』

『だって、私海未ちゃんとずっと一緒にいたいもん!』

『穂乃果!そ、その…』

『わ、私も…結婚、したい…です』

『うん!』

『きっと大丈夫…!なんとかなる!なんとかなる!』

『ところで穂乃果、結婚するには紙を出さなきゃ駄目なんですよ』

『ほえー、じゃあ今のうちにかいちゃおう!』

『はい…』


________

______

____

__


ブクブク ブクブク



穂乃果「ぶへぁ!!」

穂乃果「はっ!?」


あー、またやってしまったか

風呂寝

練習で疲れてるからってのは言い訳

あー、もう駄目だなぁ

危ないからやめなさいって怒られるんだよね


「おねぇーちゃん!お風呂まだなの!?」


穂乃果「おぁっ!?」

雪穂「もー!また寝てたの?」

雪穂「危ないって言われたじゃん!」

穂乃果「へへ、つい…」

雪穂「つい…じゃないよ」

雪穂「溺れちゃったりしたらどうするの!」

穂乃果「うー…ごめん」

穂乃果「心配してくれてるんだね」

穂乃果「優しい妹を持ったなぁ」

雪穂「当たり前じゃん…もう…」


何だかんだで優しいユッキー

かわいいなぁ…もう

それはさておき、確かに風呂寝は危険だよ

穂乃果がお風呂で寝ないか見てくれる人とかいたらなぁ

とか考えてたら

穂乃果の頭に、黒髪の女の子の姿が浮かぶ

すらーっとして、可愛くて

恥ずかしそうに、タオルで体を隠すような仕草


雪穂「ちょ!おねぇちゃん!」

穂乃果「はっ!」

雪穂「鼻血でてる!」

穂乃果「!!??」

雪穂「長風呂しすぎだよ!早くあがって!」

穂乃果「う、うん」


ま、まさか今の想像で…!?

嘘…穂乃果ってば

まるで思春期の男の子みたいな…

海未ちゃん、ごめん

・・・・・・・・

穂乃果「ふぅ…」


今日は何だか疲れた

宿題があったはずだけど

やる気は起きないなぁ

もう寝ちゃおうか…

っとその前に


穂乃果「にゅふ…」スッスッ


すっかり日課の海未ちゃんの写真観賞

あー、可愛い

学園祭の時のメイド海未ちゃん

これは、カッコいい

弓を構えた海未ちゃん

海未ちゃんってよく見たら、色んな表情をするんだ

恥ずかしがりやで、すぐに顔を真っ赤にする所が可愛いなあ

穂乃果がお弁当のおかずを食べちゃった時の怒った顔も可愛い

穂乃果が消しゴムを忘れた時に、「仕方ないですねー」って自分の消しゴムをちぎってくれた優しい顔も好き

…真姫ちゃんの家に乗り込んで、泣きながらも真姫ちゃんのパパを説得するところは凄くカッコよかった

真姫ちゃんに妬いちゃうくらい

そんであの日

海未ちゃんがμ'sを辞めたいって穂乃果が勘違いしたとき

海未ちゃんが抱き締めてくれた

あの時の海未ちゃんはまさにえんじぇーで

その時の穂乃果心臓はそれはもうバックバクで

嫌でも気づいちゃったよ。自分の気持ち

穂乃果、海未ちゃんの事大好き

マジで恋してらびゅらびゅ

あー、体温上がってきちゃった




~♪

ん?

電話だ電話だ

ディスプレイに表示されたその名前は

海未ちゃん ♥

穂乃果のジュリエットから電話だ~♪

海未『…あっ、海未です』

海未『今、お話大丈夫ですか?』

穂乃果『うん、大丈夫』

穂乃果『なに?海未ちゃん』

海未『本当は今日学校で話すつもり…だったのですが…』

穂乃果『うん』

海未『…聞いてください』

穂乃果『うん?』




『あの…実は私』






『け、結婚するかもしれないんです…!』





『…は?』

穂乃果『な、なんだって?』


き、聞き間違いかな?


海未『聞こえませんでしたか…?』

海未『もう一度、言います』

海未『私、結婚するかもしれないんです…』

穂乃果『だれと…!?』


ほんとに誰と!?

て言うか意味わかんないよ!


穂乃果『順を追って説明してよ、ね?』


コクリ…と頷く海未ちゃんの表情は

スッゴく不安そうに見えた

ミスった
声で


海未ちゃんが言うには

日舞の世界でも有名な人がいて

その人との縁談が持ち上がってるとか

いわゆるお見合いの計画が立てられてるらしい


穂乃果『え…海未ちゃん、結婚だなんて…まだ高校生なのに…』

穂乃果『それって絶対なの…?』

穂乃果『ただ、そういうお誘いが軽い感じであるだけだよね?そうだよね?』

海未『家の繋がりなんです…断れば、家同士の関係も悪くなりますし…』

穂乃果「そんな…」


海未『断り辛い話なんです…』


そんな…

でも…でも…

穂乃果『でも…さ』

穂乃果『電話してくれたって事は…』

穂乃果『海未ちゃんはその気じゃ無いんだよね?』


そうだよ

いくら、名家同士の関係だからって

当事者の気持ちを無視してまで…するはずないよね?


海未『それは…』


え…?なんでそんな声をだすの?今にも消え入りそうな…


もしかして

海未ちゃんは結婚する気…なの?


穂乃果『海未ちゃんは…どうしたいの?』

海未『私、私は…』



穂乃果『海未ちゃんはどう思うの』

穂乃果『決めるのはあくまでも海未ちゃんだよ』


これがいけなかった

穂乃果が馬鹿だった

海未ちゃんは私に委ねたかったのかな

涙声の海未ちゃんが振り絞るように言う


海未『穂乃果…結婚…あの日の約束…』

海未『覚えていますか?』

穂乃果『約束…?』


約束…約束…

約束ってなんだ?


穂乃果『それっていつの…』

海未『すみません…一人で考えさせてください』

穂乃果『えっ、あっ…うん』


約束って何の事…?


穂乃果「海未ちゃん」

結婚なんてしないよね?


ほんとは眠れないくらい不安だった

ほんとは穂乃果が止めなきゃいけなかったのかな

いや、でも…海未ちゃんは本当に結婚したいのかもしれない

なんて頭の中ぐるぐる


とは言っても穂乃果の身体は正直で

すぐに眠りに落ちそうになる

明日

そう、明日…面と向かって聞いてみよう

海未ちゃんがどうしたいのか

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