GP-01「という訳で、ガンプラ買ってきたよ」ドンッ
GP-02「何が“という訳で”なんだ…!?」
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GP-01「いやね、何でもガンダムさん主催でホワイトベースでガンプラバトルの大会をやるっていう話になってね、
それに俺達兄弟がチームで出場する事になったんだよ」
GP-02「聞いてないぞそんな話ッ!何勝手に話進めてんだよ!?」
GP-01「まぁそう言わずに…ちゃんとお前の使う分のガンプラも買っといてやったから」
GP-02「そういう問題じゃないんだよ…!」
GP-01「ステイメンにもガンプラ買ってきてやったぞー」ニコッ
GP-03「わーい!01にーちゃん、ありがとう!」
GP-01「ほら、HGUC 1/144_デンドロビウム」ドンッ
GP-02「!?」
GP-03「お…おっきい箱だね…」
GP-01「だろ?伊達にHGシリーズ史上最大スケールは名乗っちゃいないよ」ハハハ
GP-02「ちょ…ちょっと待てッ!まさかコレをステイメンに組み立てさせる気か…?」
GP-01「ん~確かにステイメン一人じゃ素組みですらちょっと厳しいかもねぇ…」
GP-03「ぼ…僕頑張るよ!」
GP-01「ほー、偉いぞ~ステイメン。形振り構わず誰かに頼ろうとしないで、自分の力でチャレンジしようだなんて
その年頃でなかなか出来る事じゃないぞ~」ナデナデ
GP-02「………」
GP-01「あーでもやっぱり、幼子の手で組み立てるには些か厳しい作業になるのは間違い無いよな~
ステイメン、途中で投げ出さずにこのパーツを全て組み立てられる自信はあるか?」ズラァ…
GP-03「うっ…」
GP-01「はぁー…誰かこの健気な弟に救いの手を差し伸べてくれる人は居ないかな~?」チラッ
GP-02「………」
GP-01「……居ないかな~?」チラッ
GP-02「──ッ!!分かったよ!手伝えば良いんだろ手伝えばッ!」ガバッ
GP-01「うん。素直でよろしい」ハハハ
ここで少しキャラクター紹介
【GP-01】ゼフィランサス
長男。常に笑顔を絶やさない好青年的な振る舞いを見せるが、実は兄弟随一の腹黒。
02がグレたのもだいたいコイツのせい。
公式コメント「つかみどころがないっつーかよくわかんない人。でも人としてまだ青いな」
【GP-02】サイサリス
次男。腹黒い兄貴の横暴に幼い頃から振り回されており、その為01の事を血涙が出る程恨んでいる。(その関係も連載を追うごとに丸くなったが)
序盤まで他の兄弟達とは別居状態でいたが、中盤からは兄弟仲良く(?)一つ屋根の下で暮らし始めた。(関係が改善した訳ではないので依然として01とは仲の悪いまま)
01曰く熊みたいな外見をした厳つい男だが、根は優しい。
01とは日頃から喧嘩が絶えない程に仲が悪いが、一方で弟である03とは年が離れている事もあってか兄弟仲は良好。
別称であるサイサリスという名前にコンプレックスを抱いており、その名で呼ばれると所構わずキレる。
キレたあまりに肝試し会場だった墓地をアトミックバズーカでぶっ飛ばした事も。
公式コメント「素直じゃないのは見て取れるんだけど、あの兄キ相手に「素直になれ」っつーのもかわいそうな気がする」
【GP-03】ステイメン
三男。末っ子にしてフルカラー劇場一の幼子(人間でいうとこの幼稚園に上がったかそこらくらいの年)
まだ子供だが根はしっかり者で、ぶっちゃけ3兄弟の中で一番の常識人。
上二人の兄の性格が歪みに歪みまくっているせいか、それが逆に反面教師になってこの子自体はひねくれもせずに真っ直ぐに育った。
ちなみにオーキスはチャイルドシート搭載。
公式コメント「まだランドセルも背負ったことのない。末っ子。」
GP-03「ありがとう!02にーちゃん!一緒に頑張ろ!」
GP-02「……ったく…」
GP-01「よし二人とも、頑張って出来の良いガンプラを作るんだぞ~」モゾモゾ
GP-02「お前も手伝うんだよ!」ガシッ
GP-01「えー……お兄ちゃんはお兄ちゃんで自分のガンプラを作らないといけないんだけどな~」
GP-02「そんなの後回しにして先ずはこっちを手伝えよ!」
GP-01「ぶっちゃけそんな大層な大きさのガンプラを作るだなんて面倒臭くて…」
GP-02「テメェ…!マジで張り倒すぞ…!」
GP-03「あーもう!喧嘩しないでよにーちゃん達ー!」
ワイワイ ガヤガヤ…
~結局~
GP-02「………」パチッ… パチッ…
GP-01「ほーらステイメン、先ずはこの部分を余分に切ってからゲート部分を処理すれば、跡も残らず綺麗にパーツが切り取れるぞ」パチッ
GP-03「本当だ!凄ーい!」パチッ パチッ
GP-02「………」パチッ… パチッ…
GP-01「……しかしまぁ…これだけ量があると組み立てるだけでも一苦労だなぁ…
これに墨入れとツヤ消しも施すとなると……あぁ…考えたくもない…」
GP-02「……流石にそこまでする必要は無いんじゃないか?
子供がバトルで使うキットなんだから、取り敢えず組み立てるだけでも十分だろ」
GP-01「そういう訳にもいかないんだよ。何せガンプラバトルで使うガンプラの性能は、そのガンプラの出来栄えによって大きく変動するらしいからな」
GP-01「中途半端なモンなんか作ったら、それこそ実戦では使い物にならないようなガンプラになってしまう」
GP-02「……面倒な…」パチッ
GP-01「……にしてもお前手先器用だな~。もうそこまで作業進んだのか
人は見かけによらずとは、正にこの事を言うんだな」ハハハ
GP-02「いちいち一言余計なんだよお前は…!」
GP-01「木彫りの熊さんとか上手に作れそうだな、お前」ハハハ
GP-02「何の話だ…!」
GP-03「……Zzz…Zzz…」コクンッ コクンッ
GP-01「何だ、ステイメンお眠か?」
GP-02「もう夜の8時過ぎだからな。それに慣れない作業のせいで疲れが出たんだろ」パチッ
GP-01「良い子は寝る時間、か…。ほらステイメン、コタツじゃなくてちゃんと布団で寝ろよ」トントン
GP-03「ムニャ…はーい…」スタスタ…
GP-02「………」パチッ… パチッ…
GP-01「寝る前にちゃんと歯ァ磨けよ。トイレにも行けよ。あと宿題しろよー」
GP-02「……最後のは要らないだろうが…」パチッ
GP-01「………」パチッ パチッ
GP-02「………」パチッ… パチッ…
GP-01「……ふぁー…何か俺も疲れてきちゃったなー…」
GP-02「………」パチッ… パチッ…
GP-01「……なぁGP-02、お願いがあるんだけど…」
GP-02「お前の担当分まではやらんぞ」
GP-01「即答かよ」
GP-02「………」パチッ… パチッ…
GP-01「………」パチッ パチッ
GP-02「……そもそも、コレはそんなに早急にやらなければならないような作業なのか?」
GP-01「うん。実を言うと大会の開催日、明後日なんだよ」
ドンガラガッシャーンッ!!
GP-01「うおっ」
GP-02「間に合う訳ないだろうがァーッ!!」ガシャーンッ!
GP-01「いや、徹夜で作業すれば何とかなるって」
GP-02「徹夜前提だと!?そこまでして俺に協力させる気だったのか貴様ーッ!?」
GP-01「まぁぶっちゃけた話、大会の開催日自体は俺も随分と前から知っていたんだけどな、
ネットで買ったこのキットが地球からコロニーに到着するまで暫く時間が掛かる事になっちゃって、作るに作れない状況だったんだよ」
GP-02「それならそれで何でこんな手間の掛かるガンプラにしたんだ…!?
ステイメンに使わせるなら他にも丁度良いのがあっただろうが…!」
GP-01「いやー、実は今度開かれる大会、優勝者には特別に優勝賞品が出るみたいなんだよ。
それで、やるんならとことんやろうと思って」
GP-02「お前は妥協という言葉を知らないのか…!?」
GP-01「ちなみに俺の使うガンプラは既に完成している。RG 1/144_試作1号機フルバーニアンだ」ドヤッ
GP-02「……お前さっき自分のガンプラはまだ出来てないとか言ってなかったか…?」
GP-01「すまん。あれは手伝わされるのが嫌で咄嗟についた嘘だ」ハハハ
ドンガラガッシャーンッ!!
───
GP-02「………」パチッ… パチッ…
GP-01「何だかんだ言って手伝ってくれるあたり、お前も弟想いな奴だよな」ハハハ
GP-02「……お前に言われると癪に障る…」パチッ… パチッ…
GP-01「ほら、ステイメンの為だと思って頑張れば、不思議とこの作業も苦にはならないだろ~?」
GP-02「いいからテメェも手を動かせ…!」
GP-01「はいはい」パチッ
GP-01「しっかし、お前って本当に丸くなったよなぁ…」
GP-02「あっ?」
GP-01「いや、お前がでらーずにいた頃なんて、それこそ俺の事を心底恨んでたって感じだったのに…
今ではこうして同じおコタに入りながら、同じガンプラを作るまでに仲が良くなって…」
GP-02「……言っとくが、お前に対する感情はあの時から何一つ変わっていないからな…」
GP-01「そっか、やっぱり愛されてんだなぁ俺」ハハハ
GP-02(……やはり、同居なんかするべきじゃなかった…!)イライラ
~暫くして PM9時頃~
GP-01「ふぅ~…もうこんな時間か…
コンビニ行って何か夜食でも買ってくるわ」
GP-02「………」パチッ… パチッ…
GP-01「02は何か食べたいのとかあるか?俺買ってきてやるぞ」
GP-02「……要らぬ心配だ…。気色悪い…」パチッ
GP-01「ハハハ、素直じゃないなぁ」スタスタ
バタンッ
GP-02「………」パチッ… パチッ…
~PM10時~
GP-02「………」パチッ… パチッ…
~PM11時~
GP-02「………」パチッ… パチッ…
~深夜12時頃~
GP-02「………」プルプルプル…
~深夜一時頃~
GP-02「あの野郎ッ!」ガバッ!
~ホワイトベース~
GP-01「はぁー…温い温い」ヌクヌク
ガンダム「全く…こんな時間にいきなり押し掛けて来て一体何の用かと思ったら、タダ飯食いに来ただけかよ…」
GP-01「カタい事言わないで下さいよガンダムさん。あっ、カレー美味しかったです」ゲプッ
ガンダム「……これはまた、随分と綺麗にニンジンだけ残して…」
GP-01「いやー、そればっかりはどうも…
それに苦手なモノは無理して食べないって言うのが、我が家の方針なんで」
ガンダム「……ステイメンの教育に悪いぞ、それ…」
GP-01「いやぁ~…アイツはもうどっかの誰かさん以上にしっかりしてる奴なんで、
そんな心配は無用だと思いますけど」ハハハ
ガンダム「……俺はそんな性格のお前の事の方がよっぽど心配だよ…」
ガンダム「……で、キミはいつまでここに居るつもりなの?
俺もうそろそろ寝たいんだけど…」
GP-01「んー。今更家に帰るのもアレなんで、今日はここに泊まっても良いですかね?」
ガンダム「俺は別に構わないけど、弟さん達は大丈夫なの?」
GP-01「あぁ、その点は心配要らないです。
ステイメンはもうとっくに寝てますし、GP-02は……」
ドゴアァーッ!!
ガンダム「え゛ッ!?」ビクッ!
GP-01「あら、来ちゃったか」
GP-02「GP-ゼロワアァァァァンッ!!テメェ何こんな所でサボってんだァーッ!!」
GP-01「サボってるだなんて人聞きの悪い。
俺はガンダムさんのご贔屓に預かって、遅めの晩御飯を頂いてただけだ」ハハハ
GP-02「4時間もガンプラ作りを放っぽっといて何言ってんだテメェーッ!」
GP-01「まーそうカッカすんなって
外寒かっただろ?お前もおコタ入るか?」ハハハ
GP-02「ふざけるなァーッ!!」ドンガラガッシャーンッ!!
ガンダム「もーッ!兄弟喧嘩するんなら自分ん家でやってよーッ!」
~そんな~
GP-01「あっサイサリス、そこにあるヤスリ取って」
GP-02「テメェ!その名前で呼ぶなってあれ程ッ!」
GP-03「もー!ケンカしないでよにーちゃんたちー!」
~こんなで~
パワードジム「手伝いに来たぞ~01」
ジムキャノンⅡ「お邪魔しまーす」
GP-01「おー、ありがとー」
~ガンプラが~
ガーベラ「私らも来たよ。GP-02」
ヴァル・ヴァロ「お前とは色々あったが…まぁ、昔のよしみだ。手を貸してやるぜ」
GP-02「……お前、そんな手で一体何をどう手伝うつもりだ…?」
~完成した~
GP-01「ふぃー、何とか完成までこぎつけたなぁ」
GP-03「ありがとう01にーちゃん!02にーちゃん!」
GP-02「フン…」
GP-01「ハハハ、良かったなぁステイメン。こんなカッコいいガンプラをみんなに作ってもらえて」
GP-03「うん!にーちゃんの友だちもでらーずのみなさんも
手伝ってくれて、どうもありがとうございました!」ペコッ
ジムキャノンⅡ「何、いいって事よ」
ガーベラ「本当、あの兄貴達の弟だとは思えない程にしっかりした子だねぇ…」
ドム・トローペン「どっかの誰かさんみたいに、無駄にキレたりなんかしないですもんね」
GP-02「………」
GP-01「あっそうだ。GP-02、お前に渡すモノがあるんだった」
GP-02「……渡すモノ?」
GP-01「ほら、大会で使う為のお前専用のガンプラだよ。
デンドロ製作の合間を縫って、俺がわざわざ作ってやったんだぞ」ハハハ
GP-03「へー!良かったねー02にーちゃん!」
パワードジム「良いとこあるじゃないか、GP-01」
GP-02「……フン、余計なお世話だ…。感謝なんかしないぞ」プイッ
ザメル(やっぱり素直じゃないなー…こっちの方の弟さんは)
GP-01「待ってろ。今出してやるからな」ガサゴソ
GP-03「どんなガンプラだろうね!?02にーちゃん!」ワクワク
GP-02「知らん…」
GP-01「ほーら。これがお前専用のガンプラだ!」バンッ
1/144 GP-02Aガンダム試作二号機(旧キット)
パワードジム「…ってッ!昔のヤツの1/144スケールかよッ!」
GP-01「ちなみにコレ、塗装はおろか墨入れすらまだしていないんだ。
ほら、見事なまでのネズミ色だろ?」ハハハ
ジムキャノンⅡ「いやせめてHGUCの方にしてやれよッ!何で同じ弟なのにこんなに待遇違うんだよッ!?」
GP-01「細かい事は気にしない気にしない」ハハハ
GP-02「………」
GP-03「あの…02にーちゃん?」
GP-02「……フン、コイツのやる事だ。ハナから期待などしていない」パシッ
GP-01「おっ?」
GP-02「このガンプラを塗装する。今のままでは、ガンプラバトルでロクな性能も引き出せないだろうからな」
ドム・トローペン「……何だ、意外と素直じゃねーか」
GP-02「そんなんじゃない。あのバカの相手をいちいちするのが面倒なだけだ…」
ヴァル・ヴァロ「昔みたく…脳ミソが出るまで相手の事を殴りつけるのかと思ってたのに…」
GP-02「人聞きの悪い事言ってんじゃねーよ…!熊か俺は!?」
ヴァル・ヴァロ「いや、だって事実だろ…」
GP-01「GP-02、“お兄ちゃんありがとう”の一言くらい言っても良いんじゃないか?」ニヤニヤ
GP-02「さっきも言ったが感謝など絶対にしないからな…!」
ここまで出てきたキャラクター紹介
【ガンダム】
フルカラー劇場の主人公。れんぽー軍のリーダーで、作中では主にツッコミを担当する。
マークⅡ、ストライク、エクシア等…ホワイトベースの居候として彼のお世話になったMSは数知れず。
着ぐるみを着てディジェになったり、ペンキで塗装してG-Ⅲガンダムになったり
改造手術を受けてνガンダムになったりとバリエーションも豊富。
ちなみにGP-01との絡みがある時は、玄関先でGP-01からアッパーを食らわせられたり
仕舞いかけのコタツ布団にクリーム白玉ぜんざいをぶちまけられたりとロクな事にならない。
公式コメント「主人公。さっぱり慕われないリーダー格。うわぁ。」
【パワードジム】
れんぽーのMS。GP-02を探す張り紙を貼るのを手伝ってくれた。
公式コメント「ビタミンA・Cがたっぷり、そんな色。」
【ジムキャノンⅡ】
GP-01の頼みを聞いて、ノイエ・ジールが暴れている現場にオーキスを届けてくれた人。
公式コメント「こういう友だちは大事にしましょう。」
【ガーベラ・テトラ】
でらーずに所属する女MS。
GP-01を葬る為、大型MAノイエ・ジールをGP-02に与えたりと序盤こそ暗躍を見せるが、その後は特に出番もなくフェードアウト。
最近ではお中元を届けたりとGP3兄弟とも結構仲良くやってるらしい。
話し口調と手紙口調のギャップが激しい人。
公式コメント「悪女のハズなんだが。」
【ザメル】
ひっくり返されると起き上がれなくなる。
江洋介の出てた某ドラマが好き。
公式コメント「さかさまは血行に悪いよ。」
【ドム・トローペン】
ヘビーアームズの重火器にビビって腰を抜かした人。
公式コメント「トレンディドラマよりもドキュメンタリーの方が好き。」
【ヴァル・ヴァロ】
原作では大型MAに区分される彼だが、フルカラー劇場では並のMSと同程度の大きさしかない。
頭が割れるとカニ味噌が出てくる。あと歌が上手い。
公式コメント「ミワク的なテノールボイスの持ち主。カニ。」
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