男「風の噂ではサブローとかいう男もタイムスリップしたらしいが、あいつは不真面目で授業もまともに聞いてないタイプの男だ」
男「だが俺は違う」
男「友人には真面目系ナントカと言われているほどにはテストで点は取れてるし、歴史はその中でも得意科目だ」
男「戦国時代はちょっとマニアックなことも知ってて詳しい。当然ながら信長に関しては特によく知ってる」
男「で、なんか戦国時代にタイムスリップしたわけだ」
男「歴史改変とか知らねえ。戦国時代に来たからには天下取るわ」
男「とまあ、今が戦国時代なのはなぜかわかるんだけど。とにかく現状を把握して俺の知識と照らし合わせるか」
男「おお、丁度よく通行人がいる。とりあえず話しかけて聞いてみるか」
男「あ、すいませーん。>>2と>>3についてお聞きしたいんですけどー」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1415710060
浅井長政
正親町天皇
男「浅井長政と正親町天皇についてお聞きしたいんですけどー」
通行人「浅井長政? 正親町……天皇?」
男「はい。知ってますか?」
通行人「はあ……それは」
コンマ>>8
00-24 どっちも知らない
25-49 前者は知ってる
50-74 後者は知ってる
75-99 どっちも知ってる
フ
通行人「はあ。まあ知ってますよ」
男「おお、知ってるんですか」
通行人「浅井長政といえば近江の小谷の殿様でしたか」
男「そうそう! その浅井長政なんですけど」
通行人「たいそう武勇に優れたそうですね。織田の世では色々ありましたが」
男「そうそう……ん?」
通行人「で、正親町天皇……でしたか。正親町の御所におわした帝、という事ですね。もちろん存じてます」
通行人「昔は天皇とか帝といってもあまりよく分かりませんでしたが、最近では評判を我々の様な者でも聴くようになりました」
男「お、おお?」
男(なんでさっきから過去形? もしかして今って戦国時代じゃないのか?)
男「つかぬ事を聞きますけど、浅井長政とか正親町天皇って……もうお亡くなりでしたっけ?」
通行人「ん? そりゃあ……」
安価↓コンマ
奇数 存命
偶数 存命じゃない
通行人「浅井長政は当然、先の帝も崩御されましたぞ。知らないのですか」
男「…………」
男(正親町天皇って信長の時代の天皇のはずだよな。もう死んでるの?)
男(やっべー。正親町天皇って信長より先に死んだっけ。あれえー……)
通行人「まあ朝廷のことなど下々には分かりませんからね。用はそれだけですか?」
男「あー、えっと。その、みかど?が亡くなってから。いや崩御なさってからどれくらい経っているのですか?」
通行人「? そうですね……>>15くらいですかな」
1年ほど
通行人「先の帝がお隠れになったのは先年の正月のことでしたか」
男「あっ。そうですか(だからなんなのかが分からんけど)」
通行人「都では太閤殿下がおりながらもずいぶんと寂しいご葬儀だったと聞いてます」
男「そうなん……ん? 太閤殿下……だと?」
通行人「詳しくは都で聞いた方がいいのではないですかな? では私はこれで」
男(あと一つくらい聞いておくか……? >>20)
今は何年ですか?
男(やばい。質問が思いつかない。ええい)
男「あー、今年って何年ですか?」
通行人「…………」
通行人「どこかで修行でもしてたんですかな? 世俗から離れてらしたとか」
男「あー、まあ」
通行人「文禄3年です」
男(文禄……って、あれ。マジ?)
通行人「では。旅先お気をつけて」
男「アッハイ ……マジで?」
男「文禄って……あれじゃん。文禄の役じゃん。朝鮮出兵じゃん」
男「正確な西暦分からんけど……でも間違いなく天下はもう秀吉が統一してないか……?」
男「やばい。どうしよう……歴史知っててもこれはいけるのか?」
男「とりあえず、>>23をするのがいいか……?」
豊臣秀頼を馬鹿にする
男「とにかく天下に名乗りを上げるのが大事か……」
男「朝鮮出兵は秀吉最大の愚策としてあまりにも有名……って事はたぶんこの時代の人からも評判は悪いに決まってる」
男「そこで、秀吉の跡継ぎである豊臣秀頼をバカにする。それによって不満分子をあぶりだすのだ」
男「……我ながら完璧だ。えーっと、子供のころは拾って名前だったっけか」
男「ん? 秀頼ってもう産まれてるよな? さすがに何年に産まれたとかまでは知らんぞ」
男「とりあえず人のいるところに行くか。あっちに街がある感じだ。言ってみよう」
着いた先は>>27
佐和山城
男「割と立派な城下町についたぞ」
男「そして聞いてみたらここは佐和山という町らしい」
男「ふ、これなら知ってる。石田三成の城下町だな」
男「しかし三成と言えば秀吉の忠臣だ。ここで秀頼をバカにしたところで捕まってしまうかもしれないぞ」
男「とにかくここで>>31をするのだ。それしかない」
三成と話をする
男「とりあえず三成と話をするか」
男「三成と言えば、家臣に大盤振る舞いすることで有名だし、俺の有能性を示せば行けるな!」
男「すいません。ちょっといいですかー?」
安価↓コンマ
00-69 城に入れました
70-99 追い返されました
男「……さすがに追い返された」
男「どうする。せっかく佐和山なのに三成に会わないのはもったいないし」
男「おちついて考えるか。これからすべきなのは……」
>>37
1.城に入る方法を考える →方法の内容も
2.城下で事を起こす →内容も
3.町を去る →行先も
2
男「もういいわ。三成に会うのは諦めよう」
男「ここは発想を逆転させてだな。むしろ佐和山だからこそいけるのではないか、と」
男「逆に三成の城下でそういう噂とか流れたら三成も立場悪くなるじゃん? そうすれば豊臣の重臣失脚よ」
男「それしかない。じゃあ早速秀頼をバカにしよう。具体的には>>40をするのだ」
将来ものすごく[ピザ]ると預言書を書く
男「……よし。秀頼はたぶんまだ生まれたばかりだろう。ならば今の秀頼をバカにするのはちょっと厳しい」
男「迷信深い時代だし、ここは秀頼の未来像をバカにするのだ」
男「えーっと……秀頼は、将来ものすごく太る……馬には乗れないし、歩行すら厳しい……と。よし」
男「そして信憑性を持たせるために預言書風にしよう。えーっと、こういうのって誰の託宣だと効果あるかな。>>42の預言とかいいかな」
天海
男「天海! 明智光秀が死なないでなったっていう坊さんだな。確か超有名な人だしこれにしよう」
男「よしできた。これを城下でばら撒こう」
男「しばらくはこれを量産しまくって様子を見るか」
――数日後
「おい知ってるか。なんでも太閤様のお世継ぎを中傷する噂が流れてるらしいぞ」
「なんでも成人したら常人でなく肥えるとか。輿にも乗れない程に」
「しかしなんでそんな先のことが分かるんだろう」
「なんでも天海とかいう坊主が仏様から聞いたとかなんとか」
「天海? 誰だそれは」
男「……どうもこの時代は天海ってのはあんまり有名じゃないっぽいな」
男「でも噂は広まったぞ。さあどうする三成」
――伏見城
秀吉「三成よ」
三成「なんでございましょうか」
秀吉「どうも悪い噂を聞いたのだがな。お前の城下で、拾が大層バカにされておるとか言うではないか。知ってるか」
三成「は。佐和山の父上から聞き及んでおります」
秀吉「わしも天下人だ。まあ多少の中傷程度なら聞き逃す事もやぶさかではない。だがわしの子をバカにするとあっては捨ておけん。まして側近であるお前の城下とあっては面目がなあ?立たんであろう」
三成「申し訳ございません。重ねて下手人を引っ立てて参ります」
秀吉「わしもお前を罰したくはない。わかるな?」
三成「御意」
三成「おのれ……太閤殿下の威も知らぬ不届きものがよくもやってくれた」
三成「聚楽第の一件を知らぬのか。最悪、町ごと焼き払われるぞ……」
三成「しかし……これでも佐和山の治政は万全。父上もしかと政務に励んでおる。これまで領民に不満が出たとは聞いていない」
三成「そういえば聚楽第の一件も、下手人は尾藤左衛門の縁者で当時牢人だったはず。となると域外の者の仕業か」
三成「……殿のお許しは得た。早々に佐和山へ赴き、私自ら厳しく詮議してくれる」
――佐和山
男「噂は広まったけど、これ効果あるのかな……」
「おい聞いたか。伏見にいた石田の殿様が佐和山に戻られるそうだぞ」
「本当か。石田の殿は太閤殿下の寵臣と聞いていたが」
「なんでも例の噂を鎮めるのが目的らしい」
「なるほど」
男「え、三成ってここにいなかったの?」
男「ま、まあこっちに来るなら問題ないか。さてこれからどうするか……」
>>48
1.活動を続ける
2.潜伏する
3.三成に会いに行く
三
男「そういえば三成がこれから来るんだよな……?」
男「なら今なら会えるかもしれないって事じゃん」
男「よーし。いったんビラ撒きは中止してもっかい会いに行ってみよう」
男「さすが石田三成。見る目が違うというか、簡単に城に上げてくれたぞ」
男「島左近は所領の半分だっけー? 俺はどんくらいくれるかなー」
小姓「殿が参られました」
男「あ、はい(頭下げてた方がいいよな)」
三成「…………」
三成「面を上げよ。私が石田治部少輔である」
三成「私が帰城した途端に面会に現れるとは。何用か。知っての通り、私は多忙なのだ。簡潔に済ませよ」
男「ははー。えっとですね……」
男「>>52」
男「徳川に気をつけてください」
三成「徳川……様?」
男「あの男は狸なんですよ。太閤殿下がお亡くなりになれば、すぐさま天下を席巻する事間違いありません」
三成「貴様、無礼であろう。太閤殿下は壮健であられる」
男「いや聞いて下さい。太閤殿下より徳川は年下じゃないですか。しかもあの男、薬草とかで健康管理とかしてるから太閤殿下より20年くらい長生きするんですよ」
三成「……まあ事実は置いておくとしてだ。なぜ貴様にそれが分かる。根拠を簡潔に言え」
男「根拠? んー、根拠は……」
男「>>57」
ただ安価踏むんじゃなくて考えろ
なんなのばかなの?
男「関八州です」
三成「なに?」
男「えっとほら。徳川って今までの領地を没収されて関東に移されたじゃないですか」
三成「いかにも。太閤殿下のご差配でな」
男「でもほら。徳川の家臣って三河武士っていうくらいですし、普通そういうの嫌がると思うじゃないですか。けど二つ返事で了承してるでしょう」
三成「太閤殿下の意に背くことなど有り得ぬからな」
男「いやいや。でもあの徳川ですよ? 太閤殿下が母上を差し出さないと上洛しなかったあの徳川ですよ? 従順すぎると思いません?」
三成「……だからなんだというのだ。従順ならばそれで結構ではないか」
男「いやですね。関東って都から遠いじゃないですか。もし徳川に野心があれば、都から離れた場所で着々と力をつけられますよね」
三成「……その懸念はもっともだが、だがそれは根拠ではなく推論だろう。私は決定的な証拠を出せと言っているのだ」
三成「それがないのであれば戯言だ。諫言の褒美を取ったらさっさと立ち去れ」
男「決定的な証拠……」
>>60
1.ある →その証拠も
2.思いつかない
再安価>>67
男「決定的な証拠になるか分かりませんけど、徳川って確か朝鮮出兵の時、難癖を付けて応じなかったんですよね。これは太閤殿下亡き後のための戦力を作っているに違いないと思いませんか」
三成「……確かに。徳川様は新領の手入れと称して後詰めに回られた」
男「とにもかくにも太閤殿下が亡くなったあと、この国がどうなるかを想像して下さい。お世継ぎはまだ幼いじゃないですか」
三成「それは……関白殿下がおられる」
男(関白……? ああそっか。すっかり忘れてた)
三成「拾君が成人されるまでの間、関白殿下が天下を守られる。いかに徳川様といえど、そう迂闊に手出しは出来まい」
男(んー、でも三成と豊臣秀次って仲悪いんじゃなかったっけか。あーよく見ると苦虫潰したような顔してるわ)
三成「徳川様を警戒せよとの諫言はそれとして受け取っておこう。用向きはそれだけか」
男(半信半疑ってとこかな。でも三成だって元から家康の事は警戒してただろうし、後押しになっただろう)
男(話す事はそんなもんか?)
>>70
1.そんなもん
2.まだ用がある →内容も
1
男(まあいいか。これで)
男「ははー、ありがとうございましたー」
三成「進言、大義であった」
小姓「控えの間でお待ち下さいますよう。殿より追って沙汰がございます」
男「ありがとうございます」
男(この時代はいい事を言うだけで金がもらえるのか。おいしいな)
小幡信世「殿、件の牢人はいかがでございましたか」
三成「徳川を讒訴しに来たそうだ。口振りはうつけていたが、言っていることはまあ理に敵っていた」
小幡「で、処遇は」
三成「何しろ目論見がわからん。それなりに遇し、しばらく城に留め置け。お前は引き続き噂の調査を続けよ」
小幡「かしこまりました」
男「なんか城から出してくれない」
男「もしかしてこのまま家臣にしてくれるのかもしれんな。確かに三成に天下を取らせるっていうのも面白いかもしれない」
男「にしても暇だ。城も豪華絢爛って感じじゃないし、あんまりウロウロすると怒られそうだし、暇潰しにもらった本は字が読めないし」
男「まあ気長に待つかー」
三成「何かわかったか、助六」
小幡「はい。天海という僧侶ですが、武州の無量寿寺に同名の人物がいることが分かりました」
三成「武州……徳川領だな」
小幡「奥州の蘆名家の者らしいですが、伊達に奥州を追われてから近年は徳川様の元へ伺候していると」
三成「なるほど。同一人物との確証は得られんが、だが怪しいな」
小幡「あの男を詮議致しましょうか」
三成「無用だ、私がやる。お前は佐竹殿に伺いを立てておけ。蘆名の当主は佐竹殿の弟君だったはずだ」
三成「長逗留させて相済まぬ。今城下はいろいろ取り締まりを強めておるゆえ、流れ者の貴様を軽々と釈放できぬのだ」
男「いえ、大丈夫です」
三成「ところで、今城下を騒がしている噂なのだが、知っているか」
男(秀吉ピザの事か)
三成「このような文言を書かれた紙が城下のあちこちに撒かれていたそうだ。私は太閤殿下直々の御命で、その詮議のために来たのだが、心当たりはあるか」
男(前に俺が言った家康の事はいいのかよ……これはどう答えるのがいいか)
男「>>75」
ありませんよ
筆跡などは手がかりになりませんかね?
男「いや、心当たりはないです」
三成「そうか」
男「あ、そうだ。筆跡などは手掛かりになりませんかね?」
三成「筆跡……?」
男「はい。筆跡が違えば自分が無実だって証明できると思いますけど」
男(こういう事もあるだろうと、あのチラシにはちょっと細工してあるんだよね。筆跡で俺が捕まる事はまずないだろ)
三成「……確かに私はこの一件の詮議を任され、かつ貴様に心当たりを問うた」
三成「だが私がいつ、貴様が下手人かと聞いた」
男「……ん?」
三成「噂の心当たりなしとあればそれで済もうものの、自らの潔白をいち早く口にするとは愚かな。流れ者ならば後ろ盾もあるまい。意味は分かるな? 申し開きがあるなら一つだけ聞こう」
男「あれ? あー、>>77」
すいません僕がやりました。正直に言ったんだから許して下さい。けど徳川には本当に気ををつけてください
男「すいません僕がやりました。正直に言ったんだから許して下さい」
三成「なに?」
男「けど徳川には本当に気ををつけて下さい。あの狸は天下狙ってます」
三成「……ふん。少しは見所のある男だとは思っていたが。何の目論みあってのことかは知らんが、太閤殿下を貶めたその罪は重いぞ」
男「でも正直に言ったんですから……」
三成「それを決めるのは私ではない。最早問題は佐和山だけの事ではなく、天下の事なのだ。厳しい沙汰があると覚悟せよ。連れて行け」
小幡「立たれよ」
男「ちょ、待って。俺はあんたの事を思って……」
三成「私は太閤殿下の事を常に重んじて行動する。私の事にかまけるなど有り得ん」
男「あわわ……」
――伏見城
三成「殿下。下手人を捕らえました」
秀吉「そうか。それはご苦労であったな。して、誰の差し金じゃ」
三成「目的があまりにも不可解で裏があるのは明白なのですが、その下手人自体に黒幕はいないようです。身分も分からぬ男でございましたゆえ」
秀吉「ほう。一応聞いておくが、お前はどう思っておるのだ」
三成「は。噂の名義人といい、彼奴が頻りに口にする言葉といい、江戸の大納言様と何らかの関わりがあるような」
秀吉「家康?」
三成「はい。なんでも大納言様に逆心ありとの事をしきりに」
秀吉「ふん。誰にでも想像つきそうな事ではないか」
三成「いかにもその通りでございます」
秀吉「まあいい。此度の一件、貴様の詮議を信じ、下手人の斬罪をもって沙汰止みとする」
三成「ありがたき幸せにございます」
秀吉「念入りに見せしめの上、佐和山で斬れ」
三成「承知致しました」
――佐和山
男(どうしてこうなった……未来の知識があったのに)
小幡「見届け役の小幡助六郎である。辞世など、何か言い残す事があったら述べられよ」
男(言う事……言う事は……)
男「安価↓」
男「まあそう簡単には天下掴めんわな」
小幡「……なんと不届きな。この期に及んで悪態をつくとは」
小幡「もうよい。速やかにそっ首落としてくれよう」
男(死んだら元の時代に戻れたりするのかなあ)
小幡「」サッ
男(まさか道化みたいな事をして終わるとは……せめて三成が家康を倒す所くらいは見せてほし―――)
ナルシストが戦国でのたれ死ぬ話が書きたかったので満足です。
ありがとうございました。
書いてるうちは、三成と秀次が和解して家康と戦う、まで想像しましたが特にそんな事はなかった。
なお、三成が佐和山に移封された時期については諸説ありますが、天正19年説を採用してます。
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