女神「異世界から来た者よ、世界を救いなさい」 眼鏡「僕中学生なんですけど」 (5)

登場人物紹介

眼鏡・・・公立中学校に通っている普通の少年。頭が良い。だが運動神経は……

女神・・・2つの平行する世界、『魔法の世界』と『科学の世界』を管理している。『魔法の世界』で魔王が復活したため、眼鏡を『科学の世界』から連れてきた。

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_魔法の世界 草原


眼鏡「ふあぁ……よく寝た」

眼鏡「顔洗いに……あれ?」

眼鏡「こ、ここは」

眼鏡「どこだあぁぁぁぁぁ!」




第一章 『女神と眼鏡』

女神「そこの貴方」

眼鏡「うわっ」

眼鏡「……どなたでしょうか?」

女神「私は女神と言う者です」

女神「魔王からこの世界を救うため貴方をこの世界に連れてきました」

眼鏡(女神?この世界?魔王?ヤバいよこの人)

女神「ふふっ……突然この世界に連れてこられたのですからよく分からなくても仕方がありませんね」

眼鏡「……」

女神「ではまず貴方に簡単にこの世界の事について説明しておきましょう」

女神「貴方に質問です」

眼鏡「は、はい」ビクッ

女神「貴方がいた世界はどういう世界でしたか?」

眼鏡(貴方がいた世界、この世界……つまりここは漫画やアニメでいう『パラレルワールド』なのか?)」

女神「ふふっ……その通りです。流石は私が見込んだだけはあります」

眼鏡(考えを読まれた!?)

女神「貴方が考えた通り、この世界は貴方が元いた世界と平行に存在している世界……」

女神「すなわち、パラレルワールドです」

女神「貴方がいる世界を表現するなら……『科学が進歩した世界』でしょうか。ならばここはその反対『魔法が進歩した世界』です」

眼鏡「魔法が進歩した世界……?」

女神「はい。ここは貴方の世界でいう…………」

女神「まぁ簡単にいうとドラ○エの世界ですね」

眼鏡「そうですか……すぐには信じ難い話ですが、だとしたらどうして僕をここへ?」

女神「まずこの話を聞いてください」

女神「昔々……そのまた更に昔。世界にある1人の魔物が現れました」

女神「その魔物は巧みな演説と圧倒的な力を生かして、他の魔物達を説得し魔物達の『王』という存在……或いはそれに近い存在。要するに『魔王』になったわけです」

女神「魔王が現れる前から人間と魔物は度々刃を交えてきましたが、ある事件を境目に状況は変わりました」

眼鏡「あること?」

女神「魔王の子どもが人間に殺されたのです」

女神「魔王はそれを境に、人間を憎むようになりました」

女神「魔王は持ち前の頭脳と力を使い、魔物達を説得し人間界侵攻の準備を進めました」

女神「そして魔王は人間界に攻め込んだのです」

女神「最初の方は魔王軍が優勢でしたが、時が経つにつれ、魔王軍は劣勢になっていきました。ある存在によって……そして遂に魔王もそれに討たれました。」

眼鏡「ある存在?」

女神「貴方と同じように私にこの世界に連れて来られて来た勇者です」

眼鏡「まさか……」

女神「そうです。貴方には魔王を討ってもらいます」

眼鏡「魔王はもう何百年も前に連れてこられた勇者に討たれたのでしょう? 何故今さら」

女神「魔王が……復活したからです」

眼鏡「復活!?」

女神「そうです。やるかどうかは貴方次第です。私に強制権はありませんが、やりますか?(お前にNOという選択肢はない。やれっ)」グググ

眼鏡「わ……わかりましたよっやりますよっ」

女神「(よしっ)では何か他に質問はありますか?」

眼鏡「ここは僕が元いた世界のパラレルワールドで、魔法が進んだ世界。要するにドラ○エの世界とだいたい同じだと言うことは分かりました」

眼鏡「だけど僕は勇者みたいに運動神経は良くないです。何故僕を?」

女神「ここは魔法が進んだ世界です。力だけが強さではありません」

眼鏡「頭で僕を?」

女神「そうです。魔法使いになってもらいます。他に何か質問は?」

眼鏡「質問というより……欲しい物なんですけど」

女神「欲しい物ですか……。何でもどうぞ」

眼鏡「魔王を討伐するって言うからには旅をするって事ですよね」

女神「そういうことになります」

眼鏡「では、この服だとまずいので……」←パジャマ

眼鏡「まずはまともな服を3着」

女神「わかりました。おいっ妖精」パチンッ

妖精「どうしました?」ドロン

女神「この者に合う魔法使い用の服を3着」

妖精「承知しました」ドロン

女神「他には?」

眼鏡「この世界にある魔法の参考書全部」

女神「参考書?」

眼鏡「ほら、魔法をどうやってやるかとか書いてあるやつです(何でドラ○エは分かるのに参考書はわかんねぇんだよ)」

女神「わ……分かりました。妖精2」

妖精2「なんでしょうか? 女神様」
ドロン

女神「この世界にある魔法の書物の複製を全部」

妖精2「承知しましたー♪」ドロン

女神「他には?」

眼鏡「この世界の地理に関する本と職業に関する本。魔物に関する……えぇい! 取り合えずこの世界に存在する本。後はこれらを運ぶ馬車」

女神「妖精に任せているのではキリがないので私が……ちちんぷいぷい!」

眼鏡(え……だっさ)

ドーーーーン

女神「はい。荷馬車と本です。本は荷馬車に乗せてあります」

眼鏡(一応効果あるんだ……)

女神「他には?」

眼鏡「どうしたら元の世界に帰してくれるんですか?」

女神「魔王を討ったらです」

眼鏡「後僕……学校があるんですけど」

女神「それについては心配いりません。貴方がこの世界にいる間向こうの世界の時間は私が止めておきます」

眼鏡「そうですか……。では最後に1つ欲しいもの。金と武器を下さい」

女神「あ、いけない! 一番大切な物を忘れていました! ちちんぷいぷい」ボヨン

女神「どうぞ」

眼鏡「ありがとうございます」

女神「あと、妖精から貰った服と本を」

眼鏡「ありがとうございます(いつの間に……)」

女神「他には?」

眼鏡「もうありません。ありがとうございました」

女神「そうですか♪ では、頑張ってくださーい♭」ピューン

眼鏡「行っちゃった……」

第一章 『女神と眼鏡』 完

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