渋谷凛「トリックオアトリート」 (20)

旬が過ぎたネタ



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凛「お菓子くれなきゃ悪戯するよ」

P「しろよ」

凛「え?」

P「悪戯しろって言ってんだよぉ! うわあああ!」

凛「どうしたのさ。なんか……荒れてる?」

P「荒れてるんじゃない。呆れてるんだ。うちのアイドルたちのイベントに対してのアクティブさに」

凛「どういうこと?」

P「今日さ。ハロウィンじゃん。絶対うちの子たち「トリックオアトリート」って言ってくると思った。だから俺も用意したのよ。段ボール三箱分のお菓子」

凛「用意周到じゃん。でも何で呆れてるの」

P「中身見てみろよ! 空なんだよ! もうね。ホントに皆が皆が言うもんだからソッコーでなくなったんだよお菓子」

凛「へぇ。すごいね」

P「こんなに消費がひどいもんだから俺はもうお菓子あげないことにした。中には何にも言わずに持ってくやつもいるし。プライバシーもあるから名前は出さないけど「お菓子くれなきゃ働かないぞ」とか言う奴もいたからな。もうお菓子あげない」

凛「杏……」

P「さあ凜。トリックオアトリートって言ったけど。もうお菓子あげないから、欲求を満たしたいなら悪戯をするんだな」

凛「そう言われると何をしようかな……そうだ」

P「ん? 何それ? 口紅?」

凛「悪戯。カワイくしてあげる」

P「屈辱だぁ……」

凛「結構かわいいからいいじゃん」

P「それが屈辱なんだよ」

凛「じゃあ私行くね。あんまり調子に乗ったらだめだからね」

P「調子に乗るって……何で?」

P「さて仕事仕事」

友紀「プロデューサー! トリックオアトリート! おつまみ頂戴!」

P「お前は、プリンセスリバー、ユッキ! 何でつまみなんだよって、なんか酒臭いぞ」

友紀「おつまみ頂戴~」

P「お前……何昼間っから酒飲んでるんだよ。言っとくがお菓子はないぞ」

友紀「じゃあビールでいいから~」

P「ダメダメだな。ビールもダメ。悪戯なら許してやる」

友紀「悪戯? じゃあさ! 野球の話しよ!」

P「悪戯じゃないそれは。それに俺、そんなに野球について詳しくないし」

友紀「しよ~よー。しないと悪戯しちゃうよ~」

P「この絡み酒は……そう言えばさ。キャッツは今年リーグ優勝したよな」

友紀「そうだよ。優勝した!」

P「でもそのあとのクライマックスで確か四連敗してたよな! 何で!?」

友紀「うっ」

P「あんまり野球に詳しくないけどさ。リーグ優勝したチームが四連敗で敗退って、カッコ悪くない?」

友紀「うぐぐ」

P「キャッツって金に物言わせる球団って昔からイメージあるからさ。ここぞというときに負けるってなんか、ね」

友紀「べ、別に……」

P「正直言うと同じクライマックスで三位にものすごいゲーム差つけてたのに負けるよりカッコ悪いよな」

友紀「ふえぇ」

P「まああれだ。次勝てばいいんだよ。あ、今シーズン終わったから次ないのか。わりぃ!」

友紀「うわああああああああん! プロデューサーのばかぁ!」

P「え、ちょ、ユッキ! あ、あれ? なんか、悪いこと言ったのか?」

P「よくわからないけど……後で謝っとくか」

杏「……」

P「お、杏。どうしたんだ。そんなふらふらして」

杏「プロデューサー。飴ちょーだい」

P「お前さっき勝手に持ってたろ。それに今日はハロウィンだ。あの言葉を言わなきゃお菓子はやれんな」

杏「じゃあいいや。おやすみー」

P「待て! もうちょっと頑張れよ。そうだな。俺に何か悪戯したらお菓子をやろう」

杏「めんどい」

P「杏。皆はハロウィンに対してアクティブなのにお前ってやつはほんとに」

杏「なんだよーしょうがないな」

P「お、悪戯する気になったか。さあ来い何でも受け入れて痛。おい。何でウサギのぬいぐるみで顔叩いたのさ」

杏「悪戯。はい。飴ちょうだい」

P「ふざけんなー! そんなんは認めないぞ! 悪戯じゃない」

杏「でも悪戯って言っても……いいの? プロデューサー今仕事中だし、邪魔になるんじゃ」

P「! まさか。杏は俺を思って悪戯しないと言うのか?」

杏「していいなら……よっと」

P「膝の上に乗って、何だよ?」

杏「プロデューサーの仕事を邪魔する悪戯。ついでに甘やかしてよ」

P「杏……こんなかわいい悪戯なら目いっぱい甘やかしてやろう」

P「甘やかしに時間割いてせいで仕事が立て込んだ。どうしよ」

春菜「プロデューサー。おはようございます」

P「おはよう春菜。今日も眼鏡が眩しいな」

春菜「おだてたって何も出ないですよ。今日は何の日か、知ってますよね」

P「ん、まあ」

春菜「では私も。トリックオアトリート。お菓子くれなきゃ悪戯しちゃうぞ」

P「あー悪いな。今お菓子が全く無いんだわ。代わりに目いっぱい悪戯してもいいぞ」

春菜「本当ですか! じゃあこれ、お願いします」

P「わかってた。わかってたさ。春菜が悪戯とくれば絶対眼鏡が絡むってわかってた。でも普通の眼鏡だな」

春菜「もう一つ」

P「次は額か。ダブルメガネ」

春菜「もう一つ」

P「ちょ、眼鏡に眼鏡をかけてる状態だぞこれ」

春菜「もう一つ」

P「おい。なんかイヤリングみたいになってんぞ」

春菜「もう一つ」

P「待てぇー! 多すぎだろ。俺は短冊飾る竹じゃねーんだぞ!」

春菜「当たり前じゃないですか。今日はハロウィンなんですから。ちゃんとハロウィン使用にしてますよ」

P「この数だとハロウィンも何も関係ないだろ!」

P「結局眼鏡は一つだけ。今日一日かけておいてほしいが悪戯って何だよ」

未央「おはよープロデューサーくん。がんばっとるかねー」

P「お前は! だおみー! 何で上から目線何だよ」

未央「いーじゃん別に。それと今日はハロウィンだね。トリックオアトリート! お菓子くれなきゃ悪戯しちゃうぞ!」

P「まあお前は祭り好きだからこういうのにはのっかかるよな。悪いけどお菓子はない。どうしてもと言うなら悪戯をするんだな」

未央「えー……プロデューサー。口紅つけてない? 眼鏡も珍しいって思ってたけどまさか口紅まで」

P「あ、いやこれは。凛に悪戯された」

未央「しぶりんが? ……ハハーン」

P「なんか、嫌な顔してるな」

未央「どうせならもっとかわいくしよっ! ほらこれも付けて!」

P「これって……猫耳じゃないか! これってもしかして」

未央「みくにゃんのだよ。じゃあ次々。もうちょっと目元の化粧を」

P「待て! やめろぉ!」

未央「いたずら城って言ったのプロデューサーだよ。ほら動かない動かない」

P「またしても屈辱だ」

未央「結構かわいいよ。ほら鏡」

P「言っておくけどかわいいなんて言われても……結構いいかも」

未央「え?」

P「まさか女装する羽目になるとは思わなかった。ちょっと疲れたな。ここらで何か癒しが欲しいな」

みく「Pチャーン。トリックオアトリ」

P「みくにゃーん! ほらポッキーだ! 食え! 食えぇぇぇええ!」

みく「にゃ!? いきなりだよ! 頬っぺたに当たってペタベタするにゃ! やめてにゃ!」

P「ほらみくにゃん。お前の望みのお菓子だ! お菓子あげるから悪戯してよ! 早く!」

みく「ま、待ってそんな顔に押し付けられても困るにゃあ」

P「……なるほど」

みく「わかってくれたかにゃ。じゃあ食べさせてあげてもいいにゃ。あー」

P「みくにゃん猫だもんな! チョコはダメだよな! ハイ煮干し」

みく「うにゃあ! やめるにゃあ!」

P「何でだよ! チョコもダメ。煮干しもダメじゃ何のためのトリックオアトリートかわかんないじゃないか!」

みく「普通にポッキーをくれたらみくは満足なんだけど……」

P「そんな……だってみくにゃん猫だし……ハッ!」

みく「何か思いついたのって、何で小脇に挟むにゃ?」

P「わかったよみくにゃん。みくにゃんは今みくにゃんだからチョコも煮干しもダメだって。だから!」

みく「うわっ! 猫耳外さないでよ!」

P「そして春菜が置いていった眼鏡をかけて……! 完成! ほら前川さん! ポッキーだよ! あーん。あぁぁぁぁぁん!」

みく「やーん! もうやだ! Pチャンの意地悪ー!」

P「待ってみくにゃん! 俺はただみくにゃんの困った顔が大好きなだけなんだー!」

P「みくにゃん……何で逃げるんだよ……俺は悲しいぞ」

千枝「プロデューサーさん。どうしたんですか?」

P「あ、千枝。いや何でもないぞ。ありがとう」

千枝「えへへ。えっと、そのですね」

P「うん?」

千枝「きょ、今日はハロウィンなので! トリックオアトリート! 千枝は悪い子なのでお菓子をくれないと悪戯します!」

P「どうぞ」

千枝「え?」

P「残念だけど今はお菓子持ってないから悪戯していいぞ。むしろ悪い子の千枝はどんな悪戯をするのかな。むしろ楽しみだ。ワハハハ」

千枝「えっと……えっと」

P「……悪い。いじわるしたつもりはなかったんだ。お菓子ならポッキーが」

千枝「えい!」

P「どうしたんだ。いきなり抱きついてきて」

千枝「こうしたら……プロデューサーさんの仕事をしづらくなる悪戯………です」

P「……」

千枝「ご、ごめんなさい! 迷惑ですよね……し、失礼します」

P「千枝。これ」

千枝「これ……ポッキー?」

P「俺に食べかけだけど、それしかなくてごめんな」

千枝「え、いえ。別に……ありがとうございます!」

P「ふぅ……仕事頑張るか」

P「なんかすっごい仕事がはかどってる気がする」

早苗「うへへーP君♪」

P「この声は……! 早苗さうわ酒くさっ! ちょ、ひっどい匂いだ! どんだけ飲んでるんだよ!」

早苗「今日って確かハロウィンだよね~トリックオアビール~。お酒ください一杯飲みましょ」

P「仕事中には飲みませんよ。もしかしてユッキと飲んでるとか?」

早苗「飲んでじゃってるよ! 他には楓ちゃんとか~志乃さんとか~菜」

P「おっともういい! 昼間っから酒を飲むとろくなことないですよ」

早苗「トリックオアビール!」

P「ありません」

早苗「ムムム……ん? P君の唇、口紅ついてる?」

P「え、ええ。凛に塗られました」

早苗「凛ちゃんに……ははーん」

P「どうしましたって、何で俺の首に手をまわしてるんですか?」

早苗「あたしも口紅つけよっかな! んー」

P「待て! 唇とがらせて何迫ってきてんですか! やめて! やめてー!」

早苗「大丈夫だって。今日ハロウィンだし。トリックトリック♪」

P「助けて! 助けてー! いやあああああ!」

早苗「ちょっと、あーあ、ずれて頬っぺたにしちゃったじゃない」

P「何してるんですかアンタって人はー!」

早苗「アハハハ! ごめんごめん! じゃああたしは戻るわ! また来るねー」

P「二度と来るなー! 全くあの人は……」

まゆ「……」

P「ん? お、まゆ。おはよう。どうしたんだそんな陰から」

まゆ「いえ……別に何でもないですよ」

P「そうか。あ、もしかしてまゆもお菓子が欲しくて俺のところに来たのか?」

まゆ「違いますよ。ただ、今の早苗さんとの行為についてお聞きしたいと思いまして」

P「早苗さん? ああ。ホントに参っちゃうよな早苗さん。酔っぱらってるとはいえアイドルなのにキスをせがんでくるんだもんな」

まゆ「Pさんは……別にかまわないとか思っているんですか?」

P「まさか。もしあんなのが常習化してたら大問題だ。被害者が俺だけならいいけど、外部の人間に知られたりしたらどうなることやら」

まゆ「……Pさぁん」

P「なんだよま、」

まゆ「ん」

P「……え?」

まゆ「トリックオアトリート。ですけどお菓子はいりません。これは、まゆの悪戯ですから」タタタッ

P「え、おいまゆ。おい。え? 頬に? えぇ?」

P「……」

幸子「おはようございます! 今日もいい天気ですね! 毎日昇る太陽はボクを照らすためにある……どうしたんですかPさん」

P「あ、幸子か。おはよう」

幸子「元気がないですね! 太陽より輝かしいボクが目の前にいるんですよ! もっとシャキッとしてください!」

P「ああ」

幸子「それはそうと今日は何の日かご存知ですか?」

P「何の日だ?」

幸子「今日はハロウィンですよ! トリックオアトリート! カワイイボクにお菓子を渡すのと悪戯するのどっちがいいですか? どっちでも役得ですよ!」

P「……ほら」

幸子「何ですかこれ? 猫耳?」

P「トリックオアトリートって言ったら仮装して言うもんだろ。それ使って簡易な猫娘に仮装できるぞ。しかもカワイイ」

幸子「カワイイんですか! しょうがないですね。ならつけてあげますよ! どうですか? カワイイですか!」

P「ああ、すっげーカワイイ」

幸子「なのにすごいテンション低いですね! では改めて。トリックオアトリート! カワイイボクにお菓子をください! じゃないと悪戯しちゃいますよ!」

幸子オチ!

凛で始まり幸子で終わる。十人っきりの短編集

みくにゃんはカワイイ。特に困った顔がカワイイ。
猫キャラなのに突っ込みキャラに回る器用さがカワイイ。
欲を言えばみくにゃんとしぶりんとままゆの組み合わせが最高。
Pのことで張り合うしぶりんとままゆに板挟みされて困るみくにゃんがカワイイ。
そして弄られやすいみくにゃんがPに一番かまってもらえてしぶりんとままゆから熱い視線を送られて冷や汗をかくみくにゃんってシチュエーションが大好き。

終わり

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