三橋「爆音小僧?」 (11)
キーンコーンカーンコーン
校門
三橋「ふあぁぁ…眠ぃ…」
理子「三ちゃん今日もずっと寝てたわね」
三橋「人間は睡魔には勝てんのじゃ…ふぁ…帰って寝よ」
理子「あらあら。あれだけ寝てたのに寝たりないなんて」
三橋「お?そーいえば伊藤のバカはどこ行った?」
理子「京子ちゃんとデートじゃなかった?授業終わってダッシュで出て行ったけど」
三橋「なにぃ?あの野郎、人が眠くて歩くのもおぼつかんというのに」
理子「『今のウチだ!』って出てったわね」ケラケラ
三橋「許せん。邪魔しちゃる」
理子「ちょっと三ちゃん、眠いんじゃなかったの?」
三橋「はっはー!待ってろよ伊藤ぅぅ!!」ダダダタ
理子「…行っちゃった」ヤレヤレ
─────────────────────
京子「はい、伊藤さん、あーん♪」
伊藤「あーん♪」
伊藤(くぅ?!今日は三橋のバカに邪魔されなくて最高の日だ!京ちゃんと公園デート♪)
不良A「─オラァ!さっさと出すもん出さんかいガキィ!」
?「だから小銭程度しかもってないんですってばぁ…」シクシク
不良B「なめてんじゃねぇぞ!」ボコッ
京子「やだ…カツアゲかしら。ガタイの良い男2人がかりで…」
伊藤「………」スッ
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伊藤「おい」
不良A「あぁ?」ギロッ
伊藤「みっともねーなアンタら。2人がかりで、卑怯じゃねぇのか?」
不良B「なんだテメェ!やんのかぁ!?」
?(だ、誰…?もしかして正義の味方?いやいや、この人も相当怖そうなお方…もしかして3対1!?増えちゃったよぉぉ!!)
伊藤「俺も加勢させてもらうぜ。これで2対2だ、文句ねーだろ」ギロッ
不良A「あれ…もしかしてこいつ…このトンガリ頭…」
不良B「軟高の…伊藤!?」
伊藤「だったらなんだってんだ!?」
不良AB「「す、すいませんでしたぁぁぁ!!」」ダダダタ
伊藤「ちっ…」
?「す、すごい…睨んだだけで、あんな怖そうな方々を追い払った…」
伊藤「よぉ」チラッ
?「はぃぃ!?」ビクッ
?(なんか助けてくれたみたいだけど!もしかしたら『こいつは俺の獲物だぜ』みたいな展開にぃぃ!?)
伊藤「大丈夫か?殴られてたろ?」
?「あっ…その、平気です…」
伊藤「口んとこ血ぃ出てんぞ?でも、ピンピンしてるみたいだし、思ったより頑丈なんだな。よく見りゃ短ランとボンタンだし。余計なおせっかいだったか?」ハハッ
?(こうみえても殴られなれてるからね…)
?「そんなことないです!…あ、助けてくれてありがとうございました!ぼく、浅川拓っていいます!」
伊藤「おー、俺は伊藤だ。この辺じゃ見ない学ランだけど、拓クンはこの辺りの人?」
拓「いえ、実は横浜からバイクで…」
伊藤「へぇ!横浜から!すごいな!」
京子「伊藤さん、大丈夫だった?」
伊藤「京ちゃん!もちろんだよ~」デレッ
拓(伊藤さんの彼女かな?綺麗な人だなぁ~)
伊藤「あ、そういえばバイクって言ってたけど…どこにあるんだ?」
拓「あ、友達と一緒にきてて…ノド渇いたって言うから、自販機探しに歩いてここまで…」
ブロロロロ!!
拓(!!この音は…)
伊藤「?」
京子「?」
真里「ヤッホー拓ちゃぁぁん♪遅いから見に来たよ~♪」
拓「マー坊くん!」
キュッ!
伊藤「なんか随分人畜無害そうな可愛い少年が来た」
真里「あれ…拓ちゃん」
拓「え?」
真里「…血が出てる」
拓「あ、それは…」
真里「コイツ、だな?」ビキィ!!
!?
伊藤(コイツ…雰囲気が…っ!?)ゾクッ
真里「“挽き肉”にしてくれんぞ?テメェ!!」ブオッ
伊藤「うおっ!?」
ガッ!!
拓(凄い、この人、マー坊くんの本気の拳を受け止めた!?…いやいや、じゃなくて!!)
拓「マー坊くん!待っ…」
バフッ!!
真里「!?」ゲホッゲホッ
伊藤「なんだ、いきなり何か飛んできて…これは、目潰し?ってことは…!」
三橋「正義の味方、ミーツーハーシー参上だ」
京子「三橋さん!?」
伊藤「おま、三橋!ゲホッ…これ以上ややこしくするんじゃ…」
三橋「なんだオメー伊藤。こんなチビっこと喧嘩なんかしてよー」
マー坊「なんだよはこっちの台詞だぜ?“ゴキゲン”じゃねーか、テメーら」ビキィ!!
三橋「あぁ?」
拓(なんかいきなりまた怖そうな人が乱入してきたぁぁあ!)
伊藤「ちょ…待て、三橋!」
拓「そうだよ、まずは皆、おち、落ち着いてくださーい」オロオロ
真里「拓ちゃん?」
拓「マー坊くん。この人達は、ぼくがカツアゲされてるとこを助けてくれたんだよ」
拓(金髪の人のことは良く知らないけど…)
真里「え、そうなの…?」
三橋「何がどうなってるのじゃ」
伊藤「オメーよぉ、よくわかってないなら乱入してくるなよ」
三橋「うるさーい!やられそうだったくせに、このウニ!!」ビシバシッ
伊藤「いだぁ!」
マー坊「ゴッメーン!!そうとは知らずに、俺…」アセアセ
伊藤「いや、いいよ。勘違いは誰だってあるさ」ニコッ
三橋「イシャリョーじゃ、セーイ見せろ~」
伊藤「オメーは関係ねーだろ!」
真里「あははっ!オモシレ~人達だね、拓ちゃん♪」
拓「そ、そうだね」
拓「あ、マー坊くん。そろそろ戻らないと。他の皆も心配してるかも…」
真里「そーだね!んじゃ、俺達行くねぇん♪俺、鮎川真里!横浜に来たらよろしく!」
拓「ありがとうございました!」
伊藤「おー!気をつけてなー」
ブロロロロ!
三橋「あー、バイクいいなぁ…」
伊藤「オメーは絶対乗るなよ三橋…被害が増えるだけだ」フッ
三橋「なんだ、まだスクーターのこと根に持ってんのかよ。テレビやったろテレビ~」
─これが、何気ないぼくらの出会いでした。
でもまさか、あんな事件が起こるなんて…
by 浅川拓
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