紗南「Pさんが怪しげなDVDを隠し持っていた・・・」 (54)

※モバPはPキャップ被ってる設定でオナシャス!






紗南「ねぇー、本当に持っていっていいのー?」


モバP「おお、いいぞー どうせ俺が持っていてもやらないしなー」カキカキ


紗南「ありがとうねー!」






オフの日、あたしがPさんの家にいるのは訳があった

少し前、Pさんが「家には珍しいゲームがあるけど、やらないから紗南にやるよ」と言ってくれたからだ

持ってきてもらうよりも自分で選んで持っていきたかったから、こうして家に上がることができた

事務所で自慢したら、きっとエラい目に遭うだろうからあまり言えないけどね…

今、Pさんは書類か何か書いてるみたいだ、邪魔しちゃいけないと思ってもレアゲーがあれば声が出ちゃうよ


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1415021025

それにしてもたくさんある…

実家にあったのを適当に持ってきていると言っていたけど、Pさんも相当なゲーマーだな




紗南「うわっ!こっちのはロードラッシュ!?うーん、3DO版かー…3DOは部屋にあったかな?実家だったかな…?

   こっちにはkiller7か、PS2版はあるけどこのGC版はなかったなー、これも貰おっと

   餓狼伝は…1作目とFoTも持ってるな~、これマジで良ゲーだよね、うん
 
   うぉっ、東脳なんて初めてみたよ…これはMac版か、さすがにMacは持ってないや

   破壊王もあるな、これストレス発散ゲーなのに主人公の動きがもっさりしてて逆にストレス溜まるんだよねー

   あっ、ダークテイルズだ!これ作家の話が面白いんだよー
   企画段階ではもっとヤバいストーリーを入れるつもりだったらしいね…


   ひぇー、ドミノ君に雨月奇譚(PC98)にマジカルチェイス、ナイトトラップもあるよ…Pさん何者?」ガサガサ





テンション上がったあたしは更にゲーム探しに没頭

それがいけなかった…




紗南「…ん?なんだこれ」

ゲームは本棚の一番下のスペースに箱詰めになっている

その奥底にDVDらしきディスクが一枚入っていた

ケースにもDVD自体にも何も書かれていない

気になって手に取ると後ろから声がかかった




モバP「おい、紗南」



紗南「ひゃっ!?」




いつの間にかPさんがすぐ後ろにいた

思わず手の中の物をゲーム回収用に持ってきていたバッグの中に、

他のゲームたちと一緒に入れてしまった

今思うと反射的な行動とは言え、何であんなことしちゃったんだろ…



紗南「も、もうー!びっくりするじゃない!」

モバP「悪い、ただちょっと持っていって欲しくないものがあったからさ…」

紗南「え…な、なに?」



もしや、今いれたDVDの事だろうか…

別にそれならそれで戻せばいいだけなのに、

何故だかあたしは万引きを見つかったような気分になって――勿論、したことなんてないけど――ドキドキしていた





モバP「いやさ、そこのどきどきポヤッチオだけは手元に置いておきたいんだよ」



紗南「ふぇ…あ、あーこれ?
   
   ふ、ふーん…ポヤッチオかぁ、Pさんもこういうのするんだねぇ~」


モバP「るせっ、受験勉強のときのわずかな時間にこれをプレイして俺は癒されたんだ、思い出の品だ」


紗南「あははっ…」

結局、Pさんに聞く事もしないまま、そのDVDを持って帰ってきた



紗南「うーん…これなんだろうな~、中身見てみたいけど……でも、何か怖いな」



それがPさんの頭のなかを覗く異質な存在のように思えて、あたしは一人でみる勇気を持てないでいた

バッグの中にPさんに持って行くなと言われていたポヤッチオをうっかり入れてきてしまったけど、

そんなことどうでもよかった



紗南「……みんなと見ようかな」



女子寮には各自の部屋に一台ずつテレビがついているが、それとは別に一階の大広間に大きいのがある

DVDの再生機能もついているから、そこでツアーLIVEの映像をみんなで見返したり、映画鑑賞会をやったりしている



紗南「でも、あたしがPさんとこに行ったって知られたら、

   リトルシスターに近づく人間を発見したビッグダディみたいに怒りそうな人らがいるし…」



というわけで今女子寮にいる中で、そんな可能性がない人らを集めてきたのだった




紗南「………」






茜「ボンバー!」



あやめ「ニンニン!」



李衣菜「ウッヒョー!」



裕子「サイキック!」



加奈「メモメモ!」







紗南「なんだかあたしって嫌な奴かもしれない…」




紗南「とりあえず5人いればいいかな…これ以上は何だか疲れるし」




茜「ところでっ!」


あやめ「怪しいDVDをっ!」


李衣菜「Pさんの部屋で見つけてっ!」


裕子「一緒に見ようって!」


加奈「どういうことかな!」




紗南「すげ、ジャストダンスやらせたいぐらい息ぴったり……

   じゃなくて、まあ言葉の通りでさ

   ゲーム借りに行ったら見つけちゃってね…」




李衣菜「ふーん、男の人の部屋にあったってことは…」


加奈「あったってことは?」


茜「つまり……」


紗南「い、いやぁ~………あ、あたしもそういうの考えてて…

   で、でね…一人で見る勇気が持てなくて……」






茜「ズバリ!スポーツの名勝負集!!」



あやめ「木枯らし紋次郎!!」



李衣菜「いやいや、ラウドネスのライブ映像だって!!」



裕子「ではっ!ここはこのエスパーユッコが中身を透視して………うーーーーん…!」



加奈「え、えーと…えーと…!男の人の部屋にあったんだから…えーっと…!」








紗南「あたしって、やっぱ嫌な奴かも」



紗南「と、とにかく再生するから!一緒に見てね!」



4人「オーッ!!」

裕子「うーん、うーん…!」




紗南「…ここに入れて、と」




ウィーン…




紗南「うわー…なんか今更ドキドキしてきた」


茜「ドキドキしたら走るといいんですよ!気持ちがまぎれます!」


紗南「あ、それウメハラも勝負前にやるって聞いたことが…………へ?」


あやめ「あいえっ?」


李衣菜「あぁ…?」


裕子「うーん…うーん……なかなか透視が進まな……ん?」


加奈「えへ…?」

とにかくすごい衝撃だった……




そこに映し出されていたのは……












イケメン『おや、どうしたんだい?


     もしかして俺と一緒に寝たいのかな…?


     じゃあ、こっちにおいで…』(かなりのイケボ)
















6人「………」












6人「なんだこのあんちゃん!?(驚愕)」


イケメン『そうそう、素直になればいいんだよ…もっと近くにおいで…』







李衣菜「わ…わわわ…!!」

紗南「李衣菜さん!手、全然目隠せてないから!}



あやめ「ど、どことなく紋次郎に似て…」

紗南「まだ引っ張ってるよ!そのネタいいから!」



裕子「あ、あわわわ…しゃ、しゃいきっく…!!」

紗南「ユッコさん無理しないで!」



茜「なかなかいい体つきだけど、ラグビーには向いてませんねぇ…」

紗南「見るとこそこっ!?」



加奈「ああ、これは女性向けイメージビデオかゲイビですね…間違いない…」

紗南「どうしたの急に!?…て、ていうかやっぱりこれって…」








イケメン『ぎゅっとしてあげるね…



     どうかな?暖かいかな?



     俺は……暖かいよ』


李衣菜「やべぇよ…やべぇよ…!」



茜「ど、どうしよう!」



あやめ「ま、まさかP殿が…しゅ…しゅ、衆道…!」



裕子「いやぁぁぁーーーっ!!サイキック耳ふさぎー!!」



紗南「あ…あぁ……あたしがこんなの持ってこなければ…」



加奈「なんなんだこれは…たまげたなぁ」





みんな信じたくなかった…


そりゃそうだ


ここにいるみんながPさんには相当な想いを寄せて――あ、あたしもかって?あたしのことはどうでもいいじゃんか!――いるのに、


その相手がまさかこんな男の子の添い寝イメージビデオを隠し持っていたなんて……


茜「で、でも…恋愛感情は人の自由なわけで…!」



李衣菜「そ、そうそう!男の人が好きな男の人だなんてロックではよくあること!」



裕子「だ、だけど…明日からPさんと会うの辛くならないかな…?」



あやめ「う…うぅ……」



紗南「ごめん…ごめんなさいみんな……あ、あたしのせいだぁ……!」グスッ…



李衣菜「さ、紗南のせいじゃないって!こんなの予想外すぎるよ!」



紗南「で、でも…でもぉ……!」



加奈「過熱した欲望はついに危険な領域へと突入する…」






ピンポーン







加奈「ファッ!?」


あやめ「…お、お客さんみたいですね…」


李衣菜「配達かな……」


茜「わ、私が…!はーい!












  ………Pさん!?」




5人「!!?」

ガチャッ




茜「ど、どうぞ……」


モバP「いやー、悪いな突然…紗南いるかな?」


茜「あ…は、はい……いまみんなで大広間のほうに…」


モバP「そっか、じゃあ上がらせてもらうよ…


   いや~、ちょっとゲームが一本見当たらなくってさ

   それで紗南が間違って持っていったんじゃないかって思ってな」



茜「は、はい…あの……」





5人「………」






モバP「お、みんなで映画鑑賞かな………んぁ?」



茜「!? あ、あーっ!!」




紗南「DVDっ!」



李衣菜「再生してっ!」



裕子「テレビもっ!」



あやめ「つけたっ!」



加奈「ままだったー!」









イケメン『ゆっくりお休み…ふふ、可愛い寝顔………』




     ―再生終了―



モバP「な、なんであれがここに……」


6人「………」






モバP「見て、しまったのか………お前たち」


6人「………」







モバP「………」


6人「………」







モバP「……マジかぁ…」


6人「………」

















モバP「…俺の黒歴史見られちまったかぁっ……!」


6人「……ふぇ?」
















紗南「く、黒歴史って…?」



李衣菜「えっ、じゃ、じゃあ……!」








モバP「あれ……俺」







6人「えええええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!!??」


あやめ「あれがP殿の…すっ、素顔!?」



加奈「え、えーっと…!」


モバP「うぉいっ!Pキャップの中を覗こうとするな!」



茜「そういえば声に聞き覚えがあったような…!」


モバP「ま、まぁ……撮影中、ちょっとは声作ってたけどさ」



裕子「ふふんっ!このエスパーユッコは全て予知してましたよー!」


李衣菜「あ、うん」


紗南「な、なんでこんなDVD出たの?」


モバP「いや、まあ……」


あやめ「あ、あの…言いづらいなら」


モバP「いや……実は昔…」


李衣菜「昔?」





モバP「俺もちょっとアイドルっぽい事やっててさ」



加奈「ええぇぇーーっ!?」




裕子「じゃ、じゃあ私達の…」



茜「先輩っ!!」←先輩という単語に妙な憧れがある


モバP「いやまあ売り出す前に事務所が倒産して、結局『アイドルっぽい事』で終わってしまってさ


    あれもデビュー前に撮影したやつで事務所が消える時に記念に持って帰ってきてしまったんだよ


    そのときの社長にも許可もらってな


    あんなんでも俺の仕事の産物だし」





紗南「(なるほど…撮るだけ撮っただけの原盤だから何も書かれてなかったんだ…)」





モバP「実家に置いてきたはずだったんだけどな…


   今住んでるとこに引っ越ししてから親にゲーム送ってくれって言ったときに、

   知らないで入れちまったんだろう


   息子が恥ずかしいこと言ってる映像が入ってるとも知らないで



   俺も自分の手元に黒歴史DVDがあるなんて気づかなかったよ」

あやめ「は、初めて聞きました…P殿の過去」



モバP「自慢できるもんじゃないしな…


   んでプロデュース側に回ったらこっちが天職だって気づいたよ


   ただ、ここに入社する時に今の社長にこれ被れって言われた時は驚いたな」
  


紗南「(そりゃあねぇ…今でさえゾッコンな子らがいるのに、あんな男前晒してたら……)」




茜「でも、もったいないですね!

  もし、Pさんがアイドル続けてたら凄い人気が出ていたに違いありません!」


加奈「そうですよ!あんなにかっこいいんですから!」


モバP「ははっ、そりゃどうだかな


   
   …正直さ、お前たちをプロデュースしてて感じるよ


   本物のアイドルってのはこういう子らを言うんだってな


   本当に磨けば磨くほど輝いて…


   一緒にいるだけで明るく楽しい気持ちになれる


   ただ、見た目がいいってだけじゃなくて


   遠くから見ている人にも同じように、

   こうワクワクさせられる魅力を持つのがアイドルだってな…」




李衣菜「Pさんっ…」


   

モバP「それは俺にも出来たことかもしれない、出来なかったことかもしれない


    でも、こうして皆を見つけ出して、スカウトして、

    プロデュースして、毎日が充実してるとな



    結局、こうなる運命だったんじゃないかって時たま考えるんだ」



あやめ「……」

モバP「俺はさ、お前達に会えて本当によかったと思ってる」



加奈「あっ…ありがとうございますっ…!ぐすっ…」ウルウル…





裕子「うぅぅっ……


   うわぁぁーーん!

   サイキック抱きつきぃ~~!!」ガバッ



モバP「ははは……よしよし…
   これからもよろしくな、裕子

   みんなも…」




茜「はいっ!」


あやめ「にんっ!」


李衣菜「イエイッ!」


加奈「えへへっ!」


裕子「うわぁぁーーん!」







モバP「あれ?紗南は………」















イケメン(モバP)『おや、どうしたんだい?もしかして俺と一緒に寝たいのかな…?』












紗南「う、う~む…これがPさんの素顔だと知ったら、なんか益々イケメンに見えてきたなぁ~………

   …うへへ」





モバP「あぁぁーーっ!?

    な、何でまた見てるんだよっ!せっかくしんみりとした雰囲気だったのに!!」


李衣菜「そ、そうだね……これがPさんの素顔…Pさんの素顔…Pさんの素顔…Pさんの素顔……Pさんの……


    ……ハァハァ…」





加奈「き、記憶に焼き付けておかないと…!細部までじっくり、私の頭の中のメモにしっかり記録を…

   じぃぃぃーーーっ……」





茜「さっきはラグビーに向かないとか思ってたけど……う~ん、改めて見ると……

  な、なかなかセクシーな胸板…それに見事な腹直筋に美しい腹斜筋ですねぇ……上腕三頭筋もよく実ってて……


  …じゅるり」





あやめ「あ、あああぁぁっ……こ、このあやめ発見してしまいましたっ…!

    こう目を閉じて集中して声を聞いていると、と、ととととっても満たされる気分にぃぃ…!」ゾクゾクッ





裕子「サイキック予知夢でしか見たことのなかったPさんとの添い寝を体験できるDVD……


   も、もし発売されていたらとんでもない凶器になったかも…!」


モバP「…………」











モバP「ほんの少し、ほんの少しだけ…


   さっきの言葉を取り消したい気分になった…

















   しかし、なんだ?
   この映像の俺、経験ないデビュー前とは言え、もう少し目線とかしっかり出来なかったのか…?

   ちょっとズレてるぞ…イメージビデオなんだから見る人を意識してだな…


   よくよく見ればなんかカメラもアングルとか適当だな…

   よっぽど演者に集中しないと、そういうところが気になる人も出てくるだろうに

   もうちょっとアップにするべきところとかを監督が指示してやらないと

   これなら俺が撮ったほうがずっとマシだ……あれ、それじゃ俺が撮れないか…でもなぁ……」ブツブツ

その後…



DVDはPさんが回収した(ついでに、ポヤッチオも)


不満はあったけど無理強いはできなかった


でも、私達は少しPさんを見る目が変わった


あのPキャップの下の素顔、


スーツの下のたくましい体を思い出すと、まともに見れなくて…





それに寝る前に、あの映像のなかのシチュを連想すると体がどんどん火照って、


眠れない日もできた




でも、仕事やレッスンが上手くいかなかった日は、


それを思い出すととても癒される気分になれた




最近、DVDを盗みに入ろうかどうか、真剣に悩んでいる忍者を見たけど、


彼女の場合は良心が勝るだろう







……あのDVDの存在を知っているのは、私達だけ


けれど、他の子たちが知ってしまったら一体どうなってしまうんだろう…







加奈「う~ん…!この世界は、まだまだたくさん覚えることが多いです…メモメモっと」




かな子「加奈ちゃーん、そろそろ出ようー」


加奈「あっ、はーい!」




パサッ







凛「…ん?加奈、メモ落としたよ……って、行っちゃったか

  まあ、後で私が渡せば…………













  ……………なにこれ


  『極秘・PさんのかっこいいDVDがあったなんて誰にも喋れない!』…?






















  ふーん」



おしまい

以上です



どきどきポヤッチオ、みんな買ってピアに恋しよう!



依頼出してきます

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