セイバー「卵かけご飯!?突然何を言い出す?血迷ったか英雄王!」
ギルガメッシュ「たわけが!血迷ってなどおらんわッ!卵かけご飯についての話題をふっただけであろうが」
セイバー「この戦いの決着をつける大事な場面でメシの話とは......貴様は何処までも人を見下してッッ!!!」
ギルガメッシュ「腹が減って全力もだせんような貴様をただ一方的に倒してしまったのではつまらんのでな、王たる我の慈悲によりメシを御馳走してやろうということだ」
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セイバー「き、貴様ッ!!!馬鹿にしているのか!私がメシに釣られるなどと.........」
グゥ〜〜
セイバー「........//////」
ギルガメッシュ「体は正直というわけだ。気にすることはないぞ、セイバー。これは王たる我の気まぐれだからな」
セイバー「........うぅ泣」
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ーーーーー
セイバー「こ、これは?」
ギルガメッシュ「俺の宝物庫には古今東西ありとあらゆる逸品が揃っている。この和室とちゃぶ台もその一つということよ。」
セイバー「英雄王よ。貴様の宝物庫とやらはもはや四次元ポケットみたいなものだな」
ギルガメッシュ「褒め言葉として聞いておこう」
セイバー「それでだ、聞いて良いか?」
ギルガメッシュ「よい、質問を許すぞ」
セイバー「『卵かけご飯』とはどのような料理なのだ?」
ギルガメッシュ「セイバーッ!?貴様そんなことも知らんのか?」
ギルガメッシュ「無知で愚かな貴様に王たる我が直々に教えてやろう」
セイバー「すまない」
ギルガメッシュ「まずは熱々の炊きたてご飯と卵と醤油を揃える」
セイバー「材料はそれだけなのか!?」
ギルガメッシュ「落ち着けッ!王たる我の話を最後まで聞けッッ!!」
セイバー「お、おう」
ギルガメッシュ「そしてだ、器を用意して生卵を溶いてそこに醤油をまぜる」
セイバー(御馳走と聞いたが.....)
ギルガメッシュ「そして生卵と醤油を溶いたモノを熱々のご飯にかけて混ぜる。」
セイバー「ほう、それで」
ギルガメッシュ「これで『卵かけご飯』の完成だぞ、セイバー」
ホ カ ホ カ
ギルガメッシュ「どうだ、セイバーよ?美味しそうであろう?」
ホ カ ホ カ
セイバー「ぐ、貴様ッッ」
ギルガメッシュ「遠慮はいらんぞ。熱々のうちに食べるがよい」
セイバー「ふっざけるなぁぁぁああああああ!!!!!」
ギルガメッシュ「なっ、なにぃぃい!!?」
セイバー「『この世の全ての悦を知っている』とか『王の中の王』だと普段からぬかしている貴様が『御馳走だ』と言うから恥を忍んで来たというのに........」
ギルガメッシュ「ど、どうした?」
セイバー「いざ足を運んでみれば、生卵に醤油をぶっこんだモノにご飯を混ぜただけの料理とは.........外道め」
ギルガメッシュ「う、うむ」
セイバー「しかも卵を生とは.......故郷ブリテンでは卵を生で食べる者など変態の類だ!」
ギルガメッシュ「セイバーよ、貴様の言いたい事はよくわかった。」
セイバー「だから肉とかを......」
ギルガメッシュ「少し黙って我の話を聞けッッ!!!!!」
セイバー「..........」
ギルガメッシュ「王たる我はこの世のありとあらゆる悦を知る責務がある.......たとえそれが下賤のモノであろうともな」
ギルガメッシュ「そして現界してからしばらく、我はありとあらゆる目新しい悦
を知り尽くしたのだ」
セイバー「...........」
ギルガメッシュ「寿司、天ぷら、ウナギ、うまい棒、チロルチョコ.....etc」
セイバー「寿司、天ぷら、ウナギ?そっちを食わせろと.........」
ギルガメッシュ「話を聞けッッ!!!」
セイバー「うぅ泣」
ギルガメッシュ「そして我は出会ったのだ」
セイバー「それがー」
『卵かけご飯』
ギルガメッシュ「我も最初は食わず嫌いをしたが食べてみれば案外いけるぞ、セイバー」
ホカホカ
ホカホカ
セイバー(英雄王が押す逸品......)
グゥ〜
セイバー「えぇい!食べてやるぞ!!!」
ギルガメッシュ「それでこそ我の見込んだ女だッ!」
ハムッ
セイバー「これはー」
熱々のご飯に投入された醤油卵がいい塩梅で混ざり合っている.........
口当たりのフワッと軽さ
卵をひきたてる醤油の風味
黄身の濃い味
何だこの味は?安心するというか.....なんというか......
セイバー「美味いな」
ギルガメッシュ「おお、セイバーよ。貴様もこの味の良さを解ってくれたかッ!!!」
飯落ち
ギルガメッシュ「おしんこと味噌汁も用意しておいた。腹一杯食べるがよいぞ」
セイバー「ふぅーふぅー ハフハフ」
ポリポリ
セイバー「お新香、この食感と塩気がご飯にまた合う」
ポリポリ
セイバー「そして、これが噂に聞く味噌スープ」
ズズズ
セイバー「温まる......」
ギルガメッシュ「赤出汁だぞ、セイバー」
セイバー「箸が進むな」
ギルガメッシュ「焦らずともよいぞ、寛大なる我は貴様が満足いくまで待っていてやるつもりだからな」
セイバー「かたじけないッ!」
ギルガメッシュ「お代わりはいるか?セイバーよ」
セイバー「ください」
ギルガメッシュ「土鍋で炊いたできたてのご飯だ。味わって食べるがよい」
セイバー「.......素晴らしい色艶だ」
ギルガメッシュ「卵かけご飯だけでは飽きると思ってな、『肉じゃが』も用意した」
ホクホクッ
セイバー「こ、これは......まさしくアヴァロンッッ!!!」
ギルガメッシュ「遠慮せずに食べるがよいぞ」
パクッ
セイバー「なっ」
日本風の味付けというのだろうか、
ホクホクと舌触りの良いジャガイモに肉とタマネギ、
これらの食材が喧嘩することなく甘辛いタレと絶妙にマッチしている......
セイバー「おいしい....////」
ギルガメッシュ(思ったより好評だったようだな)
ギルガメッシュ「ハッハッハッハ!!美味いか〜!!!たっぷり食べるのだぞ〜!!!」
セイバー「おかわりッ!!!」
ギルガメッシュ「良いぞ、それでこそ我の見込んだ女だッ!」
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〜十数年後〜
士郎「すまないな、セイバー」
セイバー「いいえ大丈夫です、士郎」
士郎「いいんだよ、腹が減ってるんだろ?」
セイバー「...........」
士郎「遠慮しなくていいぜ!何か食べたいものはあるか?」
セイバー「..............」
セイバー「....................」
セイバー「........................卵かけご飯////」
お わ り
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