依田芳乃「雨過天晴のー」柊志乃「しのしの」工藤忍「相談箱~」 (59)




キャラ崩壊

オリ設定

続きものだけど前作は読まなくても「多分」大丈夫

前スレで匂わせた、画像の試験的導入あり


前スレ
依田芳乃「一諾千金のー」柊志乃「しのしの」工藤忍「相談箱!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1412729038/)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414570343




あらすじ


【僕は普通の男子高校生!

ただ普通とちょっと違うところといえばパンを口にくわえたまま50mを9秒台で走れることカナ

そんな僕がある日朝寝坊で遅刻しそうになって、食パンをかじりながら曲がり角を曲がった途端、

パン工場から出てきたばかりの2トントラックと衝突してしまったんだ!

でもその後なんやかんやあってトラックと恋__】


忍「これ違う!これ違うよ!これ比奈さんの漫画の話だよ!?」


志乃「『転校生は2トントラック』...比奈さんのツイッター上限定で公開中よ」


芳乃「是非是非、見るのでしてー」




前回のハイライト

[目覚めた一面]荒木比奈






芳乃「しのしの相談箱の報告会、誰が呼んだか三回目でしてー」


忍「ある程度の手紙が貯まると開催されるんだよね、これ...しかもアタシには事前告知なし」

志乃「一応、仕事のないタイミングに呼んでいるのよ?」

忍「でもさー、アタシにも友達と遊ぶ約束とかあるかもだし...」



芳乃「忍どののプライベートは漏れなく把握しておりますゆえー、つまり心配する必要などー」

忍「えっちょっと待って、何その新事実。そっちのほうが心配なんだけど...」

志乃「私は柊志乃、主に寄せられたお悩みの手紙を読み上げているわ」

芳乃「わたくし依田は芳乃でしてー、報告会実行にあたっての実働を一任されている身でしてー」

忍「なんでここで平然と自己紹介に移るの!?」



芳乃「そしてこちらのぱっつんさんは工藤の忍でしてー」

忍「アタシのターンはないの!?」



志乃「ちなみに忍ちゃんの最近のトレンドは胃腸薬よ」

忍「......ちがう...けど、事実になりそう...」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


志乃「こちら、しのしの相談箱では主にアイドルたちの悩み事を年中無休で受付中よ...」

芳乃「そしてこの相談所の骨子というものはー、わたくしたちが行うのは『縁結び』であるということでしてー」

芳乃「つまりー、悩めるものがいるならばー、その方の悩みの解決にうってつけの人物をー、わたくしたちが引き合わせるということなのですー」

忍「そのうってつけの人物っていうのもアイドルから選ばれるよ」

志乃「自分一人の力で解決できない問題も二人ならもしかしたら......ということ。私たちはその二人目に最も適した子を紹介させてもらうわ」

芳乃「でしてー」




芳乃「それではしのしの相談箱の機構を皆様に改めて紹介しましてー、志乃どのー」

コトン

志乃「私が持っているのが通称『静の箱』、事務所のとある場所に設置されていて、ここに悩みを抱えたアイドルたちがその悩みを綴った手紙を投函していくの...」

芳乃「志乃どのにはー、主に静の箱の開帳を任せましてー、そして忍どのー」


ゴトッ


忍「えーと、アタシが持ってるのが『動の箱』だよ。事前に『静の箱』の中に目を通した芳乃ちゃんが他のアイドルから聞いて回って、集めた悩みの解決案をまとめて収納してるの」


芳乃「そこにわたくしが蓄えたみなの玉稿はー、忍どのに吟味していただく流れでしてー」


忍「はーい、わかった...できれば真面目なお手紙が欲しいなぁ」






芳乃「では志乃どのー」

志乃「さっそく読んでいくわね...本日一人目の相談者PN【ひなたんビーム】さんから」

忍「(美穂ちゃん...匿名になってないよ...)」



【実は私、最近とっても怖い夢を見るんです】


芳乃「おやおや...」


【夢の初めに、まず私は自分の女子寮の部屋で目が覚めるんです。

ここで私の体が動かなくなっていて、それに気付いてもがくんですけど、それでも手足はビクともしなくて、

腕踏ん張ったり、力いっぱい暴れようとしたりしてもベッドの上から動けずに、目線だけがキョロキョロ部屋を見回して、

でもしばらくそのまま色々動こうとしている内に、私は部屋の隅に置いてあった鏡が目に入りました

その鏡はベッドの上を写していて、私の姿も写っている筈だったんです。

でも、そこにあったのは私そっくりのぬいぐるみでした



私は自分の姿そっくりの小さなぬいぐるみの体になっていたんです。



子供向けのお話だとぬいぐるみでもちょこちょこ歩き回れるものですが私は動けません

鏡を通して姿を見たせいで自分が布と綿で出来ていることを知ってしまい一層パニックになって



そしてふと変な考えが頭をよぎるんです。”私”がぬいぐるみとしてここにいるなら

いつも使っているぬいぐるみはどこに行ったんだろうって



そう考えるとなんだかどんどん怖くなってきて、動けないから、さらにその恐怖も倍増していくんです



そのことが頭をよぎったとき、私はいきなり持ち上げられました。



私を持ち上げた人は私の寝巻きを着ていて、私と同じ髪型で、同じくらいの背丈で

私はその人の顔だけは見ないように必死に目をつぶろうとするんですけど、ぬいぐるみなので閉じられません

そのうち、私を抱えた人が私を覗き込んで_____




と、ここまでが夢の概要です。

このぬいぐるみと中身が入れ替わる夢をここ最近何度も見るせいで、

いつも使っているぬいぐるみもだんだん使えなくなって、しかも寝不足になりがちです

どうか私を助けてください。】





芳乃「恐ろしき夢、でしてー」


忍「のっけからシリアスだね...不謹慎かもしれないけど、真剣な悩み相談が来てくれて嬉しいよ...」


志乃「でも、どうするの?怖い夢だなんて...思い当たる解決法なんて、私は寝る前に一杯やる、くらいしかないわよ」


忍「未成年には使えない手段だね...でも嫌な夢って普段の生活でのストレスや不安が原因だっけ?」

芳乃「他の可能性もなきにしもあらずでしてー」



志乃「ここは頼れる仲間のお手紙に任せましょうか...忍ちゃん?」

忍「はーい、じゃあアタシのとこの手紙も読んでいくね!」





忍「それじゃ解決案を送ってくれた一人目!PN【木口】さんから!」



【働かなきゃいけない現実よりはマシ、私もぬいぐるみになりたい】




忍「これ、相談への答えじゃない気がするんだけど...」

芳乃「これは何事もー、見方次第でどうとでも考えられるということでしてー」


忍「う~ん...でも、もっとこう親身になった意見はないもんかな」

志乃「結局、他人の悩みに対する態度なんてこんなものよねぇ」

忍「この企画の根底を揺るがしかねないセリフが出ちゃってるんだけど...」


芳乃「対岸の火事でしてー」

忍「揺るがすどころかひっくり返しおった...!?」



忍「じゃあ二人目もどんどん行くよ、二人目PN【カミサワ サギサ】さんから」



【お手紙、拝読させていただきました。

私見ながらいくつか提言させていただきます。

夢の中の風景は実際と異なることも多々ありますので確信を持った物言いは避けますが、


あなたは夢の中で鏡に映った自分のことを記していましたよね。

褥に伏したまま動けず、それで自身の姿を確認できたということから

その鏡は貴方の寝室内で丁度貴方が写る位置にあったと読み解けますが、

それは現実のあなたの部屋でもそうでしょうか?


もしそうなら鏡は別の部屋に移すことをお勧めさせていただきます。


寝室、それも自分の寝姿が写るような位置に大きな鏡を置くことは風水や言い伝えでは凶と出ているそうです


なんでもこの世の物ならざる者が向こうの世界への通り道に使うことがあるとか

今の所、私の知識では夢の内容の分析まではできないのでこのようなことしか言えませんがお役に立てれば幸いです。】






忍「へー、寝室に鏡ってよくないんだ...」

芳乃「無防備な人間を目当てにー、よく鏡の向こうから覗いていることがあるのでしてー」

忍「え...なにが...?」


芳乃「あと、水場にもよく集まっておりましてー」

忍「......その辺の話は小梅ちゃんにでも振ってあげてほしいカナー」


志乃「そういえば...私も、寝る前に枕元に置いていたワイン瓶が目が覚めたとき空になっていたことがあったわね、不思議だわ」

忍「どうせ寝ぼけて飲んでたんじゃないの?」

志乃「やだ、忍ちゃんが冷たい...」



忍「さて、あとの手紙は短いのばっかりだからサクサク読んでくよー!



三人目PN【みふみゅ】さんから

【寝る前に炊いておくと快眠できるアロマとか、よかったら紹介するから相談箱経由で連絡してね?】



四人目PN【1827】さんから

【ぬいぐるみになるのがこえーんでしたら、キグルミから慣れることにしやがるといいでごぜーます!】



五人目【しおみー】さんから___」


忍「......って、あれ?これって周子ちゃんからかな?」


志乃「周子ちゃんといえば...第一回のとき紗枝ちゃんのお悩み解決で色々あったわね」



忍「おお...!なんだろう...悩み事を通じて関わった人が他の誰かの悩みのためにこうやって手紙送ってくれてるって...ちょっと嬉しいかも!」

芳乃「これぞー、縁結びの真骨頂でしてー、こうした人の繋がりは千古不易でしてー」



志乃「さ、読んであげて、忍ちゃん」

忍「うん、わかった!改めて【しおみー】さんから!」




【寮に戻るとエプロン姿の紗枝はんが部屋で待ち構えている現実の方が怖い



「御飯にしはる?お風呂にしはる?それともう・ち・?」



とか言われた日はさらに怖い】





志乃「.........」

芳乃「.........」

忍「.........あー」



(補足説明:前々スレにて、お紗枝はんは周子はんと夫婦役でリアルおままごとに興じました。紗枝はんは男の子が欲しいそうです)




__終了__


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


志乃「悩み相談の結果、悩む人が増えるとはね」


芳乃「人の世はいつも分からぬものでしてー」


忍「いや、もう...この話はやめよう」

芳乃「それもそうでしてー」

志乃「あら...あっさり引いていいのかしら...?」



芳乃「あまり初見の方に分からない話をするのもアレなのでしてー」


忍「えっ、誰が見てるのこれ!?カメラあるの!?」


芳乃「おほほー」




志乃「芳乃ちゃんのよくわからない物言いは置いといて、二人目の相談者よPN【塩ビ】さんから」


忍「あれ?PNから誰か判断できない...今までのは大概逆から読んだりすればわかったのに」

芳乃「つまり、それほど秘密にしたい内容であるからしてー、お悩みもまた深刻と察せられるのですー」

志乃「そういうことね...さぁ、読むわよ」



【アタ_私には実は人には秘密にしている趣味があるんだ


その趣味ってのは所謂ドール集めだ。


服を着替えさせたり眺めて遊んだりするんだよ

ただどっちかっていうと私のイメージとそぐわねえから隠してんだ。

やっぱアイドルはイメージが大事だしな

今の所、年少組の一人にしか知られてないんだけど、それ以上に知られるわけにはいかねえ

実はこの趣味にも結構入れ込んでて、最近はこっそりドール用の小さい服とか小物を自作もするようになったんだ。

他のアイドルからさりげなく裁縫とか衣装作りの方法を習ったりしてな。

自画自賛だがそれなりに腕は上達した


で、ここで相談なんだけど。


実はこの趣味を生かした何かがしたいんだ


できれば......いや絶対!私の正体は伏せたままで!



仕事関係でもプライベートでもなんでもいいから頼んだぜ】





忍「隠してた趣味をお披露目したい、かぁ...なんとなくわかるよ」

「アタシも食玩とかおまけのコレクション集めて、シリーズコンプリートしたら人に見せたくなるし、隠してないけど」


志乃「私は...そうねぇ、おしゃれなバーのコースターとか集めてた時期もあったかしら」


忍「コースターって...グラスの下に敷いたりするやつ?」

志乃「そうそう...藁を編みこんだものや折り紙でできた簡単なものからコルクや陶器まで使って動物や花をモチーフにしているのもあって面白いわよ」

忍「へえ、なんだか飲み物を頼んだらついてくるおまけ...?そんな感じがするね」

志乃「ふふ、といっても持ち帰っていい店もダメな店もあるから集めるなら気をつけなさいよ?」

芳乃「ふむーん、わたくしにはやや縁遠き話でしてー、つまりついていけないのですー」

忍「あー、ごめんごめん、こっちだけで盛り上がっちゃった...」




芳乃「それにしても今回はー、各々深刻な悩みを持ち込んでいただけたようでー、嬉しい反面悩みの深さに嘆きもするのですー」

忍「そだね、二人目の人も解りにくいPN使ってるし、今までは隠す気のない人ばっかりだったのに、それだけ必死なんだね」

芳乃「全く、ほとほと知らぬが仏でしてー、つまりわたくしの前にたかが偽名など無為だとー」


志乃「それを聞くとなんだかあれを思い出すわね...学校の授業で匿名のチャットだと思ったら、最後に先生が全員の本名を表示したとかいう...」

芳乃「おほほー...全てを見通しているのはー、何も神だけではございませんのでー」

忍「怖っ!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

忍「さて、じゃあアタシの方も読んでいくよ。塩ビさん宛てのお手紙一人目【今は、マキ○ンがない】さんからっ!」


志乃「あら、マキノちゃんからじゃない」




【隠したところで秘密なんていつかは暴かれるものよ】



志乃「悩み全否定ね」

芳乃「時として問題というものはー、打開より一蹴こそが最善であることもありましてー、つまり塩ビどのはー、悩みすぎでしてー」

忍「えっと、悩むより思い切って打ち明けてみたらってこと?」

芳乃「しかりー」

志乃「ふふ...なんならお酒の席でぶちまけてくれてもいいのよ?」



忍「二人目は【コヤミィ・ザンア】さんから」



【どなたかは存じませんが、私にかかれば隠した趣味などまるっとお見通しです!

大人しく趣味を分かり合える仲間を増やすのです!】



志乃「これも似たようなものね...一応後半がアドバイス、なのかしら...?」

忍「うーん、なんというか...悩みそのものをなかったものにしようとしてるフシがあるね」

志乃「そうねぇ、どうしてもというならともかく、やっぱり隠したままよりはいいんじゃないかしら」



忍「そういうことかなぁ.....芳乃ちゃんはどう思う?」

芳乃「特殊性癖が露呈するよりは救いがありましてー」

忍「訊くんじゃなかったよ」




__終了__



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




忍「いいの?二人目の相談、あんまり有効策が来てなかったみたいだけど...」

志乃「まぁ、芳乃ちゃんの言葉じゃないけどそれほどバレてまずい趣味というわけでもないもの」

忍「うーん...結構真剣味のある相談だったと思うんだけどなぁ」



芳乃「でしたらー、趣味を隠し通したまま問題を無に帰す良き言葉があるのでしてー」

忍「ん?なぁにそれ...」

芳乃「どんな趣味も、どうせいつかは飽きる、でしてー」

忍「聞くんじゃなかったよ」





志乃「さて、色々不安は残るけど三人目を読んでいきましょうか...」

忍「しっかし、なんだろ。今日は二連続でそれなりに真剣なお手紙が来たよね」

芳乃「でしてー」


志乃「三人目PN【きらりん】さんから」


忍「三人目か......ここらへんでそろそろギャグみたいな相談が来そうだよね。あはは、もしそうなら締まらない話だけど」

芳乃「忍どのー、個人の懊悩に貴賎はないのでしてー」

忍「それもそっか、本人のみにとっては重大なことだからこっそり相談してるんだもんね」








【愛するよりも愛されたい】









忍「想像以上に書き出しが重い!!!?」





【だからきらり、偶にはハグハグするよりも、ハグハグされたいにぃ】


忍「内容はシンプル!!」


【とゆーことで、おにゃーしゃー☆】


忍「締め、軽っ!!」

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忍「これは...なんというか書き出しで身構えた分、損したね...」

志乃「豪快な三段論法ねぇ、愛されたいから抱かれたい、だから私たちに頼む、と」

芳乃「ふりーはぐぷりーず、ということでしてー?」



忍「愛されたいって...別にきらりちゃんだれにも嫌われてないと思うけど、年少組にも懐かれてるし、同年代とも仲いいみたいだし」

志乃「だからやっぱり本題はこの二行目じゃないの?ハグされたいっていうの。ほらあの娘、体が大きいから...」

芳乃「なるほどー、あの図体の問題でしてー?」

忍「図体て、図体て...もっと言いいようがあるでしょ」



芳乃「.........巨躯?」

忍「字面がよりストレートになっとる!」

志乃「まぁまぁ...ほら、次は忍ちゃんが読む番よ」





忍「はーい、じゃあ一人目PN【感謝の正拳突き】さんから」



【腕に抱きついてもらのなら、自分より体の小さい子にでもさせられるんじゃないでしょうか?

映画か何かで恋人同士がやっているのを見ました、

全身ハグには及びませんがこの態勢もなかなか良いスキンシップになるでしょう!

床に寝そべった状態でやればもう身長差も関係ないでしょうし!】



忍「おおう、まともな答えだ...」


志乃「ダッコちゃんみたいなものね、体じゃなくて腕をハグするぬいぐるみ」


芳乃「ダッコちゃん......古っ、でしてー」

志乃「......」

忍「そ、そうだねー、これはいい出だしだよ...うん、さぁ次も読んで......ん?まだ何か書い」





【腕ひしぎ十字固めと同じですね!】



忍「台無しだよ」




忍「じゃあ次ね、今日は全体的にお手紙も少なめだしどんどん行くよ!二人目はPN【にゃんにゃんしたい】さんから!」



【体格差でハグしにくいなら、人数でカヴァーすればいいと思うけど

こう、子猫の群れにじゃれつかれるみたいに周りからギュッとしてもらうといいんじゃない?】



志乃「...そういえばみくちゃんって猫カフェ?とかいうとこじゃモテモテらしいわね」

忍「あぁうんうん、春菜ちゃんか聞いたね。こう、手とか足とかわらわらよじ登ってくるらしいね」



芳乃「ほほー、なるほど、心霊スポットのロケから帰ってきた小梅どののようになるのでしてー?」

忍「その例えはどうなの......って、え?」

志乃「...小梅ちゃんにも群がっているのかしら...?」

芳乃「おほほー」



志乃「まぁ、それが売りの子だものね...そこは承知の上でしょう」

忍「聞きたくなかったよ...あれ、この手紙にも続きが」







【具体的に、アタシだとしたら抱きついてほしいのはみりあちゃんと薫ちゃんと千枝ちゃんと千佳ちゃんと_】



忍「...どうして最後で台無しにするの...」

芳乃「”にゃんにゃんしたい”というのはー、つまりそういうことでしてー」

忍「言いおった...」

志乃「普段は真面目で素直ないい子なのにねぇ...」




忍「おっと、きらりんさん宛てのはこれで最後だね...三人目はPN【はっぴーはーろうぃーん!】さんから」


【はぐはぐーってできない?あんはっぴー?でもあたし知ってるよ!

はぐにはいろーんな、ばりえーしょんがあって、ぼでぃじゃなくてへっどをほーるどするはぐもあるって!

これでぼでぃのさいずものーぷろぐれむっ!はっぴーはっぴー!】


忍「これは要するにフェイスハグってこと?」

志乃「相手の顔を胸に抱き寄せる技ね...どことは言わないけど大きい方が威力絶大よ」

芳乃「ほほー、もしや志乃どの...経験者でしてー?」

志乃「そう......それは何年前のことだったかしら...」

忍「その話題はやめておこう」


志乃「それにしても読みにくそうね、わざわざ文字にするときまで平仮名にしなくても」

芳乃「おほほー、これもキャラ付けでしてー」

忍「個性のごった煮が何を言ってるのさ...」





志乃「(ごった煮...この前楓に連れて行ってもらったお店のが美味しかったわね...)」

「(......なんだかお酒が飲みたくなってきたわ)」



忍「志乃さん、今はお酒は我慢してね?」

志乃「いえ...私は何も言ってないわよ?」

忍「あっ、いや、アルコールオーラが見えたからつい...」

志乃「なぁにそのオーラ...」



芳乃「ふふ、そなたも《瞳》の力に目覚めたようでしてー」

忍「他の人の個性をとっちゃダメでしょ!?」

志乃「ごった煮ね」




__終了__




忍「今回の悩みはどうなんだろ...」



志乃「【怖い夢をなくしたい】【趣味を隠したまま満喫したい】【他の人からハグされたい】」



忍「ものの見事に方向性がバラけたね。夢、趣味、愛情表現って...」

芳乃「ですがー、共通点はないこともないのでしてー」

志乃「共通点?」


芳乃「簡単には打ち明けられない、という点でしてー」


忍「そうだね、匿名の体をとってるおかげで送って来れたのかもだし...塩ビさんについてはアタシも誰かわかんないや」

芳乃「わたくしには無意味とは誰も知らないのでしてー、おほほー」



志乃「それで?早速悩みの解決に向かうのかしら?」

芳乃「はいー、ではではー、ひなたんびーむこと美穂どのとー、きらりどのを訪れるとしましてー」

忍「うん?塩ビさんには会わないの?ちょっと正体が気になるんだけど...」

芳乃「ふむーん、本日はより詳しい話を聞いておくだけでしてー」



志乃「予定表を見る限りでは、今回もタイミングよく美穂ちゃんときらりちゃんは午後が空いてるわね...」

忍「偶然じゃあ、ないよね」

芳乃「しかりー」





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__

_



小日向美穂「...はい、身動きのできないぬいぐるみになっちゃう夢ばっかり見て...そのせいでここ最近うまく眠れないんです...」


諸星きらり「うゆゆ、美穂ちゃん...だいじょぶ?はぴはぴすぅ?」



忍「杏さんの時ほどじゃないけど美穂さんときらりちゃんもそこそこの身長差だよね...」


志乃「ところで、美穂ちゃん、ぬいぐるみのことなんだけど」

美穂「はい?」

志乃「美穂ちゃんはいつも仮眠を取るときに愛用してるぬいぐるみがあったんじゃなかったかしら?」

忍「あっ、そういえば確かだいぶ前のインタビューでもそんなこと言ってたよね...えっとプロデューサーくん?とかいう名前の」

芳乃「かの緑の異形より愛くるしい見た目をしておりましてー」

忍「緑の異形って...あぁ、あのブサイクか。でも言われてみればここ最近、美穂さんが事務所に持ち込んでるのを見てないね」






美穂「あぅ...実はここ最近の悪夢のせいであの子をぎゅってすることも少なくなっちゃったんです...」

きらり「.........むぇー、そんなの辛いにぃ...」

美穂「うん...こんなのおかしいよね。あくまで夢の話なのに現実のぬいぐるみまで怖がるなんて」



芳乃「......ふむーん、悪夢の原因は大概が日頃のストレスでしてー、つまりそれを取り除くことこそが肝要であるとー」

志乃「ストレスねぇ...最近仕事がうまくいってないとか?」

忍「仕事となるとプロデューサーの管轄なんだけど...アタシたちじゃそこはどうしようもないよね」

美穂「い、いやっ、仕事はいつも通りなんですよ?最近は上がり症も治まってきましたし!」

きらり「ワンダフルマジックのときも美穂ちゃん、きらりと一緒にはぴはぴしたもんねー?」



芳乃「さようですかー、まこと口惜しきことにー、わたくしたちはその企画には歯牙にもかけられなかったのでしてー、ねぇー忍どのー?」

忍「ねぇー...って言われても」




芳乃「そもそも声すらついておりませ_」

忍「芳乃ちゃん黙って」

芳乃「あぁ、この世界での声付きの定義はCDデビューで_」

忍「依田」



志乃「仕事じゃないとなると、じゃあ学校生活とかかしら...」

美穂「う~~ん...でも、学校の方も事務所の人が勉強を教えてくれるおかげでいい成績が取れてるとは思うんですけど...」

志乃「うぅん、そうなると心当たりはもうないわねぇ」


芳乃「それでー、きらりどのの方は愛されたいとのことでしてー?」

きらり「うんっ!杏ちゃんもー仁奈ちゃんもーこずえちゃんもー、とーっても可愛くてお胸キュンキュンってするにぃ!」

「でもでもー、可愛いのをはぐはぐーってすゆけど、たまにはきらりもぎゅーってされたいんだゆ」

忍「たまには誰かに甘えたい的な...?」

きらり「ゆんゆん!」



芳乃「ふむーん......とはいえやはりその体躯がネックでしてー」

きらり「うゆゆ...やっぱりできないゆ?」

芳乃「いえいえー、迷える偶像に光明を、一筋と言わず篠突くように振る舞うのがー、我々しのしの相談箱でしてー」

美穂「そ、そうなんだ...なんだかすごいね...!」

志乃「そうだったの」

忍「多分違うんじゃないかな...」




芳乃「とりあえず当座の避難ということでー、美穂どのは今宵はきらりんルームにておやすみなさいませ」

美穂「えっ、いいの?」

きらり「ゆっ、いいの!?」



美穂「えっ」

きらり「ゆっ」

忍「なんで今質問が被ったの」



志乃「(...きらりんルームって、聞くところによると安眠からは程遠いらしいんだけど...)」

志乃「(きらりちゃんの質問はつまり、そういう意味の『いいの?』なんでしょうね...)」

芳乃「きらりどのはそれで大過ありませんかー?」

きらり「おっつおっつばっちし☆」

美穂「えとえと...今日はよろしくお願いしますっ!」

芳乃「それでは一晩お待ちくださいませー、さすれば__」



芳乃「__雨過天晴...悩みの雨雲、わたくしたちが晴らしてしんぜましょー」




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芳乃「アヤどのー、アヤどのー」


桐野アヤ「おっ、どうした...えっと、芳乃、だったか」


芳乃「はいー、依田は芳乃でしてー」




芳乃「実はー、アヤどのの趣味を活かしてー、用意してほしいいものがありましてー」

アヤ「アタイの趣味?っていうと......格闘技観戦か?...何を用意したらいいんだよ、チケットとか?」


芳乃「...しらばっくれなくても大丈夫でしてー」

アヤ「しらば...!?」


芳乃「ドール趣味のことでお手紙を出された塩ビとはー、アヤどののことでししてー?」

アヤ「はぁっ!?なんでバレてんだ......手紙の一人称もちゃんと”私”に書き直したのに...」

芳乃「おほほー、企業秘密でしてー」





アヤ「で、ソッチの趣味を活かしてってぇことは...アタイの悩み相談に乗ってくれたってことか?」

芳乃「しかりー、まずはこの図をご覧いただきたくー」

アヤ「図...?ふむふむ.........なんだコレ!?」



芳乃「あの文に記されていた通りだとすればー、そなたがこちらのものを用意して頂くにー、然程の労苦はないと思いましてー」

アヤ「あー、まぁ...出来なくはないかな、つかちょっと燃えてきたかも...」


芳乃「ではではー、是非存分に趣味で磨いた腕を振るっていただきたくー」

アヤ「わーったよ、やってやる、というかどう使われるのかワクワクしてきたぜ...」



アヤ「で、いつまでに作ればいい?」



芳乃「明日で」



アヤ「...は?」

芳乃「明日で」



アヤ「......マジか?」

芳乃「はい、間近でしてー」

アヤ「いやダジャレじゃねえよ!?」

芳乃「はれれー?」




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一旦中断

今日中に最終更新します

あと後半、画像が混じります。悪しからず

ここまでお読みいただきありがとうございました



翌日



忍「...おはようございます。しのしの相談箱、解決案朗読係、工藤忍だよ」


志乃「おはよう...しのしの相談箱、ワインドランカー係、柊志乃よ」


芳乃「おはようございましてー、しのしの相談箱、法螺貝係を自らに任じております、依田の芳乃でしてー」

忍「アタシ以外誰も働いてないよそれじゃ...」



志乃「それもそうね、でも実際この相談箱の企画では芳乃ちゃんが色々動き回ってるわけだけども」

芳乃「ふふー」

忍「...アタシたちは手紙読んでるだけだしね」



志乃「というかいつ手紙を集めているのかしら...」

芳乃「おほほー、これぞ、パッションの行動力でしてー」

忍「あぁ、そう...もうツッコミは無しの方向でいいよね」

芳乃「ふむーん......それはそれで切なきかなー」






忍「それで?今日は何するの?アタシたちも結局昨日の打ち合わせで散開しちゃったから知らないんだけど」


芳乃「本日はきらりどのの願いを叶えることにしましてー、それによって残りの願いも自ずから成就されるというものなのですー」

志乃「そう、まずはきらりちゃんの問題から当たるというわけね...で、件のきらりちゃんは?朝からお仕事かしら」


芳乃「いえいえー、既にこの場に来ていただきましてー」


忍「この場って...いつもの埃っぽい物置じみた会議室だけど...というかこんなところに人は呼ばないって前回言ってたような...」

芳乃「忍どのー、初見の方に伝わらない言及はお止しくださいー」

忍「初見ってなに...?やっぱり誰か見てるの?!」 

志乃「こっちから迎えに行く手間が省けるならそれでもいいわ、でも実際きらりちゃんの姿は見当たらないわよ?」



芳乃「はいー、それでは紹介させていただきましてー、こちら今回のお悩み相談者、諸星のきらりどのでしてー」



忍「へっ?なんでいつも使ってる動の箱を_」




パカッ



きらり(二頭身)「にょっわー☆」



テッテレー





忍「...ぉ?」


志乃「...飲みすぎたかしら、幻覚が...」



きらり?「にょわ?...にょわー☆!!」

芳乃「ぶおおおー♪ぶおおおー♪」

忍「ちょ、説明を放棄しないで!法螺貝でファンファーレ吹かないで!きらりちゃん?も机の上で跳ねないで!!」



志乃「芳乃ちゃん?...このきらりちゃんそっくりの格好をしたきらりちゃんそっくりの二頭身の女の子はどなたかしら」

芳乃「おほほー、志乃どのも冗談が得意でしてー、この世に生まれながらにして二頭身の人間がおるはずもないでしょうてー」



志乃「じゃあこれはぬいぐるみか何かかしら」

芳乃「いいえー、こちらは小さき姿へとー、刹那の変化を遂げたきらりどのその人でしてー」

忍「いや、それも充分おかしいからね!?」


きらり?「にょわわー...?」



_____

___

__


きらり(ぷち)「にょーわっしょー☆」

忍「もうアタシお腹痛くなってきた...」



志乃「とにかく...さっきからにょわにょわしか言ってないこの子は正真正銘きらりちゃんなのね」

きらり「にょ!」

芳乃「しかりー、手段については企業秘密ですのでー、つまりアンチエイジングとでも捉えて頂ければ良いのでしてー」

忍「あっそ...」



芳乃「納得いただけたようでー、ではでは、早速こちらのぷちなきらりどのを携え彼の地へ向かうとしましてー」

きらり「にょわにょわー!」

忍「携えちゃうんだ...」




志乃「具体的に行き先が決まっているのかしら」

芳乃「目指すは仮眠室でしてー」


きらり「にょにょわー!」


忍「それにしてもきらりちゃん、こんなに小さくなっちゃって...」

芳乃「きらりどのの個性が失せてしまいましてー」

忍「いやきらりちゃんの個性は他にもあるからね!?」

芳乃「取って付けた感じの?」

忍「依田ァ!!」


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※参考画像

こんなん
http://i.imgur.com/mXYb0zL.jpg






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仮眠室






双葉杏「ふあ~あ......あー、」

「朝から事務所に来て疲れた。杏は今日一日スリープモードでいよう...」



ガチャッ!

トタタタ...



「にょっわーー!☆!」




杏「わぷっ!?この重さは仁奈......」


きらり「にょわにょーわ、にょわりーん!」


杏「なん...だと...」


きらり「にょ...わ...?」



杏「なんできらりが杏よりちっさくなってんのさ...しかもどこかしら、某ショートアニメで見たようなデザインで...」



きらり「にょわーにょわ!」

杏「は?なに?『芳乃ちゃんが』?」



きらり「にょわにょわにょーわ」

杏「何々...『偶にはハグハグされたいから』」



きらり「にょわにょ...」

杏「『お手紙出してお悩み相談したら...』」



きらり「にょぉわー!」

杏「『ちっちゃくしてもらった』?芳乃ちゃんに?」




きらり「にょわ、にょわわ!」

杏「はぁ...『三時間で元に戻っちゃうけどにぃ!』 と......まぁ、芳乃ちゃんならそういうのも出来そうだけどねー


きらり「にょわにょわうー?」

杏「はぴはぴすう?って訊かれても...杏は今から寝るとこだよ」


きらり「!...にょわー!」

杏「のわっ!?のしかかって...軽っ」


きらり「にょわぁ...」

杏「分かった分かった、じゃあ今日だけね。いつものぬいぐるみはお休みしてもらうことにするよ」


きらり「はぐはぐー☆」

杏「はいはい、はぐはぐね...おやすみ...」




____

___

_




志乃「と、一部始終を盗み見させてもらったわけだけれど...杏ちゃんさすがの適応力ね」


芳乃「あるいは対応を怠けただけでしょうかー?」


美穂「朝から寝ちゃってるけど、お仕事大丈夫なのかなぁ...ふあぁ、私も眠い」


忍「いや、二人が言語の壁を越えてたことに誰かツッコミ入れてよ...え?...アタシがやるの?」




芳乃「こうして小さききらりどのはー、並外れて小柄な杏どのの腕にも収まりー、心安き眠りにつくのでしてー、つまりこれにて決着大団円なのですー」


忍「離れ業とか抜け道とかそういうチャチなものじゃなさすぎでしょ......」




芳乃「それはそれとして美穂どのー、きらりどのを見ていかがでしたかー?」

美穂「ふぇ?いかがって...きらりちゃんはちっちゃくても可愛いなぁって...」


芳乃「例え人の身からぬいぐるみに変わり果てようとー、何も恐れることはないでしょー?」

美穂「あっ...」


忍「...どういうこと?」

志乃「丁度向こうの二人も眠ったようだし、説明してもらえるかしら?」

芳乃「えー、悪夢というものには少なく見積もって三つ、その要因とも言えるべき事象がございましてー」



芳乃「一つは過度の心労でしてー、こちらは普段の生活のストレスですがー、聞くところによると心配はないようでー」

美穂「うん!私、毎日が楽しいですっ!」


芳乃「二つは潜在的な畏怖でしてー、本人も気づかぬ胸の奥に秘めた恐怖こそが悪夢の源泉となるのでしてー」

志乃「それは、美穂ちゃんの場合...ある朝起きたらぬいぐるみになっちゃうかもしれないとか、そういう妄想かしら?」

忍「なんだか突拍子もない想像だね...」

芳乃「大方ー、最近にでも人形にまつわる恐怖譚でも耳にしたのでしょうてー」



美穂「......人形...恐怖..?....あぁっ!」

忍「うわっ!?美穂さん、なにか思い当たったの?」


美穂「そういえば最近ロケから帰ってきた小梅ちゃんの映画鑑賞に付き合ったんだけど、その時の映画が...」

志乃「人形絡みのホラーだったわけね...」




忍「なーるほど、怖い映画を観たから怖い夢を見たってわけね。美穂ちゃんなら不自然じゃないかな」


芳乃「つまりー、たとえ悪夢の内容が現実のものとなろうともー、実際のところ大したことはないとー、分かっていただきたかったのですー」

美穂「そっか...そうだね。あの二人も幸せそうに寝てるみたいだし...」

忍「だからってまさかそれで人間一人ぬいぐるみサイズにできるとは思わなかったよ」

芳乃「きらりどのがー、人間一人分のサイズ...?」

忍「ひどっ!きらりちゃんは一人だよ!そして唯一無二だよ!」

芳乃「無論、冗句でしてー。さてさてこうして原因もはっきりしー、その原因も取り除けたようでしてー」



志乃「ま、原因の究明と解決の順序が逆にも思えたけど...一件落着ね。ねぇ美穂ちゃん?」

美穂「はいっ!もうぬいぐるみも怖くありません!」

芳乃「まこと善き事でしてー、人形は魂が宿ると言われておりますゆえー、つまり大事にして頂けるならそれが重畳であるとー」

忍「プロデューサーくん、だっけ?いつも大事にしてたもんね」

美穂「......うん!」



志乃「ふぅ...今日も芳乃ちゃんの手腕で見事、難題解決ね...達成感でワインが美味しく飲めそうよ」

忍「あっ、志乃さん今日は正午から仕事らしいから飲むのは控えてね」

志乃「いけず...」




__終了__


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忍「あの後、美穂ちゃんは最初に会った時より晴れ晴れした表情で仕事に向かったよ」

「多分今夜からはまた、あのぬいぐるみと一緒に気持ちよく眠るんじゃないかな」


志乃「きらりちゃんは元のサイズに戻ったあと、いつもの服に着替えて杏ちゃんをおんぶしながらレッスンに行ったわ。」

「彼女曰く『いつもより100倍はぴはぴしてるにぃ!』だそうよ...」


芳乃「志乃どののモノ真似はー、ちくとも似てないのでしてー」

志乃「......」

忍「芳乃ちゃんのその地雷を小刻みに踏み抜いていくスタイルは一体なんなの...?」


芳乃「おほほー、そして謎の人物【塩ビ】どのはードールのものより幾分か大きいとは言えー、」

「持てる裁縫の技術を震えたことには大変満足したようでしてー」



忍「結局アタシたちは知らないままだったね」


芳乃「謎の人物曰くー、『結構ムチャ言ったつもりだったんだけど聞いてくれるたぁ驚いた、他の奴にもアタイからありがとって伝えといてくれ!』とのことでしてー」


志乃「...アヤちゃんの声そっくりね」

忍「謎の人物の正体がたった今バレたよ!?」


志乃「というか芳乃ちゃん...声マネも出来たのね。随分とまぁ、多芸なこと...」

芳乃「おほほー」


芳乃「それでは今回はここまででしてー」


志乃「あら、そうなの?じゃあパッパと締めてしまいましょうか」


忍「なんだかんだでもう三回目かぁ......今回はそれほどお腹痛くならなかったよ...」


芳乃「ふむーん、いずれは胃の悩みも解決して見せましてー」

忍「いや、いい」

志乃「えらくきっぱり言い切るわね...」

芳乃「然様ですかー」



芳乃「それではー、雨雲過ぎて晴れ間差すー、雨過天晴のー」

志乃「しのしの」

忍「相談箱でした~」


____

__

_


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


__深夜、美穂がきらりんルームにいた同時刻、女子寮にて__




芳乃「......ほほー、ここが美穂どののお部屋のようでしてー」



芳乃「して、わたくしが探すべきものは...と」







芳乃「はいはい、ありましてー......おやおや」



芳乃「今は寝具としては些か倦厭されている、というのはどうやら事実のようでしてー」



芳乃「無造作に床に放られているではありませんかー」



プロデューサーくん「   」



芳乃「ふむふむ...これが件のぬいぐるみ、でしょうねー...美穂どのの痕跡が他よりやや強く漂ってくるのでしてー」


プロデューサーくん「   」


芳乃「......」


芳乃「悪夢の要因には三つの種類があるのでしてー」


芳乃「一つは過度の心労ー、二つは潜在的な畏怖ー」




芳乃「そして三つは外界からの干渉、でしてー」



プロデューサーくん「............」




芳乃「無論ー、それは”あちらから”か”こちらから”かを問わないのでしてー」



プロデューサーくん「.........オ....」


芳乃「つまりー、正しくこの世のものならざる者の仕業ということですー」




プロデューサーくん「........オ....オオ...!」



芳乃「幸いにしてー、尋常ならざる害が美穂どのに及ぶ前にー、相談箱を通じわたくしの目にとまったのでしてー」




芳乃「小梅どのがロケより事務所に戻った時にー、いくらか散らしておくよう、告げておいたのですがー」




プロデューサーくん「......オオオオ...オオオ!!」




芳乃「よもやー、こうして人形に取り憑くことでー、わたくしと小梅どのの目を欺こうとはー」







プロデューサーくん「オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」


   芳乃「小賢しい」



_______

____

__



芳乃「ふぅー、除霊完了でしてー、つまりー、明日からの美穂どのの安眠は保証されたも同然でしてー」


芳乃「このあとは夜を徹しての作業にー、かかりつけであろうアヤどのへと差し入れでもするのでしてー」



芳乃「.........」



芳乃「...それにしても今宵はー、いい月でしてー」








アヤどのー、アヤどのー、進捗のほどはどうでしてー?



のわぁっ!?って芳乃か...脅かすなよ



てへー、でしてー、して、それが件の小さき衣装でしてー?



あぁ、これでも上手いこと出来かけてるよ。やっぱみんなにバレないようにするには夜更かしするしかねぇからな



ふむーん、そんなアヤどのに差し入れの品でしてー



おっ、ありがてぇ、丁度腹減ってたんだ。で、なにくれんだ?




ぴにゃこら太饅頭でしてー



......食欲失せるツラしてんなぁコレ



以上、終了


岸部さんとか仙崎さんとか井村さんとか

できればあんまりSSに出てこなさそうな子を出したいんだけどなぁ

ここまでお読みいただきありがとうございました

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