後輩「大好きです、先輩」(6)
[屋上]
後輩「いい天気ですねー」
男「だな」
後輩「あ、先輩お腹空いてますよね。はい、今日のお弁当です」
男「いつも悪いな」
後輩「良いんですよ。大好きな先輩のためですから。でも、一つだけ……」
男「ん?」
後輩「ありがとうって、言ってほしいです」
男「ああ、いつもありがとう」
後輩「えへへっ」
後輩「はい、先輩。あーん」
男「いや、それはさすがに……」
後輩「……」ジー
男「あ、あーん」パク
後輩「どうですか?」
男「旨いよ」
後輩「良かったです」
友「おィ男ォ……」
男「おわぁ!?」
友「俺にも女紹介しろォ……」
後輩「~♪」ポイ
友「うわああぁぁぁぁ」
男「……ここ三階立ての屋上なんだが」
後輩「大丈夫ですよ、下は木ですし。それに友さんは殺しても死ななそうですから」
男「たまにお前恐いことするよな……」
後輩「そうですかね?」
<女ァァァ……
男「おっ、生きてた」
後輩「でしょう?」フフン
男「いや、ドヤ顔されても困る」
後輩「それはともかく、お昼の続きです。はいあーん」
男「え、まだするのか?」
後輩「当たり前ですよ。ほら、まだこんなに残ってます」
男「嘘だろ……全部これで食べるのか……」
後輩「何をぶつぶつ言ってるんですか?」
男「いや、何でもない」
男(俺も男だ。この羞恥プレイを気合いで乗りきってみせる)
ーーーーーー
男(よし、食べきった……)
男「ご馳走様でした」
後輩「お粗末様でしたー」
後輩「さあ、お待ちかねの時間です!」
男「あれ、何だっけ」
後輩「忘れたんですか? ギューですよギュー」
男「ギューって……ハグか?」
後輩「はい」
男「そ、そんなことしてたっけ?」
後輩「してましたよー!」フンス
男「そ、そうか。わかった、来い」
後輩「♪」ピョン
男「ごふっ」
後輩「ん~、先輩の匂いでいっぱい……って、あれ?」
男「ど、どうした?」
後輩「何か、先輩以外の臭いがします。それも……女!?」フンフン
男「ああ、あの時かな」
後輩「どの時ですか! 浮気じゃないですよね!?」
男「いやいや違う、さっきここに来る時の曲がり角でぶつかったんだよ」
後輩「……本当ですか?」
男「本当だよ。俺の目を見ろ、嘘吐いてるように見えるか?」
後輩「……」ジー
後輩「見えませんね」
男「だろ?」
後輩「なーんだ、邪推でしたか。疑ってすみませんでした」
男「いやいいんだ。俺もお前から男の臭いがしたら嫌だからな」
後輩「私はそんなことになりません! ぶつかりかけてもかわして手刀打ちますから」
男「そこまでしなくてもいい」
後輩「そうですか」
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