幼馴染「クリスマスの夜に」(132)

小学生時代 駄菓子屋
男「僕、カップアイスとクジ一回!」

幼 「私もカップアイスとクジー!」

おばさん「あいよー」

男「そこのイスで食べよう、幼ちゃん」

幼「うんっ!!」

幼「冬に食べるアイスって美味しいよねー、男ちゃん」パクッ

男「うんうん、なかなかオツな味だよね」パクッ

幼「ふふっ、男ちゃんたら大人みたいな言い方しちゃって」

男「あはは」

男「幼ちゃん、クジ開けてみよう」

幼「うん」

男「いっしよに開けようね」

男「いっせーの」

幼「せっ!」

男・幼「…」カサッ

男「…あっ」

幼「…男ちゃんも」

男「…もうじきクリスマスだし、サンタさんからのプレゼントかも」

幼「ねっ」ニコッ

幼「……」

幼「…私いいこと、思いついちゃった」

幼「…だから…クリスマスの夜に…あとでね…」ゴニョゴニョ

男「」ウンウン

男「わかったよー!」

男「ふふっ、きっとすてきな思い出になるね」

幼「ぜったい、ぜったい、忘れないでね」

男「ぜったい忘れないよ。僕、幼ちゃん大好きだから」

幼「私も大好きー!男ちゃん!!」

男「ずっとふたりでいようね」ニコッ

幼「これをすればもうずっといっしよにいられるよ」ニコッ

男「約束だね」

幼「約束だよ」

幼「ぜったいに忘れないで。クリスマスの夜だよ」ニコッ

……

男 (…クリスマスの夜に)

男(僕は何を誓ったんだろう…?)

……

………

ナデナデ

男(…頭が気持ちいい)

男(優しく誰かになでられているみたいな…)

男「?」

?「…起きて、男ちゃん」

男「!」ハッ

……

幼「おはよう、男ちゃん」ニコッ

男「…おはよう、幼ちゃん」

男「」ボーッ

幼「あいかわらずお寝坊さんだね、男ちゃん」クスッ

幼「早く支度しないと遅刻しちゃうよ」ニコッ

幼「朝ご飯できてるから、降りてきてね」

幼「妹ちゃん、待ってるよ」

男「…ごめん、すぐ着替えるから」

幼「えへへ、じゃあ待ってるね」

バタン

男(…寝顔見られたのか)

男(くーっ!いつも起こしてもらってるとはいえ、恥ずかしいな…)

男「…朝起きて最初にみる顔が、あんなにきれいでかわいい…」ボソッ

男「…だから、余計恥ずかしいんだよ!!」バシバシ(壁を叩いて)

男「…着替えよ」

……

幼「…男ちゃんの寝顔、かわいかったな」

幼「ずっと見てたいな…」

幼「わたし、へんたいさんじゃないもん!!」カアッ

幼「…朝ご飯食べよ」

男「待たせてごめんね、幼ちゃん、妹」

妹「遅いです、にーさん。幼ちゃんにあんまり迷惑かけてはいけないですよ」

妹「お寝坊が過ぎるのです」

妹「私はもうお腹がぐーなのです、にーさん」

男「ごめんね」

幼「わたしは気にしてないよ」ニコ

男「」グーッ

男「……」

妹「にーさんも、ぐーですね」クスッ

幼「ふふ、早く食べよう。みんなお腹すいてるみたいだし」

男・幼・妹「いただきます!!」

幼「今日はね、洋食なの」

妹「…オムレツ、おいしすぎなのです」パクパク

男「トーストについてるジャム、おいしいな」パクパク

幼「マーマレードだよ、手作りしたの。…どうかな?」

男「文句なくうまいね」ニコッ

幼「…よかった。男ちゃんがおいしく食べてくれるのが、一番うれしいな」ニコッ

男「…幼ちゃんが作ってくれたもので、おいしくないものなんてひとつもないよ」ニコッ

男「とっても料理上手だし、一生懸命作ってくれるし、それに味がね、すごく僕の好みなんだ…やさしくて」

男「まるで幼ちゃんみたいな…」

男「…って僕はなに言ってんだ!?…今のはなし、なんでもない!!」カアッ

幼「…わたしみたいな…そんな、恥ずかしいよぉ」カアッ

幼「…えへへ」

男・幼「……」カアッ

妹「…コーンスープもおいしいです…って、この甘ったるい空気、毎度ながらどうにかなりませんかね…」

男・妹「ごちそうさまでした」

幼「お粗末さまでした」ニコッ

妹「幼ちゃん料理、上手くなりましたね。昔、味見にたくさん付き合ったかいがありました」

幼「ほんとありがとね、妹ちゃん」

男「僕もおいしかったよ。後片付けは僕がしておくから先に出てて、ふたりとも」

幼「わたしも手伝うよ」

男「いつもお世話になってるんだから、いいよ」

男「幼ちゃん、家事もしてくれてるし」

幼「…そんなこと、みんな家族が忙しいんだから助け合わなきゃ」

男「…じゃあ、僕も幼ちゃんに何かしたいな。たいしたことはできないけど」

男「何かできることがあったら言ってね。…なんでもするよ」ニコッ

幼「…男ちゃんにそんなこと言われたら、気持ちだけでいっぱいいっぱいだよ…」カアッ

男「」ニコッ

幼「」カアッ

妹「…またこの空気ですか…私もいるんですが」

妹「…ほったらかしは寂しいですよ?」

通学路

幼「期末テスト大変だったね。いっしよに勉強できてよかったよ。…いい点取れてるかな」

男「大丈夫だよ、きっと。頑張ったし」

男「でも、教えあうのっていいよね。誰かと考えたほうがよくわかるからね」

妹「ふたりとも忙しいのに、勉強みてもらってすみません」

妹「中二の問題なんて、高一には関係ないのに」

幼「気にしないでー」

男「いいって」

妹「私、ふたりと同じ高校行きたいです」

男「嬉しいこと言ってくれるね」

幼「ねっ。えへへ、応援してるね」

妹「はい、頑張ります」ニコッ

友「男ー!幼ちゃーん!」

幼「友くん、女ちゃん」

女「おは!あいかわらずのラブラブっぷりね」クスッ

友「さすがは生まれたときからのお隣さん、もう夫婦だな!!」

幼「もうっ!!からかわないでよ!!…らぶらぶとかふうふなんて…ソンナフウニミエルノカナ…」ゴニョゴニョ

男「ああ、ふたりとも朝から元気だね」ニコッ

友「テストが終わったんだぞ!!テンション上げなくてどうすんだ!!」

女「完全に同意だけど。…友の場合テスト返しまでよね、浮かれていられるの…」

友「うるせー!!やなこと思い出させんな!!」

友「冬休みのことで頭いっぱいにしたいんだよ!!」

友「…そのとおりだけどさ」

女「…認めるのね」

男「…相変わらずは、君らもだよな」

幼「えへへっ」

妹「ふふふっ」

友「…年末だし、もうすぐクリスマスだな」

女「そうね」

友「プレゼントもらえるのはいいが、リア充が浮かれてむかつくわー」

友「クリスマスに恨みはない。…だがリア充、お前らはダメだ。滅べ!爆発しろっ!!」

女「…別にいいじゃないの、どんだけリア充うらんでんのよ」

妹「…気持ちはよくわかります、なぜか…」

幼「…クリスマスかぁ」

男「…うん?幼ちゃん?」

妹「にーさん、幼ちゃん、クリスマスはやっぱり?」

幼「うん、もちろん!!」

幼「今年もクリスマスイブにパーティーするよ!!」

幼「イブならお父さんとお母さんいるから…男くんのご両親もいるんだよね?」

男「うん、休みだってさ。よかったよ」

妹「去年はにーさんたち受験でしたし、どっちの両親もいないから…」

男「うん、三人で出来合いのケーキやチキン食べただけだったね」

幼「だから今回楽しみなんだ。張り切って料理つくるから、楽しみにしててね」

男「おうっ!」

妹「はい!」

もう年末だし
まったり幼馴染ss
読みたい

幼「場所はわたしの家ね~」

幼「女ちゃんと友くんも来る?」

男「人数多いほうが楽しいもんね、どうかな?」

女「いいの?行きたいけど」

友「ホントに?じゃあ、行かせてもらおうかな」

幼「歓迎するよー」ニコッ

男「待ってるね」ニコッ

妹「今年はにぎやかになりそうですね」ニコッ

女「男くん、幼ちゃん、妹ちゃんよろしくねっ♪」

友「よろしく」

……

妹「…じゃあ私、中学行きますね」
男「ああ、気をつけてな」

幼「またあとでね」ニコッ

女「いってらっしゃい」ニコッ

友「おう、がんばれ」

妹「行ってきます」ニコッ

幼「……」
幼「…ねぇ、男ちゃん」

男「なに?」ニコ

幼「…やくそく…」ボソッ

男「うん?」
幼「…なんでもないよ」ニコッ

男「……」

幼「…覚えててくれてるかな」ボソッ

男(…幼ちゃんが気にしてるの、クリスマスの約束のことだよね)

男(思い出さなきゃ…きっとすごく大切なことだ)

高校

男「…というわけなんだ」

友「小さいころのクリスマスの約束ねえ…」

女「直に聞いてみれば?幼なら答えてくれるかも」

女「…なんだったら私聞こうか?さりげなくね」

男「…忘れてるのは僕が悪いからね…なんとか、思い出したいんだ」

友「…昔、遊んでたところ回ってみるとか。懐かしくて思い出せたりしてな」ニコッ

男「…そうだね、やってみよう」

昼休み

幼「男ちゃん、お弁当食べよう」

男「うん、今日も用意してくれてありがとう」

男「おいしそうだね」ニコッ

幼「おんなじクラスでよかったねぇ」

幼「自然にご飯、いっしょに食べられるから」

幼「食べてる人の反応見られると、作りがいがあるんだぁ」

男「いっしょにおしゃべりしながら食べてるだけでも、楽しいけどね」

幼「それはもちろんだよ~」ニコッ

幼「男ちゃんといるだけで楽しいもん♪」

男「ふふ」

友「…あっちで食おうか、今日はいつもよりいっそう、いいムードだな…」

女「邪魔しちゃ悪いもんね…」

男「……」

幼「…?」

幼「…クリスマス…今年は…」

幼「…クリスマスパーティー楽しみだね、男ちゃん」ニコ

男「そうだね」ニコ

男(いつも助けてもらってるのに、大事なこと忘れてごめんね、幼ちゃん)

男(僕にも何かして上げられることがあればな…)

男「…ねえ、イブじゃないクリスマス当日は空いてるかな?」

幼「空いてるよ。…ていうか、特に用事がなかったらいっしょにいるよね」

幼「…どうかしたの?」

男「…いや、いっしょに遊ぼうかなって」

幼「いいよ、わかった」ニコッ

男「うん、ありがとう。お弁当おいしいや」

幼「えへへっ、ありがと」

男(…これでよし、あとは準備を整えてと)

男(…もし思い出せても、忘れてしまったことはあやまらなきゃね)

男(…ごめんね、幼ちゃん)

あんまりいちゃラブしてなくてゴメン
おやすみなさい

帰り道

男「…今日は少し違うルートで帰ろうかな…いい?」

幼「いいよ」

……

幼「…幼稚園のときの通学路だね…懐かしいな」

男「来てみたくなっちゃってね。うん、ふたりで手をつないでここをあるいた…」

幼「わたし年中さんのころ、ここでころんで泣いちゃったんだよね」

幼「男くんわたしの頭、泣き止むまで優しくなでてくれたよね。あのころから優しいんだから」ニコッ

男「幼ちゃんだって優しいよ…年長組のとき僕が迷子になったときに、探しに来てくれたよね」

幼「結局ふたりで迷子になっちゃったけどね」クスッ

男「…でも嬉しかったよ、隣町で心細かったからね」

幼「今なら歩いて行ける距離なのにね」ニコ

男「子供のころって今と感じ方全然違ったよね」

幼「ふふ。でも毎日がキラキラしてたよね、新鮮で」

男「新しい発見でいっぱいだもんね」

幼「…わたしは今でもステキな発見でいっぱいだけど」ボソッ

……

男「…でこっちが小学校のころの通学路だな」

幼「そこの空き地でよく遊んだよね…」

男「そうだね、妹と三人でいっぱいさ」

幼「…うん、思い出がいっぱいなの…大事な…」ニコ

幼「そこで遊んだあとはね…」

男「あの駄菓子屋さんでお菓子食べるんだよね」

幼「…クジ、よくひいたよね」

男「時々、結構いいのが当たるんだよな…プラモとか」

幼「うん…ホントにいいのがね…」

男(…空き地、駄菓子屋、くじ…)

男(…夢で見たことがある)

男(何か引っかかる。もう少しで思い出せるかな…)

男「……」

幼「……」

幼「……」ギュッ

男「幼ちゃん?」

幼「手つないで帰ろ?…なんか懐かしくなっちゃった」ニコ

男「…よくつないでるけどね」ギュッ

幼「いいの、えへへー」

男「……」

男「」ナデナデ

幼「男ちゃん?」

男「懐かしくなったからね…だめかな?」ニコ ナデナデ

幼「…だめじゃない、だめなわけない…」カアッ

男「時々なでてるけどさ、今日はなんか違うね」クスッ

幼「…ううぅ」カアアッ

男宅

男「…といったわけで、幼ちゃんにクリスマス当日にサプライズがしたいんだ」

男「いつもお世話になってるから、恩返しをね。協力してほしいな」

妹「わかりました」

妹「…しかし幼ちゃんもにーさんも、なぜ私に同じようなこと頼むんでしょう」

男「みんな、妹を頼りにしているんだよ」

妹「…まあ、幼ちゃんにはいつもお世話になってますし、協力しますね」

男「ありがとう、慣れないから色々教えてくれ」

妹「はい」

妹「…サプライズは別にして、ちゃんと約束思い出さなきゃだめですよ」

男「…うん」

夕飯時

男「今日は僕が夕飯を作ってみたんだ」

男「いつも作ってもらってるからたまには、ね」

幼「すごいねー。ありがと、男ちゃん」

男「さあ、食べてみてくれよ」ニコッ

幼「いただきまーす♪」パクッ

幼「……」

幼「…うん、おいしい…よ」

妹「…この肉じゃが、芋が焦げてるのに中かたいです」モグモグ

妹「…味噌汁、味薄すぎです」

妹「ご飯、べちゃべちゃしてます。水減らして炊きましょう」

妹「全体的にあとちょっとですね」

男「…率直な意見ありがとう、妹」

男「反省しなきゃな」

男「うーん…」

幼「…わたしは好きだよ。嫌いじゃないもん」

幼「男ちゃんがいっしょうけんめい、作ってくれたんだよ」

幼「…それだけでうれしいよ」

男「ありがとう、幼ちゃん」

男「でもさ、きちんとしたご飯作りたいから素直な感想がほしいんだ」

男「正直な感想聞かせて」

幼「…おいしいよ」

男「そうか…」

男(本当においしいものが作れるように頑張らなきゃ)

男(…幼ちゃんに心から喜んでもらいたいから)

男「そうだ」

男「明日からお弁当自分で作るよ」

男「上手に作れるようになったら、幼ちゃんにも作るね」

幼「……」

幼「…うん、楽しみにしてる…ね」

妹「……」

妹「…にーさん、ハリキリすぎはいけませんよ」ボソッ



幼「おはよう、今日も起こしに来たよ…」

男「おはよう」

幼「今日は早いんだぁ…」

男「まあね、毎日面倒みてもらっちゃ悪いし」

男「ああそう、朝食つくったよ」

妹「簡単なものだし、大丈夫ですよ…私が保証します」

男「…ヒドい言われようだ」クスッ

男「さっ、朝ご飯どうぞ」

幼「…うん、いただきます」

幼「…どうしたんだろ、男ちゃん」ボソッ
男(世話になりっぱなしはよくないしね。少しずつ恩返しを…)

幼(…寝顔見たかったな)

教室

男「…友、相談があるんだけど」

友「なんだ?」

男・友「……」ボソボソ

幼「…なに話してるのかな…?」

女「…さあっ?」

女「それより、洋服屋さん行かない?いいとこ知ってるのよ。一人で行くより楽しいし…」

幼「うん…」

幼「……」

ではおやすみなさい
見てるひと、ありがとうございます

昼休み

男「お昼を自分で作るのも悪くないね」ニコッ

幼「…うん」

男「…確かにおいしくないな、はは…」パクッ

帰宅時

幼「男ちゃん、帰ろー」ニコ

男「うんっ」

……

幼「男ちゃん、いっしょに今日遊べるかな」

男「ごめんね、今日用事があるから」

幼「なんの用事?」

男「友とちょっとね」
男「…後で埋め合わせするからね」

幼「…うん、気にしないで」ニコッ
幼「用事頑張ってね」

男「うん」
男「…面接、初めてなんだよな」ボソッ

……

数日後 昼休み

男「」グッタリ

友「男ー、大丈夫かぁ」

男「まあね…慣れないことするのは大変だ」

友「お前真面目だしな。あんまり肩肘張るなよ」

男「友はすごいね」ニコ

友「お前もよくやってるよ」

友「飯ありがとな、イタリアン好きだから嬉しいわー」

男「…不出来なモノ食べさせて申し訳ないな」

友「ケーキはうまかったぞ」

男「普通の料理より、スイーツがうまくできるとは」クスッ

友「…男らしいな、甘党だし」ニコッ

男「」グッタリ

男「…眠い」ファーア

幼「……」

幼「…最近男ちゃん、すごい疲れてる」

幼「前よりいっしょに居られないし…心配だよぉ」

女「登下校いっしょだしいいじゃない」

幼「うん、でも放課後から夜まで、外でなにかしてるみたいなの」

幼「帰ってきたあとも夜遅くまで起きてるみたいだし…」

幼「…忙しいみたいだけど、ムリしないでほしいな」

女「…愛されてるのねぇ、男君」

幼「…あ、あいっ!?」カアッ

女「今さら照れないの」ニコ

こんなssだけど大丈夫かな

女「まったくウブなんだから」ニコ

女「心配しなくても、男君しっかりしてるところあるし平気でしょ」

幼「…うん、でもわたしの個人的なワガママなんだけど…少しさびしいなって」

幼「会える時間がへってることもだけど」

幼「男ちゃんにご飯作ってあげたり、お世話するのわたしすごく楽しいから…」

幼「朝と夜、男ちゃんが作ってくれるのもうれしいんだけど…」

幼「…なんだろ」

女「…嫁かよ」

幼「…お嫁さん」カアッ
女「…それはもういいから」ハァーッ

幼「…お弁当食べよ」モグモグ

女「あんた、イタリアンすきよね」

幼「うん、スパゲティとかピザとか大好き」

女「お弁当そのままね」

幼「冷めてもおいしいようにとか、お弁当むきにアレンジしてるんだ」

幼「ひとつひとつを小さめにして種類ををたくさん詰めるの…バランスがね」

女「…料理、ホント凝るんだから」

幼「…和食は肉じゃがが好きなの…それはね…」

女「…もう料理好きなのはわかったわ」

女「家事も好きだし、芯までお嫁さんなのね…」

女「男くんは幸せ者ね…幼もだけど」

夜 男宅

男「…ただいま」

妹「お帰りなさい」

妹「にーさん、ホントに疲れきってますね…時間遅いですもん」

妹「色々頑張るのは結構ですが、幼ちゃん心配してますよ」

男「…あと少しでたまりそうなんだ。あと、あっちが完成するのも近い」

男「もうひとふんばりなんだ」

妹「…私が何度も満腹になったかいがありますね」

妹「…でも幼ちゃん、会う時間が減ってすごくさびしがってます。フォローを忘れないでくださいね」

男「うん、わかってる」

男「…さて、練習を始めようかな…いつもみたいにダメ出し頼むよ」

妹「好きでダメ出ししてるわけじゃありません。にーさんがダメすぎるんです」

妹「…でも最近良くなってきてます。幼ちゃんも喜んでくれるかも」

男「じゃあ、頑張らなきゃな」ニコ

妹「その意気です」ニコッ

妹「…終わったら、すぐ寝るんですよ。にーさん、ふらふらしてます」

男「わかってる…付き合わせてごめんな」

妹「まったくです。できる妹に感謝、ですよ」

男「あはは…ありがとう」

幼の部屋

幼「おうちでひとりはさみしいなー」

幼「わたしの家も男ちゃんちも両親出張多いから」

幼「…最近、男ちゃんち居るの気まずいな。なにかこっそりしてるし」

幼「家事とかご飯の支度、男ちゃんが終わらしちゃうし。やることないのも寂しいな」

幼「ちょっと前までずっといっしょだったのに…」

幼「いつもいっしょにいたいなー、なんて」

幼「…もう遅いのに男ちゃんちまだ起きてる」

幼「帰って来たのも遅いのに…」

幼「……」

幼「…よくわかんないけど、頑張ってー男ちゃん!」

幼「わたしは味方だよー!なんて」ニコッ

とりあえずここまで 見てるかたありがとうございます

甘ったるいの書きたくてね
どろどろしてるほうが好みかな?

また数日後  教室

男「ふーっ」ノビー

友「よう男!ちゃんと貯まったかぁ?」

男「ああ、プレゼントも用意もできたよ」ニコッ

女「幼、きっと喜ぶわね」

男「…ホント、ふたりには世話になったよ…ありがとう」

友「気にすんな、ガンバレよー!応援してるからよ」

女「うまくやりなさいよ」ニコッ

男「うん!」

……

友「…男たち、うまくいくといいな」

女「そうね、今時珍しいウブなふたりだしね」

女「そうじゃなきゃ、体重計気にして色々協力した甲斐ないし」

友「ははっ…ところでさ、イブじゃないほうって空いてる?」

友「ヒマなんだよ。あいつら見てたら、うらやましくなってさ。一人じゃつまんないしさ」

女「…そうね、空いてないこともないわね。タイクツするより友といたほうがましかしら」

友「…素直じゃないな」ニコッ

女「お互い様よ」ニコッ

……

幼「…久々だね、いっしょに帰るの」ニコッ

男「…そうかな、二週間くらいだよ」

幼「二週間は長いよ、まあいいけどね…」

男「…僕にも長かったんだけどね」ボソッ

男「」フラッ

幼「…男ちゃん?」

男「…ちょっとつまづいたよ、あはは」

男(…シフトでむちゃしたからな。時間がないとはいえ…体力ないな、僕)

幼「気をつけなきゃだめだよ…なんか顔色悪いし」

幼「ちゃんと休まないとだめだよ。男ちゃんがんばり屋だけどやりすぎはよくないよ」

幼「…最近忙しいみたいだから、ね」

男「…ありがとね。でも、ほんと大丈夫だから」ニコ

幼「…ならいいんだけど」

男(…幼ちゃんには勝てないや。何かしてることはやっぱりばれてるかぁ)

男「…じゃあ、ゆっくり帰ろうか」

男「…少しだけ寄りたいところがあるんだけど、いいかな?」

幼「…男ちゃんがいいなら。体調、平気?」

男「うん、大丈夫」

幼「…そう、でもできるだけ早く帰ろうね」

……

幼「わー、なつかしい…ちいさいころよく来てた駄菓子屋さんだぁ」

男「こないだ見たときから来てみたくてね…なにか食べて帰ろうよ」

幼「うん!」

……

幼「おっきいコーラアメおいしい~」

男「サイコロキャラメルもおいしいよ」

幼「ほら男ちゃん、チョコバット、きゃべつ太郎、サラダポテト♪」

男「…うんうん、おいしいよね。ボンタンアメ、きびだんご…ずいぶん買っちゃったね」

幼「分け合って食べよ」ニコッ

男「うん」ニコッ

少年「くじ引こうよ」

少女「うん、いっしょに引こうねぇ」

少年・少女「……」

少年「当たったー、船のプラモデルー!」

少女「いいなー」

少年「がっかりしないでー少女ちゃん、いっしょに作ろうよ!」

少女「…いいのー?」

少年「うん、ふたりのほうが楽しいよ!!」

少女「ありがと、少年くん!」ニコッ

少年「帰ってお菓子食べながら作ろ!!」ニコッ

少女「うん!!」(手をつなぐふたり)


男「……」

幼「……」

クリスマスなのに年を越してすみません よいお年を

幼「…あの子たち」

男「…うん?」

幼「わたし達の小さいころに似てる…」

男「ああ、そう、確かにね。仲良そうな子たちだったね」

幼「ふふっ…なんか懐かしいな」

男「僕もだよ」

幼「あんな感じで遊んでたね、私たち」

男「そうそう、放課後いつもいっしょで」

幼「ふたりのお家のどちらかで過ごして」

男「お菓子とかはんぶんこにして食べてさ」

幼「ここのお店買ったのとかね…あんな風にくじなんかもひいて…」

男「なんかセンチメンタルな気分になったな…」

幼「…物悲しくなっちゃった」

男「やってることは今といっしょなのに…」

幼「ね…今もいっしょにいるのに…」

男「…子どものときと何も変わってないな…僕ら」クスッ

男「…ガキんちょなわけだね、僕は。…あっ、幼ちゃんは違うよ。僕よりしっかりしてる」

幼「……」

幼「そうかな…?」

男「…幼ちゃん?」

幼「わたしは変わってきてるかもしれないよ?」

幼「何も全部そのままなわけないもん」

幼「…男ちゃんは本当に変わってないの、まったく?」

男「……」

男「…僕は…」

幼「……」

少年「あーっ、告白だぁ!」

少女「告白だね~」ニコ

男「」ビクッ

幼「」カアッ

少女「らぶらぶなムードになったら告白するんだよね。わたし知ってるよっ!」

少年「僕も知ってる~!」ニコ

少女「とってもいい感じだもん。お兄さんとお姉さん。間違いないよ」

少年「もしかしたら、もう付き合ってて、プロポーズかもしれないよ」

少女「じゃあ、結婚しちゃうの?すごいね~!」

男「…プロポーズ」

幼「…結婚」

男「……」カアアッ

幼「……」カアアッ

幼「…そんな…まだはやいよぉ」ボソッ

男「…まあ、そんな感じかな」

幼「…男ちゃん!?」

男「まあいいじゃん」ニコッ

少女「美人で可愛い彼女さんだねぇ。お兄さん幸せ者~」

男「でしょ」

少年「少女ちゃんも可愛いよ。僕大好き」ニコッ

少女「わたしも少年くんだいすき」ニコッ

男「…仲良しさんだね」

少年・少女「うん!!」

少年「僕、少女ちゃんとずっといっしょにいるんだ」

少女「わたしも少年くんといるよ。少年くんのお嫁さんになるんだもん」

男「そっか、ふたりとも幸せだねぇ」

男「…結婚の約束ね」ボソッ

少女「うん♪」

少年「そうだよ。お兄さんも幸せだよね。彼女さんと仲良しだもんね」

男「…うん、そうなんだ。とっても仲良しなんだよ」ニコッ

男「…だから、頑張らなきゃ」

少女「なにを~?」

男「幸せになるために頑張るってこと。少年くんと少女ちゃんも頑張るんだよ」

詰まっちゃってすみません
見ているかたありがとうございます

少年・少女「うん!!」
男「ふふ」

幼「……」ニコッ

男「……」

男「…それは?」ニコ

少女「指輪だよ、少年くんにもらったの」ニコッ

少年「結婚指輪だよっ!!そこの駄菓子屋さんのくじで当てたんだよ!!」

少年「僕もはめてるよ。ぺありんぐなんだ」

少女「これでずっといっしょにいられるんだよ。好き同士ならぺありんぐするって、お母さん言ってたもん」

少年「ねー!だからしてるんだよ!」

男「…そっかぁ」

幼「……」

男「ふふ」

幼「……」
幼「少年くんと少女ちゃん、ステキな約束してるんだね」

少年「うん、絶対いっしょにいるんだ」
少女「ねー」

幼「うんうん」ニコッ

幼「…約束、信じてればずっといっしょにいられるからね…」
幼「…指輪大切にしてね」

少年「もちろんだよ」

少女「…お姉さんも約束したの?お兄さんと」
少年「そうなの?」

幼「そうだよ、だからふたりでいられるの」ニコッ

幼「ふたりとおんなじ約束」
幼「…だからふたりも大丈夫」
幼「わたしたちみたいにね」ニコッ

少年「すごいね~」
少女「すてきだね~」

幼「ふふふ」

男「……」

……

幼「わたしは幼、そっちが男くんだよ」

幼「よくここのお店にいるから、また会おうね」ニコッ

男「またね」ニコッ

少女「男お兄さん、幼お姉さん、またね~」

少年「今度遊ぼうね、バイバイ~」

……

男「もう、帰ったかと思ってたよ…びっくりしちゃった…まぁ楽しかったけどね」

幼「いい子たちだったね。幼稚園くらいかな、可愛いね」

男「また会いたいね」

幼「うん」ニコッ

男「……」

男「…幼ちゃん」

幼「なぁに、男ちゃん?」

男「僕はね…変わっていないけど、変わりたいんだ」

男「ふたりのこれからをね…」

幼「……」

男「約束、思い出したよ」

……

クリスマス当日

幼「きのうはパーティー楽しかったね」

男「うん久々に家族揃ってね」

幼「1日でみんないなくなっちゃったけどね…」

男「まぁ、忙しいからね」

幼「友くんと女ちゃん楽しんでたね」

男「僕らの家族のテンション高すぎて、驚いてたけどね」

幼「わたしたちだってびっくりするもん。仕方ないよ」

男「大人もあんなにハシャぐんだな…僕らも見ているだけで楽しいからいいかな」

幼「ふふっ」

幼「…ところで今日は男くんのお家でなにするの?」

幼「誘ってくれたから、なにか楽しいことするんだよね…普段から男くんといるだけで楽しいけど」

幼「…居間に入らないの?」

男「…ふふ、それはね…」

幼「なぁに?」

妹「はい」バッ

男・妹「メリークリスマス!!」パーン

幼「…きゃっ!?」

男「驚いてくれたね、幼ちゃん」ニコッ

妹「クラッカー作戦成功ですね、にーさん」ニコッ

幼「…男ちゃん、妹ちゃん?」

男「…少しやりすぎたかな、ごめんね」

男「クリスマスパーティーだよ…昨日もしたけど」

男「一応25日が本番だし、2日してもいいよね。やりたくなっちゃったんだし」

男「今日のためにいろいろ準備したから、楽しんでほしいな」

幼「…パーティー」

妹「わたしも手伝いました」

男「ありがと、妹」ナデナデ

妹「わたし、なでなででよろこぶほど子どもじゃありませ…ふぁ、もっと…」

男「あはは」

男「じゃ、みんな中にどうぞ」ニコッ

幼「うん」

ずいぶん長くなってすみません
みているかたありがとうございます
おやすみなさい

……

妹「部屋はわたしが飾り付けました」

男「ありがとね…じゃ、ほら」

幼「…あっ」

男「うん」ニコッ

幼「わたしの好きな料理ばっかり」


男「そう、イタリア料理がメインなんだ…と言ってもピザとかスパゲティとかなんだけどね…僕が作りました、一応ね」

男「場違いかもしれないけど、肉じゃがとかコーンスープとかもあるよ」

男「ケーキは昨日はデコレーションだったから、今日はフルーツロールケーキだよ」

妹「料理はわたしが味見に付き合いましたから、にーさんが作ったものでも大丈夫。美味しいですよ」

妹「朝、昼、晩、それ以外もにーさんの料理に付き合いました」

妹「わたしだけじゃなくて、友さんや女さんも試食してたんですよ」

男「みんなにはずいぶん助けられたよ」

男「僕本当、料理ヘタクソだからさ、幼ちゃんに世話になりっぱなしだからね」

男「自分でも作れるようになりたかったし、幼ちゃんに普段家事とか、色々お世話になってるお礼がしたかったんだ」

妹「にーさん、夜遅くまで料理練習してたんですよ…幼ちゃん、食べてみてあげてください」

男「自信はないけど食べてみてください。お願いします」

幼「……」

男「普段の幼ちゃんへのお礼を込めて、僕の料理でクリスマスパーティーしたかったんだ」ニコッ

妹「わたしも幼ちゃんにはいつも感謝してます。準備手伝ったから楽しんでください」ペコリ

男「うん、そういうことなんだ」

男「…どうかな」

幼「……」

幼「ふぇ…うぅ…うっ」ジワッ

男「…幼ちゃん!?」

妹「…幼ちゃん?」

幼「ちが…うのっ…うれしく、てっ」グスッ

幼「…男ちゃんたちの…気持ちがうれしくて…胸があったかくなっちゃって…」グスグス

幼「わたし…ただ好きでしてるだけなのに…」

幼「…ありがとう、男ちゃん……妹ちゃんも…」ニコッ

男「幼ちゃん…」ニコッ
妹「良かったですね、にーさん…」

男「じゃあ、パーティー始めるよ!!」

幼・妹「おーっ!!」

……

男「数は多いけど食べきれるように量は調節してあるよ…一応ね」

妹「…そうですか?いっぱいありますよ…」

幼「えへへ、何からたべようかな?」

妹「肉じゃが上達してます」モグモグ

幼「ほんとだぁ、優しい味だよね。おいしい」

妹「唐揚げできるようになったんですね」

幼「ピザ、カリカリしてるのにさくさくしてる」モグモグ

妹「ペペロンチーノいいかんじです」

幼「ん~っ、デザートおいし~」

妹「にーさん、デザートのほうが得意ですからね。男子なのに…」

幼「ケーキ甘さ控えめでたべやすいねぇ」


男「」ニコニコ

男「幼ちゃん…ほら」

幼「なぁに?」

男「クリスマスプレゼントだよ。開けてみて」

幼「手袋だね…可愛いなぁこれ。ありがと、男ちゃん」ニコッ

男「どういたしまして」ニコッ

幼「渡すの遅れちゃったけどプレゼントわたしからも…どうぞ、男ちゃん」

男「マフラーか…あったかそうだね。幼ちゃんありがとう」ニコッ

幼「えへへ~、喜んでもらえてうれしいよぉ」

幼「パーティーもプレゼントもステキだね…ホントありがと、男ちゃん」

幼「わたし、こんな楽しいクリスマスはじめて…一生の思い出にするね…」

男「そうか…準備したカイあったなぁ…」

幼「男ちゃん」ニコ

男「幼ちゃん」ニコ

妹「またわたしを放置して、甘ったるい空気を作るんですね…今日は仕方ないですが、なんてったってクリスマスですからね」

妹「…寂しくないですよ」

幼「えへへ」ナデナデ

妹「幼ちゃん!?なぜわたしになでなでを!?」

男「ふふ」ナデナデ


妹「にーさんまで、わたしに!?」

男「幼ちゃんにも」ナデナデ

幼 「えへへ~」

妹「なんですか、これ…」

男・幼「♪」ナデナデ

妹「まぁ、いいですよね…楽しいし」

その夜 駄菓子屋近くの空き地

男「…この空き地に来るのも久々だな」

幼「…うん」

男「昼間だと目立っっちゃうからね」

幼「ライトだよ、男ちゃん」スッ

男「ありがと」

男「ええと…」

男「…この石の下かな」

幼「当時とあまり変わってないから、場所すぐわかるね」

男「じゃあ、スコップを使って、と…手早く済まそう」

幼「うん、手伝うね」

ザックザック

男「…見つけた」

幼「うん…わたしの家に運ぼう」

……

男「…高いクッキーの缶…これおいしかったんだよな」

幼「…わたしのおじさんのお土産だったんだよね…わたしたちのタイムカプセルは」

男「外は錆びちゃったか」

男「…開けるよ」

幼「うん」

パカッ

幼「もうひとつ缶が入ってる…男ちゃん、昔っから慎重だよね」

男「まあね…これも開けて、と」パカッ

男「…中身は厳重にくるんだだけあって無事だね」

幼「…みんな、あるね」

男「2通の手紙と小さな箱」ガサッ

幼「…読んで、手紙」

男「うん」

男「…未来の幼ちゃんへ」

男「ぼくはいつも幼ちゃんといっしょにいたいです。もし手紙を読んでる幼ちゃんのそばにぼくがいたら、結婚してください」

幼「…男ちゃん」ウルッ

幼「…わたし、ちゃんとそばにいるよ」

男「うん、僕も…」

幼「…こっちはわたしのかな。自分で読むよ、聞いて」

男「わかった」

幼「…未来の男くんへ」

幼「わたしはおとこくんが大好きです。おとこくんといるだけで毎日幸せです」
幼「だからおとこくんにも幸せになってほしいです」

幼「おとこくんがわたしといるときに、笑顔でいられるように頑張りたいです」

幼「いつもそばでおとこくんを幸せにしたいです」

幼「もし、わたしといるおとこくんが幸せなら、わたしをおとこくんのお嫁さんにしてください」

幼「……」カアッ

男「…僕のよりステキな文章だね」ニコッ

幼「…そんなことない…よ」

男「優しい内容だね。あったかい気持ちになれたよ」

幼「…ありがとう…男くんの手紙も心に残ったよ。わたし、すっごくうれしい…」

幼「……」ギュッ(手紙を抱きしめて)

男「ふふ」

男「…箱も開けるよ」

パカッ

男「…指輪だよ、駄菓子屋さんのくじで当てた」

幼「なぜかふたりでいっしょに当たったんだよね」

幼「…わたしたちの婚約指輪…」

男「…マセてるな、子供の僕ら」クスッ

幼「えへへ」

男「……」

幼「……」

男「…ごめんね」

男「僕らがした約束は、今日のクリスマスの日にあの空き地で」

男「手紙と指輪の入ったタイムカプセルを掘り起こすこと」

男「ふたりいっしょにいられたら掘りに行こう。だから絶対離れないように」

男「…僕はこの約束を忘れてたんだ」

男「少年くんと少女ちゃんたちを見て、ようやく思い出したんだ」

男「…ホントにごめんね…」

幼「……」

幼「男くんは悪くないよ…子どものころの約束だもん」

幼「本気にしてるのはきっとわたしぐらい…恥ずかしいよね、子どものままで」

男「そんなこと…」

幼「…でも男くんは思い出してくれた」

幼「約束、守ってくれた」

幼「こんなに嬉しいことないよ」ニコッ

男「幼ちゃん…」

幼「…男くん」

お付き合いありがとうございます

男「僕の気持ちはあの日と変わらない」

男「…でも幼馴染という関係を超えて、幼ちゃんと恋人になりたいんだ…大好きだから」

男「…僕とおつきあいしてください」

幼「……」

幼「わたしの気持ちはあの日から大分変わっちゃった」

幼「毎日男ちゃんと過ごしてるうちに」

幼「子どもの頃よりもっともっと、ずっとずっと、大好きになったんだよ」

幼「だから喜んで男ちゃんとおつきあいしたいです」ニコッ

男「…ありがとう、幼ちゃん」ニコッ

幼「男ちゃん…」

男「…渡したいものがあるんだ」スッ

幼「…可愛いラッピングの箱だね」

男「開けて」ニコッ

幼「うん…これ、指輪?」

男「…今日、告白に成功したら渡すつもりだったんだ」

男「今日が特別な日だってことだけは覚えてたからね…パーティーとか色々準備したんだ、いい日にしたくてさ」

男「一応、シルバーのちゃんとしたやつだよ。安物だけど」

男「友に紹介してもらったバイトでお金貯めて買ったんだ」

男「ペアリングなんだよ、ほら。良かったらいっしょにはめよう?」

幼「…うん、着けるね」

幼「…似合う?」ニコッ
男「うん、すっごく」

男「僕は?」

幼「ステキだよ」ニコッ
男「ありがとう」ニコッ
幼「……」

男「……」

幼「」クスッ

男「」クスッ

幼「…なんかくすぐったいね…不思議な気持ち」

男「…でも、あったかい気持ち、かな」

幼「これでわたしたち恋人同士だね」

男「もうずっと恋人同士みたいだけどね」

幼「…確かに」クスッ

幼「…じゃあ、恋人だって証明しなきゃ…」

男「…どうやって?」

幼「…こうやって」

幼「」ギュッ

男「幼ちゃん…」カアアッ

男「…じゃあ」ギュー

男「」チュッ

男・幼「」チュッ

幼「…証明完了だね…ちなみにファーストキスだよ」ニコッ

男「…幼稚園や小学生のころのはノーカンかな…?」

幼「ん~…全部わたしたちふたりだから、アリで」

男「…ふふ、何回ファーストキスする気?」

幼「何回でも」クスクス
男・幼「」チュッ

男・幼「……」

幼「あ~、幸せ」

男「だね」

幼「…あっ男ちゃん、窓の外」

男「…雪だね」


……

男の家

妹「…にーさんと幼ちゃんが帰ってこないです」

妹「またいつものごとく、イイ感じになってるんでしょうね」

妹「あんまりほっとかれると寂しいですよ」

妹「…あっ、雪」

妹「…明日は三人で雪遊びしたいですね」

妹「ふふ、楽しみです」ニコッ

妹「かまくら、雪合戦…色々したいな…ゆきうさぎとかかわいいですね…」

妹「」ニコニコ

友の家

友「…女、料理できるんだ。うまいな」モグモグ

女「まあね…美味しかったならなにより」
女「…練習したかいあったわね」ボソッ

友「男と幼ちゃん…うまくいったかな」 女「そうねえ…多分うまくいってるんじゃない」

友「…俺たちみたいに?」
女「うん…長く好きでいるのってすごいことから」

友「俺らは七年か…」

女「ふふっ」

女「…雪」

友「雪だな…」

女「…いいな」

友「」ギュッ

女「」ギュッ

女「…友、手あったかい」

友「…女もな」

……

幼「…さっ、妹ちゃん待ってるから行こう」

男「うん」

幼「…男ちゃん」

男「うん?」

幼「だいすきだよ」ニコッ

男「僕も…」

男「…愛してる」ニコッ

……


数年後

少女「…少年くん、待ってよー」タタッ

少年「少女は歩くの遅いな」タタッ

少女「少年くんが急ぐからだよ。もっと私に優しくしなきゃだめ」

少年「…優しくしてるから荷物持ってるんだよ。冬休みになるんだから計画的に荷物持ち帰れよ」

少女「えへへ、そこは感謝してるよ」

少年「感謝してるなら宿題くらい自分でやれよ。なんで数学、俺にやらせるんだよ」

少女「…私は英語教えてるもん」

少年「少し聞いてるだけだよ。数学は丸投げじゃん」

少年「あと、部屋に勝っ手に入るな。プライバシーの侵害だぞ」

少女「見られて困る物でもあるの?」クスッ

少年「……」

少年「…写真たて見られたら冷やかされるな、俺らふたりのやつだし…」ボソッ

少女「…全く少年くんは素直じゃないなぁ」

少女「…あっ」

少女「…そういえば」

少女「…男お兄さんと幼お姉さん結婚するんだよ」

少女「クリスマスに式なんだって…ロマンティックだよね」

少女「いっしょに行こうよ。呼ばれてるんだ、ふたりでおいでって」

少年「…うん」

少女「ウェディングドレスかぁ…いいなぁ。お姉さんキレイだからにあうよね。私も着たいなぁ」チラッ
少年「……」

少女「お兄さんみたいにカッコいい人と、ヴァージンロード歩きたいなぁ」チラッ

少年「……」

少年「…ドレスくらい着せてやる」ボソッ

少女「なぁに?」ニコッ
少年「……」スタスタ

少女「……」

少女「えへへ…ばっちり聞こえたよ」

少女「…待ってよ」

少年「」スタスタ

少年「……」カアッ

少女「おーい」タタッ

少女「もー」

……

おしまい

お付き合いどうもです
アマアマ過ぎでしたかね?
自分でも思いますが それでは

オマケ

幼「はまった~」ニコッ

男「どうしたの、幼ちゃん?」

幼「見て男ちゃん、タイムカプセルの指輪はめてみたの。シルバーの指輪は薬指だから、小指に」

男「…じゃあ、僕もはめてみようかな」スポッ

男「…でも、たいへんだな」

幼「なんで?」

男「…婚約指輪や結婚指輪も全部つけたら、どの指にどの指輪をはめるのかな?」ニコッ

幼「…男ちゃん」ジワッ

幼「大好きっ!」ダキツキ

男「ふふ」ナデナデ

妹「…わたしを無視しないでください」

妹「全く……わたしもなでなで頼めますか?」

オマケ2

少年宅

少女「…最近少年くん、私をお部屋に入れてくれない…なんで、寂しいよ?」

少年「…もう年頃だからな、ほらプライバシーさ」

少年(…俺の部屋はマズい)

少年(いっしょに写ってる写真とか、ふたりで作ったプラモとか…記念の指輪とか見たら、こいつ俺を絶対からかうぞ)

少年「今絶対ダメっ!もう少し、また今度!」

少年(なんとか隠す)

少女「…彼女に内緒ごとはよくないよぉ…えっちなのかくしてるとかじゃないよね」ジトー

少年「…んなわけないっ!」

少女「じゃあ、入れてー!」

少年「やーだー!」

ガヤガヤ

オマケ おしまい

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