小鳥「女子に幻想を抱きですよ、プロデューサーさん」 (419)





※途中で安価あり

※積極的なキャラ崩壊注意





P「な、なんですか、突然……」

小鳥「プロデューサーさんは、あの子たちを裏表のない天使のように見ていますよね?」

P「え……そりゃまぁ、あんなに良い子たちは、なかなかいませんし……」

小鳥「甘い!! 甘いですよ、プロデューサーさん!」

P「はい?」




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小鳥「プロデューサーさんは、『女子高』ってどんな場所だと思いますか?」

P「女子高ですか? そりゃあ、「御機嫌よう、うふふ」みたいな、温厚篤実で絢爛華美な少女たちの花園でしょう?」

小鳥「それが甘いって言ってるんですよ!! このミスター・サッカリン!!」

P「ミスター・サッカリン!?」

小鳥「いいですか、端的に言って女子高っていうのはですね……「あひゃひゃ! オメーまぢウンコだな!!www」っていう場所です」

P「えええええええっ!?」

小鳥「もちろんピンキリですけど、それでも「男子の目がない」というのは女子のリミッターを解除するのに十分な要素なんです」

P「で、でも女の子がそんな下品なことを口にするなんて……」

小鳥「こんなのは下品のうちに入りません! トップランカーは1秒に5回はウンコって言ってますよ!」

P「1秒に5回も!?」





小鳥「いいですか、私は共学も女子高も経験しましたけど……たとえば共学!」

P「は、はぁ……」

小鳥「男子の前では、口数が少なくて、儚げで遠慮がちな笑顔を振りまいてる大人しめな女子がいました。仮にA子とします」

P「ああ、近くの高校にもいましたよ、そういう子! 男子人気も高かったなぁ……」

小鳥「A子は、じつはスーパー内弁慶の毒舌家で、しかも3股してましたよ」

P「ええええええええええええええええっ!!?」

小鳥「女子高では、ほとんどの人はリミッターを外しているので……さらに酷かったです。「やべぇ垂れてきたナプキン貸してー!」とか大声で言いますし」

P「食堂での話ですか?」

小鳥「え? ああ……そういえば、プロデューサーさんは姉妹がいないんでしたね。だからそんな幻想を抱いてるんでしょうけど」





小鳥「これは私の従姉の話ですが、その人は外では「えー、もぉ下ネタとかやめてよぉ~♪」とか言ってる人でした」

P「は、はい」

小鳥「学校でも男子に人気があって、告白とかもかなりされてて、テストも上位で、教師全員に信頼されてる生徒会長だそうです」

P「おお、それはすごい……!」

小鳥「でも家ではバシバシ下ネタ飛ばして、グリッグリと鼻くそほじって、食事中にもおならをして、しかも私のせいにしてきたりして……」

P「…………うっ」

小鳥「人にもよりますけど、女子なんてそんなもんです。男子となにも変わりませんし、私の周りには男子より酷いのがゴロゴロいました」

P「ちょ、ちょっとタイム……」

小鳥「……そうですね、休憩しましょう」





小鳥「もっとエグいネタもありますけど、さすがに姉妹なし・恋愛経験なし・男子校出身であるプロデューサーさんには耐えられないでしょう」

P「はい……もう勘弁してください」

小鳥「でも、これが女子の真実です。本質的にはうちの子たちも変わりません。結構マシな方だとは思いますけど」

P「……あの、じゃあ音無さんも?」

小鳥「信じるか信じないかはプロデューサーさんにお任せしますが、私はそういうのを反面教師に生きてきました」

P「つまり、今俺が見てる音無さんが、そのまま本来の音無さんってことですか?」

小鳥「はい。……あ、でも女はみんなそう言うので、あんまり信用しないでくださいね。女は人格にもお化粧しますから」

P「は、はぁ……」



P「けどアニメでは、俺のいないところでもあいつらは……」

小鳥「アニメではカメラ回ってましたし、あんなのはよそ行き用ですよ」

P「カメラ回ってましたっけ!?」

小鳥「はい。TBSの」

P「TBSの!?」





小鳥「プロデューサーさん……ちょっと、見てみますか?」

P「はい?」

小鳥「プロデューサーさんがお休みだって分かれば、うちのアイドルの子たちも本性見せますよ?」

P「……“本性”……ですか」

小鳥「今の話を聞かなかったことにするか、真実を見届けるか……それはプロデューサーさんの意思にお任せします」

P「……」





P「知らなければ、知らないままでいたほうが良かったかもしれませんけど……いずれ知ることになると思ったから、音無さんも打ち明けてくれたんですよね」

小鳥「はい……プロデューサーさんの女子信仰は物凄いですから、いざという時のために、ワンクッション置いておかないとって思って……」

P「気を遣わせてしまってすみません。ですが、心の準備はできました」

小鳥「!」


P「あの子たちの本来の姿を見てこそ、本当に的確でふさわしいプロデュースがしてやれると思うんです……だから!!」


小鳥「さすがはプロデューサーさんです。あの社長が見込んだ通りの」ニコッ





P「……あっ、でも心が折れたら、その時点で終わりでお願いします……」

小鳥「ふふっ、もう、プロデューサーさんってば」クスッ





 後日、事務所にて



P『こ、これで違和感ありませんか?』

小鳥「はい! どこからどう見ても、ただ私の机の下に置いてある段ボールです。プロデューサーさんからは外が見えてますか?」

P『はい、ここの持つ用の穴から……』

小鳥「それならおっけーですね。携帯はマナーモードで、身動きは取らないようにしてください」

P『なかなかキツイ体勢ですけど……頑張ります』

小鳥「今日はプロデューサーさんが不在ということを知らせてあるアイドル達が、何人か事務所に来ます」

P『今更ですけど、すごいドキドキしますね……』

小鳥「衝撃的なものを見ても、取り乱さないでくださいね。それから事前に取り決めた合図は覚えていますか?」

P『はい。それと、なにかあったらメールしますね』

小鳥「ええ。 ……あ、誰か来ました! 準備はいいですね?」

P『は、はい……!』



 ガチャッ



↓+2 最初に現れた765アイドル





春香「おはようございます! 天海春香です!」


小鳥「あら、おはよう春香ちゃん。一番乗りね」ニコッ

春香「……じゃあ、今は小鳥さんだけなんですか?」

小鳥「ええ。それから連絡があったと思うけど、今日はプロデューサーさんはお休みなの」

春香「そうですか、なるほど……プロデューサーさんはお休み……」




春香「>>16



うんこ行ってくる




春香「うんこ行ってくる」スタスタ


小鳥「あ、うん……行ってらっしゃい」


 ガチャ バタンッ


小鳥「…………」

P『……あの』

小鳥「はい」

P『すっごい声低かったですね』

小鳥「まぁ、スイッチオフなら大体あんなもんですよ」

P『……はぁ』

小鳥「わざわざトイレ行くのを宣言しなくてもいいんだけどなぁ……」





 ガチャッ


春香「……」スタスタ

小鳥「あら? トイレットペーパーがなかったかしら?」

春香「引っ込んだ」

小鳥「あ、そうなの……」

春香「はぁ……3日目だし。最悪」ゴロン

小鳥「あの、パンツ見えてるけど……」

春香「ちょっと寝る」

小鳥「あ、はい……おやすみなさい」





小鳥「……ほんとに寝ちゃったみたいね。もう、おなかもパンツも丸出しで……」ファサッ

春香「むにゃ……」スヤスヤ

小鳥「まぁ、女の子は出かける準備も時間かかるし、春香ちゃんは特に通勤時間も長いし、学校もあるし……疲れてるわよね」


P『……。』


春香「……」グギギッ

小鳥「……歯ぎしりは直したほうが良いと思うけど」



 ガチャッ



小鳥「!」




↓+2 続いて事務所に現れたアイドルは……





雪歩「お、おはようございますぅ……」


小鳥「おはよう、雪歩ちゃん」ニコッ

雪歩「……」キョロキョロ

小鳥「プロデューサーさんならいないわよ? 今は私と……そこで寝てる春香ちゃんだけね」

雪歩「そうですか……」





雪歩「>>27



>>25




雪歩「お茶淹れましょうか? 小鳥さん」

小鳥「ええ、ありがとう。それじゃあお願いしてもいいかしら?」

雪歩「はい!」スタスタ


 ・・・・・・


P『……音無さん?』

小鳥「言いたいことはわかります。ですけど、さすがに世の中の女子みんなに裏表があるわけではないですから」

P『そ、そうですよね……』

小鳥「しっ」ゲシッ





雪歩「小鳥さん。はい、どうぞ」コトッ

小鳥「ありがとう、雪歩ちゃん」

雪歩「プロデューサー、今日は一日いないんですよね? 大丈夫なんですか……?」

小鳥「ええ。病気とかではないから、安心してね。明日には元気に出勤してくるわ」ニコッ

雪歩「よかった……。今日は寂しいですけど、がまんですね」

小鳥「ええ。お仕事まで時間があるから、ゆっくりしててね」

雪歩「はいっ!」





雪歩「あ、春香ちゃん……ソファで寝ちゃってる」

春香「……」スヤスヤ

雪歩「えへへ、かわいい♪」ツンツン

春香「……」グギギッ

雪歩「ひぅっ!?」ビクッ

春香「……んぁ? あれ、雪歩だ」パチッ

雪歩「お、おはよう、春香ちゃん」

春香「はよ。なんか今、変な音しなかった?」キョロキョロ

雪歩「あ、うん……歯ぎしりだと思うよ」

春香「雪歩の?」

雪歩「えっ!? ううん、春香ちゃんの」

春香「まじで!?」

雪歩「うん……すごい音だったよ」

春香「ええ~……まじかー」





雪歩「春香ちゃん、疲れてるの?」

春香「やばい疲れてる。死ぬ」

雪歩「し、死んじゃうの……?」

春香「だってさー聞いてよ。テスト近いし。レッスンやばいし」

雪歩「うんうん」

春香「生理だし、うんこ出ないし」

雪歩「うぇっ……!? ぅん……///」カァァ

春香「あー、腹いたーい」ゴロゴロ





春香「あ」ムクッ

雪歩「え?」

春香「うんこ行ってくる」スタスタ

雪歩「うぁ、い、いってらっしゃい……」///



 ガチャッ



小鳥「……!」




↓+2 続いて事務所に現れた765アイドルは……





貴音「おはようございます」



小鳥「おはよう、貴音ちゃん」ニコッ

雪歩「四条さん、おはようございます!」


貴音「あの方は……」キョロキョロ


小鳥「連絡した通り、今日は1日プロデューサーさんはいないわ」


貴音「そうですか……」




貴音「>>39



今日はニンニク系のかっぷらあめんでも大丈夫、という事ですね




貴音「今日はニンニク系のかっぷらぁめんでも大丈夫、という事ですね」

小鳥「ふふっ、そうね。プロデューサーさんがいたら、いろいろ言われちゃうものね」

貴音「はい。しかしらぁめんというものは、その日もっとも肉体が欲した味を食すのが最善なのです」

小鳥「まぁプロデューサーさんも、貴音ちゃんのことを思いやって言っているから……」

貴音「勿論、それについては承知しております。あの方の仰ることに間違いはありません」


雪歩「でも、ラーメンだけは反逆するんですね?」クスッ


貴音「ふふ……それとこれとは、別腹ですので」ニコッ





ヴヴヴッ…


小鳥「ん?」ピッ


 【どうしても食べるなら、ちゃんと口臭を消してから仕事に行かせてください。ガム一式が俺の机に入ってますから】


小鳥「ふふっ」チラッ

P『……』





貴音「現在事務所に来ているのは、わたくしたちだけなのでしょうか?」

雪歩「今、トイレに春香ちゃんがいます」

貴音「なるほど、春香は相変わらずの様ですね」

雪歩「ま、まぁ、相変わらずですね」

貴音「あのアイドルとして完全に割り切った姿勢というのは、ある種尊敬に値するとは思いますが」

雪歩「すごく落差が大きいですよね」

貴音「しかし食事中に排泄の話をされては敵いませんので、昼時は遠ざけたいですが」

雪歩「あ、あはは……」





 ガチャッ


春香「あ」


貴音「おはようございます」

春香「はよ」スタスタ


 ポフッ


春香「ああー。出ない」ゴロゴロ

雪歩「あ、だめだったんだ」

春香「死ぬ」

雪歩「し、死なないで! がんばって!」





貴音「春香。あまり品のない事を言っていると、いつか痛い目を見ますよ」

春香「……うわ出た」

貴音「わたくしも、こう口うるさくは言いたくないのですが」

春香「……」

貴音「その調子では、将来の伴侶にも愛想を尽かされますよ」

春香「……」

貴音「プロデューサーは、どう思うでしょうか」


春香「は? なんでプロデューサーさんが出てくるの? 意味わかんない。ばか」


貴音「……」クスッ

雪歩「ふふっ」


春香「ふ、ふざけろ!」





・・・・・・



雪歩「はい貴音さん、どうぞ」コトッ

貴音「ありがとうございます、雪歩」

雪歩「春香ちゃんもお茶菓子食べる?」


春香「……」スヤスヤ


雪歩「わ、もう寝てる……!」



 ガチャッ



小鳥「!」





↓+2 続いて事務所に現れた765アイドルは……





千早「……おはようございます」


小鳥「おはよう、千早ちゃん」ニコッ

千早「あの、今日はプロデューサー、いないんですよね」

小鳥「ええ。今日1日は私と律子さんでサポートするから」

千早「……」




千早「>>62






千早「プロデューサーさんは私を見捨てたんですか」


小鳥「……え?」

千早「そうですか、そうですよね私なんかもう面倒見たくありませんよね」

小鳥「あの、千早ちゃ……」

千早「ああでもどうしたらいいのかしらプロデューサーさんがいなくなったら私は1人でどうしたらいいのかしら」

小鳥「いや、あの、だから……」

千早「もう一度だけチャンスをいただけないでしょうか私が直接お願いしに行きますからプロデューサーさんに会わせてくださいお願いします」





 バンッ!!


千早「っ!?」ビクッ


春香「うるさい」


千早「……春香さん?」

春香「おいで」

千早「ぁ、は、はいっ!」トテテ

春香「プロデューサーさんを馬鹿にすんな」

千早「え、そんな、馬鹿になんて……!」

春香「明日帰ってくるから」

千早「あ……。そ、そうよねプロデューサーさんが私を見捨てるわけないわよねあの人はそんなことしないものごめんなさい一瞬でも疑ってしまってごめんなさい」

春香「寝る」

千早「あ、春香さん、私の膝を使う?」

春香「……」ゴロン

千早「♪」///





貴音「……流石ですね。余計な理詰めや説明などよりも、心の込められた一言の威力たるや」

雪歩「は、はいぃ……」

貴音「しかしそろそろ現場へと向かわなければならない頃合いです」

雪歩「あっ! そういえば今日はプロデューサーがいないから……」


小鳥「今日はタクシーを使って移動してくれるかしら?」


春香「え、もう移動?」

千早「そうみたい」ナデナデ





貴音「それでは小鳥嬢、行って参ります」

雪歩「えっと……タクシーでは領収書を貰うんですか?」


小鳥「レシートで大丈夫よ。それと宛名はいらないから。はい、支払はこれでお願いね」





 ドンガラガッシャーン!!



春香「いってぇ!! くっそー!!」

千早「春香さん、大丈夫!?」





小鳥「……えっと、がんばってね」

雪歩「は、はいぃ……」

貴音「……はい」


今日はここまでです。ありがとうございました。




 ガチャッ バタン


小鳥「……」


P『お疲れ様です、音無さん』

小鳥「いえいえ。プロデューサーさんは大丈夫ですか?」

P『ええなんとか。この体勢にも慣れてきたような気がします』

小鳥「身体のこともそうですけど……その、精神的な負荷の方は……」

P『思いのほか、ダメージはそこまででもありませんよ。ちょっとびっくりはしましたけど』

小鳥「そうなんですか?」

P『俺の悪口でも言われていたらさすがに堪えましたけど、あれでちょっとは信用されてるみたいでしたので』

小鳥「春香ちゃんのことですね。あの中では一番素直な方でしたね」

P『……え? 素直だったのは、雪歩と貴音なんじゃ……』

小鳥「なに言ってるんですか? 逆ですよ、逆」





小鳥「プロデューサーさんは、仕事相手と友人とじゃ態度を変えますよね?」

P『そりゃあ、まぁ……』

小鳥「春香ちゃんに営業スマイルで「天海さんお疲れ様です! 事務所までお送りします!」とは言いませんよね?」

P『……な、何が言いたいんですか?』

小鳥「雪歩ちゃんと貴音ちゃんは、「自分を隠す範囲」が春香ちゃんよりも広かった……ということなんじゃないですか?」

P『……え』

小鳥「特に貴音ちゃんは秘密主義ですから、あれが本性ということは考えづらいかと」

P『……』

小鳥「むしろ、この結束の固い事務所の仲間にも本性を隠す子ほど、“闇”は根深いのかもしれませんね」





小鳥「そういう意味では、私は春香ちゃんみたいに開けっ広げな子の方が信用できますね。理由も目的も明快ですし」

P『……』

小鳥「本性を見せても私たちは口外しない、嫌わないと信頼してくれているからこそですから。まぁ、自分をより良く見せたい相手には猫を被るでしょうけど」

P『……』

小鳥「仲間内でさえ常に隙が無いだなんて、なんだか怖いじゃないですか」

P『……』

小鳥「あの、プロデューサーさん、生きてますか?」

P『……なんとか』





小鳥「そうは言っても、もしかすると本当にあれが素なのかもしれませんけどね。その辺りはなんとも言えません」

P『は、はい……』

小鳥「まぁ恋人になるつもりでもなければ、本性を隠す範囲の広い子のほうが接しやすくて気が楽ですけどね」

P『そういうもんですか?』

小鳥「それはそうですよ。それに本性を隠すというのは悪いことじゃありません。誰だって多かれ少なかれやってることです」

P『……まぁ、確かに』





小鳥「案外、貴音ちゃんもお母さんには「うっさいなー年末には帰るって言ってんじゃん!」とか言ってるかもしれませんよ?」

P『あー……そうだったら、それはそれで面白いような、ガッカリなような……』

小鳥「ふふっ、そうですね。でも理想を押し付けられるのは負担になりますから、ほどほどに」

P『は、はい……!』

小鳥「それから―――あっ、また誰か来たみたいです……!」



 ガチャッ




↓+2 続いて事務所に現れた765アイドルは……






響「おはようございまーす!」


小鳥「おはよう、響ちゃん」ニコッ

響「はいさい、ぴよ子! あれ、まだ自分だけ?」

小鳥「ついさっき、他の子たちはお仕事に行っちゃったから。それと今日1日、プロデューサーさんは来ないわ」

響「……あっ、そうだった」



響「……」




響「>106」





響「ふぇぇ……」プルプル


小鳥「えっ?」

響「ぷろりゅーさぁぁぁ……うぇぇぇん!」ポロポロ

小鳥「ひ、響ちゃん!? あっ、あの、プロデューサーさんは明日必ず来るから! ねっ!?」

響「やだぁぁぁ……ぷろりゅーさぁぁぁ」グスグス

小鳥「お、落ち着いて響ちゃん! 大丈夫! 大丈夫だから……!」ナデナデ

響「びぇぇぇえええんっ!」

小鳥「ああもう、貴音ちゃんも出かけちゃったし、一体どうしたら……!?」





 ヴヴヴッ…


響「ふぇ……? あっ、ぷろりゅーさーからメールだぁ💛」/// パァァ


 【今日はみんなのこと見てあげられないけど、響なら完璧にこなしてくれるって信じてるぞ。がんばれ、響!】


響「ふぁぁ……!!💛」/// パァァ…!!

小鳥「響ちゃんは、プロデューサーさんにとっても信頼されてるのね。なら頑張って、その信頼に応えないとね」ニコッ

響「うんっ! プロデューサー、自分がんばるね! かんぺきだもん! がんばるっ!」/// ギュゥゥ


小鳥(トロけた顔で携帯を抱きしめちゃって……相変わらずみたいね、響ちゃん)



小鳥(というかプロデューサーさん、ナイスアシストです!)グッ


P『……』グッ





小鳥「響ちゃん、鼻チーンしましょうね」スッ

響「ん~っ」チーン

小鳥「はいよくできました。これ、雪歩ちゃんが持ってきてくれたお茶菓子よ」コトッ

響「ありがと、ぴよ子」ニパー

小鳥「……」ナデナデ

響「ふぇ?」

小鳥「あっ、ごめんなさい。つい……」///



 ガチャッ



小鳥「!」




↓+2 続いて現れた765アイドルは……






あずさ「おはようございます~」


小鳥「あずささん。おはようございます」ニコッ

あずさ「おはようございます、小鳥さん」ニコッ

小鳥「今日は結構早かったですね。お仕事までまだ時間があるので、ゆっくりしててくださいね」

あずさ「ありがとうございます~。あらあら、今日は本当にプロデューサーさんがいないんですね」

小鳥「そうですね。今日は1日来ませんから、なにかあったら私に言ってくださいね」

あずさ「……」




あずさ「>>124



ちょっとタバコ吸ってくる




あずさ「ちょっとタバコ吸ってくる」スタスタ


小鳥「ちょ、ちょーっ!?」ガシッ

あずさ「なに? どうかした?」

小鳥「タバコはまずいですって! 絶対バレます!」

あずさ「そう言うと思って……」ゴソゴソ

小鳥「?」

あずさ「ほら、ファブリーズ」ドヤッ

小鳥「ムリですよ!?」





 ・・・・・・



小鳥「あずささん、ガムどうぞ」

あずさ「ん」

小鳥「さすがにヤニ臭いアイドルはまずいので、最低でも仕事前は控えてくださいね。……あとファブリーズ臭いアイドルもダメです」

あずさ「わかってるって。冗談だよ」

小鳥「家で吸う時も、服には匂いが付かないようにしてください」

あずさ「それもわかってるって。だから私は、基本屋外で吸ってるんだ。誰にも見られない、人目に付かない場所を探してさ」

小鳥「そうなんですか?」

あずさ「ああ。だから道に迷うんだ」

小鳥「あっ、そういうことだったんですか!? どうりでよく迷うなって思ったら!!」





 ・・・・・・



あずさ「んー……」クッチャクッチャ

響「……」ウトウト

あずさ「響ちゃん」

響「ふぇっ?」ビクッ

あずさ「暇」

響「?」

あずさ「響ちゃん」

響「なぁに?」

あずさ「一発芸やって」

響「ふぇぇ!?」





あずさ「はい3秒前~」

響「あ、あの、あずささんっ!?」

あずさ「3、2、1……」

響「え、えっ!?」

あずさ「……」ジー

響「ぅ、あ、えっと……!」///





響「キモモマイコドリのものまね!」



      →→→   響「……」スイー


  響「……」スイー  ←←←



      響「……っ」パタパタ



あずさ「……ムーンウォーク?」

響「うん……」

あずさ「そういう動きする鳥なの?」

響「う、うん……」

あずさ「………………」

響「ふぇ……」プルプル




あずさ「95点かな」


響「ふぁぁ……!」/// パァァ



小鳥(ええええええっ!?)





あずさ「ほぼ完璧だったよ。今のでちょっと東京ドームが沸いたかな」

響「よかったぁ」///

あずさ「そのネタどっかでやっていい?」

響「いいよっ! えへへ」///

あずさ「著作権取っといたら? 文化庁に連絡する?」

響「えぇ、べつにいいよぉ」/// テレテレ



小鳥「…………」



 ガチャッ



小鳥「!」




↓+2 次に現れた765アイドルは……?





真「おはようございます!」


小鳥「おはよう、真ちゃん」ニコッ

真「えーっと……あ、ほんとにいないんですね、プロデューサー」

小鳥「そうね。今日1日はプロデューサーさん不在だから、みんなで協力し合って乗り切りましょう」

真「……」



真「>>154


今日は雪歩と顔会わせなくてすみそうですか?
今ちょっと疲れ気味で雪歩の相手したく無いんですよ…

今日はここまでです ありがとうございました。
あとスレタイはミスです




真「今日は雪歩と顔を合わせなくてすみそうですか? 今ちょっと疲れ気味で雪歩の相手したくないんですよ……」


小鳥「え? そ、そうね、雪歩ちゃんはさっき現場に向かったばっかりだから……」

真「あーよかった。毎日顔を合わせてたら、気が滅入っちゃいますもん」

小鳥「……雪歩ちゃんの相手って、そんなに疲れるものなの?」

真「疲れるなんてもんじゃありませんよ……はぁ」

小鳥「そ、そうなの……」

真「雪歩も僕のこと、そう思ってるんじゃないですか?」

小鳥「え?」





真「最近は雪歩、貴音にべったりだし……ねぇ、響?」

響「ふぇぇ……」プルプル

真「響?」

響「たかねぇぇぇ……うぇぇぇん!」ポロポロ

真「ええっ!?」


あずさ「あーあ、泣かしちゃった」クッチャクッチャ


真「……」





真「じゃあさ、響。向こうがその気なら、僕らはもっと仲良くしてやろうよ」

響「ふぇ……?」グスッ

真「僕ね、前々から、響とならうまくやっていけそうだなって思ってたんだ」ズイッ

響「え、あ、あの……?」///

真「僕じゃだめかな? 僕じゃ、貴音の代わりにはなれない? ……僕、響のこと大事にするよ」ジッ

響「う……でもっ、自分、ぜんぜんダメだし……」

真「雪歩みたいなこと言わないでよ。それに、響は歌もダンスも、ほかにも全部、完璧じゃないか」

響「……!! う、うんっ! 自分、かんぺきだよっ!」///

真「だったら……ね、いいでしょ? 他の子のことなんて、忘れさせてあげるよ……」ギュッ

響「ふぇぇ!?」///





あずさ「響ちゃん、ダマされるなよ? 真ちゃんは雪歩ちゃんに相手してもらえなくて拗ねてるだけだからさ」


響「え!?」

真「ああもう、いいところだったのに! あずささん、邪魔しないでくださいよー」


あずさ「いたいけな女子を翻弄するなよな。ほら響ちゃん、こっち来な」

響「っ」トテテ、ギュッ

あずさ「よしよし」


真「ちぇっ」プクー





響「……」スッ

あずさ「あれ?」


響「……」トテテ…


小鳥「え? え?」

響「っ」ギュッ

小鳥「え、響ちゃん!?」///



あずさ「……うわ、フられた。なんで?」

真「タバコ臭いんじゃないですか?」

あずさ「そんなはずは……ちゃんとファブリーズしてるのに」

真「じゃあファブリーズ臭いんですよ」





真「というか、そもそもどうしてあずささんはタバコ吸ってるんですか?」

あずさ「あー……あれだよ、運命の人に見つけてもらうための狼煙をあげてるんだよ」

真「ニコチン臭い狼煙もあったもんですね」

あずさ「うるさいな。見つけてもらったらやめるよ。……っていうか、やめろって言ってくれる人を待ってる」

真「へぇ、意外と乙女チックなこと考えてるんですね」

あずさ「あとは……そうだな、生意気な口きいてくる年下に根性焼きするためかな」

真「あずささん、コーヒー淹れてきますよ」

あずさ「ブラックな」





響「ぴよ子良い匂い……」スンスン

小鳥「ひ、響ちゃんも良い匂いだけど……ちょっとくすぐったいかなぁ……なんて」

響「……だめ?」

小鳥「だめ……じゃ、ないけど……」

響「やったぁ! ぴよ子大好き!」/// ギュゥゥ

小鳥「う、うーん……」ナデナデ



 ガチャッ



↓+2 続いて現れた765アイドルは……





伊織「おはよ―――って、なにこれ、どういう状況?」


小鳥「い、伊織ちゃん、おはよう……」ニコッ

伊織「おはよう、小鳥。なんで首から響をぶら下げてるのよ?」

小鳥「えっと……今日はプロデューサーさんが1日いないから、いろいろと歯止めが効かなくって……」

伊織「あ……そういえば、そういう連絡あったわね」



伊織「……」



伊織「>>179


じゃあ今のうちにPの私物の匂いを嗅ぎ溜めしておこうっと!




伊織「じゃあ今のうちにPの私物の匂いを嗅ぎ溜めしておこうっと!」トテテ


小鳥「ええっ!?」

響「……!」ピクン


伊織「なにかイイのないかしら……う~ん、休みだから大したものはないわね」ゴソゴソ

小鳥「ちょっ、勝手にデスクを漁るのはマズイんじゃ……」

伊織「なによ、もう! せめてシャツくらい入れときなさいよね!」

小鳥「ええー……」





伊織「はぁ……」トボトボ

あずさ「伊織ちゃんは相変わらずプロデューサーラブなんだな」

伊織「なによ、悪い?」

あずさ「悪くないけどさ。それならキツイこと言わないで、もっと優しくしてあげればいいのに」

伊織「は、恥ずかしいのよ! それに……急にデレデレなんてしちゃったら、気持ち悪いと思われるし……」

あずさ「こっそり匂い嗅いでる方が、よっぽどだと思うけどな」

伊織「しょうがないでしょ! Pに抱き付いたりなんかできないんだから、せめて匂いくらい嗅がせなさいよ!」

あずさ「……こりゃ重症だ」





響「伊織、伊織」ツンツン

伊織「なによ?」

響「これ。こないだプロデューサーが落としたハンカチなんだけど……」スッ

伊織「いくら?」

響「ふぇ?」

伊織「値段よ、値段。今手持ちは10万しかないけど、足りる?」

響「ふぇぇ……!?」


あずさ「大人げ無いにもほどがあるだろ」


響「え、えっと、お金はいらないけど……じゃあ、今度プロデューサーに会ったら、返しといてくれる?」

伊織「いいわよ。10倍くらい高価にして返してあげる」


あずさ「やめろ」





伊織「もう、なによ! 自分で稼いだお金なんだから、べつにいいでしょ?」

あずさ「必死すぎて怖いんだよ」

伊織「あ~あ……Pのベッド一式、100万円くらいで売ってくれないかしら。そしたら擬似的にPに抱きしめてもらえるのに」

あずさ「ならもう100万円渡して直接抱きしめてもらえばいいだろ」

伊織「Pがお金で動くわけないでしょ! いくらあずさでも怒るわよ!」

あずさ「うわなんだこの子、めんどくさ!」

伊織「あとPが私を抱きしめてくれるはずないでしょ。いつもひどいこと言ってるし、ぜったい嫌われてるもん」キュッ…

あずさ「……あっそう」





真「あずささん、コーヒーです」コトッ

あずさ「ん」


伊織「あら真、いたの」スンスン


真「いたよ。……というか、伊織はなにやってるの? なんでハンカチ越しに深呼吸してるの?」

伊織「栄養補給よ」スンスン

真「相変わらず伊織はキマっちゃってるね。もうそんなにプロデューサーが好きなら口説いて落としちゃいなよ」

伊織「無理に決まってるでしょ、嫌われてるんだから」

真「え、そうなの?」

伊織「当たり前でしょ。アンタも意外と鈍いのね」

真「んんー……?」





・・・・・・



小鳥「みんな、そろそろ時間だから準備してくれるかしら?」


あずさ「ん」


真「今日はタクシーですか?」

小鳥「ええ、そうね。はい、これお金」

真「ありがとうございます! 今日も張り切って、行ってきます!」

小鳥「ふふっ、行ってらっしゃい。がんばってね!」ニコッ





響「伊織も、いこ?」

伊織「ちょっと待って。もうちょっと……」カチカチ


 ヴヴヴッ…


響「ふぇ……? あれ、伊織からメール…………ふぁぁ! プロデューサーの写真だぁ!」/// パァァ

伊織「私のPコレクションの、ほんの一部だけど……ハンカチのお礼よ」

響「ありがと伊織!」/// ギュゥゥ

伊織「アンタに抱きしめられても嬉しくないわよ。ほら、行くわよ」

響「うんっ!」/// ニコニコ




小鳥「……えっと、ちゃんとしっかり面倒見てあげてね」


真「は、はい」

あずさ「もう慣れたよ」


今日はここまでです ありがとうございました。




 ガチャ バタンッ


小鳥「……」



小鳥「プロデューサーさん、伊織ちゃんのこと嫌いなんですか?」

P『まさか! そんなはずありません!』

小鳥「ですよね。プロデューサーさんは、みんなのことが大好きですもんね」

P『はい!』

小鳥「……照れも迷いもなく即答ですか。プロデューサーさんって、なんというか……」

P『え?』





小鳥「もしかして、プロデューサーさんも演技だったりして」

P『はぁ……演技ですか。そんなに器用だったら良かったんですけど、あいにく俺は仕事しか取り柄のない人間ですよ』

小鳥「ふふっ、そんなことありませんよ。あなたは素敵な人です、私が保障しちゃいます」ニコッ

P『…………』

小鳥「……な、なにか言ってくださいよぉ……!」///

P『あ、いえ、その……急に褒められて面食らっただけです。音無さんにそんな風に言ってもらえるなんて、すごく嬉しいですよ』

小鳥「むぅ、そっちだけ顔色が見えないのはズルいです……」

P『あはは……男の赤面なんて、見ても愉快なものじゃありませんよ』





P『しかし……さっきの4人には、いろんな意味で驚かされました』

小鳥「そうですね。まず響ちゃんですけど……。普段もちょっと抜けてる所はあったりもしますけど、さすがにあれは……」

P『ええ。気を張っていないと、あそこまで弱気になるもんですかね。あれじゃまるで幼児退行だ』

小鳥「案外あれが、響ちゃんが動物をたくさん飼ってる理由だったりするんでしょうか」

P『アニマルセラピーですか?』

小鳥「沖縄にいた頃からあんな感じだったのか、東京に来て悪化してしまったのかはわかりませんが……」

P『俺としては、さっき見た響のほうが演技だと言われたほうが、まだ納得できるんですが』

小鳥「その辺りはなんとも言えませんけど……でも演技であんなに泣けるんだとしたら、本当に響ちゃんはアイドルとして完璧ですね」

P『ははっ、たしかにそうですね』





P『あずささんは……タバコ吸ってたんですね』

小鳥「今日まで全然気が付かなかったんですか?」

P『ごくたまに、ほんのりタバコの匂いがするなと思ったことはありましたけど……まさか本人が吸ってるだなんて思いもしませんでした』

小鳥「喫茶店の喫煙席に座ってたとか、友達や彼氏が吸ってるとか、可能性はいくらでもありますもんね」

P『はい。それにあずささんのイメージとタバコを結びつけることがどうしてもできなかったので……』

小鳥「無理もありませんよ。私も最初はすごくびっくりしましたから」

P『個人的にはタバコはやめてほしいですけど、あずささんも俺に言われるのはイヤでしょうし……』

小鳥「もしかしたらプロデューサーさんに言ってもらうのを待ってるのかもしれませんよ?」

P『だったら嬉しいですけど、さすがにそれは……』

小鳥「ふふっ、どうでしょうね?」





P『真と伊織は、口調まで変わることはなかったですけど……』

小鳥「真ちゃんが最初に言っていた、雪歩ちゃんについては……あずささんの言う通り、拗ねてたからなんでしょうか?」

P『そうであってほしいですけど……』

小鳥「じつは真ちゃんと2人っきりの時は、雪歩ちゃんも本当の顔で接してるのかもしれませんよ」

P『……けっこう最悪の想定ですよね、それ』

小鳥「みんな仲が良いに越したことはないんですけどね。でも、なかなかそうはいかないことも多いのが実際です」

P『まぁ……そうですね。でも俺は……』

小鳥「みんなを信じる、ですか」

P『はい!』





小鳥「ところで伊織ちゃんの好意……いえ、もう“愛”と言っちゃいましょうか。それはどう受け止めるつもりですか?」

P『……まだ考えがまとまってないというか、理解が追い付いていないというか』

小鳥「誕生日にベッドでもあげたらどうですか? すごく喜ぶと思いますけど」

P『どんな変態ですか。もういろいろと大惨事になりますよ、それ』

小鳥「でしたら、ちょっとだけ抱きしめてあげるというのは?」

P『多分、罵られた挙句に蹴られそうですけど……伊織が喜ぶのなら、いつかやってあげてもいいかもしれません』

小鳥「それがいいですよ。嫌われてるって思わせたままじゃ、伊織ちゃんの精神衛生上 よくありませんからね」

P『そうですね。最低でも、その誤解は早いうちに解きたいと思います』





P『……あと、これは言おうか言うまいか悩んでたんですけど……』

小鳥「はい?」

P『俺は今、音無さんのデスクの下にいますよね』

小鳥「ええ、そうですね」

P『そして音無さんは、そのデスクの前で椅子に座っています』

小鳥「はい」

P『……あの、ですから……その……』

小鳥「?」

P『常にってわけじゃないんですけど、時々、その……音無さんってスカートが短いですから……』

小鳥「………………」



小鳥「きゃあっ!?」/// バッ!!





P『あ、いえ、逆光でほぼ見えないですけどね!? 四捨五入したら見えてないってことになります!!』

小鳥「う、くっ……! そんなフォローはいりません……!」/// プルプル

P『す、すみません! 見るつもりじゃなかったんですけど、たまたま見上げたら……!』

小鳥「うぅぅ……! だ、誰にも見せたことないのにぃ……!」/// ジワッ

P『すみません! すみません!!』


小鳥「…………まぁ……いいです」





P『え?』

小鳥「わざとじゃありませんし、これは事故ですから」

P『は、はい……ありがとうございます』

小鳥「それに、いい歳して「きゃあ」じゃありませんよね……こちらこそ、お見苦しいものをお見せしてすみませんでした」

P『いや、お見苦しいだなんて、そんな……』

小鳥「ですが、もしプロデューサーさんの気が咎めるというなら……今度、飲みに誘ってください。それでお互い、水に流しましょう」ニコッ

P『……! はいっ! ぜひ、そうさせてもらいます!』

小鳥「ふふっ、楽しみにしてますね」///



 ガチャッ



小鳥「!」




↓+2 続いて事務所に現れた765アイドルは……





律子「おはようございます!」


小鳥「律子さん、おはようございます」ニコッ

律子「おはようございます、小鳥さん。……あれ、小鳥さんだけですか?」

小鳥「はい。アイドルのみんなは、ついさっきお仕事に向かいましたよ。プロデューサーさんも今日1日いませんから、今は私たちだけですね」ニコッ

律子「そうですか……」


律子「……」



律子「>>224


ぷろでゅーさぁ…………




律子「ぷろでゅーさぁ…………」


小鳥「り、律子さん?」

律子「……あ、いえ、なんでもありません! 今日は2人で頑張りましょう!」

小鳥「は、はい! プロデューサーさんの分まで、キリキリ働いちゃいますよ」ニコッ

律子「そうですね。小鳥さんが妄想を控えてくれれば楽勝です」

小鳥「ピヨッ!? が、がんばります……」

律子「ふふ、冗談ですよ。さ、仕事仕事!」スタスタ





 ・・・・・・



律子「……」


 カタッ


律子「……」


小鳥「あのぅ……ペン、落としましたよ?」

律子「え? あっ……」

小鳥「はい、どうぞ」スッ

律子「す、すみません。ありがとうございます」

小鳥「考え事ですか?」

律子「い、いえ……あっ、お茶淹れてきますねっ!」ガタッ

小鳥「え? あ、ありがとうございます……」





 ・・・・・・



P「どうやら律子はいつも通りみたいですね」

小鳥「そう見えますか?」

P「え?」

小鳥「心ここにあらずというか、うわの空というか……。普通ではないのは確かですよ」

P「はぁ……」



 ガチャッ


小鳥「!」



↓+2 続いて事務所に現れた765アイドルは……





やよい「うっうー! おはようございまーっす!」ガルーン


小鳥「あら、おはようやよいちゃん」ニコッ

やよい「おはようございます! あれ、まだ誰も来てないんですか?」キョロキョロ

小鳥「さっきみんな出て行ったところなのよ。あと、律子さんは給湯室で、プロデューサーさんはおやすみね」

やよい「あっ、そういえばそうでした! 今日はプロデューサー、おやすみなんでしたね!」

小鳥「ええ、そうね。だから今日1日は、私たちだけで乗り切りましょう」ニコッ



やよい「……」



やよい「>>240


この糞忙しい時に休むとかあいつマジ使えねーな

今日はここまでです ありがとうございました




やよい「この糞忙しい時に休むとかあいつマジ使えねーな」


小鳥「ピヨッ!?」

やよい「さえずるな」ジトッ

小鳥「は、はいぃっ!」ビクッ

やよい「ったく、社会人なら足がもげても胃が潰れても出勤してこいっつーの」スタスタ

小鳥「……は、はぁ」

やよい「おめーもボサっとしてんじゃねーよ音無ぃ! 勤務時間内だろーが! 給料貰ってんなら働け!!」

小鳥「は、はいぃ! すみませんでした!!」ダッ

やよい「ちっ。……ったくよー」スタスタ





律子「あら、やよい。おはよう」


やよい「おはよう、律子」ペコッ

律子「今日もきっちりジャスト15分前に到着ね。流石だわ」

やよい「社会人なら当然だろーが。むしろできてねーあいつらが駄目なんだ」


小鳥「ま、まぁ、みんなはまだ中学生だから、その辺は……ね?」


やよい「あ゛?」ジトッ

小鳥「ピヨッ!?」ビクッ





やよい「中学生だろーが小学生だろーが、労働に対して対価が支払われんなら、それはもう社会人なんだよ! 年齢なんてかんけーねー!」

やよい「そして対価を受け取る以上は、最善の成果をもたらすよーに最大限ジンリョクすんのが社会人の使命だろーが! それが金を貰うってことだろ!」

やよい「学校があるからとか、家が遠いからとか、眠いとか、腹減ったとか、そんなことはファンの皆さんにはなんもかんけーねーんだよ!」

やよい「1人でも多くのファンの皆さんに笑顔になっていただくだめに、寝食も骨身も削って夢をお届けするんだ!!」

やよい「それがアイドルだろ!!」


やよい「わかったか音無ぃ!!」



小鳥「は、はい……申し訳ありまぜんでじだ……」グスッ


律子「中学生に怒られて泣かないでくださいよ……」





やよい「ったく、なのによー、あいつ今日は休みやがって……マジ使えねー」

律子「プロデューサーのこと?」

やよい「そーだよ。この糞忙しい時に……」

律子「でもきっと、なにか仕方ない理由があるんじゃないかしら」

やよい「んなこたーわかってんだよ。っつーか、だからこそだよ」

律子「え?」

やよい「あいつが仕事を休むなんて、よっぽどだろ……だからみんな、なにがあったのかってそわそわして仕事が手に付かなくなる。おめーもそーだろ、律子」

律子「……」

やよい「社会人なら、せめて休みの理由くらい言っとけよな。じゃねーと…………ちっ」ポリポリ





やよい「おい音無。おめーなんか聞いてねーのかよ」

小鳥「えっ!? えっと……怪我や病気じゃないってことだけは聞いてます……」

やよい「じゃあ忌引とかか? まさか身内が……そりゃ仕事どころじゃねーか……」

小鳥「え、ええっと……」

やよい「ちくしょー、あいつふざけやがって……なんか話せよ、仲間だろーが……」

小鳥「……」


小鳥(殴られる……真実がバレたら絶対、プロ意識がべろちょろ提げて歩いてるみたいなやよいちゃんに殴られる……!!)ガタガタ





やよい「あいつがいねーと、一部のやつらがマジで糞ぽんこつになっかんなー」

律子「……まぁ、そうね。プロデューサーはみんなの精神的支柱になってるところがあるから」

やよい「我那覇とか如月とか、あいつらほんとマジでひでーだろ。今日はちゃんと働けてんのか?」


小鳥「響ちゃんはプロデューサーさんからのメールで立ち直って、千早ちゃんは春香ちゃんが……」


やよい「あー、春香な。そっかそっか、春香がいるなら大丈夫だな、うん」

小鳥「それから伊織ちゃんは、響ちゃんにプロデューサーさんのハンカチを貰って元気に……」

やよい「……伊織ちゃん……伊織ちゃんなー。……マジでどーしてあんなんなっちゃったんだろーな……」ガクッ

小鳥「さ、さぁ……」


小鳥(……どうしてやよいちゃんの取り巻きの子だけ、ピンポイントで病んでるのかしら)





やよい「……で、律子は大丈夫なのかよ?」

律子「えっ?」ビクッ


小鳥「そういえば律子さん、さっきは調子が悪そうでしたけど大丈夫ですか?」


律子「や、やだなぁ、大丈夫ですよ! 私はいつも通りです!」ニコッ

やよい「……ふーん……まーいいや。大丈夫ってんなら仕事しろよおめーら」スタスタ


小鳥「は、はい……」



 ガチャッ



小鳥「!」




↓+2 続いて事務所に現れた765アイドルは……





美希「おはようなのー!」


小鳥「美希ちゃん、おはよう」ニコッ

美希「おはよう小鳥。なんで涙目なの?」

小鳥「え、いや、これはその……」

美希「……あれ?」キョロキョロ

小鳥「プロデューサーさんなら、今日は1日いないわよ?」

美希「え、そうなの!?」

小鳥「一応、連絡は行ってると思うんだけど……」

美希「そっか、そうなんだ……」


美希「……」



美希「>>297


ハニーいないなら義足の手入れするね。
両方義足は不便だしショージキ痛いの。
十歳のあの頃に戻りたいの…あふぅ




美希「ハニーがいないなら義足の手入れするね。両方義足は不便だしショージキ痛いの」スタスタ


 カチャッ カチャッ ベリベリッ



小鳥(すみません、しばらく段ボールに上着をかけますね)パサッ

P『!』



美希「十歳のあの頃に戻りたいの……あふぅ」

やよい「ばーか、みんなそう思ってるっつーの。お湯いるか?」

美希「ありがとね、やよい」ニコッ

やよい「律子、さっきお茶淹れてたよな?」スタスタ


律子「ええ、ポットにまだお湯があるはずよ」





律子「はい、つまようじ」スッ

美希「ありがとなの、律子……さん」ニコッ

律子「調子はどう?」

美希「ん~、まぁまぁってカンジ。むしろ、律子さんにはどう見える? ミキ、どこからどう見ても美少女かな? アハッ☆」

律子「はいはい、どこもおかしくないわよ」

美希「も~、ノリが悪いの」プクッ





 ・・・・・・



やよい「ほら、ぬるま湯とタオルな。手伝ってやる」コトッ

美希「いつもありがとね、やよい」

やよい「べつに。おめーはそんなに好きじゃねーけど、アイドルとしては尊敬してっかんな」

美希「そうなの? いやん、照れちゃうの」///

やよい「ったく。……それにしても、いつ見てもマジですげー義肢だな。リアルすぎて逆に怖えーよ」

美希「デコちゃんには頭が上がらないの」

やよい「そりゃいつも寝てっから、頭は上がんねーだろーよ」

美希「てへっ」ペロッ





美希「ミキは足だけじゃなくて全身の傷を隠してるけど、さすがに変身においてはやよいには及ばないの」

やよい「は?」

美希「人前に出たときのやよいは、もうまるっきり別人だもんね」

やよい「そりゃおめー、ファンの皆さんに元気を与えんだから、こっちは100倍元気じゃねーとな」

美希「やよいは相変わらず真面目だね。でも、そんなに豹変するんじゃ、家族になにか言われないの?」

やよい「ばか言え、家でもあのテンションだっつの」

美希「え、そうなの!?」

やよい「ったりめーだ、こんな口調じゃ教育にわりーだろーが! ……あの子たちには立派に育ってもらって、大学行かせんだかんな」

美希「へ~、やよいは大学どうするの?」

やよい「べつに中卒でいい。でもあの子たちの大学までの学費は、なんとしてでも稼ぐ……!!」

美希「……そっか」ニコッ





美希「やよいはすっごく偉いの。ミキなんか、自分の事で精一杯だよ?」

やよい「安心しろって、ファンの皆さんはそう思ってねーよ。ちゃんとみんなに……」

美希「ううん、そうじゃなくって」

やよい「?」

美希「ミキは恋に生きる女だから、ハニーのハートを射止めるのが最終目標なの☆」

やよい「……そーゆーことか」

美希「ミキはホントは傷だらけで、この可愛さは嘘だけど……それでもきっと、ハニーは愛してくれるから。ううん、惚れさせて見せるから!」ニコッ

やよい「その自信、伊織ちゃんにも分けてやりてーな。……まぁ、確かにおめーは可愛いよ。でも応援して下さってるファンの皆さんは裏切んじゃねーぞ」

美希「うんっ!」





律子「……2人とも、強いですね」

小鳥「そうですね。でもきっと、1人だけの力じゃなくって、支えてくれる人たちがいるからこそだと思います」

律子「支えてくれる人……」

小鳥「律子さんも、十分強いですよ」ニコッ

律子「いえ、私は……」



 ガチャッ



小鳥「!」



↓+2 続いて事務所に現れた765アイドルは……





真美「おはおは→♪」ビシッ


小鳥「真美ちゃん、おはよう」ニコッ

真美「や→や→、おはよう小鳥くん! おはよう諸君!」ビシッ

小鳥「ふふっ、今日も真美ちゃんは元気ね。亜美ちゃんは一緒じゃないの?」

真美「コンビニ寄ってくるってさ! ……あれ、そういえば兄ちゃんがいないのって今日だっけ?」

小鳥「ええ、そうよ。今日はプロデューサーさんが1日いないから、律子さんに送ってもらってね」

真美「んー、そっかそっかー」


真美「……」



真美「>>328


ちょっと聞いてよピヨちゃーん!
この前買ったおもちゃあれちっとも良くなかったんだよ!
なんて言うか、振動が弱いし形もイマイチだし。
これならマッサージ機の方が全然ましだyo!




真美「ちょっと聞いてよピヨちゃーん! この前買ったおもちゃ、アレちっとも良くなかったんだよ!」


小鳥「ピヨッ!?」///

真美「なんて言うか、振動が弱いし形もイマイチだし。これならマッサージ機の方が全然ましだYO!」

小鳥「ちょ、ちょ、ちょっ……!? な、なにを言ってるの真美ちゃん!?」


律子「……小鳥さん?」ピキィ…!!


美希「え、なに? どういうこと?」キョトン

やよい「さぁ……?」キョトン





律子「小鳥さん……ちょっとこっちで話し合いましょうか」

小鳥「ええっ!? 知りません知りません! 私は無実です!」

律子「後ろ暗い人はみんなそう言うんです。観念してください」

小鳥「ピヨーっ!?」



真美「なーんだ、やよいっち隊長とミキミキしかいないんだ。いおりんとかゆきぴょんがいれば、もっと面白いことになったのにな→、ちぇっ」

やよい「よくわかんねーけど、さっさと音無を助けてこい。仕事できねーだろーが」

真美「いえっさー隊長!」

やよい「ったく……」





 ・・・・・・



小鳥「ううっ、ありがとうやよいちゃん……」シクシク

やよい「いーからほら、さっさと仕事しろ」

小鳥「は、はい!」

やよい「さてと、じゃあ時間まで掃除でもしてっかな」スタスタ


真美「やよいっちはいっつも事務所のお掃除してるけど、それって事務員のピヨちゃんのお仕事なんじゃないの?」


小鳥「ピヨッ!?」

やよい「そういうところも多いけどな。でも職場の掃除ってのは本来、職員全員がやるべきだろ。社長も派遣もバイトもかんけーねーよ」





律子「……頭が上がらないわ」


やよい「いーんだよ、べつに。……それに音無から給料も貰ってるしな」

真美「え、そ→なの!? それって、時給いくら?」

やよい「日給100円だ」

真美「え……。ちょっ、小学生のお駄賃じゃないんだから……」

やよい「1円だろーと100万円だろーと、かんけーねーよ。対価として金を受け取る以上は、全力でやるまでだ」



小鳥「やよいちゃんには、いつもお世話になってます……」

律子「小鳥さん、あとで話がありますから」

小鳥「結局ですか!?」





美希「よし、お手入れおしまいなの! やよい、ミキもお掃除手伝うよ。さっきのお礼!」ニコッ

やよい「いいって、べつに。おめーはいつもみてーに寝てろよ」

美希「まぁまぁ、遠慮しないの!」

やよい「……じゃ、窓でもやるか」

美希「はいなの♪」



 ガチャッ



亜美「はろはろ→! おまたせ諸君!」






小鳥「あら、おはよう亜美ちゃん」ニコッ

亜美「おはようピヨちゃん!」


やよい「おせーんだよおめー! 時間ギリじゃねーか! せめて5分前行動しろよ!!」


亜美「うわわっ!? ……あれ、やよいっちが隊長モードってことは、兄ちゃんいないんだ?」

小鳥「ええ、前に連絡した通り、今日は1日プロデューサーさんはいないわ」

亜美「あ→、そういえばそうだったYO!」


亜美「……」



亜美「>>345



律子さん、先週お借りした本、とてもためになりました。ありがとうございました

今日はここまでです ありがとうございました




亜美「律子さん、先週お借りした本、とてもためになりました。ありがとうございました」ペコッ


律子「あら、もう読んだの?」

亜美「はい。とても興味深い内容でしたので」

律子「それは良かったわ。亜美も資格取ってみる?」

亜美「まずは知識をインプットすることに専念しようと思っています。プロデューサーになる上では、資格は必要ありませんから」

律子「……そうね。まずは育ち盛りの今、どれだけ吸収できるかよね。じゃあ、はい。次の本」スッ

亜美「ありがとうございます!」





真美「ピヨちゃん、先週お借りした薄い本、とてもネタになりました。ありがとうございました」ペコッ


小鳥「ピヨッ!? も、もう読んだの?」

真美「うん! すごい興味深い内容だったからね!」

小鳥「それは良かったわ。真美ちゃんも描いてみる?」

真美「まずは既存のカップリングを研究することに専念しようと思ってるよ! 事務員になる上では、作家歴は必要ないしね!」

小鳥「……そうね、まずは妄想盛りの今、どれだけ熟成できるかよね。じゃあ、はい。次の薄い本」スッ

真美「あじゃじゃーす!」





 ・・・・・・



小鳥「……ずみまぜんでじだ」グスッ


律子「この本は社長に預かってもらうので、後ほど社長に事情を説明して返却してもらってください」

亜美「律子さん、今後事務所でこういった不潔な内容の会話をしたら罰金とかにしましょう」

律子「そうね、1フレーズ500円とかにしましょう」


真美「え→!? ただでさえ学校以外で下ネタにノってくれるのが、まこちんとあずさお姉ちゃんだけしかいなくて寂しい思いしてるのに!」


亜美「真美、学校で品のない友人と付き合うのはやめなって何度も忠告してるでしょ。いい加減パパに言いつけるから」

真美「ぶ~っ、オーボーだ!! 圧政には屈しないぞ!」

亜美「じゃあ兄ちゃんに言いつけるから」

真美「申し訳ございませんでした、勘弁してください」





 ・・・・・・



真美「この前、股からレバーが出てきてさ~……とか言ったら下ネタかな?」

やよい「よくわかんねーけど、それ、あいつにも言えんのか?」

真美「あいつって?」

やよい「あいつって言ったらあいつだろ。Pだよ」

真美「……い、言えない」

やよい「じゃあダメなんじゃねーのか? あとマジで出たんなら病院行けよな」

真美「ん~……。ところでさ、やよいっち隊長」

やよい「あ?」

真美「なんでやよいっちといおりんって、兄ちゃんのこと名前で呼ぶの?」

やよい「……伊織ちゃんのがうつったんだよ。わりーか」

真美「ふ~ん?」

やよい「なんだよ」

真美「べっつに→?」





亜美「律子さん、大丈夫ですか?」

律子「え、なにが?」

亜美「プロデューサーに、例の件はもう相談しましたか?」

律子「ぅ、あっ……いや、それは……」///


小鳥「例の件?」


亜美「……このままでは律子さんはずっと言いそうにありませんから、もう私から言ってしまいますね。律子さんが感じている不安のことです」

小鳥「不安……?」

亜美「ええ。プロデューサー業における不安です」


律子「あ、亜美、ちょっと……!」///





亜美「律子さんは竜宮小町の大ヒットによって、とてつもない金額を動かすこととなりました」

亜美「けれどまだ駆け出しプロデューサーで、しかも19歳の女の子。その重圧はかなりのものです」

亜美「自分の決定一つが765プロの命運を握っているということが重荷となって……そのストレスを抱え込んでいたんです」


小鳥「そう、なんですか……律子さん?」


律子「……はい」


亜美「律子さんはそういう部分を表に出せませんからね。なので、同僚であるプロデューサーに頼りたくても頼れずにいたんです」

小鳥「そうだったの……」





小鳥「頼りないかもしれませんけど、一応私も同僚ですし……それに社長だって、喜んで相談に乗ってくれますよ」

亜美「竜宮小町に関する問題を、律子さんだけで抱え込まないでください。私たちみんなで抱えて、乗り越えて行きましょう!」


律子「……みんな」ジーン



美希「え? 律子……さんはハニーに甘えたいんじゃないの?」



小鳥「え?」

亜美「え?」


律子「んなっ……!?」///





美希「時々、子犬みたいな寂しそうな声で、ハニーのこと呼んでるよね。てっきりミキ、そういうことだと思ってたんだけど」


やよい「あー、なるほど確かに……」

真美「律っちゃんって寂しい時、切なそうに「ぷろでゅーさぁ……」って鳴いてるもんね」


律子「そ、そそそそんなことないから!! 断じてないから!!」/// ブンブン


小鳥「……どうやらとんだお節介だったみたいですね。すみません……」

亜美「今度プロデューサーに甘やかしてくれるようにお願いしておきますね、律子さん……」


律子「ち、違いますってば!! 全然違うからーっ!!」///





 ・・・・・・



やよい「なぁおめーら、ビーフストロガノフの作り方ってわかるか?」

真美「えー……? 牛。牛を使う? 味を付けて……オーブンで焼く? 釜で?」

美希「外で食べたことあるけど、あんまりミキの好みじゃないの」

やよい「おー、やっぱおめーらスゲーな。その答え参考にしとくわ」メモメモ

美希「やよいは料理できるし、そこは知らないフリしなくてもいいんじゃない?」

やよい「いやいや、横文字のよくわからん名前の料理だしな。それに知らねー方が可愛いだろ?」





小鳥「……なんだかんだで、結構時間ギリギリになっちゃいましたね」

律子「集合時間に余裕を持っておいてよかったです」

小鳥「さすがは律子さんです」ニコッ

律子「いえいえ。では、そろそろ行ってきます、小鳥さん」

小鳥「はい! みんなの送迎……というより、付き添いですけど。よろしくおねがいしますね」

律子「任せてください! それじゃあみんな、行くわよー!」



小鳥「現場ではみんなの監督おねがいね、やよいちゃん」

やよい「うっうー! まかせてください! 今日もお仕事がんばりまーっす!!」ピョコン

真美「やよいっちはほんまプロやでぇ……」





ガチャッ バタンッ…



小鳥「……と、いうわけで」


 ゴソゴソッ


P「あいててて……ずっと丸まっていたから背骨が……」

小鳥「大丈夫ですか? どうぞ、椅子に座ってください」スッ

P「すみません、ありがとうございます……」





小鳥「それで、どうでしたか? みんなの“裏の顔”は」

P「うーん……そうですね。全体的に、とてもビックリしましたけど……」

小鳥「思ってたよりは酷くない―――ですか?」

P「はい。最初に音無さんが言っていたような、とんでもない子がいるのかもしれないとビクビクしていたんですが……」

小鳥「世の中には実際、そういう子は存在します。ですけど、うちの子たちは裏表があるとはいえ、基本は良い子たちばかりですから」ニコッ

P「そうですね、本当にホッとしました。……あ、いえ、信じてましたけど!」

小鳥「ふふっ、最初のあれは、プロデューサーさんがダメージを受けないように、ちょっと大げさに脅かしてみたんです。怖がらせちゃってすみません」

P「いえいえ、お気遣いありがとうございます」





P「もしも偶然、なにかのキッカケで、誰か1人の“裏の顔”を見てしまっていたら……俺は疑心暗鬼になっていたかもしれません」

小鳥「ええ。なので今回は、一度に全員見てもらおうと考えたんです」

P「音無さん、本当にありがとうございました。俺の知らないあの子たちが見られて嬉しかったです。それから、安心もしました」

小鳥「何度も言いますけど、“人によって態度を変える”というのは、絶対に誰しもがやっている当たり前のことで……」

P「はい。むしろそれができなければ、社会不適合者ってやつでしょう。問題なのは、それを使いこなす当人たちのモラルってことですね」

小鳥「その点は、うちの子たちは心配いりませんね」

P「それは自信をもって頷けます! ……まぁ、あとでちょっと注意しておかなきゃいけない子もいますけど」

小鳥「今日のことも含めて、これからあの子たちのことを見守っていきましょう」ニコッ

P「はいっ!」ニコッ



P「……でも真美に、負の英才教育を施すのはやめてくださいね」

小鳥「は、はい……すみませんでした……」





 ……後日。




雪歩「真ちゃん、はい、お茶」ニコッ

真「ありがと、雪歩!」ニコッ



P「……」スタスタ



貴音「あなた様、まことに本日はニンニク系を食してもよろしいのでしょうか?」

P「ああ。でも口臭はかなり念入りに消してくれよ? ニンニク臭いアイドルなんて、流行らないからな」

貴音「承知いたしました」ペコッ





美希「ハニー! おはようなのーっ!!」ギュッ

P「おはよう、美希。今日も輝いてるな」ナデナデ

美希「わっ!? えへへ、どうしたのハニー? 今日は機嫌いいね」///



律子「プロデューサー、昨晩メールでお伝えした件ですが……」

P「ああ、あれは俺も問題ないと思うぞ。さすがは律子だな!」ポン

律子「……あ、ありがとうございます」///



亜美「兄ちゃんは今日もモテモテですな→!」

真美「一体誰が本命なのか、そこんとこテルミープリーズ!」

P「こらこら、からかうんじゃない。みんな家族みたいなもんさ……少なくとも今はな」





やよい「あうぅ~……み、みなさん、私はぬいぐるみじゃないかなーって……」


伊織「あぁやよい、今日も良い匂いね。落ち着くわ……」ギュゥゥ

響「ふわぁ……うちにやよいを持って帰りたいぞ」ナデナデ

千早「高槻さんとてもかわいいわどうしてこんなに愛らしいのかしらこれは美の到達点と言って過言ではないのではないかしら」ジー


P「おおぅ……今日も仲が良いな、お前たち……」


やよい「あっ、プロデューサー!!」トテテ、ギュッ

P「うおっ」

やよい「ハイ、バトンターッチ!」スッ

P「……い、いぇい?」パチンッ





 ・・・・・・



やよい「おめーらこっちにいたのか……助けてくれてもいーじゃねーかよ……。 おはよう、春香、あずさ」ペコッ


春香「はよ」グデーン

あずさ「ん」クッチャクッチャ


やよい「あ゛~……ちくしょー、Pが来てくれて助かったぜー」ドサッ

あずさ「べつにあの3人相手に猫被ることはないだろ」

やよい「ばか言えよ、そしたらあいつらのモチベが下がって事務所にダメージ、ひいてはファンの皆さんに迷惑かかるだろーが」

春香「うわ出た、真面目」





やよい「っつーか、おめーらテンション低くねーか」

春香「3日目」

あずさ「ヤニ切れ」

やよい「……おめーらの女子力は便器と灰皿に捨ててきたのか? っつーか、そもそも―――……んっ」ピクッ



P「おお、3人ともここにいたのか」



やよい「はわっ、プロデューサー! さっきはありがとうございましたー!」ガルーン

春香「プロデューサーさん、おはようございます! お菓子作ってきたんですけど、よかったら食べてください♪」ニコッ

あずさ「おはようございます~。あらあら、ネクタイが曲がっていますよ?」ニコッ





 ……たるき亭にて



P「……というわけで、ちょっとずつですけど……あの子たちとの接し方を、改めてみてるところです」

小鳥「ふふっ、そうですか。素直になれない子もたくさんいますから、積極的に歩み寄ってあげてくださいね」

P「はい! ……あの、ところで」

小鳥「?」

P「結局、音無さんに裏表があるのかどうかって話は、うやむやのままで終わっちゃいましたね」

小鳥「あー、それですか。確かに私だけナイショっていうのは不公平ですよね」

P「え? それじゃあ音無さんにも“本性”があるんですか?」

小鳥「ん~、そ・れ・は♪」




小鳥「もうちょっと酔わせてみたら……わかるかもしれませんよ?」/// ニコッ










小鳥「女子に幻想を抱きすぎですよ、プロデューサーさん」   おしまい。



思ってたのとだいぶ違いましたが、ともあれ完結してよかったです。
ここまでお付き合いいただきましてありがとうございました。

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