男「生徒会長の秘密」(46)
前回、書ききれなかったので
今回は最後まで書きたいと思います
生徒会室
男「こんちわー」ガチャ
会長「やっほー、男君♪」ニャパー
副会長「こんにちは、男君」ニコ
男「おおう、癒されるっ!」
会長「あは、いきなり鼻の下伸びてるよー」
副会長「あらあら、ふふ」
男「そりゃ伸びますとも!」
男「学校No.1とNo.2の美少女の笑顔を見て伸びないはずないじゃないですか!」
会長「わわっ、凄い勢いだね」
男「会長さんと副会長さんのことなら2日は話してられますね」フフン
副会長「そこまで熱弁されると、少し恥ずかしいですね…」
男「恥ずかしがってる副会長さん、マジ天使っす!」
会長「副会長ちゃんが天使なら、会長さんは悪魔かな?」ニャパー
男「会長さんは小悪魔系っすね!」
会長「そこに跪きなさい、この下僕!」ビシッ
男「女王様?!しかし、それも良い!」シュタ
副会長「男君、思考が変態さんになっちゃってます」
会長「凄い速さで跪いてたねー」
男「従順な下僕ですから!」キリッ
会長「あは、男君はいい子だね」ナデナデ
男「でへへ」
副会長「ふふ、会長ちゃんそろそろ本題に移らないと日がくれてしまいますよ?」ニコ
会長「あっ、そうだねー」
会長「男君がノリ良すぎて本題忘れちゃってたよ、ぷんぷん」
男「理不尽に怒られたけど、それも良い!」
副会長「男君…」ジトー
男「おおう、そろそろ切り替えます」キリッ
会長「あは、男君が良い顔になったー」
男「本題の方お願いします」
会長「うんうん、あのね今度使う資料の整理を手伝ってほしいの」
男「資料の整理ですか?」
会長「今日は会長さんと副会長ちゃんしかいないから、ちょっと大変なのー」
副会長「資料も結構、量があってしまって…」
男「そういうことでしたか」
男「手伝わせて頂きます!」ニッ
会長「ありがとー、男君♪」ニャパー
副会長「ふふ、ありがとうございます」ニコ
男「いえいえ、でへへ」
一時間後
男「ふぅ…大体できましたね」
副会長「はい、男君が手伝ってくれて本当に助かりました」ニコ
会長「流石、隠された生徒会メンバー男君だね♪」
男「おぉ、俺なんかカッコいい!」
会長「役職名は、庶務係」
男「一気にカッコ悪い?!」
副会長「ふふ、でも男君は庶務のような仕事が向いてるかもしれませんね」
男「えっ、そうっすか?」
会長「うんうん、男君すごい速さで整理していくから会長さん驚いちゃった」
男「スーパー庶務マスターとお呼び下さい」キリッ
会長「あは、バージョンアップだー」ニャパー
副会長「あらあら、ふふ」ニコ
男「それにしても他の役員はどうしたんすか?」
会長「みんな他の仕事に行っちゃってて…はい、お菓子どーぞ」サッ
男「どもっす」モグモグ
副会長「もうすぐ文化祭もありますから、忙しくなりますね」
会長「うんうん、今年の文化祭楽しみだよね」モグモグ
男「生徒会も企画作りに参加してるんすよね?」
会長「してるよー、会長さんも一杯アイデア出してるの」
男「それはかなり楽しみっす!」
会長「文化祭の準備の時は、力を貸してねスーパー庶務マスター♪」ニャパー
副会長「ふふ、頼りにしてます」ニコ
男「任せちゃって下さい!」
会長「さてさて、会長さんとしてはそろそろ生徒さんを帰らせないと行けない時間なのだ」
男「おおう、いつの間にかこんな時間に!」
副会長「それじゃあ、今日は帰りましょう」
校門
会長「じゃあ会長さんはこっちだから」
男「くっ、家まで送ってあげたい!」
副会長「会長ちゃんの家は私と男君の真逆なんですよね」
会長「うんうん、ちょっと寂しいけど仕方ないね…」
会長「男君、しっかり副会長ちゃんを家まで送ってあげるんだよん?」
男「命にかえても送らせて頂きます!」キリッ
会長「あは、じゃあ二人ともばいばーい」
男「さようならっす、会長さん!」
副会長「また明日、会長ちゃん」
男「はぁぁ、会長さん相変わらず可愛いっすね」トコトコ
副会長「男君、顔がだらしなくなってますよ?」トコトコ
男「おっと、すみません」
副会長「でも同性の私も会長ちゃんは可愛いな、と思ってしまいます」ニコ
男「ですよねですよね!」
男「でも、副会長さんも負けないくらい可愛いですよ」
副会長「あっ……//」
男「どうしましました?」
副会長「……いえ、突然だったので」
男「でも、本当のことですから」ニッ
副会長「……ふふ、ありがとうございます」ニコ
男「いえいえ」
男「もうすぐ文化祭、頑張りましょうね」
副会長「はい…!」
翌日の放課後 二年生の教室
男「よし、行くか!」ガタッ
女「まーた、生徒会室?」
男「おうよ」
女「あんたも良く行くわね」ハァ
男「麗しの会長さんと副会長さんに会いに行かねば!」
女「麗しのって…」
女「ほんと好きよねー、特に会長さんのこと」
男「会長が嫌いな奴なんて、この学校にいないと思うんだ……」
女「なに黄昏てんのよ……」
男「とにかく、みんな会長大好きなんだよ!」
女「まぁ、私も大好きだけどさー」
男「……お前レズなのか」
女「蹴り飛ばすわよ?」
女「こっちが好きでも会長はわかんないじゃない」
男「はぁ、お前は何もわかってない」
女「……何よ」
男「あの会長さんだぞ?」
男「生徒と学校も先生すら大好きに決まってんだろ!」
男「学校と生徒の為に仕事してくれてんだよ」
女「ま、『仕事』してるのはわかってんだけどね」
男「……?」
生徒会室
会長「はぁ……」
何だか久しぶりに憂鬱な気分になった。
今は一人だからいいけど……。
会長「こんな顔してちゃダメだよね」
椅子に座ると今朝、下駄箱に入っていた手紙に目を通す。
綺麗な字で、そこには『会長』に対する気持ちが綴ってあった。
会長「暫くなかったから、もう来ないと思ってたんだけど……」
全部読み終えても、特に感想はなかった。
手紙には『会長』に対する強い想いが込められてる。
でも、どんなに素敵な言葉を並べても、『私』の心は何も感じなかった。
会長「普通の女の子なら喜ぶよね、ラブレターなんて」
喜べない、それが『私』の素直な感想。
会長「いつも通りな感じでいいかな…」
ガチャ
会長「ひゃゎ?!」ビクッ
会長「お、男君…?」
男「どうしたんすか会長、変な声出して?」
会長「ノックも無しに入ってくる狼藉者に驚いちゃって」
男「切腹致します」キリッ
会長「あは、武士だね男君」ニャパー
男「ところで会長さん、その手紙は?」
会長「ふっふっふ、知りたい?」
男「し、知りたいっす…!」ゴクリ
会長「これは…犯人からの犯行予告なのだー」キラン
男「な、なんだってー?!」
男「って、ラブレターでしょ!」
会長「あうっ…わかっちゃった?」
男「バレバレです」
男「…どうするんすか?」
会長「どうするって?」
男「いや、だから…付き合うんすか?」
会長「んー」チラッ
男「……………」ソワソワ
会長「男君は会長さんが付き合ったら嫉妬しちゃう…?」
男「そりゃしますよ!相手の男をふるぼっこにしたいくらい!」
会長「暴力しちゃうのん…?」
男「うっ…じゃあ上履き隠すとか」
会長「いじめちゃうんだね…」
男「ううっ……」
会長「男君が嫉妬に苦しむのは可哀想なので」
会長「この子にはごめんなさい、するね」ニャパー
男「えっ、でもいいんすか?」
会長「…うん、会長さんには必要ないから」
男(必要ない?)
トントン
会長「はいはーい」
副会長「こんにちは…あっ、男君早いですね」ニコ
会計「なに、男きてんの?」ヒョイ
男「こんちわっす、副会長さん、姉御!」
会計「姉御言うな!ちゃんと会計って言え」ペシ
男「すいませんでしたー!」ペコ
会長「綺麗な最敬礼だね」ニャパー
会計「絶対まだわかってないな、こいつ」グリグリ
男「痛いっす?!」
副会長「ふふ、お茶用意しますね」
男「はぁぁ、お茶が上手い」ズズッ
会長「男君、お爺ちゃんみたいな顔してるよん」
男「お茶が上手いのう」ズズッ
副会長「ふふ、たくさん飲んで下さいね」ニコ
会計「で、何で男が生徒会室にいるんだ?」ズズッ
男「麗しの会長さんと副会長さんの顔を見に来ました」
会計「ほほう、あたしの顔はどうでもいいと…?」
男「姉御の顔めちゃくちゃ見たかったっす!」
会計「わざとらしいし姉御言うなっつうの!」
男「まぁ、文化祭とか近いですし少しでも生徒会の力になりたいと思いまして」
副会長「男君にはすごく助かっちゃってます」
会長「うんうん、生徒会には男君の力が必要なのだー」
男「そ、そうですか…?でへへ」
会計「ふぅーん…なるほどね」チラッ
会長「まーた、ニヤニヤしてー」ニャパー
男「すいません、でへへ」
会計「…………」ズズッ
会計「さてと、じゃあ男手伝え!」
男「いきなりっすね!いいですけど」
会計「会計は資料多いからなー」
男「俺に任せといて下さい」
会計「んじゃ、全部頼むわ」
男「投げやり?!」
会計「やってくれるんだろ?」ニコ
男「くっ、うおぉぉぉぉ!」シュッ
会長「………………」
副会長「会長ちゃん、嬉しそうですね」ニコ
会長「ふぇ?」
副会長「男君、ですね?」
会長「あぅ…」
副会長「ふふ、今の会長ちゃん男君みたいに顔がにやけちゃってますよ」クス
会長「ほ、ほんとに?」サワサワ
副会長「はい」ニコ
副会長「最近の会長ちゃんは男君といると楽しそうに見えます」
会長「楽しい……のかな」
会長「副会長ちゃんは男君といると楽しい…?」
副会長「私、ですか?」
副会長ちゃんは一瞬驚いた顔をした。
今の質問、おかしかったかな…?
副会長「楽しい、ですよ」ニコ
会長「ふーん…そっか」
副会長ちゃんも同じ気持ちなんだ…。
二時間後 校門
男「それじゃ、お疲れ様でした」
副会長「また明日、会長ちゃん、会計ちゃん」
会計「また明日な」
会長「ばいばーい!」
男「会長さんと会計さんて同じ方面なんすね」
副会長「マンションでお隣同士らしいですよ」
男「えっ、そうなんすか?」
会計「…………」トコトコ
会長「…………」トコトコ
会計「何か困ったことあったろ」
会長「えっ?」
会計「それで良いこともあったろ」
会長「うぅ……」
会計「それでもって困ったことに踏ん切りつけられただろ」
会長「…………会計ちゃん、エスパー?」
会計「なんだ、知らなかったのか?」ニコ
会計ちゃんとは昔からの友達。
だから、隠し事も直ぐに見抜かれる。
会長「会長専用エスパーさんだねん」
会計「ま、エスパーなくても会長の考えてることなんてわかるけどね」
会長「…………そんなに分かりやすいかな?」
会計「分かる人には分かるんだよ」ナデナデ
会長「……そっか」
翌日の放課後 二年生の教室
男「よし、今日も行くか!」
会長「どこに行くのん?」
男「そりゃ、もちろん生徒会…って会長さん?!」
会長「会長さんだよー」ニャパー
男「な、なぜこのような場所に…」
会長「男君に会いにきたの…」
男「ふぉぉぉぉぉ!」
会長「あはっ」ニャパー
モブ1「……」カチャ
モブ2「……」ギラッ
モブ3「……」ガシャン
男「お前ら無言で武器構えんな!」
男「本当は何しに来たんですか?」
会長「男君をデートに誘いに来ちゃった」ニャパー
男「なんだ、デートか……」
男「……………デート?!」
会長「うんうん!」
モブ1「殺るしかねーな」
モブ2「だよな」
男「お、おおおお落ち着けお前ら?!」
女「あんたが落ち着きなさいよ」ハァ
女「こんにちは、会長さん」ペコ
会長「こんにちは、女ちゃん」ニャパー
女「本当に男をデートに誘いに来たんですか?」
会長「そうだよー」
男「ふぉぉぉぉぉ!」
女「あんたはうるさい!」ベシ
会長「男君、予定とかあっちゃうのかな?」
男「ないっす、全然ないっす!」
会長「良かったー」ニャパ
女「…ねぇ男、私ともいつかデートしてね」ギュゥ
男「ちょっ、女?」
会長「……………」ピク
女「…………ふーん」ジィ
女「ほら、さっさとデート行ってきなさい」バッ
男「…?」
会長「……………」
外
会長「じゃあ、デートに出発♪」
男「おー!」
会長「えいっ!」ギュッ
男「か、かかか会長さん?!」
会長「デートといえば腕組みだよねん」ニャパー
男「う、腕に柔らかい感触がぁぁ!」
会長「んー?」ムニュムニュ
男「……ここで死んでもいい」
会長「大袈裟だよ、男君」
男「でへへ」
男「それで、どこに行くんすか?」
会長「それはー、行ってからのお楽しみ」
男「了解っす、楽しみにしてますね
!」
会長「……いいのん?つまんないかもしれないよ?」
男「会長さんと二人ならどんな場所でも楽しいっすから」ニッ
会長「……そっか」ニコ
男「?!」
男(なんか今の会長さんの笑顔、いつもと違う感じが……)
会長「じゃあ、心霊スポット行こっか!」ニャパー
男「心霊スポット?!」
会長「夜な夜な幽霊が現れる死の病院…」
男「ひぇぇ」ブルブル
会長「怖がってる?」
男「そ、そんなこと…!」
会長「男君の後ろに髪の長い女の人が…」
男「えぇぇぇぇ?!」バッ
会長「男君には見えないみたい」
男「会長さんには見えるんですか?!」
会長「会長さんだからねん」フフン
男「なんか説得力ある!」
男「ここら辺に来るってことは、商店街っすか?」
会長「ピンポーン」
男「会長さんと商店街…ワクワクっす!」
会長「しかし残念ながら、イベントは起きないよん」ニャパー
男「起きないなら起こしてやる!」
会長「あは、燃えてるね男君」
男「よーし、まず最初のイベントは…」
会長「……………」
男「ウィンドウショッピングしましょう、会長さん!」
会長「…ちょっとごめん、男君!」バッ
男「えっ、か、会長さん?!」
会長「はぁ…はぁ…!」タッタッ
男君が何かを言っている。
でも、その内容は届かない。
男の子が横断歩道を渡ろうとしていた。
ただ、それだけの事だった。
男の子は走り出していた。
点滅する信号を急いで渡るために。
渡る前に信号は切り替わる。
普通なら止まるはず。
でも、もしかしたら…。
『私』は走り出していた。
男の子「はぁはぁ……!」タッタッ
キキィー!!
男の子「っ?!」
会長「危ない!」グイッ
男の子「わっ…?!」
男「会長さん!!」バッ
会長「はぁ…はぁ…」ギュゥ
男の子「…………」ブルブル
男「大丈夫ですか?」
会長「うん…君は怪我とかしてない?」
男の子「う、うん…」
会長「無理して渡ろうとしちゃダメだよ」
男の子「ごめんなさい、お姉ちゃん」
会長「よしよし」ナデナデ
男「…………」
男「あの、会長さん?」スタスタ
会長「んー、どうしたの男君?」スタスタ
男「どうしてあの男の子が飛び出すと思ったんですか?」
会長「…………」
男「距離も離れてたし、止まる可能性だってあったじゃないですか」
会長「なんとなく、ね」
会長「危ないかも!って思ったの」ニャパー
男「…………」
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