10月19日 ―765プロ社長室―
P「阪神タイガースのみなさんとの壮行会兼インタビューですか?どうして急に?」
高木社長「じつは私は阪神タイガース中村GMとちょっとした仲でな。」
P「すごいじゃないですか!さすが社長!(2人とも能天気だもんな。類は友を呼ぶってか)」
高木社長「ハハハハハ。ちょっとした仲と言っても私はいいように使われているだけだがね。ただ,せっかく阪神が日本シリーズに進むんだ。中村GMに電話して,ここは私も一肌脱ぎますよ,と。」
P「(ティンときたらすぐ行動するあたりもそっくりだな…。)」
高木社長「懐かしいなあ。彼にはよく雑用をさせられていたよ。ハハハ。」
P「(ある日使えない外国人アイドル連れてきたらどうしよう)それで今回の企画を?」
高木社長「そうなんだ。まさかCSを突破するとは思っていなかったから君に伝えるのは遅れてしまったがね。じゃあ,スケジュール調整は任せたよ!君ィ!」スタスタ
P「無茶振りしてどこかに行ってしまった…。」
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10月20日 ―765プロ―
P「…というわけで,阪神タイガースの日本シリーズ前日インタビューを兼ねて765プロ総出で壮行会をすることになった。」
伊織「はぁ?うちで野球わかるのなんてそこの脳筋だけでしょ!?どうすんのよ!」
真「なっ,失礼な!むしろ知ってることで仕事に役立ってるんだからな!」
律子「やめなさい2人とも。今回はGoing!やNEWS ZEROとの合同取材でかなり話が大きくなってるの。もう断れないわ。」
雪歩「私,大きい男の人に囲まれてうまくインタビューできるでしょうか?心配ですぅ…」
美希「美希はハニーに野球教えてもらえるならラッキーってカンジ♪」
P「すまんな美希。スケジュール調整でずいぶんムチャしたから俺はインタビュー当日まで戻ってこない。」
美希「そんなのってないの!」
P「申し訳ないが,みんなそれぞれどの選手をインタビューするかを決めて,担当選手のことについて自分で勉強しといてくれ!いってきます!」
小鳥「プロデューサーさん,いってらっしゃい」
春香「行っちゃった…。野球のこと全く分からないけどちゃんと覚えられるかな?」
千早「決まったからにはしっかりやりきりましょう。」
亜美「亜美はこの変な名前の選手にするYo!」
真美「真美はこっちの変な選手~♪」
律子「ちょっとあんたら,絶対に失礼のないようにしときなさいよ!!」
10月24日 ―阪神室内練習場―
P「ついに壮行会 兼 日本シリーズ前日インタビューの日になってしまった。」
律子「もうやりきるしかないですよ,プロデューサー殿。」
P「よし,まずは挨拶回りだな。」
赤星「こんにちは!Going!の赤星です!765プロのPさんですか?」
P「はい!今日はよろしくお願いします!赤星さん!」
亜美「うわー。なんかヒトデみたいな名前の人来ちゃったYo!」
真美「なんとなく顔もヒトデっぽいね~」
赤星「」イラッ
P「何言ってんだお前たち!すみません,赤星さん。」
赤星「まあ,いいですよ。…ん?Pさんの後ろにいるのは…監督!」
星野「よう赤星!それにひきかえこのスーツの若造は全く…最近の若いやつは自分から挨拶もできんのか」イライラ
P「(後ろから出てきてそれはねえだろ!)すみません,星野さん。765プロのPです。」
星野「それで?今日はオレもアイドルにインタビューされると聞いたが?」イライライラ
P「はい!やよい,野球評論家の星野さんだ!挨拶しろ!」
やよい「はい!!星野さん!よろしくお願いしまーーす!!!」ウッウー
星野「(かわいい)」
P「よし,一通り挨拶はすませたな。あとはみんなの様子を見まわるか…。」
P「まずは担当の組み合わせをチェックするか。えーと…」
―組み合わせ表―
春香‐新井良
千早‐西岡
真‐能見
雪歩‐藤浪
やよい‐星野
あずさ‐鳥谷
伊織‐新井貴
律子‐ウィリアムス
亜美‐ゴメス
真美‐マートン
美希‐オ・スンファン
響‐福留
貴音‐メッセンジャー
P「なるほど。まずは西岡選手と千早のところに行ってみるか」
―グラウンド―
千早「はじめまして,765プロの如月千早と申します。よろしくお願いします」ニコッ
西岡「西岡です!よろしく!(この子悪くないな)」
千早「さっそく伺いたいのですが,CSでは好調の西岡選手が得点に絡む場面が多く見られました。日本シリーズでもこの調子は維持できそうですか?」
西岡「もちろん!オレが上位打線で勢いに乗れば後ろの打順も勢いづく。日本シリーズでもどんどん打つよ!千早ちゃんとご飯いければもっと打てると思うね。」
千早「そういった明るい性格・発言もチームの雰囲気作りに役立っている気がします。」
西岡「オレはこのチームの中心だからね!ところで千早ちゃん,ちょっと後でご飯行かない?いい店知ってるよ?」ニヤニヤ
千早「…次に失礼な発言があれば私帰ります」
西岡「ごめんごめん。まじめにやるよ」
千早「対戦相手はソフトバンクに決まりましたが,どういった印象をお持ちですか?」
西岡「パ・リーグのチャンピオンだけあって選手層が厚い。こっちはチャレンジャーとして胸を借りるつもりで頑張るよ」
千早「(胸を借りる…?借りれるものならとうの昔に…!!)」
千早「私帰ります」
西岡「え?ちょっと!?」
バッドコミュニケーション
P「千早はなんとか西岡選手のところに戻したが,やはりこの企画難しかったかも知れない…」
P「よし,次は能見選手と真のところに行こう!2人ともまともそうだ!」
真「能見選手は今年の交流戦でソフトバンクと対戦し,6回3失点ながら勝ち星を記録していますね。今回の対戦に向けて参考にしますか?」
能見「いえ,あの時のソフトバンクとはまた違いますから。中村,長谷川,柳田あたりは最近になってようやくデータが揃ってきたし,より新しいものを参考にします。」
P「真は心配なさそうだな。さて次は…」
亜美・ゴメス「イエーーーーーーーーーーーース」
真美・マートン「タイガーーーーーーーーーーース」
P「!!」ビクッ
亜美「ゴメスっちチョーサイコーじゃん!!」
真美「マートンも最高だぜー!!」
ゴメス「イエーース,ンッフッフー!!」
マートン「ンッフッフー!!」
P「こらこら,そこでインタビューしてるから静かに…」
亜美・真美「アイ ドント ライク ノウミサーーン」
マートン・ゴメス「アイ ドント ライク ノウミサーン!!」
能見「」
―ロッカールーム―
雪歩「プロデューサー!助けてください!」
P「どうした雪歩!?」
雪歩「藤浪選手が大きすぎてこわいですぅ」
藤浪の腰辺り「すみません」
P「(確かに藤浪のへそが俺の頭とあまり変わらない高さだ)」
P「うむ,確かにでかいな。だけど,これなら目を合わせられなくても仕方ないからインタビューしやすいんじゃないか?」
雪歩「うぅ…。そうですね。藤浪選手のほうを向いてみます!」クルッ
P「!!(雪歩の目の高さがちょうど藤浪の藤浪の高さに!)」
雪歩「イヤーーーーーー!!」
雪歩「もうダメです!穴掘って埋まってますぅ!」ザクザク
藤浪の腰辺り「落ち着いてください,荻原さ…」ストーン
P「(藤浪選手が穴に落ちた!)」
藤浪「あれ?目線が合うようになりましたね」
雪歩「穴に落ちて同じくらいの身長に…。これならインタビューできますぅ!」
P「(よくわからないけど)やったな!雪歩!」
P「そういえば律子のところはどうなってるだろう?確かジェフ・ウィリアムス駐米スカウトの担当だったよな…」
律子「私はプロデューサーになりたくてアイドルから転身しました。ウィリアムスさんは選手からスカウトに転身されましたよね。もともとスカウトの希望があったんですか?」
ウィリアムス「ワタシハギャクデス。モットナゲタカッタ」
ウィリアムス「デモ,タイガースニノコリタカッタ。イマデモマンゾクデス」
律子「なるほど。ちなみにスカウトの時は選手の未来をどうやってイメージしてるんですか?」
ウィリアムス「ウーーン…タトエバ…」
携帯「」prprprpr
律子「あ,すみません。失礼します」ペコ
律子「もしもし?あずささん?…え?また迷ったんですか?」
P「律子,俺が行くよ。インタビュー続けて」
律子「すみません,ありがとうございます。…じゃああずささん,そこを動かないでくださいね?」ピッ
律子「お願いします。プロデューサー殿」
P「行ってきます」
P「律子はインタビュー充実してそうだったな。何か得るものがあるといいな」
P「さて,あずささんを探さないと…あれ?あそこにいるのは和田監督!」
和田「阪神の和田と申します。765プロの方ですか?」
P「はい,765プロプロデューサーのPです!よろしくお願いします!」
和田「すみません,ドラフト指名挨拶やらドラフトくじ外した批判への対応やらで遅れてしまいました」
P「いえいえ,お忙しいところをありがとうございます」
和田「しかもうちの鳥谷が取材すっぽかして散歩してるらしくて」
P「こちらもちょうど鳥谷選手にインタビューする予定の者が失踪してしまって…こちらこそすみません」
和田「さて,どうしますかねえ。ちょっとしたスパイスですぐに見つけられると思うんですが…」
あずさ「また道に迷ってしまいました~」
鳥谷「」スタスタ
あずさ「まあ,あの方はもしかして鳥谷さんでは?すみませ~ん!」
鳥谷「はい,なんですか?」
あずさ「私,765プロの三浦あずさといいます~。阪神タイガースの鳥谷選手ですか?」
鳥谷「はい。そうです。鳥谷です。(スタイルいいなあ)」
あずさ「よかった~。実は私鳥谷選手のインタビューを担当することになってるんですよ~。よろしくおねがいします~」
鳥谷「はい。そうですか。よろしくお願いします」
あずさ「鳥谷選手は歩くのがお得意と伺いましたが,日本シリーズでもたくさん歩くんですか~?」
鳥谷「はい。たくさん歩きたいです。頑張ります」
あずさ「私,歩いているとすぐに道に迷ってしまうんです~。歩き方のコツを教えてくださいませんか?」
鳥谷「はい。いいですよ。夜までいろいろ教えます」
あずさ「まあ,ありがとうございます~」
鳥谷「いえいえ。それでは(ホテルに)行きましょう」スタスタ
―ホテル前―
上本「あ,か,監督,見つけましたよ!あ,あのー!鳥谷さーん」
スパイス「よし!でかした上本!若手を総動員して走らせれば見つかると思っていたんださあ,戻るぞ」
鳥谷「邪魔が入りました。悔しいです」
―室内練習場―
美希「765プロの星井美希です。よろしくお願いします」
オ・スンファン「オ・スンファンデス。カンコクカラキマシタ。ヨロシクオネガイシマス」
美希「あんまり野球わかんないけど,オ・スンファン選手は何してるの?」
オ・スンファン「(うわー,今の日本語聞き取れなかったわ。何て言ったんだろう?)」
オ・スンファン「(確かこの人はおにぎりと睡眠が好きなアイドルだよな)」
オ・スンファン「オニギリアゲマス」ヒョイ
美希「ありがとなの。普段からおにぎり作ってるの?」モグモグ
オ・スンファン「(ありがとうは聞き取れたぞ!でも後半は聞こえなかったなあ)」
美希「?」モグモグ
オ・スンファン「…」
美希「ん~,おにぎり食べたらなんだか眠くなっちゃったの。あふぅ」
オ・スンファン「(あ,眠そう。ここは隠しアイテムを)」ゴソゴソ
美希「それは…酸素カプセル!」
オ・スンファン「…」ドウゾ
美希「ありがたく使わせてもらうの!」
美希「なんだかさわやかな気分なの…」
オ・スンファン「…(俺何しに来たんだっけ?)」
―食堂―
メッセ「グッドラーメン」ズルズル
貴音「まことよいらあめんです」ズルズル
メッセ「…」ズルズル
貴音「…(さて,めっせんじゃあ選手は日本しりいず第1戦の予告先発に選ばれました。意気込みは?)」ズルズル
メッセ「…(とても光栄です。僕たちにはCSの勢いがある。少し時間は空いたけど,この勢いを続けられるようなピッチングをしたいね)」ズルズル
貴音「…(一方,相手の予告先発は元同僚のすたんりっじ選手ですが,意識していますか?)」ズルズル
メッセ「…(意識しないようにするよ。自分の仕事に集中するさ)」ズルズル
P「(こいつら無言のまま通じ合ってないか?)」
―グラウンド―
春香「はじめまして!私,天海春香です!新井良太選手,よろしくお願いします!」
新井良「はじめまして。新井良太です」
春香「じゃあ早速インタビューを…おっと!」
新井良「(!何もないタイミングで天海さんが姿勢を崩して正面からこちら側にこけそうになっている!)」
新井良「(俺が手を伸ばせば肩を受け止めて助けることができる!)」シュッ
新井良「(よし!しゃがんで捕球体勢に入った!来い!)」
新井良「(…つかみ損ねただと!)」スルッ
新井良「(天海さんの頭が俺の股に!!)」
春香「え?」
ドーン
新井良「ご,ごめんなさい!」アタフタ
春香「イヤーーー」ダダダ
伊織「ちょっとアンタ!春香に向かって何やってんのよ変態!」ゲシッ
新井良「…辛いです」
新井貴「すみません,こいつ守備でもエラーが多くて…」
伊織「何よ変態兄!?」
新井貴「え?」
伊織「アンタ毎年自分から熱い思いしてるんでしょ!?しかもファンの目の前で土下座したりするなんて変態にもほどがあるっての!!」
新井貴「いや,護魔行は嫌だし辛いけど(験担ぎや人付き合いの面で)やめられないんだよ」
伊織「嫌だと思ってやめられないってどんな変態よ!」
新井貴「誤解だって!!」
星野「能見や藤浪はワシが育てたんだよ」
やよい「ほんとですか!?すごいです!!」
星野「ハハハハハ!やよいはかわいいなあ!」
やよい「そんなあ…」
赤星「そろそろ元気だしなよ,天海さん」
春香「いやでも,(春香の)頭が新井良太さんの股に入っちゃいましたし…」
赤星「気にすんなって」
春香「でもさすがにあれは…」
赤星「(新井良の股に春香の頭が)入ってねえーんだよ!!!」
春香「」ビクッ
やよい「」ビクッ
星野「コラァ!!赤星てめえ大きい声だしてやよいを怖がらせるんじゃねえ!!」
赤星「すんません監督!」
闘将星野「すんませんで済んだら壁蹴りいらねえんだよ!!」ドーン
やよい「ダメです!!!仙ちゃん!!!」
仙ちゃん「」ビクッ
やよい「物にあたっちゃダメでしょ!!」プンプン
仙ちゃん「はい…。すんません…(こういうやよいもアリだな)」
―グラウンド(外野)―
響「よーし!次いくぞー!」カキーン
福留「いける!」ダダダダダ
福留「フン!」パシッズサー
響「今のも捕れるのかー!さすがゴールデングラブ賞4回受賞の名手だな!」
福留「今はそれほどでもないけど褒めてくれてありがとう!」ピュッ
響「ドンドンいくぞー!」カキーン
西岡「(千早ちゃんに俺のイイところ見せとかないとな)」
西岡「千早ちゃん,盗塁王3回受賞の俺と短距離走で勝負しない?」ニヤニヤ
千早「盗塁王とったのは2005年,2006年で計2回ですよね?」ムスッ
西岡「ハハハ,千早ちゃん俺のことそんなに調べてくれたんだ~」
千早「早く短距離走しましょう(喋らせたくないから短距離走で時間を潰すのが得策ね)」
西岡「よ~い,ドン!」ザッ
千早「」ザッ
西岡「おーい千早ちゃーん」ダダダダ
千早「くっ…悔しいけれどすぐに差がついてしまったわ」
Nishioka「メジャー帰りの俺に惚れた~?」ダダダダ
千早「わざわざ後ろ向いたまま走らないでください!」タタタ
Nishioka「(少し怒った表情で俺を追いかけてくる千早ちゃんを満喫できるなんて最高だ!)」ダダダダ
千早「!(西岡選手の向こうに誰かいる!このままじゃぶつかって西岡選手が大ケガを…)」タタタ
千早「(…西岡なら大ケガさせていいわね)」
Nishioka「あれ?どうしたの?千早ちゃん?」ダダダダ
響「うわー!!危ないぞ2人ともー!!」
福留「え?」クルッ
西岡「え?」クルッ
ドーーーン
P「申し訳ございません!」
和田「まあまあ,西岡の前方不注意が招いた結果ですから」
P「高木社長にも報告しなきゃなあ…」prprprpr
高木社長「おうP君,どうだった?」
P「それが…というわけでして…申し訳ありません!」
高木社長「なんと…そんなことがあったのか…。P君,君は悪くない。気落ちせず帰ってきたまえ。それじゃ」
―福岡の料亭―
高木社長「・・・」
高木社長「ハッハッハ!うまくやってやった!日ごろ私をいいように使う中村GMに一矢報いてやったぞ!」
白い犬のお父さん「西岡は全治8週間,福留は黙っているものの明らかに体を痛めたし,新井兄弟には心の傷ができたわけだ。他の選手も前日にコンディションを整えられなかったはずだ」
高木社長「これでわれらが福岡ソフトバンクホークスの日本一は決まりですな!」
白い犬のお父さん「うまい酒が飲めそうだ」クックック
その後阪神は第一戦のメッセンジャーがラーメンパワーで好投するも新井兄弟のエラー・ゲッツーのために僅差で敗れる。
第二戦では藤浪の好投にもかかわらず密かに怪我をしている福留がチャンスでことごとく凡退して敗れる。
第三戦は人間不信に陥った能見が打ち込まれ痛恨の三連敗を喫してしまう。
第四戦は負けられない戦いとなりオ・スンファンを4回裏から投入するスパイス采配を見せるも,
酸素カプセルを持ち逃げされてコンディションを整えられず大炎上。大差で敗れてしまう。
4試合合計スコアはまたしても33-4となり,多くの阪神ファンの心の古傷をえぐった。
完
ありがとうございました
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