ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

男（････）ｶﾞﾁｬ

妹「ここで合ってるんよな？おにいちゃんの友達やんな？」

男（関西弁だ）

男「そうだけど例のあの妹さん？」

妹「なんかお兄ちゃんに会いに行ったんに追い出されて意味わからん･･･」靴ﾇｷﾞﾇｷﾞ

妹「おじゃましまーす」

男（見た目は高校生くらいかな･･･）

妹「うわっ狭いし汚な！こんなとこ住んでるん？」

男「いきなりだったから掃除も出来なかった」

妹「まぁ女がいるくらいならゴミ屋敷のがマシやけど」ﾎﾞｿｯ

男（･･･？）

妹「んで、お腹空いてんけど。汗かいてんけど。眠たいねんけど。」

男「どれかにしぃや」

妹「あれ、関西弁？もしかして地元関西なん？」

男（あ、つられてミスった）

男「こっちではバカにされるから使わへんけどな」

妹「ふぅん･･･」

妹「着替えとかあるん？」

男「えー、あーこれでも使って」

妹「りょーかい」ﾇｷﾞﾇｷﾞ

男「おいなんでここで着替えるんだ」

妹「なに？友達の妹に欲情とかするん？」

男（･･･）

男「ん･･･なんか、ネコ」

妹「何か言ったぁ？」

男「いや･･･なんもない」

妹「それにしてもお兄ちゃん、有り得へん、せっかく来たのに」

男「うん、なんで俺のところに」

妹「せーっかく良い報告あったんに」

男「良い報告って？」

妹「なんで男に言わなあかんねん、でも、すごい良いこと」

男（･･･どうでもいいけど何か気になる）

妹「てかシャワー貸してなぁ」

男（･･･自由だな）

男（あーもう服脱ぎっぱなしだし）

男（･･･ん？これ･･･）

男（やっぱりこれ猫の毛だ）

男（さっき猫の臭いしたの間違ってなかったのか･･･）

男（実家のミーヤン元気かな･･･）

妹「おーい男ー、タオルないんやけどー！！」

男（･･･）ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

男「タオルここ置いておくよ」

妹「ありがとー」ｶﾞﾁｬ

男「？！」

妹「ん？何？」ﾌｷﾌｷ

男「おいいきなり出てくんなって！」ﾄﾞﾀﾊﾞﾀ

男（いくら友達の妹と言えども4.5歳しか変わらないんじゃあ、やべぇ）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

男（久々に女の子の胸見た････）ﾑｸ

男（これ何日続くんだよ･･･）

妹「わたしここで寝る～」

男「いやそれ俺のベットなんですけど」

妹「一緒に寝ればいいじゃん」

男「」

妹「友達の妹なんだし何もないでしょ、普通」

妹「おやすみー」

男（うわ、マジか･･･）

妹「ねぇ、男」

男「ん？」

妹「世界で一番大切なものって何やと思う？」

男「いきなりなんで？」

妹「なんとなく、話題ないし」

男「･･･んー、普通に家族とかじゃないの」

妹「やっぱそうなんや」

男「君は何かあるの？」

妹「私も････家族」

男（･･･なんだそりゃ）

男（だめだ、もう眠くなってきた･････）ｳﾄｳﾄ

妹「おやすみ･･･」

男（･･･朝何時だ･･･今日は････土曜か）

妹「ｽｰｽｰ」

男（まだ寝てるのか）

男（よく見たら綺麗な横顔してるな、こいつ）

男（･･･）髪ｻﾜｯ

男（髪も綺麗な色だな･･･）

男（････手も長い･･･ん？これなんだ･･･）

妹「さっきから何なん？」

男「うわっ起きてたのかよ」

妹「何かやらしいことするんかなーって見届けててん」

男（･････しなくてよかった）

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ　ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

男「おい携帯鳴ってるぞ」

妹「これはいいのー」

男「でも兄からかもしれないぞ」

妹「いいからいいから、ほら切れた」

男「なんで出ないんだ」

妹「まぁまぁいいからいいから」

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ　ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

妹「はいーもしもしー？」

男（それは出るんだ）

男（電話の音がでかくて電話相手の声まで聞こえるぞ）

？「お前いつまで居る気なん？お母さんお父さん電話でえへんし口裏でも合わせたんか」

妹「えへへ、いつまでいよっかなぁ」

？「お前も学校あるやろ！兄ちゃん忙しいから遊んであげれへんで」

妹「親にはちゃんと言うてきたから連絡せんで大丈夫やから！ま、適当にするって！」ﾋﾟﾛﾘﾝ

男（･･･兄か）

男「いつ帰るんだ」

妹「うわ、聞いてたん？いつにしよっかなぁ～お兄ちゃん忙しいらしいし」

男「親も心配するだろうから帰ったほうが」

妹「･･･」

男（･･･急に静かになったな）

妹「実はさー･･･家出やねん」

男「え」

妹「色々あって逃げてきてん。書き置きしたから探してはないと思う」

男「そうなんだ･･･」

妹「ってか無理に標準語使うんやめーや、楽にしよー」

男（･･･確かに）

妹「男ーお腹すいたぁー」

男「俺金ないし･･･なんか作るわ･･･」

妹「料理作れるん？すごい！食べさせて！」

男「はい」ｵﾑﾗｲｽﾄﾞﾔｰ

妹「うわ！すごいやん！美味しそうやし！」

男（こんなん簡単なのに･･･）

男「いやぁ、まぁ、お腹はいっぱいなると思うから食べ」

男「はいケチャップ」

妹「あ、ありがと」

男（････？）

妹「････」

男（ケチャップ出すのにためらってる）

男「もしかしてケチャップ嫌いやった？」

妹「･･･ん？あ、うん、オムライスそのまま食べるんが好きやねん」

男「そうか、ごめんごめん」

男（そんな奴もいるんだな）

妹「男ーひまやー」

男「俺の家ゲームしかないで」

妹「なんのゲーム？」

男「ゲームキューブ」

妹「うわ！昔お兄ちゃんとめっちゃやった！やるやる！」

男（無邪気だな）


妹「はぁ、勝てへん、腹立つ」

男「暇なときこればっかやってるからなぁ」

妹「友達いーひんのや」

男「うっさい」

妹「ほんまこれ懐かしいわぁ、ちっさい時はずーっとやってたわ」

妹「夜ドラマ始まる時間なったらお母さんとお兄ちゃんが喧嘩してテレビ取り合いなってさ」

妹「最終的にお父さんがなだめてバラエティ見んねん」

妹「結局お父さんが見たいだけねんけどな」

男（･･･）

男「なんか羨ましいわ」

妹「男は思い出とかないん？」

男「･･･俺は物心ついたときからお母さんおらんかったしなぁ」

男「お父さんも仕事ばっかやったし、一人で遊んでた覚えしかないわ」

女「･･･なんか、ごめん」

>>33
女っての妹のミスですごめんなさい

男「でも、ネコがおった」

妹「ネコ？」

男「実家でネコ飼っとってん。今もう15歳とかやわ多分」

妹「ネコ可愛いよね」

男「そういえば昨日、服に猫の毛ついてたけど、猫飼ってるん？」

妹「･･･え？んー、うん。ネコ、いる。」

男「ほんま癒されるよな」

妹「････」

妹「お兄ちゃんは」

男（･･･？）

妹「お兄ちゃんはペットに愛持ってたんかなぁ」

男「なんや、アイツ猫嫌いやったんか？」

妹「････ん？いや･･･」

男（･･･なんか変だな）

妹「それよりさ！わたしこの辺探検してくる！都会見てみたいし！」

男「一人で大丈夫なんか」

妹「大丈夫、いざってなったらお兄ちゃん呼ぶし」

男「･･･まぁ何かあったら」ｶｷｶｷ

男「これ、俺の電話番号････やから、まぁ何かあったら」

妹「･･･あ、ありがと」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

ｶﾞﾁｬｯ

男（･･･嵐みたいなやつだな）

男（とりあえずこの間に友に電話電話）

男「もしもし？友？お前どうなってるんだよ、妹ほったらかして」

友「あー、ごめんって。でも俺の妹なんだから良くしてあげてよ」

男「彼女に帰ってもらえばいいじゃないか」

友「いいのいいの、妹より彼女。妹はたまーに会いたくなるとき会うので十分」

男「うわぁ、そんなんだったらネコも泣いてるぞ、きっと」

友「ネコ？なんの話だ」

男「お前ん家のネコだよ。ネコも都合よい時だけ家帰ってくるお前うざかってるぜ、きっと」

友「ん？ネコ？マジなに言ってんだよ？」

男「え？」

友「あ、彼女起きたし切るぞ！とりあえず妹のことよろしくな！」ｶﾞﾁｬ

ﾌﾟｰ　ﾌﾟｰ

―夜―

妹「････」ｶﾞﾁｬ

男（帰ってきたか）

男「おかえり」

妹「････」

男「どうした？」

妹「お兄ちゃんとこ行ったら、門前払いされた」

男（アイツ･･･）

妹「せっかく会いに来たのに、カギ開けてもくれんかった」

男「･･･」

妹「ねぇ」

男「ん？」

妹「お願い･･･ぎゅーってして･･･」

男（･･･？！）

妹「いっかいだけでいいから」

男（････）

男「おいで」ｷﾞｭｯ

妹「こんな優しくぎゅーすんねんな」

男「･････なんか恥ずかしいから黙っといて」ｷﾞｭｰ

妹「温かいな･･･」

男（･･･）

妹「こんな風に抱きしめられたことないや、よく考えたら」

妹「なぁ、チューして」

男「････」

妹「････ごめん、嘘。からかいすぎた」ｽﾙｯ

男「待って」

男「･･･」ﾁｭｯ

妹「････」

妹「･･･４．５年前」

男「ん？」

妹「･･･お兄ちゃんがまだ実家に居た時ね」

妹「二人で学校ずる休みしてお兄ちゃんと一緒にお母さんのタンスあさってお金取ろうとしたねん」

妹「どうしてもゲーセンで遊ぶお金欲しくてさ」

男「うん」

妹「そしたらお母さんが夕方まで帰って来んはずやのに帰ってきて」

妹「二人で狭いクローゼットに隠れてん」

男（･･･なんだ？）