妹「お兄ちゃん。」(10)

妹「私ね、もう高校生だけど、今でもお兄ちゃんのことが好きだよ。」

妹「ううん、「好き」じゃなくて「愛してる」って言えるくらい。」

妹「けど、お兄ちゃんは私の好意に気づいてくれない。」

妹「何で?何でなの?私のこと嫌いなの・・・?」

妹「例えそうだとしても、私はお兄ちゃんを「愛してる」。」

兄「妹、お前が俺を愛すること自体おかしいのだ。」

兄「女としてではなく、家族として。」

兄「何故、俺を愛した?」

兄「お前が俺を愛する理由が分からない。」

兄「妹、お前は間違っている。」

妹「間違ってないよ、だってお兄ちゃんのことをこんなにも愛しているんだもん。」

兄「じゃあ、何故お前は・・・。」

兄「俺を監禁する?」

妹「大好きだから、愛してるから。」

兄「それが理由で俺を監禁したのか。」

妹「・・・ふふっ、誰にも会わせたくないくらい、触れさせたくないくらいに・・・。」

兄「俺はお前を愛していない。」

妹「知ってる。」

兄「今のお前が、妹と思えない。」

妹「妹なんて思わなくても良いよ?お兄ちゃん。」

妹「私はね、お兄ちゃん。」

妹「お兄ちゃんの女になりたいの。」

妹「私はお兄ちゃんにそばにいて欲しいの。」

妹「けど、それが無理だから・・・。」

兄「ふざけるな!俺が今のお前を愛せるはずがない!!」

妹「じゃあ、私を殺せる?」

兄「なっ!?何を・・・。」

妹「無理でしょ?だって、今お兄ちゃんが思ってるのは・・・。」

妹「「殺害」よりも「逃走」したいはずだから。」

妹「それに、お兄ちゃんが人を殺すような真似ができると思えないし。」

妹「・・・お兄ちゃん。」

兄「・・・。」

妹「返事してよ。」

兄「・・・。」

妹「お兄ちゃん!!!」

兄「くくっ・・・。」

妹「どうしたの?お兄ちゃん?」

兄「はははっ!!俺は監禁され椅子に固定されて妹と話している!!」

兄「今まで見向きもしなかった妹がいきなり俺を愛してるだぁ!?」

妹「そうだよ、愛してる。」

兄「ふざけたことぬかすんじゃねぇ!俺とお前は兄妹なんだよ!!俺の女になるだぁ!?お前が俺の女になれるわけねぇだろ!!」

妹「そんなことないもん!」

兄「そんなことあるんだよ!!!」

兄「お前がそうまでして、俺を愛する理由が分からない!!!!」

妹「だって・・・だって・・・。」

兄「んじゃあ、何なんだよ!?理由もなく愛してるのかよ!!おい!?」

妹「り・・・理由なんて分からないよ!!でも、すごくお兄ちゃんのことを愛してるの!!」

兄「だったら俺は理由もなくお前をバラバラにしてやろうか!?」

妹「えっ・・・!?」

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