―翌朝―

幼「あ、男ー！おはよー！」

男「おう、幼馴染」

恋人「おはよ、幼馴染ちゃん」

幼「あっ…」

幼「…」

男「どうした。早く行かねーと学校遅れるぞ」

幼「さ、３人で行くの？」

男「そのつもりだけど」

幼「あ、あはは！邪魔しちゃ悪いから私先に行くよ！」

幼「じゃ、おさき！」

男「あ、おい」

男「…？」

恋人「元気な子だね。幼馴染ちゃんって」

男「ああ、昔からあんな感じだな」

幼「はぁ…はぁ…」

幼「ふぅ…」

幼「…」

幼「何よ…何なのよ…」

幼「私から男くんを盗らないでよ…」

幼「うっ…ううっ…」

ﾎﾟﾀﾎﾟﾀ

幼「…グスン」

幼「…行こ」

―放課後―

幼「ね、ねぇ恋人さん」

恋人「ん？なぁに幼馴染ちゃん」

幼「明日休みじゃない？だから今日ウチに遊びに来ない？」

恋人「えっ？」

幼「いや、ほら。私たち今までそんな面識なかったけどさ、恋人さんは今男くんの彼女だし」

幼「知ってると思うけど、私ね、男くんとは幼なじみなの」

幼「だから、男くんの良いところ、恋人さんにいっぱい教えてあげたいなーって」

恋人「そういうことだったの」

幼「そうなの」

幼「…嫌かな」

恋人「お邪魔させてもらって…いいかしら？」ﾆｺｯ

幼「…もちろん！」ﾆｺｯ

幼「というわけで」

恋人「今日は幼馴染ちゃんと帰るね」

男「そか」

恋人「男くんはこれから委員会の仕事でしょ？」

男「うん。だから恋人ちゃん待たせてしまうかなーって思ってたけど…」

男「幼馴染と一緒なら大丈夫そうだね」

幼「じゃ、頑張ってね男くん」

男「おう。お前を気をつけてな」

恋人「それじゃ、また」

―幼馴染宅―

幼「散らかっててごめんね」

恋人「全然！十分片付いてるよー」

恋人「私の部屋なんかもっと散らかってるわよ」

幼「へぇー意外」

恋人「今度は、私が幼馴染ちゃんを招待するわね」

幼「やった」

恋人「あ、もちろんちゃんと片付けてからねっ」

幼「ふふっ」

幼「あ、お茶の準備してくるね」

恋人「あら、そんなの全然構わないのに」

幼「いーのいーの！ちょっと待っててね！」

―――。


恋人「この紅茶、すごく美味しいね」

幼「えへへ、ありがと」

恋人「早速だけど、男くんって昔はどんな人だったの？」

幼「子供の頃はね、私が言うのもなんだけど、すごく活発な子だったよ」

幼「毎日私と一緒に外に遊びに行ってた」

幼「一緒に秘密基地を作ったりもしたなぁ…」

恋人「秘密基地かぁ…。懐かしい響きね」

恋人「男くんが作った秘密基地、どんなのだったの？」

幼「毎日通って手間暇かけて作ってたから、結構本格的な基地を作ってたよー」

恋人「へぇー！見てみたかったなぁ…」

幼「…多分まだ残ってるんじゃないかな」

恋人「え、本当に！？」

幼「うん。秘密基地は山に作ったんだけどね。その山で私と男くん意外の人を見たことなかったよ」

幼「…行ってみる？」

恋人「行きたい行きたい！」

幼「じゃ、行ってみよっか」

恋人「あ、でも私制服だわ…」

幼「あー、私のジャージ着る？」

恋人「良いの？」

幼「全然おっけー」

恋人「じゃ、お言葉に甘えちゃおうかしら」

―秘密基地―

恋人「わー！すごいね！」

幼「でしょう？」

恋人「屋根付きの小屋に、門まであるなんて想像してなかったわ！」

幼「ま、まぁその小屋、普通に雨入ってきちゃうんだけどね」

恋人「ありゃ、そうなの」

幼「形だけだね。まぁ仕方ないけど」

恋人「でもすごいわ。子供の頃の私は、こんな秘密基地なんて作ったことなかったもの」

幼「…私と男くんは、今までずーっと一緒に遊んできたからね」

幼「まぁ、主に私が立案してたけど」

恋人「元々はそんなアクティブな人じゃなかったんだ、男くん」

幼「うん。でも私と遊ぶようになってからは私に負けないぐらい元気だったからねぇ…」

幼「…そういえばね、私のアイデアで、この秘密基地にタイムカプセルを埋めたの。二人でね」

幼「中身はお互いに、10年後のあなたへって内容のお手紙」

恋人「なんだかロマンチックね、そういうの」

幼「…ね、恋人ちゃん」

幼「お手紙の内容、気にならない？」

恋人「えっ？そりゃあ気になるけど…」

幼「これ、男くんには内緒だよ？」

幼「実はね、私気になって気になって、我慢出来なくなってね」

幼「…ついこの間フライングして開けちゃったの」

恋人「え、えーっ！？」

幼「男くんにはすごく悪いことしちゃったけど…」

幼「でもね、恋人ちゃんにも見てもらいたいかなぁ。手紙」

恋人「い、いいのかしら？」

幼「うん。でもでも、二人だけの秘密だよ？」

恋人「…うん！」

ガサガサ

幼「あった」

恋人「こ、これが…」

カパッ

幼「はいどうぞ、恋人ちゃん」

恋人「う、うん」

恋人「（ごめんね男くん！）」

恋人「えーっと…？」

「おさななじみへ」

「このてがみをよんでるときには、きっとおまえはおれのおよめさんになってるはずだ」

「これまでも、これからも、ずっとおまえをあいしてるよ」

「じゃ、こういうのなんかはずかしいから、おわり！」

幼「…私ね、ずっとずっと男くんの事が好きだったの」

幼「男くんも、この間までは私の事が好きだったはずだよ」

幼「…でもね、そこにあなたが現れたわ」

恋人「…」

幼「私はずっと男くんだけを想い続けてきた」

幼「男くん以外の人を考えられなかった」

幼「現に私は今までに誰とも付き合ったことがないもの」

幼「…高校を卒業したら、男くんに告白するつもりだった」

恋人「お、幼馴染ちゃん…？」

幼「そして順調に結婚までかけつけて、子供も授かるはずだったの」

幼「私の人生設計には常に男くんが入っていたはずだったの」

幼「なのに」

幼「なのになのになのになのになのになのになのになのになのになのに！」

幼「あなたが現れた！あなたが私から男くんを奪った！」

幼「私の10分の1も男くんと一緒に居なかったくせに！」

幼「私の10分の1も男くんのことを理解してないくせに！」

恋人「…お、落ち着いて幼馴染ちゃん！」

幼「どうせ色仕掛けでもしたんだわ！そうでしょう！？」

恋人「違う！そんなことしてないわ！」

幼「嘘だ！」

幼「じゃないと、男くんがあんたみたいなのと付き合うわけないじゃない！」

幼「私と男くんの邪魔しやがって…」

幼「憎い！」

幼「憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い！」

幼「あんたが憎い！」

幼「だから私は」

幼「あなたを殺す」

恋人「え…？」

幼「男くんは私の物なの」

幼「男くんは私が守るの」

恋人「ひっ…」

幼「あ、逃げようとしても無駄よ」

幼「さっきあんたが手紙読んでる間に、足に縄付けといたから」

恋人「っ！？な、なにこれ！」

ギリッギリッ

幼「外れない外れない。かなり頑丈よ、それ」

幼「ちなみに男くんが作ったやつなの。ふふっ」

恋人「い、いやぁ…」

幼「続いてこちら」

幼「これなーんだ」

恋人「ちょ、彫刻刀」

幼「せーかい」

幼「これもね、男くんが使ってた彫刻刀なの」

幼「これであんたをじっくりゆっくり殺してあげるわ」

幼「嬉しいでしょ？大好きな男くんが使ってた彫刻刀よ？」

恋人「やめて…やめてよう…」

幼「やめるかよ」

グサッ

恋人「えっ…」

恋人「あ…、あああ…」

ﾄﾞｸｯ ﾄﾞｸｯ

恋人「ああああああああああああああああ！！！」

恋人「目がぁ…！目がぁ…！」

幼「あっははは！良い声だね！」

幼「人を刺すのは初めてだけど…、案外気持ちいいものね」

幼「それも初めて刺した箇所が目ってのは、私ぐらいなんじゃない？」

恋人「いぎっ…いたい…いたい…」

幼「んじゃ、もう片方もグサッとな」

ﾌﾞﾁｭｯ

恋人「いぎゃああああああああ！！！」

幼「あーあ、これで大ー好きな男くんの顔が見れなくなっちゃったね」

幼「残念でちゅねーあははは！！！」

恋人「うああ…あああ…」

幼「ねぇ、痛い？苦しい？私が憎い？」

恋人「ううぅ…」

幼「ねぇってば」

恋人「うあぁ…」

幼「答えろよこらぁ！！！」

ﾌﾞｼｭｯ

恋人「あああああああああ！！！」

幼「ねぇどうなの？」

恋人「い…痛いです…」

幼「苦しい？」

恋人「…はい、すごく苦しいです」

幼「ふーん」

幼「でもね、私はあんたより苦しい思いしたと思うよ」

幼「分かる？ねぇ分かる？私の気持ち」

恋人「…」

恋人「…分かる、わけないじゃない」

幼「あ？」

恋人「あんたみたいな狂人の気持ちなんて分かるわけないわ！」

幼「…」

幼「あっそ、じゃあ死ね」

ｻｸｯ

恋人「うっ…」

ｻｸｯ ｻｸｯ ｻﾞｸｯ ｽﾞｼｭｯ

恋人「ご…ごぼぁ…」

ﾌﾞｼｭｰ！

幼「おー。首ってこんなに血出るんだ」

恋人「…」

幼「…死んだ？おーい」

ｻﾞｸｯ

幼「死んだか」

幼「…あっけない」

幼「つまんないー」

ｻﾞｸｯ ｻﾞｸｯ ｻﾞｸｯ

幼「えいえい」

ｻﾞｸｯ ｻﾞｸｯ ｻﾞｸｯ ｻﾞｸｯ ｻﾞｸｯ

幼「お、今ちょっとビクッてしたよ」

幼「面白ーい」

ｸﾞﾁｭｸﾞﾁｭｸﾞﾁｭｻﾞｸｻﾞｸｸﾞﾁｭ

幼「…ふぅ」

幼「あー満足した」

幼「じゃ、お片付けしましょうかね」

幼馴染は、子供時代に掘っていた落とし穴に恋人の死体を投げ入れ、土で埋めた。

幼「これだけ深ければ野犬に掘り返されることもないでしょ」

幼「じゃ、帰るかな…」

幼「あ、アリバイとか考えとかないとなー」

幼「帰ったら推理小説読もう」

今日はここまでです

書きためとかしてなくて即興で書いてるのでぶっちゃけ設定とかこの先の展開とか全く考えてないです

いい加減ですみません

男「恋人ちゃんどこ行ったんだろ…」

幼馴染「…ホント、どこ行っちゃったんだろうね」

男「あれからもう3日だよ」

男「家に連絡もしないで行方をくらますなんておかしい」

幼「そういう子じゃなかったもんね」

男「絶対何かあったに違いないよ…」

男「そういえばあの日、恋人ちゃんはお前の家に行ったよな？」

幼「うん…。でも、コンビニに行くって言って出ていったきり帰ってこなかったの…」

幼「あの時、私も行くって言ったけど、幼馴染ちゃんは待ってて良いよって断られたの」

幼「あの時…」

幼「あの時、無理を言ってでも一緒に行くって言えば良かった！」

幼「そしたら、そしたら恋人ちゃんは！」

幼「うぅ…」

男「もう良い。もう良いよ幼馴染…」

男「お前が責任を感じることはないよ…」

男「こんな事になるなんて、誰が予想できたもんか…」

幼「うっ…ぐずっ…」

男「だから、な？もう泣くなよ」

幼「うん…」

幼「…」

幼「……」

―放課後―

男「じゃ、また明日な」

幼「え、一緒に帰らないの？」

男「俺はちょっと寄るところあるからさ」

幼「…一緒に帰ろうよぉ」

幼「あんな事があった後だから、不安だよ…」

男「俺は大丈夫だから」

男「それに付き合わせたら遅くなるし」

男「だから先に帰っててくれ」

男「な？」

幼「…分かった」

男「うん。じゃあ気を付けて帰れよ」

幼「男くんもね」

男「ああ」

男「…」

男「よし」

男「幼馴染と一緒じゃやりにくいし、うまく突き放せて良かった…」

男「…さて、行くか」


コンビニ店員「いらっしゃいませー」(以下「店員」で)

男「あのー」

男「3日前に、この写真の子がここに来ませんでしたか？」

店員「いや、見覚えないですね」

男「他の店員さんは？」

店員「私、3日前はロングだったんで夕方頃から深夜までここに居ましたけど見ませんでしたから、多分他の店員も見てないかと思います」

男「…そうですか」

店員「何かあったんですか？」

男「実は…」

───

店員「…なるほど」

店員「何か分かったら連絡致しますね」

男「あ、ありがとうございます。連絡はこれに」

店員「はい、分かりました」

男「それでは。ホントありがとうございました」

店員「いえ、頑張ってください」

店員「ありがとうございましたー。またお越しくださいませー」

女1「ねーねー聴いた？」

女2「恋人が行方不明ってやつ？」

女1「そうそれ」

女1「こんな事言ったら不謹慎かもしれないけどさ、チャンスじゃね？」

女2「何が？」

女1「男だよ男。今フリーみたいなものじゃん」

女2「確かにね。男って結構イケてるし」

女1「恋人には悪いけど寝取っちゃおうかな」

女2「うっわー大胆」

女1「彼女を失って悲しんでるところにつけ込めば、男なんてイチコロよ」

女2「やっちゃうの？」

女1「やっちゃう」

女2「マジ悪女じゃん！あはははは！」

幼「…」

幼「あの、女1さん」

女1「あんた誰？」

幼「あの…、私男くんの幼馴染なんですけど」

幼「ちょっと話がしたくて…」

女1「なに？さっきの聴いてたの？」

幼「…さっきの話？」

女1「ああいや、何でもないわ」

幼「…それで、実は男くんが女1さんのこと呼んでて」

女1「えぇ？」

幼「屋上で待ってるって…」

女1「は？こんな時間に？」

幼「周りに見られたくないから暗くなってからが良かったみたいで…」

幼「女1さん、いつも遅くまで残ってるから、この時間になったら呼んできてって…」

女1「…へー」

幼「あの、来てくれますか？」

女1「も、もちろん行くよ！」

女1「まさかあっちから来てくれるなんて思ってなかったわ…」

幼「え？」

女1「ああ、何でもない何でもない」

幼「…それじゃ」

女1「案内して」

─屋上─

女1「あれ？男どこいんの？」

幼「給水棟の裏にいます」

女1「あそこね」

───

女1「って居ないじゃん」

幼「…」

女1「え、なにこれ？新手の嫌がらせ？」

幼「居るわけないじゃん」

女1「…は？」

幼「男くんがお前なんかを呼びつけたりするわけないでしょ」

女1「あぁ！？」

女1「なにお前。騙したってこと？」

女1「調子こいてんじゃねーぞ？あ？」

幼「調子こいてんのはお前だよ」

ﾄﾞﾝｯ

女1「…え？」

女1「うわあああ！」

ｶﾞｼｯ

女1「お、落ちる…落ちるぅ！」

幼「ちっ」

幼「猿みたいにぶら下がってんじゃないわよ」

ｷﾞﾘｷﾞﾘｯ

女1「いっ…！ちょっと！辞めてっ…！」

ｷﾞﾘｷﾞﾘ

女1「手…、踏まないでぇ…！」

女1「落ちる！ホントに落ちるぅ！」

幼「落ちれば良いよ。楽になれるよ」

女1「ごめん！ごめんなさい！男には手出さないから！」

幼「？」

女1「聴いてたんでしょ！？あの話！」

女1「だから！ごめんなさい！」

幼「…」

幼「…はぁ」

幼「あのね」

幼「さっきの話云々の問題じゃないの」

女1「…え？」

幼「あんた、前々から男くんをそういう目で見てたよね？」

女1「…」

幼「この際はっきり言っておくけどね」

幼「男くんはね、私のものなの」

幼「誰にも渡さないし誰にも触らせない」

幼「そういう目で見る奴は事前に潰す」

女1「あ、あんた…」

幼「じゃ、死んで」

ｶﾞﾂｯ

女1「あ…」

女1「ああああああああああああああああああ！！！」

幼「…」

ﾄﾞｻｯ