勇者「ここが魔王城か…」(11)
バンっ!
勇者「魔王っ!覚悟ぉっ!」
魔王「…」
国王「…」
勇者「…!?」
魔王「どうやら…
わしの勝ちのようだの」
国王「くぅっ…!」
勇者「へ?…え!?」
勇者「ど…どうなってるの?
なんで国王様が魔王と一緒に?
…ってか
なんでそんなに親しげに?」
魔王「何故…かと?
わしらは幼馴染み…だからの」
勇者「!」
魔王「そして…
お主に賭けとったからさな」
勇者「賭け…?」
魔王「うぬ!
しかも、わしの勝ちじゃ!」フゥーハハハ
勇者「…」
魔王「ふぬ…まだ状況を理解できぬようだの…ならばわしが説明してやろう」
魔王「お主が町を旅立ってここに来るのにどれくらい掛かるかを賭けておったのだ」
勇者「…!」
魔王「国王はわしの配下をあらかた片付けてから来る…高レベルで来ると信じた」
国王「…」
魔王「わしは…町の周囲に稀に出現するボーナスモンスターを倒して最速で来る方に賭けた」
魔王「結果お主は国王から話を聞いたあと、酒場で仲間を作る事もなく、ボーナスモンスターの情報すら聞かず、王宮の裏手にある我が魔城に乗り込んできた」
国王「まさか…そんな事が起こるとは…」
魔王「くくく…勇者よ!」
勇者「な…なんだ?」
魔王「お主…レベルはいくつだ?」
勇者「…」
国王(1に決まっとる…)
魔王(1だろうの…)
勇者「…」
魔王「言えんか?まぁ無理もないか…恐らくはここが魔王城だと知らずに来たのだろうし…」
勇者「…てた…」
魔王「ん?何か言ったか?」
勇者「…ここが魔王城だって…知ってた…」
魔王「ふん!そんな事はどうでもよい!今はお主のレベルを聞いておるのだ!さぁ答えよ!レベル1の勇者よ!」カンラカラカラ
勇者「…5」
魔王&国王「!?」
勇者「…35」
魔王&国王「…え!?」
勇者「…535」
魔王「え…ちょ…」
勇者「…5535」
勇者「俺の…レベルは…65535だぁっ!」
魔王&国王「うっそ~ん!?」
魔王「なんでぇ?なんでなんでぇ??」
国王「そ…そうじゃそうじゃ!レベルは99が最高値の筈…それが6万以上もある訳が無い!」
魔王&国王「しかもこんな短時間で!?」
勇者「…」ふふふ
勇者「…俺が『この世界の勇者』だといつから勘違いしていた?」
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