穂乃果「お父さんがちょっとボケたみたい」 (46)
穂乃果の日常if
書き溜めなし
短い
教室にて
穂乃果(古典てなんでこんなに……眠くなってきちゃうんだろ)ウトウト
ことり「穂乃果ちゃん、穂乃果ちゃん」
穂乃果「へっ?」
ことり「携帯さっきから光ってるよ……」
穂乃果「あ、ホントだ」
海未「こら、穂乃果授業中ですよ」
穂乃果「あ、えへへ」
見ると、自宅からだった
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穂乃果(なんだろ、授業中に……?)
穂乃果(後でかけ直せばいっか……)
ピっ
穂乃果(ふわあ……眠たい)うつらうつら
海未「また、あなたって人は」
ことり「昨日は新商品の試食を夜遅くまでしてたらしいよ」
穂乃果「……もう、たべれない……よぉ」
海未「ヨダレが……全く」
ことり「先生も気づいてないし、そっとしておいてあげようよ」
海未「ことりがそう言うなら、今回は大目に見ましょうか……」
放課後
ことり「穂乃果ちゃん、じゃあ先に部室行くね」
海未「みんな揃っていたら、屋上に移動しておきますね」
穂乃果「はーい、ごめんねー。すぐ行くからねー!」
ことりと海は教室を後にする。
穂乃果「さてと……あ、あれ?! 着信が何件も入ってるっ。しかも、全部自宅から……何かあったのかな」
ピポパ――
プルルル――ピっ
穂乃果「あ、お母さん? ごめん、なんだったの?」
穂乃果「え? お父さんが倒れた?! だ、大丈夫?!」
穂乃果「さっき目が覚めたの?! あ、元気そう? よ、良かったぁ……」
穂乃果「あ、○○病院にいるの? 3階だねっ。わ、私もすぐ向かうよっ! え、部活? うっ……でも、お父さん心配だもん、すぐ行くからね! うん! あ、何か買っていこうか? いい? 分かった、じゃあっ――」
ピっ
穂乃果「だ、大丈夫かなお父さん……あ、みんなに言って来ないと」
ダダダ――
部室にて
ガチャ
穂乃果「あ、みんな……」
ガラン――
穂乃果「あれ? も、もう屋上いっちゃったのか……海未ちゃんにライン送っておこう」
穂乃果「……こんな感じでいっか、よし送信」そわそわ
穂乃果「……いこっ」
ダダダ――
病院にて
ガチャ
穂乃果「お父さん!!」
雪穂「ちょっと、お姉ちゃんうっさい!」
穂乃果「わととっ」
母「大丈夫って言ったのに」
穂乃果「え、でも倒れたんでしょっ?」
父「……」グっ
穂乃果「親指突き立てられても困るよぉ……」
母「……どうもね、軽い脳梗塞みたいだったの」
穂乃果「脳梗塞!?」
雪穂「お姉ちゃん、知ってたんだ。意外」
穂乃果「い、いや驚いただけだよ」
母「うーん、簡単に言うと脳の血管が詰まって、酸素とか栄養不足になっちゃうことなんだけどね」
穂乃果「それって、どうなっちゃうの」
母「ひどい時は、そのままポックリしちゃったり」
父「……」ブルブル
母「やーね、あなたはまだ大丈夫じゃないの? あとは、体が麻痺しちゃったりするのよ」
穂乃果「た、大変だっ?! ど、どうしよう雪穂!!??」
雪穂「落ち着いてよ、『軽い』って言ってたじゃん」
穂乃果「あ、そっか、なら大丈夫?」
父「……」グっ
雪穂「もお、それ意味もなくやんないでよ恥ずかしんだから」
父「……」
雪穂「それに大丈夫じゃないしっ……」
穂乃果「どういうこと?」
母「それが、これって再発の危険性があるの。それに、倒れる前にお父さん変なこと言ってたのよ。今日は何曜日か
何回も聞いたり、さっき売った物がなんなのかすぐに忘れちゃったりしてね、怖いなあって思ってた矢先にこれだもの」
穂乃果「お、お父さんっ、全然大丈夫じゃないじゃん!!」
雪穂「しばらくさ、お店も休んでた方がいいんじゃないの?」
母「お医者様も、しばらく検査入院しなさいって言ってるんだけどね」
父「……」ブンブン
穂乃果「なんで、お父さん。じっくり見てもらおうよっ」
雪穂「お父さん、明後日に仕出し屋に大量注文受けてるから、絶対入院できないって」
穂乃果「私たちがいるじゃんか!」
母「入院させたいのはやまやまなんだけど、さすがにあなたたちに任せるわけにはいかないって。そこは私も同意見なんだけどね」
雪穂「なんでよ、お姉ちゃんはともかく」
穂乃果「ちょ、ちょっと雪穂っ」
雪穂「私は、ちょっとくらい学校休んだって大丈夫だし」
穂乃果「私だってっ!」
雪穂「……お姉ちゃん、内申点まで下がったら逆にお父さん泣いちゃうんじゃない?」
母「ちょっと、ちょっと。そう言ってくれるのは嬉しいけど、現実問題二人には無理よ。外に出たりすることもあるし、得意先の方とのお話はまだ任せられないわ……」
穂乃果「ううっ……でもぉ」
父「……」
母「って言いたいところだけど、お父さん、とりあえず自宅療養ってことでナシつけてきたから感謝しなさいよ?」
父「……」パアア
母「その代わり、来月は検査入院。お店も臨時休業。いいわね」
父「……」コクコク
穂乃果「それって、つまり?」
母「あなたたちもそれなりに見てきてるんだから、多少は信頼してるわよ? 今週は忙しくなるわねえ」
雪穂「望むところだし」
穂乃果「うんっ! 雪穂頑張ろうね!!」ブンブン
雪穂「ちょ、ちょっと手引っ張らないでよ、お姉ちゃん!」
母「あんた達、ここ病院なんだから静かにしなさい!」
穂乃果・雪穂「はいっ」ピタっ
父「……」ピタっ
母「いや、あんたはいいのよ別に。静かだったでしょ。あ、それとお父さんには今日から携帯デビューしてもらいますからね」
父「……」ギクっ
雪穂「え」
穂乃果「え」
母「……実は、ついさっき買ってきました!!」
ジャン!
母「あったら何かと便利だからね」
雪穂「ガラケーじゃん」
穂乃果「懐かしいなあ」
父「……」ブンブン
母「いやいや言ってないの。お父さん、これからのこと考えたらやっぱりあった方が私も安心なの。何かあったら、すぐに呼べるでしょ?」
父「……」
母「固定電話? 家の外にいる時はどうするのよ」
父「……」
母「口答えしないの。さて、せっかくだから雪穂、穂乃果、あなたたちでお父さんに携帯の使い方教えてあげてね」
雪穂「いいけど、お父さん使えるかな……」
穂乃果「大丈夫だよ! 私にも使えるんだからっ」
雪穂「いくらお姉ちゃんでも、年寄りと比較できないよそれは」
穂乃果「もお、雪穂ってばそんなにお父さんをいじめちゃダメだよっ」
父「……」
雪穂「え、これくらい大丈夫? そうかなあ」
穂乃果「お父さん、一緒に頑張ろうね!!」
父「……!」コク
雪穂「……じゃあ、導入編は任せるね」
穂乃果「え、よーし、まずは電話とメールだよね……」
今日はここまで
明日くらいに終われたら
雪穂「お姉ちゃん、一変に全部教えたらダメだよ? お父さん、訳わかんなくなると思うから」
穂乃果「はいはい」
父「……」
穂乃果「え? 何か言った、お父さん?」
父「……」フルフル
穂乃果「何でもないの?」
母「さて、私はお店に戻るから。雪穂も友達と約束あるんでしょ? もう帰っていいわよ」
父「……」
ゴソゴソ
母「なんでベッドから降りて一緒に帰ろうとしてるのよ。今日一日は安静!」
父「……っ!」
雪穂「お父さん、無理しないでよ」
父「……」
母(あーあ、寂しそうな顔しちゃって)
母「穂乃果は、まだいる?」
穂乃果「うん、メールと電話使えるようになったら帰るね」
母「じゃあ、よろしくね。そこの冷蔵庫にジュースとお菓子いれといたからお腹すいたら食べなさい」
穂乃果「はーい」
バタン――
穂乃果「ジュース、ジュース……っと」
ガチャ―
穂乃果「お父さん、飲む?」
父「……」フルフル
穂乃果「じゃあ、私はトロピカルフルーツにしよっ。お父さん、お茶?」
父「……」コク
穂乃果「はい」
父「……」
穂乃果「さて、じゃあまずは電源を入れてみようっ!」
父「……」コク
穂乃果「そこのボタンを押すの。長押しね」
父「……?」
穂乃果「えっと、3秒くらいずっと押してってことだよ」
父「……」
穂乃果「はい、じゃあ次は電話してみよう!」
父「……」
穂乃果「ポチッと押して、ポチポチってするの」
カチカチカチ
穂乃果「あ、連絡先みんなの入ってるんだね。お母さんがしてくれたのかな? ……っと、こんな感じだよ。はい、どうぞ」
スッ
父「……」
穂乃果「……」
父「……」
カチ――
穂乃果「あ、そのボタンじゃなくてね、右のやつ」
父「……」
カチ――
穂乃果「そうそう……」
父「……」
カチ――
父「……?」チラ
穂乃果「うん、合ってる合ってる。大丈夫だよ」
穂乃果(お父さんが携帯握ってると、そのまま潰しちゃいそうだなあ)
父「……」
プルル――
父「……!」
穂乃果「あ、どこかかけちゃった? って、雪穂か」
父「……」オロオロ
ピッ
父「……!?」
穂乃果「あ、通話中になったね」
父「……」
ススッ
穂乃果「そこ、耳に当てるところだよ」
父「……!」
雪穂『誰?』
父「……」
雪穂『……いたでん?』
父「……」ブルブル
穂乃果「お、お父さん何か喋らないと」
父「……ッ」
雪穂『ちょっと、誰なの?』
父「……ッ!」
雪穂『父です……ってなんだお父さんか、びっくりした。電話使えるようになったんだ、おめでと。で、何か用事?』
父「……」
雪穂『用はない? 用がないのにかけてこないでよ、もー』
ピッ
父「……」シュン
穂乃果(携帯を両手で握り締めて悲しそうなお父さんって、女子高生みたい……)
父「……」
穂乃果「でも、電話できたねー。すごいね、お父さん。頑張ったねッ」
父「……」
穂乃果「え? メールも教えてくれって? おお、何だかわかんないけど燃えてるんだね!」
父「……!」
穂乃果「でも、お父さんいつも雪穂と私が携帯いじってると覗いてくるから、てっきり使いこなせるのかと思ってたけどそうでもないんだね」
父「……!?」ギクッ
穂乃果「なんでばれたかって? それはね、テレビのリモコン取る仕草しながら、ちらちら雪穂の見てたのを、私が見てたからかな」
父「……ッ」
穂乃果「あ、お、怒ってないよ? お父さんに見られても私は大丈夫だから」
父「……」
穂乃果「雪穂? あー、雪穂はね、怒るからやんない方がいいよぉ? 私がやったらお尻蹴られちゃった」
父「……」
穂乃果「うんうん、反省してるなら大丈夫だよ。お父さん、ファイトだよ!」
プルルル――
穂乃果「あ、マナーモードにしてなかった……お父さん、ごめんちょっと出てくるから待ってて」
バタン――
父「……」
カチカチ――
父「……」
カチ――
父「……」
ペラ(携帯の説明書をめくる)
父「……」
ペラペラ――
カチカチ――
チャラララン!
父「……?!」ワタワタ
カチカチ――
カチカチ――
チャらららン!
チャらららン!
チャらららン!
父「……ッ!?」ドキドキ
ちゃらっらっら!
父「……ッ」ぶわッ
ピポパピ――
プルルル――
ピッ
雪穂『お父さん、また? 今度は何?』
父「……ッ」
雪穂『もー、お姉ちゃんは? いないの? たくッ、お父さんの説明ど下手くそだから、何が何だかよく分かんないから、とりあえず電源入れたボタンを何回か押したらいいんじゃない』
父「……!」
カチカチ
ちゃらっら――ピタッ
父「……」ホッ
雪穂『止まった?』
父「……」
雪穂『良かったね』
父「……」
雪穂『何よ、それ褒めてるの? ……褒めてるんだ、お父さん……クスクス』
父「……ッ」
雪穂『ていうか、いちいち電話でかけて来ないでよね。メールしてよメール! じゃあね! あ、ごめんね、ありさ―――』
ピッ
父「……」シュン
ガチャ――
穂乃果「ごめん、お父さん! ちょっと、学校にお財布忘れてきちゃったの! ちょっと、取りに行ってくるね!」
父「……」げっそり
穂乃果「な、なんだかずいぶん疲れた顔してるけど、しんどいの? 大丈夫?」
父「……」フルフル
穂乃果「そう? ならいいけど。何かあったらナースコール押してね」
父「……」
穂乃果「じゃ、行ってきます」
父「……」
穂乃果「え? そのまま家に帰れ? でも、メールとか」
父「……」フウ
穂乃果「そっか、雪穂も一つずつって言ってたしね。分かったよ」
父「……」
穂乃果「お父さん、安静にしててよ? 何か食べたいものある?」
父「……」フルフル
穂乃果「そう? それじゃあね」
ガチャ――バタン
父「……」
商店街――
雪穂「あ、ほら亜里沙。昨日言ってた所あれじゃない?」
亜里沙「ホントだ! 白いひげのジェントルマンのお店!」
雪穂「そう言えば、何のお店なの?」
亜里沙「靴下のお店だよッ すっごいレトロなのから、可愛いのまで色んな種類があるの!」
雪穂「へー……」
亜里沙「ほら、入ろう」
雪穂「あ、うん」
ブーブー
雪穂「?」
ごそごそ
雪穂「……」
送信者:父
件名:あ
本文:ありかとうゆきほっほ
雪穂「……」
亜里沙「……どうしたの?」
雪穂「あ、いやー……ぷふッ……ッ」
亜里沙「変な雪穂?」
学校――
屋上にて
ダダダ――
穂乃果「……ご、ごめーん!?」
海未「穂乃果ッ、廊下に落ちてましたよ」
にこ「たく、馬鹿ねえ」
真姫「にこちゃんだって、この前家に」
にこ「だあああ!」
真姫「むぐ!?」
海未「はい」
穂乃果「あ、ありがとう海未ちゃああん!」
ダキッ
海未「う、苦しい……」
絵里「穂乃果、締め過ぎよ」
ことり「それより、お父さん大丈夫?」
花陽「心配だよねッ……」
凛「凛たちもお見舞いに行く?」
穂乃果「あ、とりあえず……大丈夫だったから」
ブーブー
穂乃果「……?」
ごそごそ
穂乃果「あ……」
送信者:お父さん
件名:
本文:ありかとうほのか
穂乃果「……」ウルッ
絵里「穂乃果?」
穂乃果「……」ツー
海未「ど、どうしたんですか?」
穂乃果「えへへ、なんでもないの」
穂乃果(ほっとして、涙出ちゃったよ……)
病室――
ブーブー
父「……?」
カチカチ
送信者:雪穂
件名:
本文:やるじゃん
送信者:穂乃果
件名:
本文:頑張ったねお父さん
父「……」テレ
カチカチ――パタン
おわり
タイトルで回避せずに読んでくれてありがとう
ほのぼのを目指したのでうつ期待した人すまんね
解説求む
>>29
もし送信者の父⇒お父さんのことを言っているなら、あれはただの間違い
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