千早「choco fondue」(22)

千早(バレンタイン…)

千早(今日こそはプロデューサーにこの想いを…)

千早「あ、あの…」

p「…ん?」

千早「プロデューサーは今夜、何か予定ありますか?」

p「今夜って…仕事終わりくらいの時間か?」

千早「はい」

p「まあ、あると言えばある」

千早「そう…ですか」シュン

p「なんだ?相談ごとか?」

千早「い、いえ。そういうわけでは無いのですが…」

p「なんだ歯切れが悪いな…別に大した予定じゃないから千早を優先するぞ?」

p「祭りに参加するだけだしな」

千早「お祭り…ですか?バレンタインの日に?」

p「ああ…バレンタインの日だからこその祭りだ」

千早「不思議なお祭りですね」

p「ああ。これは非リア充の参加義務だからな…」

p「俺も非リアの漢だ。やらねばならん」

千早「???ヒリアというのが良く分かりませんが…」

千早「そのお祭り…私も参加は出来ますか?」

p「え?千早も参加するの?」

千早「出来ないのですか?」

p「どうなんだろう…まあ、アイドルだし一応非リア?」

千早「も、もしお邪魔でなければご一緒させていただきたいのですが…」

p「別に俺は構わないが…」

千早「良かった…」

千早「あ、もうこんな時間…私、レッスンに行ってきます」

p「お、おう…気をつけてな?」

千早(ヒリアのお祭りって…どんなお祭りなのかしら)ワクワク

p(…なんで千早は『うまい棒買占め』に参加したいんだろう?)

小鳥「プロデューサーさん」

p「ああ、音無さん。いたんですか」

小鳥「しばらく前からいましたよ」

p「気づきませんでした」

小鳥「今年もプロデューサーさんは参加するんですか?」

p「ええ。去年は200本しか買えませんでしたからね」

p「今年は500本を目標に買い占めてやりますよ」

p「小鳥さんは今年は?」

小鳥「私は今年は遠慮しておきます…」

小鳥「最近何かと金欠で…」

p「えっと…買ってきたうまい棒分けてあげますから…ね?」

小鳥「かたじけないです…」

p「あ、千早に一応お金持ってくるようメール入れておこう」

小鳥「あ~、プロデューサーさん?」

p「なんですか小鳥さん?」

小鳥「たぶんですけど、さっきの会話を聞く限り千早ちゃんは何をしにいくかわかってないかと…」

小鳥(千早ちゃんは二人きりになってチョコを渡したいだけなんでしょうけど…)

小鳥(ここはお姉さんが頑張ってあげるわよ千早ちゃん!)ピヨッ

p「え…」

小鳥「うまい棒を買い占めるだけだと分かったら、千早ちゃんがっかりしちゃうと思いますよ?」

p「そっか…そういえば何も説明してなかったな…」

p「うーん。そう考えるとなんか千早に申し訳ないな」

小鳥「祭りが終わってからでも食事に行ったらどうですか?」

p「ええ、そうします。ありがとうございます」

小鳥「どういたしまして」

小鳥(私が出来るのはここまで…)

小鳥(千早ちゃん頑張ってね)

p「さて、仕事しますか」

小鳥「はーい」

-仕事後-

千早「お待たせしました」

p「俺もちょうど仕事が片付いたところだ」

千早「お祭りには間に合いそうですか?」

p「一応17時からだが大丈夫だろう」

千早「一体どんなお祭りなんですか?」

p「あー、とりあえず一か所行ってみれば分かるさ」

千早「?」

p「じゃあ行くか」

千早「そういえばどこでお祭りはやっているんですか?」

p「ローソ○」

千早「え?」

p「ローソ○」

-ローソ○-

店員「いらっしゃいませー」

p「えっとかごは…あったあった」

千早「ここで何か準備するんですね?」

p「いいや、ここでこれを買うんだ」つ[うまい棒]

千早「…うまい棒ですか?」

p「そう」

p「この棚にあるうまい棒を…!!」

ドサドサドサドサ

千早「プ、プロデューサー!」

p「これでいいんだ千早!」

千早「で、でも、多すぎませんか!?」

p「なに、たったの72本くらい大したことないさ」

p「よし、会計いくぞ」

千早「あの…チョコ味が残っていますよ?」

p「チョコ味は買わない…それがこの祭りのルールだ」

店員「…よう中島」

p「ふっ…お前も中島だったのか」

店員「領収書は」

p「もちろん」

店員・p「「(有)フォーエバースタイル!!東京います!!」」

店員・p「「ハハハハハハハハwwwwww」」

千早「???」

p「これで在庫は全部か中島?」

店員「残りは俺が今朝買い取った」

p「ふ…流石だな」

店員「他の店には行ったか?」

p「いや、ここが一軒目だ」

店員「気をつけろ…今年は大物がいるらしい」

p「大物だって?」

店員「大金持ちが参戦しているらしくてな…あちこちの店舗ですでに全部買い占められているらしい」

p「そうか…ある意味頼もしいが、自分の分を確保できないのは痛いな」

店員「そういうことだ。お前は運が良い方だよ」

p「ああ、サンキュー中島」

店員「あばよ中島」

p「おい、千早~。次行くぞ?」

千早「あ、は、はい」

店員「あざっしたー」

店員「そういえば…あいつらリア充じゃないのか?」

店員「…爆発しやがれ」

-店外-

p「…さて、千早」

千早「はい」

p「今のが今日の祭りの全てだ」

千早「…要するにうまい棒を買い占めるだけなんですね」

p「要点だけ言うとな」

p「だがちゃんと目的はある」

千早「…釈明をどうぞ」

p「今日はバレンタインだろう?」

千早「そうですね」

p「世間ではリア充どもがチョコを渡したりしていちゃいちゃしてるわけだ」

千早「リア充って…ああ、そういう…」

p「そこで非リア充である我々がうまい棒を全国のローソンで買い占めることで」

p「チョコではなくうまい棒に世間の目を向けようという祭典なんだ」

千早「…茶番ですね」

p「なんとでも言うがいいさ」

p「とにかく俺は今日はうまい棒を買い続ける」

p「…千早はどうする」

千早「…」

p「まあ、こうなるのは音無さんのお陰で分かってたからさ」

p「祭りが終わったらどこかに食事にでも行こうか」

千早「…いいんですか?」

p「千早をがっかりさせちゃったしな」

p「俺からのお詫びってことでさ。もうちょっとだけ付き合ってくれないか?」

千早「まあ、なんでもいいですけど…」

p「よし、じゃあ次はあっちのローソンに…」

???「ふはははははは!!!その必要はない!!」

p「なに!?」

千早「この声は…961プロの黒井社長ですか?」

黒井「ウィ。765プロの貧乏貧相プロデューサーと…『歌姫』如月千早だな」

p「なんか千早と俺の扱いが違うんですけど」

千早「あの…黒井社長がどうしてここに?」

黒井「なに。優雅にショッピングを楽しんでいたら、道に貧相な顔があっただけだ」

p「優雅にショッピングって…!!その袋は!!」

黒井「ようやく気がついたか貧乏暇無しヘボプロデューサー!」

黒井「都内全てのうまい棒はこのセレブな私が既に買占めた!!」

千早「セレブなのにうまい棒ですか…」ボソッ

黒井「つまり貴様らにはもう買うことのできるうまい棒は残っていないということだ!!」

黒井「ではさらばだ。765プロの2人」

黒井「アデュー」

すたすた

p「終わった…俺の祭りが終わってしまった…」

千早「…とりあえず事務所に戻りませんか?」

p「…ああ」

-事務所-

小鳥「あ、おかえりなさい。どうでした?」

p「…はぁ」

千早「買えたのは一店目だけで約70本だけです。後は黒井社長が全て買い占めたそうです」

小鳥「そ、そう…」

p「72本だけなんて…」

小鳥「ま、まあ、祭り自体は成功じゃないですか」

p「そうなんですけどね…961にもらいに行こうかな…」

千早「……」

千早「ところでプロデューサー?」

p「ん?どうした千早」

千早「お祭りは終わりましたよね」

p「ああ。終わったよ…」

千早「参加したことに後悔してますか?」

p「そうだな…今回は散々だったしな」

千早「でしたらいっそ、参加資格を無くしてしまいませんか」

p「え?」

すっ

千早「どうぞ。プロデューサー」

p「これは…チョコレート?」

千早「私の手作りです。…受け取ってもらえませんか?」

p「いや、ありがたくいただくよ」

ちゅっ

p「…え」

千早「…///」

千早「好きです、プロデューサー」

p「」

千早「私じゃ…駄目ですか?」

p「…俺でいいのか?千早」

p「お前はアイドルだし、俺はそのプロデューサーだ」

p「しかも冴えない非リア男だぞ」

千早「立場とかそういうのは今は関係ないです」

千早「私は…プロデューサーがいいんです」

p「…分かった」

千早「じゃあ」

p「いや、俺から言わせてくれよ」

p「千早、俺と付き合ってくれ」

千早「はい…!」

千早「ふふ…これで私たち、『リア充』ですね」

p「…ああ、そういうことか」

小鳥「…リア充爆発しろ」

p「あ、小鳥さんいたんですか」

小鳥「ええいましたよ。人の眼の前でいきなりリア充になりやがって畜生ピヨ」

千早「リア充にはチョコがあるのでうまい棒はもういらないですよね?」

p「ああ、そうだな。小鳥さん、このうまい棒全部あげますよ」

小鳥「ありがとうございます。末永く爆発してください」

p「千早の本命チョコか…これ1つだけだよな?」

千早「ふふ…当たり前じゃないですか」


千早「ひとつだけをひとりだけに…ですから」

終わり

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