ゆかり「どうしたんですか…？」

有香「どうもしてませんっ」

法子「朝からずっとこんなかんじなんだよー？」

有香「……」

法子「……」

有香「つーん」

法子「のそっ」

有香「いただきます」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

法子「ドーナツは食べてくれるんだけど…」

ゆかり「そうですか…」

ゆかり「ということは、体調が悪いというわけではないのですね。とりあえず安心しました」

法子「ぜんぜんよくないよー！ずっと無視されてるんだよ！？」

有香「つーん」

ゆかり「無視…かどうかはわかりませんが、たしかにこれでは…」

ゆかり「有香ちゃん、何かあったんですか？」

有香「……」

ゆかり「黙っていては分かりませんよ？私たちが有香ちゃんのことを傷つけてしまったのなら…」

有香「…ほっといてください」

法子「のそっ」

有香「いただきます」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ゆかり「法子ちゃん、ちょっとおとなしくしててね？」

法子「はーい」

ゆかり「コホン…とにかく、そんなこと言わないでください。心配なんです」

有香「嘘です」

ゆかり「嘘なんかじゃ…」

法子「ゆかりちゃんお母さんみたい」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ゆかり「そ、そうですか？」ﾃﾚﾃﾚ

有香「…思ってるくせに」ﾎﾞｿｯ

法子「え？なに？」

有香「2人とも、あたしのことなんかどうでもいいと思ってるくせに！」

法子「えぇ！？ゆかりちゃんそんなこと思ってたの！？」

ゆかり「まさか」

有香「そんなの嘘です！2人ともあたしのことなんかほっといて、若葉さんや時子さんと一緒にいればいいじゃないですか！」



ゆかり「は、はい…？」

法子「…？」

ゆかり「あの、有香ちゃん？それはどういう…」

有香「とぼけないでください！ゆかりちゃんこの前の舞台で若葉さんのこと『お姉様』って呼んでたじゃないですか！」

ゆかり「そうですけど…」

有香「法子ちゃんも、時子さんのこと『先輩』って！」

法子「あ、うん。時子さんは『ぱいせん』だけどね」

有香「あたしだって年上なのに！18歳なのに！そんなふうに呼んでくれたこと一度もないじゃないですか！」

ゆかり「お、落ち着いてください…」

‐‐‐‐‐
‐‐‐
‐

有香「すみません…取り乱してしまって…」

ゆかり「いえ、大丈夫ですよ。もう落ち着きましたか？」

有香「はい…」

ゆかり「ええと、つまり…」



ゆかり「呼んでほしい、と」

有香「…はい」

法子「なーんだ、そんなことかー」

有香「そ、そんなことって…」ｶﾞｰﾝ

法子「もうっ、有香ちゃんかわいいぞっ♪」

有香「うぅ…」

ゆかり「でも、そんなことなら言ってくれれば…」

有香「いや、自分から言うのは…その…」

ゆかり「……」

ゆかり「そんなこと気にしないでください。私は、お姉様の言うことならなんでもききますのに」

有香「ゆ、ゆかりちゃん…？」

ゆかり「ふふっ♪どうしましたか、お姉様？」

法子「あたしも、有香先輩のいうことなんでもきいちゃうかもっ！」

有香「ふ、２人とも…！」

ゆかり「お姉様♪」

有香「はうっ」ﾖﾛｯ

法子「先輩っ♪」

有香「あぁっ」ｸﾗｯ

有香「も、もう一度お願いします！」

ゆかり「ふふっ、お姉様♪」

法子「せーんぱいっ♪」

有香「もう一度！」


‐
‐‐‐
‐‐‐‐‐

数日後…


ゆかり「お姉様♪」ｷﾞｭｰｯ

法子「先輩っ♪」

有香「あ、あの、２人とも…？もうそろそろいいかなーって…」

周子「へぇ～…」ﾆﾔﾆﾔ

有香「ハッ！？」

有香「し、周子さん！？これはっ、その…」

周子「え？え？何？キミたちそーゆーアレなん？」ﾆﾔﾆﾔ

有香「ち、ちがいます！」

周子「両手に花でよく言うわ。まー安心してよ、あたしもそーゆーのには理解ある人でいたいからさ♪」

有香「だからちがいますってばー！」


おわり

【おまけ】

ゆかり「あの、よろしければ私のことも…」

法子「ゆかり先輩！」

ゆかり「も、もう一度！」

法子「えへへ…ゆかり先輩っ♪」

ゆかり「ああっ」ｸﾗｯ

有香「だ、大丈夫ですか！？」

【おまけ２】

法子「……」ｳｽﾞｳｽﾞ

有香「法子ちゃんは…」

ゆかり「法子ちゃん…ですね」

法子「えーっ！？」

有香「法子ちゃんっ♪」

ゆかり「ふふっ、法子ちゃんっ♪」

法子「もー！」


おわり