ゲンドウ「殺せよぉ!!」(21)
ゲンドウ「どうせマジでダメな男とか思われてんだろ!」
ゲンドウ「死んだ嫁を忘れられずに国際機関牛耳って世界滅ぼそうとしてるヘンタイさんなんだろ!」
ゲンドウ「グラサンかけて『ぷぷ、あいつってアレが本体?』とか後ろ指さされてんだろ!チクショウ!」
ゲンドウ「オマケに最新の劇場版じゃグラサンじゃなくてバイザーだしよ!どこで売ってんだよ!ヤマダ電気かよ!」
ゲンドウ「もういやだ…もういやだ…ドスの効いた声出すのももう疲れたんだよ…堪えるんだよ」
ゲンドウ「誰か俺の補完もやってくれよ…」
バンッ
ゲンドウ(アレ…俺部屋の真ん中でパイプ椅子座ってる…)
ゲンドウ(真っ暗な中で俺のとこだけ電気点いてる…なんだこれ)
シンジ「よく来たね父さん」
ゲンドウ「シンジ…!!」
ゲンドウ「…シンジ、ここで何をやっている」
シンジ「それは僕のセリフさ。父さん、父さんはここへ何しに来たの?」
ゲンドウ「…気がついたらここにいた」
シンジ「ウソだね」
シンジ「父さんは自らの補完を望んだんだ、カラッポの父さんの心を満たしたくて願ったんだ」
ゲンドウ「シンジ…良い加減に」
シンジ「綾波もそう思うだろ?」
レイ「ええ、そうね」
バンッ
ゲンドウ「!」
ゲンドウ「レイ…なぜここに」
レイ「碇君と同じ、あなたの願い、あなたの補完」
ゲンドウ「…私の補完はユイ以外にあり得ない」
シンジ「さらけ出して、いいんだよ?父さん」
レイ「ヒトのリビドーを向けるとても気持ちいいものを用意したわ」
ミサト・リツコ・マヤ・ナオコ「」うっふ~ん
ゲンドウ「…」
ゲンドウ「」バキバキ
レイ「なんの音かしら」
シンジ「なんの音だろうね」
ゲンドウ「…」
レイ「碇司令の下腹部に強力なatフィールドを確認したわ」
シンジ「パターン赤だね」
レイ「真っ赤ね」
ゲンドウ(なんか怖い)
レイ「碇司令、あっちへ行ってもいいのよ」
ミサト・リツコ・マヤ・ナオコ「」うっふ~ん
シンジ「我慢しなくていいんだよ、父さん」
ゲンドウ「…こんな事をして何になる」
シンジ「また母さんに逃げるの?父さん」
ゲンドウ「…私は…ッ!」ガタッ
ゲンドウ(逃げてはいけない、逃げてはいけない、逃げてはいけない…しかし)
ゲンドウ「…ユイ以外にはあり得ん」
シンジ「父さん、乗るなら早くして。でなければ行ってもらうよ」
ゲンドウ「どこへだ?」
レイ「あなたの薄暗い青春の時代」
ゲンドウ「まさか…まさか」
ゲンドウ「ヤメロォォオ………」
バンッ
ゲンドウ「…」
ゲンドウ「」ハッ
ゲンドウ「ここは…六畳一間の風呂なしアパート…便所は共同…」
リーリリーリー
ゲンドウ「コオロギが鳴いている…常夏の日本ではないのか?」
ゲンドウ「いや…そんな事はどうでもいい」
ゲンドウ「チッキショウ!乗っときゃ良かった!」ガンガン
隣人「うるさいよ!」ガンッ
ゲンドウ「」ビクッ
ゲンドウ「壁薄いのかよ…!」
ゲンドウ「久しく人に怒鳴られた事がなかったからな…正直ビビったわ…」ブルッ
ゲンドウ(しかしこの部屋…俺が若い頃住んでたボロアパートじゃねぇか)
ゲンドウ「戻って来たのか…」
ゲンドウ(そうだ…ユイに会うまで俺は田舎から出てきた貧乏学生だった…その後は代議士の鞄持ち)
ゲンドウ「野心だけは強くて…学生の頃の成績はトップだったんだ。そうだ、俺は真面目に勉強していた」
ゲンドウ「ユイに会ったのは…確か1999年」
ゲンドウ(確かこの部屋には日めくりカレンダーがあったはず…)
ゲンドウ「あった!1999年…9月2日」
ゲンドウ(俺の補完がどうとか言ってたな…コレは俺の心の中の出来事か?)
ゲンドウ(しかしこの感じ…西日が差してくるこのカビ臭い部屋の雰囲気はまさに俺の住んでいたアパートそのもの…」
ゲンドウ「これが本物の世界なら、明日ユイに会える」
夜ーーー
リーリリーリー
ゲンドウ「」
ゲンドウ(眠れん)ギンギン
朝ーーー
ゲンドウ(結局一睡もできなかった)
ゲンドウ「…ションベン行こ」のそのそ
ゲンドウ「うぅ…朝は冷えるな…共同便所は外にあるから嫌なんだよ」ガチャ
ゲンドウ「」カンカンカンカン
ゲンドウ「」スタスタ
ゲンドウ「」ガチャ
ゲンドウ(…鏡に映る俺、やっぱり若ぇ。こりゃグラサンが映えるな)
ゲンドウ「うぅ、さぶさぶ」ガチャ
ゲンドウ「さて、支度しないとな…一旦事務所に行って車乗って先生の自宅に行くんだよな確か…」
ゲンドウ「何年経っても覚えてるもんだな…」
ゲンドウ「手帳があったよな…どれどれ」
ゲンドウ「ふむふむ…あ~、今日は暇そうなスケジュールだな、良かった」
ゲンドウ(前やってたとはいえ、いきなり代議士の鞄持ちとか出来ねぇよ)
代議士自宅ーーー
ゲンドウ「お迎えに上がりました」
代議士「ん、今日の予定は?」
ゲンドウ「午前中は京都大学の講堂で講演会を行って頂きます、午後は椿屋旅館で会食です」
代議士「それだけかね?」
ゲンドウ「今日はお暇な時間が取れるかと、先生は日頃ご多忙ですからこういった日も宜しいのでは」
代議士「ふむ」
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