「アカ掃除と虫退治」 (22)
「ご死名入りました」
男「…はい?」
「では、頑張ってください」
男「……えっ、よくわかんな」
「『アカ』を取り除くんですよ。簡単でしょう?」
男「いや、そうじゃなくて…あれ?そう言われればここは…?」
「現実の外れと言うところです。勤めを果たせば戻れますよ」
男「…(夢か?)」
「パートナーのところに行ってください」
男「…うーん…行くしかないか…な?」
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女「…あっ」
男「…あ…どーも…」
女「…あの、ここがどこかご存じですか?」
男「えーと、現実の…外れ?みたいな事言ってたような…」
女「はぁ…」
男「…名前聞いて大丈夫ですか?」
女「ああ、えーっと…あれ…?」
男「…?」
女「ごっごめんなさい、ちょっとパニックになってて…あなたは?」
男「僕は…その…あれ…?」
女「…?」
男「少し…分かってきました」
女「…」
男「名前もそうですが、前の生活していた記憶も、無い…のかな?」
女「……はぃ」ヒッグ
男「…うーん…」
女「…っ…うっ……」ボロボロ
男「……」
女「…」
男「…」
女「…アカを取るって…」
男「あ、あぁ…アカを…」
女「何なんですかね…」
男「…うーん…何だろう」
女「…」
「アカの削除に向かいます。他二名のペアの削除方法の見学していてください」
「ここから『虫』たちの生息場所です」
男「…虫?」
女「…向こうに居るのは、人…?」
「彼らのところまで行き、見学しててください。離れてた方がいいですよ」
男「あの…この薄暗い道の先ですか?」
「では、お気をつけて」
女「行くしかない…みたいですね」
男「…う、うん」
男「…(なんかここ…どっかで)」キョロキョロ
女「怖い…ですか?」
男「いや…少しは…」
女「…怖いです。私は」
男「…見学ですしね。それに…」
女「まぁ…」
男「…(路地裏…といえばいいのか?)」キョロキョロ
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共産主義者かな?
>>7
そうじゃないと言ったら嘘かも
女「手…を」
男「はい、手…ですか?」
女「…繋いでも、いいですか?」
男「あ…どうぞ」
女「…」ギュ
男「…(凄い手汗だ)」
女「長いですね…道」
男「もうそろそろ」
女「知ってるんですか?」
男「え、いやぁ…たぶん…」
男「何となく…」キョロキョロ
女「…はい」
メガネ「…来た」
赤毛「あれ…女の子もいる?」
メガネ「…」
赤毛「あーあ、手なんか繋いじゃって」
赤毛「おーい」フリフリ
メガネ「お前と同じくらいか…」
赤毛「んー、もうちょい若いよ」
メガネ「…」
男「あの、どーも」
女「…ど、どうも」ペコ
赤毛「ハイハーイ。じゃあ『アカ』、取り除くからね?」
男「え?」
メガネ「…危ないから、数メートルは離れろ」
女「あっ、はい…」
男「…(結局誰なんだ、この二人)」
青年「」
男「わっ…」
女「あの、こちらは…?」
赤毛「『アカ』ってのはコレ、でコレを消すには『虫』ってのがいて」
メガネ「…虫と呼ばれているだけだが…」
…ギギギギギギ
男「…なにか…入ってる?」
メガネ「丸で寄生虫のような、何かがいる」
メガネ「そいつが…危険な理由だ」
青年「」ユラン
女「…っ」ビクッ
赤毛「…こいつらの『中』は現実に見えるけど、実はちょっと違うみたいで」
赤毛「少し次元が違うかもしれない…だよね?」
メガネ「それは推測でしかないが…明らかに物理現象が異常な事は間違いない」
男「???」
メガネ「こいつは本体じゃないんだ」
メガネ「中の潜在意識もろとも破壊しなければ…」
女「えっと、この人は…敵ですか?」
赤毛「んまあ、そーゆうこと」
女「…顔が…真っ黒」
赤毛「『虫』に喰われるとああなるんだ」
赤毛「形だけ残って、顔と中身は乗っ取られてるみたいな」
赤毛「あ、後ねぇ」
メガネ「おい」
赤毛「はいはい。また後でねー」
男「…(何かするのか?)」
女「…ここなら大丈夫、ですかね」
男「…たぶん」
女「…」
男「何なんですかね…」
女「…とにかく、普通じゃないですね」
男「…うーん」
男「…(アレと、戦ったりするのか?)」
青年「…っ」ブシュ
男「!?!」
プスン プスン
赤毛「…」
メガネ「…」
女「え…?ケーブル??」
青年「ガガガ…ピー…」シュルン
赤毛「…ふう」
メガネ「…よし」
男「…?…??」
青年「」フラッ
ドサッ…
メガネ「戻るぞ」
男「え、なんで、え?」
赤毛「後で後で、ほらお呼びが来るから!」
女「え、あの…あれは」
赤毛「ああ、実質アカを取り除くのはあれでおーしまいっ」
女「…あれで…」
「お疲れ様です。すぐに戻ります」
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男「…仮想現実〈バーチャルリアリティ〉…ですか?」
赤毛「そ。それそれ」
女「あのケーブルは…何なんでしょうか」
メガネ「さあな。死名を受けた人間が知る必要はないんだろう」
メガネ「あの『アカ』が何なのかも…な」
赤毛「で、本題だけどー、君たちもアイツらを倒さなきゃならなくて」
赤毛「その力を身に付ける手助けを、僕らが担当されたってわけよ」
男「…はぁ」
赤毛「まずー、背中にケーブルの差し込み口があってー」
女「えっ!?」
………………………………
………………………
……………
赤毛「ーーーみたいな感じよ」
男「考えないで…動けって事ですか?」
メガネ「はぁ…解説書に問題ありだな」
赤毛「な、何だよぉー…」
女「…意思の強さなんて、本当にわからない…」
メガネ「…イメージをどれだけ具体的に、それも直感的に出せるか…だな」
男・女「なるほど」
赤毛「…ちぇーっ」
男「でもそれじゃ…何でもありになりません?」
赤毛「そ・こ・で、『強さ』が出てくるのよ」
メガネ「そうだ」
男「?」
メガネ「集中力、人間の五感、そして」
メガネ「異常な創造力も…必要になる」
女「それが強ければ強いほどいいんですね?」
メガネ「あぁ…だが逆も然りだ」
赤毛「たまに凄い『虫』がいてさ、新人さんなんかゴミみたいに消されるやつが出るらしいんだ」
赤毛「他のペアをつけて、アカを協力して消す事があったとき、色々聞いてさぁ」
赤毛「ま、話だけだけどねー」ハハ
男「他にも…僕たちみたいな人が?」
赤毛「いるいる。数までは知らんけど」
女「強い人一緒にと戦った事は…?」
メガネ「…俺らが危ないときに助けてもらいながら、経験を積んだ」
メガネ「敵の『意思』に潰されるほどだった…」
赤毛「凄かったよなぁー。余程の意思でなきゃ無理だよね」
男「へぇ…」
「次のアカ取りがあります。準備をしてください」
赤毛「てことで実践だねぇ。今度は俺らは見てるだけだかんね!」
男「え、そんないきなり…」
メガネ「基本的に俺らが繋がっていれば、やられはしない」
女「…ふぅ」
赤毛「んまあ、そんなヤバイのはよこさねぇよ……たぶんな!」ハッハッハ
男「…(冗談じゃないよ…ホント)」
「お気をつけて」
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