一夏「あ、財布拾った」 (21)
一夏「・・・」
鈴「ん?どうしたの?」
一夏「財布拾ったんだ」
鈴「へー、いくらはいってんの?」
一夏「えっと・・・1,2,3、・・・・・に、日本円で40万!それと100ドル札が20枚!」
鈴「あわせて60万!?す、すごい大金じゃない!」
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鈴「ね、ねぇ?」
一夏「・・・な、なんだ?」
鈴「ちょっと財布貸して?」
一夏「な、なんでだよ!」
鈴「いいじゃない!減るもんじゃないし!」
一夏「減るよ!なんかお前に貸したら減る気がするよ!」
鈴「いいでしょ!貸しなさいよ!」ドタバタドタ
一夏「駄目だって!」バタバタ
鈴「貸しなさいっての!」ドタバタガシィ
一夏「駄目だ!こら!暴れるな!あっ!」スル
ポト
ベキィ
鈴「あ」
一夏「お前が暴れるから財布ふんじゃっただろ・・・って」
一夏「なんかお守りみたいなのが壊れてる」
鈴「ま、まぁただのキーホルダーでしょ!そんなのどこにでも売ってるわよ!」
一夏「そ、そうだよなっ!」
鈴「・・・」
一夏「・・・」
鈴「さ、さすがに警察に届けないと・・・困ってるわよね?」
一夏「そうだな、ねこばばはいけないよな」
~
鈴「あー、いいことした後は気持ちいいわね!」
一夏「ああ!これで落とした人も救われるな!」
鈴「でも謝礼ってたしか1割よね?だったら6万円もらえるってことじゃ!?」
一夏「ろ、6万か・・・大金だな!」
鈴「早く落とし主現れないかなー」
一夏「えっ?お前も貰う気なの?」
鈴「なによ?警察に届けるよう進言したのはわたしでしょ?」
一夏「ひ、拾ったのは俺だぞ!?」
鈴「いいじゃんケチ!」
一夏「ケチとはなんだこの乞食!」
鈴「いったわねーーーーっ!」ムキー
ドタバタドタバタ
シャル「あれ?もしかして一夏と鈴?」
一夏「シャル?」
鈴「聞いてよ!こいつがケチなのよ!」
一夏「うるせぇ乞食!」
鈴「なによ!」
シャル「ま、まぁまぁっ」
一夏「それよりシャルこそどうしたんだ?交番になんか用か?」
シャル「うん、実は財布落としちゃって、届いてないかなって来てみたの」
一夏「財布?そりゃあ・・・なんていうかお気の毒に」
鈴「ジュース1本くらいならおごってあげるわよ?」
シャル「はは、ありがと」
シャル「でもたいしてお金入ってなかったから別にいいの」
シャル「ただお母さんから貰った大事なお守りもいっしょだったから」
一夏「シャル・・・」
鈴「それだったら絶対届いてるわよ!」
シャル「そうかな?」
一夏「なにを根拠に」
鈴「大事なお守りなんでしょ?そりゃ拾った相手も届けるってもんよ!」
一夏「意味がわからない」
シャル「ありがとう鈴、とにかく聞いてくるよ」
鈴「がんばっ!」
一夏「古っ!」
~
鈴「財布届いてるといいわね」
一夏「そうだな」ボヘー
シャル「あ、一夏~、鈴~」タッタッタ
一夏「お、シャル!どうだった?」
シャル「うん!ちゃんと届いてたよ!しかもお金もそのままだった!」
鈴「やったじゃん!拾った相手に感謝しないとね!」
シャル「すごくいい人に拾われたみたい!」
シャル「でも・・・お守りは壊れちゃってたよ・・・」
一夏「そうか残念だ・・・ん?」
鈴「あれ?シャルロット・・・その財布」
シャル「どうかした?」
一夏「・・・もしかしてシャルって米ドル札とか入れてたりするのか?」
シャル「えっ?うん、一応入れてるけど」
鈴「こ、国際的ね!」
一夏「ち、因みに拾った相手とかわかるのか?」
シャル「なんか警察のほうで連絡しとくって」
シャル「個人情報をばらせないから後日また来てくれって言われたよ?」
一夏「そ、そうか」
鈴「・・・」
一夏「・・・」
シャル「あ、そうだ!せっかくだからご飯食べていこ!ぼくがおごるからさ!」
一夏「ひっ!」
鈴「け、結構ですっ!」
シャル「えっ?ど、どうしたの?なんか用事でも・・・」
一夏「い、家にタマゴかけご飯余ってるから!」
鈴「わ、わたしもっ!」
一夏「じゃあなシャル!」
鈴「またねっ!」
ピュー
シャル「あ、あのっ」
シャル「・・・どうしたんだろ?」
~
prrrrrrrr
prrrrrrrr
prrrrrrrr
一夏「ひぃぃぃぃぃっ!ちゃ、着信ありぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」フトンブルブルフトンブルブル
prrrrrrrr
prrrrrrrr
prrrrrrrr
鈴「わたしは悪くないっ!わたしは悪くないっ!わたしは悪くないぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」ガタガタガタ
~
コンコン
一夏「ひっ!だ、だれだ!」
「ぼくだよ~?入っていい~?」
一夏「駄目だ!!!」
「だ、駄目なの?」
一夏「い、いやあの!」
一夏(こ、ここで入れないと余計に怪しまれるか!?)
一夏「ど、どうぞおはいり下さい!」
ガチャ
シャル「お邪魔しまーす」
シャル「ってどうしたの!?電気消して!」
一夏「いやぁ、今真夏の肝試し大会を行っていたところなんだ」
一夏「なんか飲むか?」ヘーゼン
シャル「じゃ、じゃあ紅茶を貰おうかな」
一夏「今入れるさー」
シャル「さー?」
~
一夏「それよりどうしたんだ?こんな真夜中に?」セイザ
シャル「今お昼だよ?」
一夏「あーそうだったな!暑さでやられちまったよ!」
シャル「今真冬だよ?」
一夏「ははっ!」キラン
シャル「どうしたの一夏?なんか変だよ?」
一夏「ソンナコトアリマセンヨ」
シャル「・・・」
一夏「そ、それよりなにか用があってきたんじゃないのか?」
シャル「あ、そうそう!忘れてたよ」
シャル「昨日の財布のことなんだけど・・・」
一夏「ふんっ!」ドゴォ!
箒「おわっ!何事だ!」トナリノヘヤ
シャル「きゃあっ!い、一夏っ!大丈夫っ!」
一夏「大丈夫だ!ちょっと足を滑らせただけだ」スポ
シャル「す、座ってたよね?」
一夏「ちょっと頭が痛いから早退するわ」
シャル「そ、そう?えっ?ここ一夏の部屋・・・」
一夏「悪いな、またな!」ダダダダダダ
シャル「・・・」
箒「なにをしとるんだお前達は?」ヌッ
シャル「あ、箒、こんにちは」
箒「こんにちは」
~
ドンドンドン
鈴「ひっ!わ、わたしは悪くないわよ!」
「うるせぇとっととあけろ!」
ガチャ
一夏「・・・」
鈴「な、なによ一夏?」
一夏「作戦会議だ」
鈴「さ、作戦会議?」
~
鈴「えっ?もうシャルロットにはバレてるの!?」
一夏「いや、まだバレてると決まったわけじゃないが・・・」
一夏「シャルロットのあの嫌らしく獲物を追い詰める目を俺は見逃さなかった」
一夏「決定的な証拠はつかんでないが・・・おそらく状況証拠を踏まえて自白させようって気じゃないだろうか?」
鈴「や、やばいじゃないっ!あの子の性格からしてわたし達どんな目に合わされるか!」
一夏「噂じゃシャルの肩にぶつかった女はAKB48の一番不細工な顔に変えられるまで殴られたとか」
鈴「ク、クラスで48番目ってこと!?それもう不登校じゃない!?」
一夏「お、俺達もそうなるってことだ!なんとか逃げ切らないと!」
鈴「で、でも警察もわたしたちを張ってるのよ!逃げ切れるわけないじゃない!」
一夏「馬鹿野郎!そんな弱気でどうする!」バシン
鈴「痛いわね!なにすんのよ!」バキィ
一夏「・・・とにかふおたはいシャルとはあわふぁいようにふるふぉうふぁいい」」
鈴「OK、何言ってるかさっぱりだわ」
一夏「おまふぇのせいふぁ」
鈴「とにかくシャルロットとの接触は避けてほとぼりが冷めるまで待ちましょう」
一夏「りょうふぁい」
~
一夏「・・・」
ラウラ「む?そんな所でなにをしているのだ?教室に入らないのか?」
一夏「ラ、ラウラ!」
ラウラ「なんだ?声が小さいぞ?」
一夏「シャ、シャルのやつはもう来てるのか?」
ラウラ「シャルロットに用事か?なら入ればいいだろうが」
一夏「い、いや!そうじゃなくて、き、来てるんだな!」
一夏(どうする!?今日はずる休みをするか!?)
ラウラ「・・・!」
ラウラ「そういうことか」
一夏「へ、へへっ」
一夏(さすがラウラだ、軍人だけあって相手の心理を読むのがうまい)
ラウラ「仕方がないな、そこでまってろ」
一夏「へい!」
一夏(シャルをどこかへ引き離してくれるのか?)
一夏(それなら席についたとたんに俺のエアーイグジスタンス(空気的存在)を発動させれば気づかれずに授業に出れる!)
一夏(中学の3年間の授業をまったく聞かずに寝てやり過ごした技術がここで役に立つとはな!)
一夏(なんでラウラが俺の能力を知っているのか知らないが、やはり軍人だからか?)
一夏「まぁいい、それを75日間繰り返せば・・・いける!」
シャル「一夏~、ぼくになにか用?」
一夏「ふんぎゃあ!」
シャル「???」
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