グール「うん?あぁ、飯は食ってきたからいらないよ」
ゾンビ「グァァ…」
グール「いやいや、お前の飯が嫌いなわけじゃないよ?ただ俺にも仕事のつきあいってもんがあってだな……」
ゾンビ「……」
グール「フフフ、拗ねてる姿もかわいいなぁ」
ゾンビ「ギィ……」
グール「なあ、シャンプーってどこに仕舞ったっけ?」
ゾンビ「ガアァ…」
グール「そうだったそうだった、台所の戸棚に俺が仕舞ったんだっけな」
ゾンビ「……」
グール「何だその目は?俺はまだまだボケちゃいねーぞ」
ゾンビ「グァウ……」
グール「おっと!危うく間違えてソースを持ってくところだったぜ」
ゾンビ「…」
グール「仕事で今さ、橋作ってるんだけどさぁ、今日ちょっと面白いことがあったんだ」
ゾンビ「…」
グール「昼休みによぉ、同僚のオーガが食堂で怒鳴り散らしてたんだ、何でだと思う?」
ゾンビ「ゥウ…」
グール「よく見るとアイツの皿にこんもり野菜が盛られてんの!食人鬼なのに!」
グール「それで俺が『いつからベジタリアンになったんですか?(笑)』って聞いたら殴られちまったわけですよ」
ゾンビ「……ゲッ」
グール「大丈夫大丈夫、一応俺も鬼だからそんくらいじゃ怪我はしないぜ」
グール「んで、後から聞いたらオーガとオークの飯が入れ替わってたんだってさ!確かに名前似てるけど……ガッハハハハッ!!」
ゾンビ「……」
グール「いやぁ、今日も寒いねぇ~」
ゾンビ「……」
グール「いいよなぁ、お前は寒さも暑さも感じないもんなぁ……」
ゾンビ「ォヴ……」
グール「何だ?俺もゾンビになれってか?悪くないけど、どうせなるなら老後がいいな」
ゾンビ「…ハォ……」
グール「だって爺さんになればゾンビと身体能力にたいした差がないじゃん」
ゾンビ「……」
グール「あちゃぁ~食料切らしてたの忘れてたなぁ……」
ゾンビ「……」
グール「いやぁ、こうやって腹が減るといつも昔を思い出すなぁ」
ゾンビ「……」
グール「昔は食べ物を手に入れる手段も金を稼ぐ手段もなくていっつも飢えてたよなぁ…」
ゾンビ「……」
グール「…ゴミを漁って、泥を啜って、烏やネズミを食べて、それから……グァッ!」
グール「……なんか…頭痛くなってきた…」
グール「悪い…先に眠らせてもらうぞ……」
ゾンビ「……」
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