お化け「トリック・オア・トリート!」(60)

ガチャッ

ゾンビ「……」
ユラユラ

お化け「う、うわぁっ!?」

ゾンビ「……」
ユラユラ

お化け「えっ?何その顔……」

ゾンビ「……!」
ズリッズリッ

お化け「ちょ、その顔で、無言で近づいて来るのやめてよ!」

ゾンビ「アー」
ズリズリッ

お化け「ちょ、マジで……」

ゾンビ「ガァー!」
ガバッ

お化け「やめろって言ってんでしょーが!」
ドスッ

ゾンビ「ガハッ!」
バタン



ゾンビ「…はっ!?夢か……」

お化け「夢じゃないわよ!ばか!」
ぽかっ

ゾンビ「…じゃあ暴行罪だな、お前」

お化け「あんたが変な感じで近付いて来るのが悪いっ!」

ゾンビ「だからって、みぞおち殴る事はなくないか?」

お化け「油断してたあんたが悪い」

ゾンビ「しっかし……」

お化け「何よ、まだ文句あるの?」

ゾンビ「言いたい事はあるな」

お化け「聞くだけ聞くわよ」

ゾンビ「お前のその格好は何だ?」

お化け「へ?お化けに決まってんでしょ?」

お化け「今日ハロウィンなんだよ?」

ゾンビ「それはわかってる……その上でだ」

ゾンビ「お前のその格好は何だ?」

お化け「お化けだよー、ハッピーハロウィーン!」

ゾンビ「玄関で悪いけど、ちょっとそこに正座しろよ」

お化け「何なのよ、何が言いたいのよ」

ゾンビ「その、布きれに穴を開けて、かぶっただけの姿をお化けと言うのか?ん?」

お化け「普通にお化けでしょ?」

ゾンビ「だから、どこのお化けだよ。西洋か?日本のお化けなのか?」

お化け「あぁ、そう言う意味……まぁ西洋じゃない?」

ゾンビ「どこだ?どこの国のお化けだ?」

お化け「知らないよ、そんなの……ポルターガイストとか?」

ゾンビ「バッカ、お前。ポルターガイストって騒がしい霊って意味で……」

ゾンビ「……」

お化け「何よ、何で黙るのよ」

ゾンビ「…いや、騒がしいって意味では当たってるのか、と思って」

お化け「どう言う意味よ!めちゃ失礼じゃない?」

ゾンビ「ただポルターガイストは目には見えないやつだ」

お化け「あっ、流そうとしても無駄だからね!今の言葉取り消しなさいよ!」

ゾンビ「そんな、どこの馬の骨ともわからんお化けに、菓子はやれんな!」

お化け「……」

ゾンビ「その点、俺のはどうだ?完璧だろ?」

お化け「それ、長田先輩にやってもらったんだよね?」

ゾンビ「よくわかったな、その通りだ」

ゾンビ「あの人、マジ天才だぜ。トム・サヴィーニの再来だぜ」

お化け「トム・サヴィーニって……性別違うし」

お化け「大体まだ生きてるでしょ?何で再来なのよ」

お化け「そして、その服……」

ゾンビ「お!良く気付いたな!そうだ!この服装は……」

お化け「スティーブンでしょ」

ゾンビ「……そうだ。よく出来てるだろ?」

お化け「悔しいけど、めちゃ良く出来てるよ」

ゾンビ「ふっふっふ…そうだろう、完璧な仮装だろう」

ゾンビ「ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ」

ゾンビ「その代表的キャラクターを完ぺk」

お化け「そんな事はどうでもいい」

ゾンビ「なっ……どうでもいいとは何だ!」

お化け「……長田先輩がわざわざ来てくれたの?」

ゾンビ「いや?映研の部室でやってもらった」

お化け「…あんた、今日どうやって帰ってきたの?」

ゾンビ「頭から紙袋をかぶって、友のヤツに手を引いてもらって、だ」

ゾンビ「さすがにこの顔じゃ、町中を歩けないからな」

お化け「バカなんじゃないかなー」

ゾンビ「なんだと?だって部室にしかメイク道具ねーし、仕方ないだろ?」

お化け「て言うかそもそも、そのゾンビメイクは必要だったわけ?」

ゾンビ「あ?」

お化け「今、訪ねて来たのが私じゃなかったら?もし別のお客さんが来たらどうする気だったの?」

ゾンビ「今日お前が来るってわかってたし、他の客なら玄関を開けなかった」

お化け「……」

ゾンビ「あのな、一ヶ月前から事あるごとにハロウィンハロウィン言われてればな」

ゾンビ「楽しみにしてるって事くらいわかるんだよ、いくら俺でもな」

お化け「…う」

ゾンビ「だからこそ気合入れて準備したのに、なんだ、お前のそのテキトーなお化け姿は」

お化け「世間一般のハロウィンはこれくらいゆるくて丁度良いのよ!」

お化け「それをそんな……本物の特殊メイクまでして……」

ゾンビ「ゥァー」

お化け「キモいっての!」
ビシッ

ゾンビ「痛っ」

お化け「本物のゾンビなら痛みも感じないんでしょ?」

ゾンビ「俺のはよく出来た仮装だ……ゾンビになった訳じゃねーよ」

お化け「私のは……テキトーなお化けで悪かったわね!」

ゾンビ「それはお前」

お化け「……もう良い!私、帰るね!」

お化け「長田先輩でも呼んで、本格的なハロウィンを楽しめば良いんじゃない?」

ゾンビ「なんでそこで先輩の名前が出るんだよ」

お化け「知らない!じゃね!」
ダッ

ゾンビ「ゥァーって、ちょっと待て!」
ガシッ

お化け「キモいってば、アップで見ると余計キモい!」

ゾンビ「ちょっと話を聞け」

お化け「何よっ!」

ゾンビ「お前がすげー楽しみそうにしてたから、こっちも全力で準備したんだぜ?」

お化け「……」

ゾンビ「だから帰らないでくれよ」

ゾンビ「お菓子もちゃんとあるからよ」

お化け「わ、解ったから、手離して!痛いよ!」

ゾンビ「おっと、すまんすまん」

お化け「お、お菓子の準備があるなら」

お化け「いたずらはやめておくわよ」

ゾンビ「ん?いたずらするつもりだったのか?」

お化け「とりあえず、家に上がっても良い?」

ゾンビ「おう、入ってくれよ、さぁさぁ」

お化け「わかった」

ゾンビ「そら、ソファーに座って待ってろよ、お菓子取ってくるからよ」

お化け「……うん」

お化け(私の為に、全力で準備してくれたんだ。わー…結構嬉しいかも)

お化け「ふふっ」

ゾンビ「なんだ?そんなにお菓子が楽しみだったか?」

お化け「ん!?っうん!で?何のお菓子を買ったの?カントリーマアム?」

ゾンビ「チッチッチ」

お化け「その顔でやられると、ちょっとムカつく」

ゾンビ「ジャーーーン。これ全部手作りなんだぜー!」

お化け「えっ!?これ……マジ?あんたの手作りなの?」

ゾンビ「どうよ、この品揃え!」

お化け「これ、どうしたの?」

ゾンビ「このかぼちゃケーキは昨日の夜焼いて冷蔵庫で冷やしてあった」

ゾンビ「クッキーはタネだけ昨夜仕込んで、さっき焼いた。焼きたてだぜー」

お化け「ゾンビの格好でクッキー焼いてたんだ?あはは、ちょっとウケる」

ゾンビ「良い出来だろ?味も良いんだぜ?」

お化け「マシュマロは?これも手作りなの?」

ゾンビ「おう、マシュマロもジェリービーンズも手作りだぜ」

ゾンビ「冷蔵庫にはかぼちゃのプリンも冷えてるって訳さ」

お化け「なんか、凄い気合の入れようね」

ゾンビ「……お前が楽しみにしてたから、さ」

お化け「そ、そっか…、うん、嬉しいよ」

お化け「嬉しいんだ、うん。だけど……」

ゾンビ「ん?」

お化け「お菓子は良いけど……そのDVDはイヤだ」

ゾンビ「は?今日これを見ずに、何を見るんだよ」

ゾンビ「ハロウィンだぞ?ハロウィンを観ずに何を観る」

ゾンビ「お菓子を食べながら、この映画を観るのが良いんじゃないか」

お化け「…今日は映画なんて見なくて良いじゃん」

ゾンビ「ん?」

お化け「お菓子食べながら、おしゃべりするだけで、私は良い」

ゾンビ「そうか……見たくないなら仕方ない」

ゾンビ「本当に良いのか?カーペンターだぞ?お前の好きな」

お化け「今日は本当にそんな気分じゃないから」

お化け「それじゃ改めて、お菓子を頂きます」

ゾンビ「おうよ、どんどん食べてくれよ。余った奴はお持ち帰りしてくれ」

お化け「ん。布のせいで食べにくいけど、美味しいね」
ポリポリ

ゾンビ「行儀悪いぞ、いい加減その布っきれ取れよ」

お化け「取ったら私お化けじゃなくなっちゃうもんね」

お化け「仮装でもなんでもない、普通の女子高生になっちゃいますから、取りません」

ゾンビ「そうか……ところでよ。何で今年はハロウィンの事を気にしてたんだ?」

ゾンビ「去年までそうでもなかっただろ?」

お化け「……」

ゾンビ「あ、何か隠し事か?無理に言うなとは言わねぇよ」

お化け「……答え、知りたい?」

ゾンビ「ん?あぁ、まぁな」

お化け「……じゃあ」
スススッ

お化け「トリック・オア・トリート!」
ガバーッ
ドサッ

ゾンビ「うわっ」

----目の部分だけ穴を開けた布の中----

お化けの中身「こうしちゃえば、その気持ち悪いメイクもよく見えないもんね」

ゾンビ「どういう事だよ、お菓子は用意しただr」

お化けの中身「つまりこういう事だよ」

ちゅっ

ゾンビ「!?」

お化けの中身「……いたずらしたかったんだよ」

ゾンビ「お前今の…おい!」

お化けの中身「びっくりした?」

ゾンビ「当たり前だろ!ずるいぞ!いきなり!」

お化けの中身「……嫌だった?」

ゾンビ「イヤな訳あるかよ……くそっ……せっかく色々考えてたのに」

お化けの中身「そうなんだ?でもごめんね。先手必勝!」

ちゅっ

ゾンビ「おっ…」

ちゅっちゅっ

ゾンビ「……お前」

お化けの中身「……大好きだよ」
スリスリ

ゾンビ「俺だってだよ!」

お化けの中身・ゾンビ「……」

お化けの中身・ゾンビ「…………」

お化けの中身「ぷふっ…あはははは」

ゾンビ「ははは、俺達は何をやってんだ、これ、あはははは」

ゾンビ「ほれ、いつまで上に乗ってんだ、そろそろこの布取ろうぜ」

お化けの中身「そうね、こんなのかぶってたら、お菓子食べられないもんね!」

バサッ

お化けの中身改め幼馴染「それじゃ改めて、お菓子でハロウィンパーティ、始めましょっか!」
くるっ

ゾンビ?「ギャー!」

幼「人の顔みてぎゃーとは何よ!私の顔に何かついてる?」

メイク落ちかけのゾンビ「く、口の所に、血が……」

幼「え?あっ!あんたのメイクが移ったんだ……かなり落ちてるよ、メイク」

メイク落ちかけのゾンビ「くっ……洗って全部落とそうぜ」


チョ…ゼンゼン オチナイ ジャナイ コレ

オ、オレ ノ モ ゼンゼン オチネェ…

ドースンノヨ!

ソンナ コト イワレテモ…

ゾンビの携帯 ヴーーーッ ヴーーーッ

新着メール:1件

Frm:長田先輩

Sub:すまん

本文:『男君に伝えるのを忘れていたが

    私が今日施したメイクは特殊なメイク落としを使わないと完全には落ちない

    明日の朝一番、映研の部室に来てくれれば綺麗に落とすので心配なく

    あと、人の肌には割とすぐ移るから注意が必要だ

    大切な人とキスなんて絶対にしない方がいいと、忠告させてくれ

    もし万が一、他人に色移りさせてしまったのならその人も部室に連れて来てくれ

    では』



おわり

これで終わりです
読んでもらえたらうれしいです

夜9時頃、もう一本別のハロウィンSSを
このスレに投下します

では、また後で。

レスありがとうございます

もう1本の方、投下します


幼馴染「お隣から良い感じのカボチャを頂いたのだけど」

幼「かぼちゃのポタージュを作ろうかな」

幼「それと煮付けも……」



幼「ふむ……しかし大きすぎず、小さすぎず…本当に良い感じの大きさだな」

幼「今日は丁度ハロウィンだし」

幼「ジャック・オ・ランタンを作って見るかな?」

幼「それを帽子の様にかぶって、トリック・オア・トリート!なんて……」

幼「……」

幼「…………」

幼「……やってみよう」



幼「作り方は……なになに?」
カチカチッ

幼「作るのに必要な工具に特別な物は要らないのか」

幼「ふむ……食用ではなく、観賞用のカボチャという物があるのか」

幼「確かにジャック・オ・ランタンはオレンジのイメージではあるな」

幼「やめておくか……」

幼「…………」

幼「一旦、ジャック・オ・ランタンにしてみてから食材として使おう」



ギコギコギコ…

幼「ふぅ…完成だ……うん、結構良く出来ている…と、思う」

幼「これで黒のケープとランタン型ライトを持てば……」


幼「うん、結構良い出来の仮装なんじゃないだろうか?」

くるっ
ピタッ

幼「トリック・オア・トリート!…なぁんて、ね。ふふっ」

幼「……」

幼「……こ、これってもしかして結構恥ずかしい事だろうか」

幼「どうしよう……」

幼「……幼稚と思われるだろうか」

幼「…………」

幼「……試しに幼友に見てもらおう」

幼「携帯で写真を……」



2分後
ピリリリリ ピリリリ

幼「おっと……ん?幼友から着信か」

ピッ

幼「もしm」

幼友『ねぇ!今すぐ幼の家に行っても良い?』

幼「いや、今日はちょっと……どうして急に?」

幼友『あんな可愛い写真見せられたら、生で見たくなっちゃうでしょー!』

幼「あ、あぁ……えっと、その……似合っていたかな?」

幼友『めっちゃ似合ってたね!可愛いって言ったでしょ!』

幼友『どうなってんのよ全く!もう!』

幼友『その頭に乗ってるカボチャのやつ、手作りなんでしょ?』

幼「あはは、やっぱりバレてしまったね」

幼「ちょっとお隣から良い感じのカボチャを頂いたのでね」

幼「試しに作ってみたんだけど、どうかな?」

幼友『めっちゃ良く出来てるよ!流石だよ!』

幼友『あーーーー、課題さえ無ければ、ダッシュで行くのに!』

幼「ふふっ、課題頑張ってね」

幼友『あ、そうだ!明日学校に持ってきてよ!』

幼「あぁ、すまない。これからこのカボチャはスープと煮付けになるんだ」

幼友『そんなぁ……折角明日はハロウィンなのに?』

幼「え?ハロウィンは今日だよ、幼友」

幼友『え?マジで?』

幼「10月31日がハロウィンだよ」

幼友(しまったーーーー!仮装して幼ん家に突撃して、イタズラする計画がっ)

幼「もしもし?幼友?」

幼友『やっぱり今からお邪魔しても良い?』

幼「いやいや、課題頑張りなよ」

幼友『うーーーーー……じゃあ、もっとたくさん写真撮って!そして私にちょうだい!』

幼「う、うん、解った。何枚か撮って見るよ」

幼友『待ってるからね!』

幼「うん、わざわざ電話ありがとう、幼友。また明日ね」

幼友「アィラーヴュー、幼っ」



幼「さて…写真か……」

幼「自分で自分を撮るのは限界があるな……」

幼「……」

幼「……頼んで見ようかな」

幼「変に思われないかな……」

幼「でも折角作ったのだし、見てもらいたいかも……」



ピンポーン

ガチャ

男「はいはーい?」

幼「や、やあ!」

男「ん、どうし…た?どうした!?」

幼「と、トリック・オア・トリート!……なーんて」

男「お、おぉよ?」

幼(これは…引いてる……?)

幼(しまった……やらなければ良かった……)ショボン

男「あ、そうか!ハロウィンって今日なのか!」

男「頭のそれ、ジャックランタンだっけ?すげーな、幼」

幼「あ、あぁうん。ごめんね、こんな変な格好で突然」

男「変じゃねぇよ。それ自分で作ったんだろ?今朝のカボチャだもんな」

幼「そうなんだ、あ、食べ物を粗末にした訳じゃなくて、これからスープに……」

男「そうだ丁度良かった、お菓子あるから持ってけよ」

幼「え?」

男「ハロウィンならお菓子だろ?今家に俺しかいねーけど、入ってくれよ」

幼「う、うん、お邪魔します」



男「これこれ、貰い物らしいんだけど」

幼「わぁ…可愛いクッキーだね」

幼「人形型なんだね」

男「ジンジャークッキーだとさ」

幼「ふふっ、それじゃあ頂きます」

男「おう、食え食え。このウチのお菓子を消費するのは俺と幼くらいだからな」

幼「そ、そう…」
ポリポリ

男「ほい、ココアをどうぞ」

幼「うん、どうもありがとう」
コクッ

ポリポリ
男「ん、なかなか美味しいな」

幼「うん、美味しいね、これ」
ポリポリ

男「あぁ、あんまりたくさんは食べられないけどな」

男「良かったら半分、持って帰ってくれよ」

幼「ありがとう、遠慮なく頂くよ」
ポリポリ

男・幼「……」

男「ひょっとして、何か用事だったか?ハロウィン以外に」

幼「え…?……あ、そうだ、用があったんだ」

幼「えっと…この格好の私の写真を撮って欲しいんだ、この携帯で」

男「へぇ?」

幼「幼友に頼まれてしまってね」

幼「自分で撮るのは限界があって……迷惑だったかな?」

男「いやー全然そんな事ねーよ。ヒマだったし」

幼「じゃあ、お願いしても良いかな?」

男「おう。全身が入るように撮れば良いのか?」

幼「う、うん。よろしくお願いします」

男「なんだよ、緊張してんのか?って、んな訳ないか、ははは」

幼「あはは、写真を撮られるのはやはり少し緊張はするよ」

男「んじゃ撮るぞー」

幼「う、うん」

男「あい、チーーーズ」
カシャ

男「なぁなぁ、幼」

幼「何かな?どこか変かな?」

男「いや、俺の携帯でも撮って良い?」

幼「え?な、なんで?」

男「いや、可愛いし、待機画面にしよっかなーって……ダメか?」

幼「そそそそんな事は無いようん。どんどん撮ってくれて……良いよ」

男「サンキュー。それじゃ撮るぜー」
カシャカシャ

幼(今、可愛いって言ってくれた……可愛いって……)

男「ほら、幼、何かそれっぽいポーズ取ってみてくれよ」

幼「こ、こうかな?トリック・オア・トリート!」

男「ははは、すっげー可愛いぜ」
カシャカシャ

幼(すっげー可愛いって言ってくれた……ふふ)

幼「ふふ」
カシャッ

男「やっぱ幼は可愛いな。今の笑顔、めっちゃ良い写真撮れたぜ」

幼「なっ!?」

幼「あ、ありがとぅ……」

グゥ~

男「……はは、やっぱクッキーとココアだけじゃ腹ふくらまねーな」

男「腹減ったわー」

幼「!!」

幼「あ、あの…もし良ければ、カボチャのスープはどうかな?」

幼「あと、煮物も……これから作るので良ければ」

男「お?マジ?ありがてぇぜ」

幼「それじゃあ、このカボチャを料理するね」

男「おっと、その前に2人で写真撮ろうぜ?」

幼「!?」

男「ハロウィンだし、昔はよく一緒に撮ってたろ?」

幼「う、うん…」

男「そうだ、俺も仮装を……」

幼「ふふっ、それって仮装かな?」

男「まぁこんな鼻眼鏡しかねぇって訳よ」
スチャ

男「似合ってるだろ?」

幼「ふふふっ、似合ってるよ、男」

男「じゃ、撮ろうぜ」

幼「うん…」

カシャッ

男「この写真も幼友さんに送るのか?」

幼「いや、幼友には最初の数枚を送る事にするよ」

幼(2人の写真は、私だけの……宝物だから)

男「そっか」

幼(はっ!?今、ひょっとしてチャンスなのだろうか?)

幼(ハロウィンという祭りの流れに乗って、こ、告白を……)

幼「す、好き…」

男「あぁ、俺も好きだぜ」

幼「えっ!?」

男「カボチャのスープ。あ、もちろん煮物もな?」

幼「う、うん。美味しく作れるように頑張るよ」

男「おう、手伝う事があるなら言ってくれよな」

幼「ふふ、それじゃあ……」


幼(焦らない……焦らないぞ……)

幼(次こそは……)






深夜 幼友の家

幼友「……これ、明らかに誰かに撮ってもらってるよね?」

幼友「なに、この私が見たことの無い、はにかんだ顔!」

幼友「ご両親じゃないわよね……相手誰なのよーーーっ!!」


おわり

これで終わりです
読んでもらえたら嬉しいです

次スレは
幼馴染「遅いっ!」 男「すまん」
ってタイトルで立てると思います
見かけたら読んでもらえると嬉しいです

では!
ハッピーハロウィン!

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